JP3452625B2 - 直描型オフセット印刷原版 - Google Patents

直描型オフセット印刷原版

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JP3452625B2
JP3452625B2 JP02451894A JP2451894A JP3452625B2 JP 3452625 B2 JP3452625 B2 JP 3452625B2 JP 02451894 A JP02451894 A JP 02451894A JP 2451894 A JP2451894 A JP 2451894A JP 3452625 B2 JP3452625 B2 JP 3452625B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直描型のオフセット印刷
原版に関し、特に画像受理層の構成素材として、特定の
親水化剤によって表面処理された亜鉛化合物粉末を使用
することにより、印刷時の地汚れを可及的に防止すると
共に、耐印刷枚数を大幅に高めた直描型オフセット印刷
原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り軽印刷分野で使用されるオフ
セット印刷原版には、耐水性支持体上に画像受理層を
形成してなる直描型のもの、耐水性支持体上に光導電
性の感光層を形成し、電子写真方式で画像形成が行なわ
れる電子写真型のもの、耐水性支持体上にハロゲン化
銀乳剤層を設け、銀塩により画像形成を行なう銀塩写真
型のもの等が知られている。
【0003】これらの中でも直描型のオフセット印刷原
版は、画像受理層上に直接親油性のインキで手書きした
り、プリンターによる直接印字し、あるいはPPC複写
機などを用いた直接複写製版を行なうことができるの
で、他のオフセット印刷原版に比べて簡便性や製版コス
ト等において格段に有利な方法といえる。
【0004】即ち、直描型オフセット印刷原版を用いた
画像形成の最も一般的な方法としては、セレンなどから
なる感光体ドラムに通常の電子写真方式で印刷画像に相
当する潜像を帯電形成し、該帯電部にトナーを付着させ
た後、これを直描型オフセット印刷原版の画像受理層上
に転写し定着させる方法である。また上記の様な電子写
真方式の他、ワイヤードット方式や熱転写方式によって
画像形成を行なうこともでき、更には親油性インキを用
いて手書きにより画像受理層上に画像を形成することも
可能であり、画像形成の簡便性において非常に優れたも
のである。
【0005】該直描型オフセット印刷原版の基本的構成
は、耐水性支持体上に酸化亜鉛等の無機顔料と親水性の
樹脂結合剤を主体とする塗料(通常は水性塗料)を塗布
し乾燥することにより画像受理層を形成してなるもので
あり、画像処理後は不感脂化処理液(エッチ液)で処理
することによって画像部と非画像部における親水性と親
インキ性の差を大きくし、それにより画像部は油性イン
キをより受け付け易くすると共に、非画像部はインキを
より受け付け難くする(即ち、撥インキ性を高める)。
そしてこの様に処理された画像処理部にインキを乗せ、
画像部に付着したインキを紙等の被印刷物に転写するこ
とによって印刷が行なわれる。
【0006】即ちオフセット印刷に当たっては、印刷機
の版胴に取付けた印刷版に、給水ローラから湿し水を供
給することによって親水性の非画像部を水で湿潤すると
共に、親油性の画像部にはインキローラから供給される
印刷インキが着肉される。この印刷インキは、通常は印
刷版からゴム製等のブランケットに転写された後に紙に
印刷される。このときの湿し水の役割は、印刷版の非画
像部を薄い水膜で覆い、油性の印刷インキが非画像部に
付着するのを防止することによって地汚れを防止し、印
刷の鮮明度を高めるものである。
【0007】ところが高速で回転する印刷機において
は、上記湿し水が印刷インキ中に混入して乳化現象を起
こし、それに伴って画像部へのインキの着肉不良や濃度
むら、地汚れ等が発生するので、こうした問題を改善す
るため不感脂処理(エッチ液処理)が行なわれる。即ち
不感脂処理とは、印刷版の汚れ防止と湿潤性向上を目的
として使用されるものであり、主に非画像部の汚れ除去
のための燐酸塩や硝酸塩等の無機塩と、主に非画像部保
護を目的とするアラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶
性高分子、および版面に対する湿し水の湿潤性向上の為
の界面活性剤やフェロシアン化合物やフェリシアン化合
物等が含まれており、これらの作用により印刷版の地汚
れ防止や耐印刷枚数の向上を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の直描型
オフセット印刷原版においては、その地汚れ防止や印刷
枚数向上の為の手段として、主に湿し水や不感脂処理液
を改善する方向で研究が進められており、また他の改善
手段として印刷原版を構成する樹脂結合剤を改質する方
法も一部で試みられている。ところが、画像受理層の主
成分である酸化亜鉛粉末の改質、という観点から地汚れ
防止や印刷枚数向上を図ろうとする試みはなされていな
い。
【0009】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、直描型オフセット印刷原
版の性能向上(画像形成後の地汚れ防止や耐印刷枚数の
向上)を、該原版構成素材として用いられる酸化亜鉛粉
末の改質によって達成しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る直描型オフセット印刷原版の構成
は、水不溶性亜鉛化合物粉末の表面に、界面活性剤、エ
チレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ルよりなる群から選択される少なくとも1種を付着し乾
燥して得られる高親水性亜鉛化合物粉末を必須成分とし
て含有する画像受理層が、耐水性支持体上に形成された
ものであるところに要旨を有するものである。尚、上記
において界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤お
よび/または非イオン性界面活性剤が好ましく、また水
不溶性亜鉛化合物粉末としては水酸化亜鉛を乾燥してな
る酸化亜鉛粉末が最も好ましい。そして、画像受理層の
主成分として配合される酸化亜鉛粉末の一部もしくは全
部に前述の表面処理を施すことにより、優れた性能の直
描型オフセット印刷原版を得ることができる。
【0011】
【作用】本発明者らは先に示した様な状況の下で、特に
直描型オフセット印刷原版に見られる地汚れや耐印刷枚
数不足の問題を、湿し水や不感脂処理液の改質あるいは
該原版を構成する樹脂結合剤の改質という側面からでは
なく、該原版に多量配合される酸化亜鉛粉末の改質によ
って改善できるのではないかと考え、その線に沿って研
究を進めてきた。その結果、本来水に不溶性である酸化
亜鉛粉末の表面に親水性物質を付着させてやれば、この
親水化酸化亜鉛粉末を画像受理層の主成分として用いた
直描型オフセット印刷原版における画像処理後の非画像
部は極めて優れた水濡れ性を示すものとなり、地汚れ性
が少なく且つ耐印刷枚数の卓越した印刷版が得られるこ
とをつきとめた。
【0012】しかも、上記親水性物質の付着による水濡
れ性改善効果は、酸化亜鉛粉末に限らず炭酸亜鉛やその
熱分解生成物の如き他の水不溶性亜鉛化合物粉末に対し
ても有効に適用することができ、該親水性付与処理によ
ってそれら水不溶性亜鉛化合物の水性溶剤や親水性の樹
脂結合剤に対する分散性を著しく高め得るものであり、
従って直描型オフセット印刷用の顔料として使用される
水不溶性亜鉛化合物粉末全般に適用される水濡れ性改善
処理技術として、幅広く活用し得ることを知った。
【0013】本発明に係る直描型オフセット印刷原版
は、耐水性支持体(メラミン樹脂等で耐水化処理された
紙等)の上に親水化処理された酸化亜鉛粉末、樹脂結合
剤等からなる画像受理層が形成されたものである。該画
像受理層中に占める酸化亜鉛粉末の含有量は通常70〜
95重量%、より一般的には80〜90重量%であっ
て、大半が酸化亜鉛粉末によって占められているが、そ
れにもかかわらず、画像受理層の水濡れ性改善に酸化亜
鉛粉末を改質しようとする試みはなされたことがない。
その理由としては次の様なことが考えられる。
【0014】即ち、湿式法により製造される酸化亜鉛
は、通常水酸化亜鉛を加熱乾燥する方法、あるいは炭酸
亜鉛を熱分解する方法等によって製造されるが、該酸化
亜鉛は水に不溶性であるものの本来ある程度の親水性を
有しており、ことさらに親水性を高める必要はないと考
えられていたこと、また酸化亜鉛粉末は画像受理層内で
樹脂結合剤に表面被覆されており、不感脂処理液や湿し
水等に直接接触する機会は少ないと考えられていたこ
と、等が考えられる。
【0015】ところが本発明者らが種々の実験により確
認したところによると、追って詳述する様な方法で親水
化処理を施した酸化亜鉛粉末を使用すると、画像処理さ
れた画像受理層における非画像部の不感脂処理性および
水濡れ性が著しく高められ、通常の湿し水処理を施した
だけでも、親水化処理されていない従来の酸化亜鉛粉末
を用いた直描型オフセット印刷版に比べて耐地汚れ性や
耐印刷枚数が大幅に高められることを知った。
【0016】上記において親水化処理とは、酸化亜鉛粉
末の表面に親水性物質を付着し乾燥する方法であるが、
こうした親水化処理によって画像受理層、ひいては画像
処理後における非画像部の水濡れ性が大幅に改善され、
湿し水処理による水膜形成能が著しく高められることに
なり、連続印刷時の地汚れが抑制されると共に耐印刷枚
数を飛躍的に高めることができるのである。
【0017】本発明では、上記親水化処理に用いられる
親水性物質として、界面活性剤、エチレングリコール、
グリセリン、ポリエチレングリコールが選択され、これ
らは夫々単独で使用してもよく、或は2種以上を併用す
ることも可能である。尚界面活性剤としては、陽イオン
系、非イオン系、陰イオン系のいずれでも構わないが、
好ましいのは非イオン系および陰イオン系の界面活性剤
であり、具体例ととしては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エ
ステエル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルり
ん酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエ
チレンアルキルりん酸エステル等の陰イオン性界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、オキシエチレン・オ
キシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド等の非イ
オン性界面活性剤等が例示される。これら中でも特に好
ましいのは、アルキルりん酸塩、β−ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチ
レン高級(オクチル等)アルコールエーテル、ポリオキ
シエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールア
ミド等が挙げられる。これらの界面活性剤も単独で使用
したり2種以上を併用することができる。
【0018】水不溶性亜鉛化合物粉末表面への上記親水
性物質の付着手段は特に制限されないが、一般的な方法
として挙げるならば、 亜鉛化合物粉末をアルコール、アセトン、エーテルの
如き揮発性の溶剤に分散せしめ、これに上記の親水性物
質を添加して混合した後、用いた親水性物質の揮発温度
以下に加熱して溶剤を揮発除去する方法、 亜鉛化合物粉末を攪拌しつつ、これに上記の様な揮発
性溶剤に希釈した親水性物質を加えて混合し、この混合
物を親水性物質の揮発温度以下に加熱して溶剤を揮発除
去する方法、 亜鉛化合物粉末を流動状態で攪拌しつつ、これに親水
性物質又はその溶剤混合液をミスト状で供給して付着さ
せる方法、 等が例示され、これらの中でも特に好ましいのは上記
またはの方法である。
【0019】また亜鉛化合物粉末に対する前記親水性物
質の好ましい付着量は、親水性物質の種類によっても変
わってくるので一律に規定することはできないが、標準
的な付着量として示すならば酸化亜鉛粉末に対して0.
01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0
重量%、更に好ましくは0.5〜3.0重量%である。
しかして、付着量が不足する場合は親水向上効果が有意
に発現されず、一方多過ぎる場合は、画像形成時におけ
る油性インキの乗りが悪くなるばかりでなく、連続印刷
時に画像形成部の剥離が起こり易くなるため、耐印刷枚
数は却って減少傾向を示す様になる。しかし、上記好適
範囲で親水性物質の付着された亜鉛化合物粉末は水系溶
剤に対する分散性が非常に良好であるので、画像受理層
の形成に当たり親水性樹脂結合剤等と共に調製される水
性塗料中で該粉末がブロッキング等を起こすことなく微
細均一に分散したものとなり、この塗料を耐水性支持体
上に塗布乾燥して得られる画像受理層内においても、該
亜鉛化合物粉末が全体に渡って万偏なく分布したものと
なる。その結果、樹脂結合剤が硬化乃至固化することに
よって形成される画像受理層の表面には、該亜鉛化合物
粉末が万偏なく均一に露出することになり、それら亜鉛
化合物粉末が個々に高親水化処理されていることとも相
まって、画像受理層の不感脂液処理性および水濡れ性は
極めて良好なものとなる。
【0020】尚、直描型オフセット印刷原版の画像受理
層に配合される前記亜鉛化合物粉末として最も好ましい
のは酸化亜鉛粉末、中でも水酸化亜鉛を加熱乾燥するこ
とによって得られる酸化亜鉛粉末であり、本発明を実施
するに当っては、該酸化亜鉛粉末の全部もしくは一部を
前述の様な親水化処理しておくことにより、その目的を
より効果的に達成できるが、この他、酸化亜鉛粉末以外
の水不溶性亜鉛化合物粉末(例えば炭酸亜鉛やその熱分
解生成物、水酸化亜鉛粉末など)に親水化処理を施すこ
とによって画像受理層の水濡れ性等を高めることも有効
である。
【0021】親水化処理された前記酸化亜鉛粉末(およ
び水不溶性亜鉛化合物粉末)を用いた直描型オフセット
印刷原版の構成や製法は、用いる粉末が親水化処理され
ている点を除けば格別特殊なものではなく、たとえば酸
化亜鉛粉末(または水不溶性亜鉛化合物粉末)を使用
し、これら粉末70〜95重量部と、ポリビニルアルコ
ール、メラミン樹脂、尿素樹脂等の親水性樹脂結合剤3
0〜5重量部を水に溶解乃至分散することによって画像
受理層形成用の塗料を調製し、これを耐水性支持体(メ
ラミン樹脂等で耐水化処理された紙等)の表面に任意の
方法で塗布し乾燥する方法を採用すればよい。
【0022】そして製版に当たっては、前述の如く画像
受理層の上に電子写真方式、ワイヤドット方式、インキ
リボンを用いた熱転写方式、あるいは手書き法等により
親油性インキで画像を形成し、乾燥もしくは加熱定着の
後、不感脂処理を施して非画像部をエッチ処理すると、
オフセット印刷版が得られる。この版において非画像部
分には、前述の如く親水化処理された酸化亜鉛粉末(ま
たはエッチ液との反応によって生成するZn2 PO4
等)が露出することになるが、これらは前述の如く個々
に親水化処理されているので非画像部の親水性(即ち水
濡れ性)は極めて良好であって勿論撥インキ性にも優れ
たものであるから、湿し水等に格別の工夫をしなくとも
均一な水膜を形成することができ、画像部の親インキ性
と非画像部の親水性の差が一層顕著になることとも相ま
って、地汚れがなく鮮明度の高い印刷が可能になる。
【0023】しかも本発明のオフセット印刷原版におい
ては、画像受理層中に含まれる酸化亜鉛粉末(および/
または水不溶性亜鉛化合物粉末)の表面に前述の親水性
物質が付着されており、これは印刷枚数が多くなるにつ
れて各粒子間の隙間から微量ずつ表層部に拡散移行して
くるので、表面は長期間に亘って優れた水濡れ性が持続
されることになり、ひいては耐印刷枚数を大幅に増大し
得ることになる。
【0024】尚、上記の様な親水化処理によって亜鉛化
合物粉末の分散性が高められ、更にはこの粉末を用いた
画像受理層の水濡れ性が著しく高められる理由は必ずし
も明確にされた訳ではないが、次の様に考えている。即
ち、水不溶性亜鉛化合物粉末の表面に前述の様な親水性
物質を付着させると、該親水性物質の作用によって水系
溶剤中における該粉末の分散性および分散安定性が著し
く高められ、これらの粉末が画像受理層形成用塗料中で
部分的にブロッキング等を起こすことなく微細均一に分
散し、その結果、画像受理層表面においても該粉末が万
偏なく微細均一に分布することになり、更には夫々の粉
末が親水化処理されていることとも相まって、エッチ液
処理性が向上すると共に、非画像部の水濡れ性が高めら
れ、水膜形成による撥インキ性が著しく高められ、また
非画像部の地汚れも抑制されるものと考えられる。
【0025】本発明は以上の様に構成されており、酸化
亜鉛や炭酸亜鉛、その熱分解生成物等の水不溶性亜鉛化
合物よりなる粉末に親水性物質を付着させてその親水性
を高めることにより、水系溶剤や親水性樹脂への分散性
が高められてそれらの微細分散が助長され、その結果、
親水化処理された該水不溶性亜鉛化合物粉末を直描型オ
フセット印刷原版の画像受理層構成材として使用するこ
とにより、非画像部の水濡れ性が飛躍的に高められて連
続印刷時の地汚れが阻止されると共に、鮮明な印刷状態
を長時間持続することができ、耐印刷枚数も大幅に高め
ることができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0027】実施例1 下記の亜鉛化合物粉末を親水化処理のための原料粉末と
して使用した。 酸化亜鉛粉末:40℃の15%硫酸亜鉛溶液700gを
攪拌しつつ、これに40℃の10%水酸化ナトリウム水
溶液520gを60分間かけて添加し、生成する沈殿
(水酸化亜鉛)を水洗し濾過してから120℃で10時
間乾燥し、親水化処理用の原料粉末とした。 親水化処理:上記の各原料粉末400gをスピードカッ
ターで攪拌しておき、これに、表1に示す親水化処理物
質2〜20gを水またはエチルアルコール20mlに溶
解乃至分散した液を滴下した後、20分間攪拌を続け
る。その後、100℃で16時間乾燥することによって
溶剤を揮発除去し、表面処理された亜鉛化合物粉末を得
た。
【0028】直描型オフセット印刷原版の製法とその性
能評価:上記で得た親水化処理粉末を使用し、下記の配
合で画像受理層形成用の塗料を調製し、これをケミスタ
ット(導電処理剤、山陽化成工業社製)でバックコート
された81.4g/m2 の耐水性処理紙(メラミン樹脂
処理)上にワイヤバーを用いて塗布してから乾燥し、画
像受理層の形成された平版印刷原版を作成した。 (画像受理層形成用塗料の配合組成) 親水化処理亜鉛化合物粉末:100g ポリビニルアルコール(電気化学社製「デンカポバール
B−2」、10%水溶液):200g メラミン樹脂(住友化学社製「スミレーヅレジン」、8
0%水溶液):5g 水 :20g
【0029】得られた各原版における画像受理層を印刷
面としてキャノン社製のレーザープリンター「LBP−
CX」に通して画像を形成し、該画像形成面を下記組成
の不感脂処理液(富士フィルム社製「ELP−E2」)
で処理した後、下記の方法で非画像部の水濡れ性を評価
すると共に、印刷試験により耐印刷枚数を調べた。
【0030】(水濡れ性評価法)図1に示す如く、不感
脂処理された印刷板1の非画像部表面に、25mlのビ
ューレット2を用いて1滴(約0.05ml)の蒸留水
3を滴下し、該水滴の1分後における非画像部表面での
広がり幅Lを測定し、該広がりの程度によって水濡れ性
を評価した。尚この水濡れ性については、広がり幅が広
いほど耐印刷枚数が高まるという訳ではなく、該広がり
幅が余り大きくなり過ぎると、水濡れ性自体は良好であ
るものの、湿し水による表面処理物質の溶け出しが著し
くなるためか、耐印刷枚数は却って低下傾向を示す様に
なり、実験により確認したところによると、該広がり幅
が0.7〜15mmの範囲のものが最も多い印刷枚数を
確保できることが確認されている。
【0031】(印刷試験)画像処理および不感脂処理を
終えた上記印刷版を、リョービ(Ryobi)社製のオ
フセット印刷機「2800CD」にセットして連続印刷
を行ない、非画像部に地汚れが生じたり、紙抜け(印刷
版から画像が剥離する現象)が起こるまでの印刷枚数を
調べた。
【0032】尚、比較のため、表面処理のされておらな
い酸化亜鉛粉末(同前)を用いた以外は前記と全く同様
にして画像受理層を形成した直描型オフセット印刷原版
に同様にして画像処理及び不感脂処理を施し、水濡れ性
と印刷試験を行なった。結果を表2に一括して示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表2からも明らかである様に、本発明の実
施例では、比較例に比べていずれも非画像部の水濡れ性
が良好であり、鮮明な印刷画像が得られると共に、地汚
れを生じることなく連続印刷することのできる印刷枚数
も大幅に増大し得ることが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、特
定の物質で親水化処理された亜鉛化合物粉末を構成素材
として使用することによって、画像受理層形成用塗料内
における亜鉛化合物粉末の分散性および親水性樹脂との
混練性を著しく高めることができ、直描型オフセット印
刷原版としての性能を著しく高めることができ、とりわ
け地汚れのない鮮明な印刷を可能にすると共に、耐印刷
枚数を大幅に増大し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で採用した水濡れ性評価法を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 印刷版 2 ビューレット 3 水滴
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性亜鉛化合物粉末の表面に、界面
    活性剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレ
    ングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種
    を付着し乾燥して得られる高親水性亜鉛化合物粉末を必
    須成分として含有する画像受理層が、耐水性支持体上に
    形成されたものであることを特徴とする直描型オフセッ
    ト印刷原版。
  2. 【請求項2】 界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤お
    よび/または非イオン性界面活性剤である請求項1に記
    載の直描型オフセット印刷原版。
  3. 【請求項3】 前記水不溶性亜鉛化合物粉末が、水酸化
    亜鉛を乾燥してなる酸化亜鉛粉末を含むものである請求
    項1または2に記載の直描型オフセット印刷原版。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛粉末の少なくとも一部が、その
    表面に、界面活性剤、エチレングリコール、グリセリ
    ン、ポリエチレングリコールよりなる群から選択される
    少なくとも1種を付着し乾燥したものである請求項3に
    記載の直描型オフセット印刷原版。
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