JP3448864B2 - 酵素活性測定用試薬 - Google Patents

酵素活性測定用試薬

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血清中の溶血作用に
よるヘモグロビンの影響を回避できる酵素活性測定用試
薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトまたは動物の血液、血清などの体
液、臓器、組織、細胞等の生体試料中の各種酵素活性
は、該酵素が基質と反応して生成する物質、またはこの
生成物より導かれる物質の生成速度を、吸光度の1分間
あたりの変化量より算出するか、または該生成量を吸光
度を測ることにより求める測定法が一般に用いられてい
る。
【0003】例えば、血清中のγ−グルタミルトランス
フェラーゼ活性の測定法としては、基質として、L−γ
−グルタミル−4−ニトロアニリドまたはL−γ−グル
タミル−3−カルボキシ−4−ニトロアニリドなどを用
いる測定法が汎用されてきた。これらの酵素基質がγ−
グルタミルトランスフェラーゼおよびグルタミル基受容
体の作用により解離する発色化合物、すなわち4−ニト
ロアニリンまたは3−カルボキシ−4−ニトロアニリン
は、通常、400 〜450nm の吸光度を測定する。この範囲
の波長にて吸光度測定を行うと、血清中の溶血作用によ
って生ずるヘモグロビンおよびその誘導体により、その
測定結果に負の影響を与えることがある。
【0004】そこで従来より、溶血作用によるヘモグロ
ビンの影響を回避するため、酵素活性測定用試薬にチオ
尿素を含有するもの(特公平6-12998 号公報)や、ピリ
ジン類、イミダゾール類、またはヒスタミン類を含有す
るもの(特公平3-56425 号公報)などが知られている。
しかし、これらの化合物は、その添加量によっては試薬
自体の酵素に対する特異性を低下させ、活性値に影響を
与えるため、測定結果の正確性が問われることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶血作用に
よるヘモグロビンの影響を回避することができ、さらに
酵素に対する特異性に影響を与えることのない酵素活性
測定用試薬を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、種々検討したところ、酵素活性測定用
試薬にチオアセトアミドまたは1−チオグリセリンを含
有させる事により、上記課題を解決できることを見いだ
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、酵素の作用により解
離する発色化合物の測定吸光度が400 〜450nm である基
質を含む酵素活性測定用試薬において、チオアセトアミ
ドまたは1−チオグリセリンを含有することを特徴とす
る酵素活性測定用試薬である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における酵素とは、生体試
料中に含まれる酵素を指す。これらの酵素には、受容体
存在下で基質に作用して発色化合物を遊離するものや、
基質に直接作用して発色化合物を遊離するもの、基質に
作用した結果、得られた生成物を反応物として用いて発
色化合物を生成させるものなどがある。例えばγ−グル
タミルトランスフェラーゼなどの転移酵素や、ロイシン
アミノペプチダーゼ、α−アミラーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、酸性ホスファターゼなどの加水分解酵素など
が含まれる。
【0009】したがって、本発明の酵素活性測定用試薬
とは、γ−グルタミルトランスフェラーゼ、ロイシンア
ミノペプチダーゼ、α−アミラーゼ、アルカリホスファ
ターゼ、酸性ホスファターゼ等の各種酵素活性の測定に
用いる試薬である。特にその中でも、γ−グルタミルト
ランスフェラーゼ活性の測定試薬が有効である。
【0010】本発明の酵素活性測定用試薬で用いられる
基質は、測定しようとする酵素によってそれぞれ異な
る。例えば、γ−グルタミルトランスフェラーゼ活性測
定用基質としては、グルタミル基受容体およびL−γ−
グルタミル−4−ニトロアニリド、L−γ−グルタミル
−3−カルボキシ−4−ニトロアニリドなどが用いられ
る。グルタミル基受容体としては、例えばグリシルグリ
シンなどが挙げられる。ロイシンアミノペプチダーゼ活
性測定用基質としては、L−ロイシル−4−ニトロアニ
リドなどが用いられる。α−アミラーゼ活性測定用基質
としては、4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘプタ
オシド、4, 6−ベンジリデン−4−ニトロフェニル−
α−D−マルトヘプタオシド、4−O−β−D−ガラク
トピラノシル−4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘ
プタオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D
−マルトペンタオシドなどが用いられる。アルカリホス
ファターゼおよび酸性ホスファターゼ活性測定用基質と
しては、4−ニトロフェニルリン酸などが用いられる。
【0011】本発明の酵素活性測定用試薬で用いられる
基質の濃度は、検体としての血清の状態、使用する基質
の種類、その他の使用条件下における種々の要素によ
り、適宜任意の至適濃度を決定すればよく、特に限定さ
れることはない。好ましくは、最終濃度が2〜10mMであ
る。
【0012】本発明の酵素活性測定用試薬中におけるチ
オアセトアミドの濃度は0.4 〜8mMであることが好まし
く、特に好ましくは0.4 〜1.6mM である。8mM 以上にな
ると、酵素に対する特異性が低下するため、活性値に影
響を与える。また、0.4mM より少ないと、ヘモグロビン
の影響を回避することができない。また、本発明の酵素
活性測定用試薬中における1−チオグリセリンの濃度は
0.08〜40mMであることが好ましく、特に好ましくは0.08
〜4mM である。40mM以上だと、酵素に対する特異性が低
下するため、活性値に影響を与える。また、0.08mMより
少ないと、ヘモグロビンの影響を回避することができな
い。
【0013】本発明の試薬はさらに緩衝液を含む。γ−
グルタミルトランスフェラーゼ活性測定用緩衝液として
は例えばグリシルグリシンなど、ロイシンアミノペプチ
ダーゼ活性測定用緩衝液としてはトリス緩衝液など、α
−アミラーゼ活性測定用緩衝液としてはPIPES緩衝
液など、アルカリホスファターゼ活性測定用緩衝液とし
ては2−エチルアミノエタノールやHEDTAなど、酸
性ホスファターゼ活性測定用緩衝液としてはクエン酸ナ
トリウムなどが用いられる。
【0014】本発明の試薬を用いた測定法としては、反
応速度法(カイネテイック法、レート法)または終点法
(エンドポイント法)などが挙げられる。反応液にチオ
アセトアミドまたは1−チオグリセリンを含有させる以
外は、公知の用手法、または自動分析装置による方法に
より、酵素活性を測定することができる。
【0015】上記方法により求める酵素活性(IU/
l)とは、1分間に1μmol /l の反応を触媒する酵素
量と定義されており、吸光度(E)の経時的変化から酵
素活性を求めるためには、吸光度の経時的変化(△E)
から1分間あたりの吸光度変化(△E/分)を算出し、
さらに次式に代入して酵素活性(IU/l)とする。
【0016】
【0017】RV:測定に使用した試薬(溶液)の液量 SV:測定に使用した試料の液量 ε :吸光度を測定する物質の吸光係数
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例により詳細に説明する。実施例1 検体中の酵素活性の測定 下記試薬を調整した。 第1試薬:(1) 191.5mM グリシルグリシン緩衝液 pH7.9 添加剤なし (2) 191.5mM グリシルグリシン緩衝液 pH7.9 1−チオグリセリン 0.46mM (3) 191.5mM グリシルグリシン緩衝液 pH7.9 チオアセトアミド 1mM (4) 191.5mM グリシルグリシン緩衝液 pH7.9 イミダゾール 73.5mM (5) 191.5mM グリシルグリシン緩衝液 pH7.9 チオ尿素 32.8mM 第2試薬:γ−グルタミル−3−カルボキシ−4−ニトロアニリド(1水和物) 水溶液 30.6mM
【0019】(a)検体の調整 管理血清Moni-Trol IIX (DADE社製)の血清9容と、ヘ
モグロビンを含まない水溶液または調整した溶血ヘモグ
ロビン(干渉チェック:国際試薬社製)濃度が0 、100
0、2000、3000、4000、5000mg/dlの水溶液それぞれ1
容を混合して、溶血ヘモグロビン濃度がそれぞれ、0 、
100 、200 、300 、400 、500mg /dlである血清試料を
調整した。
【0020】(b)測定 検体8 μl に第1試薬320 μl を加え、37℃で5分間予
備加温した後、第2試薬80μl を添加し、2分間撹拌し
た。次いで405nm (主波長)および700nm (副波長)に
おける単位時間あたりの吸光度増加速度を測定し、γ−
グルタミルトランスフェラーゼ活性値が既知である酵素
溶液の吸光度増加速度と対比して、各血清中の酵素活性
を決定した。測定装置は自動分析装置(日立7150)を使
用した。
【0021】上記試薬を用いて、上記検体中のγ−グル
タミルトランスフェラーゼ活性を上記操作に従い、測定
した結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 検体中の酵素活性の同時再現性
の測定 実施例1における検体に代えて、管理血清Moni-Trol IX
(DADE社製)または、Moni-Trol IIX を用い、同様にし
てγ−グルタミルトランスフェラーゼ活性を測定した。
その結果を表2及び3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表1、2、および3より明らかなように、
添加剤として1−チオグリセリンまたはチオアセトアミ
ドを用いた場合は、溶血ヘモグロビンの影響を回避で
き、さらに酵素に対する特異性にも影響を与えないこと
がわかる。溶血ヘモグロビンの影響回避の効果として
は、1−チオグリセリンの方が大きいが、やや特異臭が
認められるため、環境面を考慮するとチオアセトアミド
の方が好ましい。しかし、添加剤としてイミダゾールを
用いた場合は、溶血ヘモグロビンの影響も十分に回避で
きず、さらに、Moni-Trol IIX のような異常高値検体を
測定した場合、酵素に対する特異性が約5%低下する。
また、添加剤としてチオ尿素を用いた場合は、溶血ヘモ
グロビンの影響は回避できるが、イミダゾールと同様、
酵素に対する特異性が低下するため、正確度に問題が生
じる。
【0027】
【発明の効果】本発明では、酵素活性測定用試薬中にチ
オアセトアミドまたは1−チオグリセリンを含有させる
事により、溶血ヘモグロビンの影響を回避でき、さらに
酵素に対する特異性にも影響を与えることがない。した
がって、従来の測定試薬よりも正確に酵素活性を測定す
ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−グルタミルトランスフェラーゼの
    質を含むγ−グルタミルトランスフェラーゼ活性測定用
    試薬において、チオアセトアミドまたは1−チオグリセ
    リンを含有することを特徴とするγ−グルタミルトラン
    スフェラーゼ活性測定用試薬。
  2. 【請求項2】 γ−グルタミルトランスフェラーゼの基
    質がL−γ−グルタミル−3−カルボキシ−4−ニトロ
    アニリド、L−γ−グルタミル−4−ニトロアニリドま
    たはグルタミル基受容体である、請求項1記載のγ−グ
    ルタミルトランスフェラーゼ活性測定用試薬。
  3. 【請求項3】 γ−グルタミルトランスフェラーゼの基
    質がL−γ−グルタミル−3−カルボキシ−4−ニトロ
    アニリドである、請求項1記載のγ−グルタミルトラン
    スフェラーゼ活性測定用試薬。
  4. 【請求項4】 γ−グルタミルトランスフェラーゼ活性
    測定用試薬中におけるチオアセトアミドの濃度が0.4
    〜8mMであるか、または1−チオグリセリンの濃度が
    0.08〜40mMである、請求項1〜3記載のγ−グ
    ルタミルトランスフェラーゼ活性測定用試薬。
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