JP3585724B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排ガス浄化装置に関し、特に、機関本体からの排ガスを流通させ得る第1排ガス通路と、機関本体からの排ガスを流通させ得る第2排ガス通路と、第1および第2排ガス通路の下流端が共通に接続される共通排ガス通路と、排ガス中のHCを吸着すべく第2排ガス通路の中間部に介装される吸着材と、第1および第2排ガス通路を流通する排ガスを共通に通過させるべく共通排ガス通路に介装される共通触媒と、主として第1排ガス通路に排ガスを流通させる状態ならびに主として第2排ガス通路に排ガスを流通させる状態を切換可能な排ガス切換手段とを備える内燃機関の排ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる排ガス浄化装置は、特開平7−91237号公報で開示されており、このものでは、吸着材の温度が低温度のときには排ガスを主として第2排ガス通路に流し、吸着材により排ガス中のHCを吸着せしめ、共通触媒の温度が高温度となったときには排ガスを主として第1排ガス通路に流し、活性化した共通触媒により排ガス中のHC、CO、NOxを除去するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、機関の始動時には排ガスが吸着材を流通してから共通触媒側に流れるので、吸着材に熱を奪われて比較的低温度となった排ガスが共通触媒側に流れることになり、共通触媒の温度上昇が遅れて触媒が活性化するのに時間がかかってしまう。一方、吸着材は、高温である排ガスとの熱交換により温度上昇が速くなり、HC脱離までの時間が短くなって吸着性能が低下し、共通触媒が活性化するのに必要な時間が稼げなくなり、排ガス浄化が不十分となる可能性がある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、吸着材による吸着性能を向上するとともに速やかに活性化される触媒により十分な浄化性能が得られるようにした内燃機関の排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、機関本体からの排ガスを流通させ得る第1排ガス通路と、機関本体からの排ガスを流通させ得る第2排ガス通路と、第1および第2排ガス通路の下流端が共通に接続される共通排ガス通路と、排ガス中のHCを吸着すべく第2排ガス通路の中間部に介装される吸着材と、第1および第2排ガス通路を流通する排ガスを共通に通過させるべく共通排ガス通路に介装される共通触媒と、主として第1排ガス通路に排ガスを流通させる状態ならびに主として第2排ガス通路に排ガスを流通させる状態を切換可能な排ガス切換手段とを備える内燃機関の排ガス浄化装置において、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換を可能として前記吸着材よりも上流側で第1排ガス通路に介装される第1触媒と、前記吸着材の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器の検出値が前記吸着材の脱離温度よりも低く設定される設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路に排ガスを流通させるが前記温度検出器の検出値が設定温度以上であるときには主として第1排ガス通路に排ガスを流通させるようにして前記排ガス切換手段の作動を制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、吸着材の温度が脱離温度よりも低い設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材に吸着されるが、第2排ガス通路を流通する排ガスの温度は、第1排ガス通路に介装されている第1触媒との熱交換により吸着材に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒は、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、吸着材の温度が設定温度以上となるのに応じて主として第1排ガス通路を排ガスが流通するようにしたときには、活性化温度に達している第1触媒により十分な浄化性能を得ることができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、第2排ガス通路には、第1触媒との間での熱交換を可能とした第2触媒が介装されることを特徴とし、このような構成によれば、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際に少量の排ガスが第2排ガス通路を流通する場合には、活性化温度に達している第2触媒により、第2排ガス通路の排ガスを十分に浄化することができる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記第1および第2触媒は、第1触媒を第2触媒が囲むようにして共通なケーシング内に収納されることを特徴とし、かかる構成によれば、第2触媒から第1触媒への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒からケーシングを介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第1触媒を活性化温度まで速やかに昇温させることが可能となるとともに、排ガスが第2排ガス通路内を吸着材に達するまで流通する間に排ガス温度を効率よく降温せしめ、吸着材の吸着性能をさらに向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1ないし図10は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は内燃機関の排気系の構成を示す図、図2は排気系の一部構成を示す縦断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は触媒コンバータ内のハニカム構造体を示す斜視図、図5は排気動弁装置の平面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は図5の7−7線断面図、図8は図5の8−8線断面図、図9は排ガスが主として第2排ガス通路を流通する状態での図6ないし図8の9−9線断面図、図10は制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【0011】
先ず図1において、多気筒たとえば4気筒内燃機関の機関本体Eを構成するシリンダヘッド21には、各気筒に個別に対応した4つの燃焼室22…が並列して形成されており、それらの燃焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の吸気ポート23,23…と、各燃焼室22…にそれぞれ1つずつ通じ得る4つの第1排気ポート241 …と、各燃焼室22…にそれぞれ1つずつ通じ得る4つの第2排気ポート242 …とがシリンダヘッド21に設けられる。
【0012】
4つの第1排気ポート241 …は第1排ガス通路251 に接続され、4つの第2排気ポート242 …は第2排ガス通路261 に接続され、第1および第2排ガス通路251 ,261 の下流端は共通排ガス通路27に共通に接続される。
【0013】
図2および図3において、第1排気ポート241 …には第1排気マニホールド281 が接続され、第2排気ポート242 …には第2排気マニホールド282 が接続される。第1排気マニホールド281 は、第2排気マニホールド282 内に配置されるものであり、両排気マニホールド281 ,282 の上流端に共通に設けられるフランジ29がシリンダヘッド21に締結される。
【0014】
第2排気マニホールド282 の下流端は、シリンダヘッド21に近接した位置に配置される触媒コンバータ301 におけるケーシング311 の上流側開口端に接続される。図4で示すように、ケーシング311 の主要部を構成する円筒状のケーシング主体31a内には、軸線方向に延びる複数の通気孔32…を有するハニカム構造体33がケーシング主体31aの内面との間にも軸線方向に延びる複数の通気孔32…を形成して収納、固定されており、ハニカム構造体33は、金属平板および金属波板を重ね合わせて螺旋状に巻くことにより構成される。而して各通気孔32…の内面に三元触媒の触媒層が焼成処理により担持される。
【0015】
第1排気マニホールド281 の下流端には、ハニカム構造体33側に向かうにつれて大径となるテーパ管状の接続管部34が一体に設けられており、該接続管部34の下流端すなわち開口端は、触媒コンバータ301 内でハニカム構造体33の一端に近接、対向される。
【0016】
触媒コンバータ301 におけるケーシング311 の下流側開口端には、第2排気管352 の上流端が接続され、この第2排気管352 の上流側部分内に上流部が同軸に配置される第1排気管351 の上流端には、ハニカム構造体33側に向かうにつれて大径となるテーパ管状の接続管部36が一体に設けられ、該接続管部36の上流端すなわち大径端は、触媒コンバータ301 内でハニカム構造体33の他端に近接、対向される。
【0017】
第1排気管351 の下流側は、第2排気管352 の中間部を気密に貫通して外部に延出されるものであり、第1排気管351 の貫通部分よりも下流側で第2排気管352 に吸着トラッパ37が介設され、該吸着トラッパ37は車両の床下に配置される。この吸着トラッパ37内には、排ガス中のHCを吸着する吸着材38が充填されており、第1および第2排気管351 ,352 の下流端は、共通排ガス通路27を形成する共通排ガス管39の上流端に共通に接続される。
【0018】
ところで、4つの第1排気ポート241 …に接続される第1排ガス通路251 は、第1排気マニホールド281 内と、触媒コンバータ301 内における複数の通気孔32…のうち両接続管部34,36で規定される部分すなわちハニカム構造体33の中央部に配置される各通気孔32…と、第1排気管351 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ301 内の三元触媒のうち中央部の円形部分が、第1排ガス通路251 に介装される第1触媒411 として機能する。
【0019】
また4つの第2排気ポート242 …に接続される第2排ガス通路261 は、第1排気マニホールド281 および第2排気マニホールド282 間と、触媒コンバータ301 内における複数の通気孔32…のうち両接続管部34,36の外方側として規定される部分すなわちハニカム構造体33の外周側の部分に配置される各通気孔32…と、第1および第2排気管351 ,352 間と、第2排気管352 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ301 内の三元触媒のうち外周側の環状部分が、第2排ガス通路261 に介装される第2触媒421 として機能する。而して、第2排ガス通路261 には、第2触媒421 と、第2触媒421 よりも下流側の吸着材38とが介装されることになる。
【0020】
共通排ガス管39の中間部には、車両の床下に配置される触媒コンバータ44が設けられており、該触媒コンバータ44内には、第1および第2排ガス通路251 ,261 からの排ガスを共通に流通させる三元触媒が共通触媒43として内蔵されている。
【0021】
ところで、シリンダヘッド21には、開弁時に燃焼室22…の排ガスを第1排気ポート241 …から排出させる第1排気弁451 …と、開弁時に燃焼室22…の排ガスを第2排気ポート242 …から排出させる第2排気弁452 …とが、各気筒でそれぞれ対をなすようにして設けられる。
【0022】
図5ないし図8を併せて参照して、第1および第2排気弁451 ,452 を開閉駆動する排気動弁装置46は、図示しないクランク軸から1/2の減速比で回転駆動されるカム軸471 と、該カム軸471 と平行な軸線を有するロッカ軸48と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第1従動ロッカアーム491 と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第2従動ロッカアーム492 と、両従動ロッカアーム491 ,492 間に挟まれるようにしてロッカ軸48に揺動可能に支持される単一の駆動ロッカアーム50とを備える。
【0023】
カム軸471 には、第1および第2従動ロッカアーム491 ,492 の上面に摺接する第1および第2休止カム511 ,512 と、駆動ロッカアーム50の上面に摺接する作動カム52とが設けられる。一方、第1および第2従動ロッカアーム491 ,492 は、弁ばね531 ,532 でそれぞれ閉弁方向に付勢されている第1および第2排気弁451 ,452 の上端を、先端部で開弁方向に押圧し得るように配置される。また駆動ロッカアーム50は、シリンダヘッド21との間に設けられているばね54により作動カム52に摺接する方向に付勢されている。
【0024】
ところで、上記第1および第2休止カム511 ,512 は、基本的にはカム軸471 の回転中心を中心とする円形に形成されるものであるが、作動カム52の高位部52aに対応する部分、すなわち排気弁451 ,452 の開弁時期に対応する部分で両休止カム511 ,512 には、カム軸471 の半径方向外方にわずかに隆起した隆起部551 ,552 が設けられる。
【0025】
第1従動ロッカアーム491 および駆動ロッカアーム50間には、第1従動ロッカアーム491 を駆動ロッカアーム50に連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な第1連結切換機構561 が設けられ、第2従動ロッカアーム492 および駆動ロッカアーム50間には、第2従動ロッカアーム492 を駆動ロッカアーム50に連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な第2連結切換機構562 が設けられる。
【0026】
図9を併せて参照して、第1連結切換機構561 は、第1従動ロッカアーム491 および駆動ロッカアーム50間を連結可能な第1連結ピン571 と、第1連結ピン571 に連接されて第1従動ロッカアーム491 に摺動可能に嵌合される第1摺動部材581 と、第1摺動部材581 および第1従動ロッカアーム491 間に設けられる第1戻しばね591 とを備える。
【0027】
駆動ロッカアーム50には、第1従動ロッカアーム491 側に開放した有底の第1摺動孔601 が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、第1連結ピン571 は、その一端と駆動ロッカアーム50との間に第1油圧室611 を形成して第1摺動孔601 に摺動可能に嵌合される。しかも第1連結ピン571 の軸線方向長さは、第1連結ピン571 が第1油圧室611 側への移動端に在るときに、第1連結ピン571 の他端が駆動ロッカアーム50および第1従動ロッカアーム491 の対向面間に在るように設定される。
【0028】
第1従動ロッカアーム491 には、第1連結ピン571 の他端部を嵌合させ得るようにして駆動ロッカアーム50側を開放した有底の第1嵌合孔621 が、ロッカ軸48と平行に設けられており、第1連結ピン571 の他端に連接される円盤状の第1摺動部材581 が、第1従動ロッカアーム491 との間に第1ばね室631 を形成するようにして第1嵌合孔621 に摺動可能に嵌合される。しかも第1嵌合孔621 の閉塞端には、第1ばね室631 を外部に開放する第1開放孔641 が設けられる。
【0029】
第1戻しばね591 は、第1摺動部材581 と第1嵌合孔621 の閉塞端との間に設けられるようにして第1ばね室631 に収納されており、第1摺動部材581 は、第1戻しばね591 のばね力により第1連結ピン571 に当接するようにばね付勢されている。
【0030】
このような第1連結切換機構561 によれば、第1油圧室611 の油圧が低圧であるときには、第1連結ピン571 および第1摺動部材581 は、第1戻しばね591 のばね力により第1油圧室611 側の移動端まで移動しており、この状態で第1連結ピン571 および第1摺動部材581 の当接面は、駆動ロッカアーム50および第1従動ロッカアーム491 の対向面間に在り、第1従動ロッカアーム491 の駆動ロッカアーム50への連結は解除されている。また第1油圧室611 に高油圧を作用せしめると、第1連結ピン571 の他端部は第1戻しばね591 のばね力に抗して第1摺動部材581 を押圧しつつ第1嵌合孔621 に嵌合し、第1従動ロッカアーム491 が駆動ロッカアーム50に連結される。
【0031】
而して第1連結切換機構561 が連結解除状態となったときには、第1排気弁451 に連結された第1従動ロッカアーム491 は、第1休止カム511 に従動することになり、第1排気弁451 は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また第1連結切換機構561 が連結状態となったときには、第1排気弁451 に連結された第1従動ロッカアーム491 は、作動カム52に従動する駆動ロッカアーム50と一体に揺動することになり、第1排気弁451 は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0032】
第2連結切換機構562 は、第2従動ロッカアーム492 および駆動ロッカアーム50間を連結可能な第2連結ピン572 と、第2連結ピン572 に連接されて第2従動ロッカアーム492 に摺動可能に嵌合される第2摺動部材582 と、第2連結ピン572 および駆動ロッカアーム50間に設けられる第2戻しばね592 とを備える。
【0033】
駆動ロッカアーム50には、第2従動ロッカアーム492 側に開放した有底の第2摺動孔602 が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、第2連結ピン572 は、その一端と駆動ロッカアーム50との間に第2ばね室632 を形成して第2摺動孔601 に摺動可能に嵌合される。しかも第2連結ピン572 の軸線方向長さは、第2連結ピン572 が第2ばね室632 側への移動端に在るときに、第2連結ピン572 の他端が駆動ロッカアーム50および第2従動ロッカアーム492 の対向面間に在るように設定される。
【0034】
第2従動ロッカアーム492 には、第2連結ピン572 の他端部を嵌合させ得るようにして駆動ロッカアーム50側を開放した有底の第2嵌合孔622 が、ロッカ軸48と平行に設けられており、第2連結ピン572 の他端に連接される円盤状の第2摺動部材582 が第2嵌合孔622 に摺動可能に嵌合され、第2従動ロッカアーム492 および第2摺動部材582 間には、第2摺動部材582 の他端を臨ませる第2油圧室612 が形成される。
【0035】
第2戻しばね592 は、第2連結ピン572 と第2摺動孔602 の閉塞端との間に設けられるようにして第2ばね室632 に収納されており、駆動ロッカアーム50には、第2ばね室632 を外部に開放する開放孔642 が設けられる。而して第2連結ピン572 は、第2戻しばね592 のばね力により第2摺動部材582 に当接するようにばね付勢されている。
【0036】
このような第2連結切換機構562 によれば、第2油圧室612 の油圧が低圧であるときには、第2連結ピン572 および第2摺動部材582 は、第2戻しばね592 のばね力により第2油圧室612 側の移動端まで移動しており、この状態で第2連結ピン572 は、第2摺動部材582 を押込むようにして第2従動ロッカアーム492 の第2嵌合孔622 に嵌合しており、第2従動ロッカアーム492 が駆動ロッカアーム50に連結されている。また第2油圧室612 に高油圧を作用せしめると、第2摺動部材582 は、第2連結ピン572 および第2摺動部材582 の当接面が駆動ロッカアーム50および第2従動ロッカアーム492 の対向面間に位置するまで、第2戻しばね592 のばね力に抗して第2連結ピン572 を押圧し、第2従動ロッカアーム492 の駆動ロッカアーム50への連結が解除される。
【0037】
而して第2連結切換機構562 が連結解除状態となったときには、第2排気弁452 に連結された第2従動ロッカアーム492 は、第2休止カム512 に従動することになり、第2排気弁452 は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また第2連結切換機構562 が連結状態となったときには、第2排気弁452 に連結された第2従動ロッカアーム492 は、作動カム52に従動する駆動ロッカアーム50と一体に揺動することになり、第2排気弁452 は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0038】
ロッカ軸48には、相互に独立した第1および第2油路651 ,652 が形成されており、駆動ロッカアーム50には、第1油路651 を第1油圧室611 に連通せしめる第1連通路661 が設けられ、第2従動ロッカアーム492 には、第2油路652 を第2油圧室612 に連通せしめる第2連通路662 が設けられる。
【0039】
第1および第2油路651 ,652 は油圧制御手段67に接続されており、該油圧制御手段67は、油圧源68の油圧を制御して両油路651 ,652 に供給可能に構成される。而して第1連結切換機構561 ,562 、第1および第2油路651 ,652 、油圧制御手段67および油圧源68は、排ガス切換手段701 を構成するものであり、該排ガス切換手段701 は、主として第1排ガス通路251 に排ガスを流通させる状態、主として第2排ガス通路261 に排ガスを流通させる状態、ならびに第1および第2排ガス通路251 ,261 にともに排ガスを流通させる状態を切換可能である。
【0040】
すなわち排ガス切換手段701 において、第1および第2油路651 ,652 の油圧を低油圧とすると、第1連結切換機構561 が連結解除状態となっているのに対して第2連結切換機構562 は連結状態となっており、第2排気弁452 が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第1排気弁451 は第1休止カム511 により第2排気弁452 の開弁時にわずかに開弁するだけであり、各気筒の燃焼室22…からの排ガスは主として第2排ガス通路261 を流通することになる。また第1および第2油路651 ,652 の油圧を高油圧とすると、第1連結切換機構561 が連結状態となるのに対して第2連結切換機構562 は連結解除状態となり、第1排気弁451 が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第2排気弁452 は第2休止カム512 により第1排気弁451 の開弁時にわずかに開弁するだけであり、各気筒の燃焼室22…からの排ガスは主として第1排ガス通路251 を流通することになる。さらに第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧にすると、第1および第2連結切換機構561 ,562 がともに連結状態となり、第1および第2排気弁451 ,452 がともに作動カム52により開閉駆動され、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1および第2排ガス通路251 ,261 をそれぞれ流通することになる。
【0041】
このような排ガス切換手段701 の切換作動、すなわち油圧制御手段67の油圧制御作動は、制御手段71により制御されるものであり、該制御手段71には、吸着材38の温度を検出すべく吸着トラッパ37に取付けられた温度検出器72の検出値、ならびに共通触媒43の温度を検出すべく触媒コンバータ44に取付けられた温度検出器73の検出値が入力される。而して制御手段71は、両温度検出器72,73の検出温度に基づいて、図10で示す手順に従って排ガス切換手段701 の排ガス切換を制御する。
【0042】
図10において、ステップS1では、温度検出器73の検出値、すなわち共通触媒43の温度TCを読込み、ステップS2で、その触媒温度TCが第1設定温度TS1以上であるか否かを判断する。この第1設定温度TS1は、触媒の活性化温度であり、たとえば300℃である。
【0043】
ステップS2においてTC<TS1であると判断したときには、ステップS3において、温度検出器72の検出値、すなわち吸着材38の温度TAを読込み、ステップS4で、その吸着材温度TAが第2設定温度TS2以上であるか否かを判断する。この第2設定温度TS2は、吸着材38の脱離温度である140℃よりも低く設定されるものであり、たとえば100℃である。
【0044】
ステップS4においてTA<TS2であると判断したときには、ステップS5で第1排気弁451 の作動をほぼ休止するとともに第2排気弁452 を開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を低油圧として、第1連結切換機構561 を連結解除状態とするとともに第2連結切換機構562 を連結状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが主として第2排ガス通路261 を流通するようにする。
【0045】
またステップS4においてTA≧TS2であると判断したときには、ステップS6で第2排気弁452 の作動をほぼ休止するとともに第1排気弁451 を開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を高油圧として、第1連結切換機構561 を連結状態とするとともに第2連結切換機構562 を連結解除状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが主として第1排ガス通路251 を流通するようにする。
【0046】
さらにステップS2においてTC≧TS1であると判断したときには、ステップS7で両排気弁451 ,452 をともに開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧にして、両連結切換機構561 ,562 をともに連結状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1および第2排ガス通路251 ,261 をそれぞれ流通するようにする。
【0047】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときには主として第2排ガス通路261 を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材38に吸着されるので、機関始動時に未燃のHCが排出されることはない。しかも第2排ガス通路261 において、吸着材38よりも上流側には、第2触媒421 が介設されており、この第2触媒421 は、第1排ガス通路251 の途中に介設される第1触媒411 を囲むようにして触媒コンバータ301 内に設けられており、両触媒411 ,412 は、金属材料すなわち熱伝導率が高い材料から成るハニカム構造体33に担持されている。したがって第2触媒421 から第1触媒411 への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒421 から触媒コンバータ301 のケーシング311 を介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第2排ガス通路261 を流通する排ガスの温度は、吸着材38に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒411 は、第2排ガス通路261 を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、第1排ガス通路251 を流通する少量の排ガスは、機関の始動後に比較的短時間の間に活性化温度に達する第1触媒411 により浄化されることになる。
【0048】
吸着材38の温度TAが第2設定温度TS2以上となると、主として第1排ガス通路251 を排ガスが流通するようになり、第1排ガス通路251 を流通する排ガスは、活性化温度に達している第1触媒411 により十分な浄化性能を得ることができる。また第2排ガス通路261 を流通する少量の排ガスは、活性化温度に達している第2触媒421 により、十分に浄化されることになる。
【0049】
共通触媒43の温度TCが活性化温度である第1設定温度TS1以上となったときには、第1および第2排気弁451 ,452 がともに開閉作動することになり、両排ガス通路251 ,261 をともに排ガスが流通する。したがって、排ガスは、活性化温度に達している第1および第2触媒411 ,421 ならびに共通排ガス通路27の共通触媒43で十分に浄化されることになる。また第2排ガス通路261 の吸着材38は、第2排ガス通路261 を流通する排ガスによって脱離温度以上に昇温することになるが、吸着材38から脱離したHCは、共通触媒43で浄化される。
【0050】
上記第1実施例では、各気筒の第1および第2排気弁451 ,452 のうち第1排気弁451 を実質的に閉弁休止することにより主として第2排ガス通路252 を排ガスが流通するようにし、第2排気弁452 を実質的に閉弁休止することにより主として第1排ガス通路251 を排ガスが流通するようにしたが、吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときに、第1排ガス通路251 を流通する排ガスが、第1触媒411 および共通触媒43で十分に浄化される程度の量であれば、第1および第2排気弁451 ,452 の実質的な閉弁休止を切換えるものではなくても、第1および第2排ガス通路451 ,452 を流通する排ガス量に差があるものであってもよい。
【0051】
図11は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0052】
第2排ガス通路261 において、吸着材38と、第2排ガス通路261 の共通排ガス通路27への接続部との間には、エアポンプ74から送出される二次空気が、空気制御手段75により供給量を制御されて供給される。
【0053】
この第2実施例によれば、吸着材38からのHCの脱離時に吸着材38の下流側に二次空気を供給することにより、HCを燃焼せしめるのに十分な空気を供給して、浄化性能をより一層向上することができる。
【0054】
図12は本発明の第3実施例を示すものであり、共通排ガス通路27に設けられている触媒コンバータ44内に、共通触媒43の上流側に位置するようにして電気加熱ヒータ76が内蔵される。この電気加熱ヒータ76により、共通触媒43が加熱されることにより、共通触媒43が活性化温度に達するまでの時間が短縮されることになる。
【0055】
図13ないし図18は本発明の第4実施例を示すものであり、図13は内燃機関の排気系の構成を示す図、図14は排気系の一部構成を示す縦断面図、図15は排気動弁装置の平面図、図16は図15の16−16線断面図、図17は図16の17−17線断面図、図18は制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【0056】
先ず図13において、機関本体Eを構成するシリンダヘッド21には、第1ないし第4気筒の燃焼室22…が並列して形成されており、各気筒の焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の吸気ポート23,23…と、各燃焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の排気ポート24,24…とが、シリンダヘッド21に設けられる。
【0057】
第2および第3気筒の排気ポート24,24は第1排ガス通路252 に接続され、第1および第4気筒の排気ポート24,24は第2排ガス通路262 に接続され、第1および第2排ガス通路252 ,262 の下流端は共通排ガス通路27に共通に接続される。
【0058】
図14を併せて参照して、第2および第3気筒の排気ポート24,24…には第1排気マニホールド781 が接続され、第1および第4気筒の排気ポート24,24…には第2排気マニホールド782 が接続される。第1および第2排気マニホールド781 ,782 の上流端に共通に設けられたフランジ79はシリンダヘッド21に締結され、両排気マニホールド781 ,782 の下流端は、シリンダヘッド21に近接した位置に配置される触媒コンバータ302 におけるケーシング312 の上流側開口端に接続される。
【0059】
触媒コンバータ302 におけるケーシング312 内には、三元触媒を担持するハニカム構造体33(図4参照)が内蔵されており、第1および第2排気マニホールド781 ,782 の下流端は、ハニカム構造体33の一端面において周方向に沿う180度ずつの部分に向けて対向するようにして、ケーシング312 の上流側開口端に接続される。また前記ケーシング312 の下流側開口端には、第1および第2排気管801 ,802 の上流端が、第1および第2排気マニホールド781 ,782 にそれぞれ対応して前記ハニカム構造体33の他面の半分ずつに向けて開口するようにして接続される。
【0060】
而して第2排気管802 には吸着材38を内蔵せしめた吸着トラッパ37が介設され、第1および第2排気管801 ,802 の下流端は、共通排ガス通路27を形成する共通排ガス管39の上流端に共通に接続され、共通排ガス管39には、共通触媒43が内蔵される触媒コンバータ44が設けられる。
【0061】
ところで、第2および第3気筒の排気ポート24,24に接続される第1排ガス通路252 は、第1排気マニホールド781 内と、触媒コンバータ302 内におけるハニカム構造体33の半分に配置される通気孔32…(図4参照)と、第1排気管801 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ302 内の三元触媒のうち半分の半円部分が、第1排ガス通路252 に介装される第1触媒412 として機能する。
【0062】
また第1および第4気筒の排気ポート24,24に接続される第2排ガス通路262 は、第2排気マニホールド782 内と、触媒コンバータ302 内におけるハニカム構造体33の残余の半分に配置される通気孔32…(図4参照)と、第2排気管802 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ302 内の三元触媒のうち残余の半円部分が、第2排ガス通路262 に介装される第2触媒422 として機能することになり、第2排ガス通路262 には、第2触媒422 と、第2触媒422 よりも下流側の吸着材38とが介装されることになる。
【0063】
図15ないし図17を併せて参照して、各気筒の排気ポート24,24および燃焼室22間の連通、遮断を司る排気弁45,45は排気動弁装置82で開閉駆動されるものであり、該排気動弁装置82は、図示しないクランク軸から1/2の減速比で回転駆動されるカム軸472 と、該カム軸472 と平行な軸線を有するロッカ軸48と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第1および第2ロッカアーム83,84とを備え、弁ばね53…でそれぞれ閉弁方向に付勢されている両排気弁45,45が、第1ロッカアーム83に連動、連結される。
【0064】
カム軸472 には、第1ロッカアーム83の上面に摺接する休止カム51と、第2ロッカアーム84の上面に摺接する作動カム52とが設けられ、休止カム51は、基本的にはカム軸472 の回転中心を中心とする円形に形成されるものであるが、作動カム52の高位部52aに対応する部分、すなわち排気弁45,45の開弁時期に対応する部分に休止カム51には、カム軸472 の半径方向外方にわずかに隆起した隆起部55が設けられる。また第2ロッカアーム84は、図示しないばねにより作動カム52に摺接する方向に付勢されている。
【0065】
第1および第2ロッカアーム83,84間には、両ロッカアーム83,84を連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な連結切換機構86が設けられる。
【0066】
連結切換機構86は、第1および第2ロッカアーム83,84間を連結可能な連結ピン87と、連結ピン87に連接されて第1ロッカアーム83に摺動可能に嵌合される摺動部材88と、摺動部材88および第1ロッカアーム83間に設けられる戻しばね89とを備える。
【0067】
第2ロッカアーム84には、第1ロッカアーム83側に開放した有底の摺動孔90が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、連結ピン87は、その一端と第2ロッカアーム83との間に油圧室91を形成して摺動孔90に摺動可能に嵌合される。しかも連結ピン87の軸線方向長さは、該連結ピン87が油圧室91側への移動端に在るときに、連結ピン87の他端が第1および第2ロッカアーム83,84の対向面間に在るように設定される。
【0068】
第1ロッカアーム83には、連結ピン87の他端部を嵌合させ得るようにして第2ロッカアーム84側を開放した有底の嵌合孔92が、ロッカ軸48と平行に設けられており、連結ピン87の他端に連接される円盤状の摺動部材88が、嵌合孔92の閉塞端との間に戻しばね89を介在させて該嵌合孔92に摺動可能に嵌合される。しかも摺動部材88には、戻しばね89で囲繞される軸部88aが一体に連設されており、この軸部88aは、嵌合孔92の閉塞端に設けられる挿通孔94に移動自在に挿通される。
【0069】
このような連結切換機構86によれば、油圧室91の油圧が低圧であるときには、連結ピン87および摺動部材88は、戻しばね59のばね力により油圧室91側の移動端まで移動しており、この状態で連結ピン87および摺動部材88の当接面は、第1および第2ロッカアーム83,84の対向面間に在り、両ロッカアーム83,84は連結解除状態に在る。また油圧室91に高油圧を作用せしめると、連結ピン87の他端部は戻しばね89のばね力に抗して摺動部材88を押圧しつつ嵌合孔92に嵌合し、両ロッカアーム83,84が連結される。
【0070】
而して連結切換機構86が連結解除状態となったときには、両排気弁45,45に連動、連結された第1ロッカアーム83は、休止カム51に従動することになり、両排気弁45,45は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また連結切換機構86が連結状態となったときには、両排気弁45,45に連動、連結された第1ロッカアーム83は、作動カム52に従動する第2ロッカアーム84と一体に揺動することになり、両排気弁45,45は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0071】
ロッカ軸48には、相互に独立した第1および第2油路651 ,652 が形成されており、第2および第3気筒における排気動弁装置82の第2ロッカアーム84には、第1油路651 を油圧室91に連通せしめる連通路96が設けられ、第1および第4気筒における排気動弁装置82の第2ロッカアーム84には、第2油路652 を油圧室91に連通せしめる連通路96が設けられる。
【0072】
第1および第2油路651 ,652 は油圧制御手段67に接続されており、該油圧制御手段67は、油圧源68の油圧を制御して両油路651 ,652 に供給可能に構成される。而して各気筒の連結切換機構86…、第1および第2油路651 ,652 、油圧制御手段67および油圧源68は、排ガス切換手段702 を構成するものであり、該排ガス切換手段702 は、主として第1排ガス通路252 に排ガスを流通させる状態、主として第2排ガス通路262 に排ガスを流通させる状態、ならびに第1および第2排ガス通路252 ,262 にともに排ガスを流通させる状態を切換可能である。
【0073】
すなわち排ガス切換手段702 において、第1油路651 の油圧を低くするとともに第2油路652 の油圧を高くすると、第1および第4気筒の連結切換機構86が連結状態となるとともに第2および第3気筒の連結切換機構86が連結解除状態となり、第1および第4気筒の排気弁45,45が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第2および第3気筒の排気弁45,45は休止カム51によりほぼ休止状態となる。したがって第1および第4気筒の燃焼室22…からの排ガスが第2排ガス通路262 を流通するが、第2および第3気筒は実質的な気筒休止状態となるので、第1排ガス通路252 には、休止カム51の隆起部55で排気弁45,45がわずかに開弁するのに応じた少量の排ガスが流通するだけであり、排ガスが主として第2排ガス通路262 を流通することになる。また第1油路651 の油圧を高くするとともに第2油路652 の油圧を低くすると、第2および第3気筒の連結切換機構86が連結状態となるとともに第1および第4気筒の連結切換機構86が連結解除状態となり、第2および第3気筒の排気弁45,45が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第1および第4気筒の排気弁45,45は休止カム51によりほぼ休止状態となる。したがって第2および第3気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1排ガス通路252 を流通するが、第1および第4気筒は実質的な気筒休止状態となるので、第2排ガス通路262 には、休止カム51の隆起部55で排気弁45,45がわずかに開弁するのに応じた少量の排ガスが流通するだけであり、排ガスが主として第1排ガス通路252 を流通することになる。さらに第1および第2油路651 ,652 の油圧をともに高圧にすると、各気筒の連結切換機構86が全て連結状態となり、各気筒の両排気弁45,45が作動カム52によりそれぞれ開閉駆動され、燃焼室22からの排ガスが第1および第2排ガス通路252 ,262 をそれぞれ流通することになる。
【0074】
なお、第1ないし第4気筒において、各吸気ポート23,23毎に配設される吸気弁(図示せず)も、上記排気動弁装置82と同様の吸気動弁装置により開閉駆動されるものであり、実質的な気筒休止状態となっている気筒の吸気弁は、ほぼ休止状態となる。
【0075】
上記排ガス切換手段702 の切換作動、すなわち油圧制御手段67の油圧制御作動は、制御手段71により制御されるものであり、該制御手段71には、吸着材38の温度を検出すべく吸着トラッパ37に取付けられた温度検出器72の検出値、ならびに共通触媒43の温度を検出すべく触媒コンバータ44に取付けられた温度検出器73の検出値が入力される。而して制御手段71は、両温度検出器72,73の検出温度に基づいて、図18で示す手順に従って排ガス切換手段702 の排ガス切換を制御する。
【0076】
図18のステップS11では、温度検出器73の検出値、すなわち共通触媒43の温度TCを読込み、ステップS12で、その触媒温度TCが第1設定温度TS1以上であるか否かを判断する。ステップS12においてTC<TS1であると判断したときには、ステップS13において、温度検出器72の検出値、すなわち吸着材38の温度TAを読込み、ステップS14で、その吸着材温度TAが第2設定温度TS2以上であるか否かを判断する。
【0077】
ステップS14においてTA<TS2であると判断したときには、ステップS15で第2および第3気筒をほぼ休止するとともに第1および第4気筒を作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を低圧にするとともに第2油路652 の油圧を高圧として、第2および第3気筒の連結切換機構86を連結解除状態とするとともに第1および第4気筒の連結切換機構86を連結状態とし、排ガスが主として第2排ガス通路262 を流通するようにする。
【0078】
またステップS14においてTA≧TS2であると判断したときには、ステップS16で第1および第4気筒をほぼ休止するとともに第2および第3気筒を作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧とし、第2および第3気筒の連結切換機構86を連結状態とするとともに第1および第4気筒の連結切換機構86を連結解除状態とし、排ガスが主として第1排ガス通路252 を流通するようにする。
【0079】
さらにステップS12においてTC≧TS1であると判断したときには、ステップS17で各気筒を全て作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を高圧にして、各気筒の連結切換機構86が全て連結状態となるようにし、排ガスが第1および第2排ガス通路252 ,262 をそれぞれ流通するようにする。
【0080】
このような第2実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。すなわち吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときには主として第2排ガス通路262 を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材38に吸着されるので、機関始動時に未燃のHCが排出されることはない。しかも吸着材38よりも上流側で第2排ガス通路262 に介設された第2触媒422 は、第1排ガス通路252 の途中に介設される第1触媒412 に隣接するようにして触媒コンバータ302 内に設けられており、両触媒412 ,422 は、金属材料すなわち熱伝導率が高い材料から成るハニカム構造体33に担持されている。したがって第2触媒422 から第1触媒412 への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒422 から触媒コンバータ302 のケーシング312 を介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第2排ガス通路262 を流通する排ガスの温度は、吸着材38に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒412 は、第2排ガス通路262 を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、第1排ガス通路252 を流通する少量の排ガスは、機関の始動後に比較的短時間の間に活性化温度に達する第1触媒412 により浄化されることになる。
【0081】
吸着材38の温度TAが第2設定温度TS2以上となると、主として第1排ガス通路252 を排ガスが流通するようになり、第1排ガス通路252 を流通する排ガスは、活性化温度に達している第1触媒412 により十分な浄化性能を得ることができる。また第2排ガス通路262 を流通する少量の排ガスは、活性化温度に達している第2触媒422 により、十分に浄化されることになる。
【0082】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0083】
たとえば、上記実施例では、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際には少量の排ガスが第1排ガス通路を流通し、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際には少量の排ガスが第2排ガス通路を流通するようにしたが、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際には第1排ガス通路を排ガスが流通することはなく、また主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際には第2排ガス通路を排ガスが流通することはないようにすることも可能である。すなわち、一対の排気弁の実質的な閉弁休止を切換えるのではなく、一対の排気弁の完全な閉弁休止を切換えるものであってもよく、また複数気筒の実質的な気筒休止を切換えるものではなく、完全な気筒休止を切換えるものであってもよい。
【0084】
また上記実施例では、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際に、第2排ガスを流通する排ガスと第1触媒との熱交換を図るために、第2排ガス通路において吸着材38よりも上流側の第2排ガス通路に第2触媒が介設されているが、第2排ガス通路から第1触媒への効率的な熱交換を図り得る構造とすれば、第2触媒を省略することも可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、吸着材の温度が脱離温度よりも低い設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路を排ガスが流通するようにして、排ガス中のHCを吸着材に吸着せしめるようにし、第2排ガス通路を流通する排ガスの温度が第1排ガス通路に介装されている第1触媒との熱交換により吸着材に達するまでに比較的低温となるようにして吸着性能を向上することができる。しかも第1触媒は、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、主として第1排ガス通路を排ガスが流通するようにしたときには、活性化温度に達している第1触媒により十分な浄化性能を得ることができる。
【0086】
また請求項2記載の発明によれば、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際に少量の排ガスが第2排ガス通路を流通する場合には、活性化温度に達している第2触媒により第2排ガス通路の排ガスを十分に浄化することができる。
【0087】
さらに請求項3記載の発明によれば、第2触媒から第1触媒への熱交換効率を向上するとともに、第2触媒からケーシングを介しての外部への放熱を効率よく行なうことが可能であり、第1触媒を活性化温度まで速やかに昇温させることが可能となるとともに、吸着材の吸着性能をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図2】排気系の一部構成を示す縦断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】触媒コンバータ内のハニカム構造体を示す斜視図である。
【図5】排気動弁装置の平面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】図5の8−8線断面図である。
【図9】排ガスが主として第2排ガス通路を流通する状態での図6ないし図8の9−9線断面図である。
【図10】制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】第2実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図12】第3実施例の排気系の要部構成を示す図である。
【図13】第4実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図14】排気系の一部構成を示す縦断面図である。
【図15】排気動弁装置の平面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
251 ,252 ・・・第1排ガス通路
261 ,262 ・・・第2排ガス通路
27・・・共通排ガス通路
311 ・・・ケーシング
38・・・吸着材
411 ,412 ・・・第1触媒
421 ,422 ・・・第2触媒
43・・・共通触媒
701 ,702 ・・・排ガス切換手段
71・・・制御手段
72・・・温度検出器
E・・・機関本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排ガス浄化装置に関し、特に、機関本体からの排ガスを流通させ得る第1排ガス通路と、機関本体からの排ガスを流通させ得る第2排ガス通路と、第1および第2排ガス通路の下流端が共通に接続される共通排ガス通路と、排ガス中のHCを吸着すべく第2排ガス通路の中間部に介装される吸着材と、第1および第2排ガス通路を流通する排ガスを共通に通過させるべく共通排ガス通路に介装される共通触媒と、主として第1排ガス通路に排ガスを流通させる状態ならびに主として第2排ガス通路に排ガスを流通させる状態を切換可能な排ガス切換手段とを備える内燃機関の排ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる排ガス浄化装置は、特開平7−91237号公報で開示されており、このものでは、吸着材の温度が低温度のときには排ガスを主として第2排ガス通路に流し、吸着材により排ガス中のHCを吸着せしめ、共通触媒の温度が高温度となったときには排ガスを主として第1排ガス通路に流し、活性化した共通触媒により排ガス中のHC、CO、NOxを除去するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、機関の始動時には排ガスが吸着材を流通してから共通触媒側に流れるので、吸着材に熱を奪われて比較的低温度となった排ガスが共通触媒側に流れることになり、共通触媒の温度上昇が遅れて触媒が活性化するのに時間がかかってしまう。一方、吸着材は、高温である排ガスとの熱交換により温度上昇が速くなり、HC脱離までの時間が短くなって吸着性能が低下し、共通触媒が活性化するのに必要な時間が稼げなくなり、排ガス浄化が不十分となる可能性がある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、吸着材による吸着性能を向上するとともに速やかに活性化される触媒により十分な浄化性能が得られるようにした内燃機関の排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、機関本体からの排ガスを流通させ得る第1排ガス通路と、機関本体からの排ガスを流通させ得る第2排ガス通路と、第1および第2排ガス通路の下流端が共通に接続される共通排ガス通路と、排ガス中のHCを吸着すべく第2排ガス通路の中間部に介装される吸着材と、第1および第2排ガス通路を流通する排ガスを共通に通過させるべく共通排ガス通路に介装される共通触媒と、主として第1排ガス通路に排ガスを流通させる状態ならびに主として第2排ガス通路に排ガスを流通させる状態を切換可能な排ガス切換手段とを備える内燃機関の排ガス浄化装置において、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換を可能として前記吸着材よりも上流側で第1排ガス通路に介装される第1触媒と、前記吸着材の温度を検出する温度検出器と、該温度検出器の検出値が前記吸着材の脱離温度よりも低く設定される設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路に排ガスを流通させるが前記温度検出器の検出値が設定温度以上であるときには主として第1排ガス通路に排ガスを流通させるようにして前記排ガス切換手段の作動を制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、吸着材の温度が脱離温度よりも低い設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材に吸着されるが、第2排ガス通路を流通する排ガスの温度は、第1排ガス通路に介装されている第1触媒との熱交換により吸着材に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒は、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、吸着材の温度が設定温度以上となるのに応じて主として第1排ガス通路を排ガスが流通するようにしたときには、活性化温度に達している第1触媒により十分な浄化性能を得ることができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、第2排ガス通路には、第1触媒との間での熱交換を可能とした第2触媒が介装されることを特徴とし、このような構成によれば、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際に少量の排ガスが第2排ガス通路を流通する場合には、活性化温度に達している第2触媒により、第2排ガス通路の排ガスを十分に浄化することができる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記第1および第2触媒は、第1触媒を第2触媒が囲むようにして共通なケーシング内に収納されることを特徴とし、かかる構成によれば、第2触媒から第1触媒への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒からケーシングを介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第1触媒を活性化温度まで速やかに昇温させることが可能となるとともに、排ガスが第2排ガス通路内を吸着材に達するまで流通する間に排ガス温度を効率よく降温せしめ、吸着材の吸着性能をさらに向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1ないし図10は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は内燃機関の排気系の構成を示す図、図2は排気系の一部構成を示す縦断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は触媒コンバータ内のハニカム構造体を示す斜視図、図5は排気動弁装置の平面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は図5の7−7線断面図、図8は図5の8−8線断面図、図9は排ガスが主として第2排ガス通路を流通する状態での図6ないし図8の9−9線断面図、図10は制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【0011】
先ず図1において、多気筒たとえば4気筒内燃機関の機関本体Eを構成するシリンダヘッド21には、各気筒に個別に対応した4つの燃焼室22…が並列して形成されており、それらの燃焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の吸気ポート23,23…と、各燃焼室22…にそれぞれ1つずつ通じ得る4つの第1排気ポート241 …と、各燃焼室22…にそれぞれ1つずつ通じ得る4つの第2排気ポート242 …とがシリンダヘッド21に設けられる。
【0012】
4つの第1排気ポート241 …は第1排ガス通路251 に接続され、4つの第2排気ポート242 …は第2排ガス通路261 に接続され、第1および第2排ガス通路251 ,261 の下流端は共通排ガス通路27に共通に接続される。
【0013】
図2および図3において、第1排気ポート241 …には第1排気マニホールド281 が接続され、第2排気ポート242 …には第2排気マニホールド282 が接続される。第1排気マニホールド281 は、第2排気マニホールド282 内に配置されるものであり、両排気マニホールド281 ,282 の上流端に共通に設けられるフランジ29がシリンダヘッド21に締結される。
【0014】
第2排気マニホールド282 の下流端は、シリンダヘッド21に近接した位置に配置される触媒コンバータ301 におけるケーシング311 の上流側開口端に接続される。図4で示すように、ケーシング311 の主要部を構成する円筒状のケーシング主体31a内には、軸線方向に延びる複数の通気孔32…を有するハニカム構造体33がケーシング主体31aの内面との間にも軸線方向に延びる複数の通気孔32…を形成して収納、固定されており、ハニカム構造体33は、金属平板および金属波板を重ね合わせて螺旋状に巻くことにより構成される。而して各通気孔32…の内面に三元触媒の触媒層が焼成処理により担持される。
【0015】
第1排気マニホールド281 の下流端には、ハニカム構造体33側に向かうにつれて大径となるテーパ管状の接続管部34が一体に設けられており、該接続管部34の下流端すなわち開口端は、触媒コンバータ301 内でハニカム構造体33の一端に近接、対向される。
【0016】
触媒コンバータ301 におけるケーシング311 の下流側開口端には、第2排気管352 の上流端が接続され、この第2排気管352 の上流側部分内に上流部が同軸に配置される第1排気管351 の上流端には、ハニカム構造体33側に向かうにつれて大径となるテーパ管状の接続管部36が一体に設けられ、該接続管部36の上流端すなわち大径端は、触媒コンバータ301 内でハニカム構造体33の他端に近接、対向される。
【0017】
第1排気管351 の下流側は、第2排気管352 の中間部を気密に貫通して外部に延出されるものであり、第1排気管351 の貫通部分よりも下流側で第2排気管352 に吸着トラッパ37が介設され、該吸着トラッパ37は車両の床下に配置される。この吸着トラッパ37内には、排ガス中のHCを吸着する吸着材38が充填されており、第1および第2排気管351 ,352 の下流端は、共通排ガス通路27を形成する共通排ガス管39の上流端に共通に接続される。
【0018】
ところで、4つの第1排気ポート241 …に接続される第1排ガス通路251 は、第1排気マニホールド281 内と、触媒コンバータ301 内における複数の通気孔32…のうち両接続管部34,36で規定される部分すなわちハニカム構造体33の中央部に配置される各通気孔32…と、第1排気管351 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ301 内の三元触媒のうち中央部の円形部分が、第1排ガス通路251 に介装される第1触媒411 として機能する。
【0019】
また4つの第2排気ポート242 …に接続される第2排ガス通路261 は、第1排気マニホールド281 および第2排気マニホールド282 間と、触媒コンバータ301 内における複数の通気孔32…のうち両接続管部34,36の外方側として規定される部分すなわちハニカム構造体33の外周側の部分に配置される各通気孔32…と、第1および第2排気管351 ,352 間と、第2排気管352 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ301 内の三元触媒のうち外周側の環状部分が、第2排ガス通路261 に介装される第2触媒421 として機能する。而して、第2排ガス通路261 には、第2触媒421 と、第2触媒421 よりも下流側の吸着材38とが介装されることになる。
【0020】
共通排ガス管39の中間部には、車両の床下に配置される触媒コンバータ44が設けられており、該触媒コンバータ44内には、第1および第2排ガス通路251 ,261 からの排ガスを共通に流通させる三元触媒が共通触媒43として内蔵されている。
【0021】
ところで、シリンダヘッド21には、開弁時に燃焼室22…の排ガスを第1排気ポート241 …から排出させる第1排気弁451 …と、開弁時に燃焼室22…の排ガスを第2排気ポート242 …から排出させる第2排気弁452 …とが、各気筒でそれぞれ対をなすようにして設けられる。
【0022】
図5ないし図8を併せて参照して、第1および第2排気弁451 ,452 を開閉駆動する排気動弁装置46は、図示しないクランク軸から1/2の減速比で回転駆動されるカム軸471 と、該カム軸471 と平行な軸線を有するロッカ軸48と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第1従動ロッカアーム491 と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第2従動ロッカアーム492 と、両従動ロッカアーム491 ,492 間に挟まれるようにしてロッカ軸48に揺動可能に支持される単一の駆動ロッカアーム50とを備える。
【0023】
カム軸471 には、第1および第2従動ロッカアーム491 ,492 の上面に摺接する第1および第2休止カム511 ,512 と、駆動ロッカアーム50の上面に摺接する作動カム52とが設けられる。一方、第1および第2従動ロッカアーム491 ,492 は、弁ばね531 ,532 でそれぞれ閉弁方向に付勢されている第1および第2排気弁451 ,452 の上端を、先端部で開弁方向に押圧し得るように配置される。また駆動ロッカアーム50は、シリンダヘッド21との間に設けられているばね54により作動カム52に摺接する方向に付勢されている。
【0024】
ところで、上記第1および第2休止カム511 ,512 は、基本的にはカム軸471 の回転中心を中心とする円形に形成されるものであるが、作動カム52の高位部52aに対応する部分、すなわち排気弁451 ,452 の開弁時期に対応する部分で両休止カム511 ,512 には、カム軸471 の半径方向外方にわずかに隆起した隆起部551 ,552 が設けられる。
【0025】
第1従動ロッカアーム491 および駆動ロッカアーム50間には、第1従動ロッカアーム491 を駆動ロッカアーム50に連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な第1連結切換機構561 が設けられ、第2従動ロッカアーム492 および駆動ロッカアーム50間には、第2従動ロッカアーム492 を駆動ロッカアーム50に連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な第2連結切換機構562 が設けられる。
【0026】
図9を併せて参照して、第1連結切換機構561 は、第1従動ロッカアーム491 および駆動ロッカアーム50間を連結可能な第1連結ピン571 と、第1連結ピン571 に連接されて第1従動ロッカアーム491 に摺動可能に嵌合される第1摺動部材581 と、第1摺動部材581 および第1従動ロッカアーム491 間に設けられる第1戻しばね591 とを備える。
【0027】
駆動ロッカアーム50には、第1従動ロッカアーム491 側に開放した有底の第1摺動孔601 が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、第1連結ピン571 は、その一端と駆動ロッカアーム50との間に第1油圧室611 を形成して第1摺動孔601 に摺動可能に嵌合される。しかも第1連結ピン571 の軸線方向長さは、第1連結ピン571 が第1油圧室611 側への移動端に在るときに、第1連結ピン571 の他端が駆動ロッカアーム50および第1従動ロッカアーム491 の対向面間に在るように設定される。
【0028】
第1従動ロッカアーム491 には、第1連結ピン571 の他端部を嵌合させ得るようにして駆動ロッカアーム50側を開放した有底の第1嵌合孔621 が、ロッカ軸48と平行に設けられており、第1連結ピン571 の他端に連接される円盤状の第1摺動部材581 が、第1従動ロッカアーム491 との間に第1ばね室631 を形成するようにして第1嵌合孔621 に摺動可能に嵌合される。しかも第1嵌合孔621 の閉塞端には、第1ばね室631 を外部に開放する第1開放孔641 が設けられる。
【0029】
第1戻しばね591 は、第1摺動部材581 と第1嵌合孔621 の閉塞端との間に設けられるようにして第1ばね室631 に収納されており、第1摺動部材581 は、第1戻しばね591 のばね力により第1連結ピン571 に当接するようにばね付勢されている。
【0030】
このような第1連結切換機構561 によれば、第1油圧室611 の油圧が低圧であるときには、第1連結ピン571 および第1摺動部材581 は、第1戻しばね591 のばね力により第1油圧室611 側の移動端まで移動しており、この状態で第1連結ピン571 および第1摺動部材581 の当接面は、駆動ロッカアーム50および第1従動ロッカアーム491 の対向面間に在り、第1従動ロッカアーム491 の駆動ロッカアーム50への連結は解除されている。また第1油圧室611 に高油圧を作用せしめると、第1連結ピン571 の他端部は第1戻しばね591 のばね力に抗して第1摺動部材581 を押圧しつつ第1嵌合孔621 に嵌合し、第1従動ロッカアーム491 が駆動ロッカアーム50に連結される。
【0031】
而して第1連結切換機構561 が連結解除状態となったときには、第1排気弁451 に連結された第1従動ロッカアーム491 は、第1休止カム511 に従動することになり、第1排気弁451 は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また第1連結切換機構561 が連結状態となったときには、第1排気弁451 に連結された第1従動ロッカアーム491 は、作動カム52に従動する駆動ロッカアーム50と一体に揺動することになり、第1排気弁451 は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0032】
第2連結切換機構562 は、第2従動ロッカアーム492 および駆動ロッカアーム50間を連結可能な第2連結ピン572 と、第2連結ピン572 に連接されて第2従動ロッカアーム492 に摺動可能に嵌合される第2摺動部材582 と、第2連結ピン572 および駆動ロッカアーム50間に設けられる第2戻しばね592 とを備える。
【0033】
駆動ロッカアーム50には、第2従動ロッカアーム492 側に開放した有底の第2摺動孔602 が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、第2連結ピン572 は、その一端と駆動ロッカアーム50との間に第2ばね室632 を形成して第2摺動孔601 に摺動可能に嵌合される。しかも第2連結ピン572 の軸線方向長さは、第2連結ピン572 が第2ばね室632 側への移動端に在るときに、第2連結ピン572 の他端が駆動ロッカアーム50および第2従動ロッカアーム492 の対向面間に在るように設定される。
【0034】
第2従動ロッカアーム492 には、第2連結ピン572 の他端部を嵌合させ得るようにして駆動ロッカアーム50側を開放した有底の第2嵌合孔622 が、ロッカ軸48と平行に設けられており、第2連結ピン572 の他端に連接される円盤状の第2摺動部材582 が第2嵌合孔622 に摺動可能に嵌合され、第2従動ロッカアーム492 および第2摺動部材582 間には、第2摺動部材582 の他端を臨ませる第2油圧室612 が形成される。
【0035】
第2戻しばね592 は、第2連結ピン572 と第2摺動孔602 の閉塞端との間に設けられるようにして第2ばね室632 に収納されており、駆動ロッカアーム50には、第2ばね室632 を外部に開放する開放孔642 が設けられる。而して第2連結ピン572 は、第2戻しばね592 のばね力により第2摺動部材582 に当接するようにばね付勢されている。
【0036】
このような第2連結切換機構562 によれば、第2油圧室612 の油圧が低圧であるときには、第2連結ピン572 および第2摺動部材582 は、第2戻しばね592 のばね力により第2油圧室612 側の移動端まで移動しており、この状態で第2連結ピン572 は、第2摺動部材582 を押込むようにして第2従動ロッカアーム492 の第2嵌合孔622 に嵌合しており、第2従動ロッカアーム492 が駆動ロッカアーム50に連結されている。また第2油圧室612 に高油圧を作用せしめると、第2摺動部材582 は、第2連結ピン572 および第2摺動部材582 の当接面が駆動ロッカアーム50および第2従動ロッカアーム492 の対向面間に位置するまで、第2戻しばね592 のばね力に抗して第2連結ピン572 を押圧し、第2従動ロッカアーム492 の駆動ロッカアーム50への連結が解除される。
【0037】
而して第2連結切換機構562 が連結解除状態となったときには、第2排気弁452 に連結された第2従動ロッカアーム492 は、第2休止カム512 に従動することになり、第2排気弁452 は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また第2連結切換機構562 が連結状態となったときには、第2排気弁452 に連結された第2従動ロッカアーム492 は、作動カム52に従動する駆動ロッカアーム50と一体に揺動することになり、第2排気弁452 は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0038】
ロッカ軸48には、相互に独立した第1および第2油路651 ,652 が形成されており、駆動ロッカアーム50には、第1油路651 を第1油圧室611 に連通せしめる第1連通路661 が設けられ、第2従動ロッカアーム492 には、第2油路652 を第2油圧室612 に連通せしめる第2連通路662 が設けられる。
【0039】
第1および第2油路651 ,652 は油圧制御手段67に接続されており、該油圧制御手段67は、油圧源68の油圧を制御して両油路651 ,652 に供給可能に構成される。而して第1連結切換機構561 ,562 、第1および第2油路651 ,652 、油圧制御手段67および油圧源68は、排ガス切換手段701 を構成するものであり、該排ガス切換手段701 は、主として第1排ガス通路251 に排ガスを流通させる状態、主として第2排ガス通路261 に排ガスを流通させる状態、ならびに第1および第2排ガス通路251 ,261 にともに排ガスを流通させる状態を切換可能である。
【0040】
すなわち排ガス切換手段701 において、第1および第2油路651 ,652 の油圧を低油圧とすると、第1連結切換機構561 が連結解除状態となっているのに対して第2連結切換機構562 は連結状態となっており、第2排気弁452 が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第1排気弁451 は第1休止カム511 により第2排気弁452 の開弁時にわずかに開弁するだけであり、各気筒の燃焼室22…からの排ガスは主として第2排ガス通路261 を流通することになる。また第1および第2油路651 ,652 の油圧を高油圧とすると、第1連結切換機構561 が連結状態となるのに対して第2連結切換機構562 は連結解除状態となり、第1排気弁451 が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第2排気弁452 は第2休止カム512 により第1排気弁451 の開弁時にわずかに開弁するだけであり、各気筒の燃焼室22…からの排ガスは主として第1排ガス通路251 を流通することになる。さらに第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧にすると、第1および第2連結切換機構561 ,562 がともに連結状態となり、第1および第2排気弁451 ,452 がともに作動カム52により開閉駆動され、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1および第2排ガス通路251 ,261 をそれぞれ流通することになる。
【0041】
このような排ガス切換手段701 の切換作動、すなわち油圧制御手段67の油圧制御作動は、制御手段71により制御されるものであり、該制御手段71には、吸着材38の温度を検出すべく吸着トラッパ37に取付けられた温度検出器72の検出値、ならびに共通触媒43の温度を検出すべく触媒コンバータ44に取付けられた温度検出器73の検出値が入力される。而して制御手段71は、両温度検出器72,73の検出温度に基づいて、図10で示す手順に従って排ガス切換手段701 の排ガス切換を制御する。
【0042】
図10において、ステップS1では、温度検出器73の検出値、すなわち共通触媒43の温度TCを読込み、ステップS2で、その触媒温度TCが第1設定温度TS1以上であるか否かを判断する。この第1設定温度TS1は、触媒の活性化温度であり、たとえば300℃である。
【0043】
ステップS2においてTC<TS1であると判断したときには、ステップS3において、温度検出器72の検出値、すなわち吸着材38の温度TAを読込み、ステップS4で、その吸着材温度TAが第2設定温度TS2以上であるか否かを判断する。この第2設定温度TS2は、吸着材38の脱離温度である140℃よりも低く設定されるものであり、たとえば100℃である。
【0044】
ステップS4においてTA<TS2であると判断したときには、ステップS5で第1排気弁451 の作動をほぼ休止するとともに第2排気弁452 を開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を低油圧として、第1連結切換機構561 を連結解除状態とするとともに第2連結切換機構562 を連結状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが主として第2排ガス通路261 を流通するようにする。
【0045】
またステップS4においてTA≧TS2であると判断したときには、ステップS6で第2排気弁452 の作動をほぼ休止するとともに第1排気弁451 を開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を高油圧として、第1連結切換機構561 を連結状態とするとともに第2連結切換機構562 を連結解除状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが主として第1排ガス通路251 を流通するようにする。
【0046】
さらにステップS2においてTC≧TS1であると判断したときには、ステップS7で両排気弁451 ,452 をともに開閉作動せしめるように、排ガス切換手段701 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧にして、両連結切換機構561 ,562 をともに連結状態とし、各気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1および第2排ガス通路251 ,261 をそれぞれ流通するようにする。
【0047】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときには主として第2排ガス通路261 を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材38に吸着されるので、機関始動時に未燃のHCが排出されることはない。しかも第2排ガス通路261 において、吸着材38よりも上流側には、第2触媒421 が介設されており、この第2触媒421 は、第1排ガス通路251 の途中に介設される第1触媒411 を囲むようにして触媒コンバータ301 内に設けられており、両触媒411 ,412 は、金属材料すなわち熱伝導率が高い材料から成るハニカム構造体33に担持されている。したがって第2触媒421 から第1触媒411 への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒421 から触媒コンバータ301 のケーシング311 を介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第2排ガス通路261 を流通する排ガスの温度は、吸着材38に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒411 は、第2排ガス通路261 を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、第1排ガス通路251 を流通する少量の排ガスは、機関の始動後に比較的短時間の間に活性化温度に達する第1触媒411 により浄化されることになる。
【0048】
吸着材38の温度TAが第2設定温度TS2以上となると、主として第1排ガス通路251 を排ガスが流通するようになり、第1排ガス通路251 を流通する排ガスは、活性化温度に達している第1触媒411 により十分な浄化性能を得ることができる。また第2排ガス通路261 を流通する少量の排ガスは、活性化温度に達している第2触媒421 により、十分に浄化されることになる。
【0049】
共通触媒43の温度TCが活性化温度である第1設定温度TS1以上となったときには、第1および第2排気弁451 ,452 がともに開閉作動することになり、両排ガス通路251 ,261 をともに排ガスが流通する。したがって、排ガスは、活性化温度に達している第1および第2触媒411 ,421 ならびに共通排ガス通路27の共通触媒43で十分に浄化されることになる。また第2排ガス通路261 の吸着材38は、第2排ガス通路261 を流通する排ガスによって脱離温度以上に昇温することになるが、吸着材38から脱離したHCは、共通触媒43で浄化される。
【0050】
上記第1実施例では、各気筒の第1および第2排気弁451 ,452 のうち第1排気弁451 を実質的に閉弁休止することにより主として第2排ガス通路252 を排ガスが流通するようにし、第2排気弁452 を実質的に閉弁休止することにより主として第1排ガス通路251 を排ガスが流通するようにしたが、吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときに、第1排ガス通路251 を流通する排ガスが、第1触媒411 および共通触媒43で十分に浄化される程度の量であれば、第1および第2排気弁451 ,452 の実質的な閉弁休止を切換えるものではなくても、第1および第2排ガス通路451 ,452 を流通する排ガス量に差があるものであってもよい。
【0051】
図11は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0052】
第2排ガス通路261 において、吸着材38と、第2排ガス通路261 の共通排ガス通路27への接続部との間には、エアポンプ74から送出される二次空気が、空気制御手段75により供給量を制御されて供給される。
【0053】
この第2実施例によれば、吸着材38からのHCの脱離時に吸着材38の下流側に二次空気を供給することにより、HCを燃焼せしめるのに十分な空気を供給して、浄化性能をより一層向上することができる。
【0054】
図12は本発明の第3実施例を示すものであり、共通排ガス通路27に設けられている触媒コンバータ44内に、共通触媒43の上流側に位置するようにして電気加熱ヒータ76が内蔵される。この電気加熱ヒータ76により、共通触媒43が加熱されることにより、共通触媒43が活性化温度に達するまでの時間が短縮されることになる。
【0055】
図13ないし図18は本発明の第4実施例を示すものであり、図13は内燃機関の排気系の構成を示す図、図14は排気系の一部構成を示す縦断面図、図15は排気動弁装置の平面図、図16は図15の16−16線断面図、図17は図16の17−17線断面図、図18は制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【0056】
先ず図13において、機関本体Eを構成するシリンダヘッド21には、第1ないし第4気筒の燃焼室22…が並列して形成されており、各気筒の焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の吸気ポート23,23…と、各燃焼室22…に通じ得る一対ずつ4組の排気ポート24,24…とが、シリンダヘッド21に設けられる。
【0057】
第2および第3気筒の排気ポート24,24は第1排ガス通路252 に接続され、第1および第4気筒の排気ポート24,24は第2排ガス通路262 に接続され、第1および第2排ガス通路252 ,262 の下流端は共通排ガス通路27に共通に接続される。
【0058】
図14を併せて参照して、第2および第3気筒の排気ポート24,24…には第1排気マニホールド781 が接続され、第1および第4気筒の排気ポート24,24…には第2排気マニホールド782 が接続される。第1および第2排気マニホールド781 ,782 の上流端に共通に設けられたフランジ79はシリンダヘッド21に締結され、両排気マニホールド781 ,782 の下流端は、シリンダヘッド21に近接した位置に配置される触媒コンバータ302 におけるケーシング312 の上流側開口端に接続される。
【0059】
触媒コンバータ302 におけるケーシング312 内には、三元触媒を担持するハニカム構造体33(図4参照)が内蔵されており、第1および第2排気マニホールド781 ,782 の下流端は、ハニカム構造体33の一端面において周方向に沿う180度ずつの部分に向けて対向するようにして、ケーシング312 の上流側開口端に接続される。また前記ケーシング312 の下流側開口端には、第1および第2排気管801 ,802 の上流端が、第1および第2排気マニホールド781 ,782 にそれぞれ対応して前記ハニカム構造体33の他面の半分ずつに向けて開口するようにして接続される。
【0060】
而して第2排気管802 には吸着材38を内蔵せしめた吸着トラッパ37が介設され、第1および第2排気管801 ,802 の下流端は、共通排ガス通路27を形成する共通排ガス管39の上流端に共通に接続され、共通排ガス管39には、共通触媒43が内蔵される触媒コンバータ44が設けられる。
【0061】
ところで、第2および第3気筒の排気ポート24,24に接続される第1排ガス通路252 は、第1排気マニホールド781 内と、触媒コンバータ302 内におけるハニカム構造体33の半分に配置される通気孔32…(図4参照)と、第1排気管801 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ302 内の三元触媒のうち半分の半円部分が、第1排ガス通路252 に介装される第1触媒412 として機能する。
【0062】
また第1および第4気筒の排気ポート24,24に接続される第2排ガス通路262 は、第2排気マニホールド782 内と、触媒コンバータ302 内におけるハニカム構造体33の残余の半分に配置される通気孔32…(図4参照)と、第2排気管802 内とにわたって形成されるものであり、触媒コンバータ302 内の三元触媒のうち残余の半円部分が、第2排ガス通路262 に介装される第2触媒422 として機能することになり、第2排ガス通路262 には、第2触媒422 と、第2触媒422 よりも下流側の吸着材38とが介装されることになる。
【0063】
図15ないし図17を併せて参照して、各気筒の排気ポート24,24および燃焼室22間の連通、遮断を司る排気弁45,45は排気動弁装置82で開閉駆動されるものであり、該排気動弁装置82は、図示しないクランク軸から1/2の減速比で回転駆動されるカム軸472 と、該カム軸472 と平行な軸線を有するロッカ軸48と、ロッカ軸48に揺動可能に支持される第1および第2ロッカアーム83,84とを備え、弁ばね53…でそれぞれ閉弁方向に付勢されている両排気弁45,45が、第1ロッカアーム83に連動、連結される。
【0064】
カム軸472 には、第1ロッカアーム83の上面に摺接する休止カム51と、第2ロッカアーム84の上面に摺接する作動カム52とが設けられ、休止カム51は、基本的にはカム軸472 の回転中心を中心とする円形に形成されるものであるが、作動カム52の高位部52aに対応する部分、すなわち排気弁45,45の開弁時期に対応する部分に休止カム51には、カム軸472 の半径方向外方にわずかに隆起した隆起部55が設けられる。また第2ロッカアーム84は、図示しないばねにより作動カム52に摺接する方向に付勢されている。
【0065】
第1および第2ロッカアーム83,84間には、両ロッカアーム83,84を連結する状態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な連結切換機構86が設けられる。
【0066】
連結切換機構86は、第1および第2ロッカアーム83,84間を連結可能な連結ピン87と、連結ピン87に連接されて第1ロッカアーム83に摺動可能に嵌合される摺動部材88と、摺動部材88および第1ロッカアーム83間に設けられる戻しばね89とを備える。
【0067】
第2ロッカアーム84には、第1ロッカアーム83側に開放した有底の摺動孔90が、ロッカ軸48と平行な軸線を有して設けられており、連結ピン87は、その一端と第2ロッカアーム83との間に油圧室91を形成して摺動孔90に摺動可能に嵌合される。しかも連結ピン87の軸線方向長さは、該連結ピン87が油圧室91側への移動端に在るときに、連結ピン87の他端が第1および第2ロッカアーム83,84の対向面間に在るように設定される。
【0068】
第1ロッカアーム83には、連結ピン87の他端部を嵌合させ得るようにして第2ロッカアーム84側を開放した有底の嵌合孔92が、ロッカ軸48と平行に設けられており、連結ピン87の他端に連接される円盤状の摺動部材88が、嵌合孔92の閉塞端との間に戻しばね89を介在させて該嵌合孔92に摺動可能に嵌合される。しかも摺動部材88には、戻しばね89で囲繞される軸部88aが一体に連設されており、この軸部88aは、嵌合孔92の閉塞端に設けられる挿通孔94に移動自在に挿通される。
【0069】
このような連結切換機構86によれば、油圧室91の油圧が低圧であるときには、連結ピン87および摺動部材88は、戻しばね59のばね力により油圧室91側の移動端まで移動しており、この状態で連結ピン87および摺動部材88の当接面は、第1および第2ロッカアーム83,84の対向面間に在り、両ロッカアーム83,84は連結解除状態に在る。また油圧室91に高油圧を作用せしめると、連結ピン87の他端部は戻しばね89のばね力に抗して摺動部材88を押圧しつつ嵌合孔92に嵌合し、両ロッカアーム83,84が連結される。
【0070】
而して連結切換機構86が連結解除状態となったときには、両排気弁45,45に連動、連結された第1ロッカアーム83は、休止カム51に従動することになり、両排気弁45,45は、作動カム52の高位部52aに対応する開弁時期にわずかに開弁するようにして実質的には休止されることになる。また連結切換機構86が連結状態となったときには、両排気弁45,45に連動、連結された第1ロッカアーム83は、作動カム52に従動する第2ロッカアーム84と一体に揺動することになり、両排気弁45,45は、作動カム52のカムプロフィルに応じた開弁特性で開閉作動することになる。
【0071】
ロッカ軸48には、相互に独立した第1および第2油路651 ,652 が形成されており、第2および第3気筒における排気動弁装置82の第2ロッカアーム84には、第1油路651 を油圧室91に連通せしめる連通路96が設けられ、第1および第4気筒における排気動弁装置82の第2ロッカアーム84には、第2油路652 を油圧室91に連通せしめる連通路96が設けられる。
【0072】
第1および第2油路651 ,652 は油圧制御手段67に接続されており、該油圧制御手段67は、油圧源68の油圧を制御して両油路651 ,652 に供給可能に構成される。而して各気筒の連結切換機構86…、第1および第2油路651 ,652 、油圧制御手段67および油圧源68は、排ガス切換手段702 を構成するものであり、該排ガス切換手段702 は、主として第1排ガス通路252 に排ガスを流通させる状態、主として第2排ガス通路262 に排ガスを流通させる状態、ならびに第1および第2排ガス通路252 ,262 にともに排ガスを流通させる状態を切換可能である。
【0073】
すなわち排ガス切換手段702 において、第1油路651 の油圧を低くするとともに第2油路652 の油圧を高くすると、第1および第4気筒の連結切換機構86が連結状態となるとともに第2および第3気筒の連結切換機構86が連結解除状態となり、第1および第4気筒の排気弁45,45が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第2および第3気筒の排気弁45,45は休止カム51によりほぼ休止状態となる。したがって第1および第4気筒の燃焼室22…からの排ガスが第2排ガス通路262 を流通するが、第2および第3気筒は実質的な気筒休止状態となるので、第1排ガス通路252 には、休止カム51の隆起部55で排気弁45,45がわずかに開弁するのに応じた少量の排ガスが流通するだけであり、排ガスが主として第2排ガス通路262 を流通することになる。また第1油路651 の油圧を高くするとともに第2油路652 の油圧を低くすると、第2および第3気筒の連結切換機構86が連結状態となるとともに第1および第4気筒の連結切換機構86が連結解除状態となり、第2および第3気筒の排気弁45,45が作動カム52により開閉駆動されるのに対して、第1および第4気筒の排気弁45,45は休止カム51によりほぼ休止状態となる。したがって第2および第3気筒の燃焼室22…からの排ガスが第1排ガス通路252 を流通するが、第1および第4気筒は実質的な気筒休止状態となるので、第2排ガス通路262 には、休止カム51の隆起部55で排気弁45,45がわずかに開弁するのに応じた少量の排ガスが流通するだけであり、排ガスが主として第1排ガス通路252 を流通することになる。さらに第1および第2油路651 ,652 の油圧をともに高圧にすると、各気筒の連結切換機構86が全て連結状態となり、各気筒の両排気弁45,45が作動カム52によりそれぞれ開閉駆動され、燃焼室22からの排ガスが第1および第2排ガス通路252 ,262 をそれぞれ流通することになる。
【0074】
なお、第1ないし第4気筒において、各吸気ポート23,23毎に配設される吸気弁(図示せず)も、上記排気動弁装置82と同様の吸気動弁装置により開閉駆動されるものであり、実質的な気筒休止状態となっている気筒の吸気弁は、ほぼ休止状態となる。
【0075】
上記排ガス切換手段702 の切換作動、すなわち油圧制御手段67の油圧制御作動は、制御手段71により制御されるものであり、該制御手段71には、吸着材38の温度を検出すべく吸着トラッパ37に取付けられた温度検出器72の検出値、ならびに共通触媒43の温度を検出すべく触媒コンバータ44に取付けられた温度検出器73の検出値が入力される。而して制御手段71は、両温度検出器72,73の検出温度に基づいて、図18で示す手順に従って排ガス切換手段702 の排ガス切換を制御する。
【0076】
図18のステップS11では、温度検出器73の検出値、すなわち共通触媒43の温度TCを読込み、ステップS12で、その触媒温度TCが第1設定温度TS1以上であるか否かを判断する。ステップS12においてTC<TS1であると判断したときには、ステップS13において、温度検出器72の検出値、すなわち吸着材38の温度TAを読込み、ステップS14で、その吸着材温度TAが第2設定温度TS2以上であるか否かを判断する。
【0077】
ステップS14においてTA<TS2であると判断したときには、ステップS15で第2および第3気筒をほぼ休止するとともに第1および第4気筒を作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を低圧にするとともに第2油路652 の油圧を高圧として、第2および第3気筒の連結切換機構86を連結解除状態とするとともに第1および第4気筒の連結切換機構86を連結状態とし、排ガスが主として第2排ガス通路262 を流通するようにする。
【0078】
またステップS14においてTA≧TS2であると判断したときには、ステップS16で第1および第4気筒をほぼ休止するとともに第2および第3気筒を作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1油路651 の油圧を高圧にするとともに第2油路652 の油圧を低圧とし、第2および第3気筒の連結切換機構86を連結状態とするとともに第1および第4気筒の連結切換機構86を連結解除状態とし、排ガスが主として第1排ガス通路252 を流通するようにする。
【0079】
さらにステップS12においてTC≧TS1であると判断したときには、ステップS17で各気筒を全て作動せしめるように排ガス切換手段702 を制御する。すなわち第1および第2油路651 ,652 の油圧を高圧にして、各気筒の連結切換機構86が全て連結状態となるようにし、排ガスが第1および第2排ガス通路252 ,262 をそれぞれ流通するようにする。
【0080】
このような第2実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。すなわち吸着材38の温度が脱離温度よりも低い第2設定温度TS2未満であるときには主として第2排ガス通路262 を排ガスが流通して排ガス中のHCが吸着材38に吸着されるので、機関始動時に未燃のHCが排出されることはない。しかも吸着材38よりも上流側で第2排ガス通路262 に介設された第2触媒422 は、第1排ガス通路252 の途中に介設される第1触媒412 に隣接するようにして触媒コンバータ302 内に設けられており、両触媒412 ,422 は、金属材料すなわち熱伝導率が高い材料から成るハニカム構造体33に担持されている。したがって第2触媒422 から第1触媒412 への熱交換効率を向上することができるとともに、第2触媒422 から触媒コンバータ302 のケーシング312 を介しての外部への放熱を効率よく行なうことができ、第2排ガス通路262 を流通する排ガスの温度は、吸着材38に達するまでに比較的低温となり、HC脱離までの時間が長くなって吸着性能が向上する。しかも第1触媒412 は、第2排ガス通路262 を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、第1排ガス通路252 を流通する少量の排ガスは、機関の始動後に比較的短時間の間に活性化温度に達する第1触媒412 により浄化されることになる。
【0081】
吸着材38の温度TAが第2設定温度TS2以上となると、主として第1排ガス通路252 を排ガスが流通するようになり、第1排ガス通路252 を流通する排ガスは、活性化温度に達している第1触媒412 により十分な浄化性能を得ることができる。また第2排ガス通路262 を流通する少量の排ガスは、活性化温度に達している第2触媒422 により、十分に浄化されることになる。
【0082】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0083】
たとえば、上記実施例では、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際には少量の排ガスが第1排ガス通路を流通し、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際には少量の排ガスが第2排ガス通路を流通するようにしたが、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際には第1排ガス通路を排ガスが流通することはなく、また主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際には第2排ガス通路を排ガスが流通することはないようにすることも可能である。すなわち、一対の排気弁の実質的な閉弁休止を切換えるのではなく、一対の排気弁の完全な閉弁休止を切換えるものであってもよく、また複数気筒の実質的な気筒休止を切換えるものではなく、完全な気筒休止を切換えるものであってもよい。
【0084】
また上記実施例では、主として第2排ガス通路を排ガスが流通する際に、第2排ガスを流通する排ガスと第1触媒との熱交換を図るために、第2排ガス通路において吸着材38よりも上流側の第2排ガス通路に第2触媒が介設されているが、第2排ガス通路から第1触媒への効率的な熱交換を図り得る構造とすれば、第2触媒を省略することも可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、吸着材の温度が脱離温度よりも低い設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路を排ガスが流通するようにして、排ガス中のHCを吸着材に吸着せしめるようにし、第2排ガス通路を流通する排ガスの温度が第1排ガス通路に介装されている第1触媒との熱交換により吸着材に達するまでに比較的低温となるようにして吸着性能を向上することができる。しかも第1触媒は、第2排ガス通路を流通する排ガスとの熱交換によって速やかに活性化温度に達することになり、主として第1排ガス通路を排ガスが流通するようにしたときには、活性化温度に達している第1触媒により十分な浄化性能を得ることができる。
【0086】
また請求項2記載の発明によれば、主として第1排ガス通路を排ガスが流通する際に少量の排ガスが第2排ガス通路を流通する場合には、活性化温度に達している第2触媒により第2排ガス通路の排ガスを十分に浄化することができる。
【0087】
さらに請求項3記載の発明によれば、第2触媒から第1触媒への熱交換効率を向上するとともに、第2触媒からケーシングを介しての外部への放熱を効率よく行なうことが可能であり、第1触媒を活性化温度まで速やかに昇温させることが可能となるとともに、吸着材の吸着性能をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図2】排気系の一部構成を示す縦断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】触媒コンバータ内のハニカム構造体を示す斜視図である。
【図5】排気動弁装置の平面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】図5の8−8線断面図である。
【図9】排ガスが主として第2排ガス通路を流通する状態での図6ないし図8の9−9線断面図である。
【図10】制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】第2実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図12】第3実施例の排気系の要部構成を示す図である。
【図13】第4実施例の内燃機関の排気系の構成を示す図である。
【図14】排気系の一部構成を示す縦断面図である。
【図15】排気動弁装置の平面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】制御手段による排ガス切換手段の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
251 ,252 ・・・第1排ガス通路
261 ,262 ・・・第2排ガス通路
27・・・共通排ガス通路
311 ・・・ケーシング
38・・・吸着材
411 ,412 ・・・第1触媒
421 ,422 ・・・第2触媒
43・・・共通触媒
701 ,702 ・・・排ガス切換手段
71・・・制御手段
72・・・温度検出器
E・・・機関本体
Claims (3)
- 機関本体(E)からの排ガスを流通させ得る第1排ガス通路(251 ,252 )と、機関本体(E)からの排ガスを流通させ得る第2排ガス通路(261 ,262 )と、第1および第2排ガス通路(251 ,252 ;261 ,262 )の下流端が共通に接続される共通排ガス通路(27)と、排ガス中のHCを吸着すべく第2排ガス通路(261 ,262 )の中間部に介装される吸着材(38)と、第1および第2排ガス通路(251 ,252 ;261 ,262 )を流通する排ガスを共通に通過させるべく共通排ガス通路(27)に介装される共通触媒(43)と、主として第1排ガス通路(251 ,252 )に排ガスを流通させる状態ならびに主として第2排ガス通路(261 ,262 )に排ガスを流通させる状態を切換可能な排ガス切換手段(701 ,702 )とを備える内燃機関の排ガス浄化装置において、第2排ガス通路(261 ,262 )を流通する排ガスとの熱交換を可能として前記吸着材(38)よりも上流側で第1排ガス通路(251 ,252 )に介装される第1触媒(411 ,412 )と、前記吸着材(38)の温度を検出する温度検出器(72)と、該温度検出器(72)の検出値が前記吸着材(38)の脱離温度よりも低く設定される設定温度未満であるときには主として第2排ガス通路(261 ,262 )に排ガスを流通させるが前記温度検出器(72)の検出値が設定温度以上であるときには主として第1排ガス通路(251 ,252 )に排ガスを流通させるようにして前記排ガス切換手段(701 ,702 )の作動を制御する制御手段(71)とを含むことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 第2排ガス通路(261 ,262 )には、第1触媒(411 ,412 )との間での熱交換を可能とした第2触媒(421 ,422 )が介装されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記第1および第2触媒(411 ,421 )は、第1触媒(411 )を第2触媒(421 )が囲むようにして共通なケーシング(311 )内に収納されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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JP5187203B2 (ja) * | 2009-01-19 | 2013-04-24 | トヨタ自動車株式会社 | エンジンの排気構造 |
-
1998
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JPH11236814A (ja) | 1999-08-31 |
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