JP3450284B2 - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

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JP3450284B2
JP3450284B2 JP2000251423A JP2000251423A JP3450284B2 JP 3450284 B2 JP3450284 B2 JP 3450284B2 JP 2000251423 A JP2000251423 A JP 2000251423A JP 2000251423 A JP2000251423 A JP 2000251423A JP 3450284 B2 JP3450284 B2 JP 3450284B2
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rotor
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英夫 松城
友邦 飯島
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P80/00Climate change mitigation technologies for sector-wide applications
    • Y02P80/10Efficient use of energy, e.g. using compressed air or pressurized fluid as energy carrier

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレスモータへ
の印加電圧を制御する制御装置に関し、特にロータの回
転位置の検出をホール素子等の磁気検出手段等を用いる
ことなく行うブラシレスモータの制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレスモータの制御装置にお
いて、ロータの回転位置の検出をホール素子等の磁気検
出手段を用いることなく行う、いわゆるセンサレス制御
としては特開2000−83397号公報に開示された
技術がある。以下、従来のブラシレスモータの制御装置
について説明する。図19は従来のブラシレスモータの
制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図1
9において、ブラシレスモータ101は、相巻線121
u、121v、121wが取付けられたステータ102
と、磁石が装着されて回転可能に支持されたロータ10
3とを備えている。各相巻線121u、121v、12
1wはスイッチング回路105に接続されており、相巻
線121u、121v、121wに印加される電圧が制
御されている。このスイッチング回路105には電源1
04により直流電圧が供給される。
【0003】スイッチング回路105は、電流の流れの
方向に対して上流側と下流側に配設された一対のスイッ
チング素子が直列に接続されており、この直列回路がU
相用、V相用、W相用として3つ設けられている。図1
9に示したように、U相用の直列回路は上流側スイッチ
ング素子151uと下流側スイッチング素子152uと
を有している。V相用の直列回路は上流側スイッチング
素子151vと下流側スイッチング素子152vとを有
している。また、W相用の直列回路は上流側スイッチン
グ素子151wと下流側スイッチング素子152wとを
有している。また、スイッチング回路105において
は、それぞれのスイッチング素子151u、152u、
151v、152v、151w、152wに逆方向で並
列に接続されたダイオード153u、154u、153
v、154v、153w、154wがそれぞれ設けられ
ている。スイッチング回路105におけるU相用のスイ
ッチング素子151u、152uの相互接続点には、ブ
ラシレスモータ101の相巻線121uが接続されてい
る。同様に、V相用のスイッチング素子151v、15
2vの相互接続点にはブラシレスモータ101の相巻線
121vが接続されており、W相用のスイッチング素子
151w、152wの相互接続点にはブラシレスモータ
101の相巻線121wが接続されている。
【0004】スイッチング回路105のスイッチング素
子151u、152u、151v、152v、151
w、152wは、印加電圧制御回路108によりスイッ
チング素子変調回路106を介して制御され、各スイッ
チング素子151u、152u、151v、152v、
151w、152wに対してパルス幅が変調された信号
が順次入力される。さらに、従来のブラシレスモータの
制御装置には、電圧出力回路110、電流零判断部10
9、誘起電圧検出回路111、及び電圧指令部107が
設けられている。
【0005】上記のように構成された従来の制御装置に
おいて、印加電圧制御回路108はスイッチング素子変
調回路106を介してスイッチング回路5の各スイッチ
ング素子151u、152u、151v、152v、1
51w、152wを制御する。各スイッチング素子15
1u、152u、151v、152v、151w、15
2wには、スイッチング素子変調回路106からのパル
ス幅が変調された導通指令信号、または遮断指令信号が
入力され、各相の巻線121u、121v、121wへ
の印加電圧が制御されている。このとき、各相の巻線1
21u、121v、121wには順次電流が流れてロー
タ103を回転させる。このとき巻線121u、121
v、121wに流れる電流は、位相が120度ずつ異な
る電流波形となる。上記制御装置は、各相において上流
側スイッチング素子と下流側スイッチング素子の両方と
も遮断される遮断期間を検知して、ロータ103の回転
位置を検出する。ロータ位置の検出方法は、一つの相
(例えばU相)の一対のスイッチング素子(151u、
152u)がともに遮断されている期間内に、同相の巻
線(121u)に発生する誘起電圧を誘起電圧検出回路
111により検出し、ブラシレスモータ101の特性か
ら決定される誘起電圧と比較してロータ103の回転位
置を検出する。印加電圧制御回路108は、検知された
ロータ位置を基準とした遮断期間の開始タイミングと終
了タイミングを決定して、スイッチング回路105へ出
力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の制御装置において、ロータ103の内部に磁石
が埋め込まれているようなブラシレスモータの場合、検
出される誘起電圧はモータ速度と各巻線121u、12
1v、121wに流れる電流の大きさにより大きく変化
する。従って、従来の制御装置において、条件によって
は有効な誘起電圧が検出できなくなるという問題があっ
た。図20は無負荷時におけるブラシレスモータのロー
タ103の磁石により生じるU相、V相、W相の誘起電
圧と電気角との関係を示す波形図である。図20に示す
ように、このときの各相の誘起電圧は各相が120°ず
つ異なる正弦波曲線となる。
【0007】一方、従来の制御装置によりブラシレスモ
ータに対して通電制御を行った場合、パルス幅変調され
たパルス幅が小さい時、導通する期間が短くなるためブ
ラシレスモータの電流は小さくなる。この時、巻線12
1u、121v、121wに発生する誘起電圧は位相が
変化する。この変化が大きいとき、場合によっては遮断
期間内で誘起電圧変化を検出できなくなる。図21は従
来のブラシレスモータの制御装置において遮断期間で検
出される誘起電圧波形を示す信号波形図である。図21
の(a)はU相のスイッチング素子151uに入力され
る信号波形図であり、(b)はスイッチング素子152
uに入力される信号波形図である。図21の(c)はU
相の巻線121uに印加される電圧波形図である。図2
1の波形図において、長円で囲った部分が遮断期間にお
ける誘起電圧の波形であり、この期間においてはほとん
ど誘起電圧が検出できないことが理解できる。また、ブ
ラシレスモータが高速になってくると発生する誘起電圧
が大きくなるため、有効な印加電圧が減少する。この結
果、最高回転数が制限されるという問題があった。
【0008】一方、従来のブラシレスモータの制御装置
において、負荷が重くなったとき、即ち、パルス幅変調
の通電率が大きいとき、各相の巻線に流れる電流波形は
矩形波状に変化する。図22は、パルス幅変調の通電率
が大きいときの電流波形を示す波形図である。図22に
示すように、このときの電流波形はトルクリップルが大
きくるので、ブラシレスモータの振動が多くなる。従っ
て、このような状態の従来のブラシレスモータの制御装
置においては、効率が悪いという問題があった。本発明
は、上記の従来の制御装置における問題を解決すること
を課題とし、ロータの回転位置の検出のためにホール素
子等の磁気検出手段を用いることなく、高効率で動作範
囲の広い広角通電ができ、振動を確実に抑制できるブラ
シレスモータの制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るブラシレスモータの制御装置は、複数
相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロー
タとを備えたブラシレスモータのための制御装置であっ
て、直流電源に接続された一対のスイッチング素子が電
流の流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直
列接続された直列回路を複数有するスイッチング回路、
前記スイッチング回路の各相の直列回路に供給される直
流電圧を検出する直流電圧検出手段、前記スイッチング
回路の1つの直列回路の両方のスイッチング素子が同時
に遮断されている期間に当該直列回路のスイッチング素
子間に接続された巻線の端子に現れる誘起電圧を検出
し、出力する誘起電圧検出手段、前記誘起電圧検出手段
から出力された誘起電圧に基づいて前記ロータの回転位
置を演算し、出力するロータ回転位置検出手段、前記ロ
ータの回転位置の時間による変化からモータ速度を演算
するモータ速度演算手段、前記モータ速度と指令速度と
の偏差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、
前記モータ速度、前記直流電圧、及び前記通電率指標の
うち少なくとも1つの値と前記ロータ回転位置検出手段
から出力されたロータ回転位置とに基づいて、前記スイ
ッチング回路の各相の直列回路の一対のスイッチング素
子に同時に遮断信号を出力する期間である遮断期間の開
始タイミングと終了タイミングとを各相分作成する遮断
期間タイミング作成手段、前記モータ速度の変化率、前
記直流電圧の変化率、前記通電率指標の変化率のうちい
ずれか1つが各々に設定された所定値以上であることを
検知した時、前記遮断期間が長くなるよう前記開始タイ
ミングと前記終了タイミングとを各相分調整する遮断期
間タイミング調整手段、及び、各相の遮断期間の開始タ
イミングと終了タイミングと前記ロータ回転位置検出手
段から出力されたロータ回転位置とに基づいて、各相の
遮断期間には直列回路の両方のスイッチング素子への遮
断信号を作成し、前記遮断期間以外の期間である導通期
間には各直列回路の一対のいずれかのスイッチング素子
への連続導通信号もしくは前記通電率指標に基づいた断
続導通信号のいずれかの信号を作成するとともに、当該
対の他方のスイッチング素子への遮断信号を作成して、
前記スイッチング回路に出力するスイッチング信号作成
手段、を具備する。上記のよう構成された本発明の制御
装置は、ロータの回転位置の検出のためにホール素子等
の磁気検出手段を用いることなく、高効率で広角通電を
行うことができる。
【0010】
【0011】他の観点の発明におけるブラシレスモータ
制御装置は、複数相の巻線を有するステータと複数極の
磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
の制御装置であって、直流電源に接続された一対のスイ
ッチング素子が電流の流れの方向に対して上流側と下流
側に配置されて直列接続された直列回路を複数有するス
イッチング回路、前記スイッチング回路の各相の直列回
路に供給される直流電圧を検出する直流電圧検出手段、
前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
チング素子が同時に遮断されている期間に当該直列回路
のスイッチング素子間に接続された巻線の端子に現れる
誘起電圧を検出し、出力する誘起電圧検出手段、前記誘
起電圧検出手段から出力された誘起電圧に基づいて前記
ロータの回転位置を演算し、出力するロータ回転位置検
出手段、前記ロータの回転位置の時間による変化からモ
ータ速度を演算するモータ速度演算手段、前記モータ速
度と指令速度との偏差に基づいて通電率指標を出力する
速度制御手段、前記モータ速度、前記直流電圧、及び前
記通電率指標のうち少なくとも1つの値と前記ロータ回
転位置検出手段から出力されたロータ回転位置とに基づ
いて、前記スイッチング回路の各相の直列回路の一対の
スイッチング素子に同時に遮断信号を出力する期間であ
る遮断期間の開始タイミングと終了タイミングとを各相
分作成する遮断期間タイミング作成手段、前記モータ速
度の変化率、前記直流電圧の変化率、前記通電率指標の
変化率のすべてが各々に設定された所定値以下であるこ
とを検知した時、前記遮断期間が短くなるよう前記開始
タイミングと前記終了タイミングとを各相分調整する遮
断期間タイミング調整手段、及び、 各相の遮断期間の開
始タイミングと終了タイミングと前記ロータ回転位置検
出手段から出力されたロータ回転位置とに基づいて、各
相の遮断期間には直列回路 の両方のスイッチング素子へ
の遮断信号を作成し、前記遮断期間以外の期間である導
通期間には各直列回路の一対のいずれかのスイッチング
素子への連続導通信号もしくは前記通電率指標に基づい
た断続導通信号のいずれかの信号を作成するとともに、
当該対の他方のスイッチング素子への遮断信号を作成し
て、前記スイッチング回路に出力するスイッチング信号
作成手段、を具備する。上記のよう構成された本発明の
制御装置は、ロータの回転位置の検出のためにホール素
子等の磁気検出手段を用いることなく、高効率で広角通
電を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置の好ましい実施例について添付の図面を
用いて説明する。
【0013】《実施例1》図1は本発明に係る実施例1
のブラシレスモータの制御装置のシステム構成を示すブ
ロック図である。図1において、ブラシレスモータ1
は、相巻線21u、21v、21wが取付けられたステ
ータ2と、磁石が装着されて回転可能に支持されたロー
タ3とを備えている。各相巻線21u、21v、21w
はスイッチング回路5に接続されており、相巻線21
u、21v、21wに印加される電圧が制御されてい
る。このスイッチング回路5には直流電源4により電圧
が供給される。
【0014】スイッチング回路5は、電流の流れの方向
に対して上流側と下流側に配設された一対のスイッチン
グ素子が直列に接続されており、この直列回路がU相
用、V相用、W相用として3つ設けられている。図1に
示すように、U相用の直列回路は上流側スイッチング素
子51uと下流側スイッチング素子52uとを有してい
る。V相用の直列回路は上流側スイッチング素子51v
と下流側スイッチング素子52vとを有している。ま
た、W相用の直列回路は上流側スイッチング素子51w
と下流側スイッチング素子52wとを有している。ま
た、スイッチング回路5においては、それぞれのスイッ
チング素子51u、52u、51v、52v、51w、
52wに逆方向で並列に接続されたダイオード53u、
54u、53v、54v、53w、54wがそれぞれ設
けられている。
【0015】スイッチング回路5におけるU相用のスイ
ッチング素子51u、52uの相互接続点には、ブラシ
レスモータ1の相巻線21uが接続されている。同様
に、V相用のスイッチング素子51v、52vの相互接
続点にはブラシレスモータ1の相巻線21vが接続され
ており、W相用のスイッチング素子51w、52wの相
互接続点にはブラシレスモータ1の相巻線21wが接続
されている。スイッチング回路5のスイッチング素子5
1u、52u、51v、52v、51w、52wは、第
1のスイッチング信号作成回路6によって制御されてい
る。さらに、実施例1のブラシレスモータの制御装置に
は、ブラシレスモータ1の各相巻線21u、21v、2
1wに発生する誘起電圧を検出する誘起電圧検出回路
7、直流電圧の電圧値を検出する直流電圧検出回路8、
ロータ回転位置検出回路9、モータ速度演算回路10、
速度制御回路11、及び第1の遮断期間タイミング作成
回路12が設けられている。
【0016】次に、上記のように構成された実施例1の
ブラシレスモータの制御装置におけるそれぞれの構成部
分の動作について詳細に説明する。まず、スイッチング
回路5に対する第1のスイッチング信号作成回路6の制
御動作について説明する。
【0017】[第1のスイッチング信号作成回路6の制
御動作]第1のスイッチング信号作成回路6は、スイッ
チング回路5の各スイッチング素子51u、52u、5
1v、52v、51w、52wに対し、導通指令信号ま
たは遮断指令信号を与えることにより、各相巻線21
u、21v、21wへの印加電圧を制御する。図2は、
スイッチング回路5における各スイッチング素子51
u、52u、51v、52v、51w、52wのタイミ
ングを示す信号波形と、各相巻線21u、21v、21
wへの印加電圧を示す波形図である。図2における
(a)〜(f)の信号波形は、各スイッチング素子51
u、51v、51w、52u、52v、52wに対する
導通、遮断の指令信号を示している。図2の(a)〜
(f)の信号波形において、"ハイレベル"が導通指
令、"ローレベル"が遮断指令を示す。
【0018】図2に示すように、期間T1においては、
U相用の上流側スイッチング素子51uが導通状態であ
り、下流側スイッチング素子52uが遮断状態である。
同様に、期間T1において、W相用の上流側スイッチン
グ素子51wと下流側スイッチング素子52w、及びV
相用の上流側スイッチング素子51vは遮断状態であ
る。但し、この期間T1においては、V相用の下流側ス
イッチング素子52vがパルス幅変調(PWM)で導通
・遮断のスイッチング動作を繰り返している。この結
果、U相用の上流側スイッチング素子51uと、V相用
の下流側スイッチング素子52vが導通状態となり、ス
テータ2のU相巻線21uからV相巻線21vへ電流が
流れる。
【0019】次に、期間T2においては、U相用の上流
側スイッチング素子51uが導通状態であり、V相用の
下流側スイッチング素子52vとW相用の下流側スイッ
チング素子52wがパルス幅変調(PWM)で導通・遮
断のスイッチング動作を繰り返している。このとき、他
のスイッチング素子51v、51w、52uは遮断状態
である。この結果、U相用の上流側スイッチング素子5
1uとV相用の下流側スイッチング素子52vとW相用
の下流側スイッチング素子52wが導通状態となり、ス
テータ2のU相巻線21uからV相巻線21vとW相巻
線21wへ電流が流れる。同様に、期間T3においては
ステータのU相巻線21uからW相巻線21wへ電流が
流れ、期間T4においてはU相巻線21uとV相巻線2
1vからW相巻線21wへ電流が流れる。また、期間T
5においてはV相巻線21vからW相巻線21wへ電流
が流れ、期間T6においてはV相巻線21vからU相巻
線21uとW相巻線21wへ電流が流れる。
【0020】また、期間T7においてはV相巻線21v
からU相巻線21uへ、期間T8においてはV相巻線2
1vとW相巻線21wからU相巻線21uへ、期間T9
においてはW相巻線21wからU相巻線21uへ、期間
T10においてはW相巻線21wからU相巻線21uと
V相巻線21vへ、期間T11においてはW相巻線21
wからV相巻線21vへ、期間T12においてはU相巻
線21uとW相巻線21wからV相巻線21vへそれぞ
れ電流が流れる。なお、パルス幅変調(PWM)の通電
率は速度制御回路11の出力である通電率指標信号の値
を用いる。
【0021】上記のように期間T1〜T12の導通・遮
断のスイッチング動作を繰り返すことにより、ロータ3
は回転する。このようにロータ3を回転させる場合、相
巻線21u、21v、21wに流れる電流は、位相が1
20度ずつ異なる電流波形を有している。図2に示す波
形図において、期間T1の開始から期間T6の終了まで
の間が電気角で180度の期間を表している。図2に示
すブシレスモータの駆動制御においては、各相とも電気
角180度期間中の150度期間で電圧を印加する指令
が与えられている。この電圧を与える期間の開始タイミ
ング及び終了タイミングは第1の遮断期間タイミング作
成回路12より与えられる。各相の上流側スイッチング
素子と下流側スイッチング素子とも遮断される遮断期間
において、誘起電圧検出回路7により検出された誘起電
圧からロータ3の回転位置を検出する。U相の場合には
期間T5と期間T11、V相の場合には期間T3と期間
T9、W相の場合には期間T1と期間7である。回転位
置の検出方法として例えば以下の手法がある。一つの相
(例えばU相)の一対のスイッチング素子(51u、5
2u)がともに遮断されている期間内に、同相の巻線
(21u)に発生する誘起電圧の波形を誘起電圧検出回
路7により検出する。そして、ブラシレスモータ1の特
性から予め決められる誘起電圧の波形との比較によりロ
ータ3の回転位置が得られる。
【0022】[第1の遮断期間タイミング作成回路12
の動作]次に、上記のように構成された実施例1のブラ
シレスモータの制御装置における第1の遮断期間タイミ
ング作成回路12の詳細な動作ついて説明する。磁石が
内部に埋め込まれたロータ3を持つモータのように突極
性を持つブラシレスモータの場合、遮断期間における、
例えばU相に発生する誘起電圧Vuは下記に示す式
(1)により算出される。
【0023】
【数1】
【0024】上記式(1)において、Vv、Vwはそれ
ぞれV相、W相の端子電圧、ivは中性点に流れる方向
を正とする相電流、Φu、Φv、Φwはそれぞれ各相に
おける中性点から見た磁石による誘起電圧、ωはモータ
速度である。図3は一般的なIPMモータ(Interior P
ermanent Magnet Motor:埋込磁石型モータ)における
有効インダクタンス(L)とロータ位置(θ)との関係
を示す特性図である。図3において、LaとLasはロ
ータ位置によって変化する1相あたりの有効インダクタ
ンスを表すパラメータであり、Laはその相における基
準有効インダクタンスであり、Lasはその変化分を示
す。
【0025】図4はある相の相電流の大小により誘起電
圧の違いを示す波形図であり、誘起電圧が変化した時の
遮断期間において検出される誘起電圧波形を示してい
る。図4において、波形3a(破線により示す波形)は
相電流が少ない時の誘起電圧波形であり、波形3b(実
線により示す波形)は相電流が大きいときの誘起電圧波
形を示している。図4に示すように、誘起電圧波形は相
電流が大きくなるにつれてロータ位置に対して前へ進む
波形になることが理解でき、このことは前述の式(1)
を計算することによって確認される。次に、図4に示す
波形図において、誘起電圧が波形3bである時(相電流
が大きい時)について考察する。
【0026】図4に示すように、遮断期間を波形3bに
おける上下の頂部を外した遮断期間Aに設定した場合、
この遮断期間Aにおける誘起電圧の変化は大きい。これ
により、検出された誘起電圧に多少の誤差があってもブ
ラシレスモータ1の特性から予め検出されていた誘起電
圧波形との比較によりロータ位置が検出され、得られた
位置誤差は小さい値である。次に、相電流が小さくなっ
て誘起電圧が波形3aのように変化した場合について考
える。この場合において、遮断期間を上記と同様に遮断
期間Aに設定したとき、誘起電圧の変化は小さい。その
結果、比較処理が難しく検出されたロータ位置は誤差が
大きくなる。そこで、この場合は遮断期間をずらし遮断
期間Bに設定すれば、誘起電圧の変化が大きくなり、そ
の結果、比較処理を精度高く行うことが可能となり、ロ
ータ位置の誤差が小さくなる。このように条件に応じて
遮断期間を適切に設定すれば、回転位置の誤差を小さく
することが可能となる。
【0027】実施例1の制御装置においては、相電流を
検出するセンサが設けられていないため、電流の大きさ
は分からない。しかし、パルス幅変調期間の通電率が大
きければ、印加電圧の大きさが大きくなり、相電流の大
きさは大きくなる。また、同じ通電率でも直流電圧が大
きいと相電流が大きい。従って、通電率と直流電圧との
積は相電流と相関性を有している。また、誘起電圧はモ
ータ速度によっても変化する。そこでモータ速度、通電
率と直流電圧との積、こ2つの値をパラメータとした2
次元で、付与すべき遮断期間の終了タイミング補正量の
マップを予め作成しておく。実施例1の場合、電気角1
80度期間中150度期間が通電する期間であるので、
遮断期間の終了タイミングが決まれば遮断期間の開始タ
イミングは自動的に得られる。
【0028】図5は、モータ速度(rpm)、及び通電率
(%)と直流電圧比(%:基準比)との積をパラメータ
とした2次元のマップである。図5において、Aはモー
タ速度(rpm)であり、Bは通電率(%)と直流電圧
比(%:基準比)との積を示している。図5のマップに
よれば、モータ速度Aが1000rpmで通電率が20%で直
流電圧が基準電圧と同じ時は、β21が遮断期間の終了タ
イミング補正量となる。図2に示したスイッチング信号
から分かるように各相の遮断期間は電気角60°ごとに
変わっている。ロータ位置の1回転を0°、60°、1
20°と60°刻みにすると、各相の遮断の終了タイミ
ングはその刻み位置に対し一定の位相差を持つことにな
る。その位相差が前述の補正量となる。図6は終了タイ
ミング補正量と実際の遮断期間との関係を示す波形図で
ある。図6において、(a)と(b)の信号波形はある
相の上流側スイッチング素子と下流側スイッチング素子
の信号波形である。(a)と(b)の信号波形におい
て、オフの期間が遮断期間である。図6に示すように、
刻み位置に対してβ21だけの位相を進めたところを遮断
期間の終了タイミングとする。他の相に関しても、刻み
位置を変えて同じようにタイミングを決められる。
【0029】図5に示したマップは、例えば直流電圧を
基準値(例えば240V)に固定した状態で、マップの
各点(例えばモータ速度が1000rpmで通電率が10%の点)
において、誘起電圧の変化が十分大きいところを検出し
て、モータ効率が最も良い遮断期間終了タイミングを実
験的にあるいは計算によって求めることによって作成さ
れる。このマップではパラメータを離散的にとっている
が、それ以外の場合は条件の近い点の値を線形補間して
遮断期間終了タイミングを得ることができる。
【0030】以上のように、第1の遮断期間タイミング
作成回路12は次のような動作を行う。第1の遮断期間
タイミング作成回路12にモータ速度演算回路10の出
力であるモータ速度、速度制御回路11の出力である通
電率指標、直流電圧検出回路8の出力である直流電圧が
入力されると、図5に示したようなマップを用いること
により、遮断期間終了タイミング補正量を求められる。
求められた値に応じて遮断期間終了タイミングが決定さ
れる。同時に遮断期間開始タイミングが求められる。こ
のように求められた遮断期間の開始タイミングと終了タ
イミングは第1のスイッチング信号作成回路6に出力さ
れる。実施例1の第1のスイッチング信号作成回路6は
電気周期で180度期間中150度を通電期間としてい
るが、本発明はこのような通電期間に限定されるもので
はなく、180度未満120度以上の通電期間としても
同様の構成が可能である。上記のように、実施例1のブ
ラシレスモータの制御装置は、ロータ3の回転位置の検
出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、高効率で広角通電制御を行うことができる。
【0031】《実施例2》 次に、本発明に係るブラシレスモータの制御装置の実施
例2について説明する。実施例2においては、モータ速
度、通電率指標、及び電源電圧のうち少なくとも1つ
変化率が所定値以上になったとき、遮断期間を徐々に長
くする制御を行う。そして、実施例2の制御装置は、モ
ータ速度、通電率指標、電源電圧のすべての変化率が所
定値以下になったとき、遮断期間を徐々に短くする制御
を行う。負荷状態あるいは制御状態が急変した場合に
は、誘起電圧も急変する。このような場合に、実施例2
の制御装置においては、遮断期間を長くすることにより
有効な誘起電圧を確実に検出して安定性を向上させてい
る。以下、実施例2のブラシレスモータの制御装置にお
ける制御方法について添付の図7から図9を用いて説明
する。
【0032】図7は実施例2のブラシレスモータの制御
装置の構成を示すブロック図である。図7において、前
述の実施例1における構成と同じものには図1と同じ番
号を付し、その説明は省略する。実施例2の制御装置
は、前述の実施例1の構成に加えて遮断期間タイミング
調整回路13が設けられている。遮断期間タイミング調
整回路13は、各相の遮断期間タイミングを決める第1
の遮断期間タイミング作成回路12の出力が入力され、
モータ速度、通電率指標、及び直流電圧の情報に基づい
て調整された遮断期間タイミングを第1のスイッチング
信号作成回路6へ出力する。
【0033】[遮断期間タイミング調整回路13の動
作]以下、遮断期間タイミング調整回路13の動作につ
いて説明する。なお、他の構成品は実施例1と同じ動作
を行うため、その動作説明は省略する。実施例1では決
められた一定時間内の遮断期間において発生する誘起電
圧情報を基にロータ位置を求めている。しかし、電気角
で60度ごとにしかロータ位置を求めていないため、モ
ータ速度変化が大きいとき、または通電率指標の変化が
大きいとき、または直流電圧の変化が大きいとき、その
ような遮断期間ではロータ角度を推定するのに適さなく
なる。
【0034】図8はモータ速度が急変する前後における
誘起電圧の波形図である。図8において、波形7a(実
線にて示す)がモータ速度の急変する前の誘起電圧波形
であり、波形7b(破線にて示す)がモータ速度の急変
した後の誘起電圧波形である。急変前の状態において、
遮断期間が誘起電圧の波形7aの頂部を含まない遮断期
間Cに設定されている場合、ロータ位置は誤差少なく算
出可能である。しかし、モータ速度が急変した後、誘起
電圧が波形7bになった時、遮断期間Cには波形7bの
頂部が含まれるため、この遮断期間Cでは誘起電圧の変
化が小さく、算出されたロータ位置の誤差が大きくなる
可能性がある。このような状態において算出されたロー
タ位置の誤差を小さくすることは、遮断期間の終了タイ
ミングを遅らせることによって達成することが可能とな
る。図8に示すように、誘起電圧が波形7bのようにな
った場合、遮断期間を遮断期間Cより長くして遮断期間
Dのように設定すると、誘起電圧の変化が大きくなり、
ロータ位置を誤差少なく算出可能となる。
【0035】負荷状態あるいは制御状態の変化として
は、上記のようなモータ速度の変化だけでなく、通電率
指標の変化や直流電圧の変化がある。このような状態の
急変を検知した時、上記のように遮断期間を長く設定
し、安定して精度の高いロータ位置を検出することによ
り、ブラシレスモータの制御を効率高く高精度に行うこ
とができる。上記のように遮断期間を長く設定する場合
には、ショックが起こらないよう徐々に長く設定する。
そして、再び安定状態に戻った場合には、通常状態の遮
断期間に戻すことによって、高効率、低振動駆動を行う
ことが可能となる。このように遮断期間を通常状態に戻
す場合にも、ショックが起こらないよう徐々に短く設定
する。
【0036】次に、実施例2における遮断期間タイミン
グ調整回路13の動作を図9のフローチャートを用いて
説明する。図9は遮断期間タイミング調整回路13の動
作を示すフローチャートである。図9に示すように、ス
テップ1において、遮断期間タイミング調整回路13に
は、第1の遮断期間タイミング作成回路12から遮断期
間タイミングが入力され、モータ速度演算回路10から
モータ速度ω入力され、速度制御回路11から通電率指
標δが入力され、そして直流電圧検出回路8から直流電
源電圧Vdcが入力される。
【0037】ステップ2において、モータ速度ω、通電
率指標δ、及び直流電源電圧Vdcについてそれぞれの
変化率Δω、Δδ、ΔVdcが計算される。変化率とは
1制御周期前の値と現在の値との比率であり、各変化率
は以下のように算出される。モータ速度ωの変化率Δω
は、Δω=ω(n)−ω(n−1)、で求められる。通
電率指標δの変化率Δδは、Δδ=δ(n)−δ(n−
1)、で求められる。直流電源電圧Vdcの変化率ΔV
dcは、ΔVdc=Vdc(n)−Vdc(n−1)、
で求められる。ステップ3において、算出された各変化
率Δω、Δδ、ΔVdcの絶対値がそれぞれ所定値Th
_Δω、Th_Δδ、Th_ΔVdcを超えているか、否
かが判断される。ここで、所定値Th_Δωはモータ速
度ωの変化率Δωに対する予め決められた閾値であり、
所定値Th_Δδは通電率指標δの変化率Δδに対する
予め決められた閾値であり、所定値Th_ΔVdcは直
流電源電圧Vdcの変化率ΔVdcに対する予め決めら
れた閾値である。
【0038】ステップ4において、各変化率Δω、Δ
δ、ΔVdcのいずれか1つでも所定値を超えていると
き、遮断期間終了タイミング補正量T_offを1制御
周期前の遮断期間終了タイミング補正量T_off(n
−1)の値に所定量(Xt)を加えた値とする。ステッ
プ4において設定された遮断期間が長くなりすぎると、
効率が悪くなるため、ステップ5において設定された遮
断期間が上限を越えるか否かが確認される。ステップ5
においては、遮断期間が電気角で60°になるところを
制限値とする。一方、ステップ3において全ての変化率
Δω、Δδ、ΔVdcの絶対値がそれぞれの所定値Th
_Δω、Th_Δδ、Th_ΔVdcを超えていないと判
断されたとき、ステップ6において現在の遮断期間終了
タイミング補正量T_offが0より大きいかが判断さ
れる。
【0039】現在の遮断期間終了タイミング補正量T_
offが0より大きければ、ステップ7において、1制
御周期前の遮断期間終了タイミング補正量T_off
(n−1)の値に所定量(Xt)を減算する。一方、現
在の遮断期間終了タイミング補正量T_offが0であ
れば、遮断期間終了タイミング補正量T_offはその
まま0を保持する。ステップ5、7、及び8において遮
断期間終了タイミング補正量T_offが決定されるの
で、ステップ9の遮断期間タイミング調整回路13は第
1の遮断期間タイミング作成回路12から入力された遮
断期間終了タイミングに決定された遮断期間終了タイミ
ング補正量T_offを加算して、新たな遮断期間終了
タイミングを算出し、第1のスイッチング信号作成回路
6に出力する。なお、実施例2においては、遮断期間開
始タイミングは変更せずそのまま第1のスイッチング信
号作成回路6に出力する。
【0040】以上のように実施例2の制御装置において
遮断期間を変更可能な構成とすることにより、モータ速
度等の状態の急変に対しても安定したロータ位置検出が
できる。従って、実施例2のブラシレスモータの制御装
置は、ロータ3の回転位置を高精度に検出することがで
きるため、高効率で広角通電制御を行うことができる。
実施例2における遮断期間調整回路13は、遮断期間の
終了タイミングのみを調整するが、遮断期間の開始タイ
ミングを調整する、あるいは遮断期間の開始タイミング
と終了タイミングの両方を同時に調整するよう構成して
も上記実施例2と同様の効果が得られる。このように実
施例2のブラシレスモータの制御装置は、ロータ3の回
転位置の検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用
いることなく、高効率で広角通電を行うことができる。
【0041】《実施例3》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例3について説明する。実施
例3の制御装置においては、通電率指標が所定値以上の
場合に遮断期間の開始タイミングと終了タイミングを早
めるよう構成されている。このように構成することによ
り、実施例3の制御装置は動作範囲の拡大が可能とな
る。以下、実施例3の制御装置における制御方法につい
て図10から図12を用いて詳細に説明する。図10は
実施例3のブラシレスモータの制御装置の構成を示すブ
ロック図である。図10において、前述の実施例1にお
ける構成と同じものには図1と同じ番号を付し、その説
明は省略する。実施例3の制御装置は、前述の実施例1
の構成に加えて進角量調整回路14が設けられている。
【0042】[進角量調整回路14の動作]以下、進角
量調整回路14の動作について詳細に説明する。なお、
他の構成品は実施例1と同じ動作を行うため、その動作
説明は省略する。モータ速度が速くなると誘起電圧は大
きくなる。一方、ブラシレスモータ1に印加できる電圧
は直流電源4によって制限されている。従って、ブラシ
レスモータ1の最高速には限界がある。ブラシレスモー
タ1の最高速をできるだけ高くする方法としては、誘起
電圧の位相に対して電流位相を進める弱め界磁制御と呼
ばれる制御方法がある。この制御方法によれば、ブラシ
レスモータ1のロータ3の最高回転数が高くなることが
知られている。
【0043】図11はブラシレスモータ1におけるトル
クとモータ回転数との関係を示すグラフである。図11
において斜線で示す領域がブラシレスモータ1の電流位
相の設定に対する動作範囲を示す。図11において、電
流位相の設定が基準値の場合、直線Aで示すトルク−モ
ータ回転数の関係となる。そのときの動作範囲は、直線
Aの下側の領域となり、この場合の最高速度がP1であ
る。図11に示すように、電流位相を基準値に対して1
0°進めると、直線Bの下側の領域が動作範囲となり、
そのときの最高速度はP2(P1<P2)になる。ま
た、電流位相を基準値に対して20°進めると、直線C
の下側の領域が動作範囲となり、そのときの最高速度が
P3(P2<P3)となる。そのときの印加電圧が限界
か否かは、速度制御回路11の出力である通電率指標δ
が約100%になっているかどうかにより判断できる。
【0044】次に、実施例3における進角量調整回路1
4の動作を図12を用いて説明する。図12は進角量調
整回路14の動作を示すフローチャートである。ステッ
プ1において、進角量調整回路14には第1の遮断期間
タイミング作成回路12から遮断期間タイミングが入力
され、速度制御回路11から通電率指標δが入力され
る。ステップ2において、通電率指標δが所定値Th_
δを超えているか否かが判断される。通電率指標δが所
定値Th_δを超えていればステップ3へ移行する。ス
テップ3において、通電率指標δが所定値Th_δを越
えている時、そのときの進角量T_gain(n)を1
制御周期前の進角量T_gain(n−1)の値に所定
量(Xg)加えた値とする。次に、ステップ4におい
て、加算処理された進角量T_gainが制限値を越え
ているか否かが判断される。
【0045】一方、ステップ2において通電率指標δが
所定値Th_δ未満と判断されたときは、ステップ5へ
移行する。ステップ5において、通電率指標δが所定値
Th_δ未満の時、現在の進角量T_gain(n)が0
より大きいか否かが判断される。進角量T_gainが
0より大きい場合には、ステップ6へ移行する。ステッ
プ6において、現在の進角量T_gain(n)が0よ
り大きければ1制御周期前の進角量T_gain(n−
1)の値に所定量(Xg)を減じる。一方、ステップ5
において現在の進角量T_gain(n)が0であると
判断されれば、ステップ7において進角量T_gain
(n)は0に保持される。ステップ4、6、及び7にお
いて現在の進角量T_gainが決定されるので、ステ
ップ8の進角量調整回路14は、第1の遮断期間タイミ
ング作成回路12から入力された遮断期間開始タイミン
グ及び遮断期間終了タイミングから進角量T_gain
だけタイミングを早め、新たな遮断期間開始タイミング
及び遮断期間終了タイミングを第1のスイッチング信号
作成回路6に出力する。
【0046】以上のように、実施例3のブラシレスモー
タの制御装置は、進角量調整回路14を設けて適切な進
角量を算出して制御することにより、ブラシレスモータ
1の最高速度を高くすることが可能となる。なお、実施
例3における通電率指標の閾値である所定値Th_δは
通電率の最大許容値とすることが望ましい。上記のよう
に、実施例3のブラシレスモータの制御装置は、ロータ
3の回転位置の検出のためにホール素子等の磁気検出手
段を用いることなく、効率高く制御することができると
共に、動作範囲の広い広角通電を行うことができる。
【0047】《実施例4》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例4について説明する。実施
例4の制御装置においては、通電期間における通電率の
時系列である通電パターンを変更するものである。実施
例4においては、通電期間開始から所定期間の通電率を
通電期間終了までの所定期間の通電率より大きくなるよ
う通電パターンを作成する。実施例4の制御装置によれ
ば、ブラシレスモータ1に対して負荷条件に応じた電圧
印加が可能となるため、相巻線における電流波形の変化
が滑らかになり高効率、低振動制御が実現できる。
【0048】以下、実施例4のブラシレスモータの制御
装置における制御方法について図13から図18を用い
て説明する。図13は実施例4のブラシレスモータの制
御装置の構成を示すブロック図である。図13におい
て、前述の実施例1における構成と同じものには同じ番
号を付して、その説明は省略する。実施例4の制御装置
においては、前述の実施例1の制御装置と異なるところ
は、第1のスイッチング信号作成回路の代わりに第2の
スイッチング信号作成回路16が設けられていること
と、通電パターン作成回路15が設けられていることで
ある。通電パターン作成回路15は、モータ速度、及び
通電率指標δの情報に基づいて通電パターンを作成し、
第2のスイッチング信号作成回路16へ出力する。第2
のスイッチング信号作成回路16は、各相の遮断期間の
開始タイミングと終了タイミング、通電パターン、及び
ロータ回転角度に基づいてスイッチング回路5の各スイ
ッチング素子51u、52u、51v、52v、51
w、52wへの通電・遮断信号を作成し出力する。
【0049】[通電パターン作成回路15の動作]次
に、通電パターン作成回路15の動作について詳細を説
明する。実施例4におけるその他の構成品は前述の実施
例1と同じ動作を行う。図14は電気角180度の期間
中150度の期間を通電期間とした場合のスイッチング
信号波形と電流波形である。図14において、(a)は
U相の上流側スイッチング素子51uへの通電・遮断信
号であり、(b)はU相の下流側スイッチング素子52
uへの通電・遮断信号である。また、図14の(c)は
パルス幅変調期間の通電率が小さい時のU相電流波形を
示し、(d)はパルス幅変調期間の通電率が大きい時の
U相電流波形を示している。ここで、パルス幅変調期間
とは各スイッチング素子への信号がモータ速度よりも速
い周期で通電・遮断を繰り返す期間のことである。図1
4において、パルス幅変調期間は期間T1、T2、T
4、T7、T8、T10である。パルス幅変調期間の通
電率は速度制御回路11の出力である通電率指標δの値
を用いる。
【0050】通電率指標δが小さい時の電流波形(c)
は正弦波に近い。一方、通電率が大きい時の電流波形
(d)において、期間T4及びT10では電流振幅が大
きくなる速度が遅い。また、期間T2及びT8では電流
振幅の小さくなる速度が遅いため方形波に近くなってい
る。発明者らは、通電率指標δが増えるほど(d)のよ
うな方形波に近い波形に近づいていくことをシミュレー
ション等で確認した。そのために、電流と誘起電圧の積
によって生じるトルクの波形にリップルが生じ、振動や
騒音が発生するとともに、効率も悪化する。期間T4と
T10での印加電圧を大きくすれば期間T4とT10で
の電流振幅の大きくなる速度が速くなり、期間T2とT
8での印加電圧を小さくすれば、期間T2とT8での電
流振幅の小さくなる速度が速くなる。印加電圧の上げ下
げ量は通電率指標δが大きくなるほど増やした方が良い
ことが容易に考えられる。
【0051】図15は通電パターンの違いによる電流波
形の変化を示す。図15の(e)と(f)は全てのパル
ス幅変調区間の通電率が同じ場合の上流側スイッチング
素子51uへの通電・遮断信号(e)、と下流側スイッ
チング素子52uへの通電・遮断信号(f)である。図
15の(g)はその時のU相巻線の相電流波形である。
図15の(h)と(i)は、期間T4とT10での通電
率を通電率指標+10%とし、期間T2とT8での通電
率を通電率指標―10%とし、期間T1とT7での通電
率を通電率指標と同じにしたときの上流側スイッチング
素子51uと下流側スイッチング素子52uへの通電・
遮断信号の波形である。図15の(j)はその時のU相
巻線の電流波形を示す。図15の(g)の電流波形と
(j)の電流波形とを比較すると理解できるように、図
15の(j)の電流波形は正弦波に近づいている。
【0052】次に、実施例4における通電パターン作成
回路15の動作を図16のフローチャートを用いて説明
する。図16は通電パターン作成回路15の動作を示す
フローチャートである。ステップ1において、通電パタ
ーン作成回路15にはモータ速度演算回路10からモー
タ速度ωが入力され、速度制御回路11から通電率指標
δが入力され、そして直流電圧検出回路8から直流電圧
Vdcが入力される。ステップ2において、モータ速度
ω、通電率指標δ、及び直流電圧Vdcから通電率補正
量Δdを算出する。この算出方法としては、例えば図1
7に示すようなマップによる。図17に示したマップに
おいて、Aはモータ速度(rpm)でありBは通電率(%)
に直流電圧比(%:基準比)を乗算したものである。マ
ップ値としては通電率が増えるほど通電率補正量Δdが
増えるように予め決定しておく。
【0053】ステップ2において通電率補正量Δdによ
り補正された通電率(δ±Δd)の値が0%を下回った
り100%を超えないようにする必要がある。このため
に、ステップ3において、求められた通電率補正量Δd
が限界値を超えていないかを確認する。ステップ4にお
いて、電気角180度期間において150度期間を通電
期間とする基本通電パターンに対し、その通電期間の最
初の30度区間の通電率をδ+Δdとし、通電期間の最
後の30度区間の通電率をδ―Δdとする通電パターン
を作成する。このように作成された通電パターンを第2
のスイッチング信号作成回路16へ出力する。
【0054】以上のように、実施例4の制御装置は、通
電パターン作成回路15を設けることにより、ブラシレ
スモータ1に供給される電流波形が改善されるので、結
果として振動、騒音が減少するとともに効率向上が図れ
ている。実施例4における通電パターン作成回路15に
おいては、通電期間が150度の通電パターンを基本パ
ターンとして有している例で説明したが、120度〜1
80度の間の通電期間の通電パターンを基本パターンと
しても実施例4と同様の効果が得られる。また、実施例
4における通電パターン作成回路15は通電開始タイミ
ングから30度の区間の通電率が通電終了までの30度
の区間の通電率よりも大きくなるよう設定したが、電気
角180度期間中の通電期間の長さに応じて通電率の変
更区間を複数設定した通電パターンに変更しても同様の
効果が得られる。また、実施例4における通電パターン
作成回路15は、通電開始タイミングから所定期間の通
電率を通電率指標に一定量を加算した例で説明したが、
加算する量は一定量である必要はない。図18の(a)
はある相のスイッチング素子への通電・遮断信号であ
り、(b)は通電率指標δを示す通電パターンである。
上記実施例4においては、図18の(b)に示すよう
に、期間T4、T8において一定量で通電率を上下させ
たが、図18の(c)の通電パターンに示すように期間
T4、T8において通電率に傾斜持たせるよう設定して
も同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】以上、実施例について詳細に説明したと
ころから明らかなように、本発明のブラシレスモータの
制御装置は次の効果を有する。本発明に係るブラシレス
モータの制御装置は、ロータ位置を得るために必要な誘
起電圧を検出するための遮断期間の開始タイミングと終
了タイミングを、モータ速度、通電期間のパルス幅変調
の通電率を決める通電率指標、及び直流電源電圧に基づ
いて決めるよう構成されている。このため、本発明のブ
ラシレスモータの制御装置は誘起電圧の変化が大きいと
ころで誘起電圧の検出を行うよう構成されているため、
誤差少なくロータ角度を検出できる。従って、本発明に
よれば、ロータの回転位置の検出のためにホール素子等
の磁気検出手段を用いることなく、高効率で安定した広
角通電を行うことができる。
【0056】本発明に係るブラシレスモータの制御装置
は、実施例2において説明したように、モータ速度の変
化率もしくは通電率指標の変化率もしくは直流電源電圧
の変化率が所定値以上であるときは遮断期間を徐々に長
くし、モータ速度の変化率と通電率指標の変化率と電源
電圧の変化率の全てが所定値以下であるときは遮断期間
を徐々に元に戻すよう構成されている。このため、本発
明のブラシレスモータの制御装置は状態の急変が生じて
も誘起電圧の変化が大きいところで誘起電圧の検出がで
きるため、安定して誤差少なくロータ角度を検出でき
る。従って、本発明によれば、ロータの回転位置の検出
のためにホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、高効率で安定した広角通電を行うことができる。
【0057】
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1におけるブラシレスモー
タの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のブラシレスモータの制御装置におけ
る各スイッチング素子の導通・遮断のタイミングを示す
波形図と各相の端子電圧波形図である。
【図3】実施例1におけるブラシレスモータのインダク
タンス特性を示す波形図である。
【図4】誘起電圧が変化した時の遮断期間において検出
される誘起電圧波形を示す説明図である。
【図5】実施例1における遮断期間の終了タイミングを
検索するために用いるマップを示す図である。
【図6】実施例1における終了タイミング補正量と実際
の遮断期間との関係を示す波形図である。
【図7】本発明に係る実施例2におけるブラシレスモー
タの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】モータ速度が急変した時の通常の遮断期間にお
ける誘起電圧波形と変更された遮断期間で検出される誘
起電圧波形との関係図である。
【図9】実施例2における遮断期間タイミング調整回路
の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る実施例3におけるブラシレスモ
ータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施例3の制御装置において電流位相を変え
た場合の動作範囲領域を示す図である。
【図12】実施例3における進角調整回路の動作を示す
フローチャートである。
【図13】本発明に係る実施例4におけるブラシレスモ
ータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例4における、各相のスイッチング素子
と巻線に入力される信号波形図であり、(a)はU相上
流側スイッチング素子に入力される通電・遮断信号であ
り、(b)はU相下流側スイッチング素子に入力される
通電・遮断信号であり、(c)は通電率指標が小さい場
合のU相電流波形であり、(d)は通電率指標が小大き
い場合のU相電流波形である。
【図15】実施例4における、各相のスイッチング素子
と巻線に入力される信号波形図であり、(e)はパルス
幅変調区間の通電率が通電率指標と同じ時のU相上流側
スイッチング素子に入力される通電・遮断信号であり、
(f)はパルス幅変調区間の通電率が通電率指標と同じ
時のU相下流側スイッチング素子に入力される通電・遮
断信号であり、(g)はU相に与えられる通電遮断信号
が(e)、(f)の時のU相電流波形であり、(h)は
パルス幅変調区間の通電率が通電率指標と異なる区間が
ある時のU相上流側スイッチング素子に入力される通電
・遮断信号であり、(i)はパルス幅変調区間の通電率
が通電率指標と異なる区間がある時のU相下流側スイッ
チング素子に入力される通電・遮断信号であり、(j)
はU相に与えられる通電遮断信号が(g)、(h)の時
のU相電流波形である。
【図16】実施例4における通電パターン作成回路の動
作を示すフローチャートである。
【図17】実施例4における通電率補正量を得るための
マップの一例を示す図である。
【図18】実施例4における基本通電パターンと変更後
の通電パターンを示す信号波形図であり、(a)は基本
通電パターンであり、(b)は通電パターンの開始後と
終了前で通電率を一定量増減して作成された通電パター
ンであり、(c)は通電パターンの開始後と終了前で通
電率を一定でない量増減して作成された通電パターンで
ある。
【図19】従来のブラシレスモータの制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図20】各相に発生する磁石による誘起電圧波形と電
気角との関係を示す図である。
【図21】従来のブラシレスモータの制御装置において
遮断期間で検出される誘起電圧波形を示す波形図であ
る。
【図22】従来のブラシレスモータの制御装置で負荷が
重くなったときの電流波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 モータ 2 ステータ 3 ロータ 4 直流電源 5 スイッチング回路 6 第1のスイッチング信号作成回路 7 誘起電圧検出回路 8 直流電圧検出回路 9 ロータ回転位置検出回路 10 モータ速度演算回路 11 速度制御回路 12 第1の遮断期間タイミング作成回路 13 遮断期間タイミング調整回路 14 進角量調整回路 15 通電パターン作成回路 16 第2のスイッチング信号作成回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松城 英夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 飯島 友邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 サハ スブラタ 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−37584(JP,A) 特開 平8−196096(JP,A) 特開 平11−168896(JP,A) 特開 平8−126381(JP,A) 特開 平5−211796(JP,A) 特開 平11−243698(JP,A) 特開2000−83397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/16 H02P 6/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数相の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 直流電源に接続された一対のスイッチング素子が電流の
    流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直列接
    続された直列回路を複数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各相の直列回路に供給される直
    流電圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に当該直列回路
    のスイッチング素子間に接続された巻線の端子に現れる
    誘起電圧を検出し、出力する誘起電圧検出手段、 前記誘起電圧検出手段から出力された誘起電圧に基づい
    前記ロータの回転位置を演算し、出力するロータ回転
    位置検出手段、 前記ロータの回転位置の時間による変化からモータ速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記モータ速度と指令速度との偏差に基づいて通電率指
    標を出力する速度制御手段、 前記モータ速度、前記直流電圧、及び前記通電率指標の
    うち少なくとも1つの値と前記ロータ回転位置検出手段
    から出力されたロータ回転位置とに基づいて、前記スイ
    ッチング回路の各相の直列回路の一対のスイッチング素
    子に同時に遮断信号を出力する期間である遮断期間の開
    始タイミングと終了タイミングとを各相分作成する遮断
    期間タイミング作成手段、前記モータ速度の変化率、前記直流電圧の変化率、前記
    通電率指標の変化率のうちいずれか1つが各々に設定さ
    れた所定値以上であることを検知した時、前記遮断期間
    が長くなるよう前記開始タイミングと前記終了タイミン
    グとを各相分調整する遮断期間タイミング調整手段、及
    び、 各相 の遮断期間の開始タイミングと終了タイミングと前
    記ロータ回転位置検出手段から出力されたロータ回転位
    置とに基づいて、各相の遮断期間には直列回路の両方の
    スイッチング素子への遮断信号を作成し、前記遮断期間
    以外の期間である導通期間には各直列回路の一対のいず
    れかのスイッチング素子への連続導通信号もしくは前記
    通電率指標に基づいた断続導通信号のいずれかの信号を
    作成するとともに、当該対の他方のスイッチング素子へ
    の遮断信号を作成して、前記スイッチング回路に出力す
    るスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記遮断期間タイミング調整手段は、遮
    断期間を所定の変化率で長くすることを特徴とする請求
    項1に記載のブラシレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 複数相の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 直流電源に接続された一対のスイッチング素子が電流の
    流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直列接
    続された直列回路を複数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各相の直列回路に供給される直
    流電圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に当該直列回路
    のスイッチング素子間に接続された巻線の端子に現れる
    誘起電圧を検出し、出力する誘起電圧検出手段、 前記誘起電圧検出手段から出力された誘起電圧に基づい
    て前記ロータの回転位置を演算し、出力するロータ回転
    位置検出手段、 前記ロータの回転位置の時間による変化からモータ速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記モータ速度と指令速度との偏差に基づいて通電率指
    標を出力する速度制御手段、 前記モータ速度、前記直流電圧、及び前記通電率指標の
    うち少なくとも1つの値と前記ロータ回転位置検出手段
    から出力されたロータ回転位置とに基づいて、前記スイ
    ッチング回路の各相の直列回路の一対のスイッチング素
    子に同時に遮断信号を出力する期間である遮断期間の開
    始タイミングと終了タイミングとを各相分作成する遮断
    期間タイミング作成手段、 前記モータ速度の変化率、前記直流電圧の変化率、前記
    通電率指標の変化率の すべてが各々に設定された所定値
    以下であることを検知した時、前記遮断期間が短くなる
    よう前記開始タイミングと前記終了タイミングとを各相
    分調整する遮断期間タイミング調整手段、及び、 各相の遮断期間の開始タイミングと終了タイミングと前
    記ロータ回転位置検出手段から出力されたロータ回転位
    置とに基づいて、各相の遮断期間には直列回路の両方の
    スイッチング素子への遮断信号を作成し、前記遮断期間
    以外の期間である導通期間には各直列回路の一対のいず
    れかのスイッチング素子への連続導通信号もしくは前記
    通電率指標に基づいた断続導通信号のいずれかの信号を
    作成するとともに、当該対の他方のスイッチング素子へ
    の遮断信号を作成して、前記スイッチング回路に出力す
    るスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とする ブラシレスモータの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記遮断期間タイミング調整手段は、前
    記遮断期間を所定の変化率で短くすることを特徴とする
    請求項3に記載のブラシレスモータの制御装置。
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