JP3448745B2 - ズームレンズ鏡胴 - Google Patents

ズームレンズ鏡胴

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JP3448745B2
JP3448745B2 JP2001248667A JP2001248667A JP3448745B2 JP 3448745 B2 JP3448745 B2 JP 3448745B2 JP 2001248667 A JP2001248667 A JP 2001248667A JP 2001248667 A JP2001248667 A JP 2001248667A JP 3448745 B2 JP3448745 B2 JP 3448745B2
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zoom
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種のカメラと組み
合わされるズームレンズ鏡胴の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】先ず、この発明の理解を容易にするた
め、一般的な従来型ズームレンズの構造例を図9、10
に従って説明する。この従来例に係るズームレンズ鏡胴
10では、被写界側からみて、最先頭に位置する第1レ
ンズ群L1 と第3番目に位置する第3レンズ群L3 と
が、固定レンズ群として構成され、第2番目に位置する
第2レンズ群L2 (以下、バリエータと称する)と最
後尾の第4レンズ群L4 (以下、マスターレンズとい
う)とが、可動レンズ群として構成されている。該鏡胴
10内に収納されたズームレンズ系Z′は、これらレン
ズ群と自動絞り機構、駆動系などからなっている。
【0003】 そして、変倍時には、バリエータL2
が図7に示す移動線図Aに則って光軸上を移動し、マス
ターレンズL4 が、そのときの被写体距離に応じて、
図7の移動線図B1 〜B2 の間に設定された移動線図
に則って同時に光軸上を追従移動することにより、ズー
ムレンズ系Z′の合焦状態を維持できるように構成され
ている。
【0004】 この場合、バリエータL2 は、後述す
るズームモータ51により駆動され、そのときの光軸上
の位置がエンコーダ61によりデジタル的に検出される
ように、また、マスターレンズL4 は、ステッピング
モータ71により駆動され、そのときの光軸上の位置が
基準位置検出装置81で検出される基準位置からのパル
ス数として検出されるように構成されている。
【0005】 そして、実際のズーム駆動系は、予め前
述の移動線図AおよびB1 〜B2 をエンコーダ61の
分割数および前述の基準位置からのパルス数に換算して
マップ(ないしテーブル)化し、これを変倍制御システ
ム内に記憶させて置き、バリエータL2 とマスターレ
ンズL4 との移動を制御するように構成されている。
一方、フォーカシングの場合には、適宜の手段を利用し
てマスターレンズL4を光軸方向に微小振動させるとと
もに、焦点面側に置かれた撮像素子(図示せず)から高
周波成分を出力させ、図8の原理説明図に示すように、
この高周波成分のレベル変化を検出して前ピン・後ピン
を判別し、さらに、高周波成分のピークが得られる位置
までマスターレンズL4 を移動させるという方法によ
って、フォーカシングを行うように構成されている。
【0006】 さて、前述した4つのレンズ群L1 〜
L4 を最終的に保持するズームレンズ鏡胴10は、鏡
胴の前半部を構成する固定胴2と鏡胴の後半部を構成す
る取付け座部材3とから構成されている。この場合、固
定胴2の前端部には押さえリング4aが設けられ、第1
レンズ群L1 は、この押さえリング4aによって固定
胴2に直接固定されている。
【0007】 また、固定胴2の中間壁2aと後端部に
固定された抜け止めリング4bとの間の固定胴2の内周
面には、カム筒11が光軸回りに回転可能、かつ光軸方
向には移動しないように収納されている。このカム筒1
1の周壁部には、バリエータL2 を所定の移動線図A
に沿って移動させるためのカム溝12が形成され、後端
部にはズームモータ51の駆動ギア52と連結するギア
部13が形成されている。
【0008】 また、このカム筒11の内部空間であっ
て、固定胴2の内周中間壁2aと抜け止めリング4bと
の間には、ズームガイド棒14と旋回運動阻止棒15と
が、共に光軸Oに対して平行になるように配設されてい
る。ところで、可動レンズ群の一つであるバリエータL
2 は、バリエータ保持枠21によって保持されるよう
に構成されている。
【0009】 このバリエータ保持枠21は、自身の上
部に設けられたブッシュ22がズームガイド棒14に摺
動可能に嵌入し、また、下部に形成されたU字溝23が
旋回運動阻止棒15に係合し、さらに、ブッシュ22の
上部に形成されたカムフォロアー24が、前述のバリエ
ータ用カム溝12内に精密係合するように構成されてい
る。
【0010】 そのため、変倍に際してカム筒11が回
転した時、バリエータ保持枠21(バリエータL2 )
は、このカム溝12に沿って移動するカムフォロアー2
4により駆動されて、回転することなく光軸方向へ移動
することになる。そして、このときのバリエータ保持枠
21の光軸上の位置情報は、カム筒11のギア部13に
連結されたエンコーダ61によってデジタル的な回転数
(回転角度)情報として検出されるように構成されてい
る。なお、エンコーダ61とカム筒11のギア部13と
は、適宜の中間ギア列62・63を介して互いに連結さ
れている。
【0011】 一方、鏡胴の後半部を構成する取付け座
部材3は、適宜のオートアイリス絞り手段91の絞り羽
根群92を挟んで固定胴2に結合しており、第3レンズ
群L3がこの取付け座部材3に直接固定されている。そ
して、マスターレンズL4 を保持するマスター保持枠
41は、下側部分に設けたブッシュ42が取付け座部材
3の前方壁部3aと後方壁部3bとの間に平行に設置さ
れたマスターレンズガイド棒31に嵌合することによっ
て、光軸Oに沿って直進可能に案内されるように構成さ
れている。
【0012】 また、マスター保持枠41の上側部分に
設けた係合棒43が、取付け座部材3の上壁部3cに形
成されたV字溝34に精密に係合して、マスター保持枠
41の旋回運動を阻止する。このマスター保持枠41
は、前述したように適宜のステッピングモータ71の回
転動作により光軸方向に移動されるように構成されてい
る。
【0013】 即ち、ステッピグモータ71の出力軸に
形成されたリードスクリュー72にはナット73が螺合
していて、このナット73の外周に形成された突起73
a が、マスター保持枠41に備えられたゴム係合部材
の溝33内に嵌入し、ナット73の回転を阻止してい
る。さらに、マスター保持枠41の下側部分に突設され
たアーム44が、コイルバネ35により矢印方向に付勢
されており、常に、ナット73の端面に押圧されるよう
になっている。
【0014】 そのため、ステッピングモータ71によ
りリードスクリュー72が回転されると、ナット73は
光軸方向に直進的に移動し、このナット73の移動に追
従してアーム44(及びマスター保持枠41)が光軸方
向に直進的に移動することになる。なお、この場合のコ
イルバネ35は、リードスクリュー72とナット73と
の間のバックラッシュ、および、ステッピングモータ7
1とリードスクリュー72との間の軸方向ガタを除く作
用をも果たしている。
【0015】 さて、マスター保持枠41は、数値制御
で回転するステッピングモータ71によりオープンルー
プで移動させられるため、基準とすべき位置を設定する
必要がある。この基準位置を検出するため、取付け座部
材3の上壁部3cの上には、適宜構造の基準位置検出装
置(例えば、フォトインタラプタ)81が設けられてい
る。
【0016】 このように構成された従来のズームレン
ズ鏡胴の構造には、次項で述べるような幾多の構造上お
よび製造上の問題点が存在する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】 すなわち、上記従来
のズームレンズ鏡胴の構造は、カム筒11を使用する構
成になっているために、固定胴2の外径寸法がレンズ有
効径の2倍近くにまでなり、ズームレンズ鏡胴のコンパ
クト化を阻害する一大要因になっていた。また、このカ
ム筒11は、当然、円筒形に作られることになるわけで
あるが、カム筒11がある直径を持った円筒状である以
上、カム筒11を内蔵する固定胴2も円筒形に構成しな
ければならない。また、カム筒を収納する部品は、固定
胴2と取り付け座部材3、の少なくとも2点構成としな
ければならず、部品点数削減の大きな妨げとなる。
【0018】 また、従来の鏡胴では、図10に示すよ
うに、ズームレンズ系を構成するレンズ群L4 〜L1
などの各種部材を、光軸O方向から順次組み付けていか
ねばならない。この組立て作業は、「井戸の底から部品
を順次組み付けていくような作業」であり、非常に複雑
となる。そのため、作業コストの増大という基本的な問
題を生じるが、それだけに止まらず、ズームレンズ鏡胴
の自動組立てを実現しようとするときには、極めて重大
な障害となる側面をも有している。
【0019】 しかも、従来の鏡胴では、回転カムをは
じめとする駆動系の構成部材を高精度加工しなければな
らず、低コスト化を妨げる結果となる。こうした問題
は、単にズームレンズ鏡胴に限らず、複数の焦点距離を
選択可能な可変焦点距離レンズの鏡胴一般に共通する事
柄であるため、その改善策の出現が待たれていた。
【0020】 この発明は、上記の背景に鑑みてなされ
たもので、ズームレンズ系を構成する部品点数が少な
く、組立が簡単で、しかも、低コストで高精度加工でき
る部材を用いて設計目的を達成できるズームレンズ鏡胴
を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ためこの発明の第1の構成は、鏡胴基体内に、光軸方向
へ移動可能な、略円形の保持枠に保持された可動レンズ
群からなるズームレンズ系を収納してなるズームレンズ
鏡胴において、前記ズームレンズ鏡胴の基体を、光軸に
平行な4つの面のうちの1つの面が開口されてなり、前
記ズームレンズ系のうち少なくとも可動レンズ群を組み
込んだ函体と、該函体の開口を覆うとともに、前記可動
レンズ群を移動させるアクチュエータを備えた蓋部材と
で構成し、該蓋部材のうち、前記函体の内部に向き合う
面に前記略円形の保持枠に対応した凹溝が設けられると
ともに、その反対側の面であって、かつ光軸方向から見
た隅部に前記アクチュエータが配置されたことを特徴と
する。この発明の第2の構成は、第1の構成における蓋
部材は、一個物であることとし、加工・組み立て工程の
簡素化と部品点数の削減を実現できるようにしたもので
ある。この発明の第3の構成は、第2の構成におけるア
クチュエータは複数個であることとし、組み立て工程の
簡素化を実現できるようにしたものである。この発明の
第4の構成は、第3の構成におけるアクチュエータは同
一種類であることとし、組み立て工程の簡素化と部品点
数の削減を実現できるようにしたものである。この発明
の第5の構成は、前記アクチュエータの回動軸が光軸と
等しい向きであることにより、コンパクト化をはかった
ものである。この発明の第6の構成は、前記函体は1対
の軸支凹部からなる前記ズームレンズのガイド棒支持部
を備え、前記蓋部材は前記ズームレンズのガイド棒及び
/又は前記ガイド棒支持部に当接する端面を備えるとと
もに、前記軸支凹部の開き口が、前記函体の開口と同じ
向きに構成されていることであり、組立の簡素化を図っ
たものである。この発明の第7の構成は、前記アクチュ
エータの電気接続端子が前記蓋部材の外面に向かうよう
に、前記アクチュエータが配置されることであり、これ
によって電気的接続を容易としたものである。
【0022】
【作用】 鏡胴基体を構成する一側壁が開口された函体
内に、光軸方向へ移動可能な可動レンズ群をそれぞれ適
宜順序で組み付け、ズームレンズ系を構成する。この
時、少なくとも可動レンズ群は、該函体の開口部より、
光軸に直交する方向から、一方向組み付けされる。
【0023】 また、該開口を覆う蓋部材には、前記可
動レンズ群を移動させるアクチュエータを設ける。この
場合、ズームレンズ系を構成するほとんどの部材が、一
方向から組み付けられ、しかもその駆動手段が、蓋部材
に一体化されているので、従来鏡胴に比して、大幅な部
品点数の削減と組立作業の簡素化が実現される。
【0024】 また、蓋部材を一個物とし、アクチュエ
ータを同一種類・複数個とすれば、組立工程の簡素化は
一層推進される。
【0025】
【実施例】 以下、この発明のズームレンズ鏡胴を、撮
像AF方式のビデオカメラに装備するズームレンズに適
用する場合の一実施例に基いて、詳細に説明する。図1
(a)は本願ズームレンズ鏡胴を被写体側から見た正面
図、(b)は本願ズームレンズ鏡胴を開口側から見た4
分の1断面図と正面図、(c)は本願ズームレンズ鏡胴
を被写体と反対側から見た正面図、図2(a)は蓋部材
を被写体側から見た正面図、(b)は蓋部材を外側から
見た正面図、(c)は蓋部材を被写体と反対側から見た
正面図、図3(a)は鏡胴を構成する函体を被写体側か
ら見た正面図、(b)は函体を開口側から見た正面図、
(c)は函体を被写体側と反対側から見た正面図、図4
(a)はアクチュエータを取り付けた蓋部材を被写体側
から見た正面図、(b)はアクチュエータを取り付けた
蓋部材を外側から見た正面図、(c)はアクチュエータ
を取り付けた蓋部材を被写体と反対側から見た正面図、
図5(a)は本願ズームレンズ鏡胴を被写体と反対側か
ら見た背面透視図、(b)は図3(b)に示した函体の
A−A断面図、(c)は図3(b)に示した函体のB−
B断面図、図6は移動枠とスクリューナットの連結部の
詳細説明図、図7は従来型ズームレンズおよびこの発明
に係るズームレンズにおけるバリエータとマスターレン
ズの変倍時の移動線図、図8は従来型ズームレンズおよ
びこの発明に係るズームレンズにおけるマスターレンズ
のフォーカシング作用を説明するための説明図である。
尚、図1はレンズ構成を分かりやすくするために、蓋部
材を取り外した状態を描いている。
【0026】 このズームレンズ鏡胴101 のズームレ
ンズ系Zは、5群のレンズ群からなる光学系L11、L1
2、L13、L14、L15と1個のCCD光学部材の取り付
け部102 、これらの光学部材を固定する固定部材、な
いしは駆動する駆動機構、及び絞り機構などから構成さ
れている。ここで、後述のように、該ズームレンズ系Z
を構成するすべての部材は、基体となる函体103 の内
部に収納されている。
【0027】 まず、この光学系では、図1に示すよう
に、被写界側から見て光学系の最先頭に位置する第1レ
ンズ群L11と、第3番目に位置する第3レンズ群L13
と、5番目に位置する第5レンズ群L15とが、いずれも
固定レンズ群として構成され、第2番目と第4番目に位
置する第2レンズ群(バリエータ)L12と、第4レンズ
群(マスターレンズ)L14とが、ともに可動レンズ群と
して構成されている。さらに、最後尾に位置する光学部
材の取り付け部102 は、撮像素子(CCD)と水晶板
を備えるためにあり、全体として四角形の外周を持つ部
材からなっている。
【0028】 この場合、前方の可動レンズ群であるバ
リエータL12は、変倍時に、前記図7に示す移動特性線
図Aに則って光軸O上を移動し、ズームレンズ系Zの焦
点距離を連続的に変更し得るように構成されている。一
方、後方のマスターレンズL14は、このバリエータL12
の動きに同期して、前記図7の移動特性線図B1 〜B2
間の適宜特性線図に則って光軸上を移動することによ
り、変倍時における焦点面の移動を補正するとともに、
被写体距離に応じたフォーカシングを行うように構成さ
れている。
【0029】 尚、該マスターレンズL14のフォーカシ
ング原理は、前述した図8に示す従来型ズームレンズで
のフォーカシング原理と同じであるから説明を省略す
る。さらに、CCD光学部材の取り付け部102 には、
水晶板、CCDが取り付けられ、このズームレンズ鏡胴
101 内に設けられたビデオ信号回路、または、外部に
用意された制御ボックス、または、例えばビデオカメラ
(いずれも、図示せず)に接続されるように構成されて
いる。
【0030】 さて、これらのレンズ群L11〜L15及び
CCD光学部材の取り付け部102 は、それぞれの機能
を発揮し得る状態でズームレンズ鏡胴101 内に収納さ
れるわけであるが、この鏡胴101 は、鏡胴の基体をな
す函体103 と後述する蓋部材201 とから構成されてい
る。図1は、この蓋部材201 を取り外した状態を示し
ている。先ず、鏡胴本体を構成する函体103 である
が、該函体103 は、図3、図5に示すように1個物の
函体に形成され、光軸Oに平行な4つの面のうち、例え
ば、図1において、紙面に平行な手前側壁面だけが開口
104 として構成され、他の5つの面はそれぞれ所定の
肉厚を持つ平面壁として構成されている。
【0031】 そして、光軸Oと垂直な前面壁105 の
外側には第1レンズ群L11を保持する円形枠部106
が、また、該前面壁105 と平行な後面壁107 の内側に
は第5レンズ群L15を保持する円形枠部108 が、さら
に、該後面壁107 の外側にはCCDを収納・保持する
四角形枠部109 がそれぞれ形成されている。この場
合、函体103 の外部に位置する第1レンズ群L11と第
5レンズ群L15は、従来技術と同様に、先ず、レンズ落
し込み法でそれぞれの枠部106 ・108 内に落し込み、
その後、熱加締め法によってレンズ縁部を枠部に固定す
ることで組み付けられている。
【0032】 111 〜114 は各々の端部に軸支凹部11
1a〜114 aを有する函体103 の内面に設けられた4個
所のガイド棒支持部で、該ガイド棒支持部111〜114
は、図3に示すように、前方2箇所のガイド棒支持部11
1 および112が、前面壁105 の内側面で光軸Oを挟む
位置に設定され、また、後方2箇所の支持部113 およ
び114 は、後面壁107 の内側面でそれぞれ光軸Oを挟
む位置に設定され、それぞれ函体103の内壁に接するリ
ブ状構造になっている。
【0033】 この場合、上側に位置する一対のガイド
棒支持部111 ・113 は、後述する上側ガイド棒121
の両端部支持用として、また、下側に位置する一対のガ
イド棒支持部112 ・114 は下側ガイド棒122 の両端
部支持用として使用されるように構成されている。その
ため、上側2個所の軸支凹部111a・113aの中心点を通る
仮想直線(イ)と、下側2個所の軸支凹部112a・114aの
中心点を通る仮想直線(ロ)とは、光軸Oに対して互い
に平行になるように設定されている。
【0034】 さて、4つの軸支凹部111a・112a・113a
・114aは、図4および図5に示すように、それぞれの軸
支凹部の開き口が、いずれも函体103 の開口104に向く
ような「横向き凹字形」の凹部として形成されている。
そして、上側の2つの軸支凹部111a・113aは、上側ガイ
ド棒121 の両端部と嵌合するように構成され、その深
さは、上側ガイド棒121 の直径より小さく設定されて
いる。
【0035】 また、下側の2つの軸支凹部112a・114a
は、下側ガイド棒122の両端部と円筒嵌合するように構
成され、それぞれの深さは、後述の下側ガイド棒122
の直径と実質的に同一の値に設定されている。なお、図
示実施例では、4本のガイド棒支持部111 〜114 が、
いずれも函体103 の背面壁110 から突出するような状
態に設けられているが、これらは、前面壁105 および
後面壁107の内側面に突設されたリブ状部材であって、
各凹部111a〜114aの近傍で所定の肉厚を備えたものであ
ればよい。
【0036】 121 および122 は例えば円形断面を有
する上側および下側のガイド棒で、それぞれの両端部
が、一対の上側ガイド棒支持部111 ・113 の軸支凹部
111a・113aおよび一対の下側ガイド棒支持部112 ・114
の軸支凹部112a・114aに、それぞれ着脱可能な状態で
係合できるようになっている。そして、図1の状態で
は、これらのガイド棒121 ・122 がそれぞれの軸支凹
部111a〜114aに係合して、光軸Oに平行な2本の棒状案
内部材を構成している。
【0037】 なお、この2本のガイド棒121 ・122
の直径は、異なる値に設定することもできるが、製造コ
ストや組み立て工程上の便宜から、同一直径に設定する
のが好ましい。123 はバリエータL12を光軸Oに沿っ
て移動可能に保持するための第1可動保持枠で、その上
側部位には、上側ガイド棒121 に摺動可能に係合する
ブッシュ123aが、下側部位には、下側ガイド棒122 と
摺動可能、かつ着脱可能に係合する下向きのU字溝123b
がそれぞれ設けられている。そして、この第1可動保持
枠123 には、図6に示すように、後述する一方のズー
ム用ナット143 と連結されるフォーク状の突起123cが
形成され、さらに、その近傍位置には、中央に適宜の溝
を有するゴム係合部材123dが取り付けられている。
【0038】 124 は第3レンズ群L13を固定的に保
持する固定保持枠で、先の第1可動保持枠123 とは逆
に、その下側部位には、下側ガイド棒122 に摺動可能
に係合するブッシュ124aが、上側の部位には、上側ガイ
ド棒121 と摺動可能、かつ着脱し易いように係合する
上向きのU字溝124bがそれぞれ設けられている。この固
定保持枠124 は、本来、上下のガイド棒121 ・122
に案内されて光軸方向に移動可能に設けられているもの
であるが、函体103 内に組み込む際に、函体103 の適
宜個所に設けられた位置固定手段によって、光軸上の所
定位置に固定されるように構成されている。即ち、該固
定保持枠124 のブッシュ124aの左端は、鏡胴101 の一
部である124dに突き当てられ、かつ該ブッシュ124aは板
バネ124cによって左向きに付勢されて固定されている。
【0039】 125 はマスターレンズL14を光軸Oに
沿って移動可能に保持する第2可動保持枠で、固定保持
枠124 と同様に、その下側の部位には、下側ガイド棒1
22 に摺動可能に係合するブッシュ125aが、上側の部位
には、上側ガイド棒121 と摺動可能、かつ着脱し易い
ように係合する上向きのU字溝125bがそれぞれ設けられ
ている。
【0040】 そして、この第2可動保持枠125 に
は、図6に示すように、後述のAF用ナット163 と接
触するフォーク状の突起125cが形成され、さらに、その
近傍位置には、中央に適宜の溝を有するゴム係合部材12
5dが取付けられている。141 は第1可動保持枠(バリ
エータL12)123 を光軸に沿って移動させるためのズ
ーム用モータ(アクチュエータ)で、該モータ141
は、蓋部材201 に固定される。
【0041】 図示の実施例では、このズーム用モータ
141 としてステッピングモータ(例えば、PM型ステ
ッピングモータ)を使用し、これをオープンループ制御
によって作動させるように構成している。このステッピ
ングモータはデジタル制御が簡単で、高力率でもあるの
で、ズームレンズの可動レンズ群を定速移動させるのに
好適なモータであるといえる。
【0042】 142 はこのモータ141 の出力軸に固定
されたズーム用リードスクリューであるが、これを、出
力軸と一体的に形成することも可能である。143は該リ
ードスクリュー142 に螺合している2つのズーム用ナ
ットで、ナット143 には、第1可動保持枠123 のゴム
係合部材123dの溝内に嵌入可能な凹部143aが設けられて
いる。これは、ズーム用リードスクリュー142 が回転
したときに、この回転につれてナット143 自信が連れ
回りしないようにするためである。
【0043】 161 は第2可動保持枠(マスターレン
ズL14)125 を光軸Oに沿って移動させるためのAF
用モータ(アクチュエータ)で、該AF用モータ161
は蓋部材201に固定される。162 はこのモータ161 の
出力軸に固定されたAF用リードスクリューであるが、
これを、出力軸と一体的に形成することも可能である。
【0044】 163 はこのリードスクリュー162 に螺
合しているAF用ナットで、該ナット163 は第2可動
保持枠125 のゴム部材125dの溝内に嵌入可能な凹部163
aを有している。これは、AF用リードスクリュー162
が回転したときに、ナット163 自身が連れ回りしない
ようにするためのものである。ところで、第1可動保持
枠123 および第2可動保持枠125 の光軸方向の位置制
御は、いずれも、ズーム用モータ141 とAF用モータ1
61 のオープンループ制御で行われるが、この場合、モ
ータ起動時に、まず第1可動保持枠123 と第2可動保
持枠125 とが基準位置まで移動して基準信号を検知
し、その後に、基準位置からのパルス数によりそれぞれ
の保持枠123 ・125 の位置設定を行うシステムである
ため、基準位置を知るための検知手段が必要になる。
【0045】 そこで、本願実施例では、この基準位置
検知手段として、第1可動保持枠123のためのズーム用
光電位置検出手段170 と、第2可動保持枠125のための
AF用光電位置検出手段174 とを設けている。ズーム
用光電位置検出手段170 は、函体103 内の適宜位置に
固定的に設けられたフォトインタラプタ171 と、第1
可動保持枠123 に取付けられた遮光板部172と、図示な
き適宜の検出回路とから構成されている。このうちのフ
ォトインタラプタ171 は、以下に述べるように、それ
自体公知の構造を持つ部材として構成されている。
【0046】 すなわち、図5(a)の上部に示すよう
に、その本体部は、光軸方向(紙面に垂直な方向)に適
度の長さを有する「コの字形断面」を持つ部材として構
成されている。そして、この「コの字形断面」の凹み部
分に、第1可動保持枠123 の位置を光電的に読み取る
のに必要な数の投光器−受光器群が光軸Oに沿って整列
的に配列されていて、これがフォトインタラプタ171
の光電検出光路部となっている。
【0047】 また、遮光板部172 は、このフォトイ
ンタラプタ171 の光電検出光路部に突出するような状
態で第1可動保持枠123 に取付けられ、第1可動保持
枠123 が光軸に沿って移動したときに、この遮光板部1
72 が、光電検出光路部の投−受光部を遮るように構成
されている。その結果、第1可動保持枠123が光軸に沿
って移動したときには、検出回路が遮光板部172 によ
り遮られた投−受光部の位置を検出して、このときの第
1可動保持枠123 の光軸方向の位置を検出できること
になる。
【0048】 一方、AF用光電位置検出手段174
も、このズーム用光電位置検出手段170 の場合と同様
に構成されている。即ち、図5(a)の下部に示すよう
に、このAF用光電位置検出手段174 は、函体103 内
の適宜位置に固設されたフォトインタラプタ175 と、
第2可動保持枠125 に突出的に取付けられた遮光板部1
76 と、適宜の検出回路とから構成され、さらに、第2
可動保持枠125が光軸に沿って移動したときに、遮光板
部176 が、フォトインタラプタ175に形成された投受光
部を遮ることができるように構成されている。
【0049】 そして、検出回路が遮光板部176 によ
り遮られた投−受光部の位置を検出して、このときの第
2可動保持枠125 の光軸方向の位置を検出できるよう
になっている。一番簡単な場合は、このフォトインタラ
プタ171 、175内の投光器−受光器群が一対の場合であ
り、1点のみを基準とする。
【0050】 191 はこのズームレンズ101 の絞り装
置を構成するオートアイリスユニット、192 は該オー
トアイリスユニット191 を固定する爪片である。とこ
ろで、本願ズームレンズ鏡胴101 では、変倍時のバリ
エータL12(第1可動保持枠123 )の移動と、変倍補
正時およびフォーカシング時におけるマスターレンズL
14(第2可動保持枠125 )の移動とが、ズーム用モー
タ141 およびAF用モータ161 のオープンループ制御
により行なわれ、さらに、それらの移動位置の設定が、
ズーム用光電位置検出手段170 とAF用光電位置検出
手段174との検知作用で行われるように構成されてい
る。
【0051】 この制御手段は、例えば小型CPU(図
示せず)により、2つのモータ141 ・161 、2つの光
電位置検出手段170 ・174 、オートアイリスユニット
191 などを統御し、所望の移動特性を実現しつつ可動
レンズ群を移動できるようになっている。また、該CP
Uのメモリーには、図7に対応する変倍時のバリエータ
L12の移動線図Aおよび変倍補正時およびフォーカシン
グ時の移動線図Bの指令データがマップ (ないしテー
ブル) として蓄えられている。
【0052】 この制御手段は、任意の個所に設置で
き、例えば、ズームレンズ鏡胴101 の函体103 内部に
設けてもよいし、或いは、外部の制御ボックス内また
は、例えば、ビデオカメラの本体内に配設することもで
きる。201 は函体103の開口104 を塞ぐための蓋部材
で、図2に示すように、その外周縁の形状・大きさは、
函体103 の内周縁形状・大きさと同寸法に設定され、
適宜の取付け方法によって函体103 の開口104 に着脱
可能に取付けられるように構成されている。
【0053】 なお、ズームレンズ鏡胴101 を湿気防
止構造または水密構造にするときには、この蓋部材201
と函体103 との取付け面に適宜のゴムパッキングを介
在させるようにする。202 〜205 は、この蓋部材201
の内側の面にリブ状に形成された4本の軸抑えで、そ
の位置は、前述のガイド棒支持部111 〜114 の形成位
置に対応する位置に設定されている。
【0054】 そして、上側に位置する2本の軸抑え20
2 ・204 の高さは、蓋部材201 を函体103 に取り付
けた状態において、この軸抑えの端面202a・204aが対応
するガイド棒支持部111 ・113 の端面と一致するよう
な値に設定され、下側に位置する2本の軸抑え203 ・2
05 の高さは、この軸抑えの端面203a・205aが対応する
ガイド棒支持部112 ・114 の端面と一致するような値
に設定されている。
【0055】 そのため、蓋部材201 が函体103 の開
口104 に取付けられたときには、上側ガイド棒121
は、上側に位置するガイド棒支持部111 ・113の軸支凹
部111a・113aとこの軸抑え202 ・204 の端面202a・20
4aとの間で挟持的に軸支されることになる。また、下側
のガイド棒122 も、同様に下側に位置するガイド棒支
持部112 ・114 の軸支凹部112a・114aと軸抑え203
・205 の端面203a・205aとの間で挟持的に軸支される
ことになる。
【0056】 さて、このように構成された図示例のズ
ームレンズ鏡胴101 は、次のような組立て方法によっ
て組立てられる。この方法での組立て作業は、ズームレ
ンズ鏡胴101 の基体である函体103 (鏡胴本体)の内
部に組み込むべき各ユニットの事前準備作業から開始さ
れる。先ず、函体103 (鏡胴本体)の開口104 から組
み込まれる3つの保持枠ユニットの組立て作業について
説明する。
【0057】 バリエータL12、第3レンズ群L13、マ
スターレンズL14を、それぞれ落し込み法により第1可
動保持枠123 、固定保持枠124 、第2可動保持枠125
内に挿入し、かつ固定する。さらに、このような組立
て状態にある3つの保持枠123 、124 、125 と、上
下のガイド棒121 、122 との組立て作業を行う。すな
わち、第1可動保持枠123 と一体成形されているブッ
シュ123aを、上側ガイド棒121 に嵌合させ、その下向
きU字溝123bを、下側ガイド棒122に係合させる。
【0058】 同様に、固定保持枠124 と第2可動保
持枠125 にそれぞれ一体成形されているブッシュ124a
・125aを、それぞれ下側ガイド棒122 に嵌合させ、両
方の上向きU字溝124b・125bを、それぞれ上側ガイド棒
121 に係合させる。次に、ズーム用モータユニットと
AF用モータユニットの組立て作業について説明する。
【0059】 まず、ズーム用モータ141 の出力軸
に、ワッシャ148 と第1のバネ146 と第1のOリング
147 とを取付け、ズーム用リードスクリュー142の先端
領域に、ズーム用ナット143 を取り付ける。同様に、
AF用モータ161の出力軸に、ワッシャ166 と、第2バ
ネ164 と第2「O」リング165 とを取付け、AF用リ
ードスクリュー162 の中間領域に、AF用ナット163
を取付ける。
【0060】 このような準備作業が終了したならば、
函体103 の前面壁105に形成された円形枠部106 内に
第1レンズ群L11を、また、後面壁107 に形成された
円形枠部108 内に、第5レンズ群L15を組み込む。こ
こで、従来例では被写体側の固定レンズ群は、製造段階
で生じるその光学的なばらつきを調整するために、取り
付け時に光軸方向へ微移動させることができるようにな
っていた。しかし、こうした構成は組み立て・加工精度
を高精度化しなければならない上、調整作業に時間がか
かるという問題点を有していた。そこで、本実施例で
は、先頭の固定レンズ群L11は函体103 の所定位置に
固定し、前述の光学的ばらつきは、ソフトウエアで補正
できるように構成されている。即ち、固定レンズ群L11
による変動に応じて、前記したマスターレンズL14
の移動特性を支配するCPUのメモリー内のマップを適
宜選択し、固定レンズ群を光軸方向へ微移動させた場合
と光学的に同じ状態を実現できるようになっている。従
って、レンズ群L11の取り付け作業は簡潔である。
【0061】 尚、応用例として、レンズ系だけでな
く、CCD保持枠までを函体と一体化してもよい。その
後、ズーム用光電位置検出手段170 およびAF用光電
位置検出手段174 のフォトインタラプタ171 ・176
を、函体103 の開口104 から挿入してそれぞれの所定
個所に取付ける。
【0062】 次に、3つの保持枠ユニット123 〜125
が取付けられた状態の上側ガイド棒121 と下側ガイ
ド棒122 とを、開口104 から函体103 内に挿入し、
2対のガイド棒支持部111 ・113 および112 ・114
の軸支凹部111a・112a・113a・114a内にそれぞれ嵌着す
る。この場合、固定保持枠124 は、函体103側の位置固
定用部材(図示せず)によって光軸上の所定位置に固定
されるが、第1可動保持枠123 と第2可動保持枠125
とは、上側ガイド棒121 と下側ガイド棒122 とに案内
されて光軸方向に移動できるように組み込まれることに
なる。
【0063】 この後に、ズーム用モータ141 のユニ
ットとAF用モータ161のユニットとを、蓋部材201 に
取り付ける。ズーム用、AF用ともに、バネ146、164
の作用により、出力軸142 、162 の先端が蓋部材201
に取り付けられた平面受け部206 、207 に突き当た
った状態になる。この方法により、出力軸の光軸方向の
位置は固定される。また、回転時の摩擦を極力少なくす
るために、出力軸142 、162 の先端は球状に加工され
ている。この状態となった蓋部材201 は、函体103 内
に挿入されて、所定の位置に固定される。
【0064】 この場合、蓋部材201 に形成された軸
抑え202 〜205 の各端面202a・203a・204a・205aが、
函体103 の各ガイド棒支持部111 〜114 に接して、
上側ガイド棒121 および下側ガイド棒122 の浮き上り
を防止する。この後、保持枠123 とナット143 、保持
枠124 とナット163 を連結するために、弾性部材123
d、125dを上部よりセットする。
【0065】 さらに、第1可動保持枠123 側の遮光
板部172 と第2可動保持枠125 側の遮光板部177 と
を、それぞれの光電位置検出手段170 ・174 のフォト
インタラプタ171 ・175 の光電検出光路部内に位置さ
せ、ズーム用光電位置検出手段170 およびAF用光電
位置検出手段174 による位置検出が可能な状態にセッ
トする。オートアイリスユニット191 の組み込みにつ
いては、組立て作業中の適宜の時期に行うものとする。
【0066】 また、図1の構成から、最後尾に位置す
るCCD光学部材102を取外してズームレンズを構成
し、ズーム光学系L11〜L15からの出射光を直接フィル
ム面に結像させ得るように構成したときには、この発明
を通常型カメラにも適用することができる。この場合、
ズームレンズしての構成は、ズーム光学系L11〜L15か
らの出射光がCCD光学部材102 上に結像するのか、
または、フィルム面上に結像するのかという相違点を除
いて、全て同一構成となる。
【0067】 また、図示実施例では、ズーム用モータ
およびAF用モータにPM型ステッピングモータを使用
しているが、第1可動保持枠および第2可動保持枠の一
方または双方を、光軸に沿って精密に移動させ得る性能
を有するものであれば、他形式のモータを使用してもよ
い。さらに、図示実施例では、この発明をズームレンズ
に適用した場合を例にして説明しているが、この発明
は、それだけに止まらず、全ての可変焦点距離レンズに
適用することが出来ることを付記する。
【発明の効果】上記のようにこの発明の第1の構成は、
鏡胴基体内に、光軸方向へ移動可能な可動レンズ群を有
するズームレンズ系を収納してなるズームレンズ鏡胴に
おいて、前記鏡胴基体を、一側壁が開口された函体と、
該開口を覆う蓋部材とで構成し、かつ前記ズームレンズ
系のうち少なくとも可動レンズ群を、該開口を介して該
函体内に1方向組み付け可能に構成し、しかも該蓋部材
に、該可動レンズ群を移動させるアクチュエータを設け
たことを特徴としているので、以下に列挙するような基
本的な効果を得ることができた。 (a)ズームレンズ鏡胴の基体をなす函体に収納される
ズームレンズ系の主構成要素である可動レンズ群を、函
体の開口から組み付けることができ、しかもこれら部材
の組み付け方向を一方向に限定できる。このため、組み
立て工程の大幅な簡素化による作業時間の短縮、低コス
ト化を達成でき、特に、自動組立て法の導入を図る上で
大きな効果を奏する。 (b)アクチュエータを蓋部材にまとめて固定している
ので、レンズを保持するガイド棒を固定すると同時にア
クチュエータのセットが完了する。また、蓋部材とアク
チュエータがユニット化されているので、アクチュエー
タを作動可能な状態で、取り扱いができる。 (c)回転カム筒を使用することなく可動レンズ群を高
精度に移動可能なズームレンズ系を構成でき、その構成
部品も高精度・低コストの加工部品を多用することがで
きる。このため、ズームレンズ鏡胴の基本設計における
自由度が拡大するという効果を奏する。
【0068】 すなわち、従来の円筒型レンズ鏡胴で
は、加工が複雑で高価な回転カム筒を用いなければなら
ず、鏡胴全体の製造単価も高くなっていたが、この発明
では、リードスクリューの製造には転造ローラを利用で
き、高精度かつ品質の均一なものが低コストで得られ、
鏡胴全体の製造単価も安価になるという効果を奏する。
この発明の第2の構成は、第1の構成における函体の、
前記ズームレンズ系の主要部を固定する蓋部材を1個物
で構成しているので、加工・組み立て工程の簡素化と部
品点数の削減、組み立て工程の簡素化、低コスト化など
の諸点で優れた効果を奏する。
【0069】 この発明の第3の構成は、第2の構成に
おいて、複数のアクチュエータをまとめて固定している
ので、組み立ての簡素化、低コスト化などの効果を奏す
る。この発明の第4の構成は、第3の構成において、一
種複数のアクチュエータを使用しているので、コストを
大幅に削減できる。以上述べた通り、この発明を用いる
ときは、構成部品の数が少なく、組立が簡単で、しか
も、低コストで高精度な部品を用いて設計目的を達成可
能なズームレンズ鏡胴を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本願ズームレンズ鏡胴を被写体側か
ら見た正面図、(b)本願ズームレンズ鏡胴を開口側か
ら見た4分の1断面図と正面図、(c)本願ズームレン
ズ鏡胴を被写体と反対側から見た正面図である。
【図2】 (a)蓋部材を被写体側から見た正面図、
(b)蓋部材を外側から見た正面図、(c)蓋部材を被
写体と反対側から見た正面図である。
【図3】 (a)鏡胴を構成する函体を被写体側から
見た正面図、(b)函体を開口側から見た正面図、
(c)函体を被写体側と反対側から見た正面図である。
【図4】 (a)アクチュエータを取り付けた蓋部材
を被写体側から見た正面図、(b)アクチュエータを取
り付けた蓋部材を外側から見た正面図、(c)アクチュ
エータを取り付けた蓋部材を被写体と反対側から見た正
面図である。
【図5】 (a)本願ズームレンズ鏡胴を被写体と反
対側から見た背面透視図、(b)図3(b)に示した函
体のA−A断面図、(c)図3(b)に示した函体のB
−B断面図である。
【図6】 移動枠とスクリューナットの連結部の詳細
説明図である。
【図7】 従来型ズームレンズおよびこの発明に係る
ズームレンズにおけるバリエータとマスターレンズの変
倍時の移動線図である。
【図8】 従来型ズームレンズおよびこの発明に係る
ズームレンズにおけるマスターレンズのフォーカシング
作用を説明するための説明図である。
【図9】 従来型ズームレンズに用いられている円筒
状レンズ鏡胴の構成を説明するための構成説明図であ
る。
【図10】 従来型ズームレンズの円筒状レンズ鏡胴
における組立て作業の説明図である。
【符号の説明】
O 光軸 L1 第1レンズ群 L2 バリエータ L3 第3レンズ群 L4 マスターレンズ 10 ズームレンズ鏡胴 2 固定胴 2a 内周中間壁 3 取付け座部材 3a 前方壁部 3b 後方壁部 3c 上壁部 3d 下壁部 4a 押さえリング 4b 抜け止めリング 11 カム筒 12 バリエータ用カム溝 13 ギア部 14 ズームガイド棒 15 旋回運動阻止棒 21 バリエータ保持枠 22 ブッシュ 23 U字溝 24 カムフォロアー 25 ガタ取り用バネ 31 マスター用カム溝 32 マスターレンズガイド棒 33 直進案内溝 34 U字溝 35 コイルバネ 41 マスター保持枠 42 ブッシュ 43 係合棒 44 アーム 51 ズームモータ 52 駆動ギア 61 エンコーダ 62、63 中間ギア列 71 ステッピングモータ 72 リードスクリュー 73 ナット 73a 突起 81 基準位置検出装置 L11 第1レンズ群 L12 バリエータ L13 第3レンズ群 L14 マスターレンズ L15 第5レンズ群 101 ズームレンズ鏡胴 102 CCD光学部材の取り付け部 103 、201 レンズ鏡胴 103 函体(鏡胴本体) 104 開口 105 前面壁 106 円形枠部 107 後面壁 108 円形枠部 109 四角枠部 110 背面壁 111 、112 前方のガイド棒支持部 113 、114 後方のガイド棒支持部 111a、112a、113a、114a 軸支凹部 121 上側ガイド棒 122 下側ガイド棒 123 第1可動保持枠 123a ブッシュ 123b 下向きU字溝 123c フォーク状突起 123d ゴム係合部材 124 固定保持枠 124a ブッシュ 124b 上向きU字溝 125 第2可動保持枠 125a ブッシュ 125b 上向きU字溝 125c フォーク状突起 125d ゴム係合部材 141 ズーム用モータ(アクチュエータ) 142 ズーム用リードスクリュー 143 ズーム用ナット 143a 凹部 146 第1バネ 161 AF用モータ(アクチュエータ) 162 AF用リードスクリュー 163 AF用ナット 163a 凹部 164 第2バネ 170 ズーム用光電位置検出手段 174 AF用光電位置検出手段 171 、175 フォトインタラプタ 172 、176 遮光板部 191 オートアイリスユニット 201 蓋部材 202、203、204、205 軸抑え 202a・203a・204a・205a 軸抑え端面 Z、Z′ ズームレンズ系
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−134408(JP,A) 特開 平1−231009(JP,A) 特開 平5−188258(JP,A) 特開 昭54−81839(JP,A) 特開 昭48−56134(JP,A) 特開 昭48−56132(JP,A) 特開 平5−188256(JP,A) 特開 平4−177206(JP,A) 特開 平4−177207(JP,A) 特開 平2−309058(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/02 - 7/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡胴基体内に、光軸方向へ移動可能な、
    略円形の保持枠に保持された可動レンズ群からなるズー
    ムレンズ系を収納してなるズームレンズ鏡胴において、 前記ズームレンズ鏡胴の基体を、光軸に平行な4つの面
    のうちの1つの面が開口されてなり、前記ズームレンズ
    系のうち少なくとも可動レンズ群を組み込んだ函体と、 該函体の開口を覆うとともに、前記可動レンズ群を移動
    させるアクチュエータを備えた蓋部材とで構成し、 該蓋部材のうち、前記函体の内部に向き合う面に前記略
    円形の保持枠に対応した凹溝が設けられるとともに、そ
    の反対側の面であって、かつ光軸方向から見た隅部に前
    記アクチュエータが配置されたことを特徴とするズーム
    レンズ鏡胴。
  2. 【請求項2】 前記蓋部材は、一個物である請求項1に
    記載のズームレンズ鏡胴。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータは複数個である請求
    項1乃至2に記載のズームレンズ鏡胴。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータは同一種類である請
    求項1乃至3に記載のズームレンズ鏡胴。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータの回動軸が光軸と等
    しい向きである請求項1乃至4に記載のズームレンズ鏡
    胴。
  6. 【請求項6】 前記函体は1対の軸支凹部からなる前記
    ズームレンズのガイド棒支持部を備え、前記蓋部材は前
    記ズームレンズのガイド棒及び/又は前記ガイド棒支持
    部に当接する端面を備えるとともに、前記軸支凹部の開
    き口が、前記函体の開口と同じ向きに構成されている請
    求項1乃至5に記載のズームレンズ鏡胴。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエータの電気接続端子が前
    記蓋部材の外面に向かうように、前記アクチュエータが
    配置される請求項1乃至6に記載のズームレンズ鏡胴。
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