JPH063573A - ズームレンズ鏡胴 - Google Patents

ズームレンズ鏡胴

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Publication number
JPH063573A
JPH063573A JP16633692A JP16633692A JPH063573A JP H063573 A JPH063573 A JP H063573A JP 16633692 A JP16633692 A JP 16633692A JP 16633692 A JP16633692 A JP 16633692A JP H063573 A JPH063573 A JP H063573A
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JP
Japan
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holding frame
zoom lens
lens barrel
optical axis
lens
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Application number
JP16633692A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Emura
哲二 江村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
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Publication of JPH063573A publication Critical patent/JPH063573A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ズームレンズ系を構成する部品点数が少な
く、組立が簡単で、しかも、低コストで高精度加工でき
る部材を用いて設計目的を達成できるズームレンズ鏡胴
を提供する。 【構成】 鏡胴基体内に、光軸に平行なガイド部を介し
て、該光軸方向へ移動可能な可動レンズを有するズーム
レンズ系を収納してなるズームレンズ鏡胴において、前
記ガイド部と前記可動レンズの保持枠を、前記光軸の直
交方向に係合、離脱可能に構成し、保持枠をこの直交方
向から装入するだけでガイド部と係合させて、組み立て
工程を簡素化できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種のカメラと組み
合わされるズームレンズ鏡胴の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】先ず、この発明の理解を容易にするた
め、一般的な従来型ズームレンズの構造例を図12、1
3に従って説明する。この従来例に係るズームレンズ鏡
胴13では、被写界側からみて、最先頭に位置する第1
レンズ群L1 と第3番目に位置する第3レンズ群L3
が、固定レンズ群として構成され、第2番目に位置する
第2レンズ群L2 (以下、バリエータと称する)と最後
尾の第4レンズ群L4 (以下、マスターレンズという)
とが、可動レンズ群として構成されている。該鏡胴10
内に収納されたズームレンズ系Z' は、これらレンズ群
と自動絞り機構、駆動系などからなっている。
【0003】そして、変倍時には、バリエータL2 が図
10に示す移動線図Aに則って光軸上を移動し、マスタ
ーレンズL4 が、そのときの被写体距離に応じて、図1
0の移動線図B1 〜B2 の間に設定された移動線図に則
って同時に光軸上を追従移動することにより、ズームレ
ンズ系Z' の合焦状態を維持できるように構成されてい
る。
【0004】この場合、バリエータL2 は、後述するズ
ームモータ51により駆動され、そのときの光軸上の位
置がエンコーダ61によりデジタル的に検出されるよう
に、また、マスターレンズL4 は、ステッピングモータ
71により駆動され、そのときの光軸上の位置が基準位
置検出装置81で検出される基準位置からのパルス数と
して検出されるように構成されている。
【0005】そして、実際のズーム駆動系は、予め前述
の移動線図AおよびB1 〜B2 をエンコーダ61の分割
数および前述の基準位置からのパルス数に換算してマッ
プ(ないしテーブル)化し、これを変倍制御システム内
に記憶させて置き、バリエータL2 とマスターレンズL
4 との移動を制御するように構成されている。一方、フ
ォーカシングの場合には、適宜の手段を利用してマスタ
ーレンズL4を光軸方向に微小振動させるとともに、焦
点面側に置かれた撮像素子(図示せず)から高周波成分
を出力させ、図11の原理説明図に示すように、この高
周波成分のレベル変化を検出して前ピン・後ピンを判別
し、さらに、高周波成分のピークが得られる位置までマ
スターレンズL4 を移動させるという方法によって、フ
ォーカシングを行うように構成されている。
【0006】さて、前述した4つのレンズ群L1 〜L4
を最終的に保持するズームレンズ鏡胴10は、鏡胴の前
半部を構成する固定胴2と鏡胴の後半部を構成する取付
け座部材3とから構成されている。この場合、固定胴2
の前端部には押さえリング4aが設けられ、第1レンズ
群L1 は、この押さえリング4aによって固定胴2に直
接固定されている。
【0007】また、固定胴2の中間壁2aと後端部に固
定された抜け止めリング4bとの間の固定胴2の内周面
には、カム筒11が光軸回りに回転可能、かつ光軸方向
には移動しないように収納されている。このカム筒11
の周壁部には、バリエータL2 を所定の移動線図Aに沿
って移動させるためのカム溝12が形成され、後端部に
はズームモータ51の駆動ギア52と連結するギア部1
3が形成されている。
【0008】また、このカム筒11の内部空間であっ
て、固定胴2の内周中間壁2aと抜け止めリング4bと
の間には、ズームガイド棒14と旋回運動阻止棒15と
が、共に光軸Oに対して平行になるように配設されてい
る。ところで、可動レンズ群の一つであるバリエータL
2 は、バリエータ保持枠21によって保持されるように
構成されている。
【0009】このバリエータ保持枠21は、自身の上部
に設けられたブッシュ22がズームガイド棒14に摺動
可能に嵌入し、また、下部に形成されたU字溝23が旋
回運動阻止棒15に係合し、さらに、ブッシュ22の上
部に形成されたカムフォロアー24が、前述のバリエー
タ用カム溝12内に精密係合するように構成されてい
る。
【0010】そのため、変倍に際してカム筒11が回転
した時、バリエータ保持枠21(バリエータL2 )は、
このカム溝12に沿って移動するカムフォロアー24に
より駆動されて、回転することなく光軸方向へ移動する
ことになる。そして、このときのバリエータ保持枠21
の光軸上の位置情報は、カム筒11のギア部13に連結
されたエンコーダ61によってデジタル的な回転数(回
転角度)情報として検出されるように構成されている。
なお、エンコーダ61とカム筒11のギア部13とは、
適宜の中間ギア列62・63を介して互いに連結されて
いる。
【0011】一方、鏡胴の後半部を構成する取付け座部
材3は、適宜のオートアイリス絞り手段91の絞り羽根
群92を挟んで固定胴2に結合しており、第3レンズ群
3がこの取付け座部材3に直接固定されている。そし
て、マスターレンズL4 を保持するマスター保持枠41
は、下側部分に設けたブッシュ42が取付け座部材3の
前方壁部3aと後方壁部3bとの間に平行に設置された
マスターレンズガイド棒31に嵌合することによって、
光軸Oに沿って直進可能に案内されるように構成されて
いる。
【0012】また、マスター保持枠41の上側部分に設
けた係合棒43が、取付け座部材3の上壁部3cに形成
されたV字溝34に精密に係合して、マスター保持枠4
1の旋回運動を阻止する。このマスター保持枠41は、
前述したように適宜のステッピングモータ71の回転動
作により光軸方向に移動されるように構成されている。
【0013】即ち、ステッピグモータ71の出力軸に形
成されたリードスクリュー72にはナット73が螺合し
ていて、このナット73の外周に形成された突起73a
が、マスター保持枠41に備えられたゴム係合部材の溝
33内に嵌入し、ナット73の回転を阻止している。さ
らに、マスター保持枠41の下側部分に突設されたアー
ム44が、コイルバネ35により矢印方向に付勢されて
おり、常に、ナット73の端面に押圧されるようになっ
ている。
【0014】そのため、ステッピングモータ71により
リードスクリュー72が回転されると、ナット73は光
軸方向に直進的に移動し、このナット73の移動に追従
してアーム44(及びマスター保持枠41)が光軸方向
に直進的に移動することになる。なお、この場合のコイ
ルバネ35は、リードスクリュー72とナット73との
間のバックラッシュ、および、ステッピングモータ71
とリードスクリュー72との間の軸方向ガタを除く作用
をも果たしている。
【0015】さて、マスター保持枠41は、数値制御で
回転するステッピングモータ71によりオープンループ
で移動させられるため、基準とすべき位置を設定する必
要がある。この基準位置を検出するため、取付け座部材
3の上壁部3cの上には、適宜構造の基準位置検出装置
(例えば、フォトインタラプタ)81が設けられてい
る。
【0016】このように構成された従来のズームレンズ
鏡胴の構造には、次項で述べるような幾多の構造上およ
び製造上の問題点が存在する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記従来の
ズームレンズ鏡胴の構造は、カム筒11を使用する構成
になっているために、固定胴2の外径寸法がレンズ有効
径の2倍近くにまでなり、ズームレンズ鏡胴のコンパク
ト化を阻害する一大要因になっていた。また、このカム
筒11は、当然、円筒形に作られることになるわけであ
るが、カム筒11がある直径を持った円筒状である以
上、カム筒11を内蔵する固定胴2も円筒形に構成しな
ければならない。また、カム筒を収納する部品は、固定
胴2と取り付け座部材3、の少なくとも2点構成としな
ければならず、部品点数削減の大きな妨げとなる。
【0018】また、従来の鏡胴では、図13に示すよう
に、ズームレンズ系を構成するレンズ群L4 〜L1 など
の各種部材を、光軸O方向から順次組み付けていかねば
ならない。この組立て作業は、「井戸の底から部品を順
次組み付けていくような作業」であり、非常に複雑とな
る。そのため、作業コストの増大という基本的な問題を
生じるが、それだけに止まらず、ズームレンズ鏡胴の自
動組立てを実現しようとするときには、極めて重大な障
害となる側面をも有している。
【0019】しかも、従来の鏡胴では、回転カムをはじ
めとする駆動系の構成部材を高精度加工しなければなら
ず、低コスト化を妨げる結果となる。こうした問題は、
単にズームレンズ鏡胴に限らず、複数の焦点距離を選択
可能な可変焦点距離レンズの鏡胴一般に共通する事柄で
あるため、その改善策の出現が待たれていた。
【0020】この発明は、上記の背景に鑑みてなされた
もので、ズームレンズ系を構成する部品点数が少なく、
組立が簡単で、しかも、低コストで高精度加工できる部
材を用いて設計目的を達成できるズームレンズ鏡胴を提
供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めこの発明は、鏡胴基体内に、光軸に平行なガイド部を
介して、該光軸方向へ移動可能な可動レンズを有するズ
ームレンズ系を収納してなるズームレンズ鏡胴におい
て、前記ガイド部と前記可動レンズの保持枠を、前記光
軸の直交方向に係合、離脱可能に構成して、保持枠をこ
の直交方向から装入するだけでガイド部と係合させ、組
み立て工程を簡素化できるようにしたものである。
【0022】また、前記鏡胴基体は、少なくとも一つの
側壁が開口された函体とし、該開口から可動レンズの保
持枠などを1方向組み付けして、組み立て工程を簡素化
できるようにしたものである。また、前記ガイド部が、
前記鏡胴基体と一体に成形されたものとし、部品点数の
削減と組み立て工程の簡素化を実現できるようにしたも
のである。
【0023】また、前記保持枠は、前記ガイド部を摺動
可能に把持できる弾性把持片を少なくとも一つ備えたも
のとし、保持枠とガイド部の係合に関わる部品の寸法管
理精度、組み立て時の作業精度を緩和できるようにした
ものである。
【0024】
【作用】光軸に平行なガイド部に対して、光軸方向へ移
動可能な可動レンズの保持枠を光軸とは直交する方向か
ら鏡胴基体内に装入し、両者を係合させる。この時、鏡
胴基体は、少なくとも一つの側壁が開口された函体であ
って、可動レンズやその保持枠などズームレンズ系を構
成する主要部材は、すべて該開口から1方向組み付けさ
れる。
【0025】また、前記ガイド部が、鏡胴基体と一体に
成形されたものであれば、ガイド部の組み付け作業は不
要であり、かつ部品点数の削減が実現される。また、ガ
イド部と保持枠の係合は、ガイド部を摺動可能に把持で
きる弾性把持片によりなされるので、組み立て作業が簡
単であり、しかも製造時の寸法管理も楽である。
【0026】
【実施例】以下、この発明のズームレンズ鏡胴を、撮像
AF方式のビデオカメラに装備するズームレンズに適用
する場合の一実施例に基いて、詳細に説明する。図1
(a)は本願ズームレンズ鏡胴を被写体側から見た正面
図、(b)は本願ズームレンズ鏡胴を開口側から見た4
分の1断面図と正面図、(c)は本願ズームレンズ鏡胴
を被写体と反対側から見た正面図、図2(a)は蓋部材
を被写体側から見た正面図、(b)は蓋部材を外側から
見た正面図、(c)は蓋部材を被写体と反対側から見た
正面図、図3(a)は鏡胴を構成する函体を被写体側か
ら見た正面図、(b)は函体を開口側から見た正面図、
(c)は函体を被写体側と反対側から見た正面図、図4
(a)はアクチュエータを取り付けた蓋部材を被写体側
から見た正面図、(b)はアクチュエータを取り付けた
蓋部材を外側から見た正面図、(c)はアクチュエータ
を取り付けた蓋部材を被写体と反対側から見た正面図、
図5(a)は本願ズームレンズ鏡胴を被写体と反対側か
ら見た背面透視図、(b)は図3(b)に示した函体の
A−A断面図、(c)は図3(b)に示した函体のB−
B断面図、図6は移動枠とスクリューナットの連結部の
詳細説明図、図7はU字溝と弾性ブッシュを用いた保持
枠と、ガイド部との係合状態を示す断面図、図8は2個
の弾性ブッシュを用いた保持枠と、ガイド部との係合状
態を示す断面図、図9はガイド部を函体と一体成形した
例を示す断面図である。図10は従来型ズームレンズお
よびこの発明に係るズームレンズにおけるバリエータと
マスターレンズの変倍時の移動線図、図11は従来型ズ
ームレンズおよびこの発明に係るズームレンズにおける
マスターレンズのフォーカシング作用を説明するための
説明図である。尚、図1はレンズ構成を分かりやすくす
るために、蓋部材を取り外した状態を描いている。
【0027】このズームレンズ鏡胴101 のズームレンズ
系Zは、5群のレンズ群からなる光学系L11、L12、L
13、L14、L15と1個のCCD光学部材の取り付け部10
2 、これらの光学部材を固定する固定部材、ないしは駆
動する駆動機構、及び絞り機構などから構成されてい
る。ここで、後述のように、該ズームレンズ系Zを構成
するすべての部材は、基体となる函体103 の内部に収納
されている。
【0028】まず、この光学系では、図1に示すよう
に、被写界側から見て光学系の最先頭に位置する第1レ
ンズ群L11と、第3番目に位置する第3レンズ群L
13と、5番目に位置する第5レンズ群L15とが、いずれ
も固定レンズ群として構成され、第2番目と第4番目に
位置する第2レンズ群(バリエータ)L12と、第4レン
ズ群(マスターレンズ)L14とが、ともに可動レンズ群
として構成されている。さらに、最後尾に位置する光学
部材の取り付け部102 は、撮像素子(CCD)と水晶板
を備えるためにあり、全体として4角形の外周を持つ部
材からなっている。
【0029】この場合、前方の可動レンズ群であるバリ
エータL12は、変倍時に、前記図10に示す移動特性線
図Aに則って光軸O上を移動し、ズームレンズ系Zの焦
点距離を連続的に変更し得るように構成されている。一
方、後方のマスターレンズL14は、このバリエータL12
の動きに同期して、前記図10の移動特性線図B1 〜B
2 間の適宜特性線図に則って光軸上を移動することによ
り、変倍時における焦点面の移動を補正するとともに、
被写体距離に応じたフォーカシングを行うように構成さ
れている。
【0030】尚、該マスターレンズL14のフォーカシン
グ原理は、前述した図11に示す従来型ズームレンズで
のフォーカシング原理と同じであるから説明を省略す
る。さらに、CCD光学部材の取り付け部102 には、水
晶板、CCDが取り付けられ、このズームレンズ鏡胴10
1 内に設けられたビデオ信号回路、または、外部に用意
された制御ボックス、または、例えばビデオカメラ(い
ずれも、図示せず)に接続されるように構成されてい
る。
【0031】さて、これらのレンズ群L11〜L15及びC
CD光学部材の取り付け部102 は、それぞれの機能を発
揮し得る状態でズームレンズ鏡胴101 内に収納されるわ
けであるが、この鏡胴101 は、鏡胴の基体をなす函体10
3 と後述する蓋部材201 とから構成されている。図1
は、この蓋部材201 を取り外した状態を示している。先
ず、鏡胴本体を構成する函体103 であるが、該函体103
は、図3、図5に示すように1個物の函体に形成され、
光軸Oに平行な4つの面のうち、例えば、図1におい
て、紙面に平行な手前側壁面だけが開口104 として構成
され、他の5つの面はそれぞれ所定の肉厚を持つ平面壁
として構成されている。
【0032】そして、光軸Oと垂直な前面壁105 の外側
には第1レンズ群L11を保持する円形枠部106 が、ま
た、該前面壁105 と平行な後面壁107 の内側には第5レ
ンズ群L15を保持する円形枠部108 が、さらに、該後面
壁107 の外側にはCCDを収納・保持する4角形枠部10
9 がそれぞれ形成されている。この場合、函体103 の外
部に位置する第1レンズ群L11と第5レンズ群L15は、
従来技術と同様に、先ず、レンズ落し込み法でそれぞれ
の枠部106 ・108 内に落し込み、その後、熱加締め法に
よってレンズ縁部を枠部に固定することで組み付けられ
ている。
【0033】111 〜114 は各々の端部に軸支凹部111a〜
114 aを有する函体103 の内面に設けられた4個所のガ
イド棒支持部で、該ガイド棒支持部111 〜114 は、図3
に示すように、前方2箇所のガイド棒支持部111 および
112 が、前面壁105 の内側面で光軸Oを挟む位置に設定
され、また、後方2箇所の支持部113 および114 は、後
面壁107 の内側面でそれぞれ光軸Oを挟む位置に設定さ
れ、それぞれ函体103の内壁に接するリブ状構造になっ
ている。
【0034】この場合、上側に位置する一対のガイド棒
支持部111 ・113 は、後述する上側ガイド棒121 の両端
部支持用として、また、下側に位置する一対のガイド棒
支持部112 ・114 は下側ガイド棒122 の両端部支持用と
して使用されるように構成されている。そのため、上側
2個所の軸支凹部111a・113aの中心点を通る仮想直線
(イ)と、下側2個所の軸支凹部112a・114aの中心点を
通る仮想直線(ロ)とは、光軸Oに対して互いに平行に
なるように設定されている。
【0035】さて、4つの軸支凹部111a・112a・113a・
114aは、図4および図5に示すように、それぞれの軸支
凹部の開き口が、いずれも函体103 の開口104 に向くよ
うな「横向き凹字形」の凹部として形成されている。そ
して、上側の2つの軸支凹部111a・113aは、上側ガイド
棒121 の両端部と嵌合するように構成され、その深さ
は、上側ガイド棒121 の直径より小さく設定されてい
る。
【0036】また、下側の2つの軸支凹部112a・114a
は、下側ガイド棒122 の両端部と円筒嵌合するように構
成され、それぞれの深さは、後述の下側ガイド棒122 の
直径と実質的に同一の値に設定されている。なお、図示
実施例では、4本のガイド棒支持部111 〜114 が、いず
れも函体103 の背面壁110 から突出するような状態に設
けられているが、これらは、前面壁105 および後面壁10
7 の内側面に突設されたリブ状部材であって、各凹部11
1a〜114aの近傍で所定の肉厚を備えたものであればよ
い。
【0037】121 および122 は、例えば円形断面を有す
る上側および下側のガイド棒で、それぞれの両端部が、
一対の上側ガイド棒支持部111 ・113 の軸支凹部111a・
113aおよび一対の下側ガイド棒支持部112 ・114 の軸支
凹部112a・114aに、それぞれ着脱可能な状態で係合でき
るようになっている。そして、図1の状態では、これら
のガイド棒121 ・122 がそれぞれの軸支凹部111a〜114a
に係合して、光軸Oに平行な2本の棒状案内部材を構成
している。
【0038】なお、この2本のガイド棒121 ・122 の直
径は、異なる値に設定することもできるが、製造コスト
や組み立て工程上の便宜から、同一直径に設定するのが
好ましい。このように、函体103 の設計上の主眼は、ガ
イド棒支持部111 、112 、113 、114 にある。従って、
函体103 は、ガイド棒支持部111 〜114 を付設するため
の前面壁105 と後面壁106 、及び両壁の間隔を一定に保
持する保持部材(側壁、枠体、リブなど)を備えていさ
えすれば、ここでいう「函体」としては十分である。即
ち、函体103 は、開口104 のみならず、上面壁103aや下
面壁103b3bが開口していてもよいし、前面壁105 と後
面壁106 を連結する保持部材のみを残して、4つの側面
すべてが開口していてもよい。この場合、保持部材が前
述のガイド棒121 、122 自体であってもよい。
【0039】123 はバリエータL12を光軸Oに沿って移
動可能に保持するための第1可動保持枠で、その上面側
には上側ガイド棒121 に摺動可能に係合するブッシュ
(弾性把持片)123aが、その下面側には下側ガイド棒12
2 に摺動可能に係合するU字溝123bが、それぞれ設けら
れている。ここで、該ブッシュ123aは、図7のように、
バネ性を有する樹脂で成形され、ガイド棒121 を弾性的
に把持しつつ摺動できるように構成されている。また、
保持枠123 はガイド棒121 に対して直交方向から嵌入さ
せることにより、係合、離脱できるようになっている。
即ち、まずU溝123bをガイド棒122 に引っ掛けてから、
ブッシュ123aをガイド棒121 に対して押し込むようにし
て嵌入させる。
【0040】従来の保持枠では、ブッシュに光軸方向の
穴が開いているだけであったから、その組立の際は、こ
の穴にガイド棒を挿通させた状態で、保持枠とともに、
鏡胴内に組み込むという面倒な作業が必要であった。ま
た、従来保持枠では、穴とガイド棒の間に、摺動性を確
保するためのクリアランスが必要であったが、このクリ
アランスによって保持枠が、光軸と直交方向へわずかに
移動することがあった。この動きは、「像飛び」と呼ば
れる甚だ不都合な現象を画面内に引き起こす原因とな
る。従って、このクリアランスは可能な限り小さいほど
好ましいわけであるが、あまり小さくすると、摺動性が
悪くなるというジレンマを有している。即ち、クリアラ
ンスが5μm以上では像飛び発生の恐れがあり、3μm
以下では摺動不良の恐れがある。このため、最近のビデ
オカメラ用レンズでは、3〜5μmという極めて厳しい
寸法管理を量産段階で行わなければならず、加工、組み
立て、検査・管理の各工程における大きな負担となって
いた。
【0041】これに対し、本願発明における保持枠123
のブッシュ(弾性把持片)123aは、そのバネ性によって
ガイド棒121 と常に接触した状態にあるため、像飛び発
生の恐れは皆無である。また、その摺動性は、ブッシュ
123aを構成する部材のバネ強度を調整することで精密に
制御することができる。しかも、該保持枠123 は、函体
103 の所定位置にセットした上側のガイド棒121 に、ブ
ッシュ123aを一方向から押し込んで嵌合するだけでよい
のであるから、その組み立て性は格段に向上する。ま
た、例えば、ズームレンズ系を仮組みした後で不良レン
ズを検出した場合、保持枠123 をガイド棒121 から容易
に取り外すことができるから、そうした調整面での作業
性も格段に向上する。
【0042】さらに、下側のガイド棒122 を嵌入させる
U溝123bは、穴ではなくスリットであるから、寸法管理
が非常に容易である。このU溝123bの部位を、図8に示
すように、上側のブッシュ123aと同じ構造の弾性把持片
123b' に置き換えれば、この種の寸法管理を一層容易に
することができる。あるいは、図14に示すように、ガ
イド棒を鏡胴に組み付ける際、金属管を予め外装してお
き、この金属管に弾性把持片からなるブッシュを係合さ
せるようにしてもよい。
【0043】この場合、ガイド棒と金属管は共に金属製
となるから、プラスチック成形部品と比べると両者のク
リアランス管理は極めて容易であり、1〜3μm程度の
管理が簡単に行え、温度変動による寸法変化もほとんど
無視できるほど小さくすることができる。このような金
属管は、形状が極めて単純であるから製造も容易であ
る。
【0044】また、ブッシュはこの金属管をしっかり把
持しさえいればよく、ガイド棒を摺動可能に把持する場
合に必要な弾性力の微妙な管理も不要となる。加えて、
レンズ系の不具合発生時にブッシュをガイド棒から離脱
させることが、容易にできるという特質も失われずに済
む。そして、この第1可動保持枠123 には、図6に示す
ように、後述する一方のズーム用ナット143 と連結され
るフォーク状の突起123cが形成され、さらに、その近傍
位置には、中央に適宜の溝を有するゴム係合部材123dが
取り付けられている。
【0045】124 は第3レンズ群L13を固定的に保持す
る固定保持枠で、先の第1可動保持枠123 とは逆に、そ
の下側部位には、下側ガイド棒122 に摺動可能に係合す
るブッシュ124aが、上側の部位には、上側ガイド棒121
と摺動可能、かつ着脱し易いように係合する上向きのU
字溝124bがそれぞれ設けられている。この固定保持枠12
4 は、本来、上下のガイド棒121 ・122 に案内されて光
軸方向に移動可能に設けられているものであるが、函体
103 内に組み込む際に、函体103 の適宜個所に設けられ
た位置固定手段によって、光軸上の所定位置に固定され
るように構成されている。即ち、該固定保持枠124 のブ
ッシュ124aの左端は、鏡胴101 の一部である124dに突き
当てられ、かつ該ブッシュ124aは板バネ124cによって左
向きに付勢されて固定されている。
【0046】125 はマスターレンズL14を光軸Oに沿っ
て移動可能に保持する第2可動保持枠で、固定保持枠12
4 と同様に、その下側の部位には、下側ガイド棒122 に
摺動可能に係合するブッシュ125aが、上側の部位には、
上側ガイド棒121 と摺動可能、かつ着脱し易いように係
合する上向きのU字溝125bがそれぞれ設けられている。
【0047】そして、この第2可動保持枠125 には、図
6に示すように、後述のAF用ナット163 と接触するフ
ォーク状の突起125cが形成され、さらに、その近傍位置
には、中央に適宜の溝を有するゴム係合部材125dが取付
けられている。141 は第1可動保持枠(バリエータ
12)123 を光軸に沿って移動させるためのズーム用モ
ータ(アクチュエータ)で、該モータ141 は、蓋部材20
1 に固定される。尚、ブッシュ124a、125a、U字溝 124
b 、 125b は前述のブッシュ123a、U字溝 123b と全く
同じ構成である。
【0048】図示の実施例では、このズーム用モータ14
1 としてステッピングモータ(例えば、PM型ステッピ
ングモータ)を使用し、これをオープンループ制御によ
って作動させるように構成している。このステッピング
モータはデジタル制御が簡単で、高力率でもあるので、
ズームレンズの可動レンズ群を定速移動させるのに好適
なモータであるといえる。
【0049】142 はこのモータ141 の出力軸に固定され
たズーム用リードスクリューであるが、これを、出力軸
と一体的に形成することも可能である。143 は該リード
スクリュー142 に螺合している2つのズーム用ナット
で、ナット143 には、第1可動保持枠123 のゴム係合部
材123dの溝内に嵌入可能な凹部143aが設けられている。
これは、ズーム用リードスクリュー142 が回転したとき
に、この回転につれてナット143 自信が連れ回りしない
ようにするためである。
【0050】161 は第2可動保持枠(マスターレンズL
14)125 を光軸Oに沿って移動させるためのAF用モー
タ(アクチュエータ)で、該AF用モータ161 は蓋部材
201に固定される。162 はこのモータ161 の出力軸に固
定されたAF用リードスクリューであるが、これを、出
力軸と一体的に形成することも可能である。
【0051】163 はこのリードスクリュー162 に螺合し
ているAF用ナットで、該ナット163 は第2可動保持枠
125 のゴム部材125dの溝内に嵌入可能な凹部163aを有し
ている。これは、AF用リードスクリュー162 が回転し
たときに、ナット163 自身が連れ回りしないようにする
ためのものである。ところで、第1可動保持枠123 およ
び第2可動保持枠125 の光軸方向の位置制御は、いずれ
も、ズーム用モータ141 とAF用モータ161 のオープン
ループ制御で行われるが、この場合、モータ起動時に、
まず第1可動保持枠123 と第2可動保持枠125 とが基準
位置まで移動して基準信号を検知し、その後に、基準位
置からのパルス数によりそれぞれの保持枠123 ・125 の
位置設定を行うシステムであるため、基準位置を知るた
めの検知手段が必要になる。
【0052】そこで、本願実施例では、この基準位置検
知手段として、第1可動保持枠123のためのズーム用光
電位置検出手段170 と、第2可動保持枠125 のためのA
F用光電位置検出手段174 とを設けている。ズーム用光
電位置検出手段170 は、函体103 内の適宜位置に固定的
に設けられたフォトインタラプタ171 と、第1可動保持
枠123 に取付けられた遮光板部172と、図示なき適宜の
検出回路とから構成されている。このうちのフォトイン
タラプタ171 は、以下に述べるように、それ自体公知の
構造を持つ部材として構成されている。
【0053】すなわち、図5(a)の上部に示すよう
に、その本体部は、光軸方向(紙面に垂直な方向)に適
度の長さを有する「コの字形断面」を持つ部材として構
成されている。そして、この「コの字形断面」の凹み部
分に、第1可動保持枠123 の位置を光電的に読み取るの
に必要な数の投光器−受光器群が光軸Oに沿って整列的
に配列されていて、これがフォトインタラプタ171 の光
電検出光路部となっている。
【0054】また、遮光板部172 は、このフォトインタ
ラプタ171 の光電検出光路部に突出するような状態で第
1可動保持枠123 に取付けられ、第1可動保持枠123 が
光軸に沿って移動したときに、この遮光板部172 が、光
電検出光路部の投−受光部を遮るように構成されてい
る。その結果、第1可動保持枠123 が光軸に沿って移動
したときには、検出回路が遮光板部172 により遮られた
投−受光部の位置を検出して、このときの第1可動保持
枠123 の光軸方向の位置を検出できることになる。
【0055】一方、AF用光電位置検出手段174 も、こ
のズーム用光電位置検出手段170 の場合と同様に構成さ
れている。即ち、図5(a)の下部に示すように、この
AF用光電位置検出手段174 は、函体103 内の適宜位置
に固設されたフォトインタラプタ175 と、第2可動保持
枠125 に突出的に取付けられた遮光板部176 と、適宜の
検出回路とから構成され、さらに、第2可動保持枠125
が光軸に沿って移動したときに、遮光板部176 が、フォ
トインタラプタ175 に形成された投受光部を遮ることが
できるように構成されている。
【0056】そして、検出回路が遮光板部176 により遮
られた投−受光部の位置を検出して、このときの第2可
動保持枠125 の光軸方向の位置を検出できるようになっ
ている。一番簡単な場合は、このフォトインタラプタ17
1 、175 内の投光器−受光器群が一対の場合であり、1
点のみを基準とする。
【0057】191 はこのズームレンズ101 の絞り装置を
構成するオートアイリスユニット、192 は該オートアイ
リスユニット191 を固定する爪片である。ところで、本
願ズームレンズ鏡胴101 では、変倍時のバリエータL12
(第1可動保持枠123 )の移動と、変倍補正時およびフ
ォーカシング時におけるマスターレンズL14(第2可動
保持枠125 )の移動とが、ズーム用モータ141 およびA
F用モータ161 のオープンループ制御により行なわれ、
さらに、それらの移動位置の設定が、ズーム用光電位置
検出手段170 とAF用光電位置検出手段174 との検知作
用で行われるように構成されている。
【0058】この制御手段は、例えば小型CPU(図示
せず)により、2つのモータ141 ・161 、2つの光電位
置検出手段170 ・174 、オートアイリスユニット191 な
どを統御し、所望の移動特性を実現しつつ可動レンズ群
を移動できるようになっている。また、該CPUのメモ
リーには、図10に対応する変倍時のバリエータL12
移動線図Aおよび変倍補正時およびフォーカシング時の
移動線図Bの指令データがマップ (ないしテーブル) と
して蓄えられている。
【0059】この制御手段は、任意の個所に設置でき、
例えば、ズームレンズ鏡胴101 の函体103 内部に設けて
もよいし、或いは、外部の制御ボックス内または、例え
ば、ビデオカメラの本体内に配設することもできる。20
1 は函体103 の開口104 を塞ぐための蓋部材で、図2に
示すように、その外周縁の形状・大きさは、函体103 の
内周縁形状・大きさと同寸法に設定され、適宜の取付け
方法によって函体103 の開口104 に着脱可能に取付けら
れるように構成されている。
【0060】なお、ズームレンズ鏡胴101 を湿気防止構
造または水密構造にするときには、この蓋部材201 と函
体103 との取付け面に適宜のゴムパッキングを介在させ
るようにする。202 〜205 は、この蓋部材201 の内側の
面にリブ状に形成された4本の軸抑えで、その位置は、
前述のガイド棒支持部111 〜114 の形成位置に対応する
位置に設定されている。
【0061】そして、上側に位置する2本の軸抑え202
・204 の高さは、蓋部材201 を函体103 に取り付けた状
態において、この軸抑えの端面202a・204aが対応するガ
イド棒支持部111 ・113 の端面と一致するような値に設
定され、下側に位置する2本の軸抑え203 ・205 の高さ
は、この軸抑えの端面203a・205aが対応するガイド棒支
持部112 ・114 の端面と一致するような値に設定されて
いる。
【0062】そのため、蓋部材201 が函体103 の開口10
4 に取付けられたときには、上側ガイド棒121 は、上側
に位置するガイド棒支持部111 ・113 の軸支凹部111a・
113aとこの軸抑え202 ・204 の端面202a・204aとの間で
挟持的に軸支されることになる。また、下側のガイド棒
122 も、同様に下側に位置するガイド棒支持部112 ・11
4 の軸支凹部112a・114aと軸抑え203 ・205 の端面203a
・205aとの間で挟持的に軸支されることになる。
【0063】さて、このように構成された図示例のズー
ムレンズ鏡胴101 は、次のような組立て方法によって組
立てられる。この方法での組立て作業は、ズームレンズ
鏡胴101 の基体である函体103 (鏡胴本体)の内部に組
み込むべき各ユニットの事前準備作業から開始される。
バリエータL12、第3レンズ群L13、マスターレンズL
14を、それぞれ落し込み法により第1可動保持枠123 、
固定保持枠124 、第2可動保持枠125 内に挿入し、かつ
固定する。
【0064】次に、ズーム用モータユニットとAF用モ
ータユニットの組立て作業について説明する。まず、ズ
ーム用モータ141 の出力軸に、ワッシャ148 と第1のバ
ネ146 と第1のOリング147 とを取付け、ズーム用リー
ドスクリュー142 の先端領域に、ズーム用ナット143 を
取り付ける。
【0065】同様に、AF用モータ161 の出力軸に、ワ
ッシャ166 と、第2バネ164 と第2「O」リング165 と
を取付け、AF用リードスクリュー162 の中間領域に、
AF用ナット163 を取付ける。このような準備作業が終
了したならば、函体103 の前面壁105 に形成された円形
枠部106 内に第1レンズ群L11を、また、後面壁107 に
形成された円形枠部108 内に、第5レンズ群L15を組み
込む。
【0066】ここで、従来例では被写体側の固定レンズ
群は、製造段階で生じるその光学的なばらつきを調整す
るために、取り付け時に光軸方向へ微移動させることが
できるようになっていた。しかし、こうした構成は組み
立て・加工精度を高精度化しなければならない上、調整
作業に時間がかかるという問題点を有していた。そこ
で、本実施例では、先頭の固定レンズ群L11は函体103
の所定位置に固定し、前述の光学的ばらつきは、ソフト
ウエアで補正できるように構成されている。即ち、固定
レンズ群L11による変動に応じて、前記したマスターレ
ンズL14 の移動特性を支配するCPUのメモリー内の
マップを適宜選択し、固定レンズ群を光軸方向へ微移動
させた場合と光学的に同じ状態を実現できるようになっ
ている。従って、レンズ群L11の取り付け作業は簡潔で
ある。
【0067】尚、応用例として、レンズ系だけでなく、
CCD保持枠までを函体と一体化してもよい。その後、
ズーム用光電位置検出手段170 およびAF用光電位置検
出手段174 のフォトインタラプタ171 ・176 を、函体10
3 の開口104 から挿入してそれぞれの所定個所に取付け
る。
【0068】次に、ズーム用モータ141 のユニットとA
F用モータ161 のユニットとを、蓋部材201 に取り付け
る。ズーム用、AF用ともに、バネ146 、164 の作用に
より、出力軸142 、162 の先端が蓋部材201 に取り付け
られた平面受け部206 、207に突き当たった状態にな
る。この方法により、出力軸の光軸方向の位置は固定さ
れる。また、回転時の摩擦を極力少なくするために、出
力軸142 、162 の先端は球状に加工されている。
【0069】これでズームレンズ鏡胴101 の基体である
函体103 の内部に組み込むべき各ユニットに対する事前
の準備作業は終了した。この後は、函体103 の開口部よ
り、各部品を順次組み込んで行くだけで、従来のズーム
レンズ鏡胴に比して格段に簡潔な組み立てを行うことが
できる。即ち、まず、函体103 に付設されたガイド棒支
持部111 、113 にガイド棒121を、ガイド棒支持部112
、114 にガイド棒122 をそれぞれ、函体103 の開口104
から装入して嵌装させる。次に、第1可動保持枠123 、
固定保持枠124 、第2可動保持枠125 を、同様に、函体
103 の開口104 よりガイド棒121 、122 に直交する方向
から装入して、2本のガイド棒121 、122 に嵌装する。
即ち、保持枠123と一体成形されているブッシュ123aを
上側ガイド棒121 に、U字溝123bを下側ガイド棒122 に
それぞれ嵌入し、保持枠124 と一体成形されているブッ
シュ124aを下側ガイド棒122 に、U字溝124bを上側ガイ
ド棒121 にそれぞれ嵌入する。そして、前述のように、
ブッシュ124aを板バネ124cにより左向きに付勢して固定
する。また、保持枠125 も同様に、一体成形されている
ブッシュ125aを下側ガイド棒122 に、U字溝125bを上側
ガイド棒121 にそれぞれ嵌入する。
【0070】次に、ズーム用モータ141 とAF用モータ
161 が取り付けられた蓋部材201 が、同様に、函体103
の開口104 から、該開口104 を塞ぐように取り付けられ
る。この状態で、蓋部材201 に形成された軸抑え202 、
203 、204 、205 の各端面202a,203a,204a,205a が函体
103 の各ガイド棒支持部111 〜114 に接し、上側ガイド
棒121 と下側ガイド棒122 の浮き上がりが防止される。
この後、保持枠123 とナット143 、保持枠124 とナット
163 を連結するために、弾性部材123d、125dを、それぞ
れセットする。
【0071】各保持枠123 、124 を案内するガイド部
は、この実施例で示したような2本のガイド棒であるこ
とには制限されず、例えば、図9のように、函体103 と
一体に成形された凸条部材1121、1122であってもかまわ
ない。この場合、ブッシュ123aとU字溝123bは、該凸条
部材1121、1122と係合可能な凹部を備えた係合部材1123
a 、1123b に置き換えられ、かつ蓋部材201 は、ガイド
棒の浮き上がりを防止するためではなく、レンズ保持枠
の浮き上がり防止に好適な形状となるように設計される
ことが望ましい。
【0072】オートアイリスユニット191 の組み込みに
ついては、組立て作業中の適宜の時期に行うものとす
る。また、図1の構成から、最後尾に位置するCCD光
学部材102 を取外してズームレンズを構成し、ズーム光
学系L11〜L15からの出射光を直接フィルム面に結像さ
せ得るように構成したときには、この発明を通常型カメ
ラにも適用することができる。
【0073】この場合、ズームレンズしての構成は、ズ
ーム光学系L11〜L15からの出射光がCCD光学部材10
2 上に結像するのか、または、フィルム面上に結像する
のかという相違点を除いて、全て同一構成となる。ま
た、図示実施例では、ズーム用モータおよびAF用モー
タにPM型ステッピングモータを使用しているが、第1
可動保持枠および第2可動保持枠の一方または双方を、
光軸に沿って精密に移動させ得る性能を有するものであ
れば、他形式のモータを使用してもよい。
【0074】さらに、図示実施例では、この発明をズー
ムレンズに適用した場合を例にして説明しているが、こ
の発明は、それだけに止まらず、全ての可変焦点距離レ
ンズに適用することができることを付記する。
【0075】
【発明の効果】上記のようにこの発明は、鏡胴基体内
に、光軸に平行なガイド部を介して、該光軸方向へ移動
可能な可動レンズを有するズームレンズ系を収納してな
るズームレンズ鏡胴において、前記ガイド部と、前記可
動レンズを保持する保持枠とを、前記光軸の直交方向に
係合、離脱可能に構成しているから、可動レンズに関わ
る部材の組付け方向を1方向に限定することができる。
即ち、保持枠は、光軸の直交方向から装入するだけでガ
イド部と係合させることができ、組み立て工程を簡素化
して作業時間の短縮を図ることができる。
【0076】また、前記鏡胴基体は、少なくとも一つの
側壁が開口された函体としているから、該開口からズー
ムレンズ系を構成する部材を1方向組み付けして、組み
立て工程を簡素化することができる。また、前記ガイド
部を、前記鏡胴基体と一体に成形されたものとすること
により、部品点数の削減と組み立て工程の簡素化を実現
することができる。特に、自動組み立て装置の導入を促
進できるという効果を奏する。
【0077】また、前記保持枠は、前記ガイド部を摺動
可能に把持できる弾性把持片を備えたものとすることに
より、保持枠とガイド部の係合に関わる部品の寸法管理
精度と、組み立て時の作業精度を緩和することができ
る。これにより、組み立て工程の簡素化と自動化も促進
される。以上述べた通り、この発明を用いるときは、構
成部品の数が少なく、組立が簡単で、しかも、低コスト
で加工・管理の容易な部品を用いて設計目的を達成可能
なズームレンズ鏡胴を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本願ズームレンズ鏡胴を被写体側から
見た正面図、(b)本願ズームレンズ鏡胴を開口側から
見た4分の1断面図と正面図、(c)本願ズームレンズ
鏡胴を被写体と反対側から見た正面図である。
【図2】 (a)蓋部材を被写体側から見た正面図、
(b)蓋部材を外側から見た正面図、(c)蓋部材を被
写体と反対側から見た正面図である。
【図3】 (a)鏡胴を構成する函体を被写体側から見
た正面図、(b)函体を開口側から見た正面図、(c)
函体を被写体側と反対側から見た正面図である。
【図4】 (a)アクチュエータを取り付けた蓋部材を
被写体側から見た正面図、(b)アクチュエータを取り
付けた蓋部材を外側から見た正面図、(c)アクチュエ
ータを取り付けた蓋部材を被写体と反対側から見た正面
図である。
【図5】 (a)本願ズームレンズ鏡胴を被写体と反対
側から見た背面透視図、(b)図3(b)に示した函体
のA−A断面図、(c)図3(b)に示した函体のB−
B断面図である。
【図6】 移動枠とスクリューナットの連結部の詳細説
明図である。
【図7】 U字溝と弾性ブッシュを用いた保持枠と、ガ
イド部との係合状態を示す断面図である。
【図8】 2個の弾性ブッシュを用いた保持枠と、ガイ
ド部との係合状態を示す断面図である。
【図9】 ガイド部を函体と一体成形した例を示す断面
図である。
【図10】 従来型ズームレンズおよびこの発明に係る
ズームレンズにおけるバリエータとマスターレンズの変
倍時の移動線図である。
【図11】 従来型ズームレンズおよびこの発明に係る
ズームレンズにおけるマスターレンズのフォーカシング
作用を説明するための説明図である。
【図12】 従来型ズームレンズに用いられている円筒
状レンズ鏡胴の構成を説明するための構成説明図であ
る。
【図13】 従来型ズームレンズの円筒状レンズ鏡胴に
おける組立て作業の説明図である。
【図14】 ガイド棒に外装した金属管を介して、弾性
把持片を係合させる場合の原理説明図である。
【符号の説明】
O 光軸 L1 第1レンズ群 L2 バリエータ L3 第3レンズ群 L4 マスターレンズ 10 ズームレンズ鏡胴 2 固定胴 2a 内周中間壁 3 取付け座部材 3a 前方壁部 3b 後方壁部 3c 上壁部 3d 下壁部 4a 押さえリング 4b 抜け止めリング 11 カム筒 12 バリエータ用カム溝 13 ギア部 14 ズームガイド棒 15 旋回運動阻止棒 21 バリエータ保持枠 22 ブッシュ 23 U字溝 24 カムフォロアー 25 ガタ取り用バネ 31 マスター用カム溝 32 マスターレンズガイド棒 33 直進案内溝 34 U字溝 35 コイルバネ 41 マスター保持枠 42 ブッシュ 43 係合棒 44 アーム 51 ズームモータ 52 駆動ギア 61 エンコーダ 62,63 中間ギア列 71 ステッピングモータ 72 リードスクリュー 73 ナット 73a 突起 81 基準位置検出装置 L11 第1レンズ群 L12 バリエータ L13 第3レンズ群 L14 マスターレンズ L15 第5レンズ群 101 ズームレンズ鏡胴 102 CCD光学部材の取り付け部 103 、201 レンズ鏡胴 103 函体(鏡胴本体) 104 開口 105 前面壁 106 円形枠部 107 後面壁 108 円形枠部 109 四角枠部 110 背面壁 111 、112 前方のガイド棒支持部 113 、114 後方のガイド棒支持部 111a、112a、113a、114a 軸支凹部 121 上側ガイド棒 122 下側ガイド棒 123 第1可動保持枠 123a ブッシュ(弾性把持片) 123b 下向きU字溝 123b' ブッシュ(弾性把持片) 123c フォーク状突起 123d ゴム係合部材 124 固定保持枠 124a ブッシュ 124b 上向きU字溝 125 第2可動保持枠 125a ブッシュ 125b 上向きU字溝 125c フォーク状突起 125d ゴム係合部材 141 ズーム用モータ(アクチュエータ) 142 ズーム用リードスクリュー 143 ズーム用ナット 143a 凹部 146 第1バネ 161 AF用モータ(アクチュエータ) 162 AF用リードスクリュー 163 AF用ナット 163a 凹部 164 第2バネ 170 ズーム用光電位置検出手段 174 AF用光電位置検出手段 171 、175 フォトインタラプタ 172 、176 遮光板部 191 オートアイリスユニット 201 蓋部材 202 、203 、204 、205 軸抑え 202a・203a・204a・205a 軸抑え端面 1121、1122 凸条部材 1123a 、1123b 係合部材 Z、Z’ ズームレンズ系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡胴基体内に、光軸に平行なガイド部を
    介して、該光軸方向へ移動可能な可動レンズを有するズ
    ームレンズ系を収納してなるズームレンズ鏡胴におい
    て、前記ガイド部と前記可動レンズの保持枠を、前記光
    軸の直交方向に係合、離脱可能に構成したことを特徴と
    するズームレンズ鏡胴。
  2. 【請求項2】 前記鏡胴基体は、少なくとも一つの側壁
    が開口された函体である請求項1に記載のズームレンズ
    鏡胴。
  3. 【請求項3】 前記ガイド部が、前記鏡胴基体と一体に
    成形されたものである請求項1に記載のズームレンズ鏡
    胴。
  4. 【請求項4】 前記保持枠は、前記ガイド部を摺動可能
    に把持できる弾性把持片を少なくとも一つ備えたもので
    ある請求項1に記載のズームレンズ鏡胴。
JP16633692A 1992-06-24 1992-06-24 ズームレンズ鏡胴 Pending JPH063573A (ja)

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JP16633692A JPH063573A (ja) 1992-06-24 1992-06-24 ズームレンズ鏡胴

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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