JP3451970B2 - ループディフレクタ装置 - Google Patents

ループディフレクタ装置

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JP3451970B2 JP07564699A JP7564699A JP3451970B2 JP 3451970 B2 JP3451970 B2 JP 3451970B2 JP 07564699 A JP07564699 A JP 07564699A JP 7564699 A JP7564699 A JP 7564699A JP 3451970 B2 JP3451970 B2 JP 3451970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ループディフレク
タ装置に関し、とくに、鋼帯のパス位置をずらすための
ループディフレクタ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】鋼帯を素材として製品を造形する製造ラ
イン、例えば溶接形鋼、電縫管などの製造ラインでは、
鋼帯の搬送方向は変えずにパス位置を例えば水平方向に
ずらすことが必要な場合があり、そのための手段とし
て、図8に示すように、矢印Aの方向に搬送されている
鋼帯1に弛み2を生じさせつつ弛み2の前部を後部に対
して所定のずらし量Sだけ水平方向にずらして目標とす
るパス位置にもってくるというパス位置をずらす方法が
ある。しかし、この方法では、ずらし量が大きいほど鋼
帯に大きな弛みをつける必要があり、そうすると安定搬
送の維持が著しく困難となるため、変更量が大きい場合
には相応しくない。 【0003】一方、図9に示すように、複数のローラ3
を円周方向に並列配置して構成したドラム4を搬送方向
(矢印A)に対して斜めに傾けて配置し、このドラム4
に鋼帯1をらせん状に巻き付けるという方法がある。こ
の方法を行うための装置をループディフレクタ装置とい
う。なお、図9において7(7a、7b)はローラ3の両端
を支持する一対の環枠であり、ドラム4を斜めに傾ける
ドラム傾転手段は図示を省略した。 【0004】この方法によれば、図3(a) に示す円周方
向展開図から判るように、鋼帯1のパス位置をドラム4
の直径Dと傾斜角θ(ドラム中心軸と搬送方向となす角
の余角)によって定まるずらし量S(S=πD・tan θ
・cos θ=πD・sin θ)だけずらすことができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9の
方法では図3(a) に展開図を示したように、ローラの回
転方向と鋼帯の進行方向が一致していないために両者の
間でスリップが生じ、鋼帯にスリップ疵が発生するとい
う問題があった。一方、前記製造ラインでは、生産性を
高めるために、製品サイズ変更に応じて幅の異なる鋼帯
を直列に連結して連続的に造形することが望ましく、そ
の際、鋼帯幅に応じてずらし量Sを変更する必要があ
る。 【0006】ずらし量Sを任意に変更するには、傾斜角
θを任意に変えることができる装置が必要であるが、こ
のようなものは存在していなかった。このため、製品サ
イズ変更に応じてドラム4の傾斜角θを任意に変えるこ
とは不可能で、また、ずらし量が一定の場合でもスリッ
プ疵の発生を防止することができないという問題が残っ
ていた。 【0007】本発明は、これらの問題点に鑑み、スリッ
プ疵の発生を防止でき、さらにずらし量を任意に変える
こともできるループディフレクタ装置を提供することを
目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、鋼帯を巻きつけてパス位置をずら
すループディフレクタ装置であって、環枠と、環枠に両
端部をころがり自在に支持され、かつ環枠と一定の角度
を有する複数のローラを配設したことを特徴とするルー
プディフレクタ装置を前提としたものであり、スリップ
疵の発生を防止できる。 【0009】発明は、鋼帯を巻き付けてパス位置をず
らすループディフレクタ装置において、円周方向に並列
配置した複数のローラの両端部を一対の環枠でころがり
自在に支持してなるドラムと、該ドラムを回転させて鋼
帯搬送方向に対する傾斜角を変更するドラム傾転手段
と、前記一対の環枠をドラム中心軸の回りに互いに逆向
きに回転させてドラムにねじりを加えるドラムねじり手
段とを有し、かつ前記ローラの両端部のうち一方がころ
がり自在かつすべり自在に支持されていることを特徴と
するループディフレクタ装置であり、スリップ疵の発生
を防止し、かつずらし量を任意に変えることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の前提とした装置につい
て、図1を用いて説明する。図1は発明の前提とした
装置であり、複数のローラ3がその両端部を環枠7bにこ
ろがり自在に支持され、かつそれぞれのローラ3は、そ
の軸方向と鋼帯1の進行方向が図3(b) に展開図で示す
ように直交すべく、環枠7bとは一定の角度(90゜−θ:
90゜未満)をなしている。 【0011】これによって、鋼帯1へのすべり疵の発生
が防止できる。しかし、この場合ずらし量を任意に変え
ることはできない。この点をさらに解決したのが、
明装置であり、以下に示す。本発明において円周方向に
並列配置した複数のローラの両端部を一対の環枠でころ
がり自在に支持してなるドラムと、該ドラムを回転させ
て鋼帯搬送方向に対する傾斜角を変更するドラム傾転手
段とを備える点については1に係る装置と同じであ
る。本発明の特徴は、これにさらに前記一対の環枠をド
ラム中心軸の回りに互いに逆向きに回転させてドラムに
ねじりを加えるドラムねじり手段を設け、かつ、各ロー
ラの両端部のうち一方をころがり自在でかつすべり自在
に支持するようにした点にある。 【0012】この特徴点について図2、図3(b) 、およ
び図7を用いて説明する。図2に示すように、環枠7a、
7bをドラム中心軸zの回りに互いに逆向き(矢印B,
C)に回転させてドラム4にねじりを加えることによ
り、図3(b) の円周方向展開図に示すように、ドラム4
の傾斜角θにかかわらずローラ3の回転軸(ローラ軸)
を鋼帯搬送方向(矢印A)に対して直交させることがで
きる。したがって、パス位置変更に際し、傾斜角θを変
えるとともに上記ねじりを加えることにより、鋼帯の斜
行を防止することができ、安定した通材が可能になると
ともに、蛇行によるスリップ疵が発生しなくなる。よっ
て、製造ラインを停止させる必要がなくなり、生産性が
向上する。 【0013】なお、ドラム4の傾斜角を変えるときの回
転中心軸は、ドラム幅中心Oを通る直径のうち鋼帯1が
巻き付きを開始するローラ3と交わる直径に重なるよう
に設定するのがよい。また、ローラ両端部がころがり自
在に支持されているのみでは両支点間の距離が不変のた
めドラム4をねじったときに必然的にドラム幅(両環枠
7a、7bの間隔)が変わることになり、これに追従するた
めにドラムの保持機構として幅可変機能付きの複雑なも
のが必要になる。そのため、本発明では、各ローラの両
端部のうち一方を、例えば図7に示すようにころがり軸
受30とすべり軸受31を組み合わせて、ころがり自在でか
つすべり自在に支持するようにした。これにより、ドラ
ム4をねじった際にローラ3の一方の支点が自在にすべ
って支点間距離が自律的に変わるので、ドラムの保持機
構は幅可変機能の要らない簡単なものとすることができ
る。 【0014】 【実施例】以下、溶接H形鋼製造ライン用に設計した本
発明の請求項2に係る実施例を、図4〜図6を用いて説
明する。図4は側面図、図5は平面図、図6は図4のZZ
矢視図である。なお、この製造ラインでは、製品フラン
ジ幅の2倍の幅の鋼帯を半幅にスリットし、幅を立てた
ウェブ材の上下に対称に配置して断面H形状の成形体に
して継目を溶接する。そのため、スリット後の鋼帯は、
搬送途中でその一方のパス位置を帯幅Wだけ水平方向に
ずらして、所定の上下間隔で他方のパス位置に重ねる必
要がある。上下のどちらをずらすかは任意選択事項であ
り、ここでは下フランジ材のパス位置をずらすようにし
た。 【0015】本実施例では、複数のローラ3を円周方向
に配置しローラ両端を一対のドーナツ板状の環枠7a、7b
で支持してドラム4となし、ドラム4の回転軸は環枠7
a、7bのドーナツ孔部の個所に円筒体8(8a、8b)を接
合して構成した。なお、円筒体8a、8bの合わせ面にはす
べり軸受16を設けて相互独立回転自在とした。ドラム傾
転手段は、円筒体8a、8bをすべり軸受15を介して支持す
る転回架台6と、転回架台6をすべり軸受21を介して転
回可能に支持する固定架台5とで構成し、固定架台5に
は、カップリング20を介してモータ19で駆動されて転回
架台6の転回軸22を回すウォーム減速機18を装着した。
これにより、モータ19を回してドラム4を所定の傾斜角
θが得られる位置に傾転させることができる。 【0016】ドラムねじり手段は、円筒体8a、8bの中心
部にそれぞれ軸10、11を固設し、一方の軸10と他方の軸
11とをすべり軸受17を介して嵌合連結して相互独立回転
自在とし、軸10、11を、回転架台6に固設した一対のウ
ォーム減速機9(9a、9b)におのおの連結し、ウォーム
減速機9a、9bを、マイターギヤボックス14を介してモー
タ13と軸12で連結して構成した。これにより、モータ13
を回して環枠7a、7bをドラム中心軸の回りに互いに逆向
き(矢印B、Cで示す向き)に同じ量(回転角)だけ回
転させることができる。すなわち、ドラム4にねじりを
加えることができる。 【0017】各ローラ3は、両端部の一方を図6に例示
した形態でころがり自在かつすべり自在に支持されてお
り、ドラム4をねじった際に各ローラ3の支点間距離が
自律的に変わるため、環枠7a、7bを無理なく相互独立回
転させることができる。傾斜角θは、帯幅Wに応じて、
前記したS=πD・sin θなる関係式においてS=Wと
しθについて解いた次式(1) により設定すればよい。な
お、式(1) 右辺のDはドラム直径である。 【0018】 θ=sin -1(W/(πD)) ………(1) また、ドラム4のねじり量(回転角;±αとする)は、
図2(b) に示す通りの、αとθ、D、ドラム胴幅Yとの
間に成り立つ幾何学的関係、αD=Y・tan θより導か
れる次式(2) により、θに応じて設定すればよい。 α=Y・tan θ/D ………(2) なお、当然ながらパス位置変更途上でも式(2) を満たし
つつαを変えていくことが望ましい。 【0019】 【発明の効果】かくして本発明によれば、鋼帯のパス位
置を連続的に変更することが可能となり、製品サイズ変
更に対応したパス位置変更を、製造ラインを停止するこ
となく容易にかつ安定して行うことができるようになっ
て生産性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の前提とした装置の骨子を示す図であ
る。 【図2】本発明装置の骨子を示す図である。 【図3】従来(a) および本発明(b) に係るドラムの円周
方向展開図である。 【図4】本発明実施例の側面図である。 【図5】本発明実施例の平面図である。 【図6】図3のZZ矢視図である。 【図7】本発明に係るローラ支持形態の説明図である。 【図8】弛み付けによるパス位置変更法の説明図であ
る。 【図9】従来装置によるパス位置変更法の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 鋼帯 2 弛み 3 ローラ 4 ドラム 5 固定架台 6 転回架台 7 環枠 8 円筒体 9,18 ウォーム減速機 10,11,12 軸 13,19 モータ 14 マイターギヤボックス 15,16,17,21,31すべり軸受 18 カップリング 22 転回軸 30 ころがり軸受

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 鋼帯を巻き付けてパス位置をずらすルー
    プディフレクタ装置において、円周方向に並列配置した
    複数のローラの両端部を一対の環枠でころがり自在に支
    持してなるドラムと、該ドラムを回転させて鋼帯搬送方
    向に対する傾斜角を変更するドラム傾転手段と、前記一
    対の環枠をドラム中心軸の回りに互いに逆向きに回転さ
    せてドラムにねじりを加えるドラムねじり手段とを有
    し、かつ前記ローラの両端部のうち一方がころがり自在
    かつすべり自在に支持されていることを特徴とするルー
    プディフレクタ装置。
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