JP3561997B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、二輪駆動状態と四輪駆動状態を選択可能なトランスファを備えた四輪駆動車のアンチスキッド制御装置に係り、特に、二輪駆動状態及び四輪駆動状態にかかわらず良好なアンチスキッド制御を行うことができるアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置としては、例えば、特開平4−163264号公報に記載されているものがある。
この従来例には、エンジンの駆動力が前輪又は後輪に伝達される二輪駆動状態(2WD)と、エンジンの駆動力がトランスミッション、フロントデフ及び前輪駆動軸を介して左右の前輪に伝達されると共に、左右の後輪にはトランスミッション、センタデフ、プロペラシャフト、リヤデフ及び後輪駆動軸を介して伝達されるリジッド四輪駆動状態(4WD)とを4WDセレクトスイッチで選択可能に構成されており、この4WDセレクトスイッチの状態から2WD状態を検出しているときには、アンチスキッド制御が開始されたときに左右の前輪と両後輪とのブレーキ圧を独立に制御するが、4WD状態を検出したときには、アンチスキッド制御が開始される場合、前輪側駆動系と後輪側駆動系とが繋がった状態にあるため、前輪側及び後輪側の制動力が独立して制御されると、駆動系での捩じりトルクが増大し、前輪及び後輪の車輪速が振動してしまうおそれがあるため、例えば右後輪にロック傾向が生じて所謂セレクトローの原理に従って左右の後輪のブレーキ圧が共に減圧されるとき、右後輪と同じ側の右前輪のブレーキ圧をも同時に所定圧だけ減圧することにより、前輪側と後輪側とでブレーキ圧の減圧制御を実質的に同相として各車輪速の振動を効果的に抑制するようにしたアンチスキッド制御装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置にあっては、二輪駆動状態と四輪駆動状態とで異なる態様のアンチスキッド制御を行うようにしているので、アンチスキッド制御時に駆動系が二輪駆動状態であるか四輪駆動状態であるかを判別する必要があり、このためには前述した4WDセレクトスイッチのような駆動状態を検出可能なスイッチを必要とすると共に、その検出信号が必要となり、その部品の信頼性の確保は勿論のこと部品の失陥検出のための素子の追加等のハードウェアの変更や失陥検出後のフェールセーフロジックの追加が必要となり、部品点数が増加する分信頼性が低下すると共に、コストが嵩むという未解決の課題があるうえ、四輪駆動状態でのアンチスキッド制御時には、後輪減圧時に前輪も減圧するため、減速度変動が大きくなることが懸念されるという未解決の課題もある。
【0004】
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、二輪駆動状態及び四輪駆動状態を区別することなく良好なアンチスキッド制御を行って、信頼性の確保、コストの低下及び減速度の変動抑制を行うことができるアンチスキッド制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1(a)の基本構成図に示すように、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを選択可能なトランスファを有する車両用であって、少なくとも前二輪及び後輪側の制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて当該制御対象車輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別に制御する制動圧制御手段を有するアンチスキッド制御装置において、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含む減圧状態で車輪速度が回復したに当該前輪側制動用シリンダを徐々に増圧する前輪の緩増圧状態を個別に検出する緩増圧状態検出手段を備え、前記制動圧制御手段は、前二輪が共に減圧状態であるとき前記緩増圧状態検出手段で何れか一方の前輪のみが緩増圧状態であることを検出したときに後輪側の増圧ゲインを低下させて緩増圧を許容させる後輪増圧抑制手段を有することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係るアンチスキッド制御装置は、図1(b)の基本構成図に示すように、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを選択可能なトランスファを有する車両用であって、少なくとも前二輪及び後輪側の制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて当該制御対象車輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別に制御する制動圧制御手段を有するアンチスキッド制御装置において、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含み車輪速度を回復させる前輪の減圧状態を個別に検出する減圧状態検出手段と、前記減圧状態で車輪速度が回復したに前記前輪側制動用シリンダを徐々に増圧する前輪の緩増圧状態を個別に検出する緩増圧状態検出手段を備え、前記制動圧制御手段は、前記減圧状態検出手段で前二輪が共に減圧状態であることを検出したときに後輪側の緩増圧を禁止すると共に、前二輪が共に減圧状態であるとき前記緩増圧状態検出手段で何れか一方の前輪のみが緩増圧状態であることを検出したときに後輪側の増圧ゲインを低下させて緩増圧を許容する後輪増圧抑制手段を有することを特徴としている。
【0008】
【作用】
請求項1に係る発明においては、車両が制動状態となって、アンチスキッド制御を開始したときに、左右前輪が共に減圧状態にあるときに、左右前輪の一方が緩増圧状態となったときには、左右前輪が共に緩増圧状態となることを待つことなく、後輪の増圧ゲインを低下させた状態で増圧を許可するので、特に四輪駆動状態での後輪の増圧可能範囲を広げて後輪制動力不足を防止する。
【0009】
また、請求項2に係る発明においては、請求項1の作用に加えて、車両が制動状態となって、アンチスキッド制御を開始したときに、減圧状態検出手段で、左右前輪が共に、制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含み車輪速度を回復させる減圧状態であることを検出しているときには、左右前輪が共に車輪速度が回復してスピンアップ状態になると判断することができ、二輪駆動状態では殆ど影響はないが、四輪駆動状態であるときには後輪側の緩増圧を禁止することにより、後輪側からのトルク伝達の干渉による車輪速の回復遅れや車体速度に対する下ずりを防止する。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2は本発明の一実施例を示すブロック図である。
図中、1は回転駆動源としてのエンジン、2FL,2FRは前輪、2RL,2RRは後輪、3は車輪2FL〜2RRへの駆動力配分比を変更可能な駆動力伝達系、4FL〜4RRは各車輪2FL〜2RRに装着された制動用シリンダとしてのホイールシリンダである。
【0011】
駆動力伝達系3は、エンジン1からの駆動力を選択された歯車比で変速する変速機5と、この変速機5からの駆動力を前輪2FL,2FR側及び後輪(常駆動輪)2RL,2RR側に分割するトランスファ6とを有している。そして、駆動力伝達系3では、トランスファ6で分割された前輪駆動力が前輪側出力軸7、フロントディファレンシャルギヤ8及び前輪側ドライブシャフト9を介して前輪2FL,2FRに伝達され、一方、後輪側駆動力がプロペラシャフト10、リヤディファレンシャルギヤ11及び後輪側ドライブシャフト12を介して後輪2RL,2RRに伝達される。
【0012】
トランスファ6は、図3に概略構成を示す如く、変速機5の出力軸に連結された入力軸15と、この入力軸15に連結された遊星歯車16と、この遊星歯車16に連結される高低速切換機構17と、一端が高低速切換機構17の出力軸に連結され他端がプロペラシャフト10に連結された後輪側出力軸18と、この後輪側出力軸18に伝達された駆動力を後述する油圧供給装置からの制御油圧Pによって前輪側出力軸7側に配分する湿式多板クラッチ19と、このクラッチ19の出力側と前輪側出力軸7との間に介挿されたチェーン20とを備えている。
【0013】
ここで、遊星歯車16は、入力軸15に連結されたサンギヤ16a、固定部に固定されたリングギヤ16b、サンギヤ16a及びリングギヤ16b間に噛合するピニオンギヤ16c、サンギヤ16aに連結された平歯車16d及びピニオンギヤ16cのピニオンキャリアに連結されたリングギヤ16eを有する。
また、高低速切換機構17は、遊星歯車16の平歯車16dに噛合するインナーリングギヤ部17a、リングギヤ16eに噛合するアウターリングギヤ部17bを有すると共に、プロペラシャフト10に連結された後輪出力軸18にスプライン結合され、外部のシフトレバーによって図3に示すようにインナーリングギヤ部17aが平歯車16dに噛合する高速シフト位置と、この状態から右動してアウターリングギヤ部17bがリングギヤ16eに噛合する低速シフト位置との間で摺動される。
【0014】
さらに、湿式多板クラッチ19は、入力軸15にスプライン結合されたクラッチドラム19aと、このクラッチドラム19aに一体に結合されたフリクションプレート19bと、入力軸15の外周部にニードルベアリング17によって回転自在に指示されたクラッチハブ19cと、このクラッチハブ19cに一体に結合されたフリクションディスク19dと、クラッチ19の右側に配設されたクラッチピストン19eと、このピストン19eとクラッチドラム19aとの間に形成されたシリンダ室19fと、前記ピストンに対するリターンスプリング19gとを備えており、シリンダ室19fに3ポート2位置の電磁方向切換弁19hを介して油圧ポンプ19iからリリーフ弁19jで調整された油圧が供給されるか否かによってオン・オフ制御される。ここで、電磁方向切換弁19hは後述するコントローラ30からの制御電流CSが零であるときにシリンダ室19fをタンク19jに連通するノーマル位置をとり、この状態から所定値の制御電流CSが供給されたときにシリンダ圧19fをポンプ19kに連通するオフセット位置をとる。
【0015】
なおさらに、チェーン20は、クラッチハブ19cにスプライン結合された第1のスプロケット20aと、前輪側出力軸7に連結された第2のスプロケット20bとの間に張設されている。
そして、クラッチ19のシリンダ室19fの圧力が零であるときにはリターンスプリング19gのばね力によって、フリクションプレート19b及びフリクションディスク19dが離間している。したがって、この状態では、入力軸15に伝達された入力トルクの全てがプロペラシャフト10を介して後輪側に伝達され、二輪駆動状態となる。
【0016】
一方、シリンダ室19fに所定圧の油圧Pが供給されている状態では、クラッチピストン19eによってリターンスプリング19gに抗する押圧力が発生し、これに対応してフリクションプレート19b及びフリクションディスク19d間に摩擦力による締結力が発生し、これにより入力軸の駆動トルクの一部が前輪側出力軸7を介して前輪側に伝達される。
【0017】
一方、前輪側ホイールシリンダ4FL,4FRには、ブレーキペダル21の踏込みに応じて前輪側及び後輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ22からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ23FL,23FRを介して個別に供給されると共に、後輪側ホイールシリンダ4RL,4RRには、マスタシリンダ22からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエータ23Rを介して供給され、全体として3センサ3チャンネルシステムに構成されている。
【0018】
アクチュエータ23FL〜23Rの夫々は、図4に示すように、マスタシリンダ22に接続される油圧配管24と、ホイールシリンダ4FL〜4RRとの間に介装された電磁流入弁25と、この電磁流入弁25と並列に接続された電磁流出弁26、油圧ポンプ27及び逆止弁28の直列回路と、電磁流出弁26及び油圧ポンプ27間の油圧配管に接続されたアキュムレータ29とを備えており、各アクチュエータ23FL〜23Rの電磁流入弁25、電磁流出弁26及び油圧ポンプ27は、後述するコントローラ30からの制動圧制御信号EV、AV及びMRによって制御される。
【0019】
そして、湿式多板クラッチ19に供給する油圧Pを制御する電磁方向切換弁19h及び制動用シリンダ4FL〜4RRのブレーキ圧を制御する各アクチュエータ23FL〜23Rがコントローラ30によって制御される。
このコントローラ30には、前輪2FL及び2FRの車輪速度に応じた車輪速パルス信号PFL及びPFRを出力する前輪側車輪速センサ31FL及び31FRと、後輪2RL及び2RRの車輪速度をプロペラシャフト10の回転速度に応じた車輪速パルス信号Pとして出力する後輪側車輪速センサ31Rと、車体の前後加速度を検出する前後加速度センサ32と、二輪駆動状態及び四輪駆動状態を選択し二輪駆動状態を選択したときにオン状態となるスイッチ信号DSを出力する駆動状態選択スイッチ33とが少なくとも接続され、駆動状態選択スイッチ33のスイッチ信号DSに基づいて湿式多板クラッチ19に対する油圧Pを制御する電磁方向切換弁19hを駆動制御する制御電流CSを出力すると共に、車輪速センサ31FL,31FR,31R及び前後加速度センサ32の検出信号に基づいて各アクチュエータ23FL〜23Rに制動圧制御信号EV、AV及びMRを出力する。
【0020】
すなわち、コントローラ30は、図5に示すように、車輪速センサ31FL〜31Rからの車輪速パルス信号PFL〜Pが入力され、これらと各車輪2FL〜2RRの回転半径とから車輪の周速度(車輪速)VwFL〜Vwを演算する車輪速演算回路34FL〜34Rと、駆動状態選択スイッチ33のスイッチ信号DSに基づいて電磁方向制御弁19hを制御する駆動力配分制御部35と、車輪速演算回路34FL〜34Rの車輪速VwFL〜Vw及び前後加速度センサ32の前後加速度Xに基づいてアクチュエータ23FL〜23Rを制御するアンチスキッド制御部36とを備えている。
【0021】
駆動力配分制御部35は、駆動状態選択スイッチ33のスイッチ信号DSが入力された弁駆動回路41を有し、この弁駆動回路41から駆動状態選択スイッチ33のスイッチ信号DSがオフ状態である二輪駆動状態を選択した場合には零の制御電流CSを電磁方向切換弁21に出力し、スイッチ信号DSがオン状態である四輪駆動状態を選択した場合には所定値の制御電流CSを電磁方向切換弁21に出力する。
【0022】
一方、アンチスキッド制御部36は、車輪速演算回路34FL〜34Rの車輪速VwFL〜Vwのうち最も高い車輪速(セレクトハイ車輪速)Vwを選択するセレクトハイスイッチ51と、このセレクトハイスイッチ51で選択されたセレクトハイ車輪速Vwと前後加速度センサ32の前後加速度検出値Xとが入力され、これらに基づいて実際の車体速度に対応した推定車体速度Vを算出する推定車体速度演算回路52と、この推定車体速度演算回路52から出力される推定車体速度Vと車輪速演算回路34FL〜34Rの車輪速VwFL〜Vwとに基づいてアクチュエータ23FL〜23Rを制御する制動圧制御手段としてのアンチスキッド制御回路53とを備えている。
【0023】
ここで、推定車体速度演算回路52は、図6に示すように、セレクトハイスイッチ51で選択されたセレクトハイ車輪速Vwを車輪速サンプリング値Vとして保持するサンプルホールド回路17aと、前後加速度センサ13の前後加速度検出値Xを絶対値回路52bで絶対値化し、これとオフセット値出力回路52cからの例えば0.3Gに対応するオフセット値とを加算回路52dで加算して前後加速度補正値XGCを出力するセンサ出力補正回路52eと、オペアンプで構成され入力電圧Eを積分する積分回路52fと、この積分回路52fの積分出力Vとサンプルホールド回路52aの車輪速サンプリング値Vとを加算して推定車体速度Vを算出する加算回路52gと、セレクトハイ車輪速Vwが推定車体速度Vに対して予め設定した所定の不感帯幅内即ちV−1km/h<Vw<V+1km/hであるか否かを検出し、V−1km/h<Vw<V+1km/hであるときに出力C及びCを共に低レベルとし、Vw≧V+1km/hであるときに、出力Cを高レベルとし、Vw≦V−1km/hであるときに出力Cを高レベルとする不感帯検出回路52hと、この不感帯検出回路52hでセレクトハイ車輪速Vwが不感帯内となったとき及びイグニッションスイッチのオン信号IGが入力されたときに、前記サンプルホールド回路52aでセレクトハイ車輪速Vwを保持させると共に、積分回路52fをリセットするリセット回路52iと、セレクトハイ車輪速Vwが不感帯幅内にあるとき及び不感帯幅外となってからオフディレータイマ52jで設定された所定時間Tの間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路52fに供給し、Vw>V+1km/hとなってから所定時間T経過後に非アンチスキッド制御中は+0.4Gに対応する負の電圧を、アンチスキッド制御中は+10Gに対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分回路52fに供給し、さらにVw<V−1km/hとなってから所定時間T経過後にセンサ出力補正回路52eの前後加速度補正値XGCを積分入力電圧Eとして積分回路52fに供給する選択回路52kとを備えている。
【0024】
アンチスキッド制御回路53は、車輪速VwFL〜Vw及び推定車体速度Vに基づいて各車輪2FL〜2RRに設けたホイールシリンダ4FL〜4RRへの供給圧力を制御するアクチュエータ23FL〜23Rを制御するものであり、例えばマイクロコンピュータで構成され、図7及び図8に示すアンチスキッド制御処理を実行する。
【0025】
このアンチスキッド制御処理は、図7に示すように、所定時間例えば10msec毎のタイマ割込処理として実行され、先ずステップS1で前左輪2FLのアクチュエータ23FLに対するアンチスキッド制御処理を実行し、次いでステップS2に移行して前右輪2FRのアクチュエータ23FRに対するアンチスキッド制御処理を実行し、次いでステップS3に移行して、前二輪が共に後述する減圧モード及び低圧側の保持モードの何れかのモードで共に減圧状態であるか否かを判定する。この判定は、前両輪2FL,2FRが減圧状態で、車輪速度が回復するスピンアップ途上であって、四輪駆動状態で後輪からのトルク伝達の干渉による車輪速度の回復遅れや推定車体速度に対する下ずりを生じるおそれがあるか否かを判定するものであり、後述する図8のアンチスキッド制御処理におけるステップS8又はS21でモード判定フラグFMFL及びFMFRが“1”又は“4”に設定されているか否かを判定することにより行い、前二輪が共に減圧状態であるときには、ステップS4に移行して後輪2RL,2RRの緩増圧を禁止する緩増圧禁止フラグFSを“1”にセットしてからステップS5に移行して後輪2RL,2RRに対するアンチスキッド制御処理を実行してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0026】
一方、ステップS3の判定結果が、前二輪が共に減圧状態ではないときには、ステップS6に移行して、緩増圧禁止フラグF S “0”にリセットしてからステップS7に移行し、前一輪のみが後述する緩増圧モードであるか否かを判定する。この判定は、前一輪のみが緩増圧モードであって、四輪駆動状態で後輪側のアクチュエータ23Rを緩増圧モードとしてもその増圧ゲインが小さければ後輪からのトルク伝達の干渉による影響を受けない状態であるか否かを判定するものであり、後述する図8のアンチスキッド制御処理におけるステップS26でモード判定フラグFMFL及びFMFRの何れか一方のみが“3”に設定されているか否かによって行い、この条件を満たさないときにはステップS8に移行して、緩増圧モードでの制御ゲインKAを通常値KALに設定してから前記ステップS5に移行し、前一輪のみが緩増圧モードであるときには、ステップS9に移行して、制御ゲインKAを上記通常値KALより小さい抑制値KASに設定してから前記ステップS5に移行する。
【0027】
ここで、ステップS1及びS2の前輪側アンチスキッド制御処理は、図8に示すサブルーチン処理を実行する。
このサブルーチン処理は、先ずステップS11で、車輪速演算回路34j(j=FL,FR)から出力される現在の車輪速検出値Vwj(N)を読込み、次いでステップS12に移行して、前回の処理時に読込んだ車輪速検出値Vwj(N−1)からステップS11で読込んだ車輪速検出値Vwj(N)を減算し、その減算値をタイマ割込周期で除算することにより単位時間当たりの車輪速変化量即ち車輪加減速度Vw′を算出してこれを記憶装置の所定記憶領域に記憶し、次いでステップS13に移行して、推定車体速度演算回路52からの推定車体速度Vを読込み、次いでステップS14に移行して下記(1)式の演算を行って各輪のスリップ率Sを算出する。
【0028】
={(V−Vw)/V}×100 …………(1)
次いで、ステップS15に移行して、ステップS14で算出したスリップ率Sが予め設定された目標スリップ率S(例えば20%)以上であるか否かを判定し、S<Sであるときには、ステップS16に移行する。このステップS16では、減圧タイマLの値として、現在の減圧タイマLの値から“1”をデリクメントした値と“0”とを比較し、何れか大きい値を選択してからステップS17に移行する。
【0029】
このステップS17では、予め設定した制御終了条件を満足するか否かを判定する。この判定は、例えばブレーキスイッチのスイッチ信号がオフ状態であるか否か、車速が零であるか否か等を判定することにより行い、制御終了条件を満足する場合には、ステップS18に移行する。このステップS18では、減圧タイマLを“0”にクリアし、且つアンチスキッド制御フラグASを“0”にリセットし、次いでステップS19に移行して、アクチュエータ23jの圧力をマスタシリンダ22の圧力に応じた圧力とする急増圧モードに設定してから図7の処理に復帰する。この急増圧モードでは、アクチュエータ23jに対する制御信号EV及びAVを共に論理値“0”として、アクチュエータ23jの流入弁25を開状態に、流出弁26を閉状態にそれぞれ制御すると共に、モード判定フラグFMjとして“0”をセットする。
【0030】
一方、ステップS17の判定結果が、制御終了条件を満足しないときには、ステップS20に移行して、減圧タイマLが正の値であるか否かを判定し、L>0であるときにはステップS21に移行して、ホイールシリンダ4jを減圧する減圧モードに設定してから図7の処理に復帰する。この減圧モードでは、アクチュエータ23jに対する制御信号EV、AV及びMRを共に論理値“1”として、アクチュエータ23jの流入弁25を閉状態、流出弁26を開状態として、ホイールシリンダ4jに保持されている圧力を流出弁26、油圧ポンプ27及び逆止弁28を介してマスタシリンダ22側に戻し、ホイールシリンダ4jの内圧を減少させると共に、モード判定用フラグFMjとして“1”をセットする。
【0031】
また、ステップS20の判定結果が減圧タイマLが“0”にクリアされているときにはステップS22に移行して、ステップS12で算出した車輪加減速度Vw′が予め設定された加速度閾値+α以上であるか否かを判定し、Vw′<+αであるときには、ステップS23に移行して、車輪加減速度Vw′が予め設定された減速度閾値−α以下であるか否かを判定し、Vw′≦−αであるときにはステップS24に移行して、アクチュエータ23jを、ホイールシリンダ4jの内圧を一定値に保持する高圧側保持モードに設定してから図7の処理に復帰する。この高圧側保持モードでは、アクチュエータ23jに対する制御信号EVを論理値“1”とすると共に、制御信号AVを論理値“0”として、アクチュエータ23jの流入弁25を閉状態に、流出弁26を閉状態に夫々制御し、ホイールシリンダ4jの内圧をその直前の圧力に保持すると共に、モード判定フラグFMjとして“2”をセットする。
【0032】
一方、ステップS23の判定結果がVw′>−αであるときには、ステップS25に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには前記ステップS19に移行し、“1”にセットされているときにはステップS26に移行する。
【0033】
このステップS26では、アクチュエータ23jを、ホイールシリンダ4jの圧力を緩増圧させる緩増圧モードに設定してから図7の処理に復帰する。この緩増圧モードでは、アクチュエータ23jに対する制御信号EVを所定時間例えば8msecだけ論理値“0”を継続させた後論理値“1”に切換えることを所定時間毎に繰り返すと共に、制御信号AVを論理値“0”として、アクチュエータ23jの流入弁25を断続的に開状態とし、流出弁26を閉状態とすることにより、ホイールシリンダ4jの内圧を徐々にステップ状に増圧すると共に、モード判定フラグFMjとして“3”をセットする。
【0034】
一方、前記ステップS22の判定結果がVw′≧+αであるときには、ステップS27に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされているか否かを判定し、制御フラグASが“0”にリセットされているときには前記ステップS19に移行し、制御フラグASが“1”にセットされているときにはステップS28に移行して、アクチュエータ23iを、ホイールシリンダ4jの圧力を低圧側でその直前の値に保持する低圧側保持モードに設定してから図7の処理に復帰する。この低圧側保持モードでは、前述したステップS24の高圧側の保持モードと同様に、アクチュエータ23jに対する制御信号EVを論理値“1”とすると共に制御信号AVを論理値“0”として、アクチュエータ23iの流入弁25を閉状態に、流出弁26を閉状態にそれぞれ制御し、ホイールシリンダ4jの内圧をその直前の圧力に保持すると共に、モード判定フラグFMjとして“4”をセットする。
【0035】
また、前記ステップS15の判定結果が、S≧SであるときにはステップS29に移行して、車輪加減速度Vw′が予め設定された加速度閾値+α以上であるか否かを判定し、Vw′≧+αであるときにはステップS30に移行して減圧タイマLを“0”にクリアしてから前記ステップS17に移行し、Vw′<+αであるときにはステップS21に移行して、アンチスキッド制御フラグASを“1”にセットすると共に、減圧タイマLを正の所定値Lにセットしてから前記ステップS17に移行する。
【0036】
一方、ステップS5の後輪側アンチスキッド制御処理では、図9に示すように、図8の処理において、ステップS25及びステップS26間に緩増圧禁止フラグFが“1”にセットされているか否かを判定するステップS32が介挿され、緩増圧禁止フラグFが“1”にセットされているときにはステップS28に移行して低圧保持モードを設定し、緩増圧禁止フラグFが“0”にリセットされているときのみステップS26に移行して緩増圧モードを設定すると共に、ステップS26の緩増圧モード設定処理が前記ステップS8又はS9で設定される制御ゲインKに応じた時間例えばK=KALであるときには前輪側と同様の8msec、K=KASであるときには前輪側より短い3msecだけ論理値“0”を継続させた後論理値“1”に切換えることを所定時間毎に繰り返すと共に、制御信号AVを論理値“0”として、アクチュエータ23Rの流入弁25を断続的に開状態とし、流出弁26を閉状態とすることにより、ホイールシリンダ4iの内圧を徐々にステップ状に増圧するように変更され、且つ各モード設定処理のステップS19,S21,S24,S26,S28でフラグを設定する必要がないことを除いては図8と同様の処理を行い、図8との対応する処理には同一のステップ番号を付してこれらの詳細説明は省略する。
【0037】
このため、図9の後輪側アンチスキッド制御処理では、ステップS26での流入弁25の開時間が短くなるほど緩増圧量が少なくなり、緩増圧が抑制されることになる。
図7〜図9の処理が制動圧制御手段に対応し、この内図7のステップS3,S4,S6〜S9の処理及び図9のステップS32の処理が後輪増圧抑制手段に対応している。
【0038】
次に、上記実施例の動作を図10に示すタイムチャートを伴って説明する。
今、駆動状態選択スイッチ33で二輪駆動状態を選択しており、且つ高低速切換機構17でそのインナーリングギヤ部17aが遊星歯車16の平歯車16dに噛合している高速位置が選択されているものとする。この状態では、駆動状態選択スイッチ33のスイッチ信号DSがオフ状態であるため、コントローラ30における駆動力配分制御部35の弁駆動回路41から零の制御電流CSが電磁方向切換弁19hに出力されることにより、湿式多板クラッチ19のシリンダ室19fがタンク19kに連通されて湿式多板クラッチ19が非締結状態となる。このため、前輪側出力軸7には変速機5からの駆動力が全く伝達されず、変速機5からの駆動力は全て後輪側出力軸18に伝達されて、後二輪駆動状態となる。
【0039】
この二輪駆動状態で、図10の時点tで良路を非制動状態で定速走行しているものとすると、アンチスキッド制御部35では、推定車体速度Vと車輪速度Vw(i=FL,FR,R)とが一致しているので、ステップS14で算出されるスリップ率Sが“0”となり、非制動状態であるので、ステップS15からステップS16に移行して、定速走行中の前回の処理時に減圧タイマLが“0”にクリアされているので、タイマ値として“0”が選択されてからステップS17に移行する。
【0040】
このステップS17では、非制動状態であり制御終了条件を満足するものと判断してステップS18に移行し、減圧タイマL及びアンチスキッド制御フラグASを“0”にクリアし、次いでステップS19に移行して急増圧モードを設定する。
この急増圧モードでは、アクチュエータ23iによってマスターシリンダ22と各ホイールシリンダ4iとが連通状態となっているが、ブレーキペダル21を踏込まない非制動状態であることにより、マスターシリンダ22の圧力が略零であるので、ホイールシリンダ4iの圧力も略零を維持し、非制動状態を維持する。この定速走行状態では、推定車体速度演算回路52の推定車体速度Vとセレクトハイ車輪速度Vwとが略一致しており、選択回路52kで零電圧の積分入力電圧Eが選択されていることにより、積分回路52fの出力が零となっており、推定車体速度Vは変動することなく実際の車体速度と略一致している。
【0041】
この非制動状態の定速走行状態から時点tでブレーキペダル21を踏込んで制動状態とすると、これによってマスタシリンダ22のマスタシリンダ圧が急増し、この状態では、上記したように急増圧モードが設定されているので、各前輪2FL,2FRに対するホイールシリンダ4FL,4FRのシリンダ圧PWCFL, WCFRも図10(b),(c)に示すように、マスタシリンダ圧と等しい圧力に急増圧され、後輪2RL及び2RRに対するアクチュエータ23Rによって制御されるホイールシリンダ圧PWCR も図10(d)に示すようにマスタシリンダ圧と等しい圧力に急増圧される。
【0042】
このように、各ホイールシリンダ4FL〜4RRのシリンダ圧が急増圧されることにより、非駆動輪となる前輪2FL,2FRの車輪速度VwFL,VwFRは図10(a)に示すように、比較的急峻に減少するが、駆動輪となる後輪側の車輪速度Vwはエンジンイナーシャ及びエンジンブレーキの影響を受けることから、車輪速度Vwの減少が緩慢となる。なお、図10(a)では車輪の同期状態を明瞭にするために、便宜的に前輪側車輪速度VwFL,VwFRと後輪側車輪速度Vwとを分けて異なる車輪速度として記載してある。
【0043】
このように、制動状態となると、推定車体速度演算回路52では、図10(a)に示すように、時点tまでの間はセレクトハイ車輪速度Vwとして後輪車輪速度Vwが選択され、これが時点t以前でのサンプルホールド回路52aの車輪速サンプリング値Vでなる推定車体速度Vより1km/h低下した後オフディレータイマ52jで設定された所定時間Tが経過したときに選択回路17kで出力補正回路52eから出力される前後加速度Xにオフセット値を加算して補正した前後加速度補正値XGCが積分入力電圧Eとして選択され、これが積分回路52fで積分されて負の速度補正値として加算回路52gに供給され、この加算回路52gで車輪速サンプリング値Vから減算されるので、推定車体速度Vが車体速度の減少に応じて減少し、次いで時点tでセレクトハイ車輪速Vwとして選択される右前輪車輪速度VwFRと略一致するので、このときの右前輪車輪速度VwFRが車輪速サンプリング値Vとして保持され、その後セレクトハイ車輪速度Vwが不感帯を越えてオフディレータイマ52jで設定された所定時間Tを経過すると、アンチスキッド制御が開始されて制御信号MRが“1”となっていることにより、選択回路52kで+10gに対応する負の電圧が積分入力電圧Eとして積分回路52fに入力されるため、推定車体速度Vが急峻に増加してセレクトハイ車輪速度Vwに追従し、その後セレクトハイ車輪速度Vwが推定車体速度Vより1km/h以上低下すると前後加速度Xに応じた勾配で減少する。なお、図10(a)においては説明を簡単にするために推定車体速度Vが直線状に減少するように表しているが、実際には、上記のように、セレクトハイ車輪速度Vwと前後加速度Xとに基づいて折れ線状に変化する。
【0044】
一方、時点tで左右前輪の車輪加減速度VwFL′,VwFR′が減速度閾値−α以下となると、図8の処理が実行されたときに、ステップS11〜S17,S20,S22,S23を経てステップS24に移行して、高圧側保持モードが設定され、これによって、アクチュエータ23FL,23FRの流入弁25及び流出弁26が共に閉状態となって、前輪側のホイールシリンダ4FL,4FRのシリンダ圧が図10(b),(c)に示すように保持状態となる。
【0045】
その後、時点tで右前輪2FRの車輪スリップ率SFRが目標スリップ率S以下となって、右前輪車輪速度VwFRが推定車体速度Vに目標車輪スリップ率SFRを乗算して算出される図10(a)で一点鎖線図示の目標車輪速度Vw以下となると、図8の処理が実行されたときに、ステップS15からステップS29に移行し、右前輪車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α未満であるので、ステップS31に移行し、アンチスキッド制御フラグASが“1”にセットされると共に、減圧タイマLが所定値Lにプリセットされる。したがって、ステップS20に移行したときにL>0となるので、ステップS21に移行して、減圧モードが設定され、これによって右前輪2FRのシリンダ圧PWCFRが図10(c)に示すように急減した後低圧保持モードとなる。
【0046】
その後、時点tで左前輪2FLの車輪速度VwFLが目標車輪速度Vw以下となるので、同様に減圧モードとなり、左前輪2FLのシリンダ圧PWCFLが図10(c)に示すように急減した後低圧保持モードとなる。
このように、前輪側のホイールシリンダ圧PWCFR, WCFLが減圧されると、前輪2FL,2FRに対する制動力が小さくなるので、前輪側車輪速度VwFR, VwFLが減少傾向から増加傾向に転じる。
【0047】
そして、時点tで前二輪が共に減圧モードとなるので、図7のステップS3からステップS4に移行して緩増圧禁止フラグFが“1”にセットされた後ステップS5に移行して図9の後輪に対するアンチスキッド制御処理が実行される。このため、緩増圧モードの設定が禁止されることになるが、後輪2RL,2RRについては時点tで高圧保持モードとなってホイールシリンダ圧PWCR が図10(d)に示すように保持状態となっているので、この時点tでは図9の処理が実行されたときに高圧保持モードを継続し、その後の時点tで後輪車輪速度Vwが目標車輪速度Vw以下となることにより、減圧モードが設定されて後輪側のホイールシリンダ圧PWCR が図10(d)に示すように急減した後低圧側保持モードとなる。
【0048】
その後、時点tで右前輪2FRの車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α未満となると、図8の処理が実行されたときに、ステップS22からステップS23,S25を経てステップS26に移行して緩増圧モードが設定され、これによって右前輪2FRのホイールシリンダ圧PWCFRが図10(c)に示すようにステップ状に増加する。
【0049】
このため、図7の処理が実行されたときに、ステップS3からステップS6に移行して、緩増圧禁止フラグFが“0”にリセットされ、次いでステップS7に移行する。
このとき、左前輪2FLの車輪加減速度VwFL′は加速度閾値+α以上であるので、低圧保持モードを継続しているため、右前輪2FRのみが緩増圧モードとなるため、ステップS9に移行して増圧制御ゲインKとして通常値KALより小さい抑制値KASが設定され、次いでステップS5に移行して、図9に示す後輪に対するアンチスキッド制御処理が実行される。
【0050】
しかしながら、時点tでは、後輪2RL,2RRの車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となっていないので、低圧保持モードを継続する。
その後、時点tで左前輪2FLも緩増圧モードに設定されることにより、図7の処理が実行されたときに、ステップS7からステップS8に移行して、増圧制御ゲインKとして通常値KALを設定してからステップS5の後輪アンチスキッド制御処理を実行する。
【0051】
このとき、後輪2RL,2RRについても車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となるので、図9の処理が実行されたときに、ステップS22からステップS23、S25を経てステップS32に移行し、緩増圧禁止フラグFが“0”にリセットされているので、ステップS26に移行して、通常値KALの増圧制御ゲインKに応じてアクチュエータ23Rの流入弁25の開時間が8msecに設定されて、通常の緩増圧が行われる。
【0052】
その後、時点tで左前輪2FLは緩増圧モードを継続するが、右前輪2FRが減圧モードとなると、図7の処理が実行されたときにステップS7からステップS9に移行して、抑制値KASの増圧制御ゲインKが設定され、この時点tでは後輪が緩増圧モードを継続しているので、増圧制御ゲインKが通常値KALから抑制値KASに変更されたことにより、アクチュエータ23Rの流入弁25の開時間が3msecに変更されて、時点t′で図10(d)に示すように通常の緩増圧量より少ない緩増圧量の抑制された緩増圧が行われる。
【0053】
その後、時点tで右前輪2FRが緩増圧モードに復帰すると、図7の処理が実行されたときにステップS7からステップS8に移行して、通常値KALの増圧制御ゲインKが設定されることにより、図9の後輪アンチスキッド制御処理が実行されたときに、アクチュエータ23Rの流入弁25の開時間が8msecに復帰されて、図10(d)に示すように通常の比較的大きな緩増圧量により通常の緩増圧が行われる。
【0054】
次いで、時点t10で左右前輪2FL,2FRが共に減圧モードとなることにより、図7の処理が実行されたときにステップS3からステップS4に移行して緩増圧禁止フラグFが“1”にセットされる。このため、図9の後輪アンチスキッド制御処理が実行されたときに、それまでの緩増圧モードに代えてステップS32からステップS28に移行して保持モードが設定され、これによって緩増圧が禁止される。このように、後輪2RL,2RRでの緩増圧が禁止されるが、保持モードとなっているので、ホイールシリンダ圧PWCR は低下することはなく、後輪2RL,2RRに対する制動力は作用しているので、制動動作については殆ど影響がない。
【0055】
その後、時点t11で右前輪2FRのみが緩増圧モードに移行すると、前述した時点t′と同様に抑制された緩増圧が行われる。
このように、二輪駆動状態では、前二輪が緩増圧モードであるときには後輪も通常の緩増圧モードなり、前一輪のみが緩増圧モードであるときも抑制された緩増圧モードを行うことができるので、駆動輪となる後輪側での緩増圧モードの機会を増やすことができ、後輪側での車輪速度の回復遅れや車体速度に対する下ずりを防止することができる。しかも、前二輪が減圧状態であるときには、緩増圧モードは禁止されるが保持モードとなって制動力の作用状態は継続されるので、良好なアンチスキッド制御を行うことができる。
【0056】
次に、上記二輪駆動状態から駆動状態選択スイッチ33で四輪駆動状態を選択すると、スイッチ信号DSがオン状態となるため、コントローラ30の弁駆動回路41から所定値の制御電流CSが電磁方向切換弁19hに出力され、これによって油圧ポンプ19iから所定圧の制御油圧が湿式多板クラッチ19のシリンダ圧19fに供給される。
【0057】
このため、変速機5から高低速切換機構17を介して後輪側出力軸18に伝達される駆動力が湿式多板クラッチ19、チェーン20を介して前輪側出力軸7にも伝達されることになり、四輪駆動状態となる。
この四輪駆動状態でも、制動状態となると、図11に示すように前述した二輪駆動状態と同様のアンチスキッド制御処理が実行される。
【0058】
すなわち、四輪駆動状態では、後輪2RL,2RRの車輪速度Vwは、プロペラシャフト10の回転速度を検出している関係で図11(a)に示すように、前輪側の車輪速度VwFL及びVwFRの平均値となると共に、前輪側ではフロントデファレンシャルギヤ11の影響で、左右の車輪速度VwFL及びVwFRが交互に増減速を繰り返す傾向にある。
【0059】
したがって、今、図11の時点t21で左前輪2FLのアクチュエータ23FLが減圧モードで、ホイールシリンダ圧PWCFLが図11(b)に示すように急減状態にあり、右前輪2FRのアクチュエータ23FRが緩増圧モードで、ホイールシリンダ圧PWCFRが図11(c)に示すようにステップ状の緩増圧状態にあり、後輪2RL,2RRのアクチュエータ23Rが低圧保持モードで、ホイールシリンダ圧PWCR が図11(d)に示すように低圧側で保持されているものとする。
【0060】
この時点t21では、右前輪2FRのみが緩増圧状態であることから、図7の処理が実行されたときにステップS7からステップS9に移行して、抑制値KASの増圧制御ゲインKが設定されるが、その後のステップS5における図9の後輪側アンチスキッド制御処理では、後輪車輪速度Vwが図11(a)に示すように、目標車輪速度Vwよりも大きくて車輪スリップ率Sが目標スリップ率Sより小さい状態を継続していることから図9の処理が実行されたときにステップS15からステップS16に移行し、減圧タイマLのデクリメントを行うが、L>0の状態にあるため、ステップS20からステップS21に移行して、減圧モードを維持している。
【0061】
その後、時点t22で、左前輪2FLの車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α未満となると、図8の前輪側アンチスキッド制御処理が実行されたときに、ステップS22からステップS23,S25を経てステップS26に移行して、緩増圧モードが設定され、これによってホイールシリンダ圧PWCFLが図11(b)に示すようにステップ状に増加して緩増圧状態となる一方、右前輪2FRの車輪速度VwFRが目標車輪速度Vw未満となって車輪スリップ率SFRが目標スリップ率S以上となるので、ステップS15からステップS29を経てステップS31に移行して減圧タイマLが所定値Lにセットされ、これによってステップS20からステップS21に移行して減圧モードが設定され、これによってホイールシリンダ圧PWCFRが図11(c)に示すように急減する。
【0062】
この状態でも、左前輪2FLのみが緩増圧モードとなるので、図7の処理が実行されたときにステップS7からステップS9に移行して増圧制御ゲインKが抑制値KASに設定されるが、この状態でも後輪2RL,2RRの車輪速度Vwに変化を生じていないので、減圧モードを継続する。
その後、時点t23では、右前輪2FRの車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α以上となることにより、緩増圧モードが設定され、これによってホイールシリンダ圧PWCFRがステップ状に増加する一方、左前輪2FLについては緩増圧モードを継続するので、図7の処理が実行されたときに、ステップS7からステップS8に移行して、通常値KALの増圧制御ゲインKが設定され、その後ステップS5に移行して、図9の後輪アンチスキッド制御処理が実行されたときに、後輪車輪速度Vwが図11(a)に示すように増加が緩やかになって、車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となるので、ステップS22からステップS23,S25,S32を経てステップS26に移行して、緩増圧モードが設定される。このとき、増圧制御ゲインKが通常値KALに設定されているので、ホイールシリンダ圧PWCR は図11(d)に示すようにステップ状に大きく増加することになり、後輪2RL,2RRに対する制動力が大きくなって、車輪速度Vwが減少する。
【0063】
その後、時点t24で左右前輪2FL,2FRの車輪速度VwFL,VwFRが共に減少して目標車輪速度Vwを下回ることによって、車輪スリップ率SFL,SFRが共に目標スリップ率S以上となると、図7の処理が実行されたときに、ステップS1,S2で図8の前輪側アンチスキッド制御処理を実行して、左右前輪2FL,2FRが共に減圧モードに設定され、両者のホイールシリンダ圧PWCFL,PWCFRが図11(b),(c)に示すように急減する。このとき、前二輪が同時に減圧状態となるので、図7のステップS3からステップS4に移行して緩増圧禁止フラグFを“1”にセットしてからステップS5に移行して、図9の後輪側アンチスキッド制御処理を実行する。
【0064】
しかしながら、この時点t24では、後輪側車輪速度Vwも目標車輪速度Vwを下回って車輪スリップ率Sが目標スリップ率S以上となって、緩増圧モードの条件を満足することはなく、前二輪と同様に減圧モードが設定され、これに応じてホイールシリンダ圧PWCR が図11(d)に示すように急減する。
その後、時点t25で、後輪2RL,2RRの車輪速度Vwが回復して、その車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となると、図7の処理が実行されたときに、前二輪が減圧状態を継続して、ステップS4に移行することにより、緩増圧禁止フラグFが“1”の状態を継続し、次いでステップS5に移行して、図9の後輪側アンチスキッド制御処理を実行するので、車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となる緩増圧開始条件を満足していても、ステップS32からステップS28に移行することになり、緩増圧モードが禁止されて低圧保持モードが継続される。
【0065】
このように、四輪駆動状態で前二輪が減圧状態で、左右前輪2FL,2FRが共に車輪スピンアップ途上であるときには、前輪側及び後輪側が湿式多板クラッチ19を介して連結されているので、この状態で、後輪側を緩増圧状態として後輪2RL及び2RRに制動力を作用させると、この制動力がプロペラシャフト10、湿式多板クラッチ19、チェーン20、前輪側出力軸7等を介して左右前輪2FL及び2FRに伝達されることになり、左右前輪2FL及び2FRの車輪速度VwFL及びVwFRの回復遅れや車体速度に対する下ずりを生じることになり、アンチスキッド制御効果を有効に発揮することができなくなるが、本実施例では、四輪駆動状態で前二輪が共に減圧状態であるときには、後輪2RL,2RRのアクチュエータ23Rを緩増圧モードに設定することを禁止しているので、左右前輪2FL及び2FRの車輪速度の回復を効果的に行うと共に、車体速度に対する下ずりを確実に防止してアクチュエータ制御効果を良好に発揮することができる。
【0066】
その後、時点t26で右前輪2FRの車輪速度VwFRが回復して、その車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α未満となると、図8の前輪側アンチスキッド制御処理で緩増圧モードが設定され、これ応じて右前輪2FRのホイールシリンダ圧PWCFRが図11(c)に示すようにステップ状に増加する。
この時点t26では、左前輪2FLは減圧モードを継続しており、右前輪2FRのみが緩増圧モードとなることにより、図7の処理が実行されたときに、ステップS3からステップS6に移行して、緩増圧禁止フラグFが“0”にリセットされ、次いでステップS7を経てステップS9に移行して増圧制御ゲインKが抑制値KASに設定された後、後輪側アンチスキッド制御処理が実行され、このとき後輪2RL,2RRではその車輪加減速度Vw′が加速度閾値+α未満となっていて、緩増圧設定条件を満足しており、緩増圧禁止フラグFが“0”にリセットされているので、ステップS26に移行して、緩増圧モードが設定される。このとき、増圧制御ゲインKとして抑制値KASが設定されているので、後輪側のアクチュエータ23Rの流入弁25の開時間が短くなることにより、ホイールシリンダ圧PWCR が図11(d)に示すようにステップ状の増加量が少なくなり、抑制された緩増圧状態となる。
【0067】
その後、時点t27で左前輪2FLも緩増圧状態となると、図7の処理が実行されたときにステップS7からステップS8に移行して、増圧制御ゲインKが通常値KALに復帰されることにより、図9の後輪側アンチスキッド制御処理で緩増圧モードを継続している場合に、そのアクチュエータ23Rの流入弁25の開時間が長くなり、これによってホイールシリンダ圧PWCR が図11(d)に示すようにステップ状の増加量が時点t26の増加量に比較して多くなり、通常の緩増圧状態に復帰する。
【0068】
その後、時点t28で右前輪2FRが減圧モードとなることにより、後輪側の緩増圧量が少なく設定され、次いで時点t30〜t31間で前二輪が共に減圧状態となるので、後輪側の緩増圧が禁止され、この間では後輪の減圧が行われる。
このように、上記実施例によると、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを何ら区別することなく図7〜図9の処理を実行することにより、四輪駆動状態での前二輪が共に減圧状態となったときの後輪側の制動力の影響を回避することができると共に、四輪駆動状態で前二輪が緩増圧状態である場合に加えて前一輪のみが緩増圧状態であるときにも増圧制御ゲインを抑制しているが緩増圧状態とすることができ、後輪の増圧許容範囲を拡大して後輪側の制動力不足を防止することができる。
【0069】
また、二輪駆動状態又は四輪駆動状態を選択している状態で、シフトレバーによって高低速切換機構17を低速シフト位置側に切換えると、変速機5から伝達された駆動力が遊星歯車16で減速されて高低速切換機構17を介して後輪側出力軸18及びクラッチハブ19cに直接伝達されることになり、直結四輪駆動状態となり、この場合でも上記と同様にアンチスキッド制御効果を良好に発揮することができる。
【0070】
なお、上記実施例においては、二輪駆動時に後輪を駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、二輪駆動時に前輪を駆動するようにしてもよく、またトランスファ6としては、上記実施例の構成に限らず、クラッチ19を用いることなく機械的に二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切換えるようにしてもよく、さらには、電磁方向切換弁19hに代えて電磁減圧弁を適用し、これを前後の車輪速差に基づいて制御することによりクラッチ締結力を制御するようにしてもよく、要は二輪駆動状態及び四輪駆動状態を任意に選択し得る構成であれば任意のトランスファを適用することができる。
【0071】
また、上記実施例においては、推定車体速度演算回路19を電子回路で構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータで演算処理するようにしてもよい。
さらに、上記実施例においては、3センサ3チャンネル方式のアンチスキッド制御装置に本発明に適用した場合について説明したが、これに限定されるものてはなく、後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサを設けて4センサ4チャンネル方式のアンチスキッド制御装置やその他の方式のアンチスキッド制御装置にも本発明を適用することができる。
【0072】
さらにまた、上記実施例においては、アンチスキッド制御回路としてマイクロコンピュータを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比較回路、演算回路、論理回路等の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含む減圧状態で車輪速度が回復したに当該前輪側制動用シリンダを徐々に増圧する前輪の緩増圧状態を個別に検出する緩増圧状態検出手段を備え、前記制動圧制御手段は、前二輪が共に減圧状態であるとき前記緩増圧状態検出手段で何れか一方の前輪のみが緩増圧状態であることを検出したときに後輪側の増圧ゲインを低下させて緩増圧を許容させる後輪増圧抑制手段を有する構成としたので、後輪側の緩増圧状態を前二輪が共に緩増圧状態であるときに加えて前一輪のみが緩増圧状態でも抑制した緩増圧状態とすることができ、後輪側の緩増圧許容範囲を拡大して後輪側の制動力不足を防止することができるという効果が得られる。
【0074】
また、請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の構成に、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含み車輪速度を回復させる前輪の減圧状態を個別に検出する減圧状態検出手段を備え、後輪増圧抑制手段に前記減圧状態検出手段で前二輪が共に減圧状態であることを検出したときに後輪側の緩増圧を禁止する構成が付加されているので、請求項1に係る発明の効果に加えて、四輪駆動状態であるときに、後輪側の制動力が前輪側に伝達されて前輪側の車輪速度の回復遅れや車体速度に対する下ずりを確実に防止することができ、しかも二輪駆動状態と四輪駆動状態とを区別する必要がないので、そのための部品や制御処理あるいはフェールセーフ処理等を設ける必要がなく、信頼性を向上させることができると共に、簡易な構成で減速度の変動を伴うことなく良好なアンチスキッド制御効果を発揮することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンチスキッド制御装置の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】図2に適用し得るトランスファの一例を示すスケルトン図である。
【図4】図2に適用し得るアクチュエータを示す概略構成図である。
【図5】図2に適用し得るコントローラの一例を示すブロック図である。
【図6】図2に適用し得る推定車体速度演算回路の一例を示すブロック図である。
【図7】コントローラのアンチスキッド制御回路で実行する制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】前輪側アンチスキッド制御処理を示すフローチャートである。
【図9】後輪側アンチスキッド制御処理を示すフローチャートである。
【図10】二輪駆動状態における動作の説明に供するタイムチャートである。
【図11】四輪駆動状態における動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2FL,2FR 前輪
2RL,2RR 後輪
3 駆動力伝達系
4FL〜4RR ホイールシリンダ
5 変速機
6 トランスファ
7 前輪側出力軸
10 プロペラシャフト
19 湿式多板クラッチ
19h 電磁方向切換弁
21 ブレーキペダル
22 マスタシリンダ
23FL〜23R アクチュエータ
30 コントローラ
31FL〜31R 車輪速センサ
32 前後加速度センサ
33 駆動状態選択スイッチ
35 駆動力配分制御部
36 アンチスキッド制御部
52 推定車体速度演算回路
53 アンチスキッド制御回路

Claims (2)

  1. 二輪駆動状態と四輪駆動状態とを選択可能なトランスファを有する車両用であって、少なくとも前二輪及び後輪側の制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて当該制御対象車輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別に制御する制動圧制御手段を有するアンチスキッド制御装置において、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含む減圧状態で車輪速度が回復したに当該前輪側制動用シリンダを徐々に増圧する前輪の緩増圧状態を個別に検出する緩増圧状態検出手段を備え、前記制動圧制御手段は、前二輪が共に減圧状態であるとき前記緩増圧状態検出手段で何れか一方の前輪のみが緩増圧状態であることを検出したときに後輪側の増圧ゲインを低下させて緩増圧を許容させる後輪増圧抑制手段を有することを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 二輪駆動状態と四輪駆動状態とを選択可能なトランスファを有する車両用であって、少なくとも前二輪及び後輪側の制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて当該制御対象車輪に設けられた制動用シリンダの制動圧を個別に制御する制動圧制御手段を有するアンチスキッド制御装置において、前輪側制動用シリンダの減圧中と減圧終了後の圧力保持中とを含み車輪速度を回復させる前輪の減圧状態を個別に検出する減圧状態検出手段と、前記減圧状態で車輪速度が回復したに前記前輪側制動用シリンダを徐々に増圧する前輪の緩増圧状態を個別に検出する緩増圧状態検出手段を備え、前記制動圧制御手段は、前記減圧状態検出手段で前二輪が共に減圧状態であることを検出したときに後輪側の緩増圧を禁止すると共に、前二輪が共に減圧状態であるとき前記緩増圧状態検出手段で何れか一方の前輪のみが緩増圧状態であることを検出したときに後輪側の増圧ゲインを低下させて緩増圧を許容する後輪増圧抑制手段を有することを特徴とするアンチスキッド制御装置。
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