JP3453722B2 - 振動子駆動回路 - Google Patents

振動子駆動回路

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JP3453722B2 JP13204994A JP13204994A JP3453722B2 JP 3453722 B2 JP3453722 B2 JP 3453722B2 JP 13204994 A JP13204994 A JP 13204994A JP 13204994 A JP13204994 A JP 13204994A JP 3453722 B2 JP3453722 B2 JP 3453722B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動子駆動回路に関し、
例えば角速度検出装置に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動子を用いて回転角速度を検
出する装置に関する技術が、特開平5−240649号
公報,特開平5−288555号公報,および英国特許
出願公報GB2266149Aに開示されている。
【0003】上記のような回転角速度を検出する装置に
おいては、圧電素子などの振動子をそれの固有振動数と
一致する周波数で振動するように共振点で駆動し、振動
子の駆動用端子の信号と検出用端子の信号との位相差を
測定して角速度を検出するようになっている。
【0004】ところで、振動子の固有振動数は、周囲温
度などの影響によって変動する。従って、温度変化の生
じる環境において一定の周波数で振動子を駆動する場合
には、振動子の振動状態を共振点に維持できない。振動
子の振動状態が共振点からずれると、振動の振幅が変動
したり、位相差と角速度との関係に誤差が生じる。
【0005】そこで例えば英国特許出願公報GB226
6149Aにおいては、PLL(位相同期ル−プ)回路
を用いて、振動子の振動状態を共振点に維持するように
制御している。即ち、振動子の駆動電圧印加端子の信号
と、振動子の帰環電圧取出端子の信号との位相差が90
度になるように、VCO(電圧制御発振器)の発振周波
数を自動的に調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】PLL回路を用いて振
動子の駆動電圧印加端子の信号と、振動子の帰環電圧取
出端子の信号との位相差が90度になるように制御する
ためには、1つの信号の位相を90度ずらして、PLL
回路の位相比較器に印加される2つの信号の位相差を定
常状態で0にする必要がある。
【0007】信号の位相をずらす移相回路は、例えばコ
ンデンサ,抵抗器などで構成される時定数回路によって
構成することができる。しかし、この種の移相回路の位
相シフト量は、周波数に応じて変化する。従って、周囲
温度変化に伴って振動子の駆動周波数が大幅に変動する
と、PLL回路が正しく機能しなくなり、駆動周波数が
振動子の共振周波数から大きくずれることになる。
【0008】また、PLL回路に用いられるVCOは、
一般に様々な高調波を含む三角波などの信号を出力する
ので、VCOの出力信号をそのまま振動子に印加する
と、振動子が角速度の測定に利用するモ−ド以外の様々
な振動モ−ドでも振動するため、検出される信号に含ま
れるノイズが多くなり、測定誤差が増大する。そこで一
般的には、VCOの出力にロ−パスフィルタを接続し、
正弦波に近い波形の信号によって振動子を駆動する。し
かし、ロ−パスフィルタは時定数回路であるため、それ
を通過する信号の位相変化量は、信号の周波数に応じて
変化する。つまり、周囲温度変化に伴って振動子の駆動
周波数が変動すると、ロ−パスフィルタでの位相変化に
よって、PLL回路が正しく機能しなくなり、駆動周波
数が振動子の共振周波数からずれることになる。
【0009】従って本発明は、周囲温度の変動などによ
って振動子の固有振動周波数が変動する場合であって
も、振動子の振動状態が共振状態からずれるのを防止す
るとともに、振動子から検出される信号に含まれるノイ
ズの増大を防止することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の振動子駆動回路は、振動体(2),該振動
体を振動駆動するための振動する駆動信号が供給される
第1の端子(5A,5B) および 該振動体が該振動信
号によって固有振動数で振動する共振状態において
記第1の端子に供給される駆動信号に対してほぼ90度
位相がずれたフィードバック信号が現われる第2の端
(4A,4B) 含む振動子 第1の端子に印加さ
れる信号に基づいてその周波数を4倍に逓倍した信号を
生成する逓倍手段(41,42,43,44); 該逓倍手段が出力する信号に基づいて、前記振動子の第
1の端子に印加される信号と周波数が同一で、位相が実
質上90度ずれた信号を生成する移相手段(45,4
6); 該移相手段が出力する信号と、前記振動子の第2の端子
に現われる信号との位相差に応じた信号を出力する、位
相比較手段(21); 入力電圧に応じた周波数の信号を生成し、該信号を前記
振動子の第1の端子に印加する電圧制御発振手段(2
3);及び前記 位相比較手段が出力する信号に応じた電圧を電圧
制御発振手段の入力に印加する、ル−プフィルタ手段
(22);を備える。
【0011】また請求項2の発明では、前記電圧制御発
振手段(23)の出力と前記振動子の第1の端子との
間,前記振動子の第1の端子と前記逓倍手段(41,4
2,43,44)の入力との間,及び前記振動子の第2
の端子と前記位相比較手段(21)の入力との間に、そ
れぞれロ−パスフィルタ手段(14,13,12)が設
置される。
【0012】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0013】
【作用】本発明においては、位相比較手段(21),ル
−プフィルタ手段(22)及び電圧制御発振手段(2
3)によって構成されるPLL回路が、位相比較手段の
2つの入力端子に印加される信号の位相が一致するよう
に、振動子(10)の第1の端子(5a,5b)に印加
する信号の周波数を自動的に制御する。また振動子の第
2の端子(4a,4b)には、共振状態において、前記
第1の端子の信号に対し約90度位相がずれた信号が現
われる。移相手段(45,46)は、振動子の第1の端
子に印加される信号と周波数が同一で、位相が実質上9
0度ずれた信号を生成する。位相比較手段の2つの入力
には、移相手段の出力信号と、振動子の第2の端子の信
号とが印加される。従って前記PLL回路は、振動子を
共振状態で振動させるような周波数の駆動信号を生成す
る。尚、不要モ−ドの振動成分を最小にするために、振
動子は完全な共振状態で振動させるのが望ましいが、完
全な共振状態から少しずれた周波数で振動させても、ノ
イズである不要モ−ド振動の発生は比較的少なく、実用
上は問題はない。
【0014】本発明では、振動子の第1の端子に印加さ
れる信号に基づいてその周波数を4倍に逓倍した信号を
生成する逓倍手段(41,42,43,44)が設けて
あり、移相手段はこの逓倍手段が出力する信号に基づい
て、振動子の第1の端子に印加される信号に対し位相が
実質上90度ずれた信号を生成する。即ち、周波数を4
倍に逓倍した信号の1周期は、元の信号の1/4周期に
なるので、逓倍後の信号の1周期分だけ、例えばシフト
レジスタを用いて逓倍前の信号をシフトすることによ
り、理論的に位相を90度ずらした信号が得られる。使
用する回路素子の遅延などによって、移相量が90度か
ら少しずれる可能性はあるが、そのずれは僅かである。
例えば温度変化に伴なって振動子の駆動信号の周波数は
変動するが、本発明では、振動子の駆動信号の4倍の周
波数の信号に基づいて移相手段が位相をずらすので、移
相手段の位相シフト量は、周波数とは無関係に常に90
度(理論値)になる。また、逓倍手段は振動子の第1の
端子に印加される信号に基づいてその周波数を4倍に逓
倍した信号を生成するので、前記PLL回路の出力にロ
−パスフィルタが接続された場合でも、このロ−パスフ
ィルタによって生じる位相ずれの影響を受けることな
く、振動子の第1の端子に印加される信号と第2の端子
に現われる信号との位相差を略90度に固定し、共振状
態を維持することができる。
【0015】また請求項2の発明では、前記電圧制御発
振手段(23)の出力と前記振動子の第1の端子との
間,前記振動子の第1の端子と前記逓倍手段(41,4
2,43,44)の入力との間,及び前記振動子の第2
の端子と前記位相比較手段(21)の入力との間に、そ
れぞれロ−パスフィルタ手段(14,13,12)が設
置されるので、各部の信号に含まれる高調波を低減し、
ノイズの影響を抑制することができる。振動子の第1の
端子と逓倍手段(41,42,43,44)の入力との
間,及び振動子の第2の端子と位相比較手段(21)の
入力との間に、それぞれロ−パスフィルタ手段(13,
12)を設けることによって、両者の位相ずれによって
生じる悪影響を相殺することができる。
【0016】
【実施例】一実施例の回転角速度検出装置の構成を図1
に示し、図1の一部のブロックの詳細な構成を図2に示
し、図1に示すセンサ素子10の外観を図3に示す。図
1ではセンサ素子10は、図3の1A−1A線断面を示
している。センサ素子10の円筒状圧電体2はその下端
で、上端が円板でその下面に丸棒状の脚が連続した素子
台1に、固着されている。円筒状圧電体2の外周面の略
上半分は機器ア−スに接続される基準電位電極3で覆わ
れているが、外周面の下半分領域には、45度ピッチ
で、8個の同一形状の電極セグメントが接合されてい
る。図1に示す電気回路接続において、8個の電極セグ
メントの内、第1直径方向D1で相対向する1対の電極
セグメント4aおよび4bがフィ−ドバック電極、第2
直径方向D2で相対向する1対の電極セグメント5aお
よび5bは励振電極、第3直径方向D3で相対向する1
対の電極セグメント6aおよび6bは検出電極である。
この例では、第4直径方向D4で相対向する1対の電極
セグメント7aおよび7bは使用していない。
【0017】発振回路によって生成される交流電圧が、
センサ素子10の励振電極5a,5bに印加され、それ
によって円筒状圧電体2が変形し振動する。また円筒状
圧電体2の振動によってフィ−ドバック電極4a,4b
に現われる信号が、発振回路にフィ−ドバックされる。
フィ−ドバックされる信号を利用して、発振回路は円筒
状圧電体2がそれの共振周波数fmと一致する周波数で
振動するように、出力信号の周波数を自動的に調整す
る。
【0018】発振回路に電源が投入されると、ある電圧
が、励振電極5a,5bと基準電位電極3の間に加わ
り、これにより円筒状圧電体2が第2直径方向D2で広
がる。又は縮小する。この変形によりフィ−ドバック電
極4a,4bと基準電位電極3の間に、ある電圧が発生
する。円筒状圧電体2が共振周波数fmで、第2直径方
向D2に、拡大/縮小振動する時の振動の縮小ピ−クで
の円筒状圧電体2を、図4に誇張して点線2Bで示し、
拡大ピ−クでの円筒状圧電体2を、図4に誇張して二点
鎖線2Aで示す。図4から分かるように、第2直径方向
D2の拡大/縮小は第1直径方向D1の縮小/拡大であ
り、D2方向の縮小ピ−クにD1方向の拡大ピ−クが対
応する。したがってこの例では、円筒状圧電体2は、十
字方向(D1&D2)に振動する。
【0019】上述のように円筒状圧電体2が十字方向
(D1&D2)に振動しているとき(図4の2点鎖線2
A&点線2B)、検出電極6a,6bは、振動の節に位
置するので、それらと基準電位電極3との間に現われる
電圧は低い。理想状態では電圧は現われないが、円筒状
圧電体2の形状が完全円筒ではないのである程度の電圧
は発生する。
【0020】円筒状圧電体2が回転すると、例えば図4
に示すように時計方向に回転すると、この回転と円筒状
圧電体2の振動によりコリオリ力F1〜F4が発生し、
これにより円筒状圧電体2の振動方向(D2)が、例え
ば図4に実線2Cで示すように、第3直径方向D3(又
は第4直径方向D4)にねじれて(回転して)、検出電
極6a,6bに現われる電圧が大きくなると共に、該電
圧(交流)の位相がシフトする。この位相シフト量が、
円筒状圧電体2に加わっている回転角速度に対応する。
従って図1に示す装置には、検出電極6a,6bに現わ
れる信号の位相シフト量を測定する回路が備わってい
る。
【0021】図1を参照して、円筒状圧電体2を励振す
る発振回路について説明する。PLL(位相同期ル−
プ)回路20の2つの入力端子には、それぞれ信号SE
及びSFが印加される。PLL回路20から出力される
信号(三角波)は、分周器18及びロ−パスフィルタ1
4を通り、駆動信号SAとして励振電極5a,5bに印
加される。また駆動信号SAは、ロ−パスフィルタ13
を介してシュミットトリガ付のインバ−タ17に入力さ
れる。インバ−タ17の出力に得られる二値信号SD
は、90度移相回路40を通って信号SEに変換され
る。信号SEは、信号SDに対して位相が90度遅れた
信号である。フィ−ドバック電極4a,4bに現われる
信号は、ロ−パスフィルタ12を通り、シュミットトリ
ガ付のインバ−タ16に入力される。インバ−タ16の
出力に得られる二値信号SFが、PLL回路20の一方
の入力端子に印加される。
【0022】ロ−パスフィルタ12及び14は、入力信
号に含まれる高調波成分を除去し、基本波(円筒状圧電
体2の共振周波数と一致する周波数の正弦波)成分のみ
を抽出するものである。ロ−パスフィルタ13は、ロ−
パスフィルタ12により生じる位相ずれの影響を打ち消
すために設けてある。ロ−パスフィルタ12,13及び
14は、円筒状圧電体2の共振周波数よりも少し高い遮
断周波数を有している。円筒状圧電体2の共振周波数
は、温度の変動などに伴なって多少は変化するが、大き
な変化は生じないので、ロ−パスフィルタ12,13及
び14の遮断周波数は固定されている。
【0023】PLL回路20は、図2に示すように、位
相比較器21,ル−プフィルタ22及びVCO(電圧制
御発振器)23で構成されている。位相比較器21は、
それの2つの入力端子に入力されるパルス信号間の位相
差に応じたパルス幅のパルス信号を出力する。ル−プフ
ィルタ22は、位相比較器21が出力する信号のパルス
幅に応じたアナログ電圧の信号を出力する。この信号が
VCO23に入力される。VCO23は、入力電圧に応
じた周波数の三角波信号を出力する。従って、PLL回
路20は、その2つの入力端子に入力されるパルス信号
間の位相差が零になるように、PLL回路20から出力
される三角波信号の周波数を自動的に調節する。
【0024】90度移相回路40は、図2に示すよう
に、位相比較器41,ル−プフィルタ42,VCO4
3,分周器44,フリップフロップ45及び46で構成
されている。この中で、位相比較器41,ル−プフィル
タ42,VCO43及び分周器44は、逓倍回路を構成
している。PLL回路20の場合と同様に、位相比較器
41は、それの2つの入力端子に入力されるパルス信号
間の位相差に応じたパルス幅のパルス信号を出力する。
ル−プフィルタ42は、位相比較器41が出力する信号
のパルス幅に応じたアナログ電圧の信号を出力する。こ
の信号がVCO43に入力される。VCO43は、入力
電圧に応じた周波数の三角波信号を出力する。VCO4
3の出力信号は、分周器44によって周波数が1/4に
分周されて位相比較器41の一方の入力端子にフィ−ド
バックされる。従って、この逓倍回路では、90度移相
回路40に入力される信号の周波数fに対して4倍の周
波数の信号をVCO43が出力する時に、位相比較器4
1の2つの入力端子に入力されるパルス信号間の位相差
が零になり、ロックされる。即ち、VCO43の出力信
号の周波数は4・fになる。
【0025】VCO43の出力信号は、フリップフロッ
プ45及び46にクロックパルスとして印加される。そ
してフリップフロップ46の出力端子(Q)には、VC
O43の出力信号S43に対してそれの1周期分位相が
遅れ、周期が信号S43の4倍の信号S42が得られ
る。即ち、90度移相回路40の出力信号S42は、入
力信号S41と周波数が同一で、位相が90度遅れたも
のになる。90度移相回路40における移相量は、入力
信号S41の4倍の周波数の1周期分であるため、入力
信号S41の周波数が変動する場合であっても、移相量
は常時90度に維持される。
【0026】再び図1を参照して説明を続ける。円筒状
圧電体2がそれの共振周波数で振動している時には、フ
ィ−ドバック電極4a,4bに現われる信号は、励振電
極5a,5bに印加する信号に対して90度の位相差を
有しているが、信号の周波数が共振周波数からずれる
と、位相差が変化する。PLL回路20の一方の入力端
子には励振電極5a,5bに印加する信号を90度移相
回路40で90度遅らせた信号SEが印加され、PLL
回路20の他方の入力端子には、フィ−ドバック電極4
a,4bに現われる信号から生成した信号SFが印加さ
れるので、円筒状圧電体2がそれの共振周波数で振動し
ている時には、PLL回路20がロック状態になり、振
動周波数は一定であるが、例えば温度変化によって共振
周波数が振動周波数からずれると、PLL回路20の2
つの入力信号の位相がずれるので、そのずれがなくなる
ように、PLL回路20が振動周波数を調節する。従っ
て、円筒状圧電体2は常時それの共振周波数で振動する
ように駆動される。
【0027】ところで、ロ−パスフィルタ12,13及
び14は各々時定数回路であり、入力と出力との間に位
相差が生じる。またこの位相差は、信号の周波数に応じ
て変化する。しかし、ロ−パスフィルタ14によって生
じる位相ずれは、信号SEとSFに共通に影響を及ぼ
す。また、ロ−パスフィルタ12によって生じる位相ず
れの信号SFに対する影響と、ロ−パスフィルタ13に
よって生じる位相ずれの信号SEに対する影響とが略同
一であるため、両者の影響はPLL回路20に対しては
互いに相殺される。即ち、ロ−パスフィルタ12,13
及び14によって生じる位相ずれは、PLL回路20に
実質的に影響を及ぼさないため、振動周波数が変動して
も、円筒状圧電体2は常時共振状態に維持される。
【0028】次に、回転角速度を測定する回路について
説明する。円筒状圧電体2の検出電極6a,6bに現わ
れる信号は、ロ−パスフィルタ11を通り、シュミット
トリガ付のインバ−タ15に印加され、二値信号SGに
変換される。この信号SGがイクスクル−シブオアゲ−
ト51の一方の入力端子に印加される。またイクスクル
−シブオアゲ−ト51の他方の入力端子には、フィ−ド
バック電極4a,4bに現われる信号から生成した信号
SFが印加される。イクスクル−シブオアゲ−ト51の
出力信号SHは、ナンドゲ−ト52の一方の入力端子に
印加される。ナンドゲ−ト52の他方の入力端子には、
逓倍回路30の出力信号SIが印加される。逓倍回路3
0の入力には、分周器56の出力信号が印加される。分
周器56の入力端子には、前記PLL回路20の出力信
号SNが印加される。またこの信号SNは、カウンタ5
5にクロックパルスとして印加される。カウンタ55が
出力するキャリ−信号SJは、カウンタ53のクリア端
子及びラッチ54のクロック端子に印加される。ナンド
ゲ−ト52の出力信号SKは、カウンタ53にクロック
パルス(計数信号)として印加される。カウンタ53の
計数値SLは、ラッチ54の入力端子に印加される。
【0029】この実施例では、分周器18は入力信号に
対して周期が32倍の信号を出力する。また分周器56
は、入力信号に対して周期が31倍の信号を出力する。
また逓倍回路30は、入力信号に対して周波数が102
4倍の信号を出力する。カウンタ55は、992進カウ
ンタである。従って、信号SAの周期及び周波数をそれ
ぞれT及びfとすれば、各信号の周期及び周波数は次の
通りである。
【0030】 SA,SB,SC: T, f SN: T/32, 32f SJ: 31T, f/31 SI: 31T/(32×1024), (32×1024)f/31 信号SA,SB,SC,SD,SE,SF,SG及びS
Hのタイミングの例を図5に示す。信号SAとSBとの
位相差は、PLL回路20の制御によって常時90度に
維持される。信号SB(SF)と信号SC(SG)との
位相差は、円筒状圧電体2に加わる回転角速度に比例し
て変化する。イクスクル−シブオアゲ−ト51が出力す
る信号SHのパルス幅をΔTとすれば、ΔT/Tが、信
号SFと信号SGとの位相差、即ち角速度に比例して変
化する。従って、ΔT/Tを測定すれば、角速度を示す
情報が得られる。
【0031】逓倍回路30は、図2に示すように、位相
比較器31,ル−プフィルタ32,VCO33及び分周
器34で構成されている。逓倍回路30における分周器
34の分周比は1024になっている。従って、逓倍回
路30の出力には、入力信号の1024倍の周波数の信
号が得られる。
【0032】図6に示すように、信号SHは周期T毎に
ΔTだけ高レベルHになる。そして信号SHが高レベル
の期間に、信号SIのパルスが信号SKに現われる。こ
の信号SKのパルス数、即ち角速度に対応するΔT相当
の時間が、カウンタ53によって計数される。カウンタ
53をクリアする信号SJの周期が31Tであるため、
カウンタ53は、31Tの間に、ΔT×31の時間積算
値を計算し、その積算値がラッチ54に保持され信号S
Mとして出力される。
【0033】ところで、図1に示す回路において、分周
器18の分周比と分周器56の分周比とを異なる値に定
めているのには特別な理由がある。即ち、カウンタ53
の計数パルスになる信号SIの周波数を、円筒状圧電体
2の振動周期数(1/T)の整数倍からずらすことによ
って、信号SIの周波数をあまり高くすることなく、測
定精度を高めることができる。
【0034】図1に示す回路において、仮に、分周器5
6の分周比を1/32に変更すると、信号SIの周波数
が1024fになるので、位相差(ΔT/T)を測定す
る場合の分解能が1/1024になり、微妙な角速度の
変化を測定することができない。分解能を高めるため
に、信号SIの周波数を上げると、カウンタ53等の測
定回路を高速で動作する特殊な回路で構成しなければな
らず、非常に高価になってしまう。
【0035】図1に示す実際の回路においては、信号S
Iの周波数が(32×1024)f/31であるため、例えば時間
Tの間のSIのパルス数は32×1024/31個にな
る。デジタル回路においては通常、パルス数の小数点以
下は切り捨て又は切り上げられるため、それが誤差にな
る。しかし図1の回路では、分周器18と分周器56の
分周比がずれているため、時間Tの中でSIのパルスが
現われる位相は、時間とともに少しずつずれることにな
り、ある周期においては時間Tの中で計数されるSIの
パルス数の小数点以下が切り捨てられるが、別のある周
期においては時間Tの中で計数されるSIのパルス数の
小数点以下が切り上げられる。従って、複数周期の中で
計数したパルス数を平均化すれば、誤差が低減される。
【0036】実際には、カウンタ53の計数周期を定め
る信号SJの周期が31Tであるため、ΔTに対する時
間の測定が31回繰り返され、31Tの期間のΔTの積
算値、即ち切り捨てと切り上げの誤差を平滑化した値
が、カウンタ53で計数され、それがラッチ54に保持
される。即ち、31Tの期間のSIのパルス数が32×
1024であるため、位相差(ΔT/T)の測定分解能
は、1/(32×1024)になる。従って、分周器18
と分周器56の分周比を同一にする場合と比べて、分解
能が32倍になる。これにより、信号SJの周波数が低
い場合でも、角速度を高精度で測定しうる。
【0037】例えば、円筒状圧電体2の振動周波数が8
KHzの場合に、0.02度の分解能で位相差を検出す
るためには、一般的な回路では144MHzのクロック
パルスを計数しなければならず、回路の構成が極めて難
しいが、この実施例の場合、クロックパルス(SI)の
周波数を約4.8MHzに下げることができるため、回
路構成が非常に簡単になる。
【0038】尚、上記実施例においては、円筒状圧電体
2を常時共振状態で振動させるために、励振電極5a,
5bの信号とフィ−ドバック電極4a,4bの信号との
位相差が90度になるようにPLL回路20で制御して
いる。しかし実際には、回路定数や振動子の特性のばら
つき等によって、振動子は理論値である90度から多少
ずれた位相差がある時に最大の共振状態になる場合が考
えられる。従って実際には80度〜100度程度の範囲
内で位相差を制御する可能性もある。維持すべき位相差
が90度と異なる場合には、90度移相回路40に、更
に補助的な移相回路を付加することによって対応しう
る。その場合でも、補助的な移相回路の移相量は90度
に比べて充分に小さいので、周波数が変動しても、大き
な位相ずれは生じない。また、振動子の振動周波数は、
それの共振周波数と完全に一致させなくてもよい。振動
周波数を共振周波数と一致させるのが最も好ましいが、
振動周波数が共振周波数の付近にあれば、ある程度ノイ
ズの発生を防ぐことができ、実用上は問題が生じない。
【0039】
【発明の効果】例えば温度変化に伴なって振動子の駆動
信号(SA)の周波数は変動するが、本発明では、振動
子の駆動信号の4倍の周波数の信号(S43)に基づい
て移相手段が位相をずらすので、移相手段の位相シフト
量は、周波数とは無関係に常に実質上90度になる。ま
た、逓倍手段は振動子の第1の端子に印加される信号に
基づいてその周波数を4倍に逓倍した信号を生成するの
で、PLL回路(20)の出力にロ−パスフィルタ(1
4)が接続された場合でも、このロ−パスフィルタによ
って生じる位相ずれの影響を受けることなく、振動子の
第1の端子に印加される信号と第2の端子に現われる信
号との位相差を例えば90度に固定し、共振状態を維持
することができる。
【0040】また請求項2の発明では、電圧制御発振手
段(23)の出力と振動子の第1の端子との間,振動子
の第1の端子と逓倍手段(41,42,43,44)の
入力との間,及び振動子の第2の端子と位相比較手段
(21)の入力との間に、それぞれロ−パスフィルタ手
段(14,13,12)が設置されるので、各部の信号
に含まれる高調波を低減し、ノイズの影響を抑制するこ
とができる。振動子の第1の端子と逓倍手段(41,4
2,43,44)の入力との間,及び振動子の第2の端
子と位相比較手段(21)の入力との間に、それぞれロ
−パスフィルタ手段(13,12)を設けることによっ
て、両者の位相ずれによって生じる悪影響を相殺するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例の回転角速度検出装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】 図1に示す装置の一部のブロックの詳細な構
成を示すブロック図である。
【図3】 センサ素子10の外観と一部の断面を示す正
面図である。
【図4】 円筒状圧電体2の振動状態を示す平面図であ
る。
【図5】 図1の回路各部の信号の例を示すタイムチャ
−トである。
【図6】 図1の回路各部の信号の例を示すタイムチャ
−トである。
【符号の説明】
1:素子台 2:円筒状圧電体 3:基準電位電極 4a,4b:フィ−ド
バック電極 5a,5b:励振電極 6a,6b:検出電極 4a,4b,5a,5b,6a,6b,7a,7b:電
極セグメント 10:センサ素子 12,13,14:ロ
−パスフィルタ 16,17:インバ−タ 18,56:分周器 20:PLL回路 30:逓倍回路 21,31,41:位相比較器 22,32,42:ル
−プフィルタ 23,33,43:VCO(電圧制御発振器) 34,44,56:分周器 40:90度移相回路 45,46:フリップ
フロップ 51:イクスクル−シブオアゲ−ト 52:ナンドゲ−ト 53,55:カウンタ 54:ラッチ SA,SB,SC,SD,SE,SF,SG,SH,S
I,SJ,SK,SL,SM,SN,S41,S42,
S43:信号 特許出願人 アイシン精機株式会社代理人 弁理士
杉 信 興
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−18545(JP,A) 特開 平6−281661(JP,A) 特開 平6−249665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動体,該振動体を振動駆動するための振
    動する駆動信号が供給される第1の端子 および 該振動
    体が該振動信号によって固有振動数で振動する共振状態
    において前記第1の端子に供給される駆動信号に対し
    てほぼ90度位相がずれたフィードバック信号が現われ
    る第2の端 含む振動子 第1の端子に印加され
    る信号に基づいてその周波数を4倍に逓倍した信号を生
    成する逓倍手段; 該逓倍手段が出力する信号に基づいて、前記振動子の第
    1の端子に印加される信号と周波数が同一で、位相が実
    質上90度ずれた信号を生成する移相手段; 該移相手段が出力する信号と、前記振動子の第2の端子
    に現われる信号との位相差に応じた信号を出力する、位
    相比較手段; 入力電圧に応じた周波数の信号を生成し、該信号を前記
    振動子の第1の端子に印加する電圧制御発振手段;及び前記 位相比較手段が出力する信号に応じた電圧を電圧
    制御発振手段の入力に印加する、ル−プフィルタ手段;
    を備える振動子駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記電圧制御発振手段の出力と前記振動
    子の第1の端子との間,前記振動子の第1の端子と前記
    逓倍手段の入力との間,及び前記振動子の第2の端子と
    前記位相比較手段の入力との間に、それぞれロ−パスフ
    ィルタ手段が設置された、前記請求項1記載の振動子駆
    動回路。
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