JP3452181B2 - 難燃性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
難燃性シリコーンゴム組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱硬化させて難
燃性シリコーンゴムを製造するためのシリコーンゴム組
成物に関し、特に、常圧熱気加硫(HAV)により難燃
性シリコーンゴムとなる難燃性シリコーンゴム組成物に
関する。 【0002】 【従来技術】シリコーンゴムの成型方法としては、従来
から常圧熱気加硫による硬化システムが一般的に広く用
いられている。例えば、シリコーンゴムを押出し、電線
の被覆材、チューブ、ロール材等に加工する技術は、生
産性に優れているためにその応用用途は広い。特に2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等を用いて、シ
リコーンゴムを押出し加工した後熱気加硫により硬化さ
せる手段は、加硫方法として優れているために頻繁に用
いられている。中でも押出し熱気加硫による難燃性シリ
コーンゴムの加工は、難燃電線の被覆材や、耐火ガスケ
ット等、難燃性を必要とする部材に最適な方法である。 【0003】この場合に使用するシリコーンゴムの難燃
化については、従来から多くの技術が開発されている。
例えば、シリコーンゴム組成物に白金又は白金系化合物
を添加し、更にその組成物に金属酸化物(例えば、酸化
チタン、酸化鉄等)を補助的に添加する方法や、米国特
許第5,543,450号明細書に記載された2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を白金と併用す
る方法等があるが、未だ難燃性が不十分であり、更に改
良が求められていた。 【0004】従来の難燃性シリコーンゴム化合物の中
で、白金を用いた難燃シリコーンゴムの用途は広く、例
えば、前記難燃電線被覆材やガスケット等に用いられ
る。この場合の白色化には酸化チタンを使うことが最も
一般的であり、且つ、酸化チタンがシリコーンゴムの難
燃化技術に非常に効果のある添加剤である事も従来より
知られている。 【0005】しかしながら、酸化チタンを用いた白金系
の難燃性シリコーン組成物は、有機過酸化物として2,
4ジクロロベンゾイルパーオキサイドを用いた場合には
比較的変色が少ないが、近年この分解生成物について、
安全性の問題が指摘されている。また、p−メチルベン
ゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキ
サイド等のハロゲン原子を含まない有機過酸化物を用い
て常圧熱気加硫を行うと、シリコーンゴムの外観が白色
から黄色に変化するという欠点があった。また、特開平
9−188815号公報には、高温分解型有機過酸化物
と塩素化安息香酸を含有する難燃性シリコーンゴム組成
物が提案されているが、この場合には常圧熱気加硫する
ことができず、常圧熱気加硫を行うシリコーンゴムの変
色防止については何ら示唆されていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した、酸化チタン
を添加し白色系の難燃用シリコーンゴムをp−メチルベ
ンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオ
キサイド等を用いて常圧熱気加硫を行う場合における外
観の黄変は、各種製品を設計する上で大きな問題であ
り、改善が求められている。従って本発明の目的は、常
圧熱気加硫後も外観の変色がない上難燃性に優れた白色
系のシリコーンゴムを得ることのできる、難燃性シリコ
ーンゴム組成物を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
(A)平均組成式R1 a SiO(4−a)/2(但し、
式中のR1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化
水素基であり、aは1.98〜2.02の正数であ
る。)で表されるオルガノポリシロキサン:100重量
部、(B)酸化チタン:0.5〜50重量部、(C)下
記化3で表される有機過酸化物(式中のRは非置換の1
価炭化水素基、mは1〜3の整数である。):0.1〜
10重量部、(D)下記化4で示される有機酸(式中の
Xは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又は
ハロゲン原子であり、少なくとも一つはハロゲン原子で
ある。また、nは1〜5の整数。):0.1〜5重量
部、及び、(E)A成分に対して1〜1,000ppm
の白金又は白金系化合物からなることを特徴とする難燃
性シリコーンゴム組成物によって達成された。 【化3】 【化4】 【0008】前記R1 a SiO(4−a)/2で表され
る(A)成分のオルガノポリシロキサンにおけるR
1は、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは
炭素原子数1〜8の非置換又は1価の炭化水素基から選
択される同一または異種の基であり、その具体例として
はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビ
ニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロ
アルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ま
た、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部ま
たは全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した、ク
ロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル
基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、ビニ
ル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、
特にメチル基が好ましい。アルケニル基については、
0.001〜5モル%、特に0.01〜0.5モル%含
有することが好ましい。またaは1.98〜2.02の
正数である。 【0009】本発明で使用する前記のオルガノポリシロ
キサンは、その分子鎖末端がジメチルビニルシリル基、
メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基等の少な
くともアルケニル基を1個有する基で封鎖されたもので
あることが好ましい。その構造は、基本的には直鎖状で
あることが好ましいが、分子構造の異なる2種以上の混
合物であっても良い。また、上記オルガノポリシロキサ
ンの平均重合度は1,000〜100,000であるこ
とが好ましく、特に4,000〜20,000であるこ
とが好ましい。 【0010】本発明で使用する(B)成分の酸化チタン
は公知の物の中から適宜選択すれば良い。例えば、湿式
法又は乾式法で作られた何れの酸化チタンでも良いし、
ルチル型であってもアナターゼ型であっても良いが、特
に、乾式法で作られた微細な酸化チタンであることが好
ましく、また、表面積は5m2/g以上であることが好
ましい。湿式法で作られた酸化チタンや表面積が5m2
/gより小さな酸化チタンを用いた場合には難燃性が不
十分となることがある。 【0011】(B)成分の添加量は、(A)成分100
重量部に対して0.5〜50重量部であることが必要で
ある。0.5重量部より少ないと難燃性が不十分であ
り、50重量部より多いと加硫後のゴムの物性を損なう
ことがある。本発明においては、(A)成分100重量
部に対して、(B)成分を特に1〜20重量部とするこ
とが好ましい。 【0012】前記化3で表される(C)成分は、加熱に
よって分解し、発生したラジカルがシリコーンゴムの加
硫剤として作用する有機過酸化物である。この(C)成
分は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重
量部であることが必要であるが、特に0.25〜5.0
重量部であることが好ましい。0.1重量部以下ではシ
リコーンゴムの硬化が不十分となり、10重量部以上で
は加硫後のゴムの物性を損なうことがある。 【0013】次に、本発明で(D)成分として使用する
有機酸は前記化4で表されるものであり、常圧熱気加硫
時における酸化チタンの黄変を防止する作用を有するも
のであり、本発明の特徴を惹起させるものである。式中
のXは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、
ハロゲン原子から選択され、少なくとも1個、特に、1
〜3個はハロゲン原子であることが好ましい。nは1〜
5の整数である。本発明で使用することのできる有機酸
の具体例としては、モノクロロ安息香酸、ジクロロ安息
香酸、トリクロロ安息香酸、ジブロム安息香酸等がある
が、これらの中でも特に2,4−ジクロロ安息香酸を使
用することが好ましい。 【0014】この(D)成分は、(A)成分100重量
部に対して0.1〜5重量部添加すれば良いが、特に
0.2〜2重量部使用することが好ましい。0.1重量
部以下では、硬化後のシリコーンゴムの外観が変色し、
変色防止の効果が生じない。また、5重量部以上では、
硬化したシリコーンゴムの難燃性や電気特性、及びゴム
物性等に悪影響を与える。 【0015】本発明で(E)成分として使用する白金及
び白金系化合物は、従来から公知の物、例えば塩化白金
酸もしくは塩化白金酸とアルコール類の錯体、白金、白
金化合物、白金とシリコーンの錯体等の中から適宜選択
して用いることができる。(E)成分の添加量は、前記
(A)成分100重量部に対して、上記白金化合物中の
白金量として1〜1,000ppmとなる量を添加する
ことが必要である。1ppm以下では難燃性が発揮され
ず、1,000ppm以上添加しても難燃性の効果がよ
り増大するということがないので不経済となる。 【0016】本発明においては、前記必須成分に加え、
粉砕石英、珪藻土、炭酸カルシウム、などの充填剤を増
量剤として添加することができる他、例えば2,2−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)等の難燃付与剤、
シラノール基含有シランや重合度100以下のシロキサ
ン等の分散剤、発泡剤、補強性シリカ等を、本発明の効
果を妨げない範囲で、任意成分として添加しても良い。 【0017】このような補強性シリカとしては、例えば
煙霧式シリカ、沈降性シリカおよびこれらの表面をクロ
ルシラン、アルコキシシラン、シラザン、ジオルガノシ
クロポリシロキサン、1,3−ジシロキサンジオール等
で処理された疎水性シリカ等が挙げられる。補強性シリ
カ粉末の添加量は、(A)成分のオルガノシロキサン1
00重量部に対して10〜100重量部、特に20〜7
0重量部であることが好ましい。 【0018】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記の
成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー
(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に混合
し、必要に応じて加熱処理を施すことにより得ることが
できる。この場合は、例えば第1成分のオルガノポリシ
ロキサンに任意の補強性シリカ等を予め混合してべース
コンパウンドを調製しておき、このベースコンパウンド
に他の必須成分を混合しても差し支えないが、(C)成
分の有機過酸化物は使用時に添加することが好ましい。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、注型
成形、金型加圧成形、押し出し成形、などの種々の成型
法によって、必要とされる形状を有するシリコーンゴム
に成形することができる。 【0019】 【発明の効果】本発明のシリコーン組成物は酸化チタン
の黄変防止剤として特定の有機酸を含有しているので、
常圧熱気加硫後も外観が変色することがない。従って、
難燃電線等、外観を大事にする難燃材のための組成物と
して好適である。 【0020】 【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限さ
れるものではない。 【0021】実施例1〜6及び比較例1〜5.ジメチル
シロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキ
サン単位0.15モル%、及びジメチルビニルシリル基
で末端が封鎖された、平均重合度が約8,000である
オルガノポリシロキサン100部に、分散剤として末端
シラノール基ジメチルポリシロキサン(平均重合度1
0)5部、及び比表面積が200m2/gであるフュー
ムドシリカ(日本エアロジル(株)製)40部を添加
し、170℃で2時間熱処理し、コンパウンド1を調製
した。 【0022】得られたコンパウンド1に、p−メチルベ
ンゾイルパーオキサイドのシリコーンオイルペースト
(パーオキサイドの含有量が50重量%)、乾式法でつ
くられた酸化チタンP−25(日本エアロジル(株)
製)、2,4−ジクロル安息香酸、塩化白金酸が2重量
%のアルコール溶液(塩化白金酸溶液)を、表1の様に
添加して二本ロールにて均一に分散させた後、165℃
にて10分間プレスキュアーさせ1mm厚のシリコーン
ゴムシートを得た。その1mm厚成型シートは難燃性の
比較に用いた。又、上記組成物を3mm厚に成型したの
ち、400℃/45秒間オーブンに入れて熱気加硫を行
ない、加硫させたシートを得た。この熱気加硫(HV
A)シートは、外観の変化を比較するために用いた。 【0023】 【表1】 尚、難燃性はUL−94燃焼テストにおける燃焼時間
(秒)によって評価した。表1の結果は本発明の有効性
を実証するものである。
燃性シリコーンゴムを製造するためのシリコーンゴム組
成物に関し、特に、常圧熱気加硫(HAV)により難燃
性シリコーンゴムとなる難燃性シリコーンゴム組成物に
関する。 【0002】 【従来技術】シリコーンゴムの成型方法としては、従来
から常圧熱気加硫による硬化システムが一般的に広く用
いられている。例えば、シリコーンゴムを押出し、電線
の被覆材、チューブ、ロール材等に加工する技術は、生
産性に優れているためにその応用用途は広い。特に2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等を用いて、シ
リコーンゴムを押出し加工した後熱気加硫により硬化さ
せる手段は、加硫方法として優れているために頻繁に用
いられている。中でも押出し熱気加硫による難燃性シリ
コーンゴムの加工は、難燃電線の被覆材や、耐火ガスケ
ット等、難燃性を必要とする部材に最適な方法である。 【0003】この場合に使用するシリコーンゴムの難燃
化については、従来から多くの技術が開発されている。
例えば、シリコーンゴム組成物に白金又は白金系化合物
を添加し、更にその組成物に金属酸化物(例えば、酸化
チタン、酸化鉄等)を補助的に添加する方法や、米国特
許第5,543,450号明細書に記載された2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を白金と併用す
る方法等があるが、未だ難燃性が不十分であり、更に改
良が求められていた。 【0004】従来の難燃性シリコーンゴム化合物の中
で、白金を用いた難燃シリコーンゴムの用途は広く、例
えば、前記難燃電線被覆材やガスケット等に用いられ
る。この場合の白色化には酸化チタンを使うことが最も
一般的であり、且つ、酸化チタンがシリコーンゴムの難
燃化技術に非常に効果のある添加剤である事も従来より
知られている。 【0005】しかしながら、酸化チタンを用いた白金系
の難燃性シリコーン組成物は、有機過酸化物として2,
4ジクロロベンゾイルパーオキサイドを用いた場合には
比較的変色が少ないが、近年この分解生成物について、
安全性の問題が指摘されている。また、p−メチルベン
ゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキ
サイド等のハロゲン原子を含まない有機過酸化物を用い
て常圧熱気加硫を行うと、シリコーンゴムの外観が白色
から黄色に変化するという欠点があった。また、特開平
9−188815号公報には、高温分解型有機過酸化物
と塩素化安息香酸を含有する難燃性シリコーンゴム組成
物が提案されているが、この場合には常圧熱気加硫する
ことができず、常圧熱気加硫を行うシリコーンゴムの変
色防止については何ら示唆されていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した、酸化チタン
を添加し白色系の難燃用シリコーンゴムをp−メチルベ
ンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオ
キサイド等を用いて常圧熱気加硫を行う場合における外
観の黄変は、各種製品を設計する上で大きな問題であ
り、改善が求められている。従って本発明の目的は、常
圧熱気加硫後も外観の変色がない上難燃性に優れた白色
系のシリコーンゴムを得ることのできる、難燃性シリコ
ーンゴム組成物を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
(A)平均組成式R1 a SiO(4−a)/2(但し、
式中のR1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化
水素基であり、aは1.98〜2.02の正数であ
る。)で表されるオルガノポリシロキサン:100重量
部、(B)酸化チタン:0.5〜50重量部、(C)下
記化3で表される有機過酸化物(式中のRは非置換の1
価炭化水素基、mは1〜3の整数である。):0.1〜
10重量部、(D)下記化4で示される有機酸(式中の
Xは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又は
ハロゲン原子であり、少なくとも一つはハロゲン原子で
ある。また、nは1〜5の整数。):0.1〜5重量
部、及び、(E)A成分に対して1〜1,000ppm
の白金又は白金系化合物からなることを特徴とする難燃
性シリコーンゴム組成物によって達成された。 【化3】 【化4】 【0008】前記R1 a SiO(4−a)/2で表され
る(A)成分のオルガノポリシロキサンにおけるR
1は、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは
炭素原子数1〜8の非置換又は1価の炭化水素基から選
択される同一または異種の基であり、その具体例として
はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビ
ニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロ
アルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ま
た、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部ま
たは全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した、ク
ロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル
基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、ビニ
ル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、
特にメチル基が好ましい。アルケニル基については、
0.001〜5モル%、特に0.01〜0.5モル%含
有することが好ましい。またaは1.98〜2.02の
正数である。 【0009】本発明で使用する前記のオルガノポリシロ
キサンは、その分子鎖末端がジメチルビニルシリル基、
メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基等の少な
くともアルケニル基を1個有する基で封鎖されたもので
あることが好ましい。その構造は、基本的には直鎖状で
あることが好ましいが、分子構造の異なる2種以上の混
合物であっても良い。また、上記オルガノポリシロキサ
ンの平均重合度は1,000〜100,000であるこ
とが好ましく、特に4,000〜20,000であるこ
とが好ましい。 【0010】本発明で使用する(B)成分の酸化チタン
は公知の物の中から適宜選択すれば良い。例えば、湿式
法又は乾式法で作られた何れの酸化チタンでも良いし、
ルチル型であってもアナターゼ型であっても良いが、特
に、乾式法で作られた微細な酸化チタンであることが好
ましく、また、表面積は5m2/g以上であることが好
ましい。湿式法で作られた酸化チタンや表面積が5m2
/gより小さな酸化チタンを用いた場合には難燃性が不
十分となることがある。 【0011】(B)成分の添加量は、(A)成分100
重量部に対して0.5〜50重量部であることが必要で
ある。0.5重量部より少ないと難燃性が不十分であ
り、50重量部より多いと加硫後のゴムの物性を損なう
ことがある。本発明においては、(A)成分100重量
部に対して、(B)成分を特に1〜20重量部とするこ
とが好ましい。 【0012】前記化3で表される(C)成分は、加熱に
よって分解し、発生したラジカルがシリコーンゴムの加
硫剤として作用する有機過酸化物である。この(C)成
分は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重
量部であることが必要であるが、特に0.25〜5.0
重量部であることが好ましい。0.1重量部以下ではシ
リコーンゴムの硬化が不十分となり、10重量部以上で
は加硫後のゴムの物性を損なうことがある。 【0013】次に、本発明で(D)成分として使用する
有機酸は前記化4で表されるものであり、常圧熱気加硫
時における酸化チタンの黄変を防止する作用を有するも
のであり、本発明の特徴を惹起させるものである。式中
のXは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、
ハロゲン原子から選択され、少なくとも1個、特に、1
〜3個はハロゲン原子であることが好ましい。nは1〜
5の整数である。本発明で使用することのできる有機酸
の具体例としては、モノクロロ安息香酸、ジクロロ安息
香酸、トリクロロ安息香酸、ジブロム安息香酸等がある
が、これらの中でも特に2,4−ジクロロ安息香酸を使
用することが好ましい。 【0014】この(D)成分は、(A)成分100重量
部に対して0.1〜5重量部添加すれば良いが、特に
0.2〜2重量部使用することが好ましい。0.1重量
部以下では、硬化後のシリコーンゴムの外観が変色し、
変色防止の効果が生じない。また、5重量部以上では、
硬化したシリコーンゴムの難燃性や電気特性、及びゴム
物性等に悪影響を与える。 【0015】本発明で(E)成分として使用する白金及
び白金系化合物は、従来から公知の物、例えば塩化白金
酸もしくは塩化白金酸とアルコール類の錯体、白金、白
金化合物、白金とシリコーンの錯体等の中から適宜選択
して用いることができる。(E)成分の添加量は、前記
(A)成分100重量部に対して、上記白金化合物中の
白金量として1〜1,000ppmとなる量を添加する
ことが必要である。1ppm以下では難燃性が発揮され
ず、1,000ppm以上添加しても難燃性の効果がよ
り増大するということがないので不経済となる。 【0016】本発明においては、前記必須成分に加え、
粉砕石英、珪藻土、炭酸カルシウム、などの充填剤を増
量剤として添加することができる他、例えば2,2−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)等の難燃付与剤、
シラノール基含有シランや重合度100以下のシロキサ
ン等の分散剤、発泡剤、補強性シリカ等を、本発明の効
果を妨げない範囲で、任意成分として添加しても良い。 【0017】このような補強性シリカとしては、例えば
煙霧式シリカ、沈降性シリカおよびこれらの表面をクロ
ルシラン、アルコキシシラン、シラザン、ジオルガノシ
クロポリシロキサン、1,3−ジシロキサンジオール等
で処理された疎水性シリカ等が挙げられる。補強性シリ
カ粉末の添加量は、(A)成分のオルガノシロキサン1
00重量部に対して10〜100重量部、特に20〜7
0重量部であることが好ましい。 【0018】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記の
成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー
(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に混合
し、必要に応じて加熱処理を施すことにより得ることが
できる。この場合は、例えば第1成分のオルガノポリシ
ロキサンに任意の補強性シリカ等を予め混合してべース
コンパウンドを調製しておき、このベースコンパウンド
に他の必須成分を混合しても差し支えないが、(C)成
分の有機過酸化物は使用時に添加することが好ましい。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、注型
成形、金型加圧成形、押し出し成形、などの種々の成型
法によって、必要とされる形状を有するシリコーンゴム
に成形することができる。 【0019】 【発明の効果】本発明のシリコーン組成物は酸化チタン
の黄変防止剤として特定の有機酸を含有しているので、
常圧熱気加硫後も外観が変色することがない。従って、
難燃電線等、外観を大事にする難燃材のための組成物と
して好適である。 【0020】 【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限さ
れるものではない。 【0021】実施例1〜6及び比較例1〜5.ジメチル
シロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキ
サン単位0.15モル%、及びジメチルビニルシリル基
で末端が封鎖された、平均重合度が約8,000である
オルガノポリシロキサン100部に、分散剤として末端
シラノール基ジメチルポリシロキサン(平均重合度1
0)5部、及び比表面積が200m2/gであるフュー
ムドシリカ(日本エアロジル(株)製)40部を添加
し、170℃で2時間熱処理し、コンパウンド1を調製
した。 【0022】得られたコンパウンド1に、p−メチルベ
ンゾイルパーオキサイドのシリコーンオイルペースト
(パーオキサイドの含有量が50重量%)、乾式法でつ
くられた酸化チタンP−25(日本エアロジル(株)
製)、2,4−ジクロル安息香酸、塩化白金酸が2重量
%のアルコール溶液(塩化白金酸溶液)を、表1の様に
添加して二本ロールにて均一に分散させた後、165℃
にて10分間プレスキュアーさせ1mm厚のシリコーン
ゴムシートを得た。その1mm厚成型シートは難燃性の
比較に用いた。又、上記組成物を3mm厚に成型したの
ち、400℃/45秒間オーブンに入れて熱気加硫を行
ない、加硫させたシートを得た。この熱気加硫(HV
A)シートは、外観の変化を比較するために用いた。 【0023】 【表1】 尚、難燃性はUL−94燃焼テストにおける燃焼時間
(秒)によって評価した。表1の結果は本発明の有効性
を実証するものである。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C08K 5:095 C08K 3:08
3:08)
(56)参考文献 特開 平7−118536(JP,A)
特開 平9−188815(JP,A)
特開 平10−67936(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 83/00 - 83/16
C08K 3/00 - 13/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)平均組成式R1 a SiO
(4−a)/2(但し、式中のR1は同一又は異種の非
置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.98〜
2.02の正数である。)で表されるオルガノポリシロ
キサン:100重量部、(B)酸化チタン:0.5〜5
0重量部、(C)下記化1で表される有機過酸化物(式
中のRは非置換の1価炭化水素基、mは1〜3の整数で
ある。):0.1〜10重量部、(D)下記化2で示さ
れる有機酸(式中のXは水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、又はハロゲン原子であり、少なくとも
一つはハロゲン原子である。また、nは1〜5の整
数。):0.1〜5重量部、及び、(E)A成分に対し
て1〜1,000ppmの白金又は白金系化合物からな
ることを特徴とする難燃性シリコーンゴム組成物。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9967598A JP3452181B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 難燃性シリコーンゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9967598A JP3452181B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 難燃性シリコーンゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11293112A JPH11293112A (ja) | 1999-10-26 |
JP3452181B2 true JP3452181B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=14253617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9967598A Expired - Fee Related JP3452181B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 難燃性シリコーンゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3452181B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP9967598A patent/JP3452181B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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---|---|
JPH11293112A (ja) | 1999-10-26 |
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