JP3451811B2 - 四輪駆動車のアンチスキッド制御装置 - Google Patents

四輪駆動車のアンチスキッド制御装置

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JP3451811B2
JP3451811B2 JP24995495A JP24995495A JP3451811B2 JP 3451811 B2 JP3451811 B2 JP 3451811B2 JP 24995495 A JP24995495 A JP 24995495A JP 24995495 A JP24995495 A JP 24995495A JP 3451811 B2 JP3451811 B2 JP 3451811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも四輪を
直結四輪駆動状態とすることが可能なトランスファを有
すると共に、後輪側にディファレンシャルロック付終減
速機を有し、且つ各車輪の車輪速度を検出する車輪速検
出手段の車輪速検出値に基づいて前二輪及び後輪に設け
られた制動用シリンダの制動圧を個別に制御する制動圧
制御手段を有する四輪駆動車のアンチスキッド制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の四輪駆動車のアンチスキッド制御
装置としては、例えば、特開平4−163264号公報
に記載されているものがある。この従来例には、エンジ
ンの駆動力が前輪又は後輪に伝達される二輪駆動状態
(2WD)と、エンジンの駆動力がトランスミッショ
ン、フロントデフ及び前輪駆動軸を介して左右の前輪に
伝達されると共に、左右の後輪にはトランスミッショ
ン、センタデフ、プロペラシャフト、リヤデフ及び後輪
駆動軸を介して伝達される直結四輪駆動状態(4WD)
とを4WDセレクトスイッチで選択可能に構成されてお
り、この4WDセレクトスイッチがオン状態で4WD状
態を検出したときには、アンチスキッド制御が開始され
る場合、前輪側駆動系と後輪側駆動系とが繋がった状態
にあり、前輪側及び後輪側の制動力が独立して制御され
ると、駆動系での捩じりトルクが増大し、前輪及び後輪
の車輪速が振動してしまうおそれがあるため、例えば右
後輪にロック傾向が生じて所謂セレクトローの原理に従
って左右の後輪のブレーキ圧が共に減圧されるとき、右
後輪と同じ側の右前輪のブレーキ圧をも同時に所定圧だ
け減圧することにより、前輪側と後輪側とでブレーキ圧
の減圧制御を実質的に同相として各車輪速の振動を効果
的に抑制し、さらに4WDセレクトスイッチがオン状態
で且つセンタデフロックスイッチ及びリヤデフロックス
イッチがオン状態であるときには更に各車輪のブレーキ
圧を緩めに制御するようにしたアンチスキッド制御装置
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置にあっては、
直結四輪駆動状態での後輪側デフロック状態をリヤデフ
ロックスイッチによって検出し、リヤデフロック検出時
に各車輪のブレーキ圧をリヤデフロックを検出していな
い状態に比較して相対的に低下させるようにしているだ
けであるので、走行安定性を向上させることはできない
という未解決の課題がある。
【0004】すなわち、車両が直結四輪駆動状態で左右
輪で異なる摩擦係数となる所謂スプリット摩擦係数路を
走行している状態で、後輪側の終減速機でディファレン
シャルロック状態を生じていないときには、制動時の車
輪速変動は、例えば左輪側が高摩擦係数路面で、右輪側
が低摩擦係数路面であるとすると、前左右輪の車輪速V
FL,VwFR及び後左右輪の車輪速VwRL,VwRRは、
図10に示すように、高摩擦係数路面側の前左輪及び後
左輪の車輪速VwFL及びVwRLは車体速度VCに略沿っ
て変動するが、低摩擦係数路面側の前右輪及び後右輪の
車輪速VwFR及びVwRRは車体速度VC に対して大きく
減速することになるため、後左右輪の車輪速の内何れか
低い方即ち低摩擦係数路面側の後右輪の車輪速VwRR
基づいて後左右輪の制動圧シリンダの制動圧を同時に制
御して、コーナリングフォースを十分に確保して走行安
定性を確保することできる。
【0005】しかしながら、上記直結四輪駆動状態でス
プリット摩擦係数路を走行しているときに、後輪側の終
減速機がディファレンシャルロック状態となると、これ
によって後左右輪が直結されて同一車輪速となるため、
これら後左右輪の車輪速VwRL,VwRRは図11に示す
ように前左右輪の車輪速VwFL,VwFRの略中間の車輪
速となる。このため、ディファレンシャルロック状態と
なっていないときに比較して、車輪速VwRL,VwRR
高い分後左右輪の制動用シリンダの制動圧が高くなるこ
とにより後輪側コーナリングフォースを十分確保するこ
とができなくなる。すなわち、この状態では、高摩擦係
数路面側即ち後左輪のスリップ率も大きくなることによ
り、後輪側のコーナリングフォースが確保されないこと
になり、前輪側での左右輪の制動力差により発生するヨ
ーモーメントを抑制する力が小さくなって走行安定性を
向上させることができない。
【0006】そこで、本発明は上記従来例の未解決の課
題に着目してなされたものであり、直結四輪駆動状態で
後輪側の終減速機でディファレンシャルロック状態とな
ったときに走行安定性を向上させることができる四輪駆
動車のアンチスキッド制御装置を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る四輪駆動車のンチスキッド制御装
置は、少なくとも四輪を直結四輪駆動状態とすることが
可能なトランスファを有すると共に、後輪側にディファ
レンシャルロック付終減速機を有し、且つ前二輪及び後
輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別に各車輪
の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速検出値に
基づいて少なくとも減圧モード、急増圧モード、緩増圧
モード、高圧保持モード及び低圧保持モードに制御する
制動圧制御手段を有する四輪駆動車のアンチスキッド制
御装置において、前記制動圧制御手段がアンチスキッド
非制御状態であるときの前輪側の制御モードに基づいて
左右輪の走行路面が異なる摩擦係数である状態を検出す
る走行路面検出手段と、前記車輪速検出手段で検出した
各車輪の車輪速度に基づいて前記トランスファが直結四
輪状態で且つ後輪ディファレンシャルロック状態を検出
するディファレンシャルロック検出手段とを有し、前記
制動圧制御手段は、少なくとも前記走行路面検出手段で
左右輪で異なる摩擦係数であることを検出すると共に、
前記ディファレンシャルロック検出手段で直結四輪駆動
状態で且つ後輪ディファレンシャルロック状態を検出し
たときに、前記車輪速検出手段で検出された各車輪速の
内の最小車輪速に基づいて後輪側制動用シリンダの制動
圧を制御することを特徴としている。
【0008】この請求項1の発明においては、走行路面
検出手段で、制動圧制御手段がアンチスキッド非制御状
態であるときの前輪側の制御モードに基づいて左右輪で
異なる摩擦係数となる所謂スプリット摩擦係数路面を検
出すると共に、ディファレンシャルロック検出手段で直
結四輪駆動状態で且つ後輪ディファレンシャルロック状
態を検出したときに、制動圧制御手段で、後輪側の制動
用シリンダの制動圧を車輪速検出手段で検出した全ての
車輪速の内最小車輪速に基づいて制御することにより、
スプリット摩擦係数路面を正確に検出すると共に、後輪
側の制動用シリンダの制動圧を適正状態に制御して、後
輪側コーナリングフォースを十分確保し、前輪側の左右
輪の制動力差によって発生するヨー運動を抑制する。
【0009】また、請求項2に係る四輪駆動車のアンチ
スキッド制御装置は、前記走行路面検出手段は、前記制
動制御手段がアンチスキッド非制御状態であって、前輪
の一方の車輪が急増圧モードであり、他方の車輪が高圧
保持モードであるときに左右輪の走行路面が異なる摩
擦係数であることを検出するように構成されていること
を特徴としている。この請求項2の発明においては、
動制御手段がアンチスキッド非制御状態であるとき即ち
ブレーキペダルが踏込まれて制動用シリンダの制動圧が
急増している間に、一方の車輪が急増圧モードで他方の
車輪が高圧保持モードとなったスプリット摩擦係数路面
であることを検出するので、スプリット摩擦係数路面の
検出を迅速且つ正確に行うことができる。
【0010】さらに、請求項3に係る四輪駆動車のアン
チスキッド制御装置は、請求項1又は2の発明におい
て、前記制動圧制御手段は、前輪側の制動用シリンダが
減圧状態であるときに後輪側の制動用シリンダも減圧状
態に制御することを特徴としている。
【0011】この請求項3の発明においては、前輪側の
制動用シリンダの減圧状態に同期して後輪側の制動用シ
リンダを減圧状態とすることにより、後輪側の制動用シ
リンダの減圧状態の頻度を多くし、後輪側のスリップ率
を小さくしてより大きなコーナリングフォースを確保す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すブ
ロック図である。図中、1は回転駆動源としてのエンジ
ン、2FL,2FRは前輪、2RL,2RRは後輪、3は車輪2
FL〜2RRへの駆動力配分比を変更可能な駆動力伝達系、
4FL〜4RRは各車輪2FL〜2RRに装着された制動用シリ
ンダとしてのホイールシリンダである。
【0013】駆動力伝達系3は、エンジン1からの駆動
力を選択された歯車比で変速する変速機5と、この変速
機5からの駆動力を前輪2FL,2FR側及び後輪(常駆動
輪)2RL,2RR側に分割するトランスファ6とを有して
いる。そして、駆動力伝達系3では、トランスファ6で
分割された前輪駆動力が前輪側出力軸7、フロント終減
速機8及び前輪側ドライブシャフト9を介して前輪2F
L,2FRに伝達され、一方、後輪側駆動力がプロペラシ
ャフト10、リヤ終減速機11及び後輪側ドライブシャ
フト12を介して後輪2RL,2RRに伝達される。ここ
で、リヤ終減速機11には、ディファレンシャルロック
機構が設けられている。
【0014】トランスファ6は、図2に概略構成を示す
如く、変速機5の出力軸に連結された入力軸15と、こ
の入力軸15に連結されたメインギヤ16と、プロペラ
シャフト10に連結された後輪側出力軸17と、メイン
ギヤ16にカウンタギヤ18を介して連結され且つ後輪
側出力軸17の回りにベアリング19を介して回転自在
に配設されたローギヤ20と、後輪側出力軸17に対し
て入力軸15及びローギヤ20を選択的に連結するL−
Hカップリングスリーブ21と、後輪側出力軸17の回
りにベアリング22を介して回転自在に配設された前輪
側ドライブスプロケット23と前輪側出力軸24に形成
されたスプロケット25との間に張設されたドライブチ
ェーン26と、前輪側ドライブスプロケット23と後輪
側出力軸17との間を断続する2−4カップリングスリ
ーブ27とを備えている。
【0015】そして、L−Hカップリングスリーブ21
及び2−4カップリングスリーブ27とが運転席近傍に
設けられたトランスファ・シフトレバー28(図1参
照)をシフトさせることによりシフトされる。すなわ
ち、トランスファ・シフトレバー28で2H位置を選択
することにより、L−Hカップリングスリーブ21で入
力軸15と後輪側出力軸17とが直結されると共に、2
−4カップリングスリーブ27が前輪側ドライブスプロ
ケット23から離脱した位置となり、後輪のみが駆動さ
れる二輪駆動状態となり、4H位置を選択することによ
り、L−Hカップリングスリーブ21はそのままで2−
4カップリングスリーブ27のみが前輪側ドライブスプ
ロケット23に連結される高速側の直結四輪駆動状態と
なり、N位置を選択することにより、2−4カップリン
グスリーブ27はそのままでL−Hカップリングスリー
ブ21が入力軸15及びローギヤ20の何れからも離脱
したニュートラル状態となり、4L位置を選択すること
により、2−4カップリングスリーブ27はそのままで
L−Hカップリングスリーブ21で後輪側出力軸17及
びローギヤ20が連結された低速側の直結四輪駆動状態
となる。
【0016】一方、前輪側ホイールシリンダ4FL,4FR
には、ブレーキペダル31の踏込みに応じて前輪側及び
後輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシ
リンダ32からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエ
ータ33FL,33FRを介して個別に供給されると共に、
後輪側ホイールシリンダ4RL,4RRには、マスタシリン
ダ32からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュ
エータ33Rを介して供給され、そして、前輪2FL及び
2FRには夫々前輪側車輪速センサ41FL及び41FRが取
付けられ、後輪2RL及び2RRには夫々後輪側車輪速セン
サ41RL及び41RRが取付けられ、これら車輪速センサ
41FL〜41RRから車輪速度に応じた車輪速パルス信号
FL及びPFRが出力され、全体として4センサ3チャン
ネルシステムに構成されている。
【0017】アクチュエータ33FL〜33Rの夫々
は、図3に示すように、マスタシリンダ32に接続され
る油圧配管34と、ホイールシリンダ4FL〜4RRとの間
に介装された電磁流入弁35と、この電磁流入弁35と
並列に接続された電磁流出弁36、油圧ポンプ37及び
逆止弁38の直列回路と、電磁流出弁36及び油圧ポン
プ37間の油圧配管に接続されたアキュムレータ39と
を備えており、各アクチュエータ33FL〜33Rの電
磁流入弁35、電磁流出弁36及び油圧ポンプ37は、
コントローラ40からの制動圧制御信号EV、AV及び
MRによって制御される。
【0018】このコントローラ40には、前輪側車輪速
センサ41FL及び41FRと、後輪側車輪速センサ41RL
及び41RRと、車体の前後加速度を検出する前後加速度
センサ42とが接続され、車輪速センサ41FL,41F
R,41R及び前後加速度センサ42の検出信号に基づ
いて各アクチュエータ33FL〜33Rに制動圧制御信号
EV、AV及びMRを出力する。
【0019】すなわち、コントローラ40は、図4に示
すように、車輪速センサ41FL〜41RRからの車輪速パ
ルス信号PFL〜PRRが入力され、これらと各車輪2FL〜
2RRの回転半径とから車輪の周速度(車輪速)VwFL
VwRRを演算する車輪速演算回路44FL〜44RRと、車
輪速演算回路44FL〜44RRの車輪速VwFL〜VwRR
び前後加速度センサ42の前後加速度XG に基づいてア
クチュエータ33FL〜33Rを制御するアンチスキッド
制御部46を備えている。
【0020】このアンチスキッド制御部46は、車輪速
演算回路44FL〜44RRの車輪速VwFL〜VwRRのう
ち最も高い車輪速(セレクトハイ車輪速)VwH を選択
するセレクトハイスイッチ51と、このセレクトハイス
イッチ51で選択されたセレクトハイ車輪速VwH と前
後加速度センサ42の前後加速度検出値XG とが入力さ
れ、これらに基づいて実際の車体速度に対応した推定車
体速度VX を算出する推定車体速度演算回路52と、こ
の推定車体速度演算回路52から出力される推定車体速
度VX と車輪速演算回路44FL〜44RRの車輪速Vw
FL〜VwRRとに基づいてアクチュエータ33FL〜33R
を制御する制動圧制御手段としてのアンチスキッド制御
回路53とを備えている。
【0021】ここで、推定車体速度演算回路52は、図
5に示すように、セレクトハイスイッチ51で選択され
たセレクトハイ車輪速VwH を車輪速サンプリング値V
S として保持するサンプルホールド回路52aと、前後
加速度センサ42の前後加速度検出値XG を絶対値回路
52bで絶対値化し、これとオフセット値出力回路52
cからの例えば0.3Gに対応するオフセット値とを加
算回路52dで加算して前後加速度補正値XGCを出力す
るセンサ出力補正回路52eと、オペアンプで構成され
入力電圧Eを積分する積分回路52fと、この積分回路
52fの積分出力Ve とサンプルホールド回路52aの
車輪速サンプリング値VS とを加算して推定車体速度V
X を算出する加算回路52gと、セレクトハイ車輪速V
H が推定車体速度VX に対して予め設定した所定の不
感帯幅内即ちVX −1km/h<Vw H <VX +1km/hであ
るか否かを検出し、VX −1km/h<VwH <VX +1km
/hであるときに出力C1 及びC2 を共に低レベルとし、
VwH ≧VX +1km/hであるときに、出力C1 を高レベ
ルとし、VwH ≦VX −1km/hであるときに出力C 2
高レベルとする不感帯検出回路52hと、この不感帯検
出回路52hでセレクトハイ車輪速VwH が不感帯内と
なったとき及びイグニッションスイッチのオン信号IG
が入力されたときに、前記サンプルホールド回路52a
でセレクトハイ車輪速VwH を保持させると共に、積分
回路52fをリセットするリセット回路52iと、セレ
クトハイ車輪速VwH が不感帯幅内にあるとき及び不感
帯幅外となってからオフディレータイマ52jで設定さ
れた所定時間T3 の間積分入力電圧Eとして零電圧を積
分回路52fに供給し、VwH >VX +1km/hとなって
から所定時間T3 経過後に非アンチスキッド制御中は+
0.4Gに対応する負の電圧を、アンチスキッド制御中
は+10Gに対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧
Eとして積分回路52fに供給し、さらにVwH <VX
−1km/hとなってから所定時間T3 経過後にセンサ出力
補正回路52eの前後加速度補正値XGCを積分入力電圧
Eとして積分回路52fに供給する選択回路52kとを
備えている。
【0022】アンチスキッド制御回路53は、車輪速V
FL〜VwRR及び推定車体速度VXに基づいて各車輪2F
L〜2RRに設けたホイールシリンダ4FL〜4RRへの供給
圧力を制御するアクチュエータ33FL〜33Rを制御す
るものであり、例えばマイクロコンピュータで構成さ
れ、図6〜図8に示す制動力制御処理を実行する。この
制動力制御処理は、図6に示すように、所定時間例えば
10msec毎のタイマ割込処理として実行され、先ずステ
ップS1でアンチスキッド制御中であるか否かを表すア
ンチスキッド制御中フラグASi (i=FL,FR,RL,RR)が
アンチスキッド非制御中を表す“0”にリセットされて
いるか否かを判定する。この判定は、各車輪速センサ4
1FL〜41RRの車輪速パルスPFL〜PRRに基づく車輪速
演算回路44FL〜44RRの車輪速VwFL〜VwRRに基づ
いて車両の走行状態を判定する条件が整っているか否か
を判定するものであり、アンチスキッド制御中フラグA
i が“1”にセットされているときには、走行状態の
判定条件が整っていないものと判断して、直接ステップ
S2に移行し、図7に示す制動圧制御処理を実行してか
らタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに
復帰し、アンチスキッド制御中フラグASi が“0”に
リセットされているときには、車輪速VwFL〜VwRR
基づいて車両の走行状態を判定する条件が整っているも
のと判断してステップS3に移行する。
【0023】このステップS3では、後述する前左輪の
アンチスキッド制御処理において、アクチュエータの制
御モードを表すモード設定フラグFMFLが急増圧モード
を表す“0”に設定され且つ同様に前右輪のアンチスキ
ッド制御処理において、モード設定フラグFMFRが高圧
側保持モードを表す“2”に設定されているか否かを判
定する。この判定は、左輪側が高摩擦係数路面で右輪側
が低摩擦係数路面であるスプリット摩擦係数路を走行し
ているか否かを判定するものであり、FMFL=0且つF
FR=2であるときにはスプリット摩擦係数路を走行し
ているものと判断してステップS5に移行し、それ以外
のときにはステップS4に移行する。
【0024】このステップS4では、上記ステップS3
とは逆に前左輪側のアンチスキッド制御処理においてモ
ード設定フラグFMFLが高圧側保持モードを表す“2”
にセットされ且つ前右輪側のアンチスキッド制御処理に
おいてモード設定フラグFM FRが急増圧モードを表す
“0”にセットされているか否かによって左輪側が低摩
擦係数路面で右輪側が高摩擦係数路面であるスプリット
摩擦係数路を走行しているか否かを判定し、FMFL=2
且つFMFR=0であるときにはスプリット摩擦係数路を
走行しているものと判断してステップS5に移行し、そ
れ以外のときにはスプリット走行路以外の走行路を走行
しているものと判断してステップS8に移行する。
【0025】ステップS5では、下記(1)式で表され
るトランスファ6が直結四輪駆動状態で且つ後輪側の終
減速機11のディファレンシャルロック(以下、単にデ
フロックと称す)判断条件の一方の条件を満足するか否
かを判定する。 |(VwFL+VwFR)/2−VwRL|<1Km/h ……
(1) そして、上記(1)式の条件を満足する場合には、ステ
ップS6に移行して、同様に下記(2)式で表されるト
ランスファ6が直結四輪駆動状態で且つディファレンシ
ャルロック判断条件の他方の条件を満足するか否かを判
定する。
【0026】 |(VwFL+VwFR)/2−VwRR|<1Km/h ……(2) そして、上記(2)式の条件を満足する場合には、後輪
側終減速機11でデフロック状態が発生しているものと
判断してステップS7に移行して、デフロック状態フラ
グFLをデフロック状態を表す“1”にセットしてから
前記ステップS2に移行する。
【0027】一方、ステップS5及びステップS6で
(1)式及び(2)式のデフロック判断条件を満足しな
いときには、ステップS8に移行して、デフロック状態
フラグFLを非デフロック状態を表す“0”にリセット
してから前記ステップS2に移行する。ここで、上記
(1)式及び(2)式の双方を満足することにより、直
結四輪駆動状態で且つ後輪側の終減速機11がデフロッ
ク状態であることを判断することができる理由は以下述
べる通りである。
【0028】今、車両が、図9に示すように、左側輪2
FL及び2RLが高摩擦係数μH の路面で、右側輪2FR及び
2RRが低摩擦係数μL の路面であるスプリット摩擦係数
路を走行しているものとし、この走行状態で直結四輪駆
動状態で且つ後輪側の終減速機11が非デフロック状態
であるものとする。この状態では、各車輪2FL〜2RRの
車輪ロックブレーキ力BFL〜BRRは、フロント軸重をW
F,リヤ軸重をWRとすると、BFL=μH ・WF/2,
FR=μL・WF/2,BRL=μH ・WR/2,BRR
μL ・WR/2で表される。
【0029】このため、全車輪のロックブレーキ力Bは
下記(3)式で表すことができる。 B=WF・(μH +μL )/2+WR・(μH +μL )/2 ……(3) ここで、車両に前輪側ブレーキ力BFが作用して車輪が
ロックするには、以下の条件が成立する必要がある。 BF>WF・(μH +μL )/2+WR・(μH +μL )/2 BF−WR・(μH +μL )/2>WF・(μH +μL )/2 ……(4) この(4)式で左辺第2項のWR・(μH +μL )は後
輪軸から前輪軸への伝達トルク(駆動トルク)を表し、
この(4)式を左右前輪軸に分解すると、以下のように
なる。
【0030】 左前輪軸:BF/2・WR・(μH +μL )/4>WF・μH /2……(5) 右前輪軸:BF/2・WR・(μH +μL )/4>WF・μL /2……(6) 上記(5)式及び(6)式を比較すると、路面摩擦係数
μH 及びμL とはμH>μL の関係となるので、WF・
μH /2>WF・μL /2となる。したがって、前輪ブ
レーキ力BFが大きくなると低摩擦係数路面側の前右輪
2FRが先にロックすることになる。
【0031】そして、前記(4)式で表される後輪から
前輪への伝達トルクに対応して前輪ブレーキ力BFが自
輪をロックするブレーキ力よりも多く必要になり、それ
が前輪から後輪への伝達ブレーキ力BF′となる。この
とき、後輪がロックするためには、以下の関係が成り立
つことが必要である。 BF′>WR・(μH +μL )/2 …………(7) BF′/2>WR・μH /2 …………(8) BF′/2>WR・μL /2 …………(9) この(8)式及び(9)式を比較すると、前述したよう
にμH >μL の関係からWR・μH /2>WR・μL
2となる。
【0032】したがって、前輪から後輪への伝達ブレー
キ力BF′が大きくなると低摩擦係数路面側となる後右
輪2RRが先にロックする。また、直結四輪駆動状態であ
るため、プロペラシャフト速度をVP とすると、以下の
関係が成立する。 (VwFL+VwFR)/2=VP …………(10) (VwRL+VwRR)/2=VP …………(11) ∴VwFL+VwFR=VwRL+VwRR …………(12) そして、前輪ブレーキ力BF及び前輪から後輪への伝達
ブレーキ力BF′の増加によって低摩擦係数路面側の前
右輪2FR及び2RRが先にロックすることから、図10に
示すように前右輪2FR又は後右輪2RRがスリップΔVを
もつ状態で上記(12)式が成立するには、以下の関係
が成立する必要がある。
【0033】 VwFL+(VwFR+ΔV)=VwRL+(VwRR+ΔV) …………(13) 一方、直結四輪駆動状態で且つ後輪側終減速機11のデ
フロック状態では、以下の関係が成立する。 (VwFL+VwFR)/2=VP VwRL=VwRR=VP ∴(VwFL+VwFR)/2=VwRL=VwRR …………(14) 前輪ブレーキ力BFが大きくなると低摩擦係数路面側の
前右輪2FRが先にロックすることから、図11に示すよ
うに、前右輪がスリップΔVをもつ状態で上記(14)
式が成立するには、以下の関係が成立することが必要で
ある。
【0034】 {VwFL+(VwFR+ΔV)}/2=VwRL+ΔV/2=VwRR+ΔV/2 …………(15) したがって、上記(15)式に所定の許容範囲を設ける
ことにより、前記(1)式及び(2)式を得ることがで
き、これら(1)式及び(2)式を制動初期即ちアンチ
スキッド制御中フラグASK が“0”を維持している間
に満足するか否かにより、直結四輪駆動状態で且つ後輪
側終減速機11のデフロック状態であるか否かを判断す
ることができる。
【0035】そして、ステップS2の制動圧制御処理
は、図7に示すように、先ずステップS11で前左輪2
FLの車輪速VwFLをもとにアクチュエータ33FLに対す
る制動圧制御処理を実行し、次いでステップS12に移
行して前右輪2FRの車輪速Vw FRをもとにアクチュエー
タ33FRに対する制動圧制御処理を実行し、次いでステ
ップS13に移行して、後左輪2RLの車輪速VwRLをも
とに後左輪側に対する制動圧演算処理を実行し、次い
で、ステップS14に移行して、後右輪2RRの車輪速V
RRをもとに後右輪側に対する制動圧演算処理を実行す
る。
【0036】ここで、ステップS11及びS12の前輪
側制動圧制御処理は、図8に示すサブルーチン処理を実
行する。このサブルーチン処理は、先ずステップS31
で、車輪速演算回路34j(j=FL,FR)から出力され
る現在の車輪速検出値Vwj(N)を読込み、次いでステッ
プS32に移行して、前回の処理時に読込んだ車輪速検
出値Vwj(N-1)からステップS31で読込んだ車輪速検
出値Vwj(N)を減算し、その減算値をタイマ割込周期で
除算することにより単位時間当たりの車輪速変化量即ち
車輪加減速度Vw j ′を算出してこれを記憶装置の所定
記憶領域に記憶し、次いでステップS33に移行して、
推定車体速度演算回路52からの推定車体速度VX を読
込み、次いでステップS34に移行して下記(16)式
の演算を行って各輪のスリップ率S j を算出する。
【0037】 Sj ={(VX −Vwj )/VX }×100 …………(16) 次いで、ステップS35に移行して、ステップS34で
算出したスリップ率S j が予め設定された目標スリップ
率S0 (例えば20%)以上であるか否かを判定し、S
j <S0 であるときには、ステップS36に移行する。
このステップS36では、減圧タイマLの値として、現
在の減圧タイマLの値から“1”をデリクメントした値
と“0”とを比較し、何れか大きい値を選択してからス
テップS37に移行する。
【0038】このステップS37では、予め設定した制
御終了条件を満足するか否かを判定する。この判定は、
例えばブレーキスイッチのスイッチ信号がオフ状態であ
るか否か、車速が零であるか否か等を判定することによ
り行い、制御終了条件を満足する場合には、ステップS
38に移行する。このステップS38では、減圧タイマ
Lを“0”にクリアし、且つアンチスキッド制御中フラ
グASを“0”にリセットし、次いでステップS39に
移行して、アクチュエータ33jの圧力をマスタシリン
ダ32の圧力に応じた圧力とする急増圧モードに設定し
てから図7の処理に復帰する。この急増圧モードでは、
アクチュエータ33jに対する制御信号EVj 及びAV
j を共に論理値“0”として、アクチュエータ33jの
流入弁35を開状態に、流出弁36を閉状態にそれぞれ
制御すると共に、モード判定フラグFMj として“0”
をセットする。
【0039】一方、ステップS37の判定結果が、制御
終了条件を満足しないときには、ステップS40に移行
して、減圧タイマLが正の値であるか否かを判定し、L
>0であるときにはステップS41に移行して、ホイー
ルシリンダ4jを減圧する減圧モードに設定してから図
7の処理に復帰する。この減圧モードでは、アクチュエ
ータ33jに対する制御信号EVj 、AVj 及びMRj
を共に論理値“1”として、アクチュエータ33jの流
入弁35を閉状態に、流出弁36を開状態にそれぞれ制
御して、ホイールシリンダ4jに保持されている圧力を
流出弁36、油圧ポンプ37及び逆止弁38を介してマ
スタシリンダ32側に戻し、ホイールシリンダ4jの内
圧を減少させると共に、モード判定用フラグFMj とし
て“1”をセットする。
【0040】また、ステップS40の判定結果が減圧タ
イマLが“0”にクリアされているときにはステップS
42に移行して、ステップS32で算出した車輪加減速
度Vwj ′が予め設定された加速度閾値+α1 以上であ
るか否かを判定し、Vwj ′<+α1 であるときには、
ステップS33に移行して、車輪加減速度Vwj ′が予
め設定された減速度閾値−α2 以下であるか否かを判定
し、Vwj ′≦−α2であるときにはステップS44に
移行して、アクチュエータ33jを、ホイールシリンダ
4jの内圧を一定値に保持する高圧側保持モードに設定
してから図7の処理に復帰する。この高圧側保持モード
では、アクチュエータ33jに対する制御信号EVj
論理値“1”とすると共に、制御信号AVj を論理値
“0”として、アクチュエータ33jの流入弁35を閉
状態に、流出弁36を閉状態に夫々制御し、ホイールシ
リンダ4jの内圧をその直前の圧力に保持すると共に、
モード判定フラグFMj として“2”をセットする。
【0041】一方、ステップS43の判定結果がV
j ′>−α2 であるときには、ステップS45に移行
して、アンチスキッド制御中フラグASj が“0”にリ
セットされているか否かを判定し、これが“0”にリセ
ットされているときには前記ステップS39に移行し、
“1”にセットされているときにはステップS46に移
行する。
【0042】このステップS46では、アクチュエータ
23jを、ホイールシリンダ4jの圧力を緩増圧させる
緩増圧モードに設定してから図7の処理に復帰する。こ
の緩増圧モードでは、アクチュエータ23jに対する制
御信号EVj を所定時間例えば8msecだけ論理値
“0”を継続させた後論理値“1”に切換えることを所
定時間毎に繰り返すと共に、制御信号AVR を論理値
“0”として、アクチュエータ33jの流入弁35を断
続的に開状態とし、流出弁36を閉状態とすることによ
り、ホイールシリンダ4jの内圧を徐々にステップ状に
増圧すると共に、モード判定フラグFMj として“3”
をセットする。
【0043】一方、前記ステップS42の判定結果がV
j ′≧+α1 であるときには、ステップS27に移行
して、アンチスキッド制御中フラグASj が“0”にリ
セットされているか否かを判定し、制御中フラグASj
が“0”にリセットされているときには前記ステップS
39に移行し、制御中フラグASj が“1”にセットさ
れているときにはステップS48に移行して、アクチュ
エータ33iを、ホイールシリンダ4jの圧力を低圧側
でその直前の値に保持する低圧側保持モードに設定して
から図7の処理に復帰する。この低圧側保持モードで
は、前述したステップS44の高圧側の保持モードと同
様に、アクチュエータ33jに対する制御信号EVj
論理値“1”とすると共に制御信号AVj を論理値
“0”として、アクチュエータ33iの流入弁35を閉
状態に、流出弁36を閉状態にそれぞれ制御し、ホイー
ルシリンダ4jの内圧をその直前の圧力に保持すると共
に、モード判定フラグFMj として“4”をセットす
る。
【0044】また、前記ステップS35の判定結果が、
j ≧S0 であるときにはステップS49に移行して、
車輪加減速度Vwj ′が予め設定された加速度閾値+α
1 以上であるか否かを判定し、Vwj ′≧+α1 である
ときにはステップS50に移行して減圧タイマLを
“0”にクリアしてから前記ステップS37に移行し、
Vwj ′<+α1 であるときにはステップS51に移行
して、アンチスキッド制御フラグASを“1”にセット
すると共に、減圧タイマLを正の所定値L0 にセットし
てから前記ステップS37に移行する。
【0045】一方、ステップS13及び14の後輪側制
動圧設定処理では、図示しないが上述した図8の前輪側
制動圧制御処理において、前輪側車輪速Vwj に代え
て、後輪側車輪速Vwk (k=RL,RR)を読込んで、後
輪側車輪加減速度Vwk ′及び車輪スリップ率Sk を算
出し、アンチスキッド制御中フラグASk を設定し、さ
らにステップS39,S41,S44,S46,S48
でアクチュエータに対するモード設定を行わず、単にモ
ード判定フラグFMk を設定することを除いては図8と
同一の処理を実行し、したがって、後輪側アクチュエー
タ33Rに対する制動圧制御処理は実行せず、モード判
定フラグFMK の設定のみを行う。
【0046】次いで、ステップS15に移行して、ステ
ップS13の後左輪制動圧設定処理でモード判定フラグ
FMRLが“0”に設定されているか否かを判定し、FM
RL=0であるときには、ステップS16に移行し、ステ
ップS14の後右輪制動圧設定処理でモード判定フラグ
FMRRが“0”に設定されているか否かを判定し、FM
RR=0であるときには、アンチスキッド制御処理を開始
していないものと判断してステップS17に移行して、
後輪側アクチュエータ33Rの圧力をマスタシリンダ3
2の圧力に応じた圧力とする急増圧モードに設定してか
ら図6の処理に復帰する。この急増圧モードでは、アク
チュエータ33Rに対する制御信号EV j 及びAVj
共に論理値“0”として、アクチュエータ33jの流入
弁35を開状態に、流出弁36を閉状態にそれぞれ制御
する。
【0047】一方、ステップS15及びS16の判定結
果が夫々FMRL≠0及びFMRR≠0であるときには、ス
テップS18に移行し、図6の処理でデフロック判定フ
ラグFLが“1”にセットされているか否かを判定し、
FL=1であるときにはステップS19に移行する。こ
のステップS19では、ステップS11の前左輪制動圧
制御処理でモード判定フラグFMFLが減圧モードを表す
“1”に設定されているか否かを判定し、FMFL=1で
あるときには、ステップS20に移行し、ホイールシリ
ンダ4kを減圧する減圧モードに設定してから図6の処
理に復帰する。この減圧モードでは、アクチュエータ3
3Rに対する制御信号EVR 、AVR 及びMRR を共に
論理値“1”として、アクチュエータ33Rの流入弁3
5を閉状態に、流出弁36を開状態にそれぞれ制御し
て、ホイールシリンダ4kに保持されている圧力を流出
弁36、油圧ポンプ37及び逆止弁38を介してマスタ
シリンダ32側に戻し、ホイールシリンダ4kの内圧を
減少させる。
【0048】一方、ステップS19の判定結果がFMFL
≠1であるときには、ステップS21に移行して、ステ
ップS12の前右輪制動圧制御処理でモード判定フラグ
FMFRが減圧モードを表す“1”に設定されているか否
かを判定し、FMFR=1であるときには前記ステップS
20に移行して後輪側アクチュエータ33Rを減圧モー
ドに制御し、FMFR≠1であるときにはステップS22
に移行する。
【0049】このステップS22では、ステップS13
の後左輪側制動圧設定処理でモード判定フラグFMRL
減圧モードを表す“1”に設定されている否かを判定
し、FMRL=1であるときには前記ステップS20に移
行し、FMRL≠1であるときにはステップS23に移行
する。このステップS23では、ステップS14の後右
輪側制動圧設定処理でモード判定フラグFMRRが減圧モ
ードを表す“1”に設定されている否かを判定し、FM
RR=1であるときには前記ステップS20に移行し、F
RR≠1であるときにはステップS24に移行する。
【0050】このステップS24では、ステップS13
の後左輪側制動圧設定処理でモード判定フラグFMRL
保持モードを表す“2”又は“4”に設定されている否
かを判定し、FMRL=2又はFMRL=4であるときには
ステップS25に移行して、ホイールシリンダ4kの圧
力をその直前の値に保持する保持モードに設定してから
図6の処理に復帰する。この保持モードでは、後輪側ア
クチュエータ33Rに対する制御信号EVR を論理値
“1”とすると共に、制御信号AVR を論理値“0”と
して、アクチュエータ33iの流入弁35を閉状態に、
流出弁36を閉状態に夫々制御し、ホイールシリンダ4
jの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0051】また、ステップS24の判定結果がFMRL
≠2且つFMRL≠4であるときにはステップS26に移
行し、ステップS14の後右輪側制動圧設定処理でモー
ド判定フラグFMRRが保持モードを表す“2”又は
“4”に設定されている否かを判定し、FMRR=2又は
FMRR=4であるときには前記ステップS25に移行
し、FMRL≠2且つFMRL≠4であるときにはステップ
S27に移行して、アクチュエータ33Rを、ホイール
シリンダ4kの圧力を緩増圧させる緩増圧モードに設定
してから図6の処理に復帰する。この緩増圧モードで
は、アクチュエータ33Rに対する制御信号EVR を所
定時間例えば8msecだけ論理値“0”を継続させた
後論理値“1”に切換えることを所定時間毎に繰り返す
と共に、制御信号AVR を論理値“0”として、アクチ
ュエータ33Rの流入弁35を断続的に開状態とし、流
出弁36を閉状態とすることにより、ホイールシリンダ
4kの内圧を徐々にステップ状に増圧する。
【0052】そして、図6の処理におけるステップS
1,S3,S4の処理が走行路面検出手段に対応し、ス
テップS5及びS6の処理がディファレンシャルロック
検出手段に対応し、図7及び図8の処理が制動圧制御手
段に対応している。次に、上記実施形態の動作を説明す
る。今、トランスファ・シフトレバー28で二輪駆動状
態を選択することにより、2−4カップリングスリーブ
27が後輪側出力軸17とフロントドライブスプロケッ
ト23との間を遮断状態とし、且つL−Hカップリング
スリーブ21がメインギヤ16及び後輪側出力軸17間
を連結して高速位置にあるものとする。この状態では、
変速機5からの駆動力が入力軸15、L−Hカップリン
グスリーブ21を介して後輪側出力軸17に伝達される
ことにより、この駆動力がプロペラシャフト10を介し
て後輪2RL,2RRに伝達されて後輪のみの二輪駆動状態
となる。
【0053】この二輪駆動状態で、乾燥した舗装路等の
良路を非制動状態で定速走行しているものとすると、ア
ンチスキッド制御部46では、推定車体速度VX と車輪
速度Vwk (k=FL,FR,RL, RR)とが略一致している
ので、図8の前輪側制動圧制御処理のステップS34で
算出されるスリップ率Sj が“0”となり、非制動状態
であるので、ステップS35からステップS36に移行
して、定速走行中の前回の処理時に減圧タイマLが
“0”にクリアされていることにより、タイマ値として
“0”が選択されてからステップS37に移行する。
【0054】このステップS37では、非制動状態であ
り制御終了条件を満足するものと判断してステップS3
8に移行し、減圧タイマL及びアンチスキッド制御フラ
グASj を“0”にクリアし、次いでステップS39に
移行して急増圧モードを設定すると共に、モード判定フ
ラグFMj を“0”に設定する。この急増圧モードで
は、アクチュエータ33iによってマスターシリンダ3
2と各ホイールシリンダ4jとが連通状態となっている
が、ブレーキペダル31を踏込まない非制動状態である
ことにより、マスターシリンダ32の圧力が略零である
ので、ホイールシリンダ4jの圧力も略零を維持し、非
制動状態を維持する。
【0055】一方、後輪側制動圧設定処理でも、図8に
対応する処理によって、アンチスキッド制御中フラグA
k が“0”にクリアされると共に、モード判定フラグ
FM RL及びFMRRが共に急増圧モードを表す“0”に設
定される。このため、図7のステップS15からステッ
プS16を経てステップS17に移行して、後輪側アク
チュエータ33Rが急増圧モードに設定され、マスター
シリンダ32と各ホイールシリンダ4kとが連通状態と
なっているが、ブレーキペダル31を踏込まない非制動
状態であることにより、マスターシリンダ32の圧力が
略零であるので、ホイールシリンダ4kの圧力も略零を
維持し、非制動状態を維持する。
【0056】このように、良路を非制動状態で走行して
いるときには、アンチスキッド制御中フラグASi が共
に“0”に設定されているので、図6の処理が実行され
たときに、ステップS1からステップS3に移行する
が、前輪側の制動圧制御処理で、モード判定フラグFM
FL及びMFFRが共に“0”に設定されていることによ
り、ステップS4を経てステップS8に移行し、デフロ
ック状態フラグFLを後輪側終減速機11でデフロック
を生じていないことを表す“0”にリセットしてからス
テップS2の制動圧制御処理に移行する。
【0057】その後、良路の定速走行状態からブレーキ
ペダル31を踏込んで制動状態とすると、制動開始直後
は、前輪側の制動力制御処理において、車輪スリップ率
jが設定スリップ率S0 以上となり、且つ車輪加減速
度Vwj ′が加速度閾値+α 1 未満となるまでは、アン
チスキッド制御中フラグASj が“0”に維持されると
共に、前輪側は非駆動輪であるので、左右輪の車輪速V
FL及びVwFRが略同時に減速し初め、車輪加減速度V
FL′及びVwFR′が略同時に減速度閾値−α 2 以下と
なるので、図8の前輪側制動圧制御処理において、ステ
ップS43からステップS44に移行して、前輪側アク
チュエータ33FL及び33FRが略同時に高圧保持モード
に設定されて、モード判定フラグFMFL及びFMFR
“2”に設定される。
【0058】したがって、図6の処理が実行されたとき
には、ステップS3及びS4を経てステップS8に移行
して、デフロック状態フラグFLを“0”に維持し、図
7の処理が実行されたときに、ステップS15を経てス
テップS18に移行するが、デフロック状態フラグFL
が“0”にリセットされているので、直接ステップS2
2以降にジャンプし、後左右輪の何れか一方の制動圧設
定処理でモード判定フラグFMk が減圧モードを表す
“1”に設定されると、ステップS20に移行して後輪
側アクチュエータ33Rが減圧モードに制御されて、ホ
イールシリンダ4kの制動圧が減圧され、モード判定フ
ラグFMk が保持モードを表す“2”又は“4”に設定
されるとステップS25に移行して、後輪側アクチュエ
ータ33Rが保持モードに設定されてホイールシリンダ
4kの制動圧が直前の値に保持され、さらに左右の制動
圧設定処理で共にモード判定フラグFMFL及びFMFR
緩増圧モードを表す“3”に設定されると、ステップS
27に移行して後輪側アクチュエータ33Rが緩増圧モ
ードに制御されてホイールシリンダ4kの制動圧が緩増
圧されて、通常のアンチスキッド制御と同様に後輪側の
車輪速に基づいて制動圧制御が行われる。
【0059】また、前左右輪の減速が同時に行われず、
ずれを生じている場合には、瞬時的にモード判定フラグ
がFMFL=0且つFMFR=2となるか又はFMFL=2且
つFMFR=0となることが生じ、この場合には、ステッ
プS5に移行することになるが、駆動輪となる後輪の車
輪速VwRL及びVwRRの少なくとも何れかが前2輪の車
輪速VwFL及びVwFRの平均値より大きくなるので、前
記(1)式又は(2)式のデフロック判断条件を満足す
ることがなく、ステップS7に移行してデフロック状態
フラグFLが“1”にセットされることはない。
【0060】一方、二輪駆動状態で左側輪が例えば高摩
擦係数路面となり、右側輪が低摩擦係数路面となるスプ
リット摩擦係数路面を走行する状態となると、制動開始
時に高摩擦係数側の前左輪2FLの車輪速VwFLに比較し
て低摩擦係数側の前右輪2FRの車輪速VwFRの低下が大
きいため、図8の制動圧制御処理が実行されたときに、
前左輪側については車輪加減速度VwFL′が減速度閾値
−α2 を越えていて急増圧モードを維持してモード判定
用フラグFMFLが“0”に設定されているが、前右輪側
については車輪加減速度VwFR′が減速度閾値−α2
下となってステップS44に移行して高圧保持モードが
設定され且つモード判定フラグFMFRが“2”設定され
ることになり、このため、図6の処理が実行されたとき
にステップS3からステップS5に移行するが、この場
合も駆動輪となる後輪の車輪速VwRL及びVwRRの少な
くとも何れかが前2輪の車輪速VwFL及びVwFRの平均
値より大きくなるので、前記(1)式又は(2)式のデ
フロック判断条件を満足することがなく、ステップS7
に移行してデフロック状態フラグFLが“1”にセット
されることはない。
【0061】次に、上記二輪駆動状態からトランスファ
シフトレバー28を4H位置にシフトさせることによ
り、2−4カップリングスリーブ27をフロントドライ
ブスプロケット23に連結させて直結四輪駆動状態とす
ると、入力軸15に伝達される変速機5からの駆動トル
クが後輪側出力軸17に伝達されると共に、ドライブチ
ェーン26を介して前輪側出力軸24にも伝達されて高
速側の直結四輪駆動状態となる。
【0062】この高速側の直結四輪駆動状態でも、左右
輪が略等しい摩擦係数の路面を走行している場合には、
制動初期時に図6の処理が実行されたときに、ステップ
S3及びS4を経てデフロック判断を行うことなくステ
ップS8に移行してデフロック判定フラグFLを“0”
にリセットする。ところが、制動初期時に車両のバウン
ドによって左右何れか一方の車輪の摩擦係数が低下した
ときには、ステップS5に移行することになるが、左右
輪が略等しい摩擦係数路面を走行している状態では後輪
側終減速機11がデフロック状態となることがないの
で、ステップS5及びS6のデフロック判断条件を満足
することはなく、ステップS8の状態を維持するため、
前述した二輪駆動状態と同様に前後輪のアクチュエータ
33FL,33FR及び33Rが制動圧制御される。
【0063】この高速側の直結四輪駆動状態で、車両が
例えば左輪側が高摩擦係数路面となり、右輪側が低摩擦
係数路面となるスプリット摩擦係数路を走行する状態と
なると、制動初期時に高摩擦係数路面側の前左車輪速V
FLに比較して、低摩擦係数路面側の前右車輪速VwFR
の低下が大きいので、図8の前輪側制動圧制御処理が実
行されたときに、前左輪側の制動圧制御処理においては
急増圧モードを継続してモード判定フラグFMFL
“0”に設定されるが、前右輪側の制動圧制御処理にお
いてはモード判定フラグFMFRが高圧側の保持モードを
表す“2”に設定されることになり、図6の処理が実行
されたときにステップS3からステップS5に移行す
る。このとき、後輪側終減速機11がデフロック状態で
はないときには、前述したように、(13)式で表され
る前輪側の車輪速VwFL及びVwFRにスリップΔVを加
算した値と、後輪側の車輪速VwRL及びVwRRにスリッ
プΔVを加算した値とが等しくなるため、図6の処理を
実行したときにステップS5及びS6のデフロック判断
条件を満足することはなく、ステップS8に移行して、
デフロック判定フラグFLが“0”にリセットされた状
態を維持し、図7の制動圧制御処理では前述した二輪駆
動状態と同様の制動圧制御を行う。
【0064】しかしながら、スプリット摩擦係数路を走
行している状態で、後輪側終減速機11がデフロック状
態となると、前述した(14)式で表されるように、前
輪側の車輪速VwFL及びVwFRの平均値と後輪側の夫々
の車輪速VwRL,VwRRとが略一致する状態となるの
で、図6の処理が実行されたときに、ステップS5のデ
フロック判断条件及びステップS6のデフロック判断条
件を共に満足することになり、ステップS6からステッ
プS7に移行してデフロック判定フラグFLが“1”に
セットされる。
【0065】このため、ステップS2に移行して、図7
の制動圧制御処理が実行されたときに、前左輪及び前右
輪についてはステップS11及びS12で前述した二輪
駆動状態と同様に左右の車輪速VwFL及びVwFRに基づ
いて独立にアンチスキッド制御が実行されるが、後輪側
については、左右の制動圧設定処理の何れか一方で急増
圧モード以外のモードに対応するモード判定フラグFM
RL又はFMRRが設定されると、ステップS15又はS1
6からステップS18に移行し、デフロック判定フラグ
FLが“1”にセットされているので、ステップS19
に移行する。
【0066】このため、四輪の制動圧制御処理の何れか
において、モード判定フラグFMiが減圧モードを表す
“1”にセットされているときには、ステップS20に
移行して、後輪側アクチュエータ33Rが減圧モードに
制御される。このとき、デフロック状態である後輪側の
車輪速度VwRL及びVwRRに比べて、独立にアンチスキ
ッド制御が行われている前輪側の低摩擦係数路面側の車
輪速VwFRの方が低下し易いので、後輪側アクチュエー
タ33Rが減圧モードとなる頻度が前述したデフロック
を生じていない状態での後輪側制動圧制御に比較して増
加し、これに応じて後輪側のホイールシリンダ4RL及び
4RRの制動圧が低い状態を維持することになり、制動力
が小さくなって、後輪側での車輪スリップが抑制される
ので、この後輪側でのコーナリングフォースを確保する
ことができ、前輪側のブレーキ力差により車両に発生す
るヨー運動を抑制することができ、走行安定性を向上さ
せることができる。
【0067】また、トランスファ・シフトレバー28を
4L位置にシフトさせると、L−Hカップリングスリー
ブ21がローギヤ20と後輪側出力軸17とを連結させ
る状態となり、前輪2FL,2FR及び後輪2RL,2RRを四
輪駆動状態で低速回転駆動することができ、この状態で
も上記と同様に良好な制動圧制御処理を行うことができ
る。
【0068】このように、上記実施形態によると、スプ
リット摩擦係数路を走行している状態で、デフロック状
態を検出したときに、後輪側の制動圧制御処理におい
て、四輪の制動圧制御処理の何れかにおいて、モード判
定フラグFMi が減圧モードを表す“1”にセットされ
ているときには、後輪側アクチュエータ33Rを減圧モ
ードに制御するようにしているので、後輪側のコーナリ
ングフォースを確保して、走行安定性を向上させること
ができると共に、後輪側アクチュエータ33Rを緩増圧
モードに制御する場合に、前輪側の何れかが減圧モード
となっているときが除かれるので、車両全体としてのア
ンチスキッド制御効果を有効に発揮することができる。
【0069】すなわち、一般に、四輪駆動状態では、前
2輪が減圧状態であってスピンアップ途上であるとき
に、後輪側を緩増圧状態として後輪2RL及び2RRに制動
力を作用させると、この制動力がプロペラシャフト1
0、2−4カップリングスリーブ27、チェーン26、
前輪側出力軸24等を介して左右前輪2FL及び2FRに伝
達されることになり、左右前輪2FL及び2FRの車輪速度
VwFL及びVwFRの回復遅れや車体速度に対する下ずり
を生じることになり、アンチスキッド制御効果を有効に
発揮することができなくなるが、本実施形態では、前二
輪の何れかが減圧モードであるときには後輪2RL,2RR
のアクチュエータ33Rを緩増圧モードに設定すること
が禁止されるので、左右前輪2FL及び2FRの車輪速度の
回復を効果的に行うと共に、車体速度に対する下ずりを
確実に防止してアクチュエータ制御効果を良好に発揮す
ることができる。
【0070】また、上記実施形態によると、制動初期時
即ちアンチスキッド制御中フラグASi が“1”にセッ
トされる以前に、前2輪の制動圧制御処理の制御モード
に応じてスプリット摩擦係数路を走行していることを検
出することができると共に、直結四輪駆動状態での後輪
側のデフロック状態も四輪の車輪速VwFL〜VwRRに基
づいて検出することができ、特別なセンサやスイッチ等
を設けることなく、スプリット摩擦係数路の走行状態と
後輪側デフロック状態とを正確に検出することができ
る。
【0071】なお、上記実施形態においては、二輪駆動
時に後輪を駆動する場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、二輪駆動時に前輪を駆動するよ
うにしてもよく、またトランスファ6としては、上記実
施例の構成に限らず、油圧クラッチを用いて二輪駆動状
態と直結四輪駆動状態とを切換えるようにしてもよく、
さらには、油圧クラッチを電磁減圧弁で前後の車輪速差
に基づいて制御することによりクラッチ締結力を制御す
るようにしてもよく、要は少なくとも二輪駆動状態及び
直結四輪駆動状態を任意に選択し得る構成であれば任意
のトランスファを適用することができる。
【0072】また、上記実施形態においては、推定車体
速度演算回路52で前後加速度を使用して推定車体速度
を算出する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、前後加速度センサを省略して、セレクト
ハイスイッチ51のセレクトハイ車輪速VwH のみに基
づいて推定車体速度を算出するようにしてもよく、さら
に推定車体速度を電子回路で演算する場合に限らずマイ
クロコンピュータで演算処理するようにしてもよい。
【0073】さらに、上記実施形態においては、制動圧
制御処理として図8に示すフローチャートを実行する場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、図12に示すように、横軸に車輪加減速度を、縦軸
に車輪スリップ率をとり、これらを加速度閾値+α1
び減速度閾値−α2 及び設定スリップ率S0 で分割し
て、その分割領域に夫々低圧側保持モード、緩増圧モー
ド、高圧側保持モード及び減圧モードを設定した制御マ
ップを予め記憶しておき、算出した車輪加減速度及び車
輪スリップ率をもとに制御マップを参照してモード設定
するようにしてもよい。
【0074】さらにまた、上記実施形態においては、ア
ンチスキッド制御回路53としてマイクロコンピュータ
を適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、比較回路、演算回路、論理回路等の電子
回路を組み合わせて構成することもできる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、走行路面検出手段で、制動圧制御手段がア
ンチスキッド非制御状態であるときの前輪側の制御モー
ドに基づいて左右輪で異なる摩擦係数となる所謂スプリ
ット摩擦係数路面を検出すると共に、ディファレンシャ
ルロック検出手段で直結四輪駆動状態で且つ後輪ディフ
ァレンシャルロック状態を検出したときに、制動圧制御
手段で、後輪側の制動用シリンダの制動圧を車輪速検出
手段で検出した全ての車輪速の内最小車輪速に基づいて
制御することにより、特別なセンサやスイッチ等を設け
ることなくスプリット摩擦係数路面を正確に検出するこ
とができると共に、後輪側の制動用シリンダの制動圧を
適正状態に制御して、後輪側コーナリングフォースを十
分確保し、前輪側の左右輪の制動力差によって発生する
ヨー運動を抑制して走行安定性を向上させることができ
るという効果が得られる。
【0076】また、請求項2に係る発明によれば、制動
制御手段がアンチスキッド非制御状態であるときに、一
方の車輪が急増圧モードで他方の車輪が高圧保持モード
となったスプリット摩擦係数路面であることを検出する
ので、特別なセンサやスイッチ等を設けることなくスプ
リット摩擦係数路面の検出を正確に行うことができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、前輪側の制動用
シリンダの減圧状態に同期して後輪側の制動用シリンダ
を減圧状態とすることにより、後輪側の制動用シリンダ
の減圧状態の頻度を多くし、後輪側の車輪スリップ率を
小さくしてより大きなコーナリングフォースを確保する
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図2に適用し得るトランスファの一例を示すス
ケルトン図である。
【図3】図2に適用し得るアクチュエータを示す概略構
成図である。
【図4】図2に適用し得るコントローラの一例を示すブ
ロック図である。
【図5】図2に適用推定車体速度演算回路の一例を示す
ブロック図である。
【図6】コントローラのアンチスキッド制御回路で実行
する制動圧制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図7】制動圧制御処理の具体例を示すフローチャート
である。
【図8】前輪側制動圧制御処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図9】スプリット摩擦係数路を走行している状態を示
す説明図である。
【図10】スプリット摩擦係数路を走行している状態で
の非デフロック状態での車輪速変化を示す特性線図であ
る。
【図11】スプリット摩擦係数路を走行している状態で
のデフロック状態での車輪速変化を示す特性線図であ
る。
【図12】モード設定を行う制御マップを示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 2FL,2FR 前輪 2RL,2RR 後輪 3 駆動力伝達系 4FL〜4RR ホイールシリンダ 5 変速機 6 トランスファ 11 後輪側終減速機 28 トランスファ・シフトレバー 31 ブレーキペダル 32 マスタシリンダ 33FL〜33R アクチュエータ 40 コントローラ 41FL〜41RR 車輪速センサ 42 前後加速度センサ 46 アンチスキッド制御部 52 推定車体速度演算回路 53 アンチスキッド制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−238764(JP,A) 特開 昭63−87356(JP,A) 特開 平2−299963(JP,A) 特開 平3−104761(JP,A) 特開 平1−311939(JP,A) 特開 平7−125621(JP,A) 実開 平2−108648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/32 - 8/96

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも四輪を直結四輪駆動状態とす
    ることが可能なトランスファを有すると共に、後輪側に
    ディファレンシャルロック付終減速機を有し、且つ前二
    輪及び後輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別
    に各車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速
    検出値に基づいて少なくとも減圧モード、急増圧モー
    ド、緩増圧モード、高圧保持モード及び低圧保持モード
    に制御する制動圧制御手段を有する四輪駆動車のアンチ
    スキッド制御装置において、前記制動圧制御手段がアン
    チスキッド非制御状態であるときの前輪側の制御モード
    に基づいて左右輪の走行路面が異なる摩擦係数である状
    態を検出する走行路面検出手段と、前記車輪速検出手段
    で検出した各車輪の車輪速度に基づいて前記トランスフ
    ァが直結四輪状態で且つ後輪ディファレンシャルロック
    状態を検出するディファレンシャルロック検出手段とを
    有し、前記制動圧制御手段は、少なくとも前記走行路面
    検出手段で左右輪で異なる摩擦係数であることを検出す
    ると共に、前記ディファレンシャルロック検出手段で直
    結四輪駆動状態で且つ後輪ディファレンシャルロック状
    態を検出したときに、前記車輪速検出手段で検出された
    各車輪速の内の最小車輪速に基づいて後輪側制動用シリ
    ンダの制動圧を制御することを特徴とする四輪駆動車の
    アンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 前記走行路面検出手段は、前記制動制御
    手段が制動圧非制御状態であって、前輪の一方の車輪が
    急増圧モードであり、他方の車輪が高圧保持モードであ
    るときに、左右輪の走行路面が異なる摩擦係数であるこ
    とを検出するように構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制動圧制御手段は、前輪側の制動用
    シリンダが減圧状態に同期して後輪側の制動用シリンダ
    も減圧状態に制御することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置。
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