JP3381159B2 - 岩への棒状部材の固定装置、この装置を用いたロックボルトおよび岩石の吊上げ装置 - Google Patents

岩への棒状部材の固定装置、この装置を用いたロックボルトおよび岩石の吊上げ装置

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JP3381159B2
JP3381159B2 JP2000130644A JP2000130644A JP3381159B2 JP 3381159 B2 JP3381159 B2 JP 3381159B2 JP 2000130644 A JP2000130644 A JP 2000130644A JP 2000130644 A JP2000130644 A JP 2000130644A JP 3381159 B2 JP3381159 B2 JP 3381159B2
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昭男 神島
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株式会社神島組
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、岩(岩石や岩
盤)に対して形成された削孔内に棒状部材を挿入し、そ
の先端部を岩に対して固定する固定装置、該固定装置を
用いたロックボルトおよび岩石の吊上げ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、岩盤を補強する方法として、
ロックボルトを用いる方法(ロックボルト施工方法)が
数多く提案されており、その一つとして、エキスパンシ
ョン形のロックボルトを用いる方法が知られている。こ
れは、削孔機を用いて岩盤に削孔を形成するのに続き、
エキスパンション形のロックボルトを挿入し、当該ロッ
クボルトの先端部を岩盤に固定した後、ロックボルトの
後端にアンカープレートを取り付け、アンカープレート
により地盤表面を締め付けるものである。
【0003】このロックボルトは、所定の削孔形成方向
に沿って岩盤に形成された削孔内に挿入可能で、しか
も、その先端部の外径が削孔形成方向にいくにしたがっ
て増大しているボルト本体(棒状部材)と、ボルト本体
の先端部と削孔の内壁面との間に介挿されてボルト本体
を岩盤に固定する楔部材(中間部材)とを備えている。
そして、削孔内にボルト本体および楔部材を挿入した
後、ボルト本体の先端部と楔部材とが摺接した状態でボ
ルト本体を楔材部材に対して削孔形成方向に相対変位さ
せると、楔部材が拡径するとともに削孔の内壁面に密接
してボルト本体を岩盤に固定する。
【0004】ところで、このような従来型のエキスパン
ション形ロックボルトでは、ボルト本体の中央部(棒状
部分)と先端部とが一体化されており、特にボルト本体
の先端部を削孔形成方向に向かって外径が増大するとい
う特殊な形状、例えばラッパ状に成形している。このよ
うにすると、ロックボルトが高価となり、延いてはロッ
クボルト施工のコスト増大を招くという問題がある。
【0005】そのため、例えば、特開昭59−1309
17号公報では、その頂部から削孔形成方向に貫通孔が
形成された円錐台状のアタッチメント部を準備し、この
アタッチメント部の貫通孔に鋼棒を挿通した後、アタッ
チメント部の先端から突出する鋼棒の先端部にナットな
どの留金具を固着したボルト本体が提案されている。こ
のようなボルト本体では、従来のように一体成形する場
合に比べ、その製造が容易であり、ボルト本体のコスト
を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成のボルト本体では、アタッチメント部に挿通した
鋼棒の先端部に留金具を取付けただけであるため、鋼棒
とアタッチメント部とは直接固着されておらず、アタッ
チメント部は留金具に引っ掛けられた状態となってい
る。しかも、上記したように留金具はナットなどにより
構成しているため、楔部材を拡径するために鋼棒を引き
上げると、アタッチメント部と楔部材との間に生ずる摩
擦力が留金具に集中し、留金具が破壊されてしまうおそ
れがあった。その結果、鋼棒がアタッチメント部から引
き抜かれてしまうため、大きな力で鋼棒を引き上げるこ
とができず、ロックボルトの引き抜き強度を向上させる
ことができないという問題があった。
【0007】ところで、上記した裾広がりの形状を先端
部に有する棒状部材はロックボルト施工に用いられるだ
けでなく、例えば、本件出願人により次のような技術背
景から出願された岩石を吊上げるための装置(特願平1
1−236455号)にも用いられている。
【0008】従来、岩石を搬送する場合、岩石にワイヤ
ーを架け渡すとともに、このワイヤーに吊上げフックな
どを取付けた後、油圧シャベルなどの建設用重機車両に
よって吊上げて搬送していたが、岩石、特に岩盤を油圧
式割岩機や静的破砕剤などによって割岩された岩石で
は、鋭角状の角部を有しており、この鋭角角部にワイヤ
ーが架け渡されると、その角部でワイヤーが擦れてワイ
ヤー破断を起こし、吊上げ途中で岩石が落下してしまう
という問題があった。また、上記のようにして岩盤を複
数の岩石に割岩した場合、これらの岩石は、油圧式割岩
機などによって導入されたクラックによって、相互に分
離されているものの、この状態でワイヤーを架け渡すこ
とは不可能である。そこで、このような状態にある岩石
についても、簡単に吊上げ、搬出することができる汎用
性に優れた岩石の吊上げ方法が要望されていた。
【0009】そこで、本願出願人は、所定の削孔形成方
向に沿って岩石に形成された削孔内に挿入可能で、しか
も、その先端部が径方向に拡張可能となっている鋼管
と、前記鋼管内に挿通された状態で前記削孔内に挿入可
能で、その先端部が前記鋼管内径よりも大きな外径を有
し、しかも前記鋼管先端部から前記削孔形成方向に裾広
がりの状態で先端側に突出する棒状部材と、前記鋼管に
対して前記棒状部材を相対的に前記鋼管の後端側に移動
させることで前記棒状部材の先端部によって前記鋼管先
端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備えた岩石の吊
上げ装置を提案している。この装置では、まず鋼管に棒
状部材が挿通された状態で岩石の削孔内に挿入される。
このとき、棒状部材の先端部は鋼管内径よりも大きな外
径を有し、しかも鋼管先端部から裾広がりの状態で先端
側に突出している。そして、拡張手段によって棒状部材
が鋼管に対して相対的に鋼管後端側に移動すると、棒状
部材先端部が鋼管先端部を径方向に拡張させる。こうし
て、鋼管先端外周面が削孔内壁面と係合し、その後、そ
の係合状態まま上記のように鋼管を上昇させることで
岩石を確実に吊上げることができる。
【0010】この棒状部材は上記したボルト本体のよう
に先端部が削孔形成方向に向かって外径が増大するとい
う特殊な形状に成形されている。そのため、装置の低コ
スト化の観点からは上記したロックボルトと同様に、棒
状部材を鋼棒とアタッチメント部とから構成することが
望ましい。
【0011】しかしながら、この場合にも、鋼棒とアタ
ッチメント部との間に高い結合強度が必要となる。すな
わち、岩石を吊上げる際には、削孔内壁面に係合してい
る鋼管と鋼管を拡張させる棒状部材とを上昇させるが、
巨大な岩石を吊上げるためには、棒状部材の引張り強
度、つまり鋼棒とアタッチメント部との結合強度を高く
する必要がある。しかしながら、特開昭59−1309
17号公報に記載された構成では十分な結合強度が得ら
れない。
【0012】この発明は、上記課題に鑑みなされたもの
であり、装置コストが安価で、しかも高い引抜き強度を
有する岩への棒状部材の固定装置、この装置を用いたロ
ックボルトおよび岩石の吊上げ装置を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、岩盤に対し
て所定の削孔形成方向に形成された削孔内に挿入可能
で、しかも、その先端部の外径が前記削孔形成方向にい
くにしたがって増大している棒状部材と、前記棒状部材
の先端外側面と摺接しつつ前記先端部の外側面上を移動
可能な摺接部と、前記削孔の内壁面と対向する当接部と
を有する中間部材とを備え、前記削孔内で前記先端部と
前記摺接部とが摺接した状態で前記棒状部材が前記中間
部材に対して前記削孔形成方向に相対変位することで前
記当接部が前記削孔の内壁面に密接して前記棒状部材を
前記岩盤に固定する固定装置であって、上記目的を達成
するため、前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジ
が形成され前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部
から前記削孔形成方向にいくにしたがって外径が増大す
るとともに、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な
貫通孔が形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも
一部に前記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成され
たアタッチメント部と、前記アタッチメント部の先端側
から突出する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメ
ント部の先端を締め付ける1または2以上の締結部材と
で構成されており、前記アタッチメント部は、前記削孔
形成方向において分割された複数段の分割部からなり、
前記複数段の分割部のうち少なくとも前記頂部に相当す
る分割部の貫通孔に前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネ
ジが形成され、前記アタッチメント部および前記締結部
材が前記鋼棒の先端部に装着されてなることを特徴とし
ている。
【0014】この発明では、先端部に雄ネジが形成され
た鋼棒をアタッチメント部の貫通孔に螺合させるととも
に、アタッチメント部の先端から突出した鋼棒の先端部
に締結部材を螺合してアタッチメント部を締め付けてい
る。このため、鋼棒を一体的に成形する場合に比べ、そ
の製造が容易であり、棒状部材のコストを低減すること
ができる。また、棒状部材を構成する鋼棒を共通化する
一方、アタッチメント部のみを選択することで、作業現
場に的確に対応することができ、作業性を向上させるこ
とができる。しかも、鋼棒がアタッチメント部に螺合す
るとともに、アタッチメント部の先端を締結部材によっ
て締め付けているため、鋼棒とアタッチメント部との結
合強度を高めることができる。その結果、鋼棒を大きな
力で引上げることができ、棒状部材を岩に対して強固に
固定することができる。
【0015】ところで、アタッチメント部および中間部
材を削孔形成方向に長く形成すると、中間部材と削孔内
壁面との密着面積が増大するため、棒状部材を岩に強固
に固定することができる。このとき、アタッチメント部
と中間部材との間には強い摩擦力が生ずるため、より大
きい力で棒状部材を引上げなければならないが、上記の
ように棒状部材を構成することで、鋼棒とアタッチメン
ト部との結合強度を向上させることができるため、強い
摩擦力に対しても高い耐久性を実現することができる。
【0016】ここで、例えば鋼棒に形成された雄ネジが
特殊な形状であると、長いアタッチメント部の貫通孔全
体に渡って雌ネジを形成することが困難な場合がある。
このような場合には、アタッチメント部を削孔形成方向
に複数段の分割部に分割し、長さの短い各分割部に雌ネ
ジを形成するとともに各分割部を外径の小さいものから
鋼棒に螺合させて互いに密着させることにより、裾広が
りのアタッチメント部を構成することができる。このよ
うに、長いアタッチメント部であっても削孔形成方向に
分割することにより、その貫通孔全体に雌ネジを形成す
ることができ、鋼棒とアタッチメント部との結合強度を
向上させることができる。
【0017】また、この発明は、岩盤に対して所定の削
孔形成方向に形成された削孔内に挿入可能で、しかも、
その先端部の外径が前記削孔形成方向にいくにしたがっ
て増大している棒状部材と、前記棒状部材の先端外側面
と摺接しつつ前記先端部の外側面上を移動可能な摺接部
と、前記削孔の内壁面と対向する当接部とを有する中間
部材とを備え、前記削孔内で前記先端部と前記摺接部と
が摺接した状態で前記棒状部材が前記中間部材に対して
前記削孔形成方向に相対変位することで前記当接部が前
記削孔の内壁面に密接して前記棒状部材を前記岩盤に固
定する固定装置であって、上記目的を達成するため、前
記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され前
記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削孔
形成方向にいくにしたがって外径が増大するとともに、
前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が形成
され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前記鋼
棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッチメ
ント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出する
前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の先端
を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成されて
おり、前記締結部材は前記削孔形成方向にいくにしたが
って外径が増大するように形成され、前記締結部材が前
記アタッチメント部の先端に密着することにより、前記
アタッチメント部と前記締結部材とで裾広がりのテーパ
形状が構成されるように前記締結部材が形成され、前記
アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の先端
部に装着されてなることを特徴としている。このように
構成された発明では、締結部材を削孔形成方向にいくに
したがって外径が増大するように形成し、アタッチメン
ト部の先端に密着させることにより、アタッチメント部
と締結部材とで裾広がりのテーパ形状が構成されている
ので、締結部材の長さだけ裾広がりのテーパ形状が長く
なり、中間部材をより広い面積で削孔内壁面に密着させ
ることができる。その結果、棒状部材をより強固に岩に
固定することができる。
【0018】上記のように構成された固定装置について
は、例えばロックボルトに利用することができる。すな
わち、この発明に係るロックボルトの一態様は、上記目
的を達成するため、所定の削孔形成方向に沿って岩盤に
形成された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部の
外径が前記削孔形成方向にいくにしたがって増大してい
る棒状部材と、前記先端部と、前記削孔の内壁面との間
に介挿されて前記棒状部材を前記岩盤に固定する鋼管と
を備え、前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが
形成され前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部か
ら前記削孔形成方向にいくにしたがって外径が増大する
とともに、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫
通孔が形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一
部に前記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成された
アタッチメント部と、前記アタッチメント部の先端側か
ら突出する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメン
ト部の先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで
構成されており、前記アタッチメント部は、前記削孔形
成方向において分割された複数段の分割部からなり、前
記複数段の分割部のうち少なくとも前記頂部に相当する
分割部の貫通孔に前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネジ
が形成され、前記アタッチメント部および前記締結部材
が前記鋼棒の先端部に装着されてなることを特徴として
いる。また、この発明に係るロックボルトの他の態様
は、上記目的を達成するため、所定の削孔形成方向に沿
って岩盤に形成された削孔内に挿入可能で、しかも、そ
の先端部の外径が前記削孔形成方向にいくにしたがって
増大している棒状部材と、前記先端部と、前記削孔の内
壁面との間に介挿されて前記棒状部材を前記岩盤に固定
する鋼管とを備え、前記棒状部材は、少なくとも先端部
に雄ネジが形成され前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、
その頂部から前記削孔形成方向にいくにしたがって外径
が増大するとともに、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿
通可能な貫通孔が形成され、しかも前記貫通孔内面の少
なくとも一部に前記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが
形成されたアタッチメント部と、前記アタッチメント部
の先端側から突出する前記鋼棒の先端部に螺合し前記ア
タッチメント部の先端を締め付ける1または2以上の締
結部材とで構成されており、前記締結部材は前記削孔形
成方向にいくにしたがって外径が増大するように形成さ
れ、前記締結部材が前記アタッチメント部の先端に密着
することにより、前記アタッチメント部と前記締結部材
とで裾広がりのテーパ形状が構成されるように前記締結
部材が形成され、前記アタッチメント部および前記締結
部材が前記鋼棒の先端部に装着されてなることを特徴と
している。
【0019】また、別の利用態様としては、岩石の吊上
げ装置にも適用することができる。この発明に係る岩石
の吊上げ装置の一態様は、上記目的を達成するため、所
定の削孔形成方向に沿って岩石に形成された削孔内に挿
入可能で、しかも、その先端部が径方向に拡張可能とな
っている鋼管と、前記鋼管内に挿通された状態で前記削
孔内に挿入可能で、その先端部が前記鋼管内径よりも大
きな外径を有し、しかも前記鋼管先端部から前記削孔形
成方向に裾広がりの状態で先端側に突出する棒状部材
と、前記鋼管に対して前記棒状部材を相対的に前記鋼管
の後端側に移動させることで前記棒状部材の先端部によ
って前記鋼管先端部を径方向に拡張させる拡張手段とを
備え、前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形
成され前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から
前記削孔形成方向にいくにしたがって外径が増大すると
ともに、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通
孔が形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部
に前記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたア
タッチメント部と、前記アタッチメント部の先端側から
突出する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント
部の先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構
成されており、前記アタッチメント部は、前記削孔形成
方向において分割された複数段の分割部からなり、前記
複数段の分割部のうち少なくとも前記頂部に相当する分
割部の貫通孔に前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネジが
形成され、前記アタッチメント部および前記締結部材が
前記鋼棒の先端部に対して着脱自在となっていることを
特徴としている。また、この発明に係る岩石の吊上げ装
置の他の態様は、上記目的を達成するため、所定の削孔
形成方向に沿って岩石に形成された削孔内に挿入可能
で、しかも、その先端部が径方向に拡張可能となってい
る鋼管と、前記鋼管内に挿通された状態で前記削孔内に
挿入可能で、その先端部が前記鋼管内径よりも大きな外
径を有し、しかも前記鋼管先端部から前記削孔形成方向
に裾広がりの状態で先端側に突出する棒状部材と、前記
鋼管に対して前記棒状部材を相対的に前記鋼管の後端側
に移動させることで前記棒状部材の先端部によって前記
鋼管先端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備え、前
記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され前
記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削孔
形成方向にいくにしたがって外径が増大するとともに、
前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が形成
され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前記鋼
棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッチメ
ント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出する
前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の先端
を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成されて
おり、前記締結部材は前記削孔形成方向にいくにしたが
って外径が増大するように形成され、前記締結部材が前
記アタッチメント部の先端に密着することにより、前記
アタッチメント部と前記締結部材とで裾広がりのテーパ
形状が構成されるように前記締結部材が形成され、前記
アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の先端
部に対して着脱自在となっていることを特徴としてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、岩(岩盤や岩石)に対
して所定の削孔形成方向に形成された削孔内に棒状部材
および中間部材を挿入し、その棒状部材の先端外側面
と、中間部材の摺接部とが相互に摺接した状態で棒状部
材を中間部材に対して削孔形成方向に相対変位させるこ
とで中間部材の一部を削孔の内壁面に密接させて棒状部
材を岩に固定する固定装置において、棒状部材として、
鋼棒の先端部に削孔形成方向に広がっているアタッチメ
ント部が螺合するとともにアタッチメント部の先端側か
ら突出する鋼棒先端部に締結部材を螺合してアタッチメ
ント部を締め付けたものを採用している。以下、この固
定装置を利用したロックボルト(第1実施形態)および
岩石の吊上げ装置(第2実施形態)についてそれぞれ説
明し、本発明について詳細に説明する。
【0021】A.ロックボルト(第1実施形態) 図1および図2は、この発明にかかるロックボルトの第
1実施形態を用いたロックボルト施工方法を示す図であ
る。これらの図において、符号1は補強対象となる岩盤
であり、以下の説明では、この岩盤1に対してロックボ
ルト2を施工して岩盤補強を図っており、このロックボ
ルト施工方法を説明しながら、随時、ロックボルトの構
成・作用効果について説明する。もちろん、例えばトン
ネルの内壁面のように、岩盤表面にコンクリートで被覆
している場合にも、本発明を適用することができること
はいうまでもない。
【0022】まず、図1(a)に示すように、削孔機3
によって岩盤1に削孔4を形成する。そして、同図
(b)に示すように、ボルト本体(棒状部材)21を削
孔4に挿入する。このボルト本体21は、図3に示すよ
うに、その先端部に雄ネジが形成されたネジ付鋼棒21
2の先端部に、その頂部から削孔形成方向Xにいくにし
がって外径が増大している円錐台状のアタッチメント部
211が装着されている。ここで、ネジ付鋼棒212と
しては、一般的なPC鋼棒の他、住友電工製の「総ネジ
PC鋼棒・ゲビンデスターブ」・「細径異形PC鋼棒・
スミツイスト」や、神戸製鋼所製の「高強度異形棒鋼・
ネジコン」などを使用することができる。
【0023】また、アタッチメント部211には、その
頂部から回転対称軸に沿って貫通孔2111が穿設され
るとともに、この貫通孔2111には鋼棒212の雄ネ
ジに対して螺合可能な雌ネジが形成されている。そし
て、鋼棒212の先端部をアタッチメント部211の雌
ネジに螺着して一体化するとともに、鋼棒212の先端
部をアタッチメント部211の先端から突出させてい
る。さらに、アタッチメント部211の先端から突出し
ている鋼棒212の先端部には、2個のナット(締結部
材)213が螺合されており、ワッシャー214を介し
てアタッチメント部211の先端を締め付けている。な
お、鋼棒212先端に締結されるナット213の数は2
個に限られず、所望の締結強度に応じて任意に決定すれ
ばよい。
【0024】また、図3に示すように、アタッチメント
部211における貫通孔2111の後端部は、雌ネジが
形成されておらず、鋼棒212の雄ネジ部が挿通できる
程度に拡径されている。そして、鋼棒212の表面に
は、この拡径部2112から鋼棒212の後端に渡っ
て、硬質ゴム215が被覆されており、鋼棒212の耐
食性を向上させている。なお、この硬質ゴム215は、
カッターなどで簡単に除去することができ、作業現場に
おいて必要な長さが得られるように加工することができ
る。また、ロックボルトの耐食性をさらに向上させるに
は、ボルト本体21および次に説明する鋼管5をステン
レス等の耐食性に優れた材質で構成することが望まし
い。
【0025】削孔4へのボルト本体21の挿入が完了す
ると、図1(c)に示すように、その内径がアタッチメ
ント部211の外径より小さい鋼管5をボルト本体21
に挿通させて、この鋼管5の先端部51をボルト本体2
1のアタッチメント部211に当接させる。
【0026】この鋼管5は、図4に示すように、その先
端部51および後端部52に、長手方向にそれぞれ4本
のスリット511,521が設けられ、径方向に拡張可
能となっている。また、この鋼管5の先端部51および
後端部52には、複数の溝512,522が形成されて
おり、後述するようにして鋼管先端部51および後端部
52が径方向に拡張すると、削孔内壁面41としっかり
と係合する。ここで、アタッチメント部211の先端外
周面上を摺動する鋼管先端部51の内周部が本発明の
「摺接部」に相当し、削孔内壁面41と係合する鋼管先
端部51の外周部が本発明の「当接部」に相当する。
【0027】このように、この実施形態では、複数の溝
512,522を設けることで岩盤1との係合強度を高
めているが、係合強度を高める構成としては、このよう
に複数の溝を鋼管端部51,52の外周面に形成する以
外に、鋼管端部51,52の外周面に凹凸部を設けた
り、係合部材を埋込んだりしてもよい。つまり、鋼管先
端部51および後端部52の外径を連続的あるいは不連
続的に変化させることで、岩盤1との係合強度を高める
ようにすればよい。
【0028】なお、上記のように鋼管端部51,52に
複数の溝512,522を形成すると、鋼管5と削孔内
壁面41とがしっかりと係合するため、岩質が軟弱な岩
盤に対しては特に有効である。一方、岩盤1の岩質が非
常に強固である場合には、必ずしも鋼管5に溝を形成す
る必要はなく、鋼管端部51,52と削孔内壁面41と
の摩擦抵抗力のみで鋼管5を岩盤1に対して固定するこ
とができる。
【0029】また、鋼管5の先端および後端の内周面に
は切欠き部513,523が形成されており、鋼管5の
先端部51および後端部52を径方向に拡張する際に、
ボルト本体21のアタッチメント部211や後述する押
え鋼管6の先端部61を鋼管5内に案内する役割を果し
ている。
【0030】図1に戻って、ロックボルト2の施工方法
の説明を続ける。鋼管5をボルト本体21に挿通させる
と、それに続いて、図1(d)に示すように、先端部6
1が細くテーパ状となっている中空の押え鋼管6をボル
ト本体21に挿通させ、その先端部61を鋼管5の後端
部52に当接させる。このとき、押え鋼管6の先端部6
1は、鋼管5の後端の切欠き部523に摺接し鋼管5の
内部に若干入り込んだ状態になっている。
【0031】この状態で、図2(a)に示すように、ボ
ルト本体21の後端に取付けられたジャッキ7によって
ボルト本体21を上方に移動させるとともに、押え鋼管
6で鋼管後端部52を押え付ける。このとき、鋼管後端
部52は押え鋼管6によって押え付けられているため、
削孔4内では、ボルト本体21が相対的に鋼管5の後端
側(同図の上方)へ移動し、ボルト本体21のアタッチ
メント部211が、鋼管先端部51内に入り込む。その
結果、鋼管先端部51は径方向に拡張されるとともに、
複数の溝512が形成されている鋼管先端部51の外周
面が削孔内壁面41と係合する。
【0032】また、この鋼管5はボルト本体21のアタ
ッチメント部211によって下方から押し上げられてい
るため、押え鋼管6が鋼管後端部52を押え付けること
により、押え鋼管6は鋼管5に対して相対的に鋼管5の
先端側(同図の下方)へ移動し、押え鋼管6の先端部6
1が鋼管後端部52内に入り込む。これによって鋼管後
端部52に対して外力が作用して、鋼管後端部52が径
方向に拡張される。その結果、その外周面が削孔内壁面
41と係合する。
【0033】上記のようにして削孔内壁面41への鋼管
5の係合が完了すると、図2(b)に示すように、押え
鋼管6において岩盤表面1a側へ突出している部分62
を切断する。このとき、押え鋼管6の後端63と岩盤表
面1aとがほぼ同一面上にあるように押え鋼管6の突出
部分62を切断する。こうすることにより、後述するア
ンカープレート8が押え鋼管6の後端63に密着して押
え付けるため、押え鋼管6が鋼管5に対してしっかりと
固定される。
【0034】そして、同図(c)に示すように、岩盤表
面1a側でボルト本体21にアンカープレート8を取付
ける。その状態で、アンカープレート8により岩盤1を
押え付けながら、ボルト本体21の後端に刻設されたネ
ジ部にナット81を締結してロックボルト2を岩盤1に
対して緊結させる。
【0035】これによって、鋼管5は、ボルト本体21
のアタッチメント部211および押え鋼管6によって下
方および上方から押え付けられるため、径方向に拡張し
た鋼管5の先端部51および後端部52が削孔内壁面4
1にさらに密着する。
【0036】最後に、図2(d)に示すように、アンカ
ープレート8に穿設された案内孔82を介して削孔4に
固結材9を充填し、支持抵抗を高めて引抜き強度および
引抜き耐久性をさらに向上させる。ここで、固結材9と
しては、樹脂系接着剤、モルタル、セメントミルクやグ
ラウト等を用いることができる。また、一の固結材9の
みを充填したり、あるいは複数種類の固結材9を順番に
充填するようにしてもよい。例えば、鋼管5と削孔内壁
面41とが密着して岩盤1に対して固定されている部分
(定着部)に対して樹脂系接着剤からなる定着用固結材
91を充填する一方、それより岩盤表面1a側には、モ
ルタル、セメントミルクやグラウト等の閉塞用固結材9
2を用いることができる。このように、定着部に樹脂系
接着剤を定着用固結材91として用いることで、モルタ
ル、セメントミルクやグラウト等を用いる場合に比べ
て、引抜き強度および引抜き耐久性を向上させることが
できる。しかも、引抜き強度や引抜き耐久性の向上に対
してあまり寄与しない閉塞部においては、安価なモルタ
ルなどを用いることでトータルコストを低減させること
が可能となる。
【0037】以上のように、この実施形態にかかるロッ
クボルトでは、鋼棒212の先端部をアタッチメント部
211の貫通孔2111に形成された雌ネジに螺合させ
るとともに、アタッチメント部211の先端から突出し
た鋼棒212先端部にナット213を螺合してアタッチ
メント部211を締め付けることによりボルト本体21
を構成している。そのため、ボルト本体21を一体成形
する場合に比べ、その製造が容易であり、ボルト本体2
1のコストを低減することができる。また、ボルト本体
212を構成する鋼棒212を共通化する一方、アタッ
チメント部211のみを選択することで、作業現場に的
確に対応することができ、作業性を向上させることもで
きる。
【0038】しかも、鋼棒212がアタッチメント部2
11に螺合するとともにアタッチメント部211をナッ
ト213により締め付けているため、鋼棒212とアタ
ッチメント部211とが強固に結合している。したがっ
て、ボルト本体21を強い力で上方に引上げて鋼管5を
径方向に拡張させることができ、その結果、鋼管5は削
孔内壁面41に強固に係合しロックボルト2の引抜き強
度および引抜き耐久性を向上させることができる。
【0039】また、鋼管5の拡張部分およびアタッチメ
ント部211を削孔形成方向に長く形成して、鋼管5の
拡張部分と削孔内壁面41との係合面積を大きくする
と、さらにロックボルト2の引抜き強度を向上すること
ができるが、このようにすると、鋼管5の拡張部分とア
タッチメント部211との間に生ずる摩擦力が増大する
ため、ボルト本体21をより強い力で引上げなければな
らない。しかしながら、このような場合であっても、ボ
ルト本体21を上記した構成にすると、鋼棒212とア
タッチメント部211とが強固に固定されているため、
強い力で鋼棒212を引上げることができる。その結
果、ロックボルト2を広い係合面積で削孔内壁面41に
係合させることができ、ロックボルト2の引抜き強度を
向上させることができる。
【0040】また、ボルト本体21の裾広がり部分の形
状を長く形成するために、アタッチメント部211の先
端側を締め付けるナット213を次のように構成しても
よい。すなわち、図5に示すように、ナット213を、
アタッチメント部211の先端面と同一の形状の上底部
を備えるとともにアタッチメント部211の側面と同一
の傾斜を有する円錐台状に成形する。そして、このナッ
ト213をアタッチメント部211の先端に密着させる
ことにより、アタッチメント部211とナット213と
で裾広がりのテーパ形状を構成する。このようにする
と、ナット213の長さだけ裾広がりの形状を長くする
ことができ、アタッチメント部211を長くしなくて
も、ボルト本体21と鋼管5との密着面積を増大するこ
とができ、その結果、鋼管5をより強固に削孔内壁面4
1に係合することができる。なお、図5では、ナット2
13が鋼棒212と螺合する部分が貫通しない穴部とな
っているが、貫通孔を形成して鋼棒212と螺合させて
もよい。
【0041】ところで、鋼棒212として例えば異形の
PC鋼棒を使用すると、ネジ部の形状が特殊であるた
め、これに螺合する雌ネジをアタッチメント部211に
形成することは容易ではなく、現実には約20cm以上の
雌ネジを形成することは非常に困難であった。このよう
な場合には、図6に示すように、アタッチメント部21
1における貫通孔2111の頂部から例えば20cm程度
の雌ネジを形成するとともに、雌ネジ部の先端からアタ
ッチメント部211の後端までは、異形PC鋼棒212
の雄ネジ部が挿通できる程度に貫通孔2111を拡径す
ればよい。こうすることにより、異形PC鋼棒212を
長いアタッチメント部211に装着することができる。
この場合、異形PC鋼棒212は、一部においてのみし
かアタッチメント部211に螺合していないため、鋼棒
212とアタッチメント部211との結合強度を補強す
るため、ナット213の数を増やすことが望ましい。
【0042】さらに、長いアタッチメント部211に対
して異形PC鋼棒212を完全に螺着するためには、以
下のようにしてアタッチメント部211を準備すればよ
い。まず、図7(a)に示すように、裾広がりのアタッ
チメント部211に雌ネジ形成用の貫通孔2111を穿
設する。そして、このアタッチメント部211を削孔形
成方向に複数段の円錐台部(分割部)2113に分割し
て、各円錐台部2113の高さが例えば20cm以下とな
るようにする(同図(b))。それに続いて、各円錐台
部2113の貫通孔2111に雌ネジを形成する(同図
(c))。こうすることにより、各円錐台部2113は
ナットのように機能し、外径の小さい円錐台部2113
から順番に異形PC鋼棒212の先端部に螺合させると
ともに各円錐台部2113を互いに密着させることで裾
広がりのアタッチメント部211を形成することができ
る(同図(d))。そのため、長いアタッチメント部2
11であっても分割することにより、異形PC鋼棒21
2に螺合可能な雌ネジをアタッチメント部211の貫通
孔全体に形成することができる。その結果、異形PC鋼
棒212とアタッチメント部211とが完全に螺合し、
結合強度を向上させることができる。なお、各円錐台部
2113の雌ネジは、分割する前のアタッチメント部2
11に形成された貫通孔2111に基づいて形成されて
いるため、各雌ネジの軸心はすべて同一であり、異形P
C鋼棒212に螺合させ密着させてもずれることなく裾
広がりの形状を構成することができる。
【0043】また、上記構成では、すべての円錐台部2
113に雌ネジを形成しているが、これに限られるもの
ではない。例えば、少なくともアタッチメント部211
の頂部に相当する円錐台部2113に雌ネジを形成する
とともに、他の円錐台部2113には異形PC鋼棒21
2の雄ネジ部が挿通可能な貫通孔2111を形成しても
よい。そして、雌ネジ付円錐台部2113を異形PC鋼
棒212に螺合させた後、他の円錐台部2113を順番
に鋼棒212に挿通し、アタッチメント部211の先端
部をナット213で締め付けることでボルト本体21を
構成してもよい。なお、このように分割されたアタッチ
メント部211は、異形PC鋼棒に限られず、一般的な
ネジ付鋼棒に対しても適用できることはいうまでもな
い。
【0044】また、このように予めアタッチメント部2
11を分割しておくと、作業現場で現場状況や岩盤強度
に対応するアタッチメント部211を構成することがで
きる。すなわち、所望のアタッチメント部211の長さ
に対応する数の円錐台部2113を鋼棒212に螺合さ
せてアタッチメント部211を構成することができるた
め、現場状況や岩盤強度などに柔軟に対応することがで
きる。
【0045】また、上記実施形態では、アタッチメント
部211の形状を略円錐台状としているが、その頂部か
ら削孔形成方向Xにいくにしたがって外径が増大する形
状であれば、アタッチメント部211の形状については
特に限定されるものではない。この点に関しては、後で
説明する第2実施形態においても同様である。
【0046】さらに、本発明の適用対象は、上記実施形
態にかかるロックボルトに限定されるものではなく、エ
キスパンション形のロックボルト全般に適用することが
できる。
【0047】B.岩石の吊上げ装置(第2実施形態) 図8は、この発明にかかる岩石の吊上げ装置の一の実施
形態を示す斜視図であり、また図9は図8の吊上げ装置
の側面図である。この吊上げ装置101は、これらの図
に示すように、岩石102に予め形成された削孔121
内に鋼管(中間部材)103を挿入し、この鋼管103
の先端部131を径方向に拡張させることで鋼管先端部
131を削孔内壁面1211と係合させた後、この係合
状態のまま鋼管103を上昇させることで岩石102を
吊上げる装置である。この吊上げ装置101は、大きく
4つの構成要素、つまり鋼管103と、鋼管103に挿
通される棒状部材104と、棒状部材104を鋼管10
3に対して相対移動させて鋼管先端部131を径方向に
拡張させる拡張機構105と、吊手部106とに分けら
れる。以下、各構成要素について詳述する。
【0048】鋼管103は岩石102に形成されている
削孔121内に挿入可能となっており、その先端部13
1には、その長手方向に2本のスリット1311が設け
られ、径方向(図9の左右方向)に拡張可能となってい
る。また、この鋼管先端部131には、図10に示すよ
うに、複数の溝1312が形成されており、後述するよ
うに鋼管先端内周部(本発明の摺接部に相当する)が棒
状部材104の先端外周面上を摺動して鋼管先端部13
1の外周部(本発明の当接部に相当する)が径方向に拡
張すると、削孔内壁面1211としっかり係合する。こ
のように、この実施形態では、複数の溝1312を設け
ることで岩石102との係合強度を高めているが、係合
強度を高める構成としては、このように複数の溝131
2を設けた岩石係合部を鋼管先端部131の外周部に形
成する以外に、岩石係合部として鋼管先端部131の外
周部に凹凸部を設けたり、係合部材を埋め込んだりして
もよい。つまり、鋼管先端部131の外径を連続的ある
いは不連続的に変化させることで、岩石102との係合
強度を高めるようにすればよい。
【0049】このように構成された鋼管103に対して
棒状部材104が挿通可能となっている。この棒状部材
104は、図8および図9に示すように、鋼管103の
先端側より挿通されており、この挿通状態で削孔121
内に挿入可能となっている。また、この棒状部材104
は鋼棒142とその先端に着脱自在に装着されるアタッ
チメント部141とから構成されており、このアタッチ
メント部141は鋼管103の内径よりも大きな外径を
有し、しかも鋼管先端部131から裾広がりの状態で先
端側に突出している。より詳しく述べると、この棒状部
材104は、ロックボルト(第1実施形態)と同様に、
円錐台状に形成されたアタッチメント部141の貫通孔
1411にネジ付鋼棒142の先端部を螺合し、さらに
アタッチメント部141の先端から突出した鋼棒142
の先端部にナット144を螺合させ、ワッシャー145
を介してアタッチメント部141を締め付けることによ
り構成している。なお、それらの詳しい構成および取付
方法などは第1実施形態と同じであるため、ここではそ
れらの説明を省略する。
【0050】図10(a)に示すように、アタッチメン
ト部141が鋼管先端部131から十分に先端側(同図
の下方側)に突出している場合には、鋼管先端部131
は真っ直ぐ下方に伸びて、削孔内壁面1211と非接触
状態に維持されている。これに対し、次に説明する拡張
機構105によって棒状部材104が鋼管103に対し
て相対的に後端側(同図の上方向)に移動されると、同
図(b)に示すように、アタッチメント部141が鋼管
先端部131内に入り込み、その結果、鋼管先端部13
1は径方向(同図の左右方向)に拡張されるとともに、
複数の溝1312が形成されている外周部が削孔内壁面
1211と係合する。なお、符号146は、棒状部材1
04の中心軸に沿って貫通して設けられたエアー注入孔
である。
【0051】このように棒状部材104を鋼管103に
対して相対移動させる拡張機構105は次のように構成
されている。この拡張機構105では、図8および図9
に示すように、押え板151が削孔121を塞ぐように
岩石102の表面上に配置されている。この押え板15
1の表面中央部には、鋼棒142の外径より大きく、か
つ鋼管103の内径よりも小さな貫通孔が穿設されてお
り、棒状部材104のうち削孔121から突出している
部分が貫通孔を貫いて上方に延びている。一方、鋼管1
03については、その上端部が押え板151の裏面と当
接している。
【0052】この押え板151の上面側では、2本の油
圧シリンダ152,153が鋼棒142と略平行に配置
されており、各油圧シリンダ152,153の一方端部
152a,153aが押え板151に取付けられるとと
もに、他方端部152b,153bが支持ブロック15
4,155と連結されている。
【0053】これらの支持ブロック154,155は鋼
棒142の細径部1421に対応して配置されており、
吊手部106の連結ブロック161,162とともに、
ボルト・ナットなどの締結部材171によって細径部1
421と連結されている。このため、油圧シリンダ15
2,153のピストンロッドが縮んでいる状態では、ア
タッチメント部141が鋼管103に対して下方に位置
しており、図10(a)に示すように、アタッチメント
部141が鋼管先端部131から十分に先端側(同図の
下方側)に突出して、鋼管先端部131は削孔内壁面1
211と非接触状態に維持されており、削孔121内に
鋼管103および棒状部材104を挿入可能となってい
る。一方、油圧シリンダ152,153のピストンロッ
ドを伸張させると、支持ブロック154,155が吊手
部106の連結ブロック161,162とともに上方移
動する。このとき、鋼管103の上端部は押え板151
によって押え付けられているため、削孔121内では、
棒状部材104のみが鋼管103に対して相対的に後端
側(同図の上方向)に移動し、図10(b)に示すよう
に、アタッチメント部141が鋼管先端部131内に入
り込み、その結果、鋼管先端部131は径方向(同図の
左右方向)に拡張されるとともに、複数の溝1312が
形成されている外周部が削孔内壁面1211と係合す
る。
【0054】このように、この実施形態では、油圧シリ
ンダ152,153を駆動源として鋼管先端部131を
径方向に拡張して鋼管先端部131を削孔内壁面121
1に係合させているが、駆動源としては油圧シリンダ以
外にエアシリンダやモータ等の駆動装置を用いることが
できる。
【0055】上記のようにして鋼管先端部131を削孔
内壁面1211に係合させた状態で岩石102を吊上げ
るために、この吊上げ装置101では、吊手部106が
棒状部材104の後端部143に取付けられている。こ
の吊手部106では、上記のように連結ブロック16
1,162の下方端が支持ブロック154,155とと
もに、締結部材171によって鋼棒142と連結されて
いる。また、連結ブロック161,162の上方端側に
おいても、図9に示すように、ボルト・ナットなどの締
結部材172によって鋼棒後端部143と連結されてい
る。さらに、これら2つの連結ブロック161,162
の頂部には、U字ボルト163が取付けられ、連結ブロ
ック161,162が相互に連結されている。なお、こ
のU字ボルト163の両アームには、鋼棒後端部143
に螺刻されたネジ部に螺合された固定板164が取付け
られており、連結ブロック161,162、U字ボルト
163、および棒状部材104を相互に連結固定してい
る。
【0056】このように棒状部材104に吊手部106
が強固に固定されており、油圧シャベルなどの建設用重
機車両のブーム先端に取付けられているフック部をU字
ボルト163に引っ掛け、吊上げ装置101を持ち上げ
ると、鋼管先端部131で係合している岩石102が吊
上げられ、他の場所に搬出可能となっている。
【0057】次に、上記のように構成された岩石の吊上
げ装置101を用いた岩石の吊上げ方法について、図
8、図11および図12を参照しつつ説明する。
【0058】まず、図11に示すように、吊上対象とな
っている岩石102に対してその表面側より削孔121
を1つ形成する。この場合、削孔121を岩石102の
重心位置あるいは近傍に形成するのが望ましい。
【0059】そして、吊上げ装置101の先端部、つま
り鋼管103およびアタッチメント部141を削孔12
1内に挿入する。このとき、油圧シリンダ152,15
3のシリンダロッドは収縮されており、アタッチメント
部141は鋼管先端部131から十分に先端側に突出し
て、鋼管先端部131は非拡張状態となっており(図1
0(a)の状態)、この状態で押え板151が岩石10
2の表面に当接するまで、吊上げ装置101の先端部の
削孔121への挿入を行う。
【0060】この挿入完了後、油圧シリンダ152,1
53のシリンダロッドを伸張させて削孔121内で、棒
状部材104のみを鋼管103に対して相対的に後端側
に移動させることで鋼管先端部131の外周部を径方向
に拡張させて削孔内壁面1211と係合させる。これに
よって、図8に示すように、吊上げ装置101を岩石1
02に固定する。
【0061】それに続いて、建設用重機車両のブーム先
端に取付けられているフック部をU字ボルト163に引
っ掛け、同車両を操作して吊上げ装置101を持ち上げ
る(図12)。この吊上げ装置101の持ち上げと同時
に、岩石102も吊上げられ、適当な場所に搬出され
る。例えば、このようにして搬出した岩石を岩石破砕装
置に搬送することで岩石102を所望サイズの石や砂利
などに破砕することができる。
【0062】以上のように、この発明にかかる岩石の吊
上げ装置によれば、棒状部材104をロックボルト(第
1実施形態)と同様に、ネジ付鋼棒142の先端部に、
その頂部から削孔形成方向Xにいくにしがって外径が増
大している円錐台状のアタッチメント部141を螺合さ
せるとともに、アタッチメント部141の先端から突出
する鋼棒142先端部にナット144を螺合してアタッ
チメント部141を締め付けることにより構成している
ことから、次のような効果が得られる。すなわち、鋼棒
部分(中央部)と先端部を一体的に成形する場合に比
べ、その製造が容易であり、棒状部材104のコストを
低減することができ、吊上げ装置101を安価に提供す
ることができる。また、鋼棒142を共通化する一方、
現場状況や岩石の強度に応じてアタッチメント部141
を選択することで、作業現場に的確に対応することがで
き、作業性を向上させることもできる。
【0063】しかも、鋼棒142とアタッチメント部1
41とが螺合し、さらにアタッチメント部141の先端
をナット144によって締め付けているため鋼棒142
とアタッチメント部141との結合強度を向上させるこ
とができる。その結果、棒状部材104を強い力で引上
げることができ、巨大な岩石102であっても吊上げる
ことができる。
【0064】また、鋼管103の拡張部分とアタッチメ
ント部141とを長く形成すると、鋼管103と削孔内
壁面との係合面積が増大するため、より巨大な岩石を吊
上げることができるが、このような場合に、棒状部材1
04を上記した構成にすると特に有利である。すなわ
ち、鋼管103の拡張部分とアタッチメント部141と
を長く形成すると、それに伴って鋼管103とアタッチ
メント部141との間に生ずる摩擦力も増大するため、
より強い力で棒状部材104を引上げなければならない
が、この実施形態では、鋼棒142とアタッチメント部
141とが強固に結合されているため、強い摩擦力に対
しても高い耐久性を実現することができる。
【0065】また、上記したように長いアタッチメント
部141および長い拡張部分を備えた鋼管103を用い
て鋼管103と削孔内壁面1211との係合面積を増大
させる場合には、第1実施形態と同様に、アタッチメン
ト部141における貫通孔1411の一部のみにに雌ネ
ジを形成したり、アタッチメント部141を削孔形成方
向に分割することにより棒状部材104を構成すればよ
い。あるいは、ナット144を円錐台状に形成してアタ
ッチメント部141の先端に密着させ、裾広がりのテー
パ形状が長くなるように構成してもよい。なお、それら
の詳しい構成および取付方法などは第1実施形態と同じ
であるため、ここではそれらの説明を省略する。
【0066】なお、岩石の吊上げ作業を繰り返して実行
すると、棒状部材104の先端部が消耗して交換の必要
性が生じるが、この実施形態ではアタッチメント部14
1が鋼棒142に対して着脱自在となっているため、消
耗したアタッチメント部141のみを交換するのみで再
び岩石の吊上げ作業を行うことができる。このように鋼
棒142を交換する必要がなくなり、予め複数のアタッ
チメント部141を準備するのみで、その消耗に応じて
アタッチメント部141を順次取り替えていくことで吊
上げ作業を効率的に、しかも低ランニングコストで継続
して行うことができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、鋼棒
の先端部に形成された雄ネジをアタッチメント部の貫通
孔に形成された雌ネジに螺合させるとともに、アタッチ
メント部の先端側に突出した鋼棒先端に締結部材を螺合
させてアタッチメント部を締め付けることにより棒状部
材を形成しているため、棒状部材を一体的に成形する場
合に比べ、その製造が容易であり、棒状部材のコストを
低減することができる。また、棒状部材を構成する鋼棒
を共通化する一方、アタッチメント部のみを選択するこ
とで、作業現場に的確に対応することができ、作業性を
向上させることができる。しかも、鋼棒先端部とアタッ
チメント部とが螺合し、さらに締結部材でアタッチメン
ト部が締め付けられているため、鋼棒とアタッチメント
部との結合強度が高く棒状部材を強い力で引上げること
ができ、棒状部材を岩に対して強固に固定することがで
きる。
【0068】また、中間部材とアタッチメント部とを長
く形成すると、中間部材と削孔内壁面との密着面積が増
大するため、より強固に棒状部材を岩に固定することが
できるが、このような場合には、棒状部材を上記した構
成にすると特に有利である。すなわち、中間部材とアタ
ッチメント部とを長く形成すると、それに伴ってこれら
の間に生ずる摩擦力も増大するため、より強い力で棒状
部材を引上げなければならないが、鋼棒とアタッチメン
ト部とは強固に結合されているため、大きい摩擦力に対
しても高い耐久性を実現することができる。
【0069】また、中間部材と削孔内壁面との密着面積
を増大させるために、中間部材およびアタッチメント部
を削孔形成方向に長く形成する場合には、アタッチメン
ト部を削孔形成方向に分割して複数段の分割部からなる
ように構成し、長さの短い各分割部に雌ネジを形成する
とともに各分割部を外径の小さいものから鋼棒に螺合さ
せて互いに密着させることで、裾広がりのアタッチメン
ト部を構成することができる。したがって、例えば鋼棒
に形成された雄ネジが特殊な形状であるため長いアタッ
チメント部の貫通孔全体に渡って雌ネジを形成すること
が困難な場合であっても、アタッチメント部の貫通孔全
体に雌ネジを形成することができ、鋼棒とアタッチメン
ト部との結合強度を向上させることができる。
【0070】さらに、締結部材を削孔形成方向にいくに
したがって外径が増大するように形成するとともにアタ
ッチメント部の先端に密着させ、アタッチメント部と締
結部材とで裾広がりのテーパ形状を構成することによ
り、締結部材の長さだけ裾広がりのテーパ形状が長くな
るため、中間部材をより広い面積で削孔内壁面に密着さ
せることができ、棒状部材をより強固に岩に固定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるロックボルトの一実施形態を
用いたロックボルト施工方法を示す図である。
【図2】この発明にかかるロックボルトの一実施形態を
用いたロックボルト施工方法を示す図である。
【図3】ボルト本体の構成例を示す部分断面図である。
【図4】この発明にかかるロックボルトに使用される鋼
管を示す正面図である。
【図5】ボルト本体の他の構成例を示す部分断面図であ
る。
【図6】ボルト本体の他の構成例を示す部分断面図であ
る。
【図7】鋼棒へのアタッチメント部の取付方法を示す図
である。
【図8】この発明にかかる岩石の吊上げ装置の一の実施
形態を示す斜視図である。
【図9】図8の吊上げ装置の側面図である。
【図10】図8の吊上げ装置における鋼管先端部の拡大
図である。
【図11】図8の吊上げ装置を用いた岩石の吊上げ方法
を説明する図である。
【図12】図8の吊上げ装置を用いた岩石の吊上げ方法
を説明する図である。
【符号の説明】
1…岩盤 2…ロックボルト 4…削孔 41…削孔内壁面 5…鋼管(中間部材) 21…ボルト本体(棒状部材) 101…岩石の吊上げ装置 102…岩石 103…鋼管(中間部材) 104…棒状部材 105…拡張機構 121…削孔 1211…削孔内壁面 131…鋼管先端部 141,211…アタッチメント部 142,212…ネジ付鋼棒 144,213…ナット(締結部材) 2111…貫通孔 2113…円錐台部(分割部) X…削孔形成方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 20/00 B66C 1/00 - 3/20 E02D 5/80 102 E21C 47/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩盤に対して所定の削孔形成方向に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部の外径
    が前記削孔形成方向にいくにしたがって増大している棒
    状部材と、 前記棒状部材の先端外側面と摺接しつつ前記先端部の外
    側面上を移動可能な摺接部と、前記削孔の内壁面と対向
    する当接部とを有する中間部材とを備え、 前記削孔内で前記先端部と前記摺接部とが摺接した状態
    で前記棒状部材が前記中間部材に対して前記削孔形成方
    向に相対変位することで前記当接部が前記削孔の内壁面
    に密接して前記棒状部材を前記岩盤に固定する固定装置
    であって、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、 前記アタッチメント部は、前記削孔形成方向において分
    割された複数段の分割部からなり、前記複数段の分割部
    のうち少なくとも前記頂部に相当する分割部の貫通孔に
    前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネジが形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に装着されてなることを特徴とする岩への棒状部
    材の固定装置。
  2. 【請求項2】 岩盤に対して所定の削孔形成方向に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部の外径
    が前記削孔形成方向にいくにしたがって増大している棒
    状部材と、 前記棒状部材の先端外側面と摺接しつつ前記先端部の外
    側面上を移動可能な摺接部と、前記削孔の内壁面と対向
    する当接部とを有する中間部材とを備え、 前記削孔内で前記先端部と前記摺接部とが摺接した状態
    で前記棒状部材が前記中間部材に対して前記削孔形成方
    向に相対変位することで前記当接部が前記削孔の内壁面
    に密接して前記棒状部材を前記岩盤に固定する固定装置
    であって、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、 前記締結部材は前記削孔形成方向にいくにしたがって外
    径が増大するように形成され、前記締結部材が前記アタ
    ッチメント部の先端に密着することにより、前記アタッ
    チメント部と前記締結部材とで裾広がりのテーパ形状が
    構成されるように前記締結部材が形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に装着されてなることを特徴とする岩への棒状部
    材の固定装置。
  3. 【請求項3】 所定の削孔形成方向に沿って岩盤に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部の外径
    が前記削孔形成方向にいくにしたがって増大している棒
    状部材と、 前記先端部と、前記削孔の内壁面との間に介挿されて前
    記棒状部材を前記岩盤に固定する鋼管とを備え、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、前記アタッチメント部は、前記削孔形成方向において分
    割された複数段の分割部からなり、前記複数段の分割部
    のうち少なくとも前記頂部に相当する分割部の貫通孔に
    前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネジが形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に装着されてなることを特徴とするロックボル
    ト。
  4. 【請求項4】 所定の削孔形成方向に沿って岩盤に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部の外径
    が前記削孔形成方向にいくにしたがって増大している棒
    状部材と、 前記先端部と、前記削孔の内壁面との間に介挿されて前
    記棒状部材を前記岩盤に固定する鋼管とを備え、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、前記締結部材は前記削孔形成方向にいくにしたがって外
    径が増大するように形成され、前記締結部材が前記アタ
    ッチメント部の先端に密着することにより、前記アタッ
    チメント部と前記締結部材とで裾広がりのテーパ形状が
    構成されるように前記締結部材が形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に装着されてなることを特徴とするロックボル
    ト。
  5. 【請求項5】 所定の削孔形成方向に沿って岩石に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部が径方
    向に拡張可能となっている鋼管と、 前記鋼管内に挿通された状態で前記削孔内に挿入可能
    で、その先端部が前記鋼管内径よりも大きな外径を有
    し、しかも前記鋼管先端部から前記削孔形成方向に裾広
    がりの状態で先端側に突出する棒状部材と、 前記鋼管に対して前記棒状部材を相対的に前記鋼管の後
    端側に移動させることで前記棒状部材の先端部によって
    前記鋼管先端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備
    え、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、前記アタッチメント部は、前記削孔形成方向において分
    割された複数段の分割部からなり、前記複数段の分割部
    のうち少なくとも前記頂部に相当する分割部の貫通孔に
    前記鋼棒の雄ネジと螺合可能な雌ネジが形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に対して着脱自在となっていることを特徴とする
    岩石の吊上げ装置。
  6. 【請求項6】 所定の削孔形成方向に沿って岩石に形成
    された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部が径方
    向に拡張可能となっている鋼管と、 前記鋼管内に挿通された状態で前記削孔内に挿入可能
    で、その先端部が前記鋼管内径よりも大きな外径を有
    し、しかも前記鋼管先端部から前記削孔形成方向に裾広
    がりの状態で先端側に突出する棒状部材と、 前記鋼管に対して前記棒状部材を相対的に前記鋼管の後
    端側に移動させることで前記棒状部材の先端部によって
    前記鋼管先端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備
    え、 前記棒状部材は、少なくとも先端部に雄ネジが形成され
    前記削孔形成方向に延びる鋼棒と、その頂部から前記削
    孔形成方向にいくにしたがって外径が増大するととも
    に、前記削孔形成方向に前記鋼棒が挿通可能な貫通孔が
    形成され、しかも前記貫通孔内面の少なくとも一部に前
    記鋼棒の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成されたアタッ
    チメント部と、前記アタッチメント部の先端側から突出
    する前記鋼棒の先端部に螺合し前記アタッチメント部の
    先端を締め付ける1または2以上の締結部材とで構成さ
    れており、前記締結部材は前記削孔形成方向にいくにしたがって外
    径が増大するように形成され、前記締結部材が前記アタ
    ッチメント部の先端に密着することにより、前記アタッ
    チメント部と前記締結部材とで裾広がりのテーパ形状が
    構成されるように前記締結部材が形成され、 前記アタッチメント部および前記締結部材が前記鋼棒の
    先端部に対して着脱自在となっていることを特徴とする
    岩石の吊上げ装置。
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