JP3069097B1 - 岩石の吊上げ方法および吊上げ装置、ならびに該吊上げ方法を用いた岩盤掘削工法 - Google Patents

岩石の吊上げ方法および吊上げ装置、ならびに該吊上げ方法を用いた岩盤掘削工法

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Abstract

【要約】 【課題】 岩石を確実に吊上げることができる汎用性に
優れた岩石の吊上げ方法、該吊上げ方法に適した岩石の
吊上げ装置、ならびに該吊上げ方法を用いた岩盤掘削工
法を提供する。 【解決手段】 吊上対象となっている岩石2に対してそ
の表面側より削孔21を1つ形成する。そして、吊上げ
装置1の鋼管3および鋼棒先端部41を削孔21内に挿
入する。その後、油圧シリンダ52,53のシリンダロ
ッドを伸張させて削孔21内で、鋼棒4のみを鋼管3に
対して相対的に後端側に移動させることで鋼管先端部3
1を径方向に拡張させて複数の溝312が形成されてい
る先端外周面を削孔内壁面211と係合させる。それに
続いて、建設用重機車両のブーム先端に取付けられてい
るフック部をU字ボルト63に引っ掛け、同車両を操作
して吊上げ装置1を持ち上げることで、岩石2を吊上げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、岩石を吊上げる
吊上げ方法、この吊上げ方法に適した岩石の吊上げ装
置、ならびに該岩石の吊上げ方法を用いた岩盤掘削工法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、岩石を搬送する場合、岩石にワイ
ヤーを架け渡すとともに、このワイヤーに吊上げフック
などを取付けた後、油圧シャベルなどの建設用重機車両
によって吊上げて搬送していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、岩石、
特に岩盤を油圧式割岩機や静的破砕剤などによって割岩
された岩石では、鋭角状の角部を有しており、この鋭角
角部にワイヤーが架け渡されると、その角部でワイヤー
が擦れてワイヤー破断を起こし、吊上げ途中で岩石が落
下してしまう。このようにワイヤーを用いた岩石の吊上
げ方法は、必ずしも確実な方法とは言えない。
【0004】また、上記のようにして岩盤を複数の岩石
に割岩した場合、これらの岩石は、油圧式割岩機などに
よって導入されたクラックによって、相互に分離されて
いるものの、この状態でワイヤーを架け渡すことは不可
能である。そこで、このような状態にある岩石について
も、簡単に吊上げ、搬出することができる汎用性に優れ
た岩石の吊上げ方法が要望されていた。
【0005】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、岩石を確実に吊上げることができる汎用性に優れ
た岩石の吊上げ方法、該吊上げ方法に適した岩石の吊上
げ装置、ならびに該吊上げ方法を用いた岩盤掘削工法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる岩石の
吊上げ方法は、上記目的を達成するため、岩石の表面か
ら少なくとも1つ以上の削孔を形成する削孔形成工程
と、各削孔に鋼管を挿入する鋼管挿入工程と、前記鋼管
の先端部を径方向に拡張し、前記鋼管の先端外周面を前
記削孔の内壁面と係合させる係合工程と、その先端外周
面を削孔内壁面と係合させた状態で前記鋼管を上昇させ
て前記岩石を吊上げる吊上げ工程とを備えている。
【0007】このように構成された吊上げ方法では、岩
石に形成された削孔内に鋼管が挿入された後、その先端
部が径方向に拡張されて、鋼管の先端外周面が削孔内壁
面と係合される。そして、その係合状態のまま鋼管が上
昇されて岩石が吊上げられる。したがって、従来のよう
にワイヤーで吊上げ可能な岩石はもとより、ワイヤー切
断の可能性があり、ワイヤーによる吊上げが困難である
ような岩石(例えば、鋭角部を有する岩石)や割岩処理
によって複数の岩石に割岩された状態でワイヤーを架け
渡すことができない岩石についても、確実に吊上げるこ
とができる。
【0008】ここで、岩石が比較的大きな場合には、複
数の削孔を岩石に形成し、すべての削孔に鋼管を挿入
し、各鋼管先端部を径方向に拡張させて鋼管先端外周面
を削孔内壁面と係合させた後、その係合状態のまま全て
の鋼管を同時に上昇して岩石を吊上げるのが望ましい。
こうすることで、大型の岩石についても、より確実に吊
上げることができる。
【0009】この発明にかかる岩石の吊上げ装置は、上
記した岩石の吊上げ方法に適した装置であって、岩石に
形成された削孔内に挿入可能で、しかも、その先端部が
径方向に拡張可能となっている鋼管と、前記鋼管内に挿
通された状態で前記削孔内に挿入可能で、その先端部が
前記鋼管内径よりも大きな外径を有し、しかも前記鋼管
先端部から裾広がりの状態で先端側に突出する鋼棒と、
前記鋼管に対して前記鋼棒を相対的に前記鋼管の後端側
に移動させることで前記鋼棒先端部によって前記鋼管先
端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備えている。
【0010】このように構成された吊上げ装置では、鋼
管に鋼棒が挿通された状態で岩石の削孔内に挿入され
る。このとき、鋼棒の先端部は鋼管内径よりも大きな外
径を有し、しかも鋼管先端部から裾広がりの状態で先端
側に突出している。そして、拡張手段によって鋼棒が鋼
管に対して相対的に鋼管後端側に移動すると、鋼棒先端
部が鋼管先端部を径方向に拡張させる。こうして、鋼管
先端外周面が削孔内壁面と係合し、その後、その係合状
態にまま上記のように鋼管を上昇させることで岩石を確
実に吊上げることができる。
【0011】また、鋼管先端部に、外径が連続的あるい
は不連続的に変化する岩石係合部を設けると、この岩石
係合部が削孔内壁面としっかりと係合し、係合強度を高
めることができ、岩石の吊上げをより確実なものとする
ことができる。
【0012】この発明にかかる岩盤掘削工法は、岩盤の
うち所定の掘削領域を部分的に掘削する岩盤掘削工法で
あって、前記掘削領域を掘削するのに先立って、予め前
記掘削領域を取り囲むように前記岩盤に閉ループ状に周
回溝を形成する溝形成工程と、前記掘削領域を複数の岩
石に分割する割岩工程と、前記割岩工程により形成され
た複数の岩石のうちの一の岩石を、請求項1または2記
載の岩石の吊上げ方法によって前記掘削領域から搬出す
る搬出工程とを備えている。
【0013】このように構成された岩盤掘削工法では、
岩盤の掘削領域が複数の岩石に分割されるが、この割岩
直後の岩石に対してワイヤーを架け渡すことは上述のよ
うに不可能であるが、請求項1または2記載の吊上げ方
法を用いることで割岩直後の岩石を吊上げ、掘削領域か
ら搬出することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる岩石の
吊上げ装置の一の実施形態を示す斜視図であり、また図
2は図1の吊上げ装置の側面図である。この吊上げ装置
1は、これらの図に示すように、岩石2に予め形成され
た削孔21内に鋼管3を挿入し、この鋼管3の先端部3
1を径方向に拡張させることで鋼管先端部31を削孔内
壁面211と係合させた後、この係合状態のまま鋼管3
を上昇させることで岩石2を吊上げる装置である。この
吊上げ装置1は、大きく4つの構成要素、つまり鋼管3
と、鋼管3に挿通される鋼棒4と、鋼棒4を鋼管3に対
して相対移動させて鋼管先端部31を径方向に拡張させ
る拡張機構5と、吊手部6とに分けられる。以下、各構
成要素について詳述する。
【0015】鋼管3は岩石2に形成されている削孔21
内に挿入可能となっており、その先端部31には、その
長手方向に2本のスリット311が設けられ、径方向
(図2の左右方向)に拡張可能となっている。また、こ
の鋼管先端部31には、図3に示すように、複数の溝3
12が形成されており、後述するようにして鋼管先端部
31が径方向に拡張すると、削孔内壁面211としっか
り係合する。このように、この実施形態では、複数の溝
312を設けることで岩石2との係合強度を高めている
が、係合強度を高める構成としては、このように複数の
溝312を設けた岩石係合部を鋼管先端部31の外周面
に形成する以外に、岩石係合部として鋼管先端部31の
外周面に凹凸部を設けたり、係合部材を埋め込んだりし
てもよい。つまり、鋼管先端部31の外径を連続的ある
いは不連続的に変化させることで、岩石2との係合強度
を高めるようにすればよい。
【0016】このように構成された鋼管3に対して鋼棒
4が挿通可能となっている。この鋼棒4は、図1および
図2に示すように、鋼管3の先端側より挿通されてお
り、この挿通状態で削孔21内に挿入可能となってい
る。また、この鋼棒先端部41は鋼管3の内径よりも大
きな外径を有し、しかも鋼管先端部31から裾広がりの
状態で先端側に突出している。したがって、図3(a)
に示すように、鋼棒先端部41が鋼管先端部31から十
分に先端側(同図の下方側)に突出している場合には、
鋼管先端部31は真っ直ぐ下方に伸びて、削孔内壁面2
11と非接触状態に維持されている。これに対し、次に
説明する拡張機構5によって鋼棒4が鋼管3に対して相
対的に後端側(同図の上方向)に移動されると、同図
(b)に示すように、鋼棒先端部41が鋼管先端部31
内に入り込み、その結果、鋼管先端部31は径方向(同
図の左右方向)に拡張されるとともに、複数の溝312
が形成されている外周面が削孔内壁面211と係合す
る。なお、符号44は、鋼棒4の中心軸に沿って貫通し
て設けられたエアー注入孔である。
【0017】このように鋼棒4を鋼管3に対して相対移
動させる拡張機構5は次のように構成されている。この
拡張機構5では、図1および図2に示すように、押え板
51が削孔21を塞ぐように岩石2の表面上に配置され
ている。この押え板51の表面中央部には、鋼棒中央部
42の外径より大きく、かつ鋼管3の内径よりも小さな
貫通孔511が穿設されており、鋼棒4のうち削孔21
から突出している部分が貫通孔511を貫いて上方に延
びている。一方、鋼管3については、その上端部が押え
板51の裏面と当接している。
【0018】この押え板51の上面側では、2本の油圧
シリンダ52,53が鋼棒中央部42と略平行に配置さ
れており、各油圧シリンダ52,53の一方端部52
a,53aが押え板51に取付けられるとともに、他方
端部52b,53bが支持ブロック54,55と連結さ
れている。
【0019】これらの支持ブロック54,55は鋼棒中
央部42の細径部421に対応して配置されており、吊
手部6の連結ブロック61,62とともに、ボルト・ナ
ットなどの締結部材71によって細径部421と連結さ
れている。このため、油圧シリンダ52,53のピスト
ンロッドが縮んでいる状態では、鋼棒先端部41が鋼管
3に対して下方に位置しており、図3(a)に示すよう
に、鋼棒先端部41が鋼管先端部31から十分に先端側
(同図の下方側)に突出して、鋼管先端部31は削孔内
壁面211と非接触状態に維持されており、削孔21内
に鋼管3および鋼棒4を挿入可能となっている。一方、
油圧シリンダ52,53のピストンロッドを伸張させる
と、支持ブロック54,55が吊手部6の連結ブロック
61,62とともに上方移動する。このとき、鋼管3の
上端部は押え板51によって押え付けられているため、
削孔21内では、鋼棒4のみが鋼管3に対して相対的に
後端側(同図の上方向)に移動し、図3(b)に示すよ
うに、鋼棒先端部41が鋼管先端部31内に入り込み、
その結果、鋼管先端部31は径方向(同図の左右方向)
に拡張されるとともに、複数の溝312が形成されてい
る外周面が削孔内壁面211と係合する。
【0020】このように、この実施形態では、油圧シリ
ンダ52,53を駆動源として鋼管先端部31を径方向
に拡張して鋼管先端部31を削孔内壁面211に係合さ
せているが、駆動源としては油圧シリンダ以外にエアシ
リンダやモータ等の駆動装置を用いることができる。
【0021】上記のようにして鋼管先端部31を削孔内
壁面211に係合させた状態で岩石2を吊上げるため
に、この吊上げ装置1では、吊手部6が鋼棒4の後端部
43に取付けられている。この吊手部6では、上記のよ
うに連結ブロック61,62の下方端が支持ブロック5
4,55とともに、締結部材71によって鋼棒中央部4
2と連結されている。また、連結ブロック61,62の
上方端側においても、図2に示すように、ボルト・ナッ
トなどの締結部材72によって鋼棒後端部43と連結さ
れている。さらに、これら2つの連結ブロック61,6
2の頂部には、U字ボルト63が取付けられ、連結ブロ
ック61,62が相互に連結されている。なお、このU
字ボルト63の両アームには、鋼棒後端部43に螺刻さ
れたネジ部431に螺合された固定板64が取付けられ
ており、連結ブロック61,62、U字ボルト63、お
よび鋼棒4を相互に連結固定している。
【0022】このように鋼棒4の中央部42および後端
部43に吊手部6が強固に固定されており、油圧シャベ
ルなどの建設用重機車両のブーム先端に取付けられてい
るフック部をU字ボルト63に引っ掛け、吊上げ装置1
を持ち上げると、鋼管先端部31で係合している岩石2
が吊上げられ、他の場所に搬出可能となっている。
【0023】次に、上記のように構成された岩石の吊上
げ装置1を用いた岩石の吊上げ方法について、図1、図
4および図5を参照しつつ説明する。
【0024】まず、図4に示すように、吊上対象となっ
ている岩石2に対してその表面側より削孔21を1つ形
成する。この場合、削孔21を岩石2の重心位置あるい
は近傍に形成するのが望ましい。
【0025】そして、吊上げ装置1の先端部、つまり鋼
管3および鋼棒先端部41を削孔21内に挿入する。こ
のとき、油圧シリンダ52,53のシリンダロッドは収
縮されており、鋼棒先端部41は鋼管先端部31から十
分に先端側に突出して、鋼管先端部31は非拡張状態と
なっており(図3(a)の状態)、この状態で押え板5
1が岩石2の表面に当接するまで、吊上げ装置1の先端
部の削孔21への挿入を行う。
【0026】この挿入完了後、油圧シリンダ52,53
のシリンダロッドを伸張させて削孔21内で、鋼棒4の
みを鋼管3に対して相対的に後端側に移動させることで
鋼管先端部31の外周面を径方向に拡張させて削孔内壁
面211と係合させる。これによって、図1に示すよう
に、吊上げ装置1を岩石2に固定する。
【0027】それに続いて、建設用重機車両のブーム先
端に取付けられているフック部をU字ボルト63に引っ
掛け、同車両を操作して吊上げ装置1を持ち上げる(図
5)。この吊上げ装置1の持ち上げと同時に、岩石2も
吊上げられ、適当な場所に搬出される。例えば、このよ
うにして搬出した岩石を岩石破砕装置に搬送することで
岩石2を所望サイズの石や砂利などに破砕することがで
きる。
【0028】以上のように、この発明にかかる岩石の吊
上げ方法によれば、次のような効果が得られる。すなわ
ち、例えば図4に示すように角部が鋭角となっている岩
石2をワイヤーを架け渡して吊上げる場合には、角部で
ワイヤーが切断されるおそれがあるが、この実施形態に
よれば、確実に岩石2を吊上げることができる。なお、
岩石2の形状はこれに限定されるものではなく、任意の
形状の岩石に対して本発明を適用して吊上げることが可
能である。
【0029】また、岩石が比較的大きな場合には、予め
複数の吊上げ装置1を用意しておき、吊上対象の岩石に
対して複数の削孔を形成し、各削孔に吊上げ装置1をセ
ットし、各吊上げ装置1の鋼管先端部31を径方向に拡
張させて岩石に固定した後、全ての吊上げ装置1を同時
に持ち上げることで、大型の岩石についても、確実に吊
上げることができる。
【0030】さらに、次に説明するように、岩盤を割岩
処理によって複数の岩石に割岩した状態では、各岩石に
ワイヤーを架け渡すことは不可能であるが、本発明によ
れば、これらの岩石についても、確実に吊上げることが
できる。その詳細について、以下、図6および図7を参
照しつつ説明する。
【0031】図6は、上記岩石の吊上げ方法を用いた岩
盤掘削工法を説明するための平面図である。また、図7
は、この岩盤掘削工法における作業手順を示す断面図で
ある。
【0032】まず、図6に示すように、岩盤8のうち掘
削する領域(以下「掘削領域」という。)81を取り囲
むように閉ループ状に周回溝82を所定深さH(図7)
で形成する。このとき、上記した溝82を形成する溝形
成工法としては、従来のように油圧ブレーカも用いても
よいが、複数の削孔を連続して形成してスリット溝を構
成するようにしてもよく、このスリット溝形成工法を用
いることで、従来のように油圧ブレーカを用いる場合に
比べて作業に伴う騒音を大幅に低減することができ、岩
盤8が比較的硬い場合であっても効率良く溝82を形成
することができ、油圧ブレーカを用いる場合に比べて作
業時間を大幅に短縮することができる。
【0033】周回溝82の形成が完了すると、図7
(a)に示すように、掘削領域81内で、しかも周回溝
82の近傍位置に斜孔83を形成する。この斜孔83は
周回溝82の内底部に向けて形成されており、この斜孔
83内に油圧式石割機(例えば、平戸金属工業株式会社
製のK−25W40A400)9のウェッジ部91を挿
入セットした後、油圧式石割機9を作動させる。これに
よって、同図(b)に示すように、周回溝82の内底部
に向けて加圧クラック84が発生する。
【0034】これに続いて、掘削領域81内に削孔85
を形成し、上記と同様に油圧式石割機9を用いて岩盤8
に加圧クラック84を発生させるとともに、掘削部の底
面に相当する位置にクラックを伝播させる。このような
作業を複数回繰り返すことで、図6に示すように、掘削
領域81を割岩して複数の岩石に分割する。その後、こ
れらの岩石を上記した本発明にかかる吊上げ方法によっ
て吊上げ、掘削領域81から順次搬出することで、深さ
Hの掘削部を形成することができる。
【0035】以上のように、割岩直後では、図6に示す
ように、岩石はクラック84によって相互に分離されて
いるが、ワイヤーを架け渡すような隙間が存在しておら
ず、従来のようにワイヤーによる吊上げは不可能であ
る。これに対して、本発明にかかる吊上げ方法を用いる
ことで割岩直後の岩石を吊上げ、掘削領域81から搬出
することが可能となる。
【0036】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、岩石
に形成された削孔内に鋼管を挿入した後、その先端部を
径方向に拡張して、鋼管の先端外周面を削孔内壁面と係
合し、その係合状態のまま鋼管を上昇することで岩石を
吊上げているため、従来のようにワイヤーで吊上げ可能
な岩石はもとより、ワイヤー切断の可能性があり、ワイ
ヤーによる吊上げが困難であるような岩石(例えば、鋭
角部を有する岩石)や割岩処理によって複数の岩石に割
岩された状態でワイヤーを架け渡すことができない岩石
についても、確実に吊上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる岩石の吊上げ装置の一の実施
形態を示す斜視図である。
【図2】図1の吊上げ装置の側面図である。
【図3】図1の吊上げ装置における鋼管先端部の拡大図
である。
【図4】図1の吊上げ装置を用いた岩石の吊上げ方法を
説明する図である。
【図5】図1の吊上げ装置を用いた岩石の吊上げ方法を
説明する図である。
【図6】この発明にかかる岩石の吊上げ方法を用いた岩
盤掘削工法を説明するための平面図である。
【図7】この岩盤掘削工法における作業手順を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…吊上げ装置 2…岩石 3…鋼管 4…鋼棒 5…拡張機構(拡張手段) 6…吊手部 8…岩盤 21…削孔 31…鋼管先端部 41…鋼棒先端部 51…押え板 52,53…油圧シリンダ 54,55…支持ブロック 81…掘削領域 82…周回溝 83…斜孔 84…クラック 85…削孔 211…削孔内壁面 312…溝

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩石の表面から少なくとも1つ以上の削
    孔を形成する削孔形成工程と、 各削孔に鋼管を挿入する鋼管挿入工程と、 前記鋼管の先端部を径方向に拡張し、前記鋼管の先端外
    周面を前記削孔の内壁面と係合させる係合工程と、 その先端外周面を削孔内壁面と係合させた状態で前記鋼
    管を上昇させて前記岩石を吊上げる吊上げ工程とを備え
    たことを特徴とする岩石の吊上げ方法。
  2. 【請求項2】 前記削孔形成工程では、複数の削孔を前
    記岩石に形成し、また前記吊上げ工程では、前記複数の
    削孔に挿入された全ての鋼管を同時に上昇させて前記岩
    石を吊上げる請求項1記載の岩石の吊上げ方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の岩石の吊上げ方
    法に用いる岩石の吊上げ装置であって、 岩石に形成された削孔内に挿入可能で、しかも、その先
    端部が径方向に拡張可能となっている鋼管と、 前記鋼管内に挿通された状態で前記削孔内に挿入可能
    で、その先端部が前記鋼管内径よりも大きな外径を有
    し、しかも前記鋼管先端部から裾広がりの状態で先端側
    に突出する鋼棒と、 前記鋼管に対して前記鋼棒を相対的に前記鋼管の後端側
    に移動させることで前記鋼棒先端部によって前記鋼管先
    端部を径方向に拡張させる拡張手段とを備えたことを特
    徴とする岩石の吊上げ装置。
  4. 【請求項4】 前記鋼管先端部には、外径が連続的ある
    いは不連続的に変化する岩石係合部が設けられている請
    求項3記載の岩石の吊上げ装置。
  5. 【請求項5】 岩盤のうち所定の掘削領域を部分的に掘
    削する岩盤掘削工法において、 前記掘削領域を掘削するのに先立って、予め前記掘削領
    域を取り囲むように前記岩盤に閉ループ状に周回溝を形
    成する溝形成工程と、 前記掘削領域を複数の岩石に分割する割岩工程と、 前記割岩工程により形成された複数の岩石のうちの一の
    岩石を、請求項1または2記載の岩石の吊上げ方法によ
    って前記掘削領域から搬出する搬出工程とを備えたこと
    を特徴とする岩盤掘削工法。
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