JP3450005B2 - ハイドロリック式の制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、内
燃機関のカム軸を回動させるためのハイドロリック式の
制御装置から出発する。このような形式の公知の制御装
置では、特にポンプと電磁弁とが外部に配置されてい
る。このことは、比較的面倒であり、高いスペース消費
を必要とし、また所要の圧力媒体接続の点でも極めて面
倒である（ドイツ連邦共和国特許出願公開第3247916号
明細書）。

発明の利点 請求項１の特徴部に記載の本発明によるハイドロリッ
ク式の制御装置には、従来のものに比べて次のような利
点がある。すなわち、本発明による制御装置は極めてコ
ンパクトに構成されていて、内燃機関もしくはそのエン
ジンルームに極めて簡単に設備され、しかも極めて精密
に作動し、比較的簡単に組み付けられ得る。本発明の別
の利点は請求項２以下に記載の構成から得られる。

図面 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明す
る。

第１図は、内燃機関のカム軸を回動させるためのハイ
ドロリック式の制御装置の縦断面図を示しており、第２
図は、第１図のII−II線に沿った断面図を示している。

実施例の説明 第１図には、符号10で内燃機関のカム軸が示されてい
る。このカム軸はカム軸用の軸受け台11に支承されてい
る。カム軸10の拡張された端面10Aには、カム軸10を駆
動するためのスプロケット12が取り付けられている。こ
のスプロケットに並んで、ハイドロリックボデー13が設
けられており、このハイドロリックボデーはラジアルプ
ランジャポンプ14（あとで詳しく説明する）を収容して
いる。前記構成部分、つまりハイドロリックボデー13
と、スプロケット12と、カム軸10の端部分10Aとは、複
数のねじ15によって互いに結合されており、しかもこの
ねじの数は例外を除いてラジアルプランジャ機械のプラ
ンジャの数に相当している。内燃機関のインテークバル
ブとエキゾーストバルブとを調節する目的でスプロケッ
ト12に対してカム軸10が回動し得るようにするために、
スプロケットにはスリット16が形成されている。このス
リットには、スリーブ17が配置されており、このスリー
ブを通って、ねじ15が貫通している。スリット16は円弧
状に形成されており、スリーブ17は前記スリット内に所
定の遊びを持って位置している。ねじ15はラジアルプラ
ンジャポンプに対する圧力媒体供給のためにも働く（さ
らに下で詳しく説明する）。

スプロケット12は真ん中の孔20を有しており、この孔
には、斜歯21が形成されている。この斜歯は連結部材23
の拡張された部分24の外周面に設けられた斜歯22と噛み
合っている。前記連結部材は圧力を負荷されるピストン
25をも形成している。連結部材は細長いスリーブとして
形成されており、このスリーブからは、円筒状の突起27
が、カム軸に設けられた真ん中の長手方向孔28の内部に
さらに延びている。カム軸用の軸受け台11の高さにほぼ
相当する長さにわたって、突起27には直歯29が形成され
ている。この直歯はスリーブ31の内周面に設けられた同
様の直歯30と噛み合っている。このスリーブは長手方向
孔28に相対回動不能に配置されている。スリーブ31の外
周面には、環状溝32が設けられており、この環状溝の外
周面からは、長手方向溝33が出発している。この長手方
向溝には、カム軸10を貫通した横方向孔34が開口してお
り、この横方向孔はやはりカム軸10の外周面に設けられ
た環状溝35に接続されていて、軸受け台11の内側に位置
している。前記環状溝には、軸受け台11を貫通した孔37
が開口しており、この孔は電磁弁39の軸部38に通じてい
て、この場所で環状溝40に開口している。軸部38は軸受
け台11に設けられた孔41に挿入されている。軸部38は電
磁弁39のカップ状のケーシング43に一体に続いている。
このケーシングは汎用の形式でコイル44と、円筒状の磁
石コア45とを有しており、この磁石コアには、プランジ
ャ46が不動に配置されている。プランジャ46は軸部38に
設けられた一貫して延びる長手方向孔47に侵入してい
て、弁体49と協働する。この弁体は弁座50に当て付けら
れている。この弁座は長手方向孔47に形成されている。
前記弁体は圧縮ばね51のばね力によって弁座に当て付け
られており、この圧縮ばねは長手方向孔内のスリーブ52
に支持されている。環状溝40には、軸部38を貫通した横
方向孔53が開口している。

前記プランジャ46は弁体に面した端部に四角形体55を
有している。電磁弁39を収容する孔41には、導管56が接
続されており、この導管はポンプ57に通じている。この
ポンプは内燃機関に設けられたオイル容器58から圧力媒
体を吸い込む。さらに、電磁弁の可動子45には、圧縮ば
ね51のばね力に抗して圧縮ばね60が作用している。電磁
弁39には、約100Hzの周波数と、可変のオンオフ比とで
電圧が印加される。オンオフ比が小さいと、電磁弁はそ
の都度短時間でしか開かれない。時間的に求められた開
放横断面積はオンオフ比と共に増大する。

ラジアルプランジャポンプ14はハイドロリックボデー
に形成された、半径方向に延びる複数の孔62を有してい
る。この孔内をプランジャ63が滑動する。これらのプラ
ンジャは、外側に位置する丸みを帯びた頂部で、ボール
ベアリング65の内レース64に接触している。このボール
ベアリングは内燃機関のハウジング67の一部に設けられ
た孔66に偏心的に配置されている。各プランジャ孔62の
真ん中の部分には、ハイドロリックボデーに形成された
傾斜孔68が開口しており、この傾斜孔には、吸込み絞り
69が配置されている。傾斜孔68はねじ15に設けられた横
方向孔71に開口しており、この横方向孔には、同じく長
手方向孔72が開口している。この長手方向孔はカム軸の
ヘッド部分10Aに設けられた傾斜孔73に対する接続を有
していて、スリーブ31に設けられた環状溝32に開口して
いる。このことから、プランジャ孔62が電磁弁39に対す
る接続と、ひいてはこの電磁弁を介してポンプ57に対す
る接続を有していることが判かる。

各プランジャ孔62の底部からは、孔75がラジアルプラ
ンジャポンプのための出口弁76に通じている。このラジ
アルプランジャポンプは慣用の構造を有しているので、
詳しい説明は省略する。出口弁の出口には、小さな孔77
が配置されており、この孔は圧力室78に接続されてい
る。この圧力室はハイドロリックボデー13に設けられた
真ん中の孔79の端部分を形成している。圧力室78には、
ピストン25が突入しており、このピストンには、中空の
ピストン内部に配置された圧縮ばね80が作用している。
圧力室78はプレート82によって閉鎖されており、このプ
レートは真ん中の一貫して延びる孔83を有している。こ
の孔の裏側には、弁ダイヤフラム85のための環状の弁座
84が形成されている。弁ダイヤフラム85と弁座84との間
の環状室86から出発して、孔87がプレート82を貫通して
いる。この孔87はハイドロリックボデーに設けられた通
路88に接続されており、この通路は環状室89に開口して
いる。この環状室はハイドロリックボデーの外側に位置
している。弁ダイヤフラム85はプレート82を閉鎖するカ
バー91に位置している。この場合、ダイヤフラムの裏側
からは、カバー91に形成された通路92が出発している。
この通路はプレート82に設けられた絞り孔93に接続され
ている。この絞り孔は同じくハイドロリックボデーに設
けられた通路94に接続されており、この通路は、さらに
上で説明したようにねじ90に通じている。このねじは、
プランジャ孔に接続されている別のねじに対して付加的
に配置されている。

前記制御装置は次のように作動する：電磁弁39が小さ
なオンオフ比で制御されると、極めて小量の圧力媒体が
弁体49を介して孔37と環状室35とに流入する。弁体49は
周期時間中に極めて短時間だけ弁座から持ち上がる。こ
の場所から、圧力媒体は通路34と、長手方向溝33と、環
状溝32と、傾斜孔73と、ねじ15に設けられた孔71,72と
を介して孔68に流入する。ハイドロリックボデー13の回
転時に、ラジアルプランジャポンプ14のプランジャ63は
極めて小量の圧力媒体を出口弁76と孔77とを介して圧力
室78に圧送する。弁ダイヤフラム85は同じく小さな力で
しか弁座84に押圧されない。このために必要となる圧力
媒体は同じくねじ90に設けられた孔と、通路94、絞り93
と、通路92とを介して弁ダイヤフラム85の背後に流入す
る。しかし、ピストン25に作用する圧縮ばね80のばね力
は室78内の圧力媒体の押圧力よりも大きく形成されてい
るので、小さな力で弁座に接触した弁ダイヤフラム85は
持ち上げられ、圧力媒体は環状室86と通路87,88とを介
して流出することができる。次いで、圧縮ばね80は連結
部材をプレート82の方向にシフトさせる。つば24とスリ
ーブ31とに設けられた歯列29,30;21,22によって、カム
軸10に対するスプロケット12の相対的な回動が行われ
る。カム軸は第１の位置を取る。

電磁弁39が大きなオンオフ比で通電され、対応してこ
の電磁弁が時間的に規定されて開放されると、大量の圧
力媒体がプランジャ孔62に流入するので、ラジアルプラ
ンジャポンプ14は対応してより多くの圧力媒体を圧送す
る。これによって、圧力室78内の圧力も著しく増大させ
られ、弁ダイヤフラム85も上記通路接続を介して大きな
力で弁座84に圧着されるので、圧力室78からは、もやは
圧力媒体が流出し得なくなる。これによって、ピストン
25が圧縮ばね80のばね力に抗して移動させられ、前記歯
列を備えた連結部材23が、前記方向とは逆の方向でスプ
ロケット12に対してカム軸10を回動させる。これによっ
て、内燃機関のインテークバルブとエキゾーストバルブ
とは第２の位置を取る。電磁弁39に適当な部分電流が通
電されると、ピストン25に作用する押圧力、つまり圧縮
ばね80のばね力と前記軸方向力とは、斜歯に基づき平衡
状態に保持されて、規定の中間位置が得られるか、また
は別の任意の位置が得られる。

ハイドロリックボデー13には、さらにセンサリング96
が不動に配置されている。このセンサリングはハイドロ
リックボデーと一緒に回転する。このセンサリングは斜
面に歯列（図示しない）を有しており、この歯列は適当
なセンサと接続されている。センサと、電子制御装置
（図示しない）とによって、電磁弁39が制御される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−112604（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−1802（ＪＰ，Ｕ) 特表 平５−500403（ＪＰ，Ａ) 国際公開91／003628（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F01L 1/34

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関のカム軸（10）を回動させるため
   のハイドロリック式の制御装置であって、押圧力によっ
   て長手方向摺動可能な連結部材（23）が設けられてい
   て、該連結部材が外周面に位置する第１の個所に歯列
   （22）を有しており、該歯列が、内燃機関によって駆動
   されるスプロケット（12）の内周面に設けられた同様の
   歯列（21）と噛み合っており、前記連結部材の外周面の
   第２の個所に歯列（29）が形成されており、該歯列が、
   カム軸（10）に設けられた歯列（30）と噛み合ってお
   り、前記歯列対のうち、一方の歯列対が斜歯を備えてい
   て、他方の歯列対が直歯を備えており、前記連結部材
   に、機械的な力に抗して圧力媒体によって負荷される、
   単動式のピストン（25）が配置されており、ポンプによ
   って圧送された圧力媒体が電磁弁（39）を介して案内さ
   れて、前記ピストン（25）を圧力負荷するようになって
   おり、前記連結部材（23）の移動によって、カム軸（1
   0）に対する前記スプロケット（12）の相対的な回動が
   行なわれるようになっている形式のものにおいて、スプ
   ロケット（12）が、前記カム軸（10）の拡張された端部
   分（10A）に装着されており、該端部分にハイドロリッ
   クボデー（13）がフランジ締結されており、該ハイドロ
   リックボデーにラジアルプランジャポンプ（14）が配置
   されており、該ラジアルプランジャポンプが、ほぼ半径
   方向に延びるプランジャ孔（62）内を滑動する複数のプ
   ランジャ（63）を備えており、前記プランジャの丸みを
   帯びた頂部が、位置固定のハウジング（67）にカム軸の
   軸線に対して偏心的に配置されたボールベアリング（6
   5）の内レース（64）に接触しており、前記各ピストン
   孔（62）の圧力室に出口弁（76）が接続されており、該
   出口弁の出口（77）が、単動式の前記ピストン（25）を
   収容する長手方向孔（79）に設けられた圧力室（78）に
   開口しており、前記長手方向孔がハイドロリックボデー
   （13）に延びており、前記圧力室（78）が、該圧力室を
   制御する圧力制限弁（85）の弁ケーシング（82,89）に
   よって閉鎖されており、前記プランジャ孔の入口側がポ
   ンプ（57）から圧力媒体を供給されるようになってい
   て、該ポンプと前記プランジャ孔との間に、流入を制御
   する電磁弁（39）が配置されていることを特徴とする、
   ハイドロリック式の制御装置。
2. 【請求項２】前記圧力制限弁が前記圧力室（78）に、圧
   力を負荷されるダイヤフラム（85）を有しており、該ダ
   イヤフラムが、プレート（82）に形成された弁座（84）
   を制御するようになっている、請求項１記載の制御装
   置。
3. 【請求項３】カム軸と前記スプロケット（12）と前記ハ
   イドロリックボデー（13）とがねじ（15）によって互い
   に結合されており、該ねじが、前記スプロケットに配置
   されたスリーブ（17）を貫通しており、該スリーブが、
   前記スプロケットに設けられた長手方向スリット（16）
   に配置されており、前記ねじに、前記プランジャ孔から
   前記電磁弁（39）を介して前記ポンプ（57）に通じた圧
   力媒体接続部（71,72）が形成されている、請求項１ま
   たは２記載の制御装置。
4. 【請求項４】前記電磁弁（39）が、カム軸（10）を支持
   する軸受け体（11）に配置されていて、可動子（45）に
   結合されたプランジャ（46）を収容しており、該プラン
   ジャ弁部材（49）を操作して、前記ポンプ（57）から前
   記電磁弁の出口に対する接続を制御するようになってい
   る、請求項１から３までのいずれか１項記載の制御装
   置。
5. 【請求項５】回転するハイドロリックボデー（13）にセ
   ンサリングが、前記ハイドロリックリングと一緒に回転
   するように不動に配置されている、請求項１から４まで
   のいずれか１項記載の制御装置。
6. 【請求項６】前記プランジャ孔に通じた流入通路（68）
   に絞り（69）が配置されている、請求項１記載の制御装
   置。
7. 【請求項７】前記斜歯（21,22）が、スプロケット（1
   2）の内周面と、前記連結部材（23）の拡張された部分
   （24）の外周面とに形成されている、請求項１記載の制
   御装置。
8. 【請求項８】前記ピストン（25）に圧縮ばね（80）の形
   の戻し力が作用している、請求項１記載の制御装置。
9. 【請求項９】前記ピストン（25）に戻し力が作用してお
   り、該戻し力が前記斜歯（21,22）によって加えられる
   ようになっており、該斜歯がこの場合、約30〜45゜の角
   度を有している、請求項１から７までのいずれか１項記
   載の制御装置。