JP3451953B2 - 表面検査装置 - Google Patents

表面検査装置

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JP3451953B2
JP3451953B2 JP23548298A JP23548298A JP3451953B2 JP 3451953 B2 JP3451953 B2 JP 3451953B2 JP 23548298 A JP23548298 A JP 23548298A JP 23548298 A JP23548298 A JP 23548298A JP 3451953 B2 JP3451953 B2 JP 3451953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば薄鋼板等
の表面疵等を光学的に検出する表面検査装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鋼板等の表面欠陥を光学的に検出する装
置の信号処理部では、受光部から入力されシェーディン
グ補正を行った信号とあらかじめ定めた閾値とを比較
し、閾値を越えた信号を疵候補領域と認識し、疵候補領
域の信号の特徴量をもとに疵種等級判定を行っている。
しかしながら信号処理部のメモリ容量と処理速度は有限
であるため、閾値を越える信号の数が多くなると処理速
度内で処理ができなくなってしまう。そこでノイズの影
響を除去して疵のみを弁別するため、例えば特開昭53
−106083号公報に示されているように、閾値を越
える信号の数を制限するように適切な閾値を自動設定す
ることが行われている。また、閾値を高めに設定して疵
を見逃すことを防止するためノイズ上限値を求め、これ
を閾値として微少欠陥を検出するようにしている。さら
に、処理する疵数を制限するため、疵特徴量等で例えば
処理する長さ等を制限して処理する疵数を減少させたり
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えばメッキ鋼板の処
理過程でメッキ処理液の乾燥むら等が生じた鋼板表面に
光を入射し、その反射光を受光部で測定すると、受光部
から出力される信号には通常の閾値を越える信号が多数
含まれる。これらの信号の中には実際の疵信号と同レベ
ルのノイズ信号が多く存在する。このノイズ信号の影響
を除くために、信号処理部全体の閾値を高くしたり、ノ
イズ上限値を閾値とすると、疵の見逃しが生じる可能性
が高くなる。これを防止するため信号処理部全体の閾値
を低くすると発生する信号数が多くなり、オンライン処
理が間に合わなくなる可能性がある。また、疵特徴量等
で処理する長さを制限していると、メッキ処理液の乾燥
むら等中には長いものが数多く存在する可能性があるた
め、乾燥むら等の疑似欠陥のみを処理し、実際に検出す
べき疵が処理されず見逃しとなる危険性がある。
【0004】この発明はかかる短所を改善し、乾燥むら
等の疑似欠陥と実際の疵とを弁別し、各種疵を確実に検
出することができる表面検査装置を得ることを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表面検査
装置は、投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部
は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向
の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有
し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変
換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度
分布を被検査面の地肌光強度があらかじめ定めた基準値
となるように規格化し、規格化した光強度分布をもとに
疵特徴量を演算し、疵特徴量より疵種又は等級判定を行
う表面検査装置において、上記信号処理部は受光部で検
出したライン毎の疵信号のピーク値と閾値で定まる疵信
号の最初のアドレスと最後のアドレスより疵信号を五角
形近似又は三角形近似し、近似した疵信号により疵特徴
量である濃度積算値を求めることを特徴とする。
【0006】
【0007】また、特定のチャンネルの信号処理部で閾
値を上げたときは、閾値を上げない他のチャンネルの信
号処理部で算出した濃度積算値と比較可能な閾値を上げ
ないときと同等の濃度積算値を算出すると良い。
【0008】
【発明の実施の形態】例えばメッキ鋼板表面でのメッキ
液の乾燥むらは特定の偏光角で大きな信号を発生する偏
光特性を示す。このメッキ液の乾燥むら等がある鋼板か
ら複数の異なる角度の偏光を入力するようなセンサー系
においては、特定の偏光角で検出した光強度信号に多く
のムラに起因した信号を含み、他の偏光角で検出した光
強度信号数と比べて疵を検出するために、設定した閾値
を上回る信号数が非常に多くなる。一方、凹凸性の疵等
はムラのような偏光特性は持たず、異なる偏光角でも比
較的同じ数の疵信号が発生する。この特定の偏光角で検
出した光強度信号に多く含まれるメッキ液の乾燥むら等
による疑似欠陥信号は除き、凹凸性等の疵信号を検出す
ることが必要である。
【0009】そこで、この発明の表面検査装置において
は、被検査面に対して一定入射角で被検査面の幅方向全
体に偏光を入射するように投光部を配置し、被検査面か
らの反射光を受光する受光部を所定の位置に配置する。
受光部は入射した光を例えば3本のビームに分離するビ
ームスプリッタと、分離した3本のビームを別々に入射
して画像信号を出力する例えばCCDセンサを有する3
組のリニアアレイカメラと、ビームスプリッタと各リニ
アアレイカメラの間に設けられ、非検査面からの反射光
を異なる振動面の偏光にする検光子とが設けてある。3
個の検光子はそれぞれ異なる方位角、すなわち透過軸が
被検査面の入射面となす角が、例えば、0,45度,−
45度になるように配置されている。信号処理部は各リ
ニアアレイカメラからの出力画像信号をシェーディング
補正して正常部が全階調の中心濃度になるように正規化
して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す光強
度信号に変換する。この正常部に対する相対的な変化を
示す3種類の光強度信号の分布の変化極性と変化量とを
それぞれあらかじめ定めたパターンと比較して偏光の変
化を検出する。この3種類の光強度信号の正常部に対す
る変化極性と変化量の大小から表面の物性が母材と異な
る疵の疵種を判定する。
【0010】この疵を検出しているときに、メッキ鋼板
表面にメッキ液の乾燥むら等が発生していると、特定チ
ャンネルのみ非常に多くの信号が発生して処理すべき信
号が多くなる。このとき処理速度やメモリの記憶容量の
関係で処理できなくなったら、光強度信号から疵部を検
出するために設定されている閾値を自動的に1レベル上
げて処理すべき信号数を減らして信号処理して疵種と疵
の等級を判定する。
【0011】また、受光部で検出した光強度信号の分布
から疵信号を認識して疵特徴量である濃度積算値を算出
するときに、疵信号のピーク値と閾値で定まる疵信号の
最初のアドレスと最後のアドレスより疵信号を五角形近
似又は三角形近似し、近似した疵信号により濃度積算値
を算出し、演算処理を簡略化して処理速度を高める。
【0012】また、閾値を上げたときには濃度積算値が
小さくなるため、閾値を上げないときの疵信号のアドレ
スを算出し、それにより濃度積算値を求めることで、閾
値を上げない他のチャンネルの信号処理部で算出した濃
度積算値と比較可能とする。
【0013】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の光学系を示す配
置図である。図に示すように、光学系1は投光部2と3
板式偏光リニアアレイカメラ3を有する。投光部2は被
検査体例えば鋼板4の表面に一定の入射角で偏光を入射
するものであり、光源5と光源5の前面に設けられた偏
光子6とを有する。光源5は鋼板4の幅方向に伸びた棒
状発光装置からなり、鋼板4の幅方向全体に一様な強度
分布を有する光を照射する。偏光子6は例えば偏光板又
は偏光フィルタからなり、図2の配置説明図に示すよう
に、透過軸Pが鋼板4の入射面となす角αが45度にな
るように配置されている。3板式偏光リニアアレイカメ
ラ3は、図3の構成図に示すようにビームスプリッタ7
と3個の検光子8a,8b,8cと3個のリニアアレイ
センサ9a,9b,9cとを有する。ビームスプリッタ
7は3個のプリズムからなり、入射面に誘電体多層膜を
蒸着した半透過性を有する反射面が2面設けられ、鋼板
4からの反射光を入射する第1の反射面7aは透過率と
反射率が約2対1の割合になっており、第1の反射面7
aを透過した光を入射する第2の反射面7bは透過率と
反射率が1対1の割合になっており、鋼板4からの反射
光を同じ光量の3本のビームに分離する。また、ビーム
スプリッタ7の入射面から分離した3本のビームの出射
面までの光路長は同じにしてある。検光子8aは第2の
反射面10bの透過光の光路に設けられ、図2に示すよ
うに、方位角すなわち透過軸が鋼板4の入射面となす角
βが0度になるように配置され、検光子8bは第2の反
射面7bの反射光の光路に設けられ、方位角βが45度
になるように配置され、検光子8cは第1の反射面7a
の反射光の光路に設けられ、方位角βが−45度になる
ように配置されている。リニアアレイセンサ9a,9
b,9cは例えばCCDセンサからなり、それぞれ検光
子8a,8b,8cの後段に配置されている。また、ビ
ームスプリッタ7と検光子8a,8b,8cの間にはビ
ームスプリッタ7内の多重反射光や不必要な散乱光をカ
ットするスリット10a,10b,10cが設けられ、
ビームスプリッタ7の前段にはレンズ群11が設けられ
ている。また、リニアアレイセンサ9a,9b,9cは
同じ光強度の光が入射したときに同じ信号を出力するよ
うに利得が調整してある。
【0014】このように入射した光を分離した3本のビ
ームの光路に検光子8a〜8cとリニアアレイセンサ9
a〜9cが一体化して設けられているから、リニアアレ
イセンサ9a〜9cを鋼板4の搬送路近傍に配置して鋼
板4からの反射光を検出するときに、リニアアレイセン
サ9a〜9c等の位置調整を必要としないとともに鋼板
4の同じ位置からの反射光を同じタイミングで検出する
ことができる。また、3板式偏光リニアアレイカメラ3
内に3組のリニアアレイセンサ9a〜9cがまとまって
収納されて小型化しているから、3板式偏光リニアアレ
イカメラ3を鋼板4の反射光の光路に簡単に配置するこ
とができるとともに配置位置を任意に選択することがで
き、光学系1の配置の自由度を向上することができる。
【0015】3板式偏光リニアアレイカメラ3のリニア
アレイセンサ9a〜9cは、図4のブロック図に示すよ
うに信号処理部12に接続されている。信号処理部12
は信号前処理部13a,13b,13cとメモリ14
a,14b,14cと一次疵パラメータ演算部15a,
15b,15cと疵パラメータ記憶部16a,16b,
16cと信号処理制御部17と画面間疵パラメータ演算
部18とパターン記憶部19と光量記憶部20と基準パ
ターン記憶部21と疵種判定部22と疵等級判定部23
と等級パターン記憶部24及び出力部25を有する。信
号前処理部13a〜13cは、リニアアレイセンサ9a
〜9cから出力された偏光の光強度信号I1,I2,I
3の幅方向等の感度むら等を補正するシェーディング補
正等を行ってから正常部の信号を基準レベルとして、正
常部の信号が255階調の中心濃度である128階調に
なるように正規化して、正規化した光強度信号I1,I
2,I3をそれぞれメモリ14a,14b,14cに格
納する。一次疵パラメータ演算部15a,15b,15
cはそれぞれメモリ14a〜14cに格納された光強度
信号I1,I2,I3の分布の正常部の値である128
階調を基準にして予め定められた閾値を越える変化点を
疵部と認識して光強度信号I1,I2,I3毎に一次疵
パラメータを演算して疵パラメータ記憶部16a,16
b,16cに格納する。信号処理制御部17は一次疵パ
ラメータ演算部15a,15b,15cの演算速度や疵
パラメータ記憶部16a,16b,16cの記憶容量と
の兼ね合いで全ての信号の処理が不能になると一次疵パ
ラメータ演算部15a,15b,15cの閾値を自動的
に1レベル上げる。画面間疵パラメータ演算部18は疵
パラメータ記憶部16a,16b,16cに記憶した各
光強度信号I1,I2,I3の分布に基づく一次疵パラ
メータから疵種を判定するための極性パターンと値パタ
ーン及び疵の等級を判定するための最大濃度積算値と最
大疵ピーク値の各疵パラメータを演算し、疵種を判定す
る極性パターンと値パターンをパターン記憶部19に格
納し、疵の等級を判定する最大濃度積算値と最大疵ピー
ク値を光量記憶部20に格納する。基準パターン記憶部
21には各種極性パターンと値パターン及びこれらに対
応する疵種があらかじめ格納されている。疵種判定部2
2はパターン記憶部16に記憶された極性パターンと値
パターンとを基準パターン記憶部21に記憶された各種
極性パターンと値パターンと比較して疵種を判定する。
等級パターン記憶部24には各疵種毎に最大濃度積算値
と最大疵ピーク値に対する疵の等級を示す等級基準パタ
ーンがあらかじめ格納してある。疵等級判定部23は光
量記憶部20に記憶した最大濃度積算値と最大疵ピーク
値と疵種判定部22で判定した疵種を等級パターン記憶
部24に記憶してある等級基準パターンと比較して疵の
等級を判定する。出力部25は疵等級判定部23から出
力される疵種と疵の等級を不図示の表示装置や記録装置
に出力する。
【0016】上記のように構成された信号処理部12で
メモリ14a,14b,14cに格納された正規化した
光強度信号I1,I2,I3の分布から疵種と疵の等級
を判定するときの処理を光強度信号I1の信号処理系で
説明する。一次疵パラメータ演算部15aはメモリ14
aに格納された例えば図5(a)に示す1回目の走査の
ときの光強度信号I1の分布と正常部の値である128
階調を基準にして予め定められた閾値Th例えば128
階調±6階調を超えた信号を、図6(a)に示すように
抽出して疵部として認識し、各疵部の閾値Thを越える
変化点の最初のアドレスX1si(i=1〜n)と最後
のアドレスX1eiと各疵部に対応する信号のピーク値
I1piを算出し、算出した最初のアドレスX1s1〜
X1snと最後のアドレスX1e1〜X1en及びピー
ク値I1p1〜I1pnで各疵部の濃度積算値I1s1
〜I1snを演算し、各疵部毎に疵番号を付けて各疵部
の最初のアドレスX1siと最後のアドレスX1eiと
ピーク値I1pi及び濃度積算値I1siを一時記憶す
る。この各疵部の濃度積算値I1s1〜I1snを演算
するときは、図7に示すように、最初のアドレスX1s
iと最後のアドレスX1eiとピーク値I1piと閾値
Thにより疵部に対応する信号を5角形で近似し、濃度
積算値I1siをI1si=(X1ei−X1si+
1)(I1pi+Th)/2で演算する。
【0017】一定周期後にリニアアレイセンサ9aは、
次の走査で新たに光強度信号を発生し、例えば図5
(b)に示すように、正規化した次の光強度信号I1を
メモリ14aに格納する。一次疵パラメータ演算部15
aでは前回と同様の処理を行い、図6(b)に示すよう
に抽出して疵部として認識し、閾値Thを超える各疵部
の最初のアドレスX1siと最後のアドレスX1eiと
ピーク値I1pi及び濃度積算値I1siを算出して一
時記憶する。そして前回走査時の各疵部の最初のアドレ
スX1siと最後のアドレスX1eiが今回算出した最
初のアドレスX1siと最後のアドレスX1eiと重な
っていれば同一疵部と判断し、前回算出した濃度積算値
I1siと今回算出した濃度積算値I1siを加算し、
今回の疵ピーク値I1piが前回の疵ピーク値I1pi
を上回れば更新して一時記憶する。また、1次疵パラメ
ータ演算部15aは前回のアドレスと重なる信号がなけ
れば、その疵が完了したと認識し、疵番号に対応する最
初のアドレスX1siと最後のアドレスX1eiとピー
ク値I1pi及び濃度積算値I1siを一次疵パラメー
タとして一次疵パラメータ記憶部16aに格納する。ま
た、今回算出したアドレスが前回のアドレスと重ならな
い場合、その部分を新しい疵部と認識し、新たな疵番号
に対応させて最初のアドレスと最後のアドレスとピーク
値及び濃度積算値を一時記憶する。この処理を、図5
(c)(d)と図6(c),(d)に示すように、リニ
アアレイセンサ9aから次の走査で新たな光強度信号が
発生するたびに繰返し、図5(d),図6(d)に示す
ように、前回のアドレスと重なる信号がなければ、その
疵が完了したと認識し、各疵番号に対応する最初のアド
レスX1siと最後のアドレスX1eiとピーク値I1
piと濃度積算値I1siの累積値を一次疵パラメータ
として一次疵パラメータ記憶部16aに格納する。
【0018】例えば図5(a)に示すように1回目の走
査時の光強度信号I1の分布と正常部の値である128
階調を基準にして予め定められた閾値Th、例えば6階
調を超えて疵部として認識された信号は、図6(a)に
示すように7個であり、図5(b)に示すように2回目
の走査時の光強度信号I1の分布で疵部として認識され
た信号は、図6(b)に示すように6個、図5(c)に
示すように3回目の走査時の光強度信号I1の分布で疵
部として認識された信号は、図6(c)に示すように5
個であり、図5(d)に示すように4回目の走査時の光
強度信号I1の分布で疵部として認識された信号は、図
6(d)に示すように0個である。そして、図6(a)
に示すように1回目の走査時の光強度信号I1の分布で
認識された最初の疵部の最初のアドレスX1s1は「2
0」、最後のアドレスX1e1は「25」であり、正常
部の値である128階調を基準にした疵ピーク値I1p
1は「27」、図7に示すように五角形近似した濃度積
算値I1s1は「99」である。また、図6(b)に示
すように2回目の走査時の光強度信号I1の分布で認識
された最初の疵部の最初のアドレスX1s1は「2
1」、最後のアドレスX1e1は「24」であり、疵ピ
ーク値I1p1は「16」、濃度積算値I1s1は「4
4」である。この2回目の走査時の光強度信号I1の分
布で認識された最初の疵部のアドレスは1回目の走査時
の光強度信号I1の分布で認識された最初の疵部と重な
るため同一疵とみなされ、濃度積算値の値は加算されて
「143」となり、疵ピーク値I1p1は1回目より小
さいから「27」のままである。また、2回目の走査時
の光強度信号I1の分布で認識された2番目の疵部も1
回目の走査で認識した2番目の疵部とアドレスが重なる
ため、同一疵とみなされ濃度積算値I1s2は加算さ
れ、疵ピーク値I1p2は2回目の走査で認識した方が
大きいので2回目の疵ピーク値I1p2である「−1
9」に更新される。また、1回目の走査で認識した7番
目の疵部は2回目の走査で認識されず重なるアドレスの
疵部がないため一次疵パラメータを演算し終わったとみ
なして、算出した最初のアドレスX1s7と最後のアド
レスX1e7とピーク値I1p7及び濃度積算値I1s
7を一次疵パラメータとして一次疵パラメータ記憶部1
6aに格納する。
【0019】一次疵パラメータ演算部15b,15cも
同様にリニアアレイセンサ9b,9cから出力されてメ
モリ14b,14cに格納された正規化した光強度信号
I12,I3の分布から一次疵パラメータを算出し一次
疵パラメータ記憶部16b,16cに格納する。この処
理をラインパルス信号を入力している信号処理制御部1
7が計測ブロック完了信号を出すまで継続して行い、計
測ブロック完了信号が出力されると、画面間疵パラメー
タ演算部18はメモリ16a,16b,16cに格納さ
れた各疵番号の一次疵パラメータを読み取る。
【0020】この計測ブロック完了信号を受信する前
に、例えば一次疵パラメータ演算部15aの演算速度又
は一次疵パラメータ記憶部16aの記憶容量との兼ね合
いですべての信号の処理が不能になると1次疵パラメー
タ演算部15aは信号処理制御部17に処理不能フラグ
を送信する。信号処理制御部17は1次疵パラメータ演
算部15aから処理不能フラグを受信すると、一次疵パ
ラメータ演算部15aの閾値Thを自動的に1レベル上
げて閾値Th1とし、一次疵パラメータ記憶部16aに
格納中の一次疵パラメータを消去する。一次疵パラメー
タ演算部15aはメモリ14aに格納された光強度信号
I1の分布を閾値Th1で処理して疵部を認識し、図7
に示すように1レベル上げた閾値Th1と元の閾値Th
と各疵部の疵ピーク値I1pi及び閾値Th1で検出し
た各疵部の最初のアドレスX1si1と最後のアドレス
X1ei1を求める。このとき、疵部の最初のアドレス
と最後のアドレスは閾値を上げる前に比べて小さくなる
ため、このまま濃度積算値を求めると小さくなってしま
う。そこで閾値を上げる前と同等の濃度積算値を求める
ため、閾値を上げたときは下記式で演算する。
【0021】
【数1】
【0022】このように一次疵パラメータ演算部15a
の演算速度又は一次疵パラメータ記憶部16aの記憶容
量との兼ね合いですべての信号の処理が不能になったと
きに閾値Thを自動的に上げることによりメッキ液乾燥
むら等の疑似欠陥を除去することができるとともに、濃
度積算値も閾値を上げる前と同等の結果を得ることがで
きる。
【0023】メッキ液乾燥むら等は、例えば図8に示す
ような偏光特性を示す。図8において(a)は後メッキ
むらによる偏光特性を示し、(b)は洗浄むらによる偏
光特性を示す。図8に示すように、特定の偏光角で大き
なむら信号を発生するがむら信号を発生しない偏光角も
ある。一方、3板式偏光リニアアレイカメラ3の3個の
検光子8a,8b,8cは方位角βが0度と45度と−
45度になるように配置されているため、リニアレイセ
ンサ9a,9b,9cの中で特定のリニアレイセンサが
メッキ液乾燥むら等を検出する。このメッキ液乾燥むら
等を検出すると閾値Thを上回る信号数が多くなり、一
次疵パラメータ演算部15a〜15cの演算速度又は一
次疵パラメータ記憶部16a〜16cの記憶容量との兼
ね合いで信号処理が不能になってしまう。これに対して
凹凸性の疵等実際の疵はメッキ液乾燥むら等のような偏
光特性は持たず、各チャンネルで比較的同じレベルの疵
信号を発生する。そこで信号の処理が不能になったとき
に閾値Thを自動的に上げる。例えばメッキ液乾燥むら
等がある画像信号を、閾値Th=±6階調で2値化した
ときの2値化画像30は、図9(a)に示すように、閾
値を上回る信号が多くあるが、同じ画像信号を閾値Th
1=±7階調で2値化したときの2値化画像30は、図
9(b)に示すように、閾値を上回る信号は少なくな
り、閾値Th2=±8階調で2値化したときの2値化画
像30は、図9(c)に示すように、閾値を上回る信号
が大幅に減少する。このようにして一次疵パラメータ演
算部15a〜15cの演算速度又は一次疵パラメータ記
憶部16a〜16cの記憶容量に応じて処理する信号数
を低減し、処理不能を解消することができる。
【0024】画面間疵パラメータ演算部18は計測ブロ
ック完了信号が出力されるとメモリ16a,16b,1
6cに格納された各疵番号の一次疵パラメータを読み取
り、同一疵部に対する一次疵パラメータの濃度積算値I
jsiと疵ピーク値Ijpiより極性パターンIppと
変化量を示す値パターンVppを算出するとともに疵部
の等級を判定するためのI1,I2,I3内での最大濃度
積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakを演算し
疵部の特徴量としてパターン記憶部19と光量記憶部2
0に出力する。パターン記憶部19は算出された極性パ
ターンIppと値パターンVppを記憶し、光量記憶部
20は算出された最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピ
ーク値Ipeakを記憶する。基準パターン記憶部21
には疵の程度に応じて複数の疵種に対応する極性パター
ンと値パターンが実験で定められ、例えば図10に示す
ように、基準パターンとして格納してある。図10にお
いて、疵種A〜疵種Lは例えば有害度が低い疵から有害
度が高い疵の順に疵種を示し、疵種A〜疵種Lに対応す
る極性パターンと値パターンの基準値を示す。疵種判定
部22はパターン記憶部19に記憶された極性パターン
Ippと値パターンVppとを基準パターン記憶部21
に記憶された各種極性パターンと値パターンと比較して
疵種を判定する。また、等級パターン記憶部24には疵
種A〜疵種Lに応じて最大濃度積算値と最大疵ピーク値
と疵の等級を示す相関をあらかじめ調べ、例えば図11
に示すように等級判定基準値が格納してある。疵等級判
定部23は光量記憶部20に記憶した最大濃度積算値I
sMaxと最大疵ピーク値Ipeakと疵種判定部22
で判定した疵種を等級パターン記憶部24に記憶してあ
る等級基準パターンと比較して疵の等級を判定する。出
力部25は疵等級判定部23から出力される疵種と疵の
等級を不図示の表示装置や記録装置に出力する。
【0025】上記実施例は、図7に示すように、疵部の
最初のアドレスX1siと最後のアドレスX1eiとピ
ーク値I1piと閾値Thにより疵部に対応する信号を
5角形で近似して濃度積算値I1siを算出した場合に
ついて説明したが、疵部の最初のアドレスX1siと最
後のアドレスX1eiとピーク値I1piにより疵部に
対応する信号を3角形で近似して濃度積算値I1siを
I1si=K(X1ei−X1si+1)I1pi/2
で算出しても良い。ここでKは補正項である。このよう
に疵部に対応する信号を5角形で近似して濃度積算値を
算出した場合と3角形で近似して濃度積算値を算出した
場合の濃度積算値を図12に示す。図12において丸印
は5角形で近似して算出した濃度積算値を示し、角印は
3角形で近似して算出した濃度積算値を示す。図に示す
ように、5角形で近似した濃度積算値は実際の光強度分
布から算出した濃度積算値とほぼ一致している。また、
補正項Kを考慮しないで3角形で近似した場合は実際の
濃度積算値に比べ、約70%の値となった。そこで補正
項Kを1/0.7とすると良い。このように疵部に対応
する信号を5角形や3角形で近似して濃度積算値を算出
することにより、濃度積算値を簡単に算出することがで
き、一次疵パラメータの演算処理を迅速に行うことがで
きる。
【0026】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、メッキ
液の乾燥ムラ等による疑似欠陥を検出して、特定チャン
ネルのみ非常に多くの信号が発生して処理すべき信号が
多くなり、処理速度やメモリの記憶容量の関係で処理で
きなくなったときに、光強度信号から疵部を検出するた
めに設定されている閾値を、そのチャンネルだけ自動的
に上げて処理すべき信号数を減らして信号処理可能とす
るから、疵信号のピーク値は大きくないが面積が大きい
疵の見逃しを防止することができ、疵種と疵の等級を確
実に判定するすることができる。
【0027】また、受光部で検出した光強度信号の分布
から疵信号を認識して疵特徴量である濃度積算値を算出
するときに、疵信号のピーク値と閾値で定まる疵信号の
最初のアドレスと最後のアドレスより疵信号を五角形近
似又は三角形近似し、近似した疵信号により濃度積算値
を算出するから、演算処理を簡略化して処理速度を高め
ることができる。
【0028】さらに、閾値を上げたときも疵信号を閾値
を上げる前の値に補正して五角形近似又は三角形近似す
ることにより、閾値を上げる前と同等の濃度積算値を求
めることができ、閾値を上げない他のチャンネルで算出
した濃度積算値と比較をすることができ、閾値を上げた
ことによる影響なく正しい疵の等級判定を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の光学系を示す配置図であ
る。
【図2】光学系の動作を示す配置説明図である。
【図3】3板式偏光リニアアレイカメラの構成図であ
る。
【図4】信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】正規化した光強度信号を示す光強度分布図であ
る。
【図6】疵信号を示す光強度分布図である。
【図7】疵信号を5角形で近似して濃度積算値の算出処
理を示す説明図である。
【図8】メッキ液乾燥むらの偏光特性図である。
【図9】メッキ液乾燥むらを有する画像の閾値を変えた
ときの2値化画像図である。
【図10】疵種と極性パターンと値パターンの相関を示
す基準パターン図である。
【図11】疵種と疵特徴量と等級の相関を示す基準パタ
ーン図である。
【図12】5角形と3角形で近似した疵信号で算出した
濃度積算値と実濃度積算値の比較図である。
【符号の説明】
1 光学系 2 投光部 3 3板式偏光リニアアレイカメラ 4 鋼板 5 光源 6 偏光子 7 ビームスプリッタ 8 検光子 9 リニアアレイセンサ 12 信号処理部 13 信号前処理部 14 メモリ 15 一次疵パラメータ演算部 16 一次疵パラメータ記憶部 17 信号処理制御部 18 画面間疵パラメータ演算部 19 パターン記憶部 20 光量記憶部 21 基準パターン記憶部 22 疵種判定部 23 疵等級判定部 24 等級パターン記憶部 25 出力部
フロントページの続き (72)発明者 杉浦 寛幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 上杉 満昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 猪股 雅一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉川 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山田 善郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−313744(JP,A) 特開 平8−189905(JP,A) 特開 平9−178669(JP,A) 特開 平9−196645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投光部と受光部と信号処理部とを有し、
    投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも
    3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系
    を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号
    に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光
    強度分布を被検査面の地肌光強度があらかじめ定めた基
    準値となるように規格化し、規格化した光強度分布をも
    とに疵特徴量を演算し、疵特徴量より疵種又は等級判定
    を行う表面検査装置において、 上記信号処理部は受光部で検出したライン毎の疵信号の
    ピーク値と閾値で定まる疵信号の最初のアドレスと最後
    のアドレスより疵信号を五角形近似又は三角形近似し、
    近似した疵信号により疵特徴量である濃度積算値を求め
    ることを特徴とする表面検査装置。
  2. 【請求項2】 上記特定のチャンネルの信号処理部で閾
    値を上げたときに、閾値を上げない他のチャンネルの信
    号処理部で算出した濃度積算値と比較可能な閾値を上げ
    ないときと同等の濃度積算値を求める請求項1記載の表
    面検査装置。
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