JP3450645B2 - 位置検出方法及び位置検出装置 - Google Patents

位置検出方法及び位置検出装置

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JP3450645B2
JP3450645B2 JP10520897A JP10520897A JP3450645B2 JP 3450645 B2 JP3450645 B2 JP 3450645B2 JP 10520897 A JP10520897 A JP 10520897A JP 10520897 A JP10520897 A JP 10520897A JP 3450645 B2 JP3450645 B2 JP 3450645B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスク面上の電子回
路パターンを半導体基板(ウエハ)上に投影露光し光学
素子を製造する半導体露光装置等において、各部材の位
置合わせを精密にする際に好適な位置検出方法及び位置
検出装置に関する。特に本発明は半導体露光装置でのウ
エハ、マスク、ステージなどの位置検出を行い、さらに
ウエハとマスク、マスクと装置の基準位置、装置部品間
の相対位置合わせ等に好適なものである。
【0002】この他本発明は、精密な位置合わせを必要
とする装置において、物体の位置を検出する方法および
装置に関する。例えば、電子回路パターンを半導体基板
上に投影露光する半導体露光装置における、ウエハ、マ
スク、半導体露光装置の一部(ステージなど)の位置検
出に適用でき、ウエハとマスク、マスクと装置基準位
置、装置部品などの位置合わせなどに利用可能である。
【0003】
【従来の技術】物体の位置の精密検出は工作機械やロボ
ットなど様々な分野で利用され、さらなる精度向上が求
められている。例えば半導体露光装置においては、DRAM
に代表される半導体の集積度はますます高くなり、半導
体素子上に形成するパターン寸法はさらに微細な方向へ
進んでいる。このような背景から半導体露光装置の位置
合わせにおけるマスクとウエハなどの位置検出技術の精
度向上が重要な課題となっている。
【0004】従来、物体の位置を精密に検出する方法の
1つとして、予め位置を検出する対象物上にマークを形
成し、該マークを撮像して得られる信号からマークの位
置を検出する方法が知られている。例えば半導体露光装
置における位置合わせ、いわゆるアライメントにおいて
は、従来からウエハ、マスク、ステージ等の対象物上に
形成したマークを観察することにより、対象物の相対的
位置情報を得て、位置合わせする方法が一般的であっ
た。
【0005】また対象物上に形成したマークを撮像して
位置を検出する別の方法としては、特開平3-282715号公
報や特開平5-343291号公報に見られるように、マークの
像として周期的パターンを発生し、その周期の位相ずれ
を検出して位置を求める方法が提案されている。
【0006】以下従来例について簡単に説明する。図12
は従来の位置検出系の構成を示したフローチャートであ
る。マーク像として得られるパターンは撮像素子上に周
期性があるように形成される。
【0007】信号処理は上記パターンの撮像信号から1
次元離散電気信号列を作る周期的パターン信号発生工程
1、周期的パターン信号発生工程1で得た周期性を持つ
1次元離散電気信号列に離散的フーリエ変換等の公知の
直交変換を施して空間周波数領域に変換する直交変換工
程3、検出しようとするパターン固有に現われる空間周
波数成分の位相を空間周波数領域で算出する位相算出工
程4、位相算出工程4で得た位相から位置を算出する位
置検出工程5からなり、マークの位置が検出される。
【0008】ここでパターン固有に現われる空間周波数
成分の周波数(以下、注目周波数と称す)は装置及びマ
ークの設計値から算出するか、得られた信号列のパワー
スペクトルを作成し、パワーが最大になる周波数として
算出する。この周波数は装置及びマークの設計値から算
出する近辺の値となる。
【0009】本方法はマーク像として得られる信号列の
周期性に着目して位置を検出するため、信号に混在する
ノイズの影響を受けにくい優れた方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記説明した位置検出
方法は、精密な位置検出を必要とする位置検出装置にお
いてきわめて有効な方法である。この方法には直交変換
を施す信号幅の大きさによって折り返し誤差等の検出誤
差が発生する問題がある。しかしながら従来は、公知の
ハミングウインドウ等を予め信号に施すと検出誤差を小
さい値に抑えることができるため、その影響は精度上問
題となるものではなかった。この検出誤差を以下では処
理幅誤差と称することとする。
【0011】しかしながら、位置検出精度の向上への要
求が高まるに従い、上記の処理幅誤差も考慮に入れる必
要が生じている。
【0012】例えば、半導体露光装置では前述のように
位置検出精度の向上が重要な技術課題となっており、残
る誤差として処理幅誤差も問題となる値として取り扱う
必要が出てきた。
【0013】上記処理幅誤差は直交変換を施す信号幅を
検出パターンの1周期長の整数倍に設定すれば減少す
る。しかし検出パターンの周期長は装置やマークの設計
値から一応の算出はできるものの、装置やマークの状態
により設計値からずれる場合もあり、予め正確かつ安定
に1周期長を決定することが難しい。
【0014】本発明は信号処理する際の基本波形となる
1周期長が正確に分かっていない場合でも、安定した精
度で位置を検出できる位置検出方法及び位置検出装置を
提供することを目的としている
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するため、図1に示す様に図12の従来例の位置算出
工程の前に、直交変換幅を調整する直交変換処理幅調整
工程2を追加したことを特徴としている。
【0016】以下、直交変換幅調整工程2において直交
変換幅を実際に調整する方法について説明する。ここで
予め装置毎に設定してある調整前の処理幅を初期処理幅
と呼ぶ。図9は処理幅を変えた場合の注目周波数におけ
る処理幅誤差とパワーをグラフで示したものである。こ
こで注目周波数とは予め設計値等から算出した周期的パ
ターン信号の周波数をいう。グラフ中の横軸は処理幅、
縦軸で実線が処理幅誤差、波線がパワーを表わしてお
り、注目周波数におけるパワーが最大となる直交変換処
理幅で処理幅誤差が小さくなっていることが分かる。こ
の解析より、本発明では注目周波数におけるパワーが最
大となる処理幅に直交変換処理幅を調整することを特徴
としている。
【0017】具体的手順は初期処理幅付近の種々の処理
幅で注目周波数のパワーを計算し、得られたパワーが最
大となる処理幅を求めることになる。処理幅の計算範囲
は初期処理幅を中心として、周期的パターン信号の約1
周期長幅の範囲とするとよい。しかしながらこの方法
は、パワーを計算する対象となる処理幅の個数だけ直交
変換を行なう必要があり、処理時間の面で不利である。
このため本発明では以下の2つの方法のいずれか、また
は双方を採用して注目周波数のパワーが最大となる処理
幅を求めることを特徴としている。
【0018】第1の処理幅調整法は最適処理幅をサーチ
する方法である。図10はこのやり方を示したもので初
期処理幅から注目周波数のパワーが大きくなる方向へ処
理幅を増減し、注目周波数のパワーが最大となる処理幅
を探すものである。このやり方で直交変換を行なう回数
を減らすことができる。
【0019】第2の処理幅調整方法は関数近似を用いる
方法である。図11に示すように初期処理幅付近の複数
個の幅で注目周波数のパワーを求めて処理幅とパワーの
関係を関数近似し、注目周波数のパワーが最大となる処
理幅が求められる。この処理法は必ずしもパワーが最大
となる処理幅を正確に求めるものではないが、少ない処
理時間でパワー最大付近の処理幅を簡単に求めることが
できることが特徴である。
【0020】例えば3つ以上の処理幅で注目周波数のパ
ワーを求め、最小自乗法で処理幅とパワーの関係を2次
関数で近似し、該2次関数でパワーが最大となる処理幅
を算出するといった方法が典型例である。
【0021】最適処理幅の決定では初期設定する処理幅
が求めたい処理幅になるべく近い値である方が、第1の
処理幅調整方法では計算時間の点で、第2の処理幅調整
方法では計算時間と精度の点で有利である。このため本
発明では第1または第2の方法を用いる前に、第3の処
理幅調整方法として初期処理幅調整を挿入することが有
効である。このためには特開平3-282715号公報のよう
に、初期処理幅で先ずパワースペクトルを求め、該パワ
ーを重みとして重みつき平均処理を行ない、パワーが最
大となる周波数を補間で求め、この周波数から求めた処
理幅に初期処理幅を変更する等の方法が適用できる。
【0022】またこれら全てを組合せて、第3、第2、
第1の処理幅調整法の順に処理を行なっていくことも可
能である。
【0023】従って本発明は周期的パターン信号を発生
する周期的パターン信号発生工程及び手段と、直交変換
の処理幅を調整する直交変換処理幅調整工程及び手段
と、周期的パターン信号の位相を算出する位相算出工程
及び手段と、該位相から位置を算出する位置算出工程及
び手段を備えることを特徴としている。
【0024】本発明ではマーク像として得られる信号列
の周期性に着目して位置を検出するため、信号に混在す
るノイズの影響を受けにくく、さらに直交変換処理幅調
整工程を入れることにより基本波形の1周期の長さが正
確に分かっていない場合でも、安定した精度で位置を検
出することができる。次に具体的に各請求項の発明の構
成を示す。請求項1の発明の位置検出装置は、周期的パ
ターン信号を発生させるマークを有する物体の位置を検
出する位置検出方法において、 前記マークにより得られ
た周期的パターン信号の周波数成分のパワーに基づい
て、該周期的パターン信号に対する直交変換の対象とな
る信号幅を決定する幅決定工程と、 前記周期的パターン
信号のうち前記幅決定工程において決定された信号幅を
有する周期的パターン信号に対し直交変換を行なう直交
変換工程と、前記直交変換工程において得られた結果に
基づいて前記周期的パターン信号の位相を算出する位相
算出工程と、 前記位相算出工程において得られた結果に
基づいて前記物体の位置を算出する位置算出工程とを備
えることを特徴としている。請求項2の発明は、請求項
1の発明において、前記幅決定工程において、前記周期
的パターン信号の注目周波数成分のパワーに基づいて前
記信号幅を決定することを特徴としている。請求項3の
発明は、請求項1の発明において、前記幅決定工程にお
いて、複数の信号幅の前記周期的パターン信号に対し各
々算出された、注目周波数成分のパワーに基づいて、前
記直交変換工程において用いられる前記信号幅を決定す
ることを特徴としている。請求項4の発明は、請求項1
の発明において、前記幅決定工程において、初期設定さ
れた信号幅の前記周期的パターン信号のパワースペクト
ルを求め、該パワースペクトルに基づいて、前記直交変
換工程において用いられる前記信号幅を決定することを
特徴としている。請求項5の発明は、2乃至4のいずれ
か1項の発明において、前記幅決定工程に おいて、前記
パワーが最大となるように前記信号幅を決定することを
特徴としている。請求項6の発明は、請求項1の発明に
おいて、前記幅決定工程において決定された信号幅の履
歴に基づいて前記信号幅を決定する履歴利用決定工程を
さらに備えたことを特徴としている。請求項7の発明
は、請求項1の発明において、前記周期的パターン信号
を、前記マークを撮像することによって得る信号発生工
程をさらに備えたことを特徴している。請求項8の発明
は、請求項1の発明において、前記周期的パターン信号
を、前記マークによる干渉縞を撮像することによって得
る信号発生工程をさらに備えたことを特徴としている。
請求項9の発明の位置検出装置は、周期的パターン信号
を発生させるマークを有する物体の位置を検出する位置
検出装置において、 前記マークにより得られた周期的パ
ターン信号の周波数成分のパワーに基づいて、該周期的
パターン信号に対する直交変換の対象となる信号幅を決
定する幅決定手段と、 前記周期的パターン信号のうち前
記幅決定手段により決定された信号幅を有する周期的パ
ターン信号に対し直交変換を行なう直交変換手段と、
記直交変換手段により得られた結果に基づいて前記周期
的パターン信号の位相を算出する位相算出手段と、 前記
位相算出手段により得られた位相に基づいて前記物体の
位置を算出する位置算出手段とを備えることを特徴とし
ている。請求項10の発明は、請求項9の発明におい
て、前記幅決定手段は、前記周期的パターン信号の注目
周波数成分のパワーに基づいて前記信号幅を決定するこ
とを特徴としている。請求項11の発明は、請求項9の
発明において、前記幅決定手段は、複数の信号幅の前記
周期的パターン信号に対し各々算出された、注目周波数
成分のパワーに基づいて、前記直交変換手段により用い
られる前記信号幅を決定することを特徴としている。
求項12の発明は、請求項9の発明において、前記幅決
定手段は、初期設定された信号幅の前記周期的パターン
信号のパワースペクトルを求め、該パワースペクトルに
基づいて、前記直交変換手段により用いられる前記信号
幅を決定することを特徴としている。請求項13の発明
は、請求項10乃至12のいずれか1項の発明におい
て、前記幅決定手段は、前記パワーが最大となるように
前記信号幅を決定することを特徴としている。請求項1
4の発明は、請求項9の発明において、前記幅決定手段
により決定された信号幅の履歴に基づいて前記信号幅を
決定する履歴利用決定手段をさらに備えたことを特徴と
している。請求項15の発明は、請求項9の発明におい
て、前記周期的パターン信号を、前記マークを撮像する
ことによって得る信号発生手段をさらに備えたことを特
徴としている。請求項16の発明は、請求項9の発明に
おいて、前記周期的パターン信号を、前記マークによる
干渉縞を撮像することによって得る信号発生手段をさら
に備えたことを特徴としている。請求項17の発明の露
光装置は、基板上の、周期的パターン信号を発生させる
マークの位置を検出し、該基板上にパターンを露光する
露光装置において、 前記マークにより得られた周期的パ
ターン信号の周波数成分のパワーに基づいて、該周期的
パターン信号に対する直交変換の対象となる信号幅を決
定する幅決定手段と、 前記周期的パターン信号のうち前
記幅決定手段により決定された信号幅を有する周期的パ
ターン信号に対し直交変換を行なう直交変換手段と、
記直交変換手段により得られた結果に基づいて前記周期
的パターン信号の位相を算出する位相算出手段と、 前記
位相算出手段により得られた位相に基づいて前記基板の
位置を算出する位置算出手段とを備えることを特徴とし
ている。請求項18の発明は、請求項17の発明におい
て、前記幅決定手段は、前記周期的パターン信号の注目
周波数成分のパワーに基づいて前記信号幅を決定するこ
を特徴としている。請求項19の発明は、請求項17
の発明において、前記幅決定手段は、複数の信号幅の前
記周期的パターン信号に対し各々算出された、注目周波
数成分のパワーに基づいて、前記直交変換手段により用
いられる前記信号幅を決定することを特徴としている。
請求項20の発明は、請求項17の発明において、前記
幅決定手段は、初期設定された信号幅の前記周期的パタ
ーン信号のパワースペクトルを求め、該パワースペクト
ルに基づいて、前記直交変換手段により用いられる前記
信号幅を決定することを特徴としている。請求項21の
発明は、請求項18乃至20のいずれか1項の発明にお
いて、前記幅決定手段は、前記パワーが最大となるよう
に前記信号幅を決定することを特徴としている。請求項
22の発明は、請求項17の発明において、前記幅決定
手段により決定された信号幅の履歴に基づいて前記信号
幅を決定する履歴利用決定手段をさらに備えたことを特
徴としている。請求項23の発明は、請求項17の発明
において、前記周期的パターン信号を、前記マークを撮
像することによって得る信号発生手段をさらに備えたこ
とを特徴としている。請求項24の発明は、請求項17
の発明において、前記周期的パターン信号を、前記マー
クによる干渉縞を撮像することによって得る信号発生手
段をさらに備えたことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態例1のフ
ローチャートであり、本発明を適用した信号処理の代表
的な構成例、図2は上記信号処理を用いた位置検出装置
の構成例である。図2においてWは位置検出される部
材、MはW上に形成された位置合わせ用マークである。
11は周期的パターン信号発生手段で、マークMの位置
に応じて周期的パターン信号を発生する。
【0026】具体的には周期的に並んでいるマークを照
明してその反射光を観察面に受光、結像し、光電変換、
A/D変換を施すことで、周期性を持つ1次元離散信号
列に変換できる。別の方法として周期的に並んでいるマ
ークを単色光で照明し、反射回折光の±n次光(n=
1,2,…)を用いて観察面に干渉縞を生成し、該干渉
縞に光電変換、A/D変換を施すことで、該マークの情
報を周期性を持つ1次元離散信号列として出力すること
もできる。
【0027】続く12は直交変換処理幅調整手段で、後
述の直交変換処理幅調整工程で、直交変換幅を調整す
る。13は直交変換手段で、周期的パターン信号発生手
段11が出力する周期性を有する1次元離散信号列に直
交変換を施す。14は位相算出手段で、直交変換手段1
3から出力された周波数空間領域での値を用いて周期的
パターン信号の位相を求める。
【0028】15は位置算出手段で、位相算出手段14
から出力された位相を位置ずれ量、即ちマーク位置の換
算する。ここで直交変換処理幅調整手段12、直交変換
手段13、位相算出手段14及び位置算出手段15は専
用の電子回路、または汎用の計算機等の公知の手段で容
易に実現可能である。また直交変換処理幅調整手段1
2、直交変換手段13、位相算出手段14及び位置算出
手段15は同一の装置を用いて実現することも可能であ
る。
【0029】図1は上述のハードを用いた信号処理の工
程を示すものである。周期的パターン信号発生工程1で
は周期的パターン信号発生手段11から周期性を持つ1
次元離散信号列を得、直交変換処理幅調整工程2が後述
の方法で、直交変換幅を調整する。
【0030】続く直交変換工程3は周期的パターン信号
発生工程1で得た周期性を有する1次元離散信号列に離
散フーリエ変換等の公知の直交変換を施し、信号を空間
周波数領域に変換する。例えば直交変換として離散フー
リエ変換を用いた場合、空間周波数領域の値は以下の変
換式で求めることができる。
【0031】
【数1】 (1)、(2)で、xは入力信号列、Xrは空間周波数
成分の実数部分、Xiは空間周波数成分の虚数部分、N
は離散フーリエ変換処理幅、xoは離散フーリエ変換処
理範囲の中心で位相検出を行なう位置、fは求める空間
周波数成分の周波数である注目周波数である。
【0032】直交変換は2の直交変換処理幅調整工程で
調整した処理幅で行なわれ、求める空間周波数成分の周
波数は周期的パターン信号の周波数のみで構わない。た
だし、周期的パターン信号の周波数が設計値などから既
知でない、もしくは安定しない場合は、複数の周波数で
直交変換を行ない、パワーが最大となる周波数を選択す
ることで対応できる。また、直交変換として離散フーリ
エ変換を用いた場合は処理幅を2の冪乗にし、公知の高
速フーリエ変換により全周波数での値を求めた後、パワ
ーが最大となる周波数を選択してもよい。
【0033】位相算出工程4は、空間周波数領域で検出
しようとするパターン固有に現われる空間周波数成分の
位相θを以下の公知の式で算出する。
【0034】
【数2】 位置算出工程5は、位相算出工程4で得た位相θからマ
ーク位置dを以下の式で算出する。
【0035】
【数3】 この式はxoに位相θ分だけ周期的パターン信号が進ん
だときの進み幅を加えたものである。
【0036】マーク位置はこのような処理工程により検
出することができる。また本発明では信号列の周期性に
着目して位置を検出しているため、信号に混在するノイ
ズの影響を受けにくい。
【0037】なお、周期的パターン信号の1周期の長さ
は予め分かっていないものの、測定毎の変動が少ないこ
とが分かっている時には、図3に示すように最初の複数
回(1回以上)の計測時のみ直交変換処理幅調整工程2
を行ない、その後は最初の複数回で用いた処理幅を用い
て計測し処理時間の短縮を図ることができる。用いる計
測幅としては最初の複数回の平均値を用いる等の処理が
ある。
【0038】また最初の複数回(2回以上)の計測値の
処理幅の変動量から、以降の計測で直交変換処理幅調整
工程2を行なうかを判断して、処理時間の短縮を図るこ
ともできる。例えば最初の複数回(2回以上)の計測時
の処理幅の変動の幅が予め設定した値以下であれば、以
降の計測では直交変換処理幅調整工程2は行なわず、最
初の複数回の計測で用いた処理幅の平均値を用いて計測
する。
【0039】また上記直交変換処理幅調整工程2を行な
うか、最初の複数回の計測で用いた処理幅の平均値を用
いるかの判定を定期的に行なうことも可能である。この
ように処理幅の変化の履歴を記憶し、モニターすること
は処理時間の削減に効果がある。
【0040】続いて直交変換処理幅調整工程2について
詳細に説明する。直交変換処理幅調整工程2は前述の3
つの処理幅調整方法、及びそれらの組合せで実現され
る。
【0041】第1の処理幅調整方法は初期処理幅付近の
各処理幅で直交変換を行なって注目周波数のパワーを求
め、該パワーが最大となる処理幅を求める方法である。
ここで初期処理幅付近とは初期処理幅を中心として約1
周期長の範囲に相当する領域である。図4のフローチャ
ートは第1の処理幅調整方法の具体的な手順例で、初期
処理幅からパワーが大きくなる方向へ処理幅を増減しな
がら、パワーが最大となる処理幅を探す方法を示してい
る。図中処理幅Niは初期処理幅N0にiを加えた処理
幅を示すもので、調整後の処理幅はN’とする。
【0042】図4において先ずステップS201では初
期処理幅をN0を出発点として、N0から1引いたN−
1、N0に1を加えたN1の3つの処理幅で入力信号列
の直交変換を行なう。ステップS202ではステップS
201で行なった直交変換の値を用いて以下の式で注目
周波数における各々のパワーPを算出する。
【0043】P=Xi( f)2+Xr( f )2 ‥‥‥ (5) ステップS203ではステップS202で算出した各々
のパワーを比較し、処理幅N0のパワーが最大の場合は
ステップS204、処理幅N−1のパワーが最大の場合
はステップS205、処理幅N1のパワーが最大の場合
はステップS209へ進む。
【0044】ステップS204に進むのは初期処理幅N
0がパワー最大なので、N0を調整処理幅N’として第
1の処理幅調整方法を終了する。
【0045】ステップ205に進むのは初期処理幅N0
がパワー最大の処理幅より大きい場合で、処理幅を小さ
くしながらパワー最大の処理幅の探索が行なわれる。具
体的にはステップS205からステップS207までの
ループがこの探索に相当し、ステップS207の判断で
ステップS208へ進むまで処理幅の変更が行なわれ
る。
【0046】ここで最適処理幅を探索するk番目のルー
プの中での処理幅をN−kとする。なお、N−kの初期
値はN−1である。k番目のループではステップS20
5で前の処理幅N−(k−1)を1減らしたN−kで入
力信号列に直交変換を施す。続いてステップS206で
はステップS205で行なった直交変換の値を用いて、
注目周波数のパワーを算出する。ステップS207では
ステップS206で算出した処理幅N−kでのパワー
と、前のループで算出した処理幅N−(k−1)でのパ
ワーを比較し、k番目のループで算出した処理幅N−k
のパワーの方が大きい場合は、さらに処理幅を小さくす
る方がよいと判断してステップS205へ戻り、 k番
目のループで算出した処理幅N−kのパワーの方が小さ
い場合は処理幅N−(k−1)がパワー最大の処理幅で
あったと判断してステップS208へ進む。そしてステ
ップS208において処理幅N−(k−1)を調整処理
幅N’として、第1の処理幅調整方法を終了する。
【0047】ステップ209に進むのは初期処理幅N0
がパワー最大の処理幅より小さい場合で、処理幅を大き
くしながらパワー最大の処理幅の探索が行なわれる。具
体的にはステップS209からステップS211までの
ループがこの探索に相当し、ステップS211の判断で
ステップS212へ進むまで処理幅の変更が行なわれ
る。
【0048】ここで最適処理幅を探索するk番目のルー
プの中での処理幅をNkとする。なお、Nkの初期値は
N1である。k番目のループでステップS209では処
理幅N (k−1)を1増やしたNkで入力信号列に直
交変換を施す。続いてステップS210ではステップS
209で行なった直交変換の値を用いて、注目周波数の
パワーを算出する。ステップS211ではステップS2
10で算出した処理幅Nkでのパワーと、前のループで
算出した処理幅N (k−1)でのパワーを比較し、k
番目のループで算出した処理幅Nkのパワーの方が大き
い場合は、さらに処理幅を大きくする方がよいと判断し
てステップS209へ戻り、 k番目のループで算出し
た処理幅Nkのパワーの方が小さい場合は処理幅N
(k−1)がパワー最大の処理幅であったと判断してス
テップS212へ進む。そしてステップS212におい
て処理幅N (k−1)を調整処理幅N’として、第1
の処理幅調整方法を終了する。
【0049】以上に記した第1の処理幅調整方法の手順
で直交変換処理幅調整工程2が実現される。なお第1の
処理幅調整方法で直交変換処理幅調整工程2を実現した
場合は既に調整処理幅N’つまり処理幅Nk−1で直交
変換を行なっているので、以降の直交変換工程3はスキ
ップすることができる。
【0050】本発明で提示する第二の処理幅調整法は初
期処理幅付近の複数個の処理幅で予め直交変換を行なっ
て注目周波数のパワーを求め、処理幅とパワーの関係を
関数近似する手法である。求められた関数関係から注目
周波数のパワーが最大となる処理幅が算出される。図5
は第2の処理幅調整方法の具体的な手順を示すフローチ
ャートで、3つの処理幅で注目周波数のパワーを求め、
処理幅とパワーの関係を2次関数で近似した例を示して
いる。
【0051】図5においては最初のステップS301に
おいて初期処理幅N0、初期処理幅からw引いた処理幅
N−w、初期処理幅にw加えた処理幅Nwの3つの処理
幅で入力信号の直交変換が行なわれる。ここでwは予想
される信号の周期長の1/4程度の値とする。
【0052】次いでステップS302でステップS30
1で行なった各処理幅の直交変換の値を用いて注目周波
数のパワーP0、P−w、Pwを算出する。
【0053】ステップS303の分岐は最適処理幅の存
在領域を求めるものである。この分岐はパワーP0、P
−w、Pwのなかで処理幅N0のパワーP0が最大とな
るように処理幅N0、N−w、Nwを変更することを目
的としている。これは中心の処理幅N0のパワーが最大
の時、最適処理幅を求める近似精度がよくなるからであ
る。即ち、ステップS303ではステップS302で求
めたパワーP0、P−w、Pwを比較し、処理幅N0の
パワーP0が最大の場合はステップS306へ、処理幅
N−wのパワーP−wが最大の場合はステップS304
へ、処理幅NwのパワーPwが最大の場合はステップS
305へ進む判断がなされる。
【0054】ステップS304はN0という処理幅がパ
ワー最大の処理幅より大きい場合で、この結果を受けて
各処理幅N0、Nーw、Nwが一律にwだけ減らされ
る。減算量がwであるため対応がずれ、最初の処理幅N
0、パワーP0を新しい処理幅Nw、パワーPwに、最
初の処理幅N−w、パワーP−wが新しい処理幅N0、
パワーP0に置き換える。しかる後最初の処理幅N0よ
りw小さい新しい処理幅N0からw引いた処理幅をN−
wとしてパワーP−wを算出し、ステップS303に戻
る。
【0055】ステップS305はN0という処理幅がパ
ワー最大の処理幅より小さい場合で、この結果を受けて
各処理幅N0、Nーw、Nwが一律にwだけ増やされ
る。加算量がwであるため対応がずれ、最初の処理幅N
0、パワーP0を新しい処理幅N−w、パワーP−w
に、最初の処理幅Nw、パワーPwが新しい処理幅N
0、パワーP0に置き換える。しかる後、最初の処理幅
N0よりw大きい新しい処理幅N0からw加えた処理幅
をNwとしてパワーPwを算出し、ステップS303に
戻る。
【0056】上記のループは最終的にステップS306
に抜け出す。ステップS306においては今までに算出
したN−w、N0、Nw及びP−w、P0、Pwを用
い、処理幅とパワーの関係を最小自乗法で2次関数に近
似し、パワーが最大となる処理幅N’を以下の式で算出
する。
【0057】
【数4】 本算出式は処理幅とパワーの関係を2次関数 y= ax2+ bx+ c (7) に近似し、該関数を決定する3点の座標として ( x,y)={(N-w,P-w),(N0,P0),(Nw,Pw) }
(8)を当てはめてa、b、cを求めたものである。2次
関数に近似したため、パワーを表わすyが最大となる処
理幅xは x=ー2a/b (9) で算出される。算出された処理幅Nを最終処理幅N’と
して第2の処理幅調整方法を終了する。
【0058】以上、直交変換処理幅調整工程2の実例と
して第1の処理幅調整方法、第2の処理幅調整方法につ
いて述べたが、勿論他の方法で注目周波数のパワーを最
大とする処理幅を算出することもできる。
【0059】第3の処理幅調整方法は初期処理幅でパワ
ースペクトルを求め、該パワースペクトル上の注目周波
数付近でパワーを重みとした加重平均で補間してパワー
が最大となる離散値でない周波数を求め、この周波数か
ら求めた処理幅を補正処理幅とする方法である。
【0060】図6は第3の処理幅調整方法の具体的な手
順を示すフローの例である。入力信号列はステップS4
01において初期処理幅N0で複数の周波数で直交変換
を行ない、ステップS402で各周波数のパワーを算出
し、パワースペクトルを作成する。
【0061】ステップS403はパワースペクトル上の
注目周波数付近においてパワーが最大となる周波数f0
を求めるステップである。続くステップS404でパワ
ーが最大の周波数f0、パワー最大の周波数から1引い
た周波数f0ー1、パワー最大の周波数から1加えた周
波数f0+1に対し各々のパワーP0、P−1、P1を
重みとして加重平均して補間し補正周波数f’が求めら
れる。
【0062】
【数5】 そしてステップS405でステップS404で求めた補
正周波数f’から以下の式で最終的な補正処理幅N’を
計算する。即ち、 N'= (f0/f')N0 ‥‥‥(11) (11)式のN’は補正周波数f’となる1周期をT、
即ち T= N0/f' ‥‥‥(12) を比例倍(f0)したものである。これにより第3の処
理幅調整方法が終了する。
【0063】第3の処理幅調整方法として、ここでは重
み付き平均法で補正周波数を算出する例を述べたが、他
の関数近似でパワーを補間してもよい。
【0064】第3の処理幅調整方法の手順は処理時間が
早いという特徴を持つ反面、第1及び第2の処理幅調整
方法と異なって必ずしもパワー最大となる処理幅を直接
算出する方法ではないので、第1及び第2の処理幅調整
方法に比べて処理幅の調整精度は劣る。
【0065】以上ここでは第1から第3まで3つの処理
幅調整方法について説明した。第1及び第2の処理幅調
整方法は各々1つの方法でも直交変換処理幅調整工程2
を実現可能であるが、第1から第3の処理幅調整方法の
組合せも精度と処理時間のバランスという点で効果があ
る。
【0066】例えば第3の処理幅調整方法を用いて算出
した補正処理幅N’を初期処理幅N0として第2の処理
幅調整方法を適用したり、同様に第3の処理幅調整方法
を用いて算出した補正処理幅N’を初期処理幅N0とし
て第1の処理幅調整方法を適用するのも効果的である。
この場合、第1や第2の処理幅調整方法を行なう前に第
3の処理幅調整方法が行なわれて初期処理幅N0が正し
い値に近づいているため、第1や第2の処理幅調整方法
中での繰り返し回数が減り、第1、第2の処理幅調整方
法を単独で適用するよりも、計算時間の点で有利であ
る。
【0067】上述したように、実施例1ではマーク像と
して得られる信号列の周期性に着目して位置を検出する
ため、信号に混在するノイズの影響を受けにくく、また
直交変換処理幅調整工程2を導入したことにより周期パ
ターンの1周期長が正確に分かっていない場合でも、安
定した精度で位置を検出することができる。
【0068】本発明は実施形態例1に示したように単純
に物体の位置を検出するだけでなく、半導体製造用露光
装置におけるレチクル(もしくはマスク)とウエハの位
置合わせにも適用することができる。図7はその装置構
成例を示すものである。
【0069】図7でWは半導体ウエハでこの表面に位置
検出用のパターンMが形成されている。21はウエハを
x、y、z方向に移動させるためのxyステージで、2
2はレチクルR上の回路パターンをウエハW上に投影す
るための投影光学系である。23は照明系で、ここから
射出した光はハーフミラー24、投影光学系22を通り
ウエハW上のパターンMを照明する。パターンMからの
反射光は投影光学系22を通り、ハーフミラー24によ
り、検出光学系25に導かれる。
【0070】検出光学系25はパターンMの像を所定の
倍率で撮像手段(撮像装置)26の撮像面上に結像す
る。本装置では予め適当な検出手段により、撮像装置2
6の撮像面におけるレチクルRの位置が既知量となって
いる。レチクルRのウエハWの相対位置を求めるには、
撮像装置26の撮像面上におけるパターンMの位置を検
出すればよい。
【0071】撮像装置26は例えば2次元イメージセン
サー等の光電変換装置で、撮像した像を電気信号に変換
する。
【0072】図8(a)はx方向の位置検出を行なう場
合で、位置検出マークMを含むウエハの領域が撮像装置
26に結像した状態を示したものである。Fは撮像装置
の有効視野で、M’はウエハW上の位置検出パターン像
の一例である。図8(a)のx方向の位置検出におい
て、パターンM’は同一形状の矩形パターンをx方向に
等間隔λpで複数個配置したものとなっている。
【0073】撮像装置26によって2次元のパターン像
の情報は電気信号に変換され、図7のA/D変換手段2
7によって、撮像面のxy方向2次元のアドレスに対応
した離散信号列に変換される。この離散信号のサンプリ
ング間隔λsは投影光学系22と検出光学系25の光学
倍率、及び撮像面の画素間隔で決定できる。
【0074】図7の28は積算装置で、図8(a)の3
1に示すようにパターンM’を含む2次元ウインドウを
有効視野F上に設定し、このウインドウ内で図8(a)
のy方向に画素積算を行ない、図8(b)に示すx方向
の1次元離散信号列S(x)を出力する。図8(b)で
は見やすくするため、個々の離散信号列S(x)の各点
を直線で結んでいる。
【0075】図7の22から28は図1における周期的
パターン信号発生手段11の実現例となっている。2
7、28は2次元のパターン信号を画素積算し、1次元
信号列を得る構成になっているが、2次元信号の1行ま
たは1列をそのまま1次元信号列としてもよい。また2
次元センサーの代わりに1次元センサーを用いて1次元
信号列を得ることもできる。
【0076】図7の22から28は特開平5-343291号公
報に記載の装置によっても実現することができる。特開
平5-343291号公報に記載の装置はウエハ面上に設けた位
置合わせ用(アライメント用)格子状マークを露光光と
異なる波長の単色光で照明し、この時発生する反射回折
光に基づいた干渉像を撮像手段面上に形成する。しかる
後、該撮像手段で光電変換された映像信号を利用してレ
チクルとウエハの位置合わせを高速で、高精度に行なう
ものである。
【0077】図7の12から15は図1の直交変換処理
幅調整手段12、直交変換手段13、位相算出手段1
4、位置算出手段15である。これらの手段は第一の実
施例と同様に直交変換処理幅調整工程2、直交変換工程
3、位相算出工程4、位置算出工程5によりマークの位
置ずれ量を検出する。そして位置算出手段15の出力が
ステージ駆動装置29に送られ、これによりステージ2
1が駆動されて、レチクルRとウエハWの位置合わせを
行なう。
【0078】本実施例では、ウエハの位置検出及びそれ
を用いたウエハとレチクルの位置合わせについて述べ
た。本発明は他にもマスクまたはレチクル、ステージ等
の半導体露光装置の一部の位置検出、マスクと装置基準
位置、装置部品間の相対位置合わせにも適用できる。半
導体製造用露光装置に適用した本実施形態も、マーク像
として得られる信号列の周期性に着目して位置を検出す
るため、信号に混在するノイズの影響を受けにくい。ま
た直交変換処理幅調整工程を行なうことで基本波形の1
周期長が正確に分かっていない場合でも、安定した精度
で位置を検出することができる。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明ではマーク像
として得られる周期的パターン信号の信号列の周期性に
着目して位置を検出するため、信号に混在するノイズの
影響を受けにくく、基本波形の1周期長が正確に分かっ
ていない場合でも、安定した精度で位置を検出すること
ができる。本発明の直交変換処理幅調整工程の導入は折
り返し誤差による誤差を小さくし、位置検出精度を向上
させることができる。また、種々の直交変換処理幅調整
工程を組合せることで精度の向上のために要する信号処
理時間も最小に抑えることができる。
【0080】本発明は応用分野として位置検出精度が重
視される半導体製造用露光装置などにおいて、特に有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の信号処理の手順を示す図、
【図2】 本発明を適用した位置検出装置の構成例、
【図3】 本発明の位置検出方法の他の構成例、
【図4】 第1の直交変換処理幅調整工程の処理手順
例、
【図5】 第2の直交変換処理幅調整工程の処理手順
例、
【図6】 第3の直交変換処理幅調整工程の処理手順
例、
【図7】 本発明を適用した半導体露光装置の構成例、
【図8】 撮像素子で撮像したマークとその積算波形、
【図9】 注目周波数での処理幅誤差とパワーの関係の
説明図、
【図10】 第1の直交変換処理幅調整工程の説明図、
【図11】 第2の直交変換処理幅調整工程の説明図、
【図12】 従来例の信号処理の代表的な構成例。
【符号の説明】
1 周期的パターン信号発生工程、 2 直交変換処理幅調整工程、 3 直交変換工程、 4 位相算出工程、 5 位置算出工程、 11 周期的パターン信号発生手段、 12 直交変換処理幅調整手段、 13 直交変換手段、 14 位相算出手段、 15 位置算出手段、 21 xyステージ、 22 投影光学系、 23 照明系、 24 ハーフミラー、 25 検出光学系、 26 撮像装置、 27 A/D変換手段、 28 積算装置、 29 ステージ駆動装置、 31 2次元ウィンドウ、 W 位置計測部材(ウエハ)、 M マーク、 R レチクル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 522D

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的パターン信号を発生させるマーク
    を有する物体の位置を検出する位置検出方法において、 前記マークにより得られた周期的パターン信号の周波数
    成分のパワーに基づいて、該周期的パターン信号に対す
    る直交変換の対象となる信号幅を決定する幅決定工程
    と、 前記周期的パターン信号のうち前記幅決定工程において
    決定された信号幅を有する周期的パターン信号に対し
    交変換を行なう直交変換工程と、前記直交変換工程において得られた結果に基づいて 前記
    周期的パターン信号の位相を算出する位相算出工程と、前記位相算出工程において得られた結果に基づいて前記
    物体の位置を算出する位置算出工程とを備えることを特
    徴とする位置検出方法。
  2. 【請求項2】 前記幅決定工程において、前記周期的パ
    ターン信号の注目周波数成分のパワーに基づいて前記信
    号幅を決定することを特徴とする請求項1記載の位置検
    出方法。
  3. 【請求項3】 前記幅決定工程において、複数の信号幅
    の前記周期的パターン信号に対し各々算出された、注目
    周波数成分のパワーに基づいて、前記直交変換工程にお
    いて用いられる前記信号幅を決定することを特徴とする
    請求項記載の位置検出方法。
  4. 【請求項4】 前記幅決定工程において、初期設定され
    た信号幅の前記周期的パターン信号のパワースペクトル
    を求め、該パワースペクトルに基づいて、前記直交変換
    工程において用いられる前記信号幅を決定することを特
    徴とする請求項記載の位置検出方法。
  5. 【請求項5】 前記幅決定工程において、前記パワーが
    最大となるように前記信号幅を決定することを特徴とす
    る請求項2乃至4のいずれか1項に記載の位置検出方
    法。
  6. 【請求項6】 前記幅決定工程において決定された信号
    幅の履歴に基づいて前記信号幅を決定する履歴利用決定
    工程をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の位
    置検出方法。
  7. 【請求項7】 前記周期的パターン信号を、前記マーク
    を撮像することによって得る信号発生工程をさらに備え
    ことを特徴とする請求項記載の位置検出方法。
  8. 【請求項8】 前記周期的パターン信号を、前記マーク
    による干渉縞を撮像することによって得る信号発生工程
    をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の位置検
    出方法。
  9. 【請求項9】 周期的パターン信号を発生させるマーク
    を有する物体の位置を検出する位置検出装置において、 前記マークにより得られた周期的パターン信号の周波数
    成分のパワーに基づいて、該周期的パターン信号に対す
    る直交変換の対象となる信号幅を決定する幅決定手段
    と、 前記周期的パターン信号のうち前記幅決定手段により決
    定された信号幅を有する周期的パターン信号に対し直交
    変換を行なう直交変換手段と、 前記直交変換手段により得られた結果に基づいて前記周
    期的パターン信号の位相を算出する位相算出手段と、 前記位相算出手段により得られた位相に基づいて前記物
    体の位置を算出する位置算出手段とを備えることを特徴
    とする位置検出装置。
  10. 【請求項10】 前記幅決定手段は、前記周期的パター
    ン信号の注目周波数成分のパワーに基づいて前記信号幅
    を決定することを特徴とする請求項9記載の位置検出装
    置。
  11. 【請求項11】 前記幅決定手段は、複数の信号幅の前
    記周期的パターン信号に対し各々算出された、注目周波
    数成分のパワーに基づいて、前記直交変換手段により用
    いられる前記信号幅を決定することを特徴とする請求項
    9記載の位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記幅決定手段は、初期設定された信
    号幅の前記周期的パターン信号のパワースペクトルを求
    め、該パワースペクトルに基づいて、前記直交変換手段
    により用いられる前記信号幅を決定することを特徴とす
    る請求項9記載の位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記幅決定手段は、前記パワーが最大
    となるように前記信 号幅を決定することを特徴とする請
    求項10乃至12のいずれか1項に記載の位置検出装
    置。
  14. 【請求項14】 前記幅決定手段により決定された信号
    幅の履歴に基づいて前記信号幅を決定する履歴利用決定
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の位
    置検出装置。
  15. 【請求項15】 前記周期的パターン信号を、前記マー
    クを撮像することによって得る信号発生手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項9記載の位置検出装置。
  16. 【請求項16】 前記周期的パターン信号を、前記マー
    クによる干渉縞を撮像することによって得る信号発生手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の位置
    検出装置。
  17. 【請求項17】 基板上の、周期的パターン信号を発生
    させるマークの位置を検出し、該基板上にパターンを露
    光する露光装置において、 前記マークにより得られた周期的パターン信号の周波数
    成分のパワーに基づいて、該周期的パターン信号に対す
    る直交変換の対象となる信号幅を決定する幅決定手段
    と、 前記周期的パターン信号のうち前記幅決定手段により決
    定された信号幅を有する周期的パターン信号に対し直交
    変換を行なう直交変換手段と、 前記直交変換手段により得られた結果に基づいて前記周
    期的パターン信号の位相を算出する位相算出手段と、 前記位相算出手段により得られた位相に基づいて前記基
    板の位置を算出する位置算出手段とを備えることを特徴
    とする 露光装置。
  18. 【請求項18】 前記幅決定手段は、前記周期的パター
    ン信号の注目周波数成分のパワーに基づいて前記信号幅
    を決定することを特徴とする請求項17記載の露光装
    置。
  19. 【請求項19】 前記幅決定手段は、複数の信号幅の
    前記周期的パターン信号に対し各々算出された、注目周
    波数成分のパワーに基づいて、前記直交変換手段により
    用いられる前記信号幅を決定することを特徴とする請求
    項17記載の露光装置。
  20. 【請求項20】 前記幅決定手段は、初期設定された信
    号幅の前記周期的パターン信号のパワースペクトルを求
    め、該パワースペクトルに基づいて、前記直交変換手段
    により用いられる前記信号幅を決定することを特徴とす
    る請求項17記載の露光装置。
  21. 【請求項21】 前記幅決定手段は、前記パワーが最大
    となるように前記信号幅を決定することを特徴とする請
    求項18乃至20のいずれか1項に記載の露光装置。
  22. 【請求項22】 前記幅決定手段により決定された信号
    幅の履歴に基づいて前記信号幅を決定する履歴利用決定
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項17記載の
    露光装置。
  23. 【請求項23】 前記周期的パターン信号を、前記マー
    クを撮像することによって得る信号発生手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項17記載の露光装置。
  24. 【請求項24】 前記周期的パターン信号を、前記マー
    クによる干渉縞を撮像することによって得る信号発生手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項17記載の露
    光装置。
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