JP2002359991A - ブラシレスモータの制御方法及び制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御方法及び制御装置

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JP2002359991A
JP2002359991A JP2002086594A JP2002086594A JP2002359991A JP 2002359991 A JP2002359991 A JP 2002359991A JP 2002086594 A JP2002086594 A JP 2002086594A JP 2002086594 A JP2002086594 A JP 2002086594A JP 2002359991 A JP2002359991 A JP 2002359991A
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Toru Tazawa
徹 田澤
Kazunari Narasaki
和成 楢崎
Tomokuni Iijima
友邦 飯島
Hideo Matsushiro
英夫 松城
Suburata Saha
スブラタ サハ
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ロータ回転位置を検出するために
ホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意の
ブラシレスモータに対し、1点の誘起電圧検出値からで
も精度高くロータ位置を検出できるブラシレスモータの
制御方法及び制御装置を提供すること。 【解決手段】 本発明のブラシレスモータの制御方法及
び制御装置は、ロータ回転位置検出手段が検出誘起電圧
と誘起電圧基準値とが交差する時点である交点を検知
し、モータ速度演算手段がロータ回転位置検出手段によ
り検知された交点の時間間隔に基づいてブラシレスモー
タの回転速度を演算し、速度制御手段がブラシレスモー
タの指令速度と回転速度との偏差に基づいて通電率指標
を出力するよう構成されており、スイッチング信号作成
手段が前記交点において、回転速度及び通電率指標に基
づいてスイッチング素子群へスイッチング信号を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレスモータの
制御方法及び制御装置に関し、特にロータの回転位置の
検出をホール素子等の磁気検出手段を用いることなく行
う、いわゆるセンサレス制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータにおけるロータの回転
位置の検出をホール素子等の磁気検出手段を用いること
なく行う、いわゆるセンサレス制御装置の従来技術とし
ては特開平7−123773号公報に開示された技術が
ある。
【0003】以下、従来のブラシレスモータの制御装置
について説明する。図38は従来のブラシレスモータの
制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図3
8において、ブラシレスモータ101は、電流が流れる
相巻線121u、121v、121wがステータコア
(図示せず)に巻回されているステータ102、および
磁石が装着されているロータ103を備えている。各相
巻線121u、121v、121wはスイッチング回路
104に接続されており、相巻線121u、121v、
121wに印加される電圧が制御されている。このスイ
ッチング回路104には直流電圧105により電圧が供
給される。
【0004】スイッチング回路104は、電流の流れの
方向に対して上流側と下流側に配置された一対のスイッ
チング素子が直列に接続されており、この直列回路がU
相用、V相用、W相用として3つ設けられている。図3
8に示すように、U相用の直列回路は上流側スイッチン
グ素子141uと下流側スイッチング素子142uとを
有している。V相用の直列回路は上流側スイッチング素
子141vと下流側スイッチング素子142vとを有し
ている。W相用の直列回路は上流側スイッチング素子1
41wと下流側スイッチング素子142wとを有してい
る。
【0005】また、スイッチング回路104において
は、それぞれのスイッチング素子141u、142u、
141v、142v、141w、142wに逆方向で並
列に接続されたダイオード143u、144u、143
v、144v、143w、144wがそれぞれ設けられ
ている。スイッチング回路104におけるU相用のスイ
ッチング素子141u、142uの相互接続点には、ブ
ラシレスモータ101の相巻線121uが接続されてい
る。同様に、V相用のスイッチング素子141v、14
2vの相互接続点にはブラシレスモータ101の相巻線
121vが接続されており、W相用のスイッチング素子
141w、142wの相互接続点にはブラシレスモータ
101の相巻線121wが接続されている。セレクタ1
06はスイッチング回路104のスイッチング状態から
3相の巻線の内の無通電相の1相を選択し、A/D変換
器107がその相の端子電圧のアナログ値をデジタル値
へ変換する。制御部108は、検出された電圧からその
変化率及び転流時刻を決定し、ドライバ信号をドライバ
109へ出力する。そして、スイッチング回路104の
各スイッチング素子141u、142u、141v、1
42v、141w、142wはドライバ109により制
御される。
【0006】次に、上記のように構成された従来のブラ
シレスモータの制御装置における制御方法について説明
する。図39は、ブラシレスモータ101が従来の制御
装置により120度通電形駆動されており、ステータ1
02の各相巻線が理想的な転流タイミングで通電制御さ
れ、ブラシレスモータ101が一定速度で回転している
時の動作状態を示している。。図39において、(a)
はU相に現れる端子電圧波形である。また(b)はV相
に現れる端子電圧波形、(c)はW相に現れる端子電圧
波形である。また、(d)は無通電相の端子電圧をPW
M信号に同期して検出し、検出不能な点については検出
時間に対する変化量から外挿補間して得た処理波形であ
る。ここで図39の波形(d)の具体的な求め方につい
て説明する。図39の波形(a)〜(c)のうち有効な
誘起電圧情報は、Tsで示された区間内でかつA点やB
点のようなPWM信号に同期して検出した離散的な値で
ある。従って、例えば図39の区間Txの誘起電圧情報
は検出できない。そこで、A点やB点のような検出可能
な2点以上の誘起電圧情報の時間に対する変化率を求め
て、区間Txにおいて誘起電圧がどのように変化するか
を推定する。このような補間処理を行い、各相分の信号
をつなぐことにより図39に示した処理波形(d)を得
る。
【0007】次に、従来のブラシレスモータの制御装置
における転流タイミングの決め方について説明する。図
39の処理波形(d)において、転流タイミングを隣合
う相の推定誘起電圧が交差する時刻であるt1やt2の
ような屈曲点とする。これらの屈曲点がモータの理想的
(出力を最大限に引き出すことのできる状態)な転流タ
イミングである。もし、転流した時点において、隣り合
う相の推定された誘起電圧が偏差を有している場合に
は、ロータ位置が理想的でないと判断し、その偏差がな
くなるよう転流タイミングの補正を行う。このように、
従来のブラシレスモータの制御装置においては、ロータ
位置を推定してブラシレスモータの駆動を行っていた。
しかし、特開平7−123773号公報に開示された制
御装置においては、誘起電圧の時間に対する変化率を求
めるために2点以上の値を必要とした。従って、端子電
圧の検出回数はモータの回転数に応じて大きく変化す
る。高速になるに従って、誘起電圧検出回数は大幅に減
少するため、2点以上端子電圧が検出できない速度にな
ると誘起電圧の時間に対する変化率を求めることができ
ず、モータが停止するという問題があった。
【0008】このような問題を解決した装置として特開
平9−154294号公報に開示されたブラシレスモー
タの駆動方法がある。この特開平9−154294号公
報に開示された従来技術は、基本的には前述の従来技術
(特開平7−123773号公報に開示)と同じ制御方
法により駆動されている。ただし、特開平9−1542
94号公報に開示された従来技術においては、1つの端
子電圧検出値からブラシレスモータの制御を行ってい
る。誘起電圧V0はモータの原理からモータ回転数Nに
比例し、誘起電圧定数Keを用いて次式(1)で表され
る。
【0009】
【数1】
【0010】端子電圧の大きさは誘起電圧に比例するた
め、ある単位時間の電圧の変化量もモータ回転数Nに比
例し、端子電圧の時間に対する変化率(Δv/Δt)は
次式(2)で算出される。
【0011】
【数2】
【0012】式(2)において、αはモータ回転数Nに
対する端子電圧の変化率を表すモータ固有の定数を表
す。図40のグラフは、モータ駆動時において、端子電
圧を検出し、その検出された電圧の変化量を単位時間当
たりの電圧変化量に変換したものである。その電圧変化
量はモータ回転数に依存している。このため、2点以上
の端子電圧値が検出できる場合は、モータ回転数に対す
る端子電圧の変化量を算出し、端子電圧の検出回数が減
少した場合はモータ回転数に応じた端子電圧の変化率を
算出して使用する。具体的な算出方法は、図40に示し
たグラフ上の2点からそれ以外の部分を一次関数で近似
して外挿補間することによって算出する。この場合、検
出された1点の誘起電圧からでも外挿補間値によって前
記制御方法によりブラシレスモータを駆動できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、特開平
7−123773号公報に開示されている従来技術は、
原理的に2点以上の端子電圧が検出できなくなった場
合、誘起電圧の検出時間に対する変化率が計算できなく
なるため、転流時刻を決定できずモータが停止するとい
う問題を有していた。また、この従来技術において、制
御方法は、相隣り合う相の推定された誘起電圧が交差す
る時点を転流タイミングとしている。しかし、この制御
方法は表面磁石型ブラシレスモータに対してのみ成り立
つ。埋込磁石型ブラシレスモータの場合は、相隣り合う
相の推定された誘起電圧が交差する時点よりも早く転流
させた方が高効率になることが分かっている。
【0014】特開平9−154294号公報に開示され
ている従来技術においては、2点以上の誘起電圧が検出
できない場合の誘起電圧の時間に対する変化率を前記式
(2)に示した関係式からモータ回転数に比例したもの
として算出している。この特開平9−154294号公
報の制御方法は、特開平7−123773号公報の制御
方法と同様に、表面磁石型ブラシレスモータにしか成り
立たない。ブラシレスモータが埋込磁石型ブラシレスモ
ータの場合には式(2)は成り立たない。これは、埋込
磁石型ブラシレスモータの場合、検出された誘起電圧に
はモータ電流によるリラクタンス成分が含まれるからで
ある。
【0015】本発明は、上記従来技術における問題を解
決し、ロータの回転位置の検出のためにホール素子等の
磁気検出手段を用いることなく、任意のブラシレスモー
タに対し、検出された誘起電圧が1点であってもロータ
の回転位置を精度高く検出できるブラシレスモータの制
御装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るブラシレスモータの制御方法は、複
数の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロー
タとを備えたブラシレスモータのための制御方法であっ
て、供給される直流電圧を検出するステップ、遮断相の
端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、前記ブラシ
レスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準値を作成す
るステップ、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた
誘起電圧変化率を作成するステップ、検出された誘起電
圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点である交点
を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とに基づ
き検知し、若しくは検出された誘起電圧と前記誘起電圧
基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出するステ
ップ、検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブ
ラシレスモータの回転速度を演算するステップ、前記ブ
ラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏差に基
づいて通電率指標を出力するステップ、検知された前記
交点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて前記
ブラシレスモータを駆動するステップ、を有する。この
ため、本発明によれば、ロータの回転位置の検出のため
にホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意
のブラシレスモータに対し、検出された誘起電圧が1点
であってもロータの回転位置を精度高く検出できる。
【0017】本発明の他の観点のブラシレスモータの制
御方法は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石
を有するロータとを備えたブラシレスモータのための制
御方法であって、供給される直流電圧を検出するステッ
プ、遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステッ
プ、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧
基準値を作成するステップ、少なくとも2点の検出され
た誘起電圧の変化率に基づいて誘起電圧変化率作成テー
ブルを更新するステップ、更新された誘起電圧変化率作
成テーブルに基づき、前記ブラシレスモータの運転状態
に応じた誘起電圧の変化率を作成するステップ、検出さ
れた誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点で
ある交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値
とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と前記
誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出
するステップ、検知された前記交点の時間間隔に基づい
て前記ブラシレスモータの回転速度を演算するステッ
プ、前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度と
の偏差に基づいて通電率指標を出力するステップ、検知
された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標に基
づいて前記ブラシレスモータを駆動するステップ、を有
する。このため、本発明によれば、ロータの回転位置の
検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いること
なく、任意のブラシレスモータに対し、検出された誘起
電圧が1点であってもロータの回転位置を精度高く検出
できる。
【0018】本発明の他の観点のブラシレスモータの制
御方法は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石
を有するロータとを備えたブラシレスモータのための制
御方法であって、供給される直流電圧を検出するステッ
プ、遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステッ
プ、少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基
づいて誘起電圧基準値作成テーブルを更新するステッ
プ、更新された誘起電圧基準値作成テーブルに基づき、
前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
値を作成するステップ、前記ブラシレスモータの運転状
態に応じた誘起電圧変化率を作成するステップ、少なく
とも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づいて前記
誘起電圧基準値を補正するステップ、検出された誘起電
圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点である交点
を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とに基づ
き検知し、若しくは検出された誘起電圧と前記誘起電圧
基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出するステ
ップ、検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブ
ラシレスモータの回転速度を演算するステップ、前記ブ
ラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏差に基
づいて通電率指標を出力するステップ、検知された前記
交点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて前記
ブラシレスモータを駆動するステップ、を有する。この
ため、本発明によれば、ロータの回転位置の検出のため
にホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意
のブラシレスモータに対し、検出された誘起電圧が1点
であってもロータの回転位置を精度高く検出できる。
【0019】本発明の他の観点のブラシレスモータの制
御方法は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石
を有するロータとを備えたブラシレスモータのための制
御方法であって、供給される直流電圧を検出するステッ
プ、遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステッ
プ、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧
基準値を作成するステップ、前記ブラシレスモータの運
転状態に応じた誘起電圧変化率を作成するステップ、検
出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時
点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基
準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と
前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて
算出するステップ、検知された前記交点の時間間隔に基
づいて前記ブラシレスモータの回転速度を演算するステ
ップ、前記回転速度が所定値以上であるとき又は前記通
電率指標が所定値以上であることを検知したとき、検出
された誘起電圧に対する電流位相が進むよう誘起電圧基
準値を変更するステップ、検知された前記交点、前記回
転速度及び前記通電率指標に基づいて前記ブラシレスモ
ータを駆動するステップ、を有する。このため、本発明
によれば、ロータの回転位置の検出のためにホール素子
等の磁気検出手段を用いることなく、任意のブラシレス
モータに対し、検出された誘起電圧が1点であってもロ
ータの回転位置を精度高く検出できる。また、本発明に
よれば、ブラシレスモータの回転速度が所定値以上であ
るとき又は通電率指標が所定値以上であることを検知し
たとき、検出誘起電圧に対する電流位相が進むよう誘起
電圧基準値を変更するので、結果として弱め界磁制御を
することになり、運転動作範囲を拡大できる。
【0020】本発明の他の観点のブラシレスモータの制
御方法は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石
を有するロータとを備えたブラシレスモータのための制
御方法であって、供給される直流電圧を検出するステッ
プ、遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステッ
プ、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧
基準値を作成するステップ、前記ブラシレスモータの運
転状態に応じた誘起電圧変化率を作成するステップ、検
出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時
点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基
準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と
前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて
算出するステップ、検知された前記交点の時間間隔に基
づいて前記ブラシレスモータの回転速度を演算するステ
ップ、通電期間における通電率の通電パターンにおい
て、通電期間開始から所定時間の通電率の平均値が通電
期間終了までの所定時間の通電率の平均値より大きくな
るよう作成するステップ、検知された前記交点、前記回
転速度、前記通電率指標及び前記通電パターンに基づい
て前記ブラシレスモータを駆動するステップ、を有す
る。このため、本発明によれば、ロータの回転位置の検
出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、任意のブラシレスモータに対し、検出された誘起電
圧が1点であってもロータの回転位置を精度高く検出で
きる。また、本発明の他の特徴は通電期間開始から所定
時間の通電率の平均値が通電期間終了までの所定時間の
通電率の平均値より大きくなるよう通電パターンを作成
するため、ブラシレスモータの相巻線への電流波形が正
弦波状により近づき、高効率かつ低振動・低騒音の運転
が可能となる。
【0021】本発明に係るブラシレスモータの制御装置
は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石を有す
るロータとを備えたブラシレスモータのための制御装置
であって、一対のスイッチング素子が電流の流れの方向
に対して上流側と下流側に配置されて直列接続された直
列回路を複数有するスイッチング回路、前記スイッチン
グ回路の各直列回路に供給される直流電圧を検出する直
流電圧検出手段、前記スイッチング回路の1つの直列回
路の両方のスイッチング素子が同時に遮断されている期
間に、当該直列回路のスイッチング素子間に接続された
各相巻線の端子に現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検
出手段、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起
電圧基準値を作成する誘起電圧基準値作成手段、前記ブ
ラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変化率を
出力する誘起電圧変化率作成手段、検出された誘起電圧
と前記誘起電圧基準値とが交差する時点である交点を、
検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とに基づき検
知し、若しくは検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準
値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出するロータ回
転位置検出手段、前記ロータ回転位置検出手段により検
知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレス
モータの回転速度を演算するモータ速度演算手段、前記
ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏差に
基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、及び、前
記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点、
前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて複数の前記
スイッチング素子へスイッチング信号を出力する第1の
スイッチング信号作成手段、を具備する。このため、本
発明によれば、ロータの回転位置の検出のためにホール
素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意のブラシ
レスモータに対し、検出された誘起電圧が1点であって
もロータの回転位置を精度高く検出できる。
【0022】本発明の他の観点のブラシレスモータの制
御装置は、複数の巻線を有するステータと複数極の磁石
を有するロータとを備えたブラシレスモータのための制
御装置であって、一対のスイッチング素子が電流の流れ
の方向に対して上流側と下流側に配置されて直列接続さ
れた直列回路を複数有するスイッチング回路、前記スイ
ッチング回路の各直列回路に供給される直流電圧を検出
する直流電圧検出手段、前記スイッチング回路の1つの
直列回路の両方のスイッチング素子が同時に遮断されて
いる期間に、当該直列回路のスイッチング素子間に接続
された各相巻線の端子に現れる誘起電圧を検出する誘起
電圧検出手段、前記ブラシレスモータの運転状態に応じ
た誘起電圧基準値を作成する誘起電圧基準値作成手段、
少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
て誘起電圧変化率作成テーブルを更新する誘起電圧変化
率補正手段、更新された誘起電圧変化率作成テーブルに
基づき、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起
電圧の変化率を作成する誘起電圧変化率作成手段、検出
された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点
である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準
値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と前
記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算
出するロータ回転位置検出手段、前記ロータ回転位置検
出手段により検知された前記交点の時間間隔に基づいて
前記ブラシレスモータの回転速度を演算するモータ速度
演算手段、前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転
速度との偏差に基づいて通電率指標を出力する速度制御
手段、及び、前記ロータ回転位置検出手段により検知さ
れた前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づ
いて複数の前記スイッチング素子へスイッチング信号を
出力する第1のスイッチング信号作成手段、を具備す
る。このため、本発明によれば、ロータの回転位置の検
出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、任意のブラシレスモータに対し、検出された誘起電
圧が1点であってもロータの回転位置を精度高く検出で
きる。
【0023】本発明のさらに他の観点のブラシレスモー
タの制御装置は、複数の巻線を有するステータと複数極
の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
めの制御装置であって、一対のスイッチング素子が電流
の流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直列
接続された直列回路を複数有するスイッチング回路、前
記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電圧
を検出する直流電圧検出手段、前記スイッチング回路の
1つの直列回路の両方のスイッチング素子が同時に遮断
されている期間に、当該直列回路のスイッチング素子間
に接続された各相巻線の端子に現れる誘起電圧を検出す
る誘起電圧検出手段、少なくとも2点の検出された誘起
電圧の変化率に基づいて誘起電圧基準値作成テーブルを
更新する誘起電圧基準値補正手段、更新された誘起電圧
基準値作成テーブルに基づき、前記ブラシレスモータの
運転状態に応じた誘起電圧基準値を作成する誘起電圧基
準値作成手段、前記ブラシレスモータの運転状態に応じ
た誘起電圧の変化率を出力する誘起電圧変化率作成手
段、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差
する時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起
電圧基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起
電圧と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基
づいて算出するロータ回転位置検出手段、前記ロータ回
転位置検出手段により検知された前記交点の時間間隔に
基づいて前記ブラシレスモータの回転速度を演算するモ
ータ速度演算手段、前記ブラシレスモータの指令速度と
前記回転速度との偏差に基づいて通電率指標を出力する
速度制御手段、及び、前記ロータ回転位置検出手段によ
り検知された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指
標に基づいて複数の前記スイッチング素子へスイッチン
グ信号を出力する第1のスイッチング信号作成手段、を
具備する。このため、本発明によれば、ロータの回転位
置の検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いる
ことなく、任意のブラシレスモータに対し、検出された
誘起電圧が1点であってもロータの回転位置を精度高く
検出できる。
【0024】本発明のさらに他の観点のブラシレスモー
タの制御装置は、複数の巻線を有するステータと複数極
の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
めの制御装置であって、一対のスイッチング素子が電流
の流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直列
接続された直列回路を複数有するスイッチング回路、前
記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電圧
を検出する直流電圧検出手段、前記スイッチング回路の
1つの直列回路の両方のスイッチング素子が同時に遮断
されている期間に、当該直列回路のスイッチング素子間
に接続された各相巻線の端子に現れる誘起電圧を検出す
る誘起電圧検出手段、前記ブラシレスモータの運転状態
に応じた誘起電圧基準値を作成する誘起電圧基準値作成
手段、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電
圧の変化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、検出さ
れた誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点で
ある交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値
とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と前記
誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出
するロータ回転位置検出手段、前記ロータ回転位置検出
手段により検知された前記交点の時間間隔に基づいて前
記ブラシレスモータの回転速度を演算するモータ速度演
算手段、前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速
度との偏差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手
段、前記回転速度が所定値以上であるとき又は前記通電
率指標が所定値以上であることを検知したとき、検出誘
起電圧に対する電流位相が進むよう誘起電圧基準値を変
更する電流位相調整手段、及び、前記ロータ回転位置検
出手段により検知された前記交点、前記回転速度及び前
記通電率指標に基づいて複数の前記スイッチング素子へ
スイッチング信号を出力する第1のスイッチング信号作
成手段、を具備する。このため、本発明によれば、ロー
タの回転位置の検出のためにホール素子等の磁気検出手
段を用いることなく、任意のブラシレスモータに対し、
検出された誘起電圧が1点であってもロータの回転位置
を精度高く検出できる。また、本発明によれば、ブラシ
レスモータの回転速度が所定値以上であるとき又は通電
率指標が所定値以上であることを検知したとき、検出誘
起電圧に対する電流位相が進むよう誘起電圧基準値を変
更するので、結果として弱め界磁制御をすることにな
り、運転動作範囲を拡大できる。
【0025】本発明のさらに他の観点のブラシレスモー
タの制御装置は、複数の巻線を有するステータと複数極
の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
めの制御装置であって、一対のスイッチング素子が電流
の流れの方向に対して上流側と下流側に配置されて直列
接続された直列回路を複数有するスイッチング回路、前
記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電圧
を検出する直流電圧検出手段、前記スイッチング回路の
1つの直列回路の両方のスイッチング素子が同時に遮断
されている期間に、当該直列回路のスイッチング素子間
に接続された各相巻線の端子に現れる誘起電圧を検出す
る誘起電圧検出手段、前記ブラシレスモータの運転状態
に応じた誘起電圧基準値を作成する誘起電圧基準値作成
手段、前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電
圧の変化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、検出さ
れた誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する時点で
ある交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値
とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧と前記
誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて算出
するロータ回転位置検出手段、前記ロータ回転位置検出
手段により検知された前記交点の時間間隔に基づいて前
記ブラシレスモータの回転速度を演算するモータ速度演
算手段、前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速
度との偏差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手
段、通電期間における通電率の通電パターンにおいて、
通電期間開始から所定時間の通電率の平均値が通電期間
終了までの所定時間の通電率の平均値より大きくなるよ
う作成する通電パターン作成手段、及び、前記ロータ回
転位置検出手段により検知された前記交点、前記回転速
度、前記通電率指標及び前記通電パターンに基づいて複
数の前記スイッチング素子へスイッチング信号を出力す
る第2のスイッチング信号作成手段、を具備する。この
ため、本発明によれば、ロータの回転位置の検出のため
にホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意
のブラシレスモータに対し、検出された誘起電圧が1点
であってもロータの回転位置を精度高く検出できる。ま
た、本発明の他の特徴は通電期間開始から所定時間の通
電率の平均値が通電期間終了までの所定時間の通電率の
平均値より大きくなるよう通電パターンを作成するた
め、ブラシレスモータの相巻線への電流波形が正弦波状
により近づき、ブラシレスモータは高効率かつ低振動・
低騒音の運転が可能となる。
【0026】また、本発明の他の特徴は検出された誘起
電圧と誘起電圧基準値の交差時点が検出できない状況に
おいても、交差時点を得ることができるため確実にロー
タ位置を検出することができる。また、本発明の他の特
徴は遮断期間の短くなる高速時においても、検出遅れな
く交差時点を検知することができるため、確実にロータ
位置を検出することができ、電流波形乱れを抑える事が
できる。また、本発明の他の特徴は温度等によるモータ
パラメータの変動があっても検出誘起電圧が2点以上取
れるところの検出誘起電圧の変化率を基にテーブル値を
補正するため、常に高い精度のロータ位置検出が可能と
なる。また、本発明の他の特徴は還流終了後のロータ位
置検出に有効な誘起電圧への過渡変化を確実に無視でき
るので常に高い精度のロータ位置が検出が可能となる。
また、本発明の他の特徴は検出誘起電圧と誘起電圧基準
値が交差する時点を検出できないと判断したとき、遮断
相の通電を直ちに開始するので、確実に電圧印加状態の
切換を行うことができる。本発明に係るブラシレスモー
タの制御方法及び制御装置を、コンプレッサ、ファン、
及びポンプ等のブラシレスモータの使用機器に用いるこ
とにより優れた性能を奏する機器を提供することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るブラシレスモ
ータの制御方法及び制御装置の好ましい実施例について
添付の図面を用いて説明する。
【0028】《実施例1》図1は本発明に係る実施例1
のブラシレスモータの制御装置のシステム構成を示すブ
ロック図である。図1において、ブラシレスモータ1
は、電流が流れる相巻線21u、21v、21wがステ
ータコア(図示せず)に巻回されているステータ2、お
よび磁石が装着されているロータ3を備えている。各相
巻線21u、21v、21wはスイッチング回路4に接
続されており、相巻線21u、21v、21wに印加さ
れる電圧が制御されている。このスイッチング回路4に
は直流電源5により直流電圧が供給される。
【0029】スイッチング回路4は、電流の流れの方向
に対して上流側と下流側に配置された一対のスイッチン
グ素子が直列に接続されており、この直列回路がU相
用、V相用、W相用として3つ設けられている。図1に
示すように、U相用の直列回路は上流側スイッチング素
子41uと下流側スイッチング素子42uとを有してい
る。V相用の直列回路は上流側スイッチング素子41v
と下流側スイッチング素子42vとを有している。W相
用の直列回路は上流側スイッチング素子41wと下流側
スイッチング素子42wとを有している。また、スイッ
チング回路4においては、それぞれのスイッチング素子
41u、42u、41v、42v、41w、42wに逆
方向で並列に接続されたダイオード43u、44u、4
3v、44v、43w、44wがそれぞれ設けられてい
る。スイッチング回路4におけるU相用の上流側スイッ
チング素子41uと下流側スイッチング素子42uとの
相互接続点には、ブラシレスモータ1の相巻線21uが
接続されている。同様に、V相用の上流側スイッチング
素子41vと下流側スイッチング素子42vとの相互接
続点にはブラシレスモータ1の相巻線21vが接続され
ており、W相用の上流側スイッチング素子41wと下流
側スイッチング素子42wとの相互接続点にはブラシレ
スモータ1の相巻線21wが接続されている。
【0030】制御部6は、直流電源5からの直流電圧を
直接サンプリングする機能を持つ直流電圧検出回路7、
ブラシレスモータ1の各相巻線21u、21v、21w
に発生する誘起電圧を直接サンプリングする機能を持つ
第1の誘起電圧検出回路8、誘起電圧の基準値を作成す
る機能を持つ誘起電圧基準値作成回路9、誘起電圧変化
率を作成する機能を持つ誘起電圧変化率作成回路10、
検出誘起電圧と誘起電圧基準値とを使ってロータ回転位
置を求める機能を持つ第1のロータ回転位置検出回路1
1、ロータ回転位置の時間による変化からモータ速度を
求める機能を持つモータ速度演算回路12、指令速度と
求められたモータ速度との偏差から印加電圧の通電率指
標を求める機能を持つ速度制御回路13、ロータ回転位
置とモータ速度と通電率指標に基づいてスイッチング回
路4へのスイッチング信号を作成しスイッチング回路4
の各素子へ出力する機能を持つ第1のスイッチング信号
作成回路14、を有するマイクロコンピュータにより構
成される。スイッチング回路4の各スイッチング素子4
1u、42u、41v、42v、41w、42wは、制
御部6の第1のスイッチング信号作成回路14により制
御されている。
【0031】次に、上記のように構成された実施例1の
ブラシレスモータの制御装置におけるそれぞれの構成部
分の動作について詳細に説明する。まず、制御部6の第
1のスイッチング信号作成回路14の動作について説明
する。第1のスイッチング信号作成回路14は、スイッ
チング回路4の各スイッチング素子41u、42u、4
1v、42v、41w、42wに対し、導通指令信号ま
たは遮断指令信号を出力することにより、各相巻線21
u、21v、21wへの印加電圧が制御される。図2
は、スイッチング回路4の各スイッチング素子41u、
42u、41v、42v、41w、42wのタイミング
を示す信号波形と、各相巻線21u、21v、21wへ
の印加電圧(Vu、Vv、Vw)を示す波形図である。
図2における(a)〜(f)は、スイッチング素子41
u、41v、41w、42u、42v、42wに対する
導通、遮断の指令信号を示している。図2の(a)〜
(f)において"ハイレベル"が導通指令、"ローレベル"
が遮断指令を示す。
【0032】図2に示すように、期間K1においては、
U相用の上流側スイッチング素子41uが導通状態であ
り、下流側スイッチング素子42uが遮断状態である。
同様に、期間K1において、W相用の上流側スイッチン
グ素子41wと下流側スイッチング素子42w、及びV
相用の上流側スイッチング素子41vは遮断状態であ
る。但し、この期間K1においては、V相用の下流側ス
イッチング素子42vがパルス幅変調(PWM)で導通
・遮断のスイッチング動作を繰り返している。この結
果、U相用の上流側スイッチング素子41uと、V相用
の下流側スイッチング素子42vが導通状態となり、ス
テータ2のU相巻線21uからV相巻線21vへ電流が
流れる。
【0033】次に、期間K2においては、U相用の上流
側スイッチング素子41uが導通状態であり、V相用の
下流側スイッチング素子42vとW相用の下流側スイッ
チング素子42wがパルス幅変調(PWM)でスイッチ
ングの導通・遮断を繰り返している。このとき、他のス
イッチング素子41v、41w、42uは遮断状態であ
る。この結果、U相用の上流側スイッチング素子41u
とV相用の下流側スイッチング素子42vとW相用の下
流側スイッチング素子42wが導通し、ステータ2のU
相巻線21uからV相巻線21vとW相巻線21wへ電
流が流れる。同様に、期間K3においてはステータ2の
U相巻線21uからW相巻線21wへ電流が流れ、期間
K4においてはU相巻線21uとV相巻線21vからW
相巻線21wへ電流が流れる。また、期間K5において
はV相巻線21vからW相巻線21wへ電流が流れ、期
間K6においてはV相巻線21vからU相巻線21uと
W相巻線21wへ電流が流れる。
【0034】また、期間K7においてはV相巻線21v
からU相巻線21uへ、期間K8においてはV相巻線2
1vとW相巻線21wからU相巻線21uへ、期間K9
においては巻線21wから巻線21uへ、期間K10に
おいてはW相巻線21wからU相巻線21uとV相巻線
21vへ、期間K11においてはW相巻線21wからV
相巻線21vへ、期間K12においてはU相巻線21u
とW相巻線21wからV相巻線21vへ電流が流れる。
なお、実際には期間K1、K3、K5、K7、K9、K
11への遷移直後において、各ダイオード43u、43
v、43w、44u、44v、44wには短時間電流が
流れるが、その電流の流れについてはここでは省略して
いる。
【0035】なお、実施例1において、パルス幅変調の
通電率は速度制御回路13の出力である通電率指標の値
を用いる。上記のように期間K1〜K12の導通・遮断
のスイッチング動作を繰り返すことにより、ロータ3は
回転する。このようにロータ3を回転させる場合、相巻
線21u、21v、21wに流れる電流は、位相が12
0度ずつ異なる電流波形を有している。図2に示す波形
図において、期間K1の開始から期間K6の終了までの
間が電気角で180度期間を表している。図2に示すブ
ラシレスモータの駆動制御においては、各相とも電気角
180度期間中150度期間で電圧を印加する指令が入
力されている。
【0036】図2に示す波形図における期間の切り換
え、即ち通電状態の切り換えタイミングの求め方を図3
を用いて説明する。一つの相の一対のスイッチング素子
が共に遮断されている期間内において、同相の巻線に電
流が流れていない時に発生する誘起電圧は、第1の誘起
電圧検出回路8により検出される。図3において、期間
K5ではU相が上流側スイッチング素子41u、下流側
スイッチング素子42uとも遮断状態であるので、誘起
電圧の検出はU相巻線21uに対して行う。
【0037】誘起電圧基準値作成回路9から誘起電圧基
準値が出力される。誘起電圧基準値作成回路9の動作に
ついては後述する。検出誘起電圧と誘起電圧基準値が第
1のロータ回転位置検出回路11に時々刻々入力され、
両者が交差する時点が検出される。第1のロータ回転位
置検出回路11は、検出された交差時点に基づき次の誘
起電圧検出期間K7までの通電切り換えタイミングを求
める。図3に示す期間においては、期間K5の通電状態
から期間K6の通電状態への切り替わり点、および期間
K6の通電状態から期間K7の通電状態への切り替わり
点が存在するため、図3に示した(delay1)と
(delay2)を決めることになる。例えば、(de
lay1)は交差検出時点から位相的に10°後であ
り、(delay2)はさらに30°後と予め決める。
モータ速度演算回路12から得られるモータ速度ωを使
って上記位相差を切り換えまでの時間に換算し、以下の
式(3)と式(4)に示すようにタイミングを計算す
る。式(3)が期間K5の通電状態から期間K6の通電
状態への切り替わりの時刻を示しており、式(4)が期
間K6の通電状態から期間K7の通電状態への切り替わ
りの時刻を示している。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】式(3)と式(4)において、T0は検出
誘起電圧と誘起電圧基準値が交差した時刻を示す。この
タイミングが来たとき、通電状態を切り換える。次の誘
起電圧検出期間K7に達すると再び同様の処理が行われ
る。このようにタイミング算出処理を繰り返すことによ
り、通電の切り換えタイミングはその都度決定される。
しかし、従来のブラシレスモータの駆動方法である12
0度通電に比べて、図2に示すような通電期間が150
度の場合、1回の遮断期間は30度と短いため、誘起電
圧検出期間での最初の有効な検出誘起電圧が既に誘起電
圧基準値との交差点を過ぎていることが起こりうる。さ
らに、急激な負荷変動や速度変動があった場合、誘起電
圧が変化するためこのような状況が起こりやすい。この
ような場合の、既に誘起電圧基準値との交点を過ぎてい
る最初の有効な検出誘起電圧1つを用い、以下のように
真の交点を算出する。
【0041】図4は実施例1における誘起電圧検出値が
既に誘起電圧基準値を超えていた場合の真の交差点計算
の説明図である。図4に示すように、誘起電圧検出期間
での最初の有効な検出誘起電圧は、既に誘起電圧基準値
との交差点を過ぎている。この場合、検出誘起電圧と誘
起電圧基準値の交差時点を検出できない。この時は以下
のように交差点を算出して、ロータ位置を検知すること
ができる。図5は実施例1における交差点算出処理の流
れを示すフローチャートである。
【0042】第1のロータ回転位置検出回路11は、ス
テップ101において、誘起電圧変化の方向が判断され
る。誘起電圧変化率が正であれば、上昇区間でありステ
ップ102において、検出誘起電圧(V_det)が誘
起電圧基準値(V_ref)より大きいか否かが判断さ
れる。検出誘起電圧(V_det)が誘起電圧基準値
(V_ref)より小さければ交差時点を検出できると
判断して、交差点を検出するまで誘起電圧のサンプリン
グを繰り返す(ステップ104)。逆に、検出誘起電圧
(V_det)が誘起電圧基準値(V_ref)より大
きければ交差時点を検出できないと判断して、ステップ
106へ移行する。ステップ106において、検出誘起
電圧(V_det)と誘起電圧基準値(V_ref)と
の差(ΔV)を演算する。次に、ステップ107におい
て、誘起電圧変化率作成回路10の出力である誘起電圧
変化率(V_slp)と算出された差(ΔV)から、現
在時刻T1から真の交差点までの位相差Δθ(=V_s
lp×ΔV)を算出する。誘起電圧変化率作成回路10
の動作については後述する。次に、ステップ108にお
いて、モータ速度(ω)を使って算出された位相差(Δ
θ)を時間差ΔT(=Δθ/ω)に変換する。そして、
現在時刻T1から時間差(ΔT)の分だけ遡った時点を
交差点として確定する。
【0043】一方、ステップ101において、誘起電圧
変化率が負であれば、下降区間でありステップ103に
おいて、検出誘起電圧(V_det)が誘起電圧基準値
(V_ref)より小さいか否かが判断される。検出誘
起電圧(V_det)が誘起電圧基準値(V_ref)
より大きければ交差時点を検出できると判断して、交差
点を検出するまで誘起電圧のサンプリングを繰り返す
(ステップ104)。逆に、検出誘起電圧(V_de
t)が誘起電圧基準値(V_ref)より小さければ交
差時点を検出できない判断して、ステップ106へ移行
する。ステップ106以降の処理は前述の通りである。
上記のように、確定された交差点に基づき、切り換えタ
イミング(図4の(delay10)及び(delay
20))を計算する。このように算出されたタイミング
が来たとき、通電状態が切り換えられる。次の誘起電圧
検出期間に達すると、再び上記の交差点算出処理が行わ
れる。このように交差点算出処理が繰り返されることに
より、通電の切り換えタイミングはその都度決められ
る。
【0044】次に、誘起電圧基準値作成回路9の動作に
ついて説明する。誘起電圧基準値作成回路9にはブラシ
レスモータ1の運転状態の情報が入力され誘起電圧基準
値が出力される。図2で示すような通電パターンの場
合、検出誘起電圧の上昇と下降は直流電圧の1/2の値
を中心にして対称になるよう交互に現れてくる。図6
は、実施例1における誘起電圧基準値の設定方法の説明
図であり、上昇時の検出誘起電圧波形と下降時の検出誘
起電圧波形を示している。図6に示すように、上昇時の
誘起電圧基準値を直流電圧の1/2に基準値設定量を減
じた値とし、下降時の誘起電圧基準値を直流電圧の1/
2に基準値設定量を加えた値とする。このように設定す
ることにより交差点検出は周期が安定したものとなる。
ここで加減される基準値設定量は、ブラシレスモータ1
が効率高く運転される値をモータ回転速度に応じて予め
求められ、図7に示すようにテーブル化されている。
【0045】ブラシレスモータ1が埋込磁石形ブラシレ
スモータの場合、誘起電圧は磁石の成分とリラクタンス
による成分の合成として現れる。磁石の成分はモータ速
度に依存し、リラクタンスの成分はモータ速度とモータ
電流とに依存する。また、モータ電流と通電率指標には
相関関係がある。テーブル作成において動作範囲内で電
流による誘起電圧の変化を無視できる場合は、図7に示
すように、モータ速度における基準値設定量を示したテ
ーブルを予め作成する。また、誘起電圧の変化が無視で
きない場合には、図8に示すように、モータ速度と通電
率指標とにおける基準値設定量を示したテーブルを作成
しておく。このテーブルを用いて、入力されたブラシレ
スモータ1の運転状態の情報から導き出される値が、前
述の基準値設定量として出力される。本実施例では運転
状態の情報とはモータ速度である。図7に示すようなモ
ータ速度における基準値設定量を示したテーブルの代わ
りに、図8に示すようなモータ速度と通電率指標とにお
ける基準値設定量を示したテーブルを用いる場合、運転
状態の情報とはモータ速度と通電率指標である。
【0046】テーブルの参照値は離散的に設定されてい
るため、必要とするモータ速度や通電率指標がテーブル
の参照値に合致しないときは、その近傍の参照値の基準
値設定量を線形補間して必要な基準値設定量を算出す
る。例えば、図7に示したテーブルを使用して、モータ
速度が2400rpmの場合について説明する。図7の
テーブルによれば、モータ速度2000rpmにおいて
は基準値設定量が(V3)であり、モータ速度3000
rpmにおいては基準値設定量が(V4)である。この
ように得られた基準値設定量を下記式(5)により線形
補間してモータ速度2400rpm時の基準値設定量と
する。
【0047】
【数5】
【0048】次に、誘起電圧変化率作成回路10の動作
について説明する。誘起電圧変化率作成回路10にはブ
ラシレスモータ1の運転状態の情報が入力され誘起電圧
変化率が出力される。ブラシレスモータ1が埋込磁石型
ブラシレスモータの場合、誘起電圧変化率はモータ速度
と誘起電圧定数等のモータパラメータとモータ電流とに
よって変化する。また、モータ電流と通電率指標には相
関関係がある。従って、予め動作範囲内でのブラシレス
モータ1の運転状態に応じた誘起電圧変化率を調べてお
きテーブル化しておく。速度一定時に動作範囲内の負荷
条件で得られた誘起電圧の変化率の変化幅が十分小さけ
れば、図9に示すようなモータ速度における誘起電圧変
化率を示すテーブルを予め作成する。変化幅が大きけれ
ば図10に示すようなモータ速度と通電率指標とにおけ
るテーブルを予め作成する。このように作成されたテー
ブルを用いて、入力されたブラシレスモータ1の運転状
態の情報から導き出される値を誘起電圧変化率として出
力する。本実施例では運転状態の情報とはモータ速度で
ある。図9に示すようなモータ速度における誘起電圧変
化率を示したテーブルの代わりに、図10に示すような
モータ速度と通電率指標とにおける誘起電圧変化率を示
したテーブルを用いる場合の運転状態の情報とはモータ
速度と通電率指標である。
【0049】テーブルの参照値は離散的に設定されてい
るため、必要とするモータ速度や通電率指標が参照値に
合致しないときは、その近傍の参照値の誘起電圧変化率
を線形補間して必要な誘起電圧変化率を算出する。例え
ば、図9に示したテーブルを使用して、モータ速度が2
400rpmの場合について説明する。図9のテーブル
によれば、モータ速度2000rpmにおいては誘起電
圧変化率が(SLP3)であり、モータ速度3000r
pmにおいては誘起電圧変化率が(SLP4)である。
このように得られた誘起電圧変化率を下記式(6)によ
り線形補間してモータ速度2400rpm時の誘起電圧
変化率とする。
【0050】
【数6】
【0051】実施例1において、制御部6は直流電圧及
び誘起電圧を直接サンプリングする機能を有するマイク
ロコンピュータによって構成されているが、本発明はこ
のような構成に限定されるものではなく、別回路で直流
電圧および誘起電圧をサンプリングしてマイクロコンピ
ュータに入力するように構成することも可能である。ま
た、実施例1の通電パターンは電気周期で180度期間
中150度としているが、本発明はこのような通電期間
に限定されるものでなく180度未満120度以上の通
電期間としても同様の構成が可能である。また、実施例
1の通電パターンは遮断期間と次の遮断期間との間に2
個の切り換えタイミングを設けているが、本発明はこの
ようなパターンに限定されるものでなく、遮断期間と次
の遮断期間との間に複数の切り換えタイミングを有する
ように構成しても同様の構成が可能である。上記のよう
に、実施例1のブラシレスモータの制御装置は、ロータ
3の回転位置検出のためにホール素子等の磁気検出手段
を用いることなく、任意のブラシレスモータに対し、検
出された誘起電圧が1点であっても常に精度高くロータ
位置を検出できる。
【0052】《実施例2》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例2について説明する。実施
例2においては、前述の実施例1と同様に、検出誘起電
圧値、誘起電圧変化の方向及び誘起電圧基準値から交差
する時点を検出する処理を行っている。ただし、実施例
2の制御装置は、交差する時点を検出不可能と判断した
場合の切り換えタイミングの計算で、計算された切り換
えタイミングの時刻が既に切り換えのタイミングを過ぎ
ている場合でも対処できる装置である。以下、実施例2
のブラスレスモータの制御装置における制御方法につい
て図11を用いて説明する。実施例2の構成は前述の実
施例1における構成と同じである。
【0053】検出誘起電圧値、誘起電圧変化の方向及び
誘起電圧基準値から交差する時点が検出不可能と判断し
た場合に、実施例1と同様の手法で真の交差点が求めら
れる。この交差点を基準に切り換えタイミングを計算し
た際、切り換えタイミングが誘起電圧検出時点よりも時
間的に前になってしまう場合が起こりうる。図11は実
施例2における誘起電圧検出値が既に誘起電圧基準値を
超えていた場合の真の交差点計算の説明図である。
【0054】真の交差点を基準に切り換えタイミングを
計算したところ、図11において(delay11)で
示す時刻のようになったとする。この場合切り換えタイ
ミングが誘起電圧検出点より時間的に前になるため切り
換えを実現できなくなる。切り換えを行うためにはタイ
ミングを現時点T1よりも後に切り換えタイミングを設
定する必要がある。この場合には、誘起電圧検出時点後
直ちに切り換えを行えるような切り換えタイミング(d
elay12)に変更する。即ち、(delay12)
の設定は、誘起電圧検出時点T1の直後で切り換え処理
が可能な時間があればよく、例えば切り換え処理が可能
であれば誘起電圧検出時点T1の10μs後になるよう
設定することができる。このように変更することによ
り、切り換えを確実に行うことができる。上記のよう
に、実施例2のブラシレスモータの制御装置は、ロータ
3の回転位置検出のためにホール素子等の磁気検出手段
を用いることなく、任意のブラシレスモータに対し、常
に精度高くロータ位置を検出するとともに確実に電圧印
加状態の切換を行うことができる。
【0055】《実施例3》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例3について説明する。実施
例3においては、遮断期間が短くなる高速時に誘起電圧
基準値と検出誘起電圧との交差時点が検出可能な場合で
も、交差時点を計算により求めている。このように構成
された実施例3の制御装置は、遮断期間が短くなり1制
御周期の遅れが大きな角度差を生じる高速時において
も、高精度にロータ回転位置を検出することが可能とな
り、電流波形の乱れを減少させることができる。以下、
実施例3のブラシレスモータの制御装置における制御方
法について説明する。図12は実施例3のブラシレスモ
ータの制御装置の構成を示すブロック図である。図12
において、前述の実施例1における構成と同じものには
図1と同じ番号を付し、その説明は省略する。
【0056】実施例3の制御装置は、前述の実施例1の
構成における第1のロータ回転位置検出回路11の代わ
りに第2のロータ回転位置検出回路15が設けられてい
る。以下、第2のロータ回転位置検出回路15の動作に
ついて説明する。図13は検出された誘起電圧の端子電
圧における変化を示す図である。有効な誘起電圧は図1
3に示された太線部のようなPWMに同期した一部分で
ある。一方、高速時においては検出される誘起電圧の時
間変化率が大きくなる。従って、検出誘起電圧と誘起電
圧基準値との交点が図13の時刻Bのように誘起電圧検
出可能でない時点になることが起こりうる。図13の時
刻Aでは検出誘起電圧が誘起電圧基準値を超えていない
ため、時刻Cにおいて交点を越えたことが判明する。こ
れにより、実際は時刻Bが交点であるが、その交点の検
出が遅れてしまうという問題がある。この遅れは最大1
PWM分となり、高速運転においては大きな角度とな
る。例えば、PWM周期250μsで4極モータが40
00rpmで回っている時を考えると1PWMで進む角
度は12°になる。従って、特に通電幅が大きい、例え
ば165°通電では遮断期間が15°しかないにも関わ
らず、このばらつきがあると電流波形に乱れが生じ安定
した運転が困難となる。図14は、165°通電で運転
した場合の上記のような電流波形の乱れを示した図であ
る。そこで、実施例3の制御装置においては、モータ速
度が高速の場合、たとえ検出誘起電圧が誘起電圧基準値
と交差する前であっても交差時点を計算により求めて、
予めロータ位置を検知している。
【0057】図15は、実施例3の制御方法における交
差点算出のフローチャートである。検出誘起電圧値、誘
起電圧変化の方向及び誘起電圧基準値から交差する時点
が検出可能か否かを判断する。まず、第2のロータ回転
位置検出回路15は、ステップ301において、誘起電
圧変化の方向が判断される。誘起電圧変化率が正であれ
ば、上昇区間でありステップ302において、検出誘起
電圧(V_det)が誘起電圧基準値(V_ref)よ
り大きいか否かが判断される。検出誘起電圧(V_de
t)が誘起電圧基準値(V_ref)より小さければ交
差時点を検出可能と判断して、ステップ304へ移行す
る。逆に、検出誘起電圧(V_det)が誘起電圧基準
値(V_ref)より大きければ交差時点を検出できな
いと判断して、ステップ311へ移行する。一方、ステ
ップ301において、誘起電圧変化率が負であれば、下
降区間でありステップ303において、検出誘起電圧
(V_det)が誘起電圧基準値(V_ref)より小
さいか否かが判断される。検出誘起電圧(V_det)
が誘起電圧基準値(V_ref)より大きければ交差時
点を検出できると判断して、ステップ304へ移行す
る。逆に、検出誘起電圧(V_det)が誘起電圧基準
値(V_ref)より小さければ交差時点を検出できな
い判断して、ステップ311へ移行する。ステップ31
1以降の処理は、前述の実施例1において図5のステッ
プ106からステップ109で説明した方法により交差
点を算出する。
【0058】図16は、実施例3における高速時の真の
交差点を算出するための説明図である。誘起電圧変化が
図16に示すような上昇する期間である場合は、検出誘
起電圧が誘起電圧基準より大きければ交差時点を検出で
きないと判断する(ステップ302)。また、誘起電圧
変化が下降する期間である場合は、検出誘起電圧が誘起
電圧基準より小さければ交差時点を検出できないと判断
する。上記判断の結果、もし検出不可能と判断した場合
には、前述の実施例1で説明した方法により交差点を算
出する。もし検出可能判断した場合には、モータ速度が
所定値を越えるか否かを判断する(ステップ304)。
モータ速度が所定値以下であれば実施例1で説明した方
法により交差点が検出されるまで誘起電圧のサンプリン
グを続ける(図5のステップ104)。ステップ304
においてモータ速度が所定値を越えると判断した場合に
は、以下に説明する交差点算出処理を行う。
【0059】まず、図16に示すように検出誘起電圧
(V_det)と誘起電圧基準値(V_ref)との差
(ΔV)を演算する(ステップ305)。次に、誘起電
圧変化率作成回路10の出力である誘起電圧変化率(V
_slp)と前記差(ΔV)から、現在時刻T1から真
の交差点までの位相差Δθ(=V_slp×ΔV)を算
出する(ステップ306)。さらに、算出された位相差
Δθは、モータ速度を使って時間差ΔT(=Δθ/ω)
に変換される(ステップ307)。そして、現在時刻T
1から時間差ΔTの分だけ経過した時点を交差点と決定
する(ステップ308)。
【0060】次に、上記交差点算出処理を行うか否かの
判断値であるモータ速度の所定値の決定の仕方について
説明する。例えば、誘起電圧検出期間がPWM2周期分
より短くなるモータ速度とし、PWM周期250μsで
4極モータを165°通電で運転する場合について説明
する。この場合、誘起電圧検出期間は15°となる。P
WM2周期は500μsであるため、15°進む時間が
500μsとなるモータ速度を計算すると2500rp
mとなる。従って、このモータ速度を超えた場合におい
て、上記の交差点算出処理を行う。上記の例では、誘起
電圧検出期間がPWM2周期より短くなる場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなくP
WM2周期以上としてもよい。このように算出された交
差点に基づき次のスイッチング状態の切り換え点を求め
る。このように、スイッチング状態の切り換え点を算出
して、その算出値に従ってブラシレスモータを駆動す
る。
【0061】上記のように、実施例3のブラシレスモー
タの制御装置は、ロータ3の回転位置検出のためにホー
ル素子等の磁気検出手段を用いることなく、任意のブラ
シレスモータに対し、誘起電圧と誘起電圧基準との交差
点をより正確に得ることができる。また、正確なタイミ
ングでスイッチング状態の切り換えができるため電流波
形の乱れを抑えることができ、安定したブラシレスモー
タの駆動が可能となる。
【0062】《実施例4》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例4について説明する。実施
例4においては、温度変化等により誘起電圧が変化した
場合の誘起電圧変化率作成回路のテーブル値補正を行う
よう構成されている。このように構成することにより、
実施例4の制御装置は温度変化があっても常に安定した
高精度のロータ回転位置検出が可能となる。以下、実施
例4のブラシレスモータの制御装置における制御方法に
ついて説明する。図17は実施例4のブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。図17にお
いて、前述の実施例1における構成と同じものには図1
と同じ番号を付し、その説明は省略する。実施例4の制
御装置は前述の実施例1の構成に加えて誘起電圧変化率
補正回路16が設けられている。
【0063】以下、誘起電圧変化率補正回路16の動作
について説明する。ブラシレスモータにおいて、環境温
度が変化するとモータパラメータである誘起電圧定数及
び巻線抵抗値が変化する。これらの変化に伴って検出誘
起電圧が変化するため、予め求めておいた誘起電圧変化
率作成回路10のテーブル値にずれが生じてくる。そこ
で、以下のように、誘起電圧変化率作成回路10のテー
ブル値の補正を行う。図18はテーブル値補正処理を説
明するための図である。図18に示すように、時刻A点
で誘起電圧VAが検出され、時刻B点で誘起電圧VBが
検出されたとする。また、時刻A点と時刻B点との2点
間の時間差ΔTを、モータ速度を使って位相差Δθに変
換する。これらデータを使って誘起電圧変化率SLP_
Xは、次式(7)により算出される。
【0064】
【数7】
【0065】上記と同じ条件の時の誘起電圧変化率作成
回路10の出力値をSLP_ORGとする。この誘起電
圧変化率SLP_ORGと算出された誘起電圧変化率S
LP_Xとを使って次式(8)により、新たな誘起電圧
変化率SLP_NEWを算出し、PI制御でテーブル値
を更新する。
【0066】
【数8】
【0067】式(8)において、Kp、Kiは更新のゲ
インである。ゲインはブラシレスモータの動作時の温度
変化率を考慮して決められる。また、誘起電圧が1点し
か検出できない領域の誘起電圧変化率は、以前に誘起電
圧を2点以上検出して補正したテーブル値から温度変化
を類推して、その温度変化から求めて更新する。例え
ば、図19に示すような特定のモータ速度における温度
変化に対する誘起電圧変化率のテーブルを予め作成して
おく。現在のモータ速度が2000rpmで補正後の誘
起電圧変化率がSLP34だったとする。このテーブル
から温度は60℃になっていると類推できる。従って、
他のモータ速度における温度60℃での誘起電圧変化率
の値が得られる。
【0068】実施例4においては、2点の検出誘起電圧
を用いて誘起電圧変化率を算出しているが、検出誘起電
圧値の変化率を2点以上計算し、それらの平均値を用い
ても実施例4と同様の動作を実現できる。また、実施例
4では誘起電圧を1点しか検出できない領域の誘起電圧
変化率の補正を図19に示すようなテーブルに基づいて
行っているが、誘起電圧の理論式から温度変化を計算し
て誘起電圧変化率の補正を行っても同様の動作を実現で
きる。
【0069】埋込磁石型ブラシレスモータのように突極
性を持つブラシレスモータの場合、遮断期間における、
例えばU相に発生する誘起電圧Vuを導出すると下記に
示す式(9)となる。
【0070】
【数9】
【0071】式(9)において、Vv、Vwはそれぞれ
V相、W相の端子電圧、ivは中性点に流れる方向を正
とする相電流、Φu、Φv、Φwはそれぞれ各相におけ
る中性点から見た磁石による誘起電圧、ωはモータ速
度、Rは相抵抗である。また、La、Lasは、図20
に示されるようなロータ位置によって変化する1相あた
りの有効インダクタンスを示すパラメータである。図2
0において、縦軸が有効インダクタンス[L]、横軸が
電気角[θ]である。従って、誘起電圧の温度変化を、
例えば以下のように理論計算が可能となる。温度依存の
モータパラメータを変更して、異なる2つの角度での誘
起電圧を計算する。その傾きから計算された誘起電圧変
化率と検出された誘起電圧から得られた誘起電圧変化率
が一致する温度条件を求める。その温度条件において、
誘起電圧を1点しか検出できない領域の誘起電圧変化率
を計算して、補正を行う。上記のように、実施例4のブ
ラシレスモータの制御装置は、ロータ3の回転位置検出
のためにホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、任意のブラシレスモータに対し、温度変化により誘
起電圧が変化しても常に精度高くロータ位置を検出する
ことができる。
【0072】《実施例5》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例5について説明する。実施
例5においては、温度変化等により誘起電圧が変化した
場合の誘起電圧基準値作成回路のテーブル値補正を行う
よう構成されている。このように構成することにより、
実施例5の制御装置は温度変化があっても常に安定して
精度高くロータ回転位置を検出することができる。以
下、実施例5のブラシレスモータの制御装置における制
御方法について説明する。図21は実施例5のブラシレ
スモータの制御装置の構成を示すブロック図である。図
21において、前述の実施例1における構成と同じもの
には図1と同じ番号を付し、その説明は省略する。
【0073】実施例5の制御装置は前述の実施例1の構
成に加えて誘起電圧基準値補正回路17が設けられてい
る。以下、誘起電圧基準値補正回路17の動作について
説明する。ブラシレスモータの環境温度が変化するとモ
ータパラメータである誘起電圧定数および巻線抵抗値が
変化する。これらの変化により、検出誘起電圧が変化す
るため、予め求めておいた誘起電圧基準値作成回路9の
テーブル値は最適なものでなくなる。そこで、以下のよ
うにして、誘起電圧基準値作成回路9のテーブル値の補
正を行う。
【0074】図22は特定のモータ速度における温度変
化に対して最大効率駆動を実現できる誘起電圧基準値作
成回路9のテーブルである。図22に示すように、各モ
ータ速度における温度変化に対する変化表を予め作成す
る。一方、2点以上の検出誘起電圧値から誘起電圧変化
率を算出する。そして、図22に示すような変化表から
温度変化を求める。この温度変化に基づいて、新しいテ
ーブル値を求め変化表を更新する。上記のように、実施
例5のブラシレスモータの制御装置は、ロータ3の回転
位置検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用いる
ことなく、任意のブラシレスモータに対し、温度変化に
より誘起電圧が変化してもブラシレスモータを常に高効
率で駆動制御できる。
【0075】《実施例6》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例6について説明する。実施
例6においては、通電率指標が飽和したことを検知した
時、誘起電圧基準作成回路の出力を電流位相が進むよう
変更する。以下、実施例6のブラシレスモータの制御装
置における制御方法について説明する。図23は実施例
6のブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロック
図である。図23において、前述の実施例1における構
成と同じものには図1と同じ番号を付し、その説明は省
略する。
【0076】実施例6の制御装置は前述の実施例1の構
成に加えて電流位相調整回路18が設けられている。以
下、電流位相調整回路18の動作について説明する。ブ
ラシレスモータの磁石による誘起電圧はモータ速度に比
例する。高速時には誘起電圧が高くなるのでモータ電流
を流すための印加電圧も高くする必要がある。しかし、
通電率指標が飽和するとそれ以上の電圧を印加すること
ができなくなるため、モータ速度は通電率指標の飽和に
より制限される。この時、誘起電圧に対し電流位相を進
めれば最大回転数が伸びることが知られている。実施例
6の制御装置においては、誘起電圧基準値を可変とでき
るため電流位相も制御可能となる。
【0077】図24は実施例6における誘起電圧基準値
の違いによる誘起電圧と電流位相との関係を説明する図
である。図24において、(a)と(b)は誘起電圧と
モータ電流とを示している。(a)が誘起電圧基準値を
交差点を検出するレベルとし、(b)は誘起電圧基準値
に調整量βを加えた値を交差点を検出するレベルとして
いる。図24から分かるように、検出誘起電圧との交差
点を得るための基準値が異なると、誘起電圧に対する電
流位相が変化する。図24においては、(b)の方が
(a)よりも誘起電圧に対する電流位相が進んでいる。
このように誘起電圧基準値に加える調整量βを変更する
ことにより電流位相を調整することができる。
【0078】次に、電流位相調整回路18の動作につい
て説明する。図25は電流位相調整回路18の動作を示
すフローチャートである。電流位相調整回路18に速度
制御回路13の出力である通電率指標が入力されると、
ステップ601において通電率指標が所定値以上か否か
が判断される。通電率指標が飽和に近い時、電流位相調
整回路18が有効に機能するようにしきい値としての所
定値を飽和に近い値(例えば90%)に設定する。ステ
ップ601において、通電率指標が所定値以上であれば
調整量βを増加し(ステップ602)、通電率指標が所
定値を下回れば調整量βを減じる(ステップ604)。
ただし、増加した調整量βが多すぎると誘起電圧最大値
を超えてしまい、減じた調整量βが負になると効率が悪
化するという問題がある。そこで、ステップ602の
後、増加した調整量βに対して最大調整量までに制限す
るリミット処理をステップ603において行う。このよ
うにリミット処理を行った結果を新たな調整量βとして
電流位相調整回路18は出力する。一方、減じた調整量
βが負か否かはステップ605において判断される。減
じた調整量βが正であれば、電流位相調整回路18はそ
のまま調整量βを出力する。一方、減じた調整量βが負
であれば、ステップ606において調整量βを0として
出力する。
【0079】誘起電圧基準値作成回路9の出力である誘
起電圧基準値と電流位相調整回路18の出力である調整
量βの和が第1のロータ回転位置検出回路11に入力さ
れ、この第1のロータ回転位置検出回路11において誘
起電圧基準値と誘起電圧が交差する時点が求められる。
実施例6における電流位相調整回路18は、通電率指標
を基に調整量を決定している。しかし、モータ速度によ
り負荷状態がほぼ決定する場合には、通電率指標が飽和
するモータ速度が分かる。従って、通電率指標の代わり
にモータ速度に基づいて調整量を決定して、出力するよ
うに構成しても上記実施例6と同様の動作を行うことが
できる。上記のように、実施例6のブラシレスモータの
制御装置は、ロータ3の回転位置検出のためにホール素
子等の磁気検出手段を用いることなく、任意のブラシレ
スモータに対し、誘起電圧に対する電流位相を制御し動
作範囲を広げることができる。
【0080】《実施例7》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例7について説明する。実施
例7においては、通電期間における通電率の時系列であ
る通電パターンにおいて、通電期間開始から所定期間の
通電率が通電期間終了までの所定期間の通電率より大き
くなるよう通電パターンを作成する。このような制御方
法を有するため、実施例7のブラシレスモータの制御装
置は、負荷条件に合った電圧印加ができるため、電流波
形の変化が滑らかになり、高効率、低振動制御が実現で
きる。以下、実施例7のブラシレスモータの制御装置に
おける制御方法について図を用いて説明する。図26は
実施例7のブラシレスモータの制御装置の構成を示すブ
ロック図である。図26において、前述の実施例1にお
ける構成と同じものには図1と同じ番号を付し、その説
明は省略する。
【0081】実施例7では前述の実施例1の構成に加え
て通電パターン作成回路19が設けられている。そし
て、第1のスイッチング信号作成回路14の代わりに第
2のスイッチング信号作成回路20が設けられている。
通電パターン作成回路19は、モータ速度に応じて通電
パターンを作成し、第2のスイッチング信号作成回路2
0へ出力する。第2のスイッチング信号作成回路20は
通電パターン、ロータ回転位置、モータ速度、通電率指
標によりスイッチング回路4の各スイッチング素子への
通電・遮断信号を作成し出力する。
【0082】以下、通電パターン作成回路19の動作に
ついて詳細を説明する。図27は通電パターンの違いに
よる電流波形の変化を示す図である。図27の(a)は
全てのパルス幅変調区間の通電率が同じ場合の上流側ス
イッチング素子41uへの通電・遮断信号を示してお
り、(b)は全てのパルス幅変調区間の通電率が同じ場
合の下流側スイッチング素子42uへの通電・遮断信号
を示している。図27の(c)はその時(図27の
(a)、(b)の時)のU相巻線の相電流波形である。
図27の(d)と(e)は期間K4とK10での通電率
を通電率指標+30%とし、期間K2とK8での通電率
を通電率指標―30%とし、期間K1とK7での通電率
を通電率指標と同じにしたときの上流側スイッチング素
子41uと下流側スイッチング素子42uへの通電・遮
断信号の波形である。図27の(f)はその時(図27
の(d)、(e)の時)のU相巻線の電流波形を示す。
図27の(c)の電流波形と(f)の電流波形とを比較
すると理解できるように、図27の(f)の電流波形は
正弦波に近づいている。図示していないが、この時、期
間K3とK9で検出される誘起電圧は同じ形である。即
ち、図27の電流波形(c)と電流波形(f)はともに
誘起電圧に対する位相差が同じである。ここで効率につ
いて考える。効率には誘起電圧と電流との位相差が大き
く寄与する。図27から理解できるように、誘起電圧と
電流との位相差を変化させることなく、通電パターンを
変えることにより電流波形を滑らかにすることができ
る。このため、実施例7の制御装置においては、高効率
を保ったまま、低振動、低騒音を実現することが可能と
なる。
【0083】次に、実施例7における通電パターン作成
回路19の動作について図28のフローチャートを用い
て説明する。ステップ701において、モータ速度ωか
ら通電率補正率Δdを算出する。算出方法としては、例
えば図29に示すようなモータ速度に対する通電率補正
率Δdのテーブルから求める。ステップ702におい
て、通電率補正率により補正された通電率δ×(1±Δ
d)の値が0%を下回ったり100%を超えないように
する必要がある。このために、ステップ702におい
て、求められた通電率補正率Δdが限界値を超えていな
いかを確認する。ステップ703において、電気角18
0度期間において150度期間を通電区間とする基本通
電パターンに対し、その通電期間の最初の30度区間の
通電率をδ×(1+Δd)とし、通電期間の最後の30
度区間の通電率をδ×(1―Δd)とする通電パターン
を作成する。このように作成された通電パターンを第2
のスイッチング信号作成回路20へ出力する。
【0084】以上のように、実施例7の制御装置は、通
電パターン作成回路19を設けることにより、ブラシレ
スモータ1に供給される電流波形が改善されるため、そ
の結果として、振動・騒音が減少するとともに高効率運
転を実現することができる。実施例7における通電パタ
ーン作成回路19は、図29に示すようなモータ速度に
対するテーブルを用いている。ブラシレスモータ1が埋
込磁石型モータの場合、誘起電圧はモータ速度とモータ
電流とによって変化する。また、モータ電流は通電率指
標と相関関係がある。従って、動作範囲内において通電
率指標の変化の影響を無視できない場合には、図30に
示すようなモータ速度と通電率指標とに応じたテーブル
を作成して用いても上記実施例7と同様の効果が得られ
る。また、実施例7における通電パターン作成回路19
は、通電期間150度の通電パターンを基本パターンと
して有しているが、120度以上180度未満の通電パ
ターンを基本パターンとしても同様の効果が得られる。
また、実施例7における通電パターン作成回路19は、
通電開始タイミングから30度の区間の通電率が通電終
了までの30度の区間の通電率よりも大きくなるように
設定したが、電気角180度期間中の通電期間の長さに
応じて変更しても同様の効果が得られる。
【0085】また、実施例7における通電パターン作成
回路19は、通電開始タイミングから所定期間の通電率
を通電率指標より一定量を加算した例で説明したが、加
算する量は一定量である必要はない。図31の(a)は
ある相のスイッチング素子への通電・遮断信号であり、
(b)は通電率指標δを示す通電パターンである。上記
実施例7においては、図31の(b)のように、期間K
4、K8において一定量で通電率を上下させたが、図3
1の(c)図の通電パターンに示すように期間K4、K
8において通電率に傾斜を持たせるように設定しても同
様の効果が得られる。上記のように、実施例7のブラシ
レスモータの制御装置は、ロータ3の回転位置検出のた
めにホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、任
意のブラシレスモータに対し、高効率かつ低振動・低騒
音運転ができる。
【0086】《実施例8》次に、本発明に係るブラシレ
スモータの制御装置の実施例8について説明する。実施
例8のブラシレスモータの制御装置においては、還流終
了判断後、所定時間経過するまでの検出誘起電圧はロー
タ位置検出のためのデータとして用いない構成である。
このように構成することにより、誘起電圧と誘起電圧基
準の交差時点を正しく検出することができ、安定したブ
ラシレスモータの駆動を実現することができる。以下、
実施例8のブラシレスモータの制御装置における制御方
法について図を用いて説明する。図32は実施例8のブ
ラシレスモータの制御装置の構成を示すブロック図であ
る。図32において、前述の実施例1における構成と同
じものには図1と同じ番号を付し、その説明は省略す
る。実施例8の制御装置は、前述の実施例1の構成にお
ける第1の誘起電圧検出回路8の代わりに第2の誘起電
圧検出回路21が設けられている。
【0087】以下、第2の誘起電圧検出回路21の動作
について詳細を説明する。ロータ位置検出に用いられる
誘起電圧は、スイッチング素子が共に遮断されている期
間内で、同相の巻線に電流が流れていない時に発生する
誘起電圧である。しかし、誘起電圧検出相の切り替わり
直後は、スイッチング素子の逆並列接続されたダイオー
ドに電流が流れる還流状態となり、巻線に電流が流れて
いる。この還流状態では電流の流れる向きによって端子
電圧は電源電圧の正側もしくは負側の電圧となる。端子
電圧がこの状態から変化すれば還流終了と判断でき、以
後検出誘起電圧によってロータ位置を検出できる。実際
の端子電圧変化はスイッチング素子やダイオードの応答
性などの理由から、瞬間的に有効な誘起電圧レベルへ変
化するわけではなく、ある時間を要する。この変化時の
誘起電圧検出値を用いずにロータ位置を判断する必要が
ある。そこで、第2の誘起電圧検出回路21は図33に
示す処理を行う。図33は、第2の誘起電圧検出回路2
1の動作を示すフローチャートである。
【0088】まず、誘起電圧検出相の切り替わり後、端
子電圧を検出して、電源電圧の正側か負側かを判断する
(ステップ801)。何回か端子電圧の検出を行ってい
るうちに還流が終了し、端子電圧レベルが変化してく
る。ステップ802又はステップ803において、端子
電圧が所定値α以上の変化を検知したとき、そのときか
ら時間Txは端子電圧を検出しない待ちの状態(ウエイ
ト)となる。ここで、αはノイズ等の誤判断をしない程
度の値に設定する。例えば、電源電圧の10%を設定す
る。時間Txは端子電圧は変化し始めるがロータ位置判
断に有効な誘起電圧となるまでの過渡状態を無視できる
程度の時間に設定する。時間Txを経た後、再び誘起電
圧を検出して誘起電圧基準値と比較する。
【0089】図34は誘起電圧検出相の端子電圧の検出
相切替点以降の様子を示している。図34において、
(a)は還流終了後、検出誘起電圧と誘起電圧基準値が
交差する場合の様子、(b)は還流終了後、検出誘起電
圧と誘起電圧基準値が交差しない場合の様子、(c)は
還流終了後、検出誘起電圧と誘起電圧基準値が交差する
が還流終了後ノイズが入っている場合の様子である。い
ずれの場合も時刻Aで還流終了を判断する。そして時間
Txの待ち状態を経た時刻Bからの誘起電圧を第1のロ
ータ回転位置検出回路11へ出力する。この検出誘起電
圧は誘起電圧基準値との比較に用いるに有効な誘起電圧
であり、結果としてロータ位置が正しく得られる。
【0090】以上、第2の誘起電圧検出回路21の動作
によって、負荷変動などで検出相の切り替わり時から還
流終了までの時間が変化しても有効な誘起電圧の検出遅
れが減少する。特に、図34の(b)に示すように、時
間Txの待ち状態を経た時刻Bにおいて誘起電圧基準値
を既に超えている場合、即ち検出誘起電圧と誘起電圧基
準値の真の交差時点からすでに遅れている場合、その検
知遅れを最小限にできるので後のスイッチング状態切替
点までの時間余裕ができ安定性が増す。実施例8では還
流終了判断後の時間Txの部分では端子電圧を検出しな
いとしたが、検出しても誘起電圧基準値との比較値とし
て用いなければ同様の効果が得られる。上記のように、
実施例8のブラシレスモータの制御装置は、ロータ3の
回転位置検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用
いることなく、任意のブラシレスモータに対し、誘起電
圧と誘起電圧基準の交差時点を正しく検出することがで
き安定した駆動ができる。
【0091】また、本発明に係る前述の各実施例のブラ
シレスモータの制御方法及び制御装置を用いてコンプレ
ッサを制御してもよい。例えば、図35は前述の実施例
1で説明したブラシレスモータ(BLM)1の制御装置
をコンプレッサ22に用いた例を示すブロック図であ
る。コンプレッサ22は、密閉構造でかつ運転時は高温
になるため、信頼性を確保するために位置センサの取り
付けは避けるべきである。本発明によれば、ロータの回
転位置の検出のためにホール素子等の磁気検出手段を用
いる必要がなく、また検出された誘起電圧が1点であっ
てもロータの回転位置を精度高く検出できるので、任意
のブラシレスモータ1を用いても信頼性高くコンプレッ
サ22を駆動できる。特に、埋込磁石型ブラシレスモー
タを用いたコンプレッサ22を広角通電する時には、ロ
ータの回転位置を精度高く検出できるため、低騒音、低
振動で駆動できる。
【0092】また、本発明に係る前述の各実施例のブラ
シレスモータの制御方法及び制御装置を用いてファンを
制御してもよい。例えば、図36は前述の実施例1で説
明したブラシレスモータ(BLM)1の制御装置をファ
ン23に用いた例を示すブロック図である。本発明によ
れば、ロータの回転位置の検出のためにホール素子等の
磁気検出手段を用いる必要がなく、検出された誘起電圧
が1点であってもロータの回転位置を精度高く検出でき
るため、任意のブラシレスモータを用いてもロータ回転
位置検出センサ等の回転位置手段のコストが不要とな
り、製造コストの低いファンを高精度に駆動できる。特
に、埋込磁石型ブラシレスモータを用いたファンを広角
通電する時には、ロータの回転位置を精度高く検出でき
るので、低騒音、低振動で駆動できる。
【0093】さらに、本発明に係る前述の各実施例のブ
ラシレスモータの制御方法及び制御装置を用いてポンプ
を制御してもよい。例えば、図37は前述の実施例1で
説明したブラシレスモータ(BLM)1の制御装置をポ
ンプ24に用いた例を示すブロック図である。本発明に
よれば、ロータの回転位置の検出のためにホール素子等
の磁気検出手段を用いる必要がなく、任意のブラシレス
モータを用いて、検出された誘起電圧が1点であっても
ロータの回転位置を精度高く検出できる。これにより、
ロータ回転位置検出センサ等の回転位置検出手段のコス
トが不要となり、製造コストの低いポンプを高精度に駆
動できる。特に、埋込磁石型ブラシレスモータを用いた
ポンプを広角通電する時には、ロータの回転位置を精度
高く検出できるので、低騒音、低振動で駆動できる。
【0094】
【発明の効果】以上、実施例について詳細に説明したと
ころから明らかなように、本発明のブラシレスモータの
制御装置は次の効果を有する。本発明に係るブラシレス
モータの制御装置は、検出誘起電圧と誘起電圧基準値と
の交差点を常に高精度に検知することが可能となる。従
って、本発明によればロータの回転位置の検出のための
ホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、1点の
誘起電圧検出値から精度の高いロータ回転位置を検知す
ることができる。本発明に係るブラシレスモータの制御
装置は、検出された誘起電圧と誘起電圧基準値との交差
時点が検出できない状況においても誘起電圧変化率に基
づいて交差時点を得ることができる。従って、本発明に
よればロータの回転位置を検出するためのホール素子等
の磁気検出手段を用いることなく、確実にロータ位置を
検知することができる。本発明に係るブラシレスモータ
の制御装置は、検出誘起電圧と誘起電圧基準値が交差す
る時点を検出できないと判断したとき、遮断相の通電を
直ちに開始するので、確実に電圧印加状態の切換を行う
ことができる。
【0095】本発明に係るブラシレスモータの制御装置
は、温度等によるモータパラメータの変動があっても検
出誘起電圧が2点以上取れるところの検出誘起電圧の変
化率を基に、誘起電圧基準値作成のためのテーブル値や
誘起電圧変化率作成のためのテーブル値を補正してい
る。従って、本発明によればロータの回転位置を検出す
るためのホール素子等の磁気検出手段を用いることな
く、常に精度の高いロータ位置を検出することができ
る。本発明に係るブラシレスモータの制御装置は、温度
変化に対する誘起電圧基準値作成回路のテーブル値を補
正している。従って、本発明によればロータの回転位置
の検出のためのホール素子等の磁気検出手段を用いるこ
となく、常に効率高い運転を行うことができる。
【0096】本発明に係るブラシレスモータの制御装置
は、誘起電圧基準値を調整して直流電圧の1/2と異な
る値に設定することができるため、誘起電圧に対する電
流位相を制御することができる。これにより、印加電圧
が飽和しても電流位相を変化させてモータ速度をさらに
上昇させることが可能である。従って、本発明によれば
ロータの回転位置を検出するためのホール素子等の磁気
検出手段を用いることなく、動作範囲を広くすることが
できる。本発明に係るブラシレスモータの制御装置は、
モータ速度や通電率指標に基づいて通電期間開始から所
定時間の通電率を通電期間終了までの所定時間の通電率
より大きく設定できるよう構成されている。このため、
本発明のブラシレスモータの制御装置は相巻線への電流
波形をより正弦波状に形成することが可能となる。従っ
て、本発明によればロータの回転位置を検出するための
ホール素子等の磁気検出手段を用いることなく、高効率
で低振動・低騒音の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1おけるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1における各スイッチング素子の導通・
遮断のタイミングを示す波形図と各相の端子電圧波形図
である。
【図3】実施例1における誘起電圧検出値と誘起電圧基
準値との交差点と切り換えタイミングを示す関係図であ
る。
【図4】実施例1における誘起電圧検出値が既に誘起電
圧基準値を超えていた場合の真の交差点計算処理の説明
図である。
【図5】実施例1における検出誘起電圧と誘起電圧基準
値の交差点を求めるブロック図である。
【図6】実施例1における誘起電圧基準値の設定方法の
説明図である。
【図7】実施例1におけるモータ速度に基づいた誘起電
圧基準値作成回路のテーブルである。
【図8】実施例1におけるモータ速度と通電率指標に基
づいた誘起電圧基準値作成回路のテーブルである。
【図9】実施例1におけるモータ速度に基づいた誘起電
圧変化率作成回路のテーブルである。
【図10】実施例1におけるモータ速度と通電率指標に
基づいた誘起電圧変化率作成回路のテーブルである。
【図11】実施例2における修正された切り換えタイミ
ングが不可能な場合の対処の説明図である。
【図12】本発明に係る実施例3におけるけるブラシレ
スモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図13】実施例4における誘起電圧検出相の端子電圧
変化を示す図である。
【図14】実施例4におけるスイッチング切り換えタイ
ミングがばらついた場合の電流波形を示す図である。
【図15】実施例3における検出誘起電圧と誘起電圧基
準値の交差点を求めるブロック図である。
【図16】実施例3における高速時の真の交差点計算処
理の説明図である。
【図17】本発明に係る実施例4におけるけるブラシレ
スモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施例4における検出誘起電圧から誘起電圧
変化率を求めるための説明図である。
【図19】実施例4における温度変化に対する誘起電圧
変化率のテーブルである。
【図20】埋込磁石型ブラシレスモータのインダクタン
ス特性を示す図である。
【図21】本発明に係る実施例5のブラシレスモータの
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施例5における温度変化に対する誘起電圧
基準値作成回路のテーブル値を求めるテーブルである。
【図23】本発明に係る実施例6のブラシレスモータの
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図24】実施例6における誘起電圧基準値の違いによ
る誘起電圧と電流位相の関係図である。
【図25】実施例6における誘起電圧基準値の調整量作
成のブロック図である。
【図26】本発明に係る実施例7のブラシレスモータの
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図27】実施例7における、各相のスイッチング素子
と巻線に入力される信号波形であり、(a)はパルス幅
変調区間の通電率が通電率指標と同じ時のU相上流側ス
イッチング素子に入力される通電・遮断信号であり、
(b)はパルス幅変調区間の通電率が通電率指標と同じ
時のU相下流側スイッチング素子に入力される通電・遮
断信号であり、(c)はU相に与えられる通電遮断信号
が(a)、(b)の時のU相電流波形であり、(d)は
パルス幅変調区間の通電率が通電率指標と異なる区間が
ある時のU相上流側スイッチング素子に入力される通電
・遮断信号であり、(e)はパルス幅変調区間の通電率
が通電率指標と異なる区間がある時のU相下流側スイッ
チング素子に入力される通電・遮断信号であり、(f)
はU相に与えられる通電遮断信号が(d)、(e)の時
のU相電流波形である。
【図28】実施例7における通電パターン作成回路の制
御フローチャートである。
【図29】実施例7におけるモータ速度に基づいた通電
率補正率テーブルである。
【図30】実施例7におけるモータ速度と通電率指標に
基づいた通電率補正率テーブルである。
【図31】実施例7における基本通電パターンと変更後
の通電パターンを示す信号波形図であり、(a)は基本
通電パターンであり、(b)は通電パターンの開始後と
終了前で通電率を一定量増減して作成された通電パター
ンであり、(c)は通電パターンの開始後と終了前で通
電率を一定でない量増減して作成された通電パターンで
ある。
【図32】本発明に係る実施例8のブラシレスモータの
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図33】実施例8における有効誘起電圧を得るまでの
処理ブロック図である。
【図34】実施例8における端子電圧波形であり、
(a)は還流終了後に誘起電圧しきい値との交差点が存
在する場合の端子電圧波形、(b)は還流終了後に誘起
電圧しきい値を既に越えている場合の端子電圧波形、
(c)は還流終了後にノイズが入ってくる場合の端子電
圧波形である。
【図35】本発明に係るブラシレスモータの制御装置を
用いたコンプレッサを示すブロック図である。
【図36】本発明に係るブラシレスモータの制御装置を
用いたファンを示すブロック図である。
【図37】本発明に係るブラシレスモータの制御装置を
用いたポンプを示すブロック図である。
【図38】従来のブラシレスモータの制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図39】従来のブラシレスモータの制御装置において
各相の端子に現れる電圧波形図と有効誘起電圧を外挿補
間した波形図であり、(a)はU相に現れる端子電圧波
形であり、(b)はV相に現れる端子電圧波形であり、
(c)はW相に現れる端子電圧波形であり、(d)は各
相の有効な誘起電圧値を時間的変化率で外挿補間して得
られた波形図である。
【図40】従来のブラシレスモータの制御装置において
単位時間当たりの端子電圧変化量を示す図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ 2 ステータ 3 ロータ 4 スイッチング回路 5 直流電源 6 制御部 7 直流電圧検出回路 8 第1の誘起電圧検出回路 9 誘起電圧基準値作成回路 10 誘起電圧変化率作成回路 11 第1のロータ回転位置検出回路 12 モータ速度演算回路 13 速度制御回路 14 第1のスイッチング信号作成回路 15 第2のロータ回転位置検出回路 16 誘起電圧変化率補正回路 17 誘起電圧基準値補正回路 18 電流位相調整回路 19 通電パターン作成回路 20 第2のスイッチング信号作成回路 21 第2の誘起電圧検出回路 22 コンプレッサ 23 ファン 24 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 友邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松城 英夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 サハ スブラタ 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H560 AA01 AA02 BB04 BB07 BB12 DA13 DB20 DC13 EB01 EB05 EC01 EC10 SS02 TT15 UA02 XA04 XA11 XA12 XB09

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の巻線を有するステータと複数極の
    磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
    の制御方法であって、 供給される直流電圧を検出するステップ、 遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧変化
    率を作成するステップ、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するステップ、 検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレ
    スモータの回転速度を演算するステップ、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力するステップ、 検知された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標
    に基づいて前記ブラシレスモータを駆動するステップ、
    を有するブラシレスモータの制御方法。
  2. 【請求項2】 複数の巻線を有するステータと複数極の
    磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
    の制御方法であって、 供給される直流電圧を検出するステップ、 遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成するステップ、 少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
    て誘起電圧変化率作成テーブルを更新するステップ、 更新された誘起電圧変化率作成テーブルに基づき、前記
    ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変化率
    を作成するステップ、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するステップ、 検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレ
    スモータの回転速度を演算するステップ、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力するステップ、 検知された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標
    に基づいて前記ブラシレスモータを駆動するステップ、
    を有するブラシレスモータの制御方法。
  3. 【請求項3】 複数の巻線を有するステータと複数極の
    磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
    の制御方法であって、 供給される直流電圧を検出するステップ、 遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、 少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
    て誘起電圧基準値作成テーブルを更新するステップ、 更新された誘起電圧基準値作成テーブルに基づき、前記
    ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準値を
    作成するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧変化
    率を作成するステップ、 少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
    て前記誘起電圧基準値を補正するステップ、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するステップ、 検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレ
    スモータの回転速度を演算するステップ、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力するステップ、 検知された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標
    に基づいて前記ブラシレスモータを駆動するステップ、
    を有するブラシレスモータの制御方法。
  4. 【請求項4】 複数の巻線を有するステータと複数極の
    磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
    の制御方法であって、 供給される直流電圧を検出するステップ、 遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧変化
    率を作成するステップ、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するステップ、 検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレ
    スモータの回転速度を演算するステップ、 前記回転速度が所定値以上であるとき又は前記通電率指
    標が所定値以上であることを検知したとき、検出された
    誘起電圧に対する電流位相が進むよう誘起電圧基準値を
    変更するステップ、 検知された前記交点、前記回転速度及び前記通電率指標
    に基づいて前記ブラシレスモータを駆動するステップ、
    を有するブラシレスモータの制御方法。
  5. 【請求項5】 複数の巻線を有するステータと複数極の
    磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのため
    の制御方法であって、 供給される直流電圧を検出するステップ、 遮断相の端子に現れる誘起電圧を検出するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成するステップ、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧変化
    率を作成するステップ、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するステップ、 検知された前記交点の時間間隔に基づいて前記ブラシレ
    スモータの回転速度を演算するステップ、 通電期間における通電率の通電パターンにおいて、通電
    期間開始から所定時間の通電率の平均値が通電期間終了
    までの所定時間の通電率の平均値より大きくなるよう作
    成するステップ、 検知された前記交点、前記回転速度、前記通電率指標及
    び前記通電パターンに基づいて前記ブラシレスモータを
    駆動するステップ、を有するブラシレスモータの制御方
    法。
  6. 【請求項6】 検出された誘起電圧と誘起電圧基準値と
    が交差する時点である交点を検出できないと判断した
    時、検出された前記誘起電圧と前記誘起電圧基準値と前
    記誘起電圧変化率とに基づいて前記交点を算出する、請
    求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブラシレス
    モータの制御方法。
  7. 【請求項7】 遮断相の切り替わり後の最初の検出され
    た誘起電圧、誘起電圧変化率の符号、及び誘起電圧基準
    値に基づいて、検出された誘起電圧と誘起電圧基準値が
    交差する時点を検出できないと判断したとき、遮断相の
    通電を直ちに開始する、請求項1から請求項5のいずれ
    か一項に記載のブラシレスモータの制御方法。
  8. 【請求項8】 遮断相の遮断されている期間が所定値よ
    り短いとき、検出された前記誘起電圧と前記誘起電圧基
    準値と前記誘起電圧変化率とに基づいて、検出された誘
    起電圧と誘起電圧基準値とが交差する時点である交点を
    算出する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載
    のブラシレスモータの制御方法。
  9. 【請求項9】 回転速度に基づいた誘起電圧変化率作成
    テーブルから前記誘起電圧変化率を作成する、請求項1
    から請求項5のいずれか一項に記載のブラシレスモータ
    の制御方法。
  10. 【請求項10】 回転速度と通電率指標に基づいた誘起
    電圧変化率作成テーブルから前記誘起電圧変化率を作成
    する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブ
    ラシレスモータの制御方法。
  11. 【請求項11】 検出された直流電圧の1/2の値と回
    転速度や通電率指標に基づいたテーブル値との和あるい
    は差を誘起電圧基準値として出力する、請求項1から請
    求項5のいずれか一項に記載のブラシレスモータの制御
    方法。
  12. 【請求項12】 遮断相の切り替わり後、検出された誘
    起電圧が前記直流電圧の正側電圧あるいは負側電圧に対
    し所定量の差を生じた最初の時点から所定時間経た後の
    検出された誘起電圧を用いて、前記誘起電圧基準値と交
    差する時点である交点を検出するか、又は前記交点を検
    出された前記誘起電圧と前記誘起電圧基準値と前記誘起
    電圧変化率とに基づいて算出する、請求項1から請求項
    5のいずれか一項に記載のブラシレスモータの制御方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の制御方法を行うブラ
    シレスモータを用いたコンプレッサ。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の制御方法を行うブラ
    シレスモータを用いたファン。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の制御方法を行うブラ
    シレスモータを用いたポンプ。
  16. 【請求項16】 複数の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 一対のスイッチング素子が電流の流れの方向に対して上
    流側と下流側に配置されて直列接続された直列回路を複
    数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電
    圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に、当該直列回
    路のスイッチング素子間に接続された各相巻線の端子に
    現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成する誘起電圧基準値作成手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変
    化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するロータ回転位置検出手段、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点
    の時間間隔に基づいて前記ブラシレスモータの回転速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、及
    び、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交
    点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて複数の
    前記スイッチング素子へスイッチング信号を出力する第
    1のスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  17. 【請求項17】 複数の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 一対のスイッチング素子が電流の流れの方向に対して上
    流側と下流側に配置されて直列接続された直列回路を複
    数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電
    圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に、当該直列回
    路のスイッチング素子間に接続された各相巻線の端子に
    現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成する誘起電圧基準値作成手段、 少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
    て誘起電圧変化率作成テーブルを更新する誘起電圧変化
    率補正手段、 更新された誘起電圧変化率作成テーブルに基づき、前記
    ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変化率
    を作成する誘起電圧変化率作成手段、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するロータ回転位置検出手段、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点
    の時間間隔に基づいて前記ブラシレスモータの回転速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、及
    び、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交
    点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて複数の
    前記スイッチング素子へスイッチング信号を出力する第
    1のスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  18. 【請求項18】 複数の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 一対のスイッチング素子が電流の流れの方向に対して上
    流側と下流側に配置されて直列接続された直列回路を複
    数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電
    圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に、当該直列回
    路のスイッチング素子間に接続された各相巻線の端子に
    現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段、 少なくとも2点の検出された誘起電圧の変化率に基づい
    て誘起電圧基準値作成テーブルを更新する誘起電圧基準
    値補正手段、 更新された誘起電圧基準値作成テーブルに基づき、前記
    ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準値を
    作成する誘起電圧基準値作成手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変
    化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するロータ回転位置検出手段、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点
    の時間間隔に基づいて前記ブラシレスモータの回転速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、及
    び、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交
    点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて複数の
    前記スイッチング素子へスイッチング信号を出力する第
    1のスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  19. 【請求項19】 複数の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 一対のスイッチング素子が電流の流れの方向に対して上
    流側と下流側に配置されて直列接続された直列回路を複
    数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電
    圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に、当該直列回
    路のスイッチング素子間に接続された各相巻線の端子に
    現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成する誘起電圧基準値作成手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変
    化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するロータ回転位置検出手段、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点
    の時間間隔に基づいて前記ブラシレスモータの回転速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、 前記回転速度が所定値以上であるとき又は前記通電率指
    標が所定値以上であることを検知したとき、検出誘起電
    圧に対する電流位相が進むよう誘起電圧基準値を変更す
    る電流位相調整手段、及び、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交
    点、前記回転速度及び前記通電率指標に基づいて複数の
    前記スイッチング素子へスイッチング信号を出力する第
    1のスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  20. 【請求項20】 複数の巻線を有するステータと複数極
    の磁石を有するロータとを備えたブラシレスモータのた
    めの制御装置であって、 一対のスイッチング素子が電流の流れの方向に対して上
    流側と下流側に配置されて直列接続された直列回路を複
    数有するスイッチング回路、 前記スイッチング回路の各直列回路に供給される直流電
    圧を検出する直流電圧検出手段、 前記スイッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッ
    チング素子が同時に遮断されている期間に、当該直列回
    路のスイッチング素子間に接続された各相巻線の端子に
    現れる誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧基準
    値を作成する誘起電圧基準値作成手段、 前記ブラシレスモータの運転状態に応じた誘起電圧の変
    化率を出力する誘起電圧変化率作成手段、 検出された誘起電圧と前記誘起電圧基準値とが交差する
    時点である交点を、検出された誘起電圧と前記誘起電圧
    基準値とに基づき検知し、若しくは検出された誘起電圧
    と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づい
    て算出するロータ回転位置検出手段、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交点
    の時間間隔に基づいて前記ブラシレスモータの回転速度
    を演算するモータ速度演算手段、 前記ブラシレスモータの指令速度と前記回転速度との偏
    差に基づいて通電率指標を出力する速度制御手段、 通電期間における通電率の通電パターンにおいて、通電
    期間開始から所定時間の通電率の平均値が通電期間終了
    までの所定時間の通電率の平均値より大きくなるよう作
    成する通電パターン作成手段、及び、 前記ロータ回転位置検出手段により検知された前記交
    点、前記回転速度、前記通電率指標及び前記通電パター
    ンに基づいて複数の前記スイッチング素子へスイッチン
    グ信号を出力する第2のスイッチング信号作成手段、 を具備することを特徴とするブラシレスモータの制御装
    置。
  21. 【請求項21】 ロータ回転位置検出手段は、検出され
    た誘起電圧と誘起電圧基準値とが交差する時点である交
    点を検出できないと判断した時、検出された前記誘起電
    圧と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基づ
    いて前記交点を算出するよう構成されたことを特徴とす
    る請求項16から請求項20のいずれか一項に記載のブ
    ラシレスモータの制御装置。
  22. 【請求項22】 ロータ回転位置検出手段が、前記スイ
    ッチング回路の1つの直列回路の両方のスイッチング素
    子が同時に遮断されている期間開始後の最初の検出誘起
    電圧、誘起電圧の変化率符号、及び誘起電圧基準値に基
    づいて、検出誘起電圧と誘起電圧基準値が交差する時点
    を検出できないと判断したとき、 スイッチング信号作成手段は、遮断相の通電を直ちに開
    始する信号を出力するよう構成されたことを特徴とする
    請求項16から請求項20のいずれか一項に記載のブラ
    シレスモータの制御装置。
  23. 【請求項23】 ロータ回転位置検出手段は、遮断され
    ている期間が所定値より短いとき、検出された前記誘起
    電圧と前記誘起電圧基準値と前記誘起電圧変化率とに基
    づいて、検出された誘起電圧と誘起電圧基準値とが交差
    する時点である交点を算出するよう構成されたことを特
    徴とする請求項16から請求項20のいずれか一項に記
    載のブラシレスモータの制御装置。
  24. 【請求項24】 誘起電圧変化率作成手段は、回転速度
    に基づいた誘起電圧変化率作成テーブルから前記誘起電
    圧の変化率を作成するよう構成されたことを特徴とする
    請求項16から請求項20のいずれか一項に記載のブラ
    シレスモータの制御装置。
  25. 【請求項25】 誘起電圧変化率作成手段は、回転速度
    と通電率指標に基づいた誘起電圧変化率作成テーブルか
    ら前記誘起電圧の変化率を作成するよう構成されたこと
    を特徴とする請求項16から請求項20のいずれか一項
    に記載のブラシレスモータの制御装置。
  26. 【請求項26】 誘起電圧基準値作成手段は、検出され
    た直流電圧の1/2の値と回転速度や通電率指標に基づ
    いたテーブル値との和あるいは差を誘起電圧基準値とし
    て出力するよう構成されたことを特徴とする請求項16
    から請求項20のいずれか一項に記載のブラシレスモー
    タの制御装置。
  27. 【請求項27】 ロータ回転位置検出手段は、当該直列
    回路の相へ誘起電圧検出相が変更された後、検出された
    誘起電圧が前記直流電圧の正側電圧あるいは負側電圧に
    対し所定量の差を生じた最初の時点から所定時間経た後
    に検出された誘起電圧を用いて、前記誘起電圧基準値と
    交差する時点である交点を検出するか、又は前記交点を
    検出された前記誘起電圧と前記誘起電圧基準値と前記誘
    起電圧変化率とに基づいて算出するよう構成されたこと
    を特徴とする請求項16から請求項20のいずれか一項
    に記載のブラシレスモータの制御装置。
  28. 【請求項28】 請求項16に記載のブラシレスモータ
    の制御装置を具備するコンプレッサ。
  29. 【請求項29】 請求項16に記載のブラシレスモータ
    の制御装置を具備するファン。
  30. 【請求項30】 請求項16に記載のブラシレスモータ
    の制御装置を具備するポンプ。
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