JP3453638B2 - 低電圧損失ドライバ - Google Patents

低電圧損失ドライバ

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JP3453638B2
JP3453638B2 JP03043494A JP3043494A JP3453638B2 JP 3453638 B2 JP3453638 B2 JP 3453638B2 JP 03043494 A JP03043494 A JP 03043494A JP 3043494 A JP3043494 A JP 3043494A JP 3453638 B2 JP3453638 B2 JP 3453638B2
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emitter
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健二 西村
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Hitachi Solutions Technology Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライバ、さらには半
導体集積回路化されたモータドライバに適用して有効な
技術に関するものであって、たとえばHDD(ハードデ
ィスク記憶ドライブ装置)のデータ書込/読出用ヘッド
を駆動するボイスコイルモータ・ドライバに利用して有
効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、HDDの高速化にはヘッド位
置決め時間、とくにシーク時間を短くする必要があり、
そのためにはヘッドを高速で動かす必要があり、ヘッド
を高速で駆動するためにはVCM(ボイスコイルモー
タ)の駆動電流を増やす必要がある。
【0003】VCMの駆動電流を増やすためには、VC
Mのコイルにできるだけ大きな駆動電圧を与える必要が
ある。コイルには巻線抵抗などの抵抗分が少なからず寄
生し、この抵抗分が電圧損失分(IR損失)となる。し
たがって、HDDの高速化には、できるだけ大きな駆動
電圧を与えることができるドライバが必要となる。
【0004】図8は発明者等が検討したドライバ1A,
1Bの概略構成を示したものであって、1は入力回路、
2は上側駆動回路、3は下側駆動回路、4はトランジス
タQ3,Q4によるプッシュプル型出力回路、5は出力
端子、6はVCMからなる負荷である。また、Icnt
は入力電流、Voは出力電圧、Vccは電源電位であ
る。負荷(VCM)6は抵抗RとインダクタンスLが直
列に接続された等価回路を有し、互いに逆相で動作する
2つの負荷ドライバ1Aと1Bによって双方向から相補
駆動(BTL駆動)される。
【0005】ここで、本発明者らが検討したところによ
ると、図8に示した回路では、電源電圧(Vcc−0)
の電圧利用効率が悪く、電源電圧(Vcc−0)に対す
る出力電圧Voの変化幅(ダイナミックレンジ)が狭い
という問題があった。
【0006】すなわち、図8に示したドライバ1A,1
Bの出力電圧Voは、上側駆動回路2の最高出力電圧か
らトランジスタQ3のVbe(ベース・エミッタ間電圧
=約0.6〜0.8V)だけ低いところで飽和してしま
い、それ以上は高くならない。つまり、ドライバ1A,
1Bの出力電圧Voは、少なく見積もっても、電源電位
VccからトランジスタQ3のVbeを差し引いたとこ
ろまでしか上昇することができない。このことが、電源
電圧(Vcc−0)に対する出力電圧Voの変化幅を狭
くしていた。
【0007】だが、上述したように、HDDの高速化に
際しては、負荷(VCM)を駆動する出力電圧Voの
変化幅をできるだけ大きくすることが要求される。この
ためには、上記ドライバ1A,1Bの電圧利用効率を高
めて、電源電圧(Vcc−0)に対する出力電圧の変化
幅を大きくしなければならない。つまり、H(高レベ
ル)出力時には出力電圧Voと電源電位Vccの差いわ
ゆる上側出力飽和電圧ができるだけ小さくなるように
し、L(低レベル)出力時には出力電圧Voと基準電位
(0V)の差いわゆる下側出力飽和電圧ができるだけ小
さくなるようにしなければならない。
【0008】図9は、別のドライバ1Aの要部における
詳細回路を示す。同図において、入力回路1は、第1お
よび第2の2つのnpnバイポーラ・トランジスタQ
1,Q2と定電流回路I1によって構成される。Q1は
エミッタフォロワ回路を形成し、Q2とI1はエミッタ
接地型増幅回路を形成する。Q1のエミッタはQ2のベ
ースに接続され、Q1のコレクタ・エミッタ間電圧とQ
2のベース・エミッタ間電圧の和に相当する出力電圧V
aがQ2のコレクタから取り出される。
【0009】上記駆動回路2は、npnバイポーラ・ト
ランジスタQ15,Q16,Q18、pnpバイポーラ
・トランジスタQ17、抵抗R,R9,R10,R1
1によって構成され、入力回路1の出力電圧VaがH
(高レベル)のときに上側出力トランジスタQ3をオン
に導通駆動する。
【0010】下側駆動回路3は、pnpバイポーラ・ト
ランジスタQ11および抵抗R3によって構成され、入
力回路1の出力電圧VaがL(低レベル)のときに下側
出力トランジスタQ4をオンに導通駆動する。
【0011】出力回路4は、上側出力トランジスタQ3
および下側出力トランジスタQ4が共にnpnバイポー
ラ・トランジスタであって、各トランジスタQ3,Q4
のベース・エミッタ間にはそれぞれベース蓄積電荷の引
き抜きを促進するための抵抗R12,R13が並列に接
続されている。
【0012】8はバイアス回路であり、npnバイポー
ラ・トランジスタQ21,Q12,Q13、pnpバイ
ポーラ・トランジスタQ14、抵抗R4,R5,R7,
R8、コンデンサC3、定電流回路I2によって構成さ
れる。
【0013】なお、ドライバとしては、たとえば、日立
製作所製半導体集積回路「VCMドライバ:HA135
29シリーズ」がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者らに
よってあきらかとされた。
【0015】すなわち、上述したドライバでは、上側出
力飽和電圧と下側出力飽和電圧を両立して小さくするこ
とが困難である、という問題が生じる。
【0016】図9の回路において、入力回路1の出力電
圧Vaは、Q11,Q21にてそれぞれVbe(但し、
Vbeはベース・エミッタ間電圧)ずつ上側にシフトさ
れた後、Q13,Q14,Q12にてそれぞれVbeず
つ下側にシフトされることにより、略Va−Vbeで計
算される電圧が出力端子5に伝達される。
【0017】ここで、Va=Vbe+Vce=約0.8
Vとすれば、L(低レベル)出力時の出力電圧Voは、
Vbeを0.6Vとすると、Vo=0.8V−0.6V
=約0.2Vになるはずである。つまり、下側出力飽和
電圧は0.2Vまで下がるはずである。
【0018】ところが、図10に示すように、実際の回
路動作では、各トランジスタQ11,Q21,Q13,
Q14,Q12のVbeがトランジスタのサイズ(エミ
ッタ面積)や電流密度などによってそれぞれ異なり、こ
れに各抵抗R3,R4,R5,R7などにてそれぞれに
生じる電圧降下分も加わることにより、実際の下側出力
飽和電圧は上記計算値(約0.2V)よりもかなり大き
くなってしまう。
【0019】図10は各素子におけるサイズ/抵抗値
(AE,R)、電流(I)、電圧降下値(Vbe,V
R)を表にしたものであって、出力電流IoがOAのア
ンドリング状態では、補助出力回路8における電圧降下
は542mVとなり、このときの出力電圧VoはVa−
0.542Vとなる。しかし、出力電流Ioが1Aのと
きの補助出力回路での電圧降下は183mVに減り、
このときの出力電圧VoはVa−0.183Vとなる。
したがって、L(低レベル)出力時に出力電流Ioが1
A流れる動作状態では、出力電圧Voが下限となるL
(低レベル)出力時でも、その出力電圧Voは、Va−
0.183Vにより、約0.5Vまでしか下がることが
できない。このため、下側出力飽和電圧は下側出力トラ
ンジスタQ4を飽和動作させたときよりも大きくなって
しまう。
【0020】上述した問題の解決手段としては、ダイオ
ード接続のトランジスタQ13に直列にダイオード接続
のトランジスタを挿入するなどして、バイアス回路8に
おける電圧降下の大きさをVbeから2Vbeに増大さ
せることが考えられる。しかし、この場合は、H(高レ
ベル)出力時の出力電圧Voが下がって上側出力飽和電
圧を大きくしてしまう、という背反が生じる。
【0021】本発明の目的は、ドライバの上側出力飽和
電圧と下側出力飽和電圧とを両立して小さくする、とい
う技術を提供することにある。
【0022】本発明の前記ならびにそのほかの目的と特
徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかにな
るであろう。
【0023】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0024】すなわち、入力回路の出力電圧をトランジ
スタ1個分のベース・エミッタ間電圧に相当する電圧降
下で出力端子に伝達させるとともに、上記入力回路の出
力電圧をトランジスタのベース・エミッタ間電圧よりも
小さな範囲で基準電位側にシフトさせるレベル調整回路
を設ける、というものである。
【0025】
【作用】上述した手段によれば、H(高レベル)出力時
の出力電圧とL(低レベル)出力時の出力電圧をそれぞ
れ最適レベルに設定することができる。
【0026】これにより、ドライバの上側出力飽和電圧
と下側出力飽和電圧とを両立して小さくする、という目
的が達成される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を参照し
ながら説明する。なお、図において、同一符号は同一あ
るいは相当部分を示すものとする。図1は本発明の技術
が適用されたドライバの一実施例を示す。同図に示すド
ライバ1A,1BはHDDのヘッド駆動を行うVCM
(ボイスコイルモータ)を負荷6とするものであって、
1は入力回路、2は上側駆動回路、3は下側駆動回路、
4はトランジスタQ3,Q4によるプッシュプル型出力
回路、5は出力端子、6は負荷(VCM)、7は昇圧回
路、8はバイアス回路である。また、Icntは入力電
流、Voは出力電圧、Vccは電源電位である。負荷
(VCM)6は抵抗RとインダクタンスLが直列に接続
された等価回路で表すことができる。かかる負荷(VC
M)6は、互いに逆相で動作する2つの負荷ドライバ1
Aと1Bによって双方向から相補駆動(BTL駆動)さ
れる。
【0028】入力回路1は、第1および第2のダーリン
トン接続の2つのnpnバイポーラ・トランジスタQ
1,Q2、定電流回路I1、発振防止用コンデンサC1
などによって構成される。Q1はエミッタフォロワ回路
を形成し、Q2とI1はエミッタ接地型増幅回路を形成
する。Q1のエミッタはQ2のベースに接続され、Q1
のコレクタ・エミッタ間電圧とQ2のベース・エミッタ
間電圧の和に相当する出力電圧VaがQ2のコレクタか
ら取り出される。入力回路1はいわゆるA級増幅器を成
すような動作とされ、その出力動作点(Va、Va’)
は電源電圧Vccのほぼ半分の電位とされる。
【0029】上側駆動回路2は、npnバイポーラ・ト
ランジスタQ15,Q16,Q18、pnpバイポーラ
・トランジスタQ17、抵抗R,R9,R10,R1
1にょって構成され、入力回路1の出力電圧VaがH
(高レベル)のときに上側出力トランジスタQ3をオン
に導通駆動する。
【0030】下側駆動回路3は、pnpバイポーラ・ト
ランジスタQ11および抵抗R3によって構成され、入
力回路1の出力電圧VaがL(低レベル)のときに下側
出力トランジスタQ4をオンに導通駆動する。
【0031】出力回路4は、抵抗R12,R13と、ト
ランジスタQ3,Q4とから構成される。出力回路4を
成す上側及び下側トランジスタQ3,Q4が、図示の全
体の回路とともにモノリシック半導体集積回路を成すの
に適するよう、共にnpnバイポーラ・トランジスタか
ら構成される。各トランジスタQ3,Q4のベース・エ
ミッタ間にはそれぞれベース蓄積電荷の引き抜きを促進
するための抵抗R12,R13が並列に接続されてい
る。
【0032】バイアス回路8は、npnバイポーラ・ト
ランジスタQ21,Q12,Q13、pnpバイポーラ
・トランジスタQ14、抵抗R4,R5,R7,R8、
コンデンサC3、定電流回路I2によって構成され、出
力Voが入力回路1の出力VaよりもVbe以上高レベ
ルである範囲において、トランジスタQ11をオン状態
にせしめる電位をかかるトランジスタQ11のエミッタ
に供給する。これによって、出力トランジスタQ4が動
作され、出力Voが入力回路1の出力Vaに追従される
ようにされる。
【0033】なお、下側駆動回路3におけるトランジス
タQ11のベース側抵抗R3、およびバイアス回路8に
おける抵抗R4,R5、コンデンサC3は、回路の異常
動作を防止するために適宜に設定されるものである。
【0034】すなわち、図示の構成において駆動トラン
ジスタQ11がオンとなる状態においては、出力端子5
からバイアス回路8を介して、駆動トランジスタQ11
のエミッタに至り、かつ駆動トランジスタQ11のコレ
クタから出力トランジスタQ4のベース、及びコレクタ
を介して再び出力端子5に至る帰還ループが形成される
ことになり、かかる帰還ループでの信号位相回転とその
ときのゲインに応じて発振ないしは、発振しがちな不安
定状態があらわれやすくなる。抵抗R3ないしR5、コ
ンデンサC3は、かかる帰還動作を安定化する。
【0035】ここで、入力回路1には、その出力電圧V
aをトランジスタ1個分のベース・エミッタ間電圧Vb
eよりも小さな範囲で基準電位側にシフトさせるレベル
調整回路9が設けられている。このレベル調整回路9
は、入力回路1の出力側を構成する第2トランジスタQ
2のコレクタに抵抗R1を直列に挿入することにより形
成されている。抵抗R1の電圧降下は、定電流回路I1
からの電流と抵抗R1の抵抗値とによって決まる。従っ
て、抵抗R1の値により、入力回路1から下側駆動回路
3に入力される電圧Vaのレベルを任意の幅で設定する
ことができる。
【0036】昇圧回路7は、本発明と直接に関係がない
のでその詳細を図示しないが、その内部に電源電圧をV
ccによって動作される発振回路と、かかる発振回路に
よってスイッチ制御されるバイポーラトランジスタから
なる複数のスイッチ素子と、モノリシック半導体集積回
路の外部端子T1〜T3に結合されるコンデンサC4、
C5から構成される。
【0037】第1スイッチ状態では、T1が電源端子V
ccに結合され、T2が回路の接地電位点に結合される
ことによって、電荷移送コンデンサC4がほぼ電源電圧
レベルに充電される。
【0038】第2スイッチ状態では、T1がT3に結合
されT2が電源端子Vccに結合される。従って、出力
コンデンサC5には、電源電圧VccとコンデンサC4
の充電電圧とを加えた昇圧された電圧が供給される。
【0039】発振回路による第1、第2スイッチ状態の
交互の周期動作によって、出力コンデンサC5には、継
続的に昇圧電圧(Vbst)が形成される。
【0040】次に、動作について説明する。図1におい
て、出力端子5は出力回路4によってH(高レベル)ま
たはL(低レベル)に駆動される。バイアス回路8は、
出力端子5の出力電圧Voに対し、Vbe上側にシフト
した電位を、下側駆動トランジスタQ11のエミッタに
与える。
【0041】この構成において、入力回路1に形成され
たレベル調整回路9の抵抗R1の値を適当に選んでおく
と、入力回路1から下側駆動回路3に入力される出力電
圧Vaのレベルを、L(低レベル)出力時の下側出力飽
和電圧とH(高レベル)出力時の上側出力飽和電圧の合
計を最小とするように最適化することができる。
【0042】このようにして、補助出力回路8にて電圧
降下を行わせるためのトランジスタ数を変更することな
く、H(高レベル)出力時の出力電圧VoとL(低レベ
ル)出力時の出力電圧Voをそれぞれ最適レベルに設定
することができる。これにより、ドライバ1Aの上側出
力飽和電圧と下側出力飽和電圧とを両立して小さくする
ことができる。
【0043】図2の(A)(B)はそれぞれは、出力電
流Ioに対する出力飽和電圧Vsat(上側出力飽和電
圧と下側出力飽和電圧の合計)の変化状態をグラフで示
したものであって、(A)は上記レベル調整回路9を使
用しなかった場合、(B)は上記レベル調整回路9を使
用して最適化処理を行った場合をそれぞれ示す。同図に
示すように、出力飽和電圧Vsatは、上記レベル調整
回路9での設定によって大幅な低減化が可能である。
【0044】図3は出力電流Ioに対する下側出力飽和
電圧Vsatの変化状態をグラフで示したものであっ
て、細い実線は上記レベル調整回路9を使用しなかった
従来回路の場合太い実線は上記レベル調整回路9を使
用して最適化設定を行った新回路の場合をそれぞれ示
す。
【0045】図4はトランジスタ(Q3,Q4)のエミ
ッタ面積AEとそのエミッタ面積によって得られる出力
飽和電圧Vsatとの関係を示したものであって、同図
に示すように、本発明では、同じ出力飽和電圧Vsat
を得るためのエミッタ面積を従来比でほぼ半分にするこ
とができる。これにより、半導体集積回路化する場合
に、半導体チップ面積の縮小による低コスト化を達成す
ることができる。
【0046】図1の回路を周知のモノリシック半導体集
積回路、すなわちP型シリコンからなるような半導体基
板上に、pn接合分離や絶縁層分離されたn型シリコン
からなるような素子形成領域を形成し、かかる素子形成
領域に拡散抵抗やnpnバーチカルトランジスタ、pn
pラテラルトランジスタを形成する半導体集積回路化す
る場合、良い性能を得ることができるとともに、必要と
する半導体チップを比較的、小さいものとすることがで
きる。
【0047】すなわち、出力トランジスタQ3,Q4
は、それらによって制御すべき電流が比較的大きいこと
によって、大きいサイズが必要となるものとなる。n型
素子形成領域が、順次にベース、エミッタを形成するい
わゆるバーチカル構造のnpnトランジスタと、n型素
子形成領域に互いに離間してp型エミッタ、コレクタを
形成するいわゆるラテラル構造のpnpトランジスタと
を対結した場合、npnトランジスタの方が遮断周波数
特性も良く、かつ同じ許容電流なら、比較的小さいサイ
ズとすることができる。従って、性能が良く、かつ比較
的半導体チップサイズの小さい半導体集積回路を得るこ
とができる。
【0048】図示の入力回路1は、ダーリントン接続の
トランジスタQ1,Q2のコレクタが実質的に共通にさ
れていることによって、入力電流Icntのレベルの不
所望な増大にかかわらずに、出力トランジスタQ4の最
適駆動を可能とする。
【0049】すなわち、トランジスタQ1のコレクタ電
位は、かかるトランジスタQ1が充分にオンとなるよう
に入力電流Icntが充分大きなレベルになった場合で
あっても、ほぼそのエミッタ電位にまで低下するにすぎ
ない。これに応じて、その時の入力回路1の出力Vcc
すなわちトランジスタQ2のコレクタ電位は、回路の接
地電位より高い電位にまでしか低下しない。出力Vaの
最低レベルのこのような制限により、下側駆動トランジ
スタQ11が強くオン状態にされてまうことを防ぐこと
ができ、それに応じて出力トランジスタQ4が過大電流
をもって駆動されてしまうことを防ぐことができる。
【0050】なお、図示の構成でなく、例えばトランジ
スタQ1を省き、トランジスタQ2のベースに直接に入
力電流Icntを与えるようにする場合、入力電流Ic
ntが大きくなるとそれに応じてトランジスタQ2が充
分にオン状態となる可能性が生じ、トランジスタQ2の
コレクタ電位、すなわち入力回路1の出力Vaがほぼ回
路の接地電位にまで低下する可能性が生ずる。このよう
に出力Vaがほぼ回路の接地電位にまで低下すると、下
側駆動トランジスタQ11が強くオン状態とされ、これ
に応じて出力トランジスタQ4が過大電流をもって駆動
される。すなわち、バイアス回路8は図9に関連しての
説明から明らかなように出力端子5の出力Voに対し、
ベース・エミッタ順方向電圧Vbeだけ正電位側にレベ
ルシフトした電位を下側駆動トランジスタQ11のエミ
ッタに与える。これに応じて、下側駆動トランジスタQ
11は、そのベース電位すなわち入力回路1の出力Va
がはぼ回路の接地電位にまで低下されてしまったなら、
出力回路4の出力Voがほぼ接地電位に低下するまでオ
ン状態を維持するものである。これに応じて、出力トラ
ンジスタQ4は、いわば過剰飽和状態まで駆動され、大
きなベース蓄積電荷をもつようになり、大きな動作遅延
をもつようになる。その結果、出力端子5の出力Voに
大きな信号歪が与えられてしまうこととなるものであ
る。
【0051】図1のようにする場合は、上述のように入
力回路1の出力Vaの最低レベルを制限することがで
き、出力トランジスタQ4の過剰飽和を防ぐことができ
る。言いかえると、出力Voの信号歪を増大させない程
度に、出力Voのダイナミックレンジを充分に大きくす
ることができる。
【0052】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0053】たとえば、図5は本発明の第2の実施例を
示したものであって、この第2の実施例では、入力回路
1を構成する第2トランジスタQ2のコレクタにショッ
トキー・ダイオードD1を直列に挿入することにより、
レベル調整回路9を形成している。このレベル調整回路
9を使う場合は、出力飽和電圧の設定値がショットキー
・ダイオードD1によって固定されてしまい、出力ダイ
ナミックレンジを最大とするような微調整が困難となる
ものの、トランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbe
よりも小さなショットキー電圧分の電圧シフトにより、
出力飽和電圧の最適化設定を行うことができる。
【0054】また、図6は本発明の第3の実施例を示し
たものであって、同図に示すように、入力回路1を構成
する第1トランジスタQ1のコレクタを第2トランジス
タQ2のコレクタから分離し、この分離した第1トラン
ジスタQ1のコレクタを出力回路4と同じ電源電位Vc
cに接続することによっても、上記レベル調整回路9を
形成することができる。
【0055】さらに、図7に示す第4の実施例のよう
に、レベル調整回路9は、入力回路1を形成する第1ト
ランジスタQ1のコレクタを第2トランジスタQ2のコ
レクタから分離し、この分離した第1トランジスタQ1
のコレクタを出力回路4と同じ電源電位Vccに接続す
るとともに、第2トランジスタQ2のエミッタに抵抗R
30を挿入したものであってもよい。
【0056】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である磁気
ディスク記憶ドライブ装置(HDD)に適用した場合に
ついて説明したが、それに限定されるものではなく、た
とえば光ディスク記憶ドライブ装置(CD−ROM)な
どにも適用できる。
【0057】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものの効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
【0058】すなわち、ドライバの上側出力飽和電圧と
下側出力飽和電圧とを両立して小さくすることができ、
同じ出力飽和電圧を得る場合は素子サイズを大幅に縮小
して低コスト化を達成することができる、という効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術が適用されたドライバの第1の実
施例を示す回路図
【図2】出力電流に対する上側および下側の出力飽和電
圧の合計の変化状態を示すグラフ
【図3】出力電流に対する下側出力飽和電圧の変化状態
を示すグラフ
【図4】トランジスタのサイズと出力飽和電圧との関係
を示すグラフ
【図5】本発明の第2の実施例を示す回路図
【図6】本発明の第3の実施例を示す回路図
【図7】本発明の第4の実施例を示す回路図
【図8】発明者らが予め検討したドライバの概略構成図
【図9】本発明に先立って本発明者らが検討した他のド
ライバの要部での詳細回路を示す。
【図10】バイアス回路における素子ごとの電圧降下状
態を示す表
【符号の説明】
1 入力回路 2 上側駆動回路 3 下側駆動回路 4 出力回路 5 出力端子 6 負荷(ボイスコイルモータ) 7 昇圧回路 8 バイアス回路 9 レベル調整回路 Va 入力回路の出力電圧 Vo 出力端子5での出力電圧 Vcc 電源電位(12V) Vbst 昇圧電圧(14V)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−290193(JP,A) 実開 平1−162923(JP,U) 特表 平2−502493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 7/00 H02P 5/00 G11B 21/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源電位側から負荷を駆動する上側出力
    トランジスタと基準電位側から上記負荷を駆動する下側
    出力トランジスタとにより形成されるプッシュプル型の
    出力回路と、エミッタフォロワ回路を形成する第1トラ
    ンジスタのエミッタを、エミッタ接地型増幅回路を形成
    する第2トランジスタのベースに接続するとともに、第
    1トランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧と第2トラ
    ンジスタのベース・エミッタ間電圧の和に相当する出力
    電圧を第2トランジスタのコレクタ側から出力する入力
    回路と、上記入力回路の出力電圧によって上記出力回路
    の上側出力トランジスタと下側出力トランジスタを相補
    駆動する上側駆動回路および下側駆動回路と、上記入力
    回路の出力電圧をトランジスタ1個分のベース・エミッ
    タ間電圧に相当する電圧降下で上記出力端子に伝達する
    補助出力回路と、上記入力回路および上記補助出力回路
    の動作電源電圧をそれぞれ上記出力回路の動作電源電圧
    よりも高くする昇圧回路と、上記入力回路の出力電圧を
    トランジスタのベース・エミッタ間電圧よりも小さな範
    囲で基準電位側にシフトさせるレベル調整回路とを備え
    たことを特徴とする低電圧損失ドライバ。
  2. 【請求項2】 入力回路の出力側を構成する第2トラン
    ジスタのコレクタに抵抗を直列に挿入することにより上
    記レベル調整回路を形成したことを特徴とする請求項
    に記載の低電圧損失ドライバ。
  3. 【請求項3】 第2トランジスタのコレクタにショット
    キー・ダイオードを直列に挿入することにより上記レベ
    ル調整回路を形成したことを特徴とする請求項1または
    に記載の低電圧損失ドライバ。
  4. 【請求項4】 第1トランジスタのコレクタを第2トラ
    ンジスタのコレクタから分離し、この分離した第1トラ
    ンジスタのコレクタを出力回路の電源電位に接続するこ
    とにより上記レベル調整回路を形成したことを特徴とす
    る請求項1からまでのいずれかに記載の低電圧損失ド
    ライバ。
  5. 【請求項5】 第1トランジスタのコレクタを第2トラ
    ンジスタのコレクタから分離し、この分離した第1トラ
    ンジスタのコレクタを出力回路と同じ電源電位に接続す
    るとともに、第2トランジスタのエミッタに抵抗を挿入
    することにより上記レベル調整回路を形成したことを特
    徴とする請求項1からまでのいずれかに記載の低電圧
    損失ドライバ。
  6. 【請求項6】 ディスク記憶ドライブ装置のデータ書込
    /読出ヘッドを駆動するボイスコイルモータと、このボ
    イスコイルモータを電源電位側から駆動する上側出力ト
    ランジスタと上記ボイスコイルモータを基準電位側から
    駆動する下側出力トランジスタとにより形成されるプッ
    シュプル型の出力回路と、エミッタフォロワ回路を形成
    する第1トランジスタのエミッタを、エミッタ接地型増
    幅回路を形成する第2トランジスタのベースに接続する
    とともに、第1トランジスタのコレクタ・エミッタ間電
    圧と第2トランジスタのベース・エミッタ間電圧に相当
    する出力電圧を第2トランジスタのコレクタ側から取り
    出す入力回路と、上記入力回路の出力によって上記出力
    回路の上側出力トランジスタと下側出力トランジスタを
    相補駆動する上側駆動回路および下側駆動回路と、上記
    入力回路の出力電圧をトランジスタ1個分のベース・エ
    ミッタ間電圧に相当する電圧降下で上記出力端子に伝達
    する補助出力回路と、上記入力回路および上記補助出力
    回路の動作電源電圧をそれぞれ上記出力回路の動作電源
    電圧よりも高くする昇圧回路と、上記入力回路の電圧を
    トランジスタのベース・エミッタ間電圧よりも小さな範
    囲で基準電位側にシフトさせるレベル調整回路とを備え
    たことを特徴とするディスク記憶ドライブ装置。
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