JP3447007B2 - アンカーおよびアンカー施工方法 - Google Patents

アンカーおよびアンカー施工方法

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JP3447007B2
JP3447007B2 JP2001357332A JP2001357332A JP3447007B2 JP 3447007 B2 JP3447007 B2 JP 3447007B2 JP 2001357332 A JP2001357332 A JP 2001357332A JP 2001357332 A JP2001357332 A JP 2001357332A JP 3447007 B2 JP3447007 B2 JP 3447007B2
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昭男 神島
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株式会社神島組
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、岩盤、地山やコ
ンクリートなどの地盤に対して所定の削孔形成方向に形
成された削孔に挿入され、前記地盤に対して固定される
アンカーおよびアンカー施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアンカー施工方法では、削孔機を
用いて地盤に削孔を形成した後、削孔にアンカーの先端
部を挿入すると共にセメントミルクやモルタルなどの固
結材を注入し、固結材によってアンカーと地盤とを密着
させている。そして、最後にアンカーの後端側にアンカ
ープレートを取り付け、アンカープレートにより地盤表
面を締め付けている。しかしながら、従来のアンカー施
工方法では、アンカーの引き抜き耐久性は小さかった。
そこで、アンカーの定着力を高めるために、例えば特開
昭59−130077号公報や特開昭59−13091
7号公報などに記載されたアンカー、いわゆる拡孔型ア
ンカーが提案されている。この拡孔型アンカーは、径方
向に拡開自在に配置されたアウターリングと、該アウタ
ーリングの内面を摺動して該アウターリングを拡開する
スライダーリングとを備えており、削孔内でスライダー
リングをアウターリングに摺動させることでアウターリ
ングを径方向に拡開させてアンカーを地盤に定着させて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記拡
孔型アンカーでは、アウターリングと削孔内壁面との摩
擦によってアンカーの定着力を得ているため、その定着
力は必ずしも十分なものとはいえず、さらに優れた引き
抜き耐久性を有するアンカーやアンカー施工方法の提供
が望まれている。
【0004】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、優れた引き抜き耐久性を有するアンカーおよび該
アンカーを用いたアンカー施工方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、地盤に対し
て所定の削孔形成方向に形成された削孔に挿入され、前
記地盤に対して固定されるアンカーであって、上記目的
を達成するため、前記削孔に挿入可能なアンカー本体
と、前記アンカー本体の先端側から後端側に向かうにし
たがって径方向寸法が減少する第1傾斜面を有し、その
第1傾斜面を前記削孔の開口に向けた状態で前記アンカ
ー本体の先端部に取り付けられた第1楔部材と、前記ア
ンカー本体の先端側から後端側に向かうにしたがって径
方向寸法が増大する第2傾斜面を有し、その第2傾斜面
を前記第1楔部材に向けた状態で前記アンカー本体に沿
って移動自在となっている第2楔部材と、前記削孔内で
前記第1楔部材と前記第2楔部材との間に配置され、そ
の一方端面が前記第1傾斜面上をその傾斜方向に沿って
摺動可能となっている一方、その他方端部の一部が当接
部位として前記削孔の内壁面と当接するとともに、その
他方端部の他の部位が前記第2傾斜面と係合可能となっ
ている可動片を少なくとも1つ以上有する可動手段とを
備え、前記アンカー本体を前記削孔から引抜く方向に移
動させることにより前記第1楔部材が前記引抜方向に移
動するのに伴って前記可動片が前記第1傾斜面に沿って
摺動し、前記当接部位が前記引抜方向と鋭角をなす方向
で、かつ前記地盤表面に向けて移動して前記削孔の内壁
面に係合されるように構成している(請求項1)。
【0006】このように構成された発明では、可動片の
当接部位が削孔形成方向と鋭角をなす方向で、かつ地盤
表面に向けて移動して削孔の内壁面に係合している。こ
のため、アンカーに対して引抜方向の力が作用したとし
ても、当接部位がまるで釣り針の逆鉤のごとく機能し、
引抜方向へのアンカーの移動を規制して引き抜きに対す
る大きな抵抗となり、優れた引き抜き耐久性が得られ
る。
【0007】ここで、第1楔部材については、例えば半
球面(請求項2)やハーフパイプ状の凸曲面(請求項
4)などの面を有する部材を用いることができ、半球面
および凸曲面を第1傾斜面として機能させることができ
る。
【0008】また、可動手段を複数の可動片で構成する
ようにしてもよく、これらの可動片をアンカー本体を中
心に放射状に配置したり(請求項3)、アンカー本体を
挟んで対向配置する(請求項5)ことによって、引き抜
きに対する抵抗力が径方向に均等となり、引き抜き耐久
性を向上させる上で有利である。
【0009】また、可動片の当接部位をより確実に削孔
形成方向と鋭角をなす方向で、かつ地盤表面に向けて移
動させるためには、アンカー本体に対して鋼管を遊嵌
し、鋼管の後端側から鋼管を第2楔部材に向けて押し付
けるように構成するのが望ましい(請求項6)。
【0010】また、この発明にかかるアンカー施工方法
は、上記目的を達成するため、地盤に対して所定の削孔
形成方向に削孔を形成する削孔形成工程と、請求項1な
いし6のいずれかに記載のアンカーの前記アンカー本体
の先端部、前記第1楔部材、前記第2楔部材および前記
可動片を前記削孔に挿入し、前記アンカー本体を前記削
孔から引抜く方向に移動させることにより前記可動片の
前記当接部位を前記削孔の内壁面に係合するアンカー係
合工程と、前記アンカー本体の後端側に設けたアンカー
プレートにより前記地盤表面を押え付けながら、前記ア
ンカーを前記地盤に対して緊結させる緊結工程とを備え
ている(請求項7)。
【0011】このように構成された発明では、請求項1
ないし6のいずれかに記載のアンカーを用いることで引
き抜き耐久性を向上させている。特に、削孔の一部を径
方向にさらに拡大削岩して削孔の内壁面に段差部を形成
した(段差部形成工程)後、可動片の当接部位を段差部
に係合させた状態でアンカー係合を行うと、可動片の当
接部位がしっかりと削孔内壁面に係止されて引き抜き耐
久性をさらに向上させることができる(請求項8)。
【0012】また、この発明にかかるアンカー施工方法
は、上記目的を達成するため、削孔に挿入可能なアンカ
ー本体と、前記アンカー本体の先端側から後端側に向か
うにしたがって径方向寸法が減少する第1傾斜面を有
し、その第1傾斜面を前記削孔の開口に向けた状態で前
記アンカー本体の先端部に取り付けられた楔部材と、そ
の一方端面が前記第1傾斜面上をその傾斜方向に沿って
摺動することによって前記削孔の径方向に移動可能とな
っている可動片を少なくとも1つ以上有する可動手段と
を備えたアンカーを準備する準備工程と、地盤に対して
所定の削孔形成方向に削孔を形成する削孔形成工程と、
前記削孔の一部を径方向にさらに拡大削岩して前記削孔
の内壁面に段差部を形成する段差部形成工程と、前記ア
ンカーの前記アンカー本体の先端部、前記楔部材および
前記可動片を前記削孔に挿入し、前記アンカー本体を前
記削孔から引抜く方向に移動させることにより前記楔部
材を前記引抜方向に移動させるのに伴って前記可動片を
前記第1傾斜面に沿って摺動させ、前記削孔の径方向に
移動させて前記段差部の内壁面と係合させるアンカー係
合工程と、前記アンカー本体の後端側に設けたアンカー
プレートにより前記地盤表面を押え付けながら、前記ア
ンカーを前記地盤に対して緊結させる緊結工程とを備え
ている(請求項9)。
【0013】このように構成された発明は、いわゆる拡
径式のアンカーを用いたアンカー施工方法に関するもの
であるが、削孔の一部を径方向にさらに拡大削岩して削
孔の内壁面に段差部を形成した(段差部形成工程)後、
アンカーの可動片を段差部の内壁面に係合させた状態で
アンカー係合を行っており、可動片がしっかりと削孔内
壁面に係止されて引き抜き耐久性を向上させることがで
きる。
【0014】ここで、前記削孔形成方向において前記段
差部が前記可動片と同一あるいは前記可動片よりも長く
なるように、前記削孔の内壁面に段差部を形成してお
き、可動片の少なくとも一部を段差部にすっぽりと嵌入
させることで、可動片全体が段差部と係合し、引き抜き
耐久性をさらに向上させることができる(請求項1
0)。
【0015】なお、削孔内に固結材を充填する固結材充
填工程を実行することによって、固結材により定着力が
さらに加わるとともに、アンカーの腐食などを防止する
ことができるため、引き抜き耐久性をさらに向上させる
ことができる(請求項11)。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明にかかるアンカー施工方
法は、大きく分けて次の工程、(1)地盤表面から所定の
削孔形成方向に削孔を形成する削孔形成工程と、(2)そ
の削孔の一部を径方向に拡大させて削孔の内壁面に段差
部を形成する段差部形成工程と、(3)アンカーの一部を
削孔の内壁面に係合させるアンカー係合工程と、(4)ア
ンカーを地盤に対して緊結させる緊結工程と、(5)削孔
内に固結材を充填する固結材充填工程と、で構成されて
おり、この順序で各工程が行われる。以下、各工程につ
いて順番に説明する。
【0017】A.削孔形成工程について ここで、削孔形成工程を実行するにあたっては、従来よ
り周知の削岩機が用いられている。すなわち、この削岩
機は、ドリルロッドやシャンクロッド等と称されるロッ
ドの先端部に削岩ヘッドを取り付け、さらにロッドに対
して打撃駆動部によりロッドの長手方向に打撃振動を与
えるとともに、回転駆動部によりロッドを回転させるよ
うに構成されている。そして、ロッドを介して削岩ヘッ
ドに対して回転打撃力を与えながら、その削岩ヘッドを
地盤内部に送り込んで地盤に削孔を形成する。
【0018】B.段差部形成工程について 次に、削孔を形成する際に使用した削岩ヘッドの代わり
に、図1に示す削岩ヘッドをロッドに装着して削孔の一
部を径方向に拡大削岩する、つまり削孔内部を部分的に
拡径する。
【0019】図1はこの発明にかかるアンカー施工方法
において用いられる削岩ヘッドの一実施形態を示す斜視
図であり、また図2は図1のA−A線断面図であり、さ
らに図3ないし図5は図1の削岩ヘッドを用いた段差部
形成動作を示す図である。
【0020】この削岩ヘッド2は、図1に示すように、
削岩機のロッド4に着脱可能なヘッド本体6を備えてお
り、ロッド4の先端部に装着された状態で削岩機の打撃
駆動部(図示省略)および回転駆動部(図示省略)から
回転打撃力を受けるように構成されている。また、この
実施形態では、ヘッド本体6は削孔8に挿入可能なサイ
ズの厚肉プレートで構成されており、その両面の一方側
端部には削孔形成方向Xに対して鋭角(+α)をなすよ
うにガイド溝10が設けられるとともに、その両面の他
方側端部には削孔形成方向Xに対して鋭角(−α)をな
すようにガイド溝12が設けられている。
【0021】そして、ヘッド本体6の一方側端側でガイ
ド溝10に沿ってヘッド可動部材14が(+α)方向に
沿ってスライド自在に設けられるとともに、他方側端側
でガイド溝12に沿ってヘッド可動部材16が(−α)
方向に沿ってスライド自在に設けられている。このた
め、これらのヘッド可動部材14,16はヘッド本体6
を削孔形成方向Xに移動させることによって削孔8の中
心軸を中心として径方向において互いに接近・離間移動
可能となっている。また、各ヘッド可動部材14,16
には、削孔内壁面を向いた側面に削岩ビット18が取り
付けられている。なお、これらの削岩ビット18は後述
するように削孔8の内壁面を部分的に削岩して削孔径を
拡大する、つまり削孔内部を部分的に拡径する拡径用ビ
ットとして機能する。この削岩ビット18の形状、大き
さや数などについては任意であり、図1に示す削岩ビッ
ト18の代わりに後で説明する図16の削岩ビット(ボ
タンビット)を設けてもよく、このことは後で説明する
削岩ビットについても全く同様である。
【0022】また、このヘッド本体6の(+X)方向端
部には、円柱部材20の側面に部分的に突起部22を設
けた先端部材24が取り付けられており、その突起部2
2で中空部材26を係止し、この中空部材26に対して
ヘッド本体6および先端部材24が一体的に削孔形成方
向Xに移動自在となっている。
【0023】なお、この実施形態では、ロッド4、ヘッ
ド本体6および先端部材24には、それぞれ貫通孔4
a,6a,24aが設けられており、これら一直線状に
繋がる貫通孔4a,6a,24aを介して削孔8の内底
面に向けて圧縮空気を供給して後述する段差部を形成す
る際に発生する粉塵や被削物などを削孔8から排出可能
としている。
【0024】次に、上記のように構成された削岩ヘッド
2を用いて削孔8の一部を径方向に拡大させて削孔8の
内壁面に段差部を形成する動作について図3ないし図5
を参照しつつ説明する。まず、上記削孔形成工程の実行
によって地盤表面28から地盤内部に向けて下方向(+
X)に形成された削孔8に対し、ロッド4に削岩ヘッド
2を装着した削岩機をセットする。すなわち、図3に示
すように、削岩ヘッド2を削孔8内に挿入し、中空部材
26を削孔底部に載置して削孔径を拡大する位置、つま
り段差部形成位置にヘッド可動部材14,16を配置す
る。このとき、ヘッド可動部材14,16は自重によっ
て中空部材26の上端部で係止されている。なお、この
実施形態では、中空部材26が削孔底部に達するまで削
岩ヘッド2を削孔8内に挿入しているが、段差部形成位
置を図3の位置よりも上方位置とする場合には、中空部
材26が削孔底部から浮いた状態で削岩ヘッド2を位置
決めするようにしてもよい。
【0025】次に、削岩機の打撃駆動部および回転駆動
部の作動を開始して削岩ヘッド2に回転打撃力を与えな
がら、打撃駆動部、回転駆動部、ロッド4、ヘッド本体
6および先端部材24を一体的に削孔形成方向(+X)
に送り込んでいく。このとき、圧縮空気の送給も同時に
開始して貫通孔4a,6a,24aを介して削孔8の内
底面に向けて圧縮空気を送り込んでいる。
【0026】すると、上記送り込み動作に応じて、ヘッ
ド可動部材14,16が削孔8の中心軸を中心として径
方向において互いに離間移動し、図4に示すように削岩
ビット18が削孔内壁面と接触して段差部形成位置での
地盤の削岩が開始される。さらに、打撃駆動部、回転駆
動部、ロッド4、ヘッド本体6および先端部材24を一
体的に削孔形成方向(+X)に送り込み、この送り込み
動作に応じてヘッド可動部材14,16が削孔内壁面を
削岩しながら、削孔8の中心軸を中心として径方向にお
いて互いにさらに離間移動していく(図5)。これによ
って、削孔径が拡大されて段差部(後で説明する図7〜
9、12の符号30)が形成される。
【0027】こうして、所望深さ、例えば15mm〜2
0mm程度だけ削孔8の一部を削岩して段差部が形成さ
れると、打撃駆動部および回転駆動部の作動を停止する
とともに、圧縮空気の供給も停止して削岩動作を停止さ
せる。そして、それに続いて、打撃駆動部、回転駆動
部、ロッド4、ヘッド本体6および先端部材24を一体
的に(−X)方向に引上げてヘッド可動部材14,16
を削孔8の中心軸を中心として径方向において互いに近
接移動させて削孔8内に戻した後、さらに、打撃駆動
部、回転駆動部、ロッド4、ヘッド本体6および先端部
材24を一体的に(−X)方向に引上げて削孔機を削孔
8から取り除く。こうして、削孔8の一部を径方向に拡
大削孔して段差部が形成される。
【0028】なお、この実施形態では、図1に示すよう
にガイド溝10,12が逆ハ字状に形成されており、回
転打撃力をヘッド本体6に与えながら打撃駆動部、回転
駆動部、ロッド4、ヘッド本体6および先端部材24を
一体的に削孔形成方向Xに送り込むことでヘッド可動部
材14,16を削孔8の中心軸を中心として径方向にお
いて互いに離間させて削孔8の一部を拡大削孔している
が、ガイド溝10,12をハ字状にヘッド本体6に設
け、上記実施形態とは全く逆に、回転打撃力をヘッド本
体6に与えながら打撃駆動部、回転駆動部、ロッド4、
ヘッド本体6および先端部材24を一体的に方向(−
X)に引上げることでヘッド可動部材14,16を削孔
8の中心軸を中心として径方向において互いに離間させ
て削孔8の一部を拡大削孔するように構成してもよい。
【0029】また、この実施形態ではヘッド本体6に対
して回転駆動力と打撃振動力とを与えて削岩ビット18
により削孔内壁面を削岩しているが、回転駆動力のみを
与えて削孔内壁面を削岩して段差部を形成するようにし
てもよい。
【0030】さらに、削岩ヘッドおよび削岩機の構成に
ついては、上記実施形態に記載のものに限定されるもの
ではなく、例えば後で説明するものを用いてもよい。
【0031】C.アンカー係合工程および緊結工程につ
いて 次に、上記のようにして段差部を利用してアンカーを係
合する工程について、まず本発明にかかるアンカーの一
実施形態を説明した上で、このアンカーの一部を削孔8
の内壁面に係合するとともに、アンカーを地盤に対して
緊結する手順について詳述する。
【0032】図6は、この発明にかかるアンカーの一実
施形態を示す図である。また、図7は図6のアンカーの
部分構成を示す分解組立斜視図である。このアンカー
は、地盤表面28から地盤内部に向けて下方向(+X)
に形成された削孔8の内壁面32に対して係合可能とな
っている。このように、この実施形態では下方向(+
X)が削孔形成方向となっている。
【0033】このアンカーは、削孔8の内径よりも小さ
な外径を有し、その外周面にネジが螺刻されたアンカー
本体34を有している。このアンカー本体34として
は、例えば鋼棒で構成することができ、一般的なPC鋼
棒の他、住友電工製の「総ネジPC鋼棒・ゲビンデスタ
ーブ」・「細径異形PC鋼棒・スミツイスト」や、神戸
製鋼所製の「高強度異形棒鋼・ネジコン」などを使用す
ることができる。なお、この実施形態では、アンカー本
体34の中心に貫通孔341が設けられており、後述す
るように貫通孔341を介して固結材を削孔8内に注入
することができるように構成されている。
【0034】このアンカー本体34の先端部には、削孔
8の内径よりも若干小さな外径を有する鋼球よりなる第
1楔部材36が取り付けられている。より詳しくは、第
1楔部材36に貫通孔が形成されており、この貫通孔に
アンカー本体34の先端部が挿通されている。そして、
アンカー本体34の最先端部にナット70が螺合されて
おり、ワッシャー72を介して第1楔部材36を支持
し、第1楔部材36がアンカー本体34の先端部から落
下しないように取り付けている。もちろん、第1楔部材
36の貫通孔に雌ネジを螺刻してアンカー本体34と螺
合させたり、第1楔部材36を溶接などによりアンカー
本体34に固着するようにしてもよい。
【0035】この第1楔部材36の表面のうち削孔8の
開口を向いた上半分は、アンカー本体34の先端側から
後端側に向かう方向(−X)に進むにしたがって径方向
寸法(ここでは外径)が減少する半球面(本発明の「第
1傾斜面」に相当)38となっている。そして、この半
球面38上に、アンカー本体34を中心に放射状に配置
された3つの可動片40,40,40よりなる可動ユニ
ット42が設けられている。また、各可動片40の一方
端面41は上半球面38の曲率と同一曲率に仕上げられ
ており、上半球面38上をその傾斜面に沿って摺動可能
となっている。一方、各可動片40の他方端側では、そ
の他方端部の一部が当接部位44として削孔8の内壁面
32と当接するとともに、その他方端部の他の部位が切
欠部位46となっており、次に説明する第2楔部材と係
合可能となっている。
【0036】また、アンカー本体34には、円錐台形状
に仕上げられた第2楔部材48が遊嵌されている。この
第2楔部材48は、アンカー本体34の先端側から後端
側に向かう方向(−X)に進むにしたがって径方向寸法
(ここでは外径)が増大するテーパ面(本発明の「第2
傾斜面」に相当する)50を有し、そのテーパ面50を
第1楔部材36に向けた状態でアンカー本体34に沿っ
て移動自在となっている。そして、この実施形態では、
削孔形成方向が下方向(+X)であるため、その自重に
より第1楔部材36に向いて移動し、テーパ面50が各
可動片40の切欠部位46に係合して下方移動が規制さ
れている。したがって、後で説明するようにして各可動
片40が削孔8の内壁面32側に移動して各切欠部位5
0同士が相互に離間すると、その自重によって該離間動
作に連動してテーパ面50が各可動片40の切欠部位4
6と係合しながら、第2楔部材48が下方移動してい
く。つまり、可動片40は第2楔部材48により押え付
けられながら第1楔部材36の上半球面38上を摺動移
動する。なお、この実施形態では、可動片40が摺動す
る摺動面は球面であるため、アンカー本体34の引上に
伴いこれらの切欠部位46は、まるで花びらが開花する
如くラッパ状に広がっていくため、この動作を考慮して
テーパ面50を設計するのが望ましい。
【0037】第2楔部材48に続いてアンカー本体34
には、鋼管52が遊嵌されており、その鋼管52の先端
部が第2楔部材48の(−X)方向側端面に当接してい
る。また、鋼管52の後端側にアンカー本体34に沿っ
て移動自在にアンカープレート53が設けられるととも
に、さらにアンカープレート53の表面側(−X方向
側)でナット54がアンカー本体34に螺合されてい
る。このため、ナット54を(+X)方向に送り込んで
いくと、このナット54はアンカープレートを介して鋼
管52を第2楔部材48に向けて押し付ける。このよう
に、この実施形態では、ナット54が本発明の「鋼管押
圧部材」として機能している。
【0038】次に、上記のように構成されたアンカーを
削孔の内壁面に係合し、さらに地盤に対して緊結する動
作について図面を参照しつつ説明する。
【0039】段差部形成工程によって、その一部に段差
部30が形成された削孔8内に、図7に示すように、第
1楔部材36が取り付けられたアンカー本体34を挿入
した後、第1楔部材36の上半球面38上に3つの可動
片40をアンカー本体34を中心に放射状に配置する。
そして、第2楔部材48をアンカー本体34に沿って下
方向(+X)に移動させてテーパ面50を各可動片40
の切欠部位46に係合させる。これによって、各可動片
40の当接部位44を削孔8の内壁面32に当接させた
状態で各可動片40を削孔8内で第2楔部材48および
第1楔部材36により姿勢制御している。そして、図8
に示すように、この姿勢状態のままアンカー本体34を
下方向(+X)に降下させていき、段差部30に当接部
位44が嵌り込んで係合した時点で深さ方向への移動を
停止される。つまり、当接部位44が係合された段差部
30の(−X)側段差位置が、係合予定位置となる。な
お、図8では、同図(b)に段差部30を拡大して図示
しているが、図8以外の図面に示された段差部30も図
8(b)と同様に地盤Rに形成されている。
【0040】それに続いて、図9に示すように、アンカ
ー本体34に対して鋼管52を遊嵌し、その鋼管先端部
を第2楔部材48の上方端面に当接させた後、アンカー
プレート53をアンカー本体34に挿通させて鋼管52
の後端部に押し当て、さらにナット54を(+X)方向
に送り込むことによって鋼管52で第2楔部材48を
(+X)方向に押し遣り、各可動片40をテーパ面50
に沿って削孔8の内壁面32に向けて移動させる。これ
により、当接部位44が段差部30における削孔8の内
壁面32に密接することとなり、しかもナット54はア
ンカー本体34に螺合固定されているため、アンカー本
体34を外部から支えることなく次に説明する駆動ユニ
ット56をセットすることができる。
【0041】この駆動ユニット56は地盤表面28上に
アンカー本体34を削孔形成方向Xに沿って駆動するも
のであり、同図に示すように、油圧式の中空ジャッキ
(例えば、株式会社大阪ジャッキ製作所製のO.J.パ
ワージャッキEC100H15)58と、この中空ジャ
ッキ58を支持する支持機構60とで構成されている。
この支持機構60では、水平支持部材62が複数本の油
圧ジャッキ64によって地盤表面28とほぼ平行な状態
で支持されており、各油圧ジャッキ64のピストンの伸
縮量を調整することで地盤表面28の凹凸にかかわらず
水平支持部材62の水平姿勢を容易に確保することがで
きるようになっている。
【0042】そして、この水平支持部材62に中空ジャ
ッキ58が取り付けられている。この中空ジャッキ58
はアンカー本体34の後端部に外挿されており、アンカ
ー本体34の後端側からナット66を螺合させて中空ジ
ャッキ58の可動部68上面を締め付けている。
【0043】こうしてアンカー本体34の駆動準備が完
了すると、図10に示すように、中空ジャッキ58を駆
動してアンカー本体34を引抜方向(−X)へ移動させ
て、アンカー本体34の先端部に取り付けられた第1楔
部材36を一体的に引抜方向(−X)に移動させる。す
ると、第1楔部材36の移動とともに各可動片40が引
抜方向(−X)に移動しながら、第1楔部材36の上半
球面38上を傾斜方向に摺動することとなり、各可動片
40の当接部位44はアンカー本体34の引抜方向(−
X)と鋭角θ、例えば30゜をなす方向で、かつ段差部
30から地盤表面28に向けて移動して削孔8の内壁面
32に係合される。特に、この実施形態では、3本の可
動片40をアンカー本体34を中心として放射状に配置
しており、可動片40が放射状に突出して径方向に削孔
内壁面32と均一に係合してアンカーが係合される(ア
ンカー係合工程)。
【0044】これに続いて、第2楔部材48、鋼管52
およびアンカープレート53に対してナット54が上方
向(−X)に相対的に移動した分だけナット54を下方
向(+X)に送り込む。これによって、図11に示すよ
うに、ナット54がアンカープレート53を地盤表面2
8を押し付けるとともに、アンカーを地盤Rに対して緊
結させる(緊結工程)。なお、この実施形態では、緊結
工程の完了後、アンカー本体34からナット66および
中空ジャッキ58を取り外すとともに、支持機構60も
撤収する。また、必要に応じてアンカー本体34の後端
部(−X側端部)を適当に切断除去する。
【0045】D.固結材充填工程について 最後に、図6に示すように、アンカー本体34の貫通孔
341を介して削孔8に固結材80を充填し、支持抵抗
をさらに高めて引き抜き強度および引き抜き耐久性をさ
らに向上させている。なお、この実施形態では、固結材
80として例えば2種類のものを併用することができ
る。すなわち、可動片40の当接部位44が削孔8の内
壁面と係合している位置に対して樹脂系接着剤からなる
定着用固結材を充填する一方、その他においては、モル
タル、セメントミルクやグラウト等の閉塞用固結材を用
いるようにしてもよい。このように、係合位置に樹脂系
接着剤を定着用固結材として用いることで、モルタル、
セメントミルクやグラウト等を用いる場合に比べて、引
き抜き強度および引き抜き耐久性を向上させることがで
きる。しかも、引き抜き強度や引き抜き耐久性の向上に
対してあまり寄与しない位置においては、安価なモルタ
ルなどを用いることでトータルコストを低減させること
が可能となる。もちろん、単一種類の固結材を削孔8内
に注入して固結材を充填するようにしてもよいことはい
うまでもない。
【0046】以上のように、この実施形態によれば、可
動片40の当接部位44が削孔形成方向Xと鋭角をなす
方向で、かつ地盤表面28に向けて移動して削孔8の内
壁面に当接するため、アンカーに対して引抜方向(−X
方向)の力が作用したとしても、当接部位44がまるで
釣り針の逆鉤のごとく機能し、引抜方向(−X方向)へ
のアンカーの移動を規制して引き抜きに対する大きな抵
抗となり、優れた引き抜き耐久性を得ることができる。
【0047】また、可動片40をアンカー本体34を中
心に放射状に配置しているので、引き抜きに対する抵抗
力が径方向に均等となり、引き抜き耐久性を向上させる
上で効果的に作用している。
【0048】また、上記実施形態では、アンカー本体3
4に対して鋼管52を遊嵌し、鋼管52の後端側から鋼
管52を第2楔部材48に向けて押し付けるように構成
しているので、可動片40の当接部位44をより確実に
削孔形成方向と鋭角をなす方向で、かつ地盤表面28に
向けて移動させることができ、引き抜き耐久性を確実に
向上させることができる。なお、上記実施形態では、鋼
管52を第2楔部材48に押し付けた状態のまま緊結処
理(工程)および固結材充填処理(工程)を実行してい
るが、アンカー係合工程においてのみ鋼管52を使用
し、その後、鋼管52を除去して緊結処理および固結材
充填処理を行うようにしてもよい。
【0049】また、上記実施形態では、削孔8の一部を
径方向にさらに拡大削岩して削孔8の内壁面に段差部3
0を形成した(段差部形成工程)後、可動片40の当接
部位44を段差部30に係合させているが、これは本発
明の必須構成要件ではなく、任意構成要件である。しか
しながら、特に地盤が岩盤となっており、削孔内壁面3
2の硬度が高い場合には、アンカー係合工程を実行した
際に、当接部位44が所望の方向に移動せず、削孔内壁
面32を滑る可能性があるが、上記実施形態のようにア
ンカー係合工程に先立って段差部形成工程を実行してお
くことで、上記滑りを確実に防止することができる。ま
た、段差部30を設けることで、可動片40の当接部位
44がしっかりと削孔8の内壁面に係止されて引き抜き
耐久性をさらに向上させることができる。
【0050】さらに、削孔8内に固結材80を充填する
ことにより、固結材80により定着力がさらに加わると
ともに、アンカーの腐食などを防止することができるた
め、引き抜き耐久性をさらに向上させることができる。
もちろん、固結材80を充填することは本発明の必須構
成要件ではなく、任意構成要件であるが、上記作用効果
が得られるために固結材を充填させるのが実用上望まし
い。
【0051】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。例えば、上記実施形態では、3つの可動片40をア
ンカー本体34を中心に放射状に配置しているが、可動
片40の個数および配置形態はこれに限定されるもので
はなく、任意であり、例えば図12に示すように2つの
可動片40,40をアンカー本体34を挟んで対向配置
するようにしてもよい。
【0052】また、上記実施形態では、第1楔部材36
を鋼球で構成しているが、例えば半球面体で構成し、そ
の球面を本発明の「第1傾斜面」として削孔8の開口に
向けた状態でアンカー本体34の先端部に取り付けるよ
うにしてもよい。また、第1傾斜面を球面とすることは
本発明の必須構成要件ではなく、アンカー本体34の先
端側から後端側に向かう方向(−X)に進むにしたがっ
て径方向寸法が減少する傾斜面であればよく、例えば円
錐状や円錐台状の金属部材によって第1楔部材36を構
成するようにしてもよい。
【0053】また、図13に示すように、鋼棒74を部
分的に切り出し、この太鼓状切出部材76を第1楔部材
とし、その切出部材76にアンカー本体34を取り付け
るようにしてもよい。この場合、アンカー本体34の取
付近傍のハーフパイプ状凸曲面が本発明の「第1傾斜
面」として機能することなる。特に、このように鋼棒7
4から第1楔部材を作り出すようにすれば、鋼球や半球
体などにより第1楔部材を構成する場合に比べて、アン
カーのコストを抑制することができる。
【0054】また、上記実施形態では、1本の鋼棒によ
りアンカー本体34を構成しているが、例えば図14に
示すように複数本の鋼棒342によりアンカー本体34
を構成してもよい。また、アンカー本体34は、鋼棒の
代わりに、鋼線や撚り鋼線などにより構成するようにし
てもよい。
【0055】また、上記実施形態では、アンカー本体3
4を方向Xに駆動するための駆動源として油圧式の中空
ジャッキ58を用いているが、これ以外の駆動源や駆動
機構などを用いてもよいことはいうまでもない。
【0056】また、上記実施形態では、アンカー本体3
4を引抜方向(−X)へ移動させた後にナット54を下
方向(+X)に送り込み、再び鋼管52で第2楔部材6
を(+X)方向に押し付けているが、このように第2楔
部材48を(+X)方向に押し付ける機構は本発明の必
須構成要件ではなく、任意の構成要件である。ただし、
鋼管52およびナット54を設けることによって上述し
たように当接部位44を係合予定位置(段差部30)に
位置決めた状態でアンカー本体34を外部から支えるこ
となく駆動ユニット56をセットすることができ、作業
性の向上を図ることができる。
【0057】また、ナット54を送りこんで鋼管52で
第2楔部材48を(+X)方向に押し付ける工程につい
ては、アンカー本体34を引抜方向(−X)へ移動させ
ながら同時にナット54を下方向(+X)に送り込み、
常時鋼管52によって第2楔部材48を(+X)方向に
押し付けるようにしてもよい。こうすることで、第2楔
部材48のテーパ面50を可動片40の切欠部位46に
確実に係合させることができる。また、削孔形成方向X
が下向き以外に形成されている場合には、上記実施形態
と異なり自重によって第2楔部材48を第1楔部材36
側に移動させることが難しくなるが、引抜方向(−X)
へのアンカー本体34の移動と、削孔形成方向(+X)
へのナット54の送り込みとを同時に行うことによって
上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。つ
まり、この発明によれば、削孔形成方向Xが下向きに限
定されず、地盤表面28から任意の削孔形成方向Xに削
孔8が形成された地盤Rに対してアンカーを施工するこ
とができる。
【0058】また、上記実施形態では、可動片40の当
接部位44がアンカー本体34の引抜方向(−X)と3
0゜をなす方向に移動させているが、この角度θはこれ
に限定されるものではない。例えば、図15に示すよう
に可動片40が削孔8の径方向に移動する、つまり角度
θが90゜となっているアンカーを用いてアンカー施工
方法を行うようにしてもよい。以下、図15を参照しつ
つ、本発明にかかるアンカー施工方法の他の実施形態に
ついて説明する。
【0059】ここで、アンカー施工方法を説明する前
に、アンカーの構成について詳述する。このアンカーが
先の実施形態で使用されたアンカー(図6)と大きく相
違する点は、可動片40が楔部材36の上半球面(第1
傾斜面)38上をその傾斜方向に沿って摺動することに
よって削孔8の径方向に移動可能となっている点であ
る。すなわち、このアンカーはアンカー本体34の先端
部に鋼球よりなる楔部材36が取り付けられている。よ
り詳しくは、楔部材36に貫通孔が形成されており、こ
の貫通孔にアンカー本体34の先端部が挿通されてい
る。そして、アンカー本体34の最先端部にナット70
を螺合し、そのナット70で楔部材36を支持すること
によって、楔部材36がアンカー本体34の先端部から
落下しないように取り付けている。
【0060】この楔部材36の表面のうち削孔8の開口
を向いた上半分は、アンカー本体34の先端側から後端
側に向かう方向(−X)に進むにしたがって径方向寸法
(ここでは外径)が減少する半球面38となっている。
そして、この半球面38上に、アンカー本体34を中心
に放射状に配置された複数の可動片40よりなる可動ユ
ニット42が設けられている。また、各可動片40の一
方端面41は上半球面38上をその傾斜面に沿って摺動
し、削孔の径方向に移動可能となっている。
【0061】次に、このように構成されたアンカーを用
いたアンカー施工方法について説明する。この実施形態
においても、先の実施形態と同様に、(1)地盤表面から
所定の削孔形成方向に削孔を形成する削孔形成工程と、
(2)その削孔の一部を径方向に拡大させて削孔の内壁面
に段差部を形成する段差部形成工程と、(3)アンカーの
一部を削孔の内壁面に係合させるアンカー係合工程と、
(4)アンカーを地盤に対して緊結させる緊結工程と、(5)
削孔内に固結材を充填する固結材充填工程と、をこの順
序で行うが、これらの工程のうちアンカー係合工程を除
く工程は先の実施形態と同一であるため、ここではアン
カー係合工程について詳述し、その他の工程については
説明を省略する。
【0062】この実施形態では、段差部形成工程によっ
て、その一部に段差部30が形成された削孔8内に、図
15(a)に示すように、楔部材36が取り付けられた
アンカー本体34を挿入した後、楔部材36の上半球面
38上に3つの可動片40をアンカー本体34を中心に
放射状に配置する。そして、ガイド部材90をアンカー
本体34に沿って下方向(+X)に移動させ、そのガイ
ド部材90の先端に取り付けられた突起部92を各可動
片40の切欠部位46に係合させる。これによって、各
可動片40の外側面96を削孔8の内壁面32に当接さ
せた状態で各可動片40を削孔8内で突起部92および
楔部材36により姿勢制御している。そして、同図
(b)に示すように、この姿勢状態のままアンカー本体
34を下方向(+X)に降下させていく。すると、各可
動片40が段差部30まで降下すると、各可動片40は
楔部材36の上半球面38を摺動して削孔8の径方向に
移動し、その外側部が段差部30内に嵌り込んで係合す
る。そして、この時点で深さ方向Xへの移動を停止す
る。つまり、段差部30が係合予定位置となる。
【0063】それに続いて、同図(c)に示すように、
ガイド部材90をアンカー本体43から引抜いた後、ア
ンカー本体43の後端側にジャッキ(図示省略)を取り
付けるとともに、そのジャッキを駆動してアンカー本体
34を引抜方向(−X)へ移動させて、アンカー本体3
4の先端部に取り付けられた楔部材36を一体的に引抜
方向(−X)に移動させる。すると、楔部材36の移動
に応じて各可動片40が楔部材36の上半球面38上を
傾斜方向に摺動しながら、削孔8の径方向(θ=90
゜)に移動して削孔8の内壁面32に係合される。特
に、この実施形態では、3本の可動片40をアンカー本
体34を中心として放射状に配置しており、可動片40
が放射状に突出して径方向に削孔内壁面32と均一に係
合してアンカーが係合される(アンカー係合工程)。
【0064】以上のように、この実施形態によれば、ア
ンカーの可動片40を段差部30の内壁面に係合させた
状態でアンカー係合を行っており、可動片40が段差部
30において削孔内壁面にしっかりと係止されることと
なり、アンカーの引き抜き耐久性を向上させることがで
きる。
【0065】また、上記において段差部30および可動
片40の大小関係について特に言及していないが、可動
片40の少なくとも一部が段差部30に嵌入されて削孔
内壁面と係合するように構成することによって上記作用
効果が得られるが、図15に示すように構成するのがよ
り好適である。すなわち、この実施形態では、削孔形成
方向Xにおける、段差部30の幅W30と、可動片40の
幅W40とは、次式W30≧W40で示す大小関係が満足され
ており、削孔形成方向Xにおいて段差部30が可動片4
0と同一あるいは可動片40よりも長くなるように、削
孔8の内壁面に段差部30が形成されているので、上記
のように可動片40を径方向に移動させると、可動片4
0の外側部が段差部30にすっぽりと嵌入しており、可
動片40全体が段差部30と係合し、引き抜き耐久性を
さらに向上させることができる。
【0066】なお、この実施形態では、図15に示す構
成を有するアンカーを用いてアンカー施工を行っている
が、使用可能なアンカーとしては図15に示すものに限
定されるものではなく、可動片を削孔の径方向に移動さ
せて可動片を削孔内壁面に係合させる、いわゆる拡径式
アンカー全般を使用することができる。
【0067】ところで、上記実施形態では、削孔内部を
拡径して段差部を形成するために図1に示す削岩ヘッド
2を用いているが、図16に示す削岩ヘッド100を用
いて段差部を形成するようにしてもよい。以下、図16
および図17を参照しながら、削岩ヘッド100の構成
および動作について詳述する。
【0068】図16はこの発明にかかる削岩ヘッドの他
の実施形態を示す図であり、同図(a)は正面から見た
ときの部分断面図であり、同図(b)は側面から見たと
きの部分断面図であり、同図(c)は同図(a)のB−
B線断面図であり、いずれも拡径状態を示している。ま
た図17は図16の削岩ヘッドを用いた段差部形成動作
(削孔内部の部分拡径動作)を示す図である。
【0069】この削岩ヘッド100は、図16に示すよ
うに、削岩機に着脱可能なヘッド本体102を備えてお
り、削岩機の先端部に装着された状態で削岩機の回転駆
動部(図示省略)から回転駆動力のみ、あるいは回転駆
動力とともに打撃駆動部(図示省略)から打撃振動力を
受けるように構成されている。また、この実施形態で
は、ヘッド本体102はフランジロッド104にテーパ
ジャック106を装着して形成されているが、これらを
一体的に形成してもよいことは言うまでもない。このテ
ーパジャック106は図1のヘッド本体6と同様に削孔
8に挿入可能なサイズの厚肉プレートで構成されてお
り、その両面の一方側端部には削孔形成方向Xに対して
鋭角(+α)をなすようにガイド溝108が設けられる
とともに、その両面の他方側端部には削孔形成方向Xに
対して鋭角(−α)をなすようにガイド溝110が設け
られている。
【0070】そして、ヘッド本体102の一方側端側で
ガイド溝108に沿ってヘッド可動部材112が(+
α)方向に沿ってスライド自在に設けられるとともに、
他方側端側でガイド溝110に沿ってヘッド可動部材1
14が(−α)方向に沿ってスライド自在に設けられて
いる。このため、これらのヘッド可動部材112,11
4はヘッド本体102を削孔形成方向Xに移動させるこ
とによって削孔8の中心軸を中心として径方向において
互いに接近・離間移動可能となっている。また、各ヘッ
ド可動部材112,114には、削孔内壁面を向いた側
面に削岩ビット116が取り付けられている。なお、こ
れらの削岩ビット116は後述するように削孔8の内壁
面を部分的に削岩して削孔径を拡大する、つまり削孔内
部を部分的に拡径する拡径用ビットとして機能する。
【0071】また、このヘッド本体102の(+X)方
向端部には、スリット118とビット支持体120を相
互に螺合して一体化した先端部材122がX方向に移動
自在に取り付けられるとともに、その先端部材122の
(−X)方向端部が、例えば図17(a)に示すよう
に、テーパジャック106の(+X)方向端部、つまり
先端部124により係止可能となっている。また、先端
部材122の内部空間では、テーパジャック106の面
法線方向に内部空間の内径と同一、あるいは若干短いブ
ロック126がスプリングピン128によってテーパジ
ャック106に取り付けられている。したがって、その
内部空間からテーパジャック106側を見ると、先端部
124とブロック126とで十字形が形成され、その十
字形状の各端部がビット支持体120の内壁面を摺動自
在となっている。このため、ヘッド本体102がビット
支持体120の内壁面によりX方向に案内されながら、
X方向に移動自在となっている。
【0072】この先端部材122の先端には、複数の深
堀用ビット129が削孔内底面を向けた状態で固着され
ており、後述するようにしてヘッド本体102に回転打
撃力が与えられると、削孔内底面をさらに削岩可能とな
っている。
【0073】また、先端部材122の(−X)方向端部
には、図16(b)に示すように、ヘッド可動部材11
2,114を挟み込むように、2つの突起部130が設
けられている。各突起部130はX方向においてヘッド
可動部材112,114よりも若干長くなっており、拡
径状態において、ヘッド可動部材112,114がヘッ
ド本体102と先端部材122とで挟み込まれるのを防
止し、拡径状態から縮径状態(図17(a))に戻すの
を容易としている。
【0074】なお、この実施形態では、ヘッド本体10
2およびビット支持体120には、それぞれ貫通孔13
2,134がそれぞれ設けられており、貫通孔132,
134を介して削孔8内部に向けて圧縮空気を供給して
後述する段差部を形成する際に発生する粉塵や被削物な
どを削孔8から排出可能としている。
【0075】次に、上記のように構成された削岩ヘッド
100を用いて削孔8の一部を径方向に拡大させて削孔
8の内壁面に段差部を形成する動作(削孔内部の部分拡
径動作)について図17を参照しつつ説明する。まず、
上記削孔形成工程の実行によって地盤表面28から岩盤
内部に向けて下方向(+X)に形成された削孔8に対
し、削岩ヘッド100を装着した削岩機をセットする。
すなわち、同図(a)に示すように、削岩ヘッド100
を削孔8内に挿入し、先端部材122を削孔底部に載置
して削孔径を拡大する拡径予定位置、つまり段差部形成
位置にヘッド可動部材112,114を配置する。この
とき、ヘッド可動部材112,114は自重によって下
方に移動し、ビット支持体120の上端部で係止されて
いる。
【0076】次に、削岩機の回転駆動部の作動を開始し
て削岩ヘッド100に回転力を与えながら、ヘッド本体
102および先端部材122を一体的に削孔形成方向
(+X)に送り込んでいく。このとき、圧縮空気の送給
も同時に開始して貫通孔132,134を介して削孔8
内部に向けて圧縮空気を送り込んでいる。
【0077】すると、上記送り込み動作に応じて、ヘッ
ド可動部材112,114が削孔8の中心軸を中心とし
て径方向において互いに離間移動し、同図(b)に示す
ように削岩ビット116が削孔内壁面と接触して段差部
形成位置での岩盤の削岩が開始される。さらに、ヘッド
本体102および先端部材122を一体的に削孔形成方
向(+X)に送り込み、この送り込み動作に応じてヘッ
ド可動部材112,114が削孔内壁面を削岩しなが
ら、削孔8の中心軸を中心として径方向において互いに
さらに離間移動していく。これによって、削孔径が拡大
されて段差部(すでに説明した図10の符号30)が形
成される。
【0078】こうして、所望深さ、例えば15mm〜2
0mm程度だけ削孔8の一部を削岩して段差部が形成さ
れると、先に説明した実施形態と同様に、回転駆動部の
作動を停止させ、削岩ヘッド100を削孔8から取り除
くようにしてもよいが、同図(c)に示すように、回転
駆動部とともに打撃駆動部をさらに作動させて回転打撃
力をヘッド本体102に与えると、段差部30をさらに
(+X)方向に拡張することができる。すなわち、回転
打撃力が加えられることで先端部材122に取り付けれ
た深堀用ビット129が削孔8の内底面をさらに削岩し
て削孔8をさらに掘り下げる。また、これと並行して、
拡径状態のヘッド可動部材112,114に取り付けら
れた削岩ビット116が段差部30の(+X)方向端部
をさらに削岩していき、その結果、段差部30が(+
X)方向に拡張される。
【0079】そして、段差部30が所望のサイズに達す
ると、打撃駆動部および回転駆動部を停止するととも
に、圧縮空気の供給も停止して削岩動作を停止させる。
そして、それに続いて、ヘッド本体102および先端部
材122を一体的に(−X)方向に引上げてヘッド可動
部材112,114を削孔8の中心軸を中心として径方
向において互いに近接移動させて削孔8内に戻した後、
さらに、ヘッド本体102および先端部材122を一体
的に(−X)方向に引上げて削孔機を削孔8から取り除
く。
【0080】このように、この実施形態によれば、ヘッ
ド可動部材112,114のサイズに限定されることな
く、所望サイズの段差部30を形成することが可能とな
っている。
【0081】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、可動
片の当接部位を削孔形成方向と鋭角をなす方向で、かつ
地盤表面に向けて移動して削孔の内壁面に係合するよう
に構成しているので、アンカーに対して引抜方向の力が
作用したとしても、当接部位がまるで釣り針の逆鉤のご
とく機能し、引抜方向へのアンカーの移動を規制して引
き抜きに対する大きな抵抗となり、優れた引き抜き耐久
性を得ることができる。
【0082】また、この発明によれば、削孔の一部を径
方向にさらに拡大削岩して削孔の内壁面に段差部を形成
した(段差部形成工程)後、アンカーの可動片を削孔の
径方向に移動させて段差部の内壁面に係合させた状態で
アンカー係合を行っており、可動片がしっかりと削孔内
壁面に係止されて引き抜き耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるアンカー施工方法で使用され
る削岩ヘッドの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1の削岩ヘッドを用いた段差部形成動作を示
す図である。
【図4】図1の削岩ヘッドを用いた段差部形成動作を示
す図である。
【図5】図1の削岩ヘッドを用いた段差部形成動作を示
す図である。
【図6】この発明にかかるアンカーの一実施形態を示す
図である。
【図7】図6のアンカーの部分構成を示す分解組立斜視
図である。
【図8】図6のアンカーの施工方法を示す図である。
【図9】図6のアンカーの施工方法を示す図である。
【図10】図6のアンカーの施工方法を示す図である。
【図11】図6のアンカーの施工方法を示す図である。
【図12】この発明にかかるアンカーの他の実施形態を
示す図である。
【図13】この発明にかかるアンカーの別の実施形態を
示す図である。
【図14】この発明にかかるアンカーのさらに別の実施
形態を示す図である。
【図15】この発明にかかるアンカー施工方法の他の実
施形態を示す図である。
【図16】削岩ヘッドの他の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図17】図16の削岩ヘッドを用いた段差部形成動作
を示す図である。
【符号の説明】
8…削孔 28…地盤表面 30…段差部 32…(削孔8の)内壁面 34…アンカー本体 36…第1楔部材 38…上半球面(第1傾斜面) 40…可動片 42…可動ユニット(可動手段) 44…当接部位 48…第2楔部材 50…テーパ面(第2傾斜面) 52…鋼管 53…アンカープレート 54…ナット(鋼管押圧部材) 76…切出部材(第1楔部材) 80…固結材 R…地盤 W30…(段差部30の)幅W30 W40…(可動片40の)幅W40 X…削孔形成方向 θ…角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/80 E21D 20/00 E04B 1/41 503

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に対して所定の削孔形成方向に形成
    された削孔に挿入され、前記地盤に対して固定されるア
    ンカーにおいて、 前記削孔に挿入可能なアンカー本体と、 前記アンカー本体の先端側から後端側に向かうにしたが
    って径方向寸法が減少する第1傾斜面を有し、その第1
    傾斜面を前記削孔の開口に向けた状態で前記アンカー本
    体の先端部に取り付けられた第1楔部材と、 前記アンカー本体の先端側から後端側に向かうにしたが
    って径方向寸法が増大する第2傾斜面を有し、その第2
    傾斜面を前記第1楔部材に向けた状態で前記アンカー本
    体に沿って移動自在となっている第2楔部材と、 前記削孔内で前記第1楔部材と前記第2楔部材との間に
    配置され、その一方端面が前記第1傾斜面上をその傾斜
    方向に沿って摺動可能となっている一方、その他方端部
    の一部が当接部位として前記削孔の内壁面と当接すると
    ともに、その他方端部の他の部位が前記第2傾斜面と係
    合可能となっている可動片を少なくとも1つ以上有する
    可動手段とを備え、 前記アンカー本体を前記削孔から引抜く方向に移動させ
    ることにより前記第1楔部材が前記引抜方向に移動する
    のに伴って前記可動片が前記第1傾斜面に沿って摺動
    し、前記当接部位が前記引抜方向と鋭角をなす方向で、
    かつ前記地盤表面に向けて移動して前記削孔の内壁面に
    係合されることを特徴とするアンカー。
  2. 【請求項2】 前記第1傾斜面が半球面となっている請
    求項1記載のアンカー。
  3. 【請求項3】 前記可動手段は複数の可動片で構成され
    ており、これらの可動片は前記アンカー本体を中心に放
    射状に配置されている請求項1または2記載のアンカ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記第1傾斜面がハーフパイプ状の凸曲
    面となっている請求項1記載のアンカー。
  5. 【請求項5】 前記可動手段は複数の可動片で構成され
    ており、これらの可動片は前記アンカー本体を挟んで対
    向配置されている請求項1、2または4記載のアンカ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記アンカー本体に対して遊嵌されて、
    その先端部が前記第2楔部材に当接する鋼管と、 前記鋼管の後端側から前記鋼管を前記第2楔部材に向け
    て押し付ける鋼管押圧部材とをさらに備えた請求項1な
    いし5のいずれかに記載のアンカー。
  7. 【請求項7】 地盤に対して所定の削孔形成方向に削孔
    を形成する削孔形成工程と、 請求項1ないし6のいずれかに記載のアンカーの前記ア
    ンカー本体の先端部、前記第1楔部材、前記第2楔部材
    および前記可動片を前記削孔に挿入し、前記アンカー本
    体を前記削孔から引抜く方向に移動させることにより前
    記可動片の前記当接部位を前記削孔の内壁面に係合する
    アンカー係合工程と、 前記アンカー本体の後端側に設けたアンカープレートに
    より前記地盤表面を押え付けながら、前記アンカーを前
    記地盤に対して緊結させる緊結工程とを備えたことを特
    徴とするアンカー施工方法。
  8. 【請求項8】 前記削孔の一部を径方向にさらに拡大削
    岩して前記削孔の内壁面に段差部を形成する段差部形成
    工程をさらに備え、 前記アンカー係合工程では、前記可動片の前記当接部位
    を前記段差部に係合させる請求項7記載のアンカー施工
    方法。
  9. 【請求項9】 削孔に挿入可能なアンカー本体と、前記
    アンカー本体の先端側から後端側に向かうにしたがって
    径方向寸法が減少する第1傾斜面を有し、その第1傾斜
    面を前記削孔の開口に向けた状態で前記アンカー本体の
    先端部に取り付けられた楔部材と、その一方端面が前記
    第1傾斜面上をその傾斜方向に沿って摺動することによ
    って前記削孔の径方向に移動可能となっている可動片を
    少なくとも1つ以上有する可動手段とを備えたアンカー
    を準備する準備工程と、 地盤に対して所定の削孔形成方向に削孔を形成する削孔
    形成工程と、 前記削孔の一部を径方向にさらに拡大削岩して前記削孔
    の内壁面に段差部を形成する段差部形成工程と、 前記アンカーの前記アンカー本体の先端部、前記楔部材
    および前記可動片を前記削孔に挿入し、前記アンカー本
    体を前記削孔から引抜く方向に移動させることにより前
    記楔部材を前記引抜方向に移動させるのに伴って前記可
    動片を前記第1傾斜面に沿って摺動させ、前記削孔の径
    方向に移動させて前記段差部の内壁面と係合させるアン
    カー係合工程と、 前記アンカー本体の後端側に設けたアンカープレートに
    より前記地盤表面を押え付けながら、前記アンカーを前
    記地盤に対して緊結させる緊結工程とを備えたことを特
    徴とするアンカー施工方法。
  10. 【請求項10】 前記段差部形成工程では、前記削孔形
    成方向において前記段差部が前記可動片と同一あるいは
    前記可動片よりも長くなるように、前記削孔の内壁面に
    段差部を形成するとともに、 前記アンカー係合工程では、前記可動片を前記段差部と
    対向させた状態で前記削孔の径方向に移動させて、前記
    可動片の少なくとも一部を前記段差部に嵌入させる請求
    項9記載のアンカー施工方法。
  11. 【請求項11】 前記削孔内に固結材を充填する固結材
    充填工程をさらに備えた請求項7ないし10のいずれか
    に記載のアンカー施工方法。
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