JP3446781B2 - 全血のヘマトクリット値測定用具 - Google Patents

全血のヘマトクリット値測定用具

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JP3446781B2 JP06329695A JP6329695A JP3446781B2 JP 3446781 B2 JP3446781 B2 JP 3446781B2 JP 06329695 A JP06329695 A JP 06329695A JP 6329695 A JP6329695 A JP 6329695A JP 3446781 B2 JP3446781 B2 JP 3446781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全血中のヘマトクリッ
ト値を迅速に測定できる、簡便な測定用具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】全血中のヘマトクリット値(以下、単に
ヘマトクリットと呼称する)は、全血液に対して赤血球
が占める容積パーセントのことを示す。その値は、貧血
や赤血球増多症などの程度を知るための指標として用い
られ、あるいはヘマトクリットに影響を受けて誤った値
を出しうる全血対応試験片の測定値補正方法として使用
されている。
【0003】ヘマトクリットを測定する従来の方法であ
って、大型機器を使用せずに試験片タイプでヘマトクリ
ット値を測定する方法として、特公昭63−3260号
には呈色指示物質を含ませたゲル媒体を用いた方法が開
示されている。しかし上記方法は試験片にも加工ができ
るほど簡潔で便利な方法ではあるが、この方法と試験片
は、濡れた状態のゲル内の指示物質が全血試料中へ移動
すること、つまり『拡散現象』を利用しているので、結
果を出すのに時間がかかるという欠点を有する。
【0004】同じく試験片タイプでヘマトクリット値を
測定する測定材料として、特公昭62−17706号に
は、シート上へ全血を点着すれば、赤血球を含む同心内
円と着色の薄い同心外円の径の比率からヘマトクリット
値が測定できるものが挙げられている。しかし、上記方
法は、同心内円と同心外円の径の比率を求める換算表と
換算作業が測定のたびに必要であり、手間がかかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、全血
中のヘマトクリット値を迅速に測定できる、簡便な測定
用具を提供することにある。さらに、測定結果を機械を
用いて光学的に測光する必要のない、目視で正確に測定
できる測定用具を提供することも、目的の一つである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の様な従来技術を鑑
み、より迅速な結果を得ることのできる測定用具を研究
した結果、上記課題は以下の様にすれば解決することが
判った。すなわち、全血を試料とする、試料中のヘマト
クリット値を測定する用具であって、光透過性の材質か
らなるパイプ内の一方の端に偏った状態で、吸水膨潤性
の乾燥ゲル媒体からなる測定層と、水溶性指示物質を含
む着色層と、展開層とがこの順に設けられており、前記
パイプに目盛りが示してあることを特徴とする、全血試
料中のヘマトクリット値測定用具である。
【0007】乾燥ゲル媒体の吸収率(ゲルがどれだけ液
を吸収して膨潤するかの指標)は、全血試料中の赤血球
がゲルへの血漿成分の吸収を阻害することが原因で変化
する。すなわち、赤血球が少なければ少ないほどゲル媒
体への全血中の血漿の吸収率は高くなり、ゲル媒体内に
おいて血漿の量も多くなる。また逆に、赤血球が多けれ
ば多いほどゲル媒体への全血中の血漿の吸収率は低くな
り、ゲル媒体内において血漿の量も少なくなる。よっ
て、ゲル媒体中へ入り込んだ血漿量を測定することによ
り赤血球の阻害具合も判り、結果として全血試料中のヘ
マトクリット値が測定できる。測定前のもともとのゲル
媒体は乾燥状態であるので、血漿成分が乾燥ゲル媒体へ
吸収されるスピードは非常に速く、迅速な測定が実現で
きる。
【0008】本発明の測定用具を用いて全血試料のヘマ
トクリット値を測定する時には、本用具の展開層側から
全血を適当量点着する。点着された全血は、直ちに展開
層の作用により均一に展延される。展延後、全血中の血
漿は着色層中の水溶性指示物質を拡散させ、水溶性指示
物質は血漿中へ溶け込む。乾燥ゲル媒体からなる測定層
中へは、粒子である赤血球は入り込むことができない
が、指示物質が溶け込んだ血漿は乾燥ゲル媒体内へ浸透
し、測定層が膨潤する。このとき、赤血球が少ないと多
量の血漿成分でゲルが大きく膨らんでパイプ内でゲルは
長く伸長し、赤血球が多いと少量の血漿成分でゲルが少
しだけ膨らんで短く伸長する。その伸長具合を、パイプ
に示されている目盛りで読み取る。ゲルには血漿中の水
溶性指示物質の着色があるので、容易に読み取れる。
【0009】上記の原理を応用した、本発明とは別の態
様のヘマトクリット値測定用の試験具も作成できる。例
えば、透明あるいは半透明支持体上に、光反射剤が混入
されている乾燥ゲル媒体からなる測定層と、水溶性指示
物質を含む着色層と、全血試料を展延する展開層とをこ
の順に設けることで完成する。しかしこの試験具は、検
出結果を専用の測光装置を使用しなければ判定できない
点で不便である。しかし本発明の測定用具は、乾燥ゲル
の膨潤具合を目盛りで読み取るタイプなので、そのよう
な専用の測光装置を必要としないという利点がある。
【構成】
【0010】本発明の測定用具において、使用するゲル
媒体は吸収剤を用いる。この吸収剤は、ヘマトクリット
により膨潤吸収率が変化する膨潤吸収性材料である。本
発明にとって非常に望ましいものは、例えば、ポリエチ
レンオキシドである。
【0011】本発明の試験具の展開層は、点着した試料
を均一に展延することができ、かつ試料中の全成分(今
回は全血)が透過できるものがよい。例えば、表面かつ
内部が親水性を持つ、水不溶性の繊維質または非繊維質
の多孔性層が用いられる。孔の形状・分布密度について
は、全血成分が浸透展延し易いものが適しており、孔径
3〜20μmが適している。この展開層は、ゲルが膨潤
する際に点着側のゲルがパイプから押し出されるのを防
ぐ役割と、点着の瞬間に後述の着色層がパイプ外へ流出
するのを防ぐ役割もある。
【0012】本発明の試験具の着色層には、全血試料に
添加するための、光学的に検出可能でありかつ前記全血
試料を変性させない水溶性指示物質が含有されている。
例えば、食用青色色素1号の様な着色分子でよい。指示
物質の着色層への含ませ方は、この業界で通常行われて
いる方法でよく、濾紙などの多孔性マトリックスへ含浸
させる方法や、水溶解性バインダーとともに練ったもの
を層状にする方法がある。水溶解性バインダーの例とし
ては、ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリア
クリルアミド等の合成高分子や、セルロース誘導体,メ
トロース等の天然高分子がよい。これらのバインダー
は、単一物質でもよく、2種以上を混合してもよい。
【0013】測定に必要な層を内包するパイプについて
は、透明か半透明の光透過性のもので、試薬類に対して
不活性で、着色層や測定層等を十分に保持できる強度を
持ったものであればどのような材質のものであってもよ
い。例えば、ガラスやポリエステル(ポリエチレンテレ
フタレートなど),セルロースエステル(セルロースア
セテートプロピオネートなど),ポリメチルメタクリレ
ート等の合成樹脂パイプ等が用いられる。パイプの内径
としては1mm前後でよく、市販の血沈管と同程度で構
わない。
【0014】層どうしを積層するに際し、これらの層を
形成する物質を前記パイプ内へ順次適量につめればよい
が、パイプの一方の端に偏った状態でつめなければなら
ない。そして、その端とは反対の空洞状態になっている
パイプの表面に目盛りをつける。この目盛りは、あらか
じめヘマトクリット値と膨潤率との比率から定められて
いることは言うまでもない。
【0015】
【実施例】以下に本発明の具体例を添付図と共に説明す
る。本発明のヘマトクリット測定用具の基本構造は、図
1(断面の概念図)であり、別の態様として示したもの
が図3である。図1の全体像の俯瞰図が図2で、図3の
全体像の俯瞰図が図4である。A方向が全血試料の点着
側である。図3の用具は図1の用具のパイプの両端を加
工して塞いだもので、ゲルが膨潤する際に、ゲルやその
他の層がパイプの外へはみ出ないようにしている。図
1,図3の測定用具はともに、ヘマトクリットにより吸
収膨潤率に影響を受ける測定層4と、着色層3と、展開
層2を順に光透過性パイプ1内に詰めたものである。図
3では特に、パイプが塞がれているために、ゲルが順調
に膨潤するために空気排出口5を設けている。また、膨
潤する際にゲルによって展開層がA方向から外に押し出
されることを防ぐために、パイプの塞がれた部分に数カ
所の穴7(血液試料供給口)を開けている。
【0016】図1,図3の測定用具はともに、全血試料
のヘマトクリット値を測定する時には、まずこの用具の
A方向、つまり展開層2側から全血を点着する。全血
は、3〜100μlの間のいずれかの量でよいが、測定
に十分な量として15μl以上が適当量である。この量
を手軽に点着する方法として、この用具のA方向側の端
を血液(一滴あれば十分である)にチョンとつける方法
がある。そうすれば適当量の血液が展開層へ毛細管現象
で吸い込まれて、点着は完了する。
【0017】図1と図2に示されている様に、パイプの
開口部分と展開層の先頭部分との間には、少し距離を持
たせてある。これにより、血液へ用具をチョンとつけた
際にも、液はこの部分に保持され、より吸収されやすく
なる。点着された全血は点着後、直ちに展開層2の作用
により均一に展延される。展延後、全血中の血漿は着色
層3中の水溶性指示物質を分散させ、水溶性指示物質は
血漿中へ溶け込む。
【0018】乾燥ゲル媒体からなる測定層4中へは、赤
血球は入り込むことができないが、指示物質が溶け込ん
だ血漿は乾燥ゲル媒体内へ浸透し、測定層4が膨潤す
る。このとき、浸透の程度は赤血球の影響を受けるの
で、ヘマトクリット値の影響を受けながら、ゲル媒体は
膨潤してゆく。ヘマトクリット値の影響を受けながらゲ
ル媒体は膨潤してゆくが、このとき、赤血球が少ないと
多量の血漿成分でゲルが大きく膨らんでパイプ内でゲル
は長く伸長し、赤血球が多いと少量の血漿成分でゲルが
少しだけ膨らんで短く伸長する。その伸長具合を、パイ
プに示されている目盛り6で読み取る。ゲルには血漿中
の水溶性指示物質の着色があるので、容易に読み取れ
る。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のヘマトクリット測定用具の断面の概念
図である。図2は、図1の試験具の全体像の俯瞰概念図
である。図3は、本発明による別態様の用具の断面の概
念図である。図4は、図3の試験具の全体像の俯瞰概念
図である。 1;光透過性パイプ、2;展開層、3;着色層、4;測
定層 5;空気排出口、6;目盛り、7;血液試料供給口 A;点着側方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−26875(JP,A) 特開 平5−209877(JP,A) 特開 昭56−96245(JP,A) 実開 昭62−121559(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/49

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全血を試料とする、試料中のヘマトクリ
    ット値を測定する用具であって、光透過性の材質からな
    るパイプ内の一方の端に偏った状態で、吸水膨潤性の乾
    燥ゲル媒体からなる測定層と、水溶性指示物質を含む着
    色層と、展開層とがこの順に設けられており、前記パイ
    プに目盛りが示してあることを特徴とする、全血試料中
    のヘマトクリット値測定用具。
  2. 【請求項2】 ゲルがポリエチレンオキシドである、特
    許請求の範囲第1項に記載の用具。
JP06329695A 1995-02-14 1995-02-14 全血のヘマトクリット値測定用具 Expired - Lifetime JP3446781B2 (ja)

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DE102005048236A1 (de) * 2005-10-07 2007-04-12 Ministerium für Wissenschaft, Forschung und Kunst Baden-Württemberg Vorrichtung und Verfahren zur Bestimmung der Volumenanteile der Phasen in einer Suspension

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