JP3453655B2 - 触媒装置 - Google Patents
触媒装置Info
- Publication number
- JP3453655B2 JP3453655B2 JP2000152981A JP2000152981A JP3453655B2 JP 3453655 B2 JP3453655 B2 JP 3453655B2 JP 2000152981 A JP2000152981 A JP 2000152981A JP 2000152981 A JP2000152981 A JP 2000152981A JP 3453655 B2 JP3453655 B2 JP 3453655B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- passage
- passages
- catalyst
- converter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/30—Use of alternative fuels, e.g. biofuels
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Exhaust Silencers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジン排ガス
用の触媒装置、とくに天然ガスと液体燃料とを併用する
複式燃料エンジンに好適な触媒装置に関する。
用の触媒装置、とくに天然ガスと液体燃料とを併用する
複式燃料エンジンに好適な触媒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車輌の排ガス規制の強化が求めら
れており、なかでもディーゼルエンジンを搭載したトラ
ック、バス等に対して、排ガスの無害化を実現すること
が強く要望されつつある。こうした要望に応えるため
に、本出願人は、排ガス中の有害成分が少ない天然ガス
を軽油と併用する方式の複式燃料ディーゼルエンジンを
提案している(特許第2657457号公報)。さら
に、先のエンジンにEGRシステムと触媒コンバータを
付加したディーゼルエンジンを提案している(特開平8
−284704号公報)。
れており、なかでもディーゼルエンジンを搭載したトラ
ック、バス等に対して、排ガスの無害化を実現すること
が強く要望されつつある。こうした要望に応えるため
に、本出願人は、排ガス中の有害成分が少ない天然ガス
を軽油と併用する方式の複式燃料ディーゼルエンジンを
提案している(特許第2657457号公報)。さら
に、先のエンジンにEGRシステムと触媒コンバータを
付加したディーゼルエンジンを提案している(特開平8
−284704号公報)。
【0003】上記の触媒コンバータを備えたディーゼル
エンジンによれば、黒煙、NOx、HC、CO等の排出
レベルを低くできるが、問題がない訳ではない。天然ガ
スのみ、あるいは天然ガスを一部含む運転状態におい
て、エンジン負荷が低下すると排ガス温度が低下し、そ
れに伴って触媒自体の温度も下がる。その結果、排ガス
中に含まれるHCやCO濃度が3000〜5000pp
mに達してしまうのである。つまり、HCやCOを確実
に熱分解するには、触媒温度を450℃以上の活性温度
に維持する必要があるが、アイドリング時等の低負荷運
転状態では、触媒温度が450℃未満にまで低下してし
まうのである。
エンジンによれば、黒煙、NOx、HC、CO等の排出
レベルを低くできるが、問題がない訳ではない。天然ガ
スのみ、あるいは天然ガスを一部含む運転状態におい
て、エンジン負荷が低下すると排ガス温度が低下し、そ
れに伴って触媒自体の温度も下がる。その結果、排ガス
中に含まれるHCやCO濃度が3000〜5000pp
mに達してしまうのである。つまり、HCやCOを確実
に熱分解するには、触媒温度を450℃以上の活性温度
に維持する必要があるが、アイドリング時等の低負荷運
転状態では、触媒温度が450℃未満にまで低下してし
まうのである。
【0004】例えば、低負荷運転時に限り、触媒をヒー
ター等で加熱して450℃以上に保温しHCやCOを熱
分解することは不可能ではないが、触媒を加熱するため
の構造が余分に必要となる。そこで、外部加熱を必要と
せずに触媒を450℃以上の活性温度に維持するシステ
ムが提案されている(特願平11−298755号)。
この触媒保温装置(流れ方向可変式触媒装置)はSAE
論文99FL−288に見ることができる。
ター等で加熱して450℃以上に保温しHCやCOを熱
分解することは不可能ではないが、触媒を加熱するため
の構造が余分に必要となる。そこで、外部加熱を必要と
せずに触媒を450℃以上の活性温度に維持するシステ
ムが提案されている(特願平11−298755号)。
この触媒保温装置(流れ方向可変式触媒装置)はSAE
論文99FL−288に見ることができる。
【0005】上記の触媒保温装置の原理図を図8に示し
ている。そこでは、エンジンEの排気通路40の途中に
触媒コンバータ41を接続するが、通路接続のし方に特
徴がある。詳しくは、触媒コンバータ41に連なる一対
のコンバータ通路42・43を切換弁44を介してエン
ジン側の排気通路40に接続し、切換弁44を切り換え
操作することにより、触媒コンバータ41に対する排気
ガスの流入方向を一定時間(2〜10秒)おきに変更で
きるようにしている。図8中、符号45はバイパス通路
であり、排気通路40とバイパス通路45に設けた電磁
弁46・47を同時に切り換えることにより、排ガスの
全てを触媒コンバータ41に通すことなく、バイパス通
路40から排出できる。なお、実際の触媒保温装置にお
いては、上記の切換弁44としてディスク弁を採用して
いる。このディスク弁は、弁体44aと扇形の通口が4
個通設してある弁座体44bとからなり、弁体44aを
90度回動操作することにより、各コンバータ通路42
・43のいずれか一方をエンジン側の排気通路40に接
続する。
ている。そこでは、エンジンEの排気通路40の途中に
触媒コンバータ41を接続するが、通路接続のし方に特
徴がある。詳しくは、触媒コンバータ41に連なる一対
のコンバータ通路42・43を切換弁44を介してエン
ジン側の排気通路40に接続し、切換弁44を切り換え
操作することにより、触媒コンバータ41に対する排気
ガスの流入方向を一定時間(2〜10秒)おきに変更で
きるようにしている。図8中、符号45はバイパス通路
であり、排気通路40とバイパス通路45に設けた電磁
弁46・47を同時に切り換えることにより、排ガスの
全てを触媒コンバータ41に通すことなく、バイパス通
路40から排出できる。なお、実際の触媒保温装置にお
いては、上記の切換弁44としてディスク弁を採用して
いる。このディスク弁は、弁体44aと扇形の通口が4
個通設してある弁座体44bとからなり、弁体44aを
90度回動操作することにより、各コンバータ通路42
・43のいずれか一方をエンジン側の排気通路40に接
続する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の触媒保温装置に
よれば、低負荷運転によって排ガス温度が低下した場合
であっても、触媒の中央部付近の温度を450℃以上の
活性温度に20分以上維持して、その間の排ガス中のH
CやCOの濃度を20ppm未満に抑止できることがベ
ンチテストによって確認されている。問題は、ディスク
弁を用いて排気通路と各コンバータ通路との接続切り換
えを行うので、そのシール性や応答性に問題があり、例
えば切り換え途中にHCやCO等を含む生ガスが下流側
の排気通路へ漏洩する点にある。
よれば、低負荷運転によって排ガス温度が低下した場合
であっても、触媒の中央部付近の温度を450℃以上の
活性温度に20分以上維持して、その間の排ガス中のH
CやCOの濃度を20ppm未満に抑止できることがベ
ンチテストによって確認されている。問題は、ディスク
弁を用いて排気通路と各コンバータ通路との接続切り換
えを行うので、そのシール性や応答性に問題があり、例
えば切り換え途中にHCやCO等を含む生ガスが下流側
の排気通路へ漏洩する点にある。
【0007】詳しくは、ディスク弁においては、弁体と
弁座体とのシール面積が大きいうえ、シール面と直交す
る方向へ弁体を回動操作する必要上、シール面に面圧を
加えてシール性を向上することができない。弁体あるい
はシール体のシール面が摩耗しやすい不利もある。弁体
を90度回動操作するのに時間を要し、応答遅れを生じ
やすい。そのため、ディスク弁を用いた触媒保温装置に
おいては、弁体を切り換える間に、HCやCO等を含む
生ガスが触媒コンバータを通ることなく廃棄通路へ排出
されてしまい、あるいは弁体やシール体の摩耗によっ
て、生ガスが下流側の排気通路へ漏洩してしまう。
弁座体とのシール面積が大きいうえ、シール面と直交す
る方向へ弁体を回動操作する必要上、シール面に面圧を
加えてシール性を向上することができない。弁体あるい
はシール体のシール面が摩耗しやすい不利もある。弁体
を90度回動操作するのに時間を要し、応答遅れを生じ
やすい。そのため、ディスク弁を用いた触媒保温装置に
おいては、弁体を切り換える間に、HCやCO等を含む
生ガスが触媒コンバータを通ることなく廃棄通路へ排出
されてしまい、あるいは弁体やシール体の摩耗によっ
て、生ガスが下流側の排気通路へ漏洩してしまう。
【0008】因みに、5000ppmのHCを含む生ガ
スの一部が上記のような理由で漏れ出すとき、その洩れ
量を3%としても、大気中に放出される排ガス中のHC
濃度は150ppmとなり、その値は無視できないもの
となる。つまり、低負荷運転時のHCやCO濃度の平均
値は左程増加しないものの、ディスク弁を切り換える毎
にHCやCOの濃度が急増する点と、弁体やシール体の
交換等を頻繁に行わない限りは、たとえ触媒低温装置を
用いたとしても、排ガス中のHCやCOの濃度が徐々に
増加する点に改善の余地があった。
スの一部が上記のような理由で漏れ出すとき、その洩れ
量を3%としても、大気中に放出される排ガス中のHC
濃度は150ppmとなり、その値は無視できないもの
となる。つまり、低負荷運転時のHCやCO濃度の平均
値は左程増加しないものの、ディスク弁を切り換える毎
にHCやCOの濃度が急増する点と、弁体やシール体の
交換等を頻繁に行わない限りは、たとえ触媒低温装置を
用いたとしても、排ガス中のHCやCOの濃度が徐々に
増加する点に改善の余地があった。
【0009】この発明の目的は、アイドリング運転時等
の低負荷運転時においても、触媒温度を必要な活性温度
に維持して、排ガス中のHCやCOの濃度を低レベルに
維持できるようにし、これにより低負荷運転状態から高
負荷運転状態にわたる、全ての運転状態において排気ガ
スを確実に浄化できる触媒装置、なかでも天然ガスと液
体燃料とを使用する複式燃料ディーゼルエンジンに好適
な触媒装置を提供することにある。この発明の他の目的
は、排気通路と一対のコンバータ通路との接続状態を切
り換える弁としてポペット弁を採用し、これにより弁切
り換え時の応答遅れを無視できる程度にまで減少し、さ
らに弁体や弁座体のシール面の摩耗を長期にわたって防
止できるようにし、以て、低負荷運転時の排ガス中のH
CやCOの濃度が弁切り換え時に急増し、あるいは経時
的に徐々に増加するのを防止できる触媒装置を提供する
ことにある。
の低負荷運転時においても、触媒温度を必要な活性温度
に維持して、排ガス中のHCやCOの濃度を低レベルに
維持できるようにし、これにより低負荷運転状態から高
負荷運転状態にわたる、全ての運転状態において排気ガ
スを確実に浄化できる触媒装置、なかでも天然ガスと液
体燃料とを使用する複式燃料ディーゼルエンジンに好適
な触媒装置を提供することにある。この発明の他の目的
は、排気通路と一対のコンバータ通路との接続状態を切
り換える弁としてポペット弁を採用し、これにより弁切
り換え時の応答遅れを無視できる程度にまで減少し、さ
らに弁体や弁座体のシール面の摩耗を長期にわたって防
止できるようにし、以て、低負荷運転時の排ガス中のH
CやCOの濃度が弁切り換え時に急増し、あるいは経時
的に徐々に増加するのを防止できる触媒装置を提供する
ことにある。
【0010】この発明の他の目的は、各コンバータ通路
に対応して2個の触媒ユニットを備えており、従って触
媒ユニット部における生ガスの漏洩を確実に阻止できる
触媒装置を提供することにある。この発明の他の目的
は、触媒装置に設けられる切り換え装置をポペット弁を
切換要素にして構成することにより、弁部構造をコンパ
クト化し、併せてその信頼性を向上できるようにし、以
て既存のトラックやバス等の車輌にも容易に、しかも低
コストで付加装備できる触媒装置を提供することにあ
る。
に対応して2個の触媒ユニットを備えており、従って触
媒ユニット部における生ガスの漏洩を確実に阻止できる
触媒装置を提供することにある。この発明の他の目的
は、触媒装置に設けられる切り換え装置をポペット弁を
切換要素にして構成することにより、弁部構造をコンパ
クト化し、併せてその信頼性を向上できるようにし、以
て既存のトラックやバス等の車輌にも容易に、しかも低
コストで付加装備できる触媒装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の触媒装置は、
触媒コンバータ1をガス入口通路とガス出口通路を兼ね
る一対のコンバータ通路5R・5Lを介して排気通路9
に接続する。コンバータ通路5R・5Lと排気通路9と
の間に、排気通路9と各コンバータ通路5R・5Lとの
接続形態を変更して、触媒コンバータ1の内部における
排気ガスの流動方向を正逆に切り換える切換装置2を設
ける。切換装置2は、上流側排気通路15と連通する複
数個の入口通路17R・17Lを開閉する入口ポペット
弁11と、下流側排気通路16と連通する複数個の出口
通路18R・18Lを開閉する出口ポペット弁12と、
両ポペット弁11・12を開閉操作するアクチュエータ
13とを含む。一方の入口通路17Rと出口通路18R
とは、送給口19を介して一方のコンバータ通路5Rに
接続する。他方の入口通路17Lと出口通路18Lとは
別の送給口19を介して他方のコンバータ通路5Lに接
続する。以て、両ポペット弁11・12をアクチュエー
タ13で同時に切り換え操作して、上流側排気通路15
から触媒コンバータ1への排気ガスの供給方向を交互に
逆向きに変更できるようにする。
触媒コンバータ1をガス入口通路とガス出口通路を兼ね
る一対のコンバータ通路5R・5Lを介して排気通路9
に接続する。コンバータ通路5R・5Lと排気通路9と
の間に、排気通路9と各コンバータ通路5R・5Lとの
接続形態を変更して、触媒コンバータ1の内部における
排気ガスの流動方向を正逆に切り換える切換装置2を設
ける。切換装置2は、上流側排気通路15と連通する複
数個の入口通路17R・17Lを開閉する入口ポペット
弁11と、下流側排気通路16と連通する複数個の出口
通路18R・18Lを開閉する出口ポペット弁12と、
両ポペット弁11・12を開閉操作するアクチュエータ
13とを含む。一方の入口通路17Rと出口通路18R
とは、送給口19を介して一方のコンバータ通路5Rに
接続する。他方の入口通路17Lと出口通路18Lとは
別の送給口19を介して他方のコンバータ通路5Lに接
続する。以て、両ポペット弁11・12をアクチュエー
タ13で同時に切り換え操作して、上流側排気通路15
から触媒コンバータ1への排気ガスの供給方向を交互に
逆向きに変更できるようにする。
【0012】上記の触媒コンバータ1は、各コンバータ
通路5R・5Lに連通する状態で設けられた触媒ユニッ
ト3・3と、これらの触媒ユニット3・3どうしを連通
する中間通路体4とで構成する。
通路5R・5Lに連通する状態で設けられた触媒ユニッ
ト3・3と、これらの触媒ユニット3・3どうしを連通
する中間通路体4とで構成する。
【0013】入口通路17R・17Lと出口通路18R
・18Lのそれぞれに、各ポペット弁11・12を受け
止めるための弁座24を設ける。各ポペット弁11・1
2は、対向する弁座24を接合閉止する一対の弁体22
と、両弁体22を同時に支持する一個の弁軸23とで構
成する。
・18Lのそれぞれに、各ポペット弁11・12を受け
止めるための弁座24を設ける。各ポペット弁11・1
2は、対向する弁座24を接合閉止する一対の弁体22
と、両弁体22を同時に支持する一個の弁軸23とで構
成する。
【0014】入口ポペット弁11と出口ポペット弁12
のそれぞれが、両入口通路17R・17Lおよび両出口
通路18R・18Lの開口間のバイパス位置において停
止保持できるように構成する。
のそれぞれが、両入口通路17R・17Lおよび両出口
通路18R・18Lの開口間のバイパス位置において停
止保持できるように構成する。
【0015】一対の弁体22のそれぞれを弁軸23で径
方向へ調心移動可能に軸支する。
方向へ調心移動可能に軸支する。
【0016】天然ガスと液体燃料とを併用する複式燃料
エンジンにおいて、エンジンの運転モードが天然ガスと
液体燃料とを併用して運転する複燃料運転モードである
場合には、両ポペット弁11・12をアクチュエータ1
3で同時に切り換え操作して、上流側排気通路15から
触媒コンバータ1への排気ガスの供給方向を交互に逆向
きに変更する。エンジンの運転モードが、液体燃料のみ
を燃料とする液燃料運転モードにおいては、両ポペット
弁11・12をバイパス位置に停止保持して、上流側排
気通路15と下流側排気通路16とを、両入口通路17
R・17L、および両出口通路18R・18Lを介して
連通させ、排ガスが触媒コンバータ1を通過することな
く下流側排気通路16へ排出されるように、切換装置2
を切り換え操作する。
エンジンにおいて、エンジンの運転モードが天然ガスと
液体燃料とを併用して運転する複燃料運転モードである
場合には、両ポペット弁11・12をアクチュエータ1
3で同時に切り換え操作して、上流側排気通路15から
触媒コンバータ1への排気ガスの供給方向を交互に逆向
きに変更する。エンジンの運転モードが、液体燃料のみ
を燃料とする液燃料運転モードにおいては、両ポペット
弁11・12をバイパス位置に停止保持して、上流側排
気通路15と下流側排気通路16とを、両入口通路17
R・17L、および両出口通路18R・18Lを介して
連通させ、排ガスが触媒コンバータ1を通過することな
く下流側排気通路16へ排出されるように、切換装置2
を切り換え操作する。
【0017】
【発明の作用効果】入口ポペット弁11と、出口ポペッ
ト弁12を切換要素にして、入口通路17R・17Lと
出口通路18R・18Lを各ポペット弁11・12で開
閉することにより、触媒コンバータ1への排気ガスの供
給方向を交互に逆向きに切り換えるので、ディスク弁を
切換要素とする従来の触媒装置に比べて、切換要素の小
形化と軽量化とを実現して、慣性質量を小さくできるう
え、その作動ストロークを小さくできる。これにより、
両ポペット弁11・12の応答速度を向上できる。さら
に弁開閉時に弁体22と弁座24との間で摺動抵抗を生
じる余地がないので、弁体22と弁座24とのシール機
能が経時時に劣化するのを一掃して、常に安定した締切
作用を発揮できる。従って、本発明の触媒装置によれ
ば、切換装置2における弁部のシール不良に基づく生ガ
スの漏洩や、弁切り換え時の応答遅れに伴う生ガスの流
出を解消して、低負荷運転時における触媒温度を必要な
活性温度に維持できる。これにより、低負荷運転時の排
ガス中のHCやCOの濃度が瞬間的に急増し、あるいは
経時的に徐々に増加するのを防止して、高負荷、低負荷
の別なく全ての運転状態において排ガスを浄化できるこ
ととなった。
ト弁12を切換要素にして、入口通路17R・17Lと
出口通路18R・18Lを各ポペット弁11・12で開
閉することにより、触媒コンバータ1への排気ガスの供
給方向を交互に逆向きに切り換えるので、ディスク弁を
切換要素とする従来の触媒装置に比べて、切換要素の小
形化と軽量化とを実現して、慣性質量を小さくできるう
え、その作動ストロークを小さくできる。これにより、
両ポペット弁11・12の応答速度を向上できる。さら
に弁開閉時に弁体22と弁座24との間で摺動抵抗を生
じる余地がないので、弁体22と弁座24とのシール機
能が経時時に劣化するのを一掃して、常に安定した締切
作用を発揮できる。従って、本発明の触媒装置によれ
ば、切換装置2における弁部のシール不良に基づく生ガ
スの漏洩や、弁切り換え時の応答遅れに伴う生ガスの流
出を解消して、低負荷運転時における触媒温度を必要な
活性温度に維持できる。これにより、低負荷運転時の排
ガス中のHCやCOの濃度が瞬間的に急増し、あるいは
経時的に徐々に増加するのを防止して、高負荷、低負荷
の別なく全ての運転状態において排ガスを浄化できるこ
ととなった。
【0018】ポペット弁を切換要素にして切換装置2を
構成するので、弁部構造を簡素化し同時にコンパクト化
できる。さらにディスク弁を切換要素とする場合に比べ
て、シール性や応答度の点で信頼性を向上できる。従っ
て、トラックやバス等の既存の車輌に対して、本発明の
触媒装置を支障なく、しかも低コストで付加装備でき
る。
構成するので、弁部構造を簡素化し同時にコンパクト化
できる。さらにディスク弁を切換要素とする場合に比べ
て、シール性や応答度の点で信頼性を向上できる。従っ
て、トラックやバス等の既存の車輌に対して、本発明の
触媒装置を支障なく、しかも低コストで付加装備でき
る。
【0019】触媒コンバータ1に触媒ユニット3・3を
個々に独立した状態で設け、その一端にコンバータ通路
5R・5Lを設け、他端どうしを中間通路4で接続する
触媒装置によれば、中間通路4を介することなく一方の
触媒ユニット3から他方の触媒ユニット3へ生ガスが漏
洩し、そのまま下流側排気通路16へ放出されるのを確
実に阻止して、触媒コンバータ1の側における生ガスの
漏洩を確実に防止できる点で有利である。
個々に独立した状態で設け、その一端にコンバータ通路
5R・5Lを設け、他端どうしを中間通路4で接続する
触媒装置によれば、中間通路4を介することなく一方の
触媒ユニット3から他方の触媒ユニット3へ生ガスが漏
洩し、そのまま下流側排気通路16へ放出されるのを確
実に阻止して、触媒コンバータ1の側における生ガスの
漏洩を確実に防止できる点で有利である。
【0020】一対の弁体22・22と一個の弁軸23と
で各ポペット弁12を構成した切換装置2によれば、各
弁軸23を切り換え操作することにより、一対の弁体2
2・22を同時に開閉できるので、弁構造を簡素化でき
る。さらに、各弁体22と弁座24とは面圧を付与した
状態で接合閉止できるので、弁閉止時のシール度合を向
上できるうえ、シール面に黒煙等の異物が侵入し、膠着
するのを確実に防止できる。
で各ポペット弁12を構成した切換装置2によれば、各
弁軸23を切り換え操作することにより、一対の弁体2
2・22を同時に開閉できるので、弁構造を簡素化でき
る。さらに、各弁体22と弁座24とは面圧を付与した
状態で接合閉止できるので、弁閉止時のシール度合を向
上できるうえ、シール面に黒煙等の異物が侵入し、膠着
するのを確実に防止できる。
【0021】各ポペット弁11・12を開閉位置の中間
のバイパス位置において停止保持できるようにした切換
装置2においては、触媒コンバータ1における排気ガス
の流動方向を正逆に反転できることに加えて、触媒コン
バータ1で排気ガスを浄化処理する必要がない状況にお
いて、排気ガスを上流側排気通路15からいきなり下流
側排気通路16へ送給できる。つまり、切換装置2とは
別にバイパス通路や電磁弁等を設ける必要がないので、
その分だけエンジンの排気装置を簡素化でき、例えば既
存の車輌等に触媒装置を付加する際の改造の手間とコス
トを減少できる。
のバイパス位置において停止保持できるようにした切換
装置2においては、触媒コンバータ1における排気ガス
の流動方向を正逆に反転できることに加えて、触媒コン
バータ1で排気ガスを浄化処理する必要がない状況にお
いて、排気ガスを上流側排気通路15からいきなり下流
側排気通路16へ送給できる。つまり、切換装置2とは
別にバイパス通路や電磁弁等を設ける必要がないので、
その分だけエンジンの排気装置を簡素化でき、例えば既
存の車輌等に触媒装置を付加する際の改造の手間とコス
トを減少できる。
【0022】弁体22を弁軸23で径方向へ調心変位可
能に軸支する弁構造によれば、弁軸23と弁座24との
中心が正しく一致していない場合にも、弁体22のシー
ル面を弁座24のシール面に密着接合させてシール性を
向上できるので、弁体22や弁座24を高い精度で加工
する必要がないうえ、排気ガスの温度変化に伴う熱変形
の影響も排除できるので、切換装置2の製作に要するコ
ストを減少しながら、その動作の信頼性を向上できる。
能に軸支する弁構造によれば、弁軸23と弁座24との
中心が正しく一致していない場合にも、弁体22のシー
ル面を弁座24のシール面に密着接合させてシール性を
向上できるので、弁体22や弁座24を高い精度で加工
する必要がないうえ、排気ガスの温度変化に伴う熱変形
の影響も排除できるので、切換装置2の製作に要するコ
ストを減少しながら、その動作の信頼性を向上できる。
【0023】
【実施例】図1ないし図6はこの発明に係る触媒装置の
実施例を示す。図2において触媒装置は、触媒コンバー
タ1と、触媒コンバータ1の内部における排気ガスの流
動方向を正逆に切り換えるための切換装置2とからな
る。なお、この発明におけるガス流動方向の正逆とは、
単に一方の状態と他方の状態とのガス流動方向が互いに
逆向きであると言う意味でしかない。
実施例を示す。図2において触媒装置は、触媒コンバー
タ1と、触媒コンバータ1の内部における排気ガスの流
動方向を正逆に切り換えるための切換装置2とからな
る。なお、この発明におけるガス流動方向の正逆とは、
単に一方の状態と他方の状態とのガス流動方向が互いに
逆向きであると言う意味でしかない。
【0024】図3において、触媒コンバータ1は、左右
一対の触媒ユニット3・3と、これらの触媒ユニット3
・3の下面開口どうしを連通する中間通路体4と、各触
媒ユニット3・3の上端から連出されるコンバータ通路
5R・5Lとからなる。触媒ユニット3は円筒状の金属
ケース6の内部に触媒担体7を装填してなる。触媒担体
7は、例えばハニカム状のモノリスに触媒金属を担持さ
せ、あるいはセラミックス等の粒状体に触媒金属を担持
させてユニット化され、その外周面を金属繊維マットで
包被したものであって、金属ケース6に遊動不能に装填
し固定される。中間通路体4は、上面が平坦なボウル状
の中空体からなり、その上面左右の通口4a・4aに先
の金属ケース6を接合することにより、触媒ユニット3
・3どうしを連通している。コンバータ通路5R・5L
は切換装置2を介して排気通路9に接続する。
一対の触媒ユニット3・3と、これらの触媒ユニット3
・3の下面開口どうしを連通する中間通路体4と、各触
媒ユニット3・3の上端から連出されるコンバータ通路
5R・5Lとからなる。触媒ユニット3は円筒状の金属
ケース6の内部に触媒担体7を装填してなる。触媒担体
7は、例えばハニカム状のモノリスに触媒金属を担持さ
せ、あるいはセラミックス等の粒状体に触媒金属を担持
させてユニット化され、その外周面を金属繊維マットで
包被したものであって、金属ケース6に遊動不能に装填
し固定される。中間通路体4は、上面が平坦なボウル状
の中空体からなり、その上面左右の通口4a・4aに先
の金属ケース6を接合することにより、触媒ユニット3
・3どうしを連通している。コンバータ通路5R・5L
は切換装置2を介して排気通路9に接続する。
【0025】図4において切換装置2は、ケース10
と、ケース10内に配置される入口ポペット弁11およ
び出口ポペット弁12と、両ポペット弁11・12を切
り換え操作するアクチュエータ13・13、およびその
制御装置14などで構成する。ケース10の内部には、
上流側排気通路15と下流側排気通路16とが区画して
あり、さらに上流側排気通路15から一対の入口通路1
7R・17Lが左右に分岐され、同様に下流側排気通路
16から一対の出口通路18R・18Lが左右に分岐さ
れている。ケース10の右半側の入口通路17Rと出口
通路18R、および左半側の入口通路17Lと出口通路
18Lとは、それぞれ連通されており、連通部分の下端
に送給口19・19が開口してある。この送給口19・
19に各触媒ユニット3・3を連結して、各コンバータ
通路5R・5Lと送給口19・19とを連通する(図3
参照)。
と、ケース10内に配置される入口ポペット弁11およ
び出口ポペット弁12と、両ポペット弁11・12を切
り換え操作するアクチュエータ13・13、およびその
制御装置14などで構成する。ケース10の内部には、
上流側排気通路15と下流側排気通路16とが区画して
あり、さらに上流側排気通路15から一対の入口通路1
7R・17Lが左右に分岐され、同様に下流側排気通路
16から一対の出口通路18R・18Lが左右に分岐さ
れている。ケース10の右半側の入口通路17Rと出口
通路18R、および左半側の入口通路17Lと出口通路
18Lとは、それぞれ連通されており、連通部分の下端
に送給口19・19が開口してある。この送給口19・
19に各触媒ユニット3・3を連結して、各コンバータ
通路5R・5Lと送給口19・19とを連通する(図3
参照)。
【0026】一対ずつ設けられた入口通路17R・17
Lと、出口通路18R・18Lのそれぞれを択一的に開
閉するために、各通路の入口開口の間に入口ポペット弁
11を設け、出口開口の間に出口ポペット弁12を設け
ている。図4に示すように、入口ポペット弁11は、背
中合わせ状に隣接配置される左右一対の弁体22と、こ
れら弁体22を支持する弁軸23とからなり、一対の弁
体22に対応して、入口開口のそれぞれに弁座24を配
置する。弁軸23は左右の入口通路17・17の側壁に
設けられたガイドボス25で、左右スライド可能に軸支
し、その一端を操作レバー26に連結する。弁体22の
周面はそれぞれ外すぼまりテーパー状に形成し、リング
状の弁座24の内周面も同様のテーパー面で形成する。
Lと、出口通路18R・18Lのそれぞれを択一的に開
閉するために、各通路の入口開口の間に入口ポペット弁
11を設け、出口開口の間に出口ポペット弁12を設け
ている。図4に示すように、入口ポペット弁11は、背
中合わせ状に隣接配置される左右一対の弁体22と、こ
れら弁体22を支持する弁軸23とからなり、一対の弁
体22に対応して、入口開口のそれぞれに弁座24を配
置する。弁軸23は左右の入口通路17・17の側壁に
設けられたガイドボス25で、左右スライド可能に軸支
し、その一端を操作レバー26に連結する。弁体22の
周面はそれぞれ外すぼまりテーパー状に形成し、リング
状の弁座24の内周面も同様のテーパー面で形成する。
【0027】出口ポペット弁12は、入口ポペット弁1
1と同じに構成され、その一対の弁体22に対応して、
出口開口のそれぞれに弁座27を配置する。その弁軸2
3をガイドボス25でスライド可能に軸支する点、さら
に軸の一端を操作レバー26に連結する点も、入口ポペ
ット弁11と同じである。弁体22の周面および弁座2
7の内周面をそれぞれテーパー状に形成する点も同じで
ある。
1と同じに構成され、その一対の弁体22に対応して、
出口開口のそれぞれに弁座27を配置する。その弁軸2
3をガイドボス25でスライド可能に軸支する点、さら
に軸の一端を操作レバー26に連結する点も、入口ポペ
ット弁11と同じである。弁体22の周面および弁座2
7の内周面をそれぞれテーパー状に形成する点も同じで
ある。
【0028】図4に示すように、操作レバー26はその
長手方向中央部が軸28で支持されて、軸28のまわり
に往復揺動でき、揺動する腕部の一方に入口ポペット弁
11の弁軸23と、アクチュエータ13の出力軸が連結
され、他方の腕部に出口ポペット弁12の弁軸23と、
アクチュエータ13の出力軸が連結される。アクチュエ
ータ13としては、ソレノイド、エアシリンダー、油圧
シリンダー等を適用できるが、触媒装置を既存車輌に付
加装備する場合には、作業のしやすさの点でソレノイド
を用いることが好ましい。一対のアクチュエータ13
は、その出力軸が互いに出退逆向きとなるよう駆動され
て、例えば右方の入口通路17Rを閉止するとき、左方
の出口通路18Lを閉止するように駆動される。
長手方向中央部が軸28で支持されて、軸28のまわり
に往復揺動でき、揺動する腕部の一方に入口ポペット弁
11の弁軸23と、アクチュエータ13の出力軸が連結
され、他方の腕部に出口ポペット弁12の弁軸23と、
アクチュエータ13の出力軸が連結される。アクチュエ
ータ13としては、ソレノイド、エアシリンダー、油圧
シリンダー等を適用できるが、触媒装置を既存車輌に付
加装備する場合には、作業のしやすさの点でソレノイド
を用いることが好ましい。一対のアクチュエータ13
は、その出力軸が互いに出退逆向きとなるよう駆動され
て、例えば右方の入口通路17Rを閉止するとき、左方
の出口通路18Lを閉止するように駆動される。
【0029】上記の切換装置2は、地域によって異なる
排気ガスの規制適合や、エンジンの負荷状態の違いに応
じて切り換えて、排気ガスの触媒コンバータ1に対する
送給形態を、複燃料運転モードと、低負荷運転モード
と、軽油運転モード(液燃料運転モード)とに切り換え
る。以下に各モードごとの排気ガスの送給形態を説明す
る。
排気ガスの規制適合や、エンジンの負荷状態の違いに応
じて切り換えて、排気ガスの触媒コンバータ1に対する
送給形態を、複燃料運転モードと、低負荷運転モード
と、軽油運転モード(液燃料運転モード)とに切り換え
る。以下に各モードごとの排気ガスの送給形態を説明す
る。
【0030】(複燃料運転モード)この運転モードは、
排気ガスの排出規制が強化されている地域において、天
然ガスと軽油を併用しながらエンジンを運転し、車輌が
通常状態で連続走行している状況を想定しており、例え
ばエンジンが高回転、高トルク出力状態で運転されてい
る状況のみを想定したものではない。この場合の排気ガ
スは、全量を触媒コンバータ1に送給して浄化処理す
る。そのために、例えば図1または図5に示すように入
口ポペット弁11で一対の入口通路17R・17Lのい
ずれか一方を閉止し、出口ポペット弁12で一対の出口
通路18R・18Lのいずれか一方を閉止して、排気ガ
スを一方の触媒ユニット3から中間通路体4を介して他
方の触媒ユニット3へ流動させた後、下流側排気通路1
6へ排出する。触媒コンバータ1における排気ガスの流
動方向は、時計回りと反時計回りのいずれでもよいが、
例えば数十秒おきにその流行方向を切り換えて、上流側
に位置する触媒担体7の過熱や、触媒被毒による触媒金
属の活性低下を避けることができる。
排気ガスの排出規制が強化されている地域において、天
然ガスと軽油を併用しながらエンジンを運転し、車輌が
通常状態で連続走行している状況を想定しており、例え
ばエンジンが高回転、高トルク出力状態で運転されてい
る状況のみを想定したものではない。この場合の排気ガ
スは、全量を触媒コンバータ1に送給して浄化処理す
る。そのために、例えば図1または図5に示すように入
口ポペット弁11で一対の入口通路17R・17Lのい
ずれか一方を閉止し、出口ポペット弁12で一対の出口
通路18R・18Lのいずれか一方を閉止して、排気ガ
スを一方の触媒ユニット3から中間通路体4を介して他
方の触媒ユニット3へ流動させた後、下流側排気通路1
6へ排出する。触媒コンバータ1における排気ガスの流
動方向は、時計回りと反時計回りのいずれでもよいが、
例えば数十秒おきにその流行方向を切り換えて、上流側
に位置する触媒担体7の過熱や、触媒被毒による触媒金
属の活性低下を避けることができる。
【0031】(低負荷運転浄化モード)それまで連続走
行していた車輌を停止させてエンジンがアイドリング運
転状態へ移行すると、排気ガスの温度が徐々に低下し、
その状態が長びくのに伴って、触媒担体7の温度が触媒
金属の活性を維持するのに必要な活性下限温度(450
℃)より低下してしまう。とくに、アイドリング時に、
下流側に位置する触媒担体7の温度低下は著しい。こう
した触媒担体7の温度降下を防ぎ、アイドリング時にも
排気ガスを確実に浄化処理するために、入口ポペット弁
11と出口ポペット弁12とを同時に逆向きに切り換え
操作して、触媒コンバータ1における排気ガスの流動方
向を、図1に示す状態と図5に示す状態とに正逆交互に
変更する。変更間隔時間は2〜10秒とする。実際に
は、エンジンの回転数信号または排気温度信号と、車輌
の速度信号を制御装置14へ出力し、両信号が所定の条
件を満足した状態で、各アクチュエータ13を同時に駆
動し、両ポペット弁11・12を逆向きに移動操作し
て、入口通路17R・17Lと出口通路18R・18L
とをそれぞれ交互に開閉する。
行していた車輌を停止させてエンジンがアイドリング運
転状態へ移行すると、排気ガスの温度が徐々に低下し、
その状態が長びくのに伴って、触媒担体7の温度が触媒
金属の活性を維持するのに必要な活性下限温度(450
℃)より低下してしまう。とくに、アイドリング時に、
下流側に位置する触媒担体7の温度低下は著しい。こう
した触媒担体7の温度降下を防ぎ、アイドリング時にも
排気ガスを確実に浄化処理するために、入口ポペット弁
11と出口ポペット弁12とを同時に逆向きに切り換え
操作して、触媒コンバータ1における排気ガスの流動方
向を、図1に示す状態と図5に示す状態とに正逆交互に
変更する。変更間隔時間は2〜10秒とする。実際に
は、エンジンの回転数信号または排気温度信号と、車輌
の速度信号を制御装置14へ出力し、両信号が所定の条
件を満足した状態で、各アクチュエータ13を同時に駆
動し、両ポペット弁11・12を逆向きに移動操作し
て、入口通路17R・17Lと出口通路18R・18L
とをそれぞれ交互に開閉する。
【0032】上記のように、低負荷運転時に触媒コンバ
ータ1における排気ガスの流動方向を交互に切り換える
と、触媒担体7の全体温度は徐々に低下する傾向を示す
ものの、そのガス流動方向中央部付近の温度降下は緩や
かでしかなく、活性下限温度より低下するのは、アイド
リング状態に移行してから約20分前後となる。現実に
は、アイドリング運転状態が20分に達することは極め
て稀であり、そうした場合にはエンジン自体を停止すべ
きであるので、実用上支障を来すことはない。このモー
ドは、交通渋滞によって進行と停止を小刻みに行うよう
な状況においても、排気ガスの浄化を適切に行える。
ータ1における排気ガスの流動方向を交互に切り換える
と、触媒担体7の全体温度は徐々に低下する傾向を示す
ものの、そのガス流動方向中央部付近の温度降下は緩や
かでしかなく、活性下限温度より低下するのは、アイド
リング状態に移行してから約20分前後となる。現実に
は、アイドリング運転状態が20分に達することは極め
て稀であり、そうした場合にはエンジン自体を停止すべ
きであるので、実用上支障を来すことはない。このモー
ドは、交通渋滞によって進行と停止を小刻みに行うよう
な状況においても、排気ガスの浄化を適切に行える。
【0033】(軽油運転モード)天然ガスと液体燃料を
併用する複式エンジに適用される触媒装置において、液
体燃料である軽油のみでエンジンが運転される。軽油モ
ードの場合には排気ガス中にサルフェート(硫化酸化
物)が多量に含有される。このサルフェートが多量に含
まれる排気ガスが触媒装置を通過したときには触媒が被
毒し、触媒の機能が大幅に低下する不具合を生じる。こ
の軽油運転モードは天然ガス供給施設のない地域に適用
され、軽油のみでエンジンの運転を行い、排気ガスの流
れは本体を通過せずにバイパスするようにし、触媒の劣
化を防止する。そのために、入口ポペット弁11と出口
ポペット弁12のそれぞれをアクチュエータ13で開放
操作して、図6に示すようにそれぞれの弁体22・22
を対向する弁座24の中央のバイパス位置に位置させ
る。この状態では、両入口通路17R・17L、および
両出口通路18R・18Lのそれぞれが、上流側と下流
側の両排気通路15・16に連通する。そのため、排気
ガスは、上流側の排気通路15から入口通路17R・1
7Lと出口通路18R・18Lを経て、触媒ユニット3
・3を経ることなく下流側排気通路16へと排出され
る。このように、切換装置2を利用して排気ガスを触媒
コンバータ1に対してバイパスすると、専用のバイパス
通路や通路開閉のための電磁弁を省略できるので、その
分だけエンジンの排気構造を簡略化できる。
併用する複式エンジに適用される触媒装置において、液
体燃料である軽油のみでエンジンが運転される。軽油モ
ードの場合には排気ガス中にサルフェート(硫化酸化
物)が多量に含有される。このサルフェートが多量に含
まれる排気ガスが触媒装置を通過したときには触媒が被
毒し、触媒の機能が大幅に低下する不具合を生じる。こ
の軽油運転モードは天然ガス供給施設のない地域に適用
され、軽油のみでエンジンの運転を行い、排気ガスの流
れは本体を通過せずにバイパスするようにし、触媒の劣
化を防止する。そのために、入口ポペット弁11と出口
ポペット弁12のそれぞれをアクチュエータ13で開放
操作して、図6に示すようにそれぞれの弁体22・22
を対向する弁座24の中央のバイパス位置に位置させ
る。この状態では、両入口通路17R・17L、および
両出口通路18R・18Lのそれぞれが、上流側と下流
側の両排気通路15・16に連通する。そのため、排気
ガスは、上流側の排気通路15から入口通路17R・1
7Lと出口通路18R・18Lを経て、触媒ユニット3
・3を経ることなく下流側排気通路16へと排出され
る。このように、切換装置2を利用して排気ガスを触媒
コンバータ1に対してバイパスすると、専用のバイパス
通路や通路開閉のための電磁弁を省略できるので、その
分だけエンジンの排気構造を簡略化できる。
【0034】図7は弁体22の支持構造の変形例であ
る。そこでは、弁座24の中心と弁軸23の軸中心が僅
かにずれているような場合にも、弁体22を弁座24に
密着閉止できるようにした。具体的には、弁体22の軸
穴30の直径値Dを、弁軸23の直径値dより僅かに大
きく設定して、先の芯ずれがある場合に、弁体22が径
方向へ調心移動して芯ずれを吸収できるようにした。必
要があれば、弁体22と弁軸23との間の軸受面を球面
状に形成して、軸心が非平行である場合にも対処できる
ようにすることができる。
る。そこでは、弁座24の中心と弁軸23の軸中心が僅
かにずれているような場合にも、弁体22を弁座24に
密着閉止できるようにした。具体的には、弁体22の軸
穴30の直径値Dを、弁軸23の直径値dより僅かに大
きく設定して、先の芯ずれがある場合に、弁体22が径
方向へ調心移動して芯ずれを吸収できるようにした。必
要があれば、弁体22と弁軸23との間の軸受面を球面
状に形成して、軸心が非平行である場合にも対処できる
ようにすることができる。
【0035】上記の実施例以外に、各ポペット弁11・
12は各入口通路17R・17L、および各出口通路1
8R・18Lごとに個別に設けることができ、この場合
には、一方の入口ポペット弁11と他方の入口ポペット
弁12との開閉タイミングをずらして、あるいは2個の
入口ポペット弁11と2個の出口ポペット弁12の動作
タイミングを調整して、排気ガスの流動方向の切り換え
をさらに好適化することができる。この場合には、アク
チュエータ13を各弁11・12ごとに合計4個用いる
ことができる。触媒コンバータ1はその内部に少なくと
も一個の触媒ユニット3を備えていれば足り、逆に2個
以上の触媒ユニット3を備えていてもよい。
12は各入口通路17R・17L、および各出口通路1
8R・18Lごとに個別に設けることができ、この場合
には、一方の入口ポペット弁11と他方の入口ポペット
弁12との開閉タイミングをずらして、あるいは2個の
入口ポペット弁11と2個の出口ポペット弁12の動作
タイミングを調整して、排気ガスの流動方向の切り換え
をさらに好適化することができる。この場合には、アク
チュエータ13を各弁11・12ごとに合計4個用いる
ことができる。触媒コンバータ1はその内部に少なくと
も一個の触媒ユニット3を備えていれば足り、逆に2個
以上の触媒ユニット3を備えていてもよい。
【図1】触媒装置の原理説明図である。
【図2】触媒装置の外観斜視図である。
【図3】触媒コンバータの縦断正面図である。
【図4】切換装置を示す図3におけるA−A線断面図で
ある。
ある。
【図5】排気ガスの流動方向を図1の状態から逆向きに
切り換えた動作説明図である。
切り換えた動作説明図である。
【図6】排気ガスをバイパス送給する状態の動作説明図
である。
である。
【図7】ポペット弁の変形例を示す断面図である。
【図8】従来の触媒装置の原理説明図である。
1 触媒コンバータ
2 切換装置
3 触媒ユニット
4 中間通路体
5R・5L コンバータ通路
11 入口ポペット弁
12 出口ポペット弁
13 アクチュエータ
15 上流側排気通路
16 下流側排気通路
17R・17L 入口通路
18R・18L 出口通路
22 弁体
23 弁軸
24 弁座
27 弁座
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
F01N 7/08 F01N 7/08 E
F02D 19/06 F02D 19/06 B
F02M 21/02 F02M 21/02 L
R
(73)特許権者 500082595
オールターナティブ フューエル シス
テムズ インコーポレイテッド
Alternative Fuel S
ystems Incorporate
d
カナダ、アルバータ T3C 0M5、
カルガリー、イレブンス アベニュー
エス.ダブリュー.1207、スイート
420
(73)特許権者 000005083
日立金属株式会社
東京都港区芝浦一丁目2番1号
(72)発明者 平岡 俊彦
兵庫県西宮市甲子園三保町5番13号
(72)発明者 石田 明男
大阪府大阪市西区西本町1丁目13番40号
コーンズ・ハウス6階 日本エコス株
式会社内
(72)発明者 ミン チェン
カナダ、アルバータ T3C 0M5、
カルガリー、イレブンス アベニュー
エス.ダブリュー.1207、スイート
420 オールターナティブ フューエル
システムズ インコーポレイテッド内
(56)参考文献 特開 昭51−89023(JP,A)
特開2000−18026(JP,A)
特開 平8−86213(JP,A)
実開 昭50−56814(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F01N 3/20 - 3/28
F01N 7/08
F02D 19/06
F02M 21/02
Claims (6)
- 【請求項1】 触媒コンバータ1がガス入口通路とガス
出口通路を兼ねる一対のコンバータ通路5R・5Lを介
して排気通路9に接続されており、 コンバータ通路5R・5Lと排気通路9との間に、排気
通路9と各コンバータ通路5R・5Lとの接続形態を変
更して、触媒コンバータ1の内部における排気ガスの流
動方向を正逆に切り換える切換装置2が設けてある触媒
装置であって、 切換装置2は、上流側排気通路15と連通する複数個の
入口通路17R・17Lを開閉する入口ポペット弁11
と、下流側排気通路16と連通する複数個の出口通路1
8R・18Lを開閉する出口ポペット弁12と、両ポペ
ット弁11・12を開閉操作するアクチュエータ13と
を含み、 一方の入口通路17Rと出口通路18Rとは、送給口1
9を介して一方のコンバータ通路5Rに接続され、他方
の入口通路17Lと出口通路18Lとは別の送給口19
を介して他方のコンバータ通路5Lに接続されており、 両ポペット弁11・12をアクチュエータ13で同時に
切り換え操作して、上流側排気通路15から触媒コンバ
ータ1への排気ガスの供給方向を交互に逆向きに変更で
きることを特徴とする触媒装置。 - 【請求項2】 触媒コンバータ1が、各コンバータ通路
5R・5Lに連通する状態で設けられた触媒ユニット3
・3と、これらの触媒ユニット3・3どうしを連通する
中間通路体4とで構成してある請求項1記載の触媒装
置。 - 【請求項3】 入口通路17R・17Lと出口通路18
R・18Lのそれぞれに、各ポペット弁11・12を受
け止める弁座24が設けられており、各ポペット弁11
・12が、対向する弁座24を接合閉止する一対の弁体
22と、両弁体22を同時に支持する一個の弁軸23と
を備えている請求項1または2記載の触媒装置。 - 【請求項4】 入口ポペット弁11と出口ポペット弁1
2のそれぞれが、両入口通路17R・17Lおよび両出
口通路18R・18Lの開口間のバイパス位置において
停止保持できるように構成してある請求項1、2または
3記載の触媒装置。 - 【請求項5】 一対の弁体22のそれぞれが弁軸23で
径方向へ調心移動可能に軸支してある請求項1、2、3
または4記載の触媒装置。 - 【請求項6】 天然ガスと液体燃料とを併用する複式燃
料エンジンに適用される触媒装置であって、 エンジンの運転モードが天然ガスと液体燃料とを併用し
て運転する複燃料運転モードにおいては、両ポペット弁
11・12をアクチュエータ13で同時に切り換え操作
して、上流側排気通路15から触媒コンバータ1への排
気ガスの供給方向を交互に逆向きに変更し、 エンジンの運転モードが、液体燃料のみを燃料とする液
燃料運転モードにおいては、両ポペット弁11・12を
バイパス位置に停止保持して、上流側排気通路15と下
流側排気通路16とを、両入口通路17R・17L、お
よび両出口通路18R・18Lを介して連通させ、排ガ
スが触媒コンバータ1を通過することなく下流側排気通
路16へ排出されるように、切換装置2を切り換え操作
することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
載の触媒装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000152981A JP3453655B2 (ja) | 2000-05-24 | 2000-05-24 | 触媒装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000152981A JP3453655B2 (ja) | 2000-05-24 | 2000-05-24 | 触媒装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001336418A JP2001336418A (ja) | 2001-12-07 |
JP3453655B2 true JP3453655B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=18658319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000152981A Expired - Fee Related JP3453655B2 (ja) | 2000-05-24 | 2000-05-24 | 触媒装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3453655B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014016419A1 (de) * | 2014-11-05 | 2016-05-12 | Man Diesel & Turbo Se | Abgaskatalysator |
DK178941B1 (en) * | 2015-11-09 | 2017-06-19 | Man Diesel & Turbo Filial Af Man Diesel & Turbo Se Tyskland | Large two-stroke engine having a valve arrangement |
-
2000
- 2000-05-24 JP JP2000152981A patent/JP3453655B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001336418A (ja) | 2001-12-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6968680B2 (en) | Diesel engine system for use with emission control device | |
EP0953738B1 (en) | Exhaust emission control system of internal combustion engine | |
KR960004832B1 (ko) | 배기가스정화장치 | |
EP2032814A1 (en) | Exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine | |
JP4477718B2 (ja) | 内燃機関用可逆流触媒コンバータ | |
US5634332A (en) | Exhaust gas purification apparatus | |
JP3453655B2 (ja) | 触媒装置 | |
JPH02173312A (ja) | 触媒コンバータ | |
US20080314037A1 (en) | Exhaust Gas Diverter | |
US6820416B2 (en) | Exhaust emission control system for an internal combustion engine | |
JPH03194113A (ja) | エンジンの排気浄化装置 | |
JPH06159045A (ja) | 車両の排気管配設構造 | |
JPH06101461A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JPH0286910A (ja) | アルコール使用内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3218929B2 (ja) | 触媒一体型マフラー | |
JP3496260B2 (ja) | 自動車排気ガス浄化装置 | |
JP3178142B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3373906B2 (ja) | エンジンの排気浄化装置 | |
JPH10252454A (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3668988B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3585724B2 (ja) | 内燃機関の排ガス浄化装置 | |
JP2003239730A (ja) | エンジンの排気ガス浄化装置 | |
EP0677648A2 (en) | Exhaust gas purification apparatus | |
JPH0711940A (ja) | エンジンの排気ガス浄化装置 | |
JPH06117230A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |