JP3453947B2 - シャッターの障害物感知装置 - Google Patents

シャッターの障害物感知装置

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JP3453947B2
JP3453947B2 JP24474795A JP24474795A JP3453947B2 JP 3453947 B2 JP3453947 B2 JP 3453947B2 JP 24474795 A JP24474795 A JP 24474795A JP 24474795 A JP24474795 A JP 24474795A JP 3453947 B2 JP3453947 B2 JP 3453947B2
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悦典 嶋村
美匡 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャッターの開口
部に障害物があるときこれを感知してシャッター動作を
制御するシャッターの障害物感知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、シャッターを示す正面図であ
る。開口部40を昇降するシャッター41には、昇降の
途中で障害物を感知したとき、シャッター41を安全制
御させる障害物感知装置42が設けられている。この障
害物感知装置42としては、シャッター41の開閉機4
3に加わった負荷を感知する方式のものが、コスト的に
安価であり多用されている。この方式は、開閉機43の
電流値を感知する方式や、タコジェネレータあるいはエ
ンコーダを用い回転量を検出して、この回転量の低下か
らシャッター41を安全方向、即ち、停止あるいは反転
上昇させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
ャッター41は、スラット41a同士の結合部分にガタ
があるため、シャッター41下端の座板41bが障害物
が当たってからシャッター41上端の開閉機43に負荷
がかかるまでは、このガタ分が詰められた後となるた
め、時間がかかり安全性の向上を望めなかった。
【0004】特に、サイズの小さいシャッター41は、
スラットが軽いため、図7(a)に示すように、シャッ
ターボックス内でたるんだり、図7(b)に示すように
逆巻きを起こしてから開閉機43に負荷が伝わるため、
反転上昇するまでにはさらに時間がかかることとなる。
このとき、シャッター41が破損する恐れもある。そし
て、上記障害物は、特に、開口部40の下端部にてシャ
ッターに接することが多く、この下端部での障害物感知
を正確に行えることが望まれていた。
【0005】ところで、シャッター41自体の下限位置
は、ガイドレールの下端部に設けられたリミットスイッ
チ、近接スイッチ等の検出器で検出することができる
が、この検出器は、シャッター41の下限位置を検出す
ることしかできないから、検出器だけを設けても、前記
障害物があったとき、前記シャッター41に加わる負荷
を感知することはできない。この検出器は、シャッター
41そのものが実際に下限位置に達しているか否かを確
実に判断するための判断入力として有効であるが、配設
することによってガイドレール内を伝って上方の制御部
まで配線しなければならない煩わしさがある。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、特に、開口部の下端位置に障害物があ
ったとき、この障害物を速やかに感知して安全側に制御
できるとともに、ガイドレール下端部に設けられシャッ
ターの下限位置を検出する検出器の配設の有無を任意に
選択でき、いずれであっても同一の制御部を用いて障害
物感知時にシャッターを安全側に制御できるシャッター
の障害物感知装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のシャッターの障害物感知装置は、請求項1
記載のように、複数のスラットにより構成され、開口部
(10)を昇降自在なシャッター(1)と、該シャッタ
ーを開閉駆動する開閉機(2)と、該開閉機が前記シャ
ッターの下限位置に相当する回転量となったときに検出
信号を出力する回転量検出手段(6)と、前記シャッタ
ーの降下中において下限位置に達するまでの間はスイッ
チ回路(7c)をクローズ状態にし、該シャッターが下
限位置に達したとき該スイッチ回路をオープン状態に変
化させる検出器(7a)を有し、前記シャッターの下限
位置を検出したい旨の要求時にのみガイドレール(1
b)の下端部に配設される下限位置検出手段(7)と、
前記下限位置検出手段のスイッチ回路が接続される入力
端子(4c)を有し、該入力端子に前記スイッチ回路が
接続されないときには、前記シャッターが閉動作された
後に前記回転量検出手段の検出信号の入力があるときシ
ャッターが下限位置あるいは障害物感知としてシャッタ
ーをいずれも停止させる第1の制御モードが実行され、
前記入力端子にスイッチ回路が接続されたときには、前
記シャッターが閉動作された後にスイッチ回路がクロー
ズ状態であって、かつ、前記回転量検出手段の検出信号
の入力があるとき障害物感知としてシャッターを反転上
昇させ、また、スイッチ回路がオープンであって、か
つ、前記回転量検出手段の検出信号の入力があると下限
位置としてシャッターを停止させる第2の制御モードが
実行される制御部(4)と、を具備したことを特徴とし
ている。
【0008】上記構成によれば、制御部4は、下限位置
検出手段7が配設されたか否かで第1,第2の制御モー
ドを実行する。下限位置検出手段7の検出器7aが非配
設のときには、シャッター1の実際の下限位置検出はで
きず、制御部4の入力端子4cは常にオープン状態とな
る。このときに実行される第1の制御モードでは、開口
部10の下端部に障害物があるとき、及び回転量検出手
段6において開閉機2の回転が下限位置に相当する回転
量となったとき、のいずれにおいても開閉機2を停止さ
せる制御が行われて双方の状態に安全に対応するように
なっている。障害物があったときであってもスラットの
ガタ分、たるみ等により開閉機2が継続回転するため、
回転量検出手段6による前記検出が行え、この検出は負
荷感知部による負荷感知がされる以前になされるため、
迅速な停止制御が行える。そして、検出器7aを設けな
いことにより、スイッチ回路7cの配線の手間が省ける
シャッター仕様にできる。一方、検出器7aを設けたと
きには、シャッター1の下限位置を検出することができ
るようになるため、第2の制御モードが実行される。こ
の第2の制御モードでは、開口部下端部の障害物があっ
たとき、シャッター1が下限位置に達しないため、制御
部4の入力端子4cがクローズ状態であって、かつ、回
転量検出手段6が下限位置に相当する回転量となること
から障害物を判別できる。この障害物感知時には、開閉
機2を反転上昇させる。また、障害物がなく、シャッタ
ー1が下限位置に達したときには、検出器7aがオープ
ン状態であり、かつ回転量検出手段が下限位置に相当す
る回転量となることから同下限位置であると判別され停
止させる。
【0009】また、請求項2記載のように、前記制御部
(4)は、上記第2の制御モードに相当する実行プログ
ラムに基づく実行処理を行うコントローラ(4a)で構
成され、該コントローラは、前記入力端子(4c)に下
限位置検出手段(7)のスイッチ回路(7c)が接続さ
れ、該スイッチ回路がクローズ状態に変化したとき、前
記第2の制御モードの実行処理を行い、該スイッチ回路
がオープン状態である限り、同オープン状態では前記第
1の制御モードの実行処理を行うよう構成され、前記第
1の制御モードは、第2の制御モードの実行プログラム
中の一部に含まれた構成とすることができる。
【0010】上記第2の制御モードは、第1の制御モー
ドの実行内容を含む構成とされており、検出器7aの配
設の有無でいずれかが実行されるものであるから、制御
部4の構成を変更せずとも、現場やシャッター仕様に応
じて検出器7aの配設の有無を適宜選択すれ対応して第
1,あるいは第2の制御モードが自動的に実行され、後
の変更も容易に行える。
【0011】また、請求項3記載のように、前記回転量
検出手段(6)は、前記開閉機(2)の回転軸(2a)
の回転数を計数し、前記シャッター(1)の下限位置に
相当する計数値が予め設定され、該設定値に達したとき
検出信号を出力する構成にしてもよい。
【0012】さらに、請求項4記載のように、前記下限
位置検出手段(7)は、前記シャッター(1)のガイド
レール(1b)の下端部に設けられた検出器(7a)
が、シャッター下端の座板(1a)を検出する構成にし
てもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のシャッターの障
害物感知装置を示す正面図である。開口部10を昇降す
るシャッター1は、開閉機2の回転で昇降自在であり、
この開閉機2は、操作スイッチ3の操作により制御部4
を介して制御される。
【0014】図2は、制御部4を示すブロック図であ
る。この制御部4は、MPUからなるコントローラ4a
を有し、このコントーラ4aの制御によりシャッター1
の昇降を制御している。この制御部4には、シャッター
1を開閉、停止操作する前記操作スイッチ3、モータ等
の開閉機2が接続され、また、開閉機2の回転状態の変
化は、負荷感知部5で検出されるようになっている。開
閉機2の回転数は、カウンタ等の回転量検出手段6で計
数される。
【0015】一方、シャッター1の下限位置は、下限位
置検出手段7で検出される。この下限位置検出手段7を
配設するかしないかは任意に選択でき、配設時には、下
限位置検出手段7のスイッチ回路(閉回路)7cがコン
トローラ4aの入力端子4cに接続される。そして、こ
の制御部4は、負荷感知部5、回転量検出手段6、下限
位置検出手段7の検出信号に基づき、障害物の有無を判
定し、障害物有りのときにシャッター1を「停止」ある
いは「反転上昇」させる。これら第1,第2の制御モー
ドは、後述するように、下限位置検出手段7の検出器7
aを配設したときに「反転上昇」の第2の制御モードと
なり、検出器7aを配設しないときには、「停止」の第
1の制御モードのみ実行される。
【0016】これら第1,第2の制御モードは、図4に
示すように、第2の制御モードが第1の制御モードの処
理内容を全て含む制御を行うものであり、第1の制御モ
ード時には、第2の制御モードのみにかかる制御内容は
実行されない。即ち、以下の説明では、便宜上、第1,
第2の制御モードに分けて説明するが、実際は、第2の
制御モードに対応する単一の制御プログラムだけで構成
されており、検出器7aが配設されないとき、一部の制
御処理が削除されて実行される形となっている。尚、第
2の制御モードにおける「反転上昇」の制御処理には、
シャッター1の状態に応じて後述するように「反転上昇
及び停止」制御が行われる。
【0017】負荷感知部5は、図3に示すように、開閉
機2の回転状態を検出するものであり、回転軸2aに固
定されたNS極を有する円盤状マグネット5aの回転を
側部のホールIC5bで検出する構成とされ、コントー
ラ4aは、この開閉機2の回転数の低下を受けて所定の
回転数となったとき、開閉機2に負荷が加わったものと
して負荷感知信号を出力する。この負荷感知時には、対
応してON状態の負荷感知信号を出力する。この負荷感
知部5は、他に開閉機2の過負荷時の過電流を感知する
構成としたり、タコジェネレータを用いた回転数低下に
より過負荷を感知する構成とすることもできる。尚、図
中2cは、シャッター1側に連結される減速器を有する
ギヤヘッドである。
【0018】回転量検出手段6は、例えば開閉機2の回
転軸2aに固定されたギヤ6aを介して連結されるカウ
ンタ6bで構成され、このカウンタ6bは、シャッター
1設置時等にシャッター1の下限位置(全閉状態)にて
リセット(カウント0)しておく。カウント0のとき、
ON信号を出力する。この回転量検出手段6のカウント
値により、開閉機2の実際の回転状態が得られる。尚、
回転量検出手段6は、他に、タコジェネレータを用い、
回転パルスを計数するものや、ポテンショメータを用い
出力電圧から回転量を検出する構成としてもよい。した
がって、負荷感知部5と回転量検出手段6は、それぞれ
回転量と、負荷をそれぞれ分離して検出出力できるもの
であれば、構成の一部を共用することもできる。
【0019】下限位置検出手段7は、図1に示すように
ガイドレール1bの下端部より若干上方位置に設けられ
た検出器(近接スイッチ)7aと、シャッター1の座板
1aに設けた検出体(マグネット)7bで構成され、シ
ャッター1が下降し、このシャッター1が実際に下限位
置(全閉状態)に達したことを検出する。この検出器7
aは、ノーマルクローズ接点を用いたとき、シャッター
1が下限位置に達したときスイッチがブレーク状態とな
り、スイッチ回路7cがオープンに変化する。コントロ
ーラ4aは、スイッチ回路7c自体の状態を検出するの
ではなく、このスイッチ回路7cが接続される入力端子
4cがオープンであるかクローズであるかを検出し、オ
ープン状態であればシャッター1が下限位置に達したも
のとする。この検出器7aを設けないとき、制御部4の
入力端子4cは常時オープン(検出器7aのブレーク状
態に相当)となる。
【0020】この下限位置検出手段7は、座板1aの両
端部に設け、両方の検出信号があれば全閉状態とする構
成としてもよい。そして、この下限位置検出手段7を構
成する検出器は、他にガイドレール1bに設けられて、
座板1aに接触する機械式のリミットスイッチで構成し
てもよい。この他、検出器としてはガイドレール1bに
投受光センサを設け、座板1aに検出体である反射材を
設け、光の反射の有無で検出する構成とすることができ
る。また、両ガイドレール1bにそれぞれ検出器として
投光センサ、受光センサを設けて座板1aを検出する構
成とすることもできる。いずれの場合であっても、これ
ら検出器7aを設けるときには、ガイドレール1bの高
さ方向に沿って、この検出器7aから制御部4までの間
の長さでスイッチ回路7cを構成する配線作業が必要と
なる。
【0021】次に、上記構成による動作を説明する。始
めに下限位置検出手段7を配設しないときの動作内容に
ついて説明する。検出器7aを配設しないことにより、
制御部4には、検出器7aからの配線が接続されず、制
御部4の入力端子4cは常時オープンとなる。したがっ
て、制御部4は、入力端子4cに変化がなく、即ち、ク
ローズ状態になることがないから、シャッターを「反転
上昇」させる第2の制御モードは実行されず、障害物感
知時、及び下限位置到達時には、いずれもシャッターを
「停止」させる第1の制御モードが実行される。
【0022】図4は、シャッター1閉動作時における制
御部4の制御内容を示すフローチャートであり、図中点
線の枠で囲った範囲は下限位置検出手段7を配設しない
第1の制御モード設定時の動作内容に相当している。シ
ャッター1は閉動作を開始すると(SP1)、このシャ
ッター1の昇降の全域に渡り入力端子4cはオープン状
態(スイッチ回路がオープン状態に相当)のままであ
り、SP2は-Yesで通過することになる。そして、この
閉動作中に負荷感知部5がON状態の感知信号を出力し
たとき(SP3-Yes)、障害物有りと判別し(SP
4)、停止信号を出力して(SP5)シャッター1を停
止させる。尚、この負荷感知部5による負荷感知信号の
出力は、障害物にあたってからスラットのガタ分、たる
み等がつめられた相当時間経過後に出力されることにな
る。
【0023】負荷感知されず(SP3−No)、また、カ
ウンタ6bがOFF状態のままであるときには(SP6
−No)、SP2に復帰し閉動作を継続するが、カウンタ
6bがON状態となると(SP6-Yes)、シャッター1
が下限位置であると判断して(SP7)、シャッター1
を停止させる(SP8)。
【0024】このSP6におけるカウンタ6bのON状
態は、シャッター1の状態が2通りの場合が考えられ
る。1つは、上記シャッター1が上述したように下限位
置に達したことによるものであり、もう1つは、開口部
の下端部に所定高さの障害物があったときである。そし
て、この第1の制御モードでは、シャッター1が下限位
置に達したとき及び、障害物に接したときのいずれにお
いても「停止」制御がなされる。
【0025】例えば、図1に示すように、障害物がシャ
ッター1の下端部にあるとき、このシャッター1を降下
させても、シャッター1の座板1aがこの障害物に当た
った状態で停止して、これ以下の下限位置へ降下するこ
とができない。しかしながら、シャッター1のスラット
同士間のガタ分やたるみ等で開閉機2が継続して回転す
ることにより、カウンタ6bはON状態となるため、障
害物有りのときにもシャッター1を停止させることがで
きる。
【0026】このように、開口部の下端部では負荷感知
部5による負荷感知の以前に、回転量検出手段6の検出
出力によってシャッター1の障害物感知が行え、シャッ
ター1を直ちに「停止」させることができるようにな
る。これにより、障害物感知時以降は、障害物に対して
シャッターの荷重(負荷)をさらに加えることが防止で
きるようになる。上述したように、下限位置検出手段7
としての検出器7aを配設しないときの第1の制御モー
ド時における障害物感知部5の負荷感知信号の出力及び
回転量検出手段6の検出出力と、対応する制御部4の制
御出力は表1の上段に示されている。
【0027】
【表1】
【0028】次に、下限位置検出手段7を配設したとき
の動作内容について説明する。前述したノーマルクロー
ズ接点の検出器7aを配設することにより、制御部4の
入力端子4cには、スイッチ回路7cの配線が接続さ
れ、制御部4に対してスイッチ回路7cは全閉時以外が
クローズ、全閉時にオープンとなる。また、この検出器
7aを配設することにより、制御部4では障害物感知時
の制御モードは「反転上昇(停止含む)」させる第2の
制御モードが実行される。
【0029】次に、この検出器7a配設時のシャッター
1閉動作時における制御部4の制御内容を図4のフロー
チャートを用いて説明する。検出器7a配設時の第2の
制御モード時には、図4の記載内容全体が制御部4の処
理内容になる。シャッター1は閉動作を開始すると(S
P1)、スイッチ回路7cの状態を判断する(SP
2)。シャッター1が降下している途中位置では、検出
器7aがメーク状態(スイッチ回路7cがクローズ状
態)であり(SP2−No)、この閉途中で負荷感知部5
の負荷感知信号がON状態になると(SP9-Yes)、障
害物有りと判定され(SP10)、制御部4はシャッタ
ー1を「反転上昇」させる(SP11)。尚、この負荷
感知部5による負荷感知信号の出力は、障害物にあたっ
てからスラットのガタ分、たるみ等がつめられた相当時
間経過後に出力されることになる。
【0030】また、閉途中では(全閉位置を除く)負荷
感知部5の負荷感知信号がOFF状態のとき(SP9−
No)、回転量検出手段6のカウンタ6bがOFF状態で
あり(SP12−No)、SP2に戻ってシャッター1の
下降動作が継続される。一方、負荷感知部5の負荷感知
信号がOFF状態であっても(SP9−No)、回転量検
出手段6のカウンタ6bがON状態となると(SP12
-Yes)、障害物有りと判定され(SP10)、制御部4
はシャッター1を「反転上昇」させる(SP11)。
【0031】このSP12の判断は、図1に示すよう
に、開口部の下端部に障害物がありシャッター1が下限
位置まで達しない状態のときに有効となる。即ち、シャ
ッター1を降下させても、シャッター1の座板1aがこ
の障害物に当たった状態で停止して、これ以下の下限位
置へ降下することができない。しかしながら、シャッタ
ー1のスラット同士間のガタ分やたるみ等で開閉機2が
継続して回転することにより、カウンタ6bはON状態
となるため、障害物有りのときにもシャッター1を「反
転上昇」させることができる。
【0032】このように、この制御部4は、負荷感知部
5の負荷感知信号のみによらずとも、開口部の下端部で
の障害物検出が行え、かつ、回転量検出手段6の検出出
力によって障害物検出を負荷感知する以前に迅速に行え
るようになっている。下限位置検出手段7として検出器
7aを配設した第2の制御モード時における、閉動作を
開始してからシャッター1が全閉位置に達するまでの間
の各検出手段5,6,7の検出出力と、制御部4の制御
出力は表1の下段に示されている。
【0033】一方、同様に検出器7aを配設した第2の
制御モード時における、シャッター1が全閉位置に達し
たときの各検出手段5,6,7の検出出力と、制御部4
の制御出力は表1の上段に示されている。この内容を具
体的に説明すると、シャッター1が全閉位置に達すると
検出器7aがメーク状態からブレーク状態に変化し、ス
イッチ回路7cはオープンに変化する(SP2-Yes)。
この後、負荷感知部5が負荷感知信号を出力すると(S
P3-Yes)、障害物有りと判別し(SP4)、停止信号
を出力して(SP5)シャッター1を停止させる。尚、
この負荷感知部5による負荷感知信号の出力は、障害物
にあたってからスラットのガタ分、たるみ等がつめられ
た相当時間経過後に出力されることになる。
【0034】負荷感知されず(SP3−No)、また、カ
ウンタ6bがOFF状態のままであるときには(SP6
−No)、SP2に復帰し閉動作を継続するが、カウンタ
6bがON状態となると(SP6-Yes)、シャッター1
が下限位置であると判断して(SP7)、シャッター1
を停止させる(SP8)。
【0035】このように、検出器7aを設けた場合にお
いて、シャッター1が全閉状態になるまでの期間の処理
内容は、前述した検出器7aを設けないときの処理内容
と同一である(図4中点線枠内の内容)。即ち、下限位
置検出手段7の配設の有無にかかわらず、いずれであっ
ても障害物感知は負荷感知で検出する構成に加えて、回
転量検出手段6の検出信号を用いて行うものであるた
め、負荷感知される相当時間経過する以前に障害物感知
を行える点で共通した構成である。
【0036】さらに、下限位置検出手段7の配設の有無
にかかわらず、制御部4が有する処理内容(実行プログ
ラム等)は、単一のものを用いることができ、検出器7
aの配設濃霧だけの作業で異なる仕様に対応することが
できるようになる。
【0037】このように、下限位置検出手段7を設けな
いシャッター1を設置するときには、検出器7aが不要
でかつ、ガイドレール1bの配線回しが不要となり安価
に構成できる。同時に、ガイドレール1bや幅木等を手
動タイプのシャッターと共用できる。また、開口部下端
部に障害物があったときには、負荷感知する以前にシャ
ッター1の下降を「停止」させることができ、負荷感知
部5のみで障害物感知を行うものに比して迅速に行える
ようになる。
【0038】一方、下限位置検出手段7が設けられたシ
ャッター1を設置するときには、ガイドレール1bの配
線回しが必要になるものの、開口部下端部での障害物感
知を下限位置検出手段7を設けないときに比してより障
害物感知を正確かつ迅速に行えるようになり、また、下
端部での障害物感知時には「反転上昇」させることがで
きるようになる(SP12-Yesの判断処理)。これによ
り、開口部下端部に障害物があったときには、負荷感知
する以前にシャッター1の下降を「反転上昇」させるこ
とができ、障害物感知時以降にこの障害物にシャッター
1の荷重(負荷)が加わることが防止でき、さらに軽減
させることができるようになる。そして、これら異なる
2つの制御モードは、シャッター設置後であっても、検
出器7aを配設するかしないかだけの作業で容易に他方
に変更することができ、このとき、制御部4でモード選
択する等の作業も不要である。
【0039】また、検出器7aをシャッター1の下限位
置より所定高さ上方位置に設けることにより、シャッタ
ー1の下限位置と、開閉機2の下限位置(カウンタ6b
のON)との距離をとることができ、高さを有する障害
物を感知することができるようになる。即ち、障害物が
開口部下端部より所定高さを有しても、検出器7aがブ
レーク状態であり、かつ開閉機2が継続回転しカウンタ
6bがONする状態となれば直ちに障害物感知を行える
ようになる。この距離は、シャッター1のガタ分、たる
み等の範囲内で任意に設定することができる。この距離
の範囲内であれば、負荷感知部5による負荷感知の以前
に障害物感知が行えることになる。
【0040】前記回転量検出手段6は、前記カウンタ6
bに代えて図5に示すポテンショメータ16bを用いて
もよい。このポテンショメータ16bは、減速用ギヤボ
ックス16aを介して開閉機2の回転軸2aに連結され
る。減速用ギヤボックス16aは、開閉機2に連結され
た入力側では、シャッター1の上下限位置の距離(開閉
ストローク)に対応して複数回転され、出力側では、こ
のシャッター1の開閉ストロークに対応して1回転以内
に減速させる構成となっている。
【0041】したがって、ポテンショメータ16bは、
シャッター1の開閉に対応して1回転の範囲で回転し、
回転角度に対応して0〜Vccまでの電圧を連続的に可
変出力する。コントローラ4aには、A/D変換ボード
16cを介してポテンショメータ16bの電圧値に対応
したデジタルの位置信号が出力される。また、回転量検
出手段16は、ポテンショメータ16bに代えてエンコ
ーダを用いる構成としてもよく、出力されるパルスカウ
ントで開閉機2の回転を検出する構成としてもよい。い
ずれにおいても回転量検出手段6が出力する値により、
開閉機2の実際の回転状態が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、シャッターの下限位置
を検出する下限位置検出手段の配設の有無に対応した2
つの制御モードを有した構成であるため、検出器を取付
けた第2の制御モード時には、シャッターの下限位置を
検出できることから、回転量検出手段の検出信号ととも
に、開口部下端部での障害物感知時には反転上昇され、
下限位置に達したときには停止制御を行えるようにな
る。また、検出器を配設しないときにも制御部は、第1
の制御モードを実行しシャッターを安全制御することが
できるようになる。検出器を配設しないときには、シャ
ッターの実際の下限位置検出はできないが、開口部の下
端部に障害物があるとき及び下限位置に達したときには
回転量検出手段の検出信号を受けて停止制御され、安全
を確保できる。検出器を配設するには、ガイドレールに
沿って制御部までの配線が必要であるが、検出器を配設
しない要望があるとき、配設せずとも少なくとも停止制
御が行え安全化は図れることになる。よって、上記2つ
の制御モードは、シャッターの仕様やコスト等によっ
て、適宜選択することができ、設置後においても他方へ
の変更が容易に行える。そして、いずれの制御モードで
あっても、開閉機の負荷感知のみによってシャッター制
御を行うものに比して、特に開口部下端部での障害物感
知を迅速に行えることになるから、シャッター側と障害
物との間で加わる負荷が小さいうちに直ちにシャッター
を安全側に制御でき、互いの損傷を防止できるようにな
る。特に、障害物感知は、開口部の下端部で発生しやす
く、指はさみ等の防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャッターの障害物感知装置の実施の
形態を示す正面図。
【図2】同装置の制御部を示すブロック図。
【図3】負荷感知部及び回転量検出手段を示す図。
【図4】障害物感知動作の処理内容を示すフローチャー
ト。
【図5】回転量検出手段の他の実施の形態を示す図。
【図6】従来のシャッターを示す正面図。
【図7】(a)は、シャッターのたるみを示す図。
(b)は、逆巻き状態を示す図。
【符号の説明】
1…シャッター、1a…座板、1b…ガイドレール、2
…開閉機、3…操作スイッチ、4…制御部、4a…コン
トローラ、4c…入力端子、5…負荷感知部、6…回転
量検出手段、6b…カウンタ、7…下限位置検出手段、
7a…検出器、7b…検出体、7c…スイッチ回路、1
0…開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−14494(JP,U) 実開 平5−10699(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 9/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスラットにより構成され、開口部
    (10)を昇降自在なシャッター(1)と、 該シャッターを開閉駆動する開閉機(2)と、 該開閉機が前記シャッターの下限位置に相当する回転量
    となったときに検出信号を出力する回転量検出手段
    (6)と、 前記シャッターの降下中において下限位置に達するまで
    の間はスイッチ回路(7c)をクローズ状態にし、該シ
    ャッターが下限位置に達したとき該スイッチ回路をオー
    プン状態に変化させる検出器(7a)を有し、前記シャ
    ッターの下限位置を検出したい旨の要求時にのみガイド
    レール(1b)の下端部に配設される下限位置検出手段
    (7)と、 前記下限位置検出手段のスイッチ回路が接続される入力
    端子(4c)を有し、該入力端子に前記スイッチ回路が
    接続されないときには、前記シャッターが閉動作された
    後に前記回転量検出手段の検出信号の入力があるときシ
    ャッターが下限位置あるいは障害物感知としてシャッタ
    ーをいずれも停止させる第1の制御モードが実行され、 前記入力端子にスイッチ回路が接続されたときには、前
    記シャッターが閉動作された後にスイッチ回路がクロー
    ズ状態であって、かつ、前記回転量検出手段の検出信号
    の入力があるとき障害物感知としてシャッターを反転上
    昇させ、また、スイッチ回路がオープンであって、か
    つ、前記回転量検出手段の検出信号の入力があると下限
    位置としてシャッターを停止させる第2の制御モードが
    実行される制御部(4)と、を具備したことを特徴とす
    るシャッターの障害物感知装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部(4)は、上記第2の制御モ
    ードに相当する実行プログラムに基づく実行処理を行う
    コントローラ(4a)で構成され、 該コントローラは、前記入力端子(4c)に下限位置検
    出手段(7)のスイッチ回路(7c)が接続され、該ス
    イッチ回路がクローズ状態に変化したとき、前記第2の
    制御モードの実行処理を行い、該スイッチ回路がオープ
    ン状態である限り、同オープン状態では前記第1の制御
    モードの実行処理を行うよう構成され、 前記第1の制御モードは、第2の制御モードの実行プロ
    グラム中の一部に含まれた構成とされた請求項1記載の
    シャッターの障害物感知装置。
  3. 【請求項3】 前記回転量検出手段(6)は、前記開閉
    機(2)の回転軸(2a)の回転数を計数し、前記シャ
    ッター(1)の下限位置に相当する計数値が予め設定さ
    れ、該設定値に達したとき検出信号を出力する構成であ
    る請求項1記載のシャッターの障害物感知装置。
  4. 【請求項4】 前記下限位置検出手段(7)は、前記シ
    ャッター(1)のガイドレール(1b)の下端部に設け
    られた検出器(7a)が、シャッター下端の座板(1
    a)を検出する構成とされた請求項1記載のシャッター
    の障害物感知装置。
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