JP3446351B2 - Pzt粉末の製造方法 - Google Patents
Pzt粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP3446351B2 JP3446351B2 JP29554594A JP29554594A JP3446351B2 JP 3446351 B2 JP3446351 B2 JP 3446351B2 JP 29554594 A JP29554594 A JP 29554594A JP 29554594 A JP29554594 A JP 29554594A JP 3446351 B2 JP3446351 B2 JP 3446351B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aqueous solution
- pzt powder
- pzt
- titanium
- zirconium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PZT粉末の製造方法
に関する。更に詳しくは、組成制御が容易であり、従っ
て均質なPZT粉末を得ることを可能とするそれの製造
方法に関する。 【0002】 【従来の技術】点火素子などとして知られているPZT
[チタン・ジルコン酸鉛Pb(Zr・Ti)O3]焼結体は、力を加
えることによって電圧を発生する圧電性材料としての代
表的な物質であり、これを透明化し、圧電性を利用する
ことによって、光の透過光量の制御乃至は光記憶素子と
して応用できる。また、強誘電性をも有するので、電歪
材料としても用いられている。 【0003】かかる用途を有するPZT粉末は、従来酸
化鉛、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの各粉末を固
相反応させることにより製造しているが、固相反応であ
るため焼結温度が約1200℃以上と高く、また組成制御が
困難であるなどの問題点を有している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液相
反応として行うことができ、組成制御も容易なPZT粉
末の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
水酸化ジルコニウムと水酸化チタンをしゅう酸水溶液に
溶解させ、そこに形成されたジルコニウム・チタンオク
サラト錯体の水溶液に水溶性鉛塩の水溶液を添加し、沈
殿として得られたPZT構成金属含有しゅう酸塩を450
℃以上の温度で仮焼してPZT粉末を製造することによ
り達成される。 【0006】水酸化ジルコニウムと水酸化チタンとは、
一般に等モル量で用いられるが、生成するPbZrO3とPbTi
O3とが約40〜60:約60〜40のモル比(百分率)となるよう
な割合で用いることもできる。これらの水酸化物は、こ
れらの合計モル量の約1〜2倍モル、好ましくは約1.4〜
1.6倍モルのしゅう酸を溶解させたしゅう酸水溶液中に
溶解させると、そこにジルコニウム・チタンオクサラト
錯体が水溶液として形成される。 【0007】このジルコニウム・チタンオクサラト錯体
の水溶液に、水溶性鉛塩、例えば硝酸鉛、酢酸鉛等が水
溶液として添加される。この際に添加される水溶性鉛塩
の量は、一般にPbとしてZrとTiの合計モル数に対して等
モル量であるが、約0.95〜1.05の範囲内のモル比でも用
いられる。 【0008】このようにしてジルコニウム・チタンオク
サラト錯体水溶液に水溶性鉛塩水溶液を添加すると、P
ZT構成金属含有しゅう酸塩がそこに沈殿として生成す
るので、それをロ過、エタノール洗浄、室温乾燥した
後、450℃以上の温度、好ましくは500〜600℃という比
較的低い仮焼温度で約1〜3時間程度仮焼した後、粉砕す
ることにより、PZT粉末を得ることができる。 【0009】 【発明の効果】本発明方法により、組成の均一性が向上
し、またサブミクロンの粒径を有するPZT粉末が得ら
れるので、焼結性をも向上させることができる。 【0010】 【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。 【0011】実施例1 PbZrO3とPbTiO3とが52:48のモル比になるように予め秤
量した水酸化ジルコニウムと水酸化チタンとを、これら
の合計モル量の約1.5倍モルの0.43重量%しゅう酸水溶液
中に溶解させた。 【0012】得られたジルコニウム・チタンオクサラト
錯体水溶液に、ZrとTiの合計モル数に対して等モルとな
る量のPbを含有する硝酸鉛の水溶液を添加し、PZT構
成金属含有しゅう酸塩の沈殿を形成させ、この沈殿をエ
タノールで洗浄して、しゅう酸塩微粒子を得た。 【0013】このしゅう酸塩微粒子を、室温条件下で乾
燥させた後、500℃で1時間仮焼し、ボールミルで粉砕
して、PZT粉末を得た。 【0014】実施例2 実施例1において、硝酸鉛の水溶液の代わりに、同モル
量の酢酸鉛の水溶液が用いられた。 【0015】以上の各実施例の過程で得られたPZT構
成金属含有しゅう酸塩について、ICP(誘導結合型プ
ラズマ発光分析)による組成分析を行った結果、いずれ
も 仕込みモル比 Pb 100:Zr 52:Ti 48 に対し、 Pb 101:Zr 52:Ti 48 という測定値が得られた。 【0016】また、得られたPZT粉末のX線回析パタ
ーンは図1に、その粒径分布(占有率)およびその累積率
は図2にそれぞれ示される。 【0017】これらの結果から、PZT粉末はPbZrO3:
PbTiO3=52:48のモル比を有しており、平均2次粒径が
0.52μmのペロブスカイト型構造を有していることが分
かる。
に関する。更に詳しくは、組成制御が容易であり、従っ
て均質なPZT粉末を得ることを可能とするそれの製造
方法に関する。 【0002】 【従来の技術】点火素子などとして知られているPZT
[チタン・ジルコン酸鉛Pb(Zr・Ti)O3]焼結体は、力を加
えることによって電圧を発生する圧電性材料としての代
表的な物質であり、これを透明化し、圧電性を利用する
ことによって、光の透過光量の制御乃至は光記憶素子と
して応用できる。また、強誘電性をも有するので、電歪
材料としても用いられている。 【0003】かかる用途を有するPZT粉末は、従来酸
化鉛、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの各粉末を固
相反応させることにより製造しているが、固相反応であ
るため焼結温度が約1200℃以上と高く、また組成制御が
困難であるなどの問題点を有している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液相
反応として行うことができ、組成制御も容易なPZT粉
末の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
水酸化ジルコニウムと水酸化チタンをしゅう酸水溶液に
溶解させ、そこに形成されたジルコニウム・チタンオク
サラト錯体の水溶液に水溶性鉛塩の水溶液を添加し、沈
殿として得られたPZT構成金属含有しゅう酸塩を450
℃以上の温度で仮焼してPZT粉末を製造することによ
り達成される。 【0006】水酸化ジルコニウムと水酸化チタンとは、
一般に等モル量で用いられるが、生成するPbZrO3とPbTi
O3とが約40〜60:約60〜40のモル比(百分率)となるよう
な割合で用いることもできる。これらの水酸化物は、こ
れらの合計モル量の約1〜2倍モル、好ましくは約1.4〜
1.6倍モルのしゅう酸を溶解させたしゅう酸水溶液中に
溶解させると、そこにジルコニウム・チタンオクサラト
錯体が水溶液として形成される。 【0007】このジルコニウム・チタンオクサラト錯体
の水溶液に、水溶性鉛塩、例えば硝酸鉛、酢酸鉛等が水
溶液として添加される。この際に添加される水溶性鉛塩
の量は、一般にPbとしてZrとTiの合計モル数に対して等
モル量であるが、約0.95〜1.05の範囲内のモル比でも用
いられる。 【0008】このようにしてジルコニウム・チタンオク
サラト錯体水溶液に水溶性鉛塩水溶液を添加すると、P
ZT構成金属含有しゅう酸塩がそこに沈殿として生成す
るので、それをロ過、エタノール洗浄、室温乾燥した
後、450℃以上の温度、好ましくは500〜600℃という比
較的低い仮焼温度で約1〜3時間程度仮焼した後、粉砕す
ることにより、PZT粉末を得ることができる。 【0009】 【発明の効果】本発明方法により、組成の均一性が向上
し、またサブミクロンの粒径を有するPZT粉末が得ら
れるので、焼結性をも向上させることができる。 【0010】 【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。 【0011】実施例1 PbZrO3とPbTiO3とが52:48のモル比になるように予め秤
量した水酸化ジルコニウムと水酸化チタンとを、これら
の合計モル量の約1.5倍モルの0.43重量%しゅう酸水溶液
中に溶解させた。 【0012】得られたジルコニウム・チタンオクサラト
錯体水溶液に、ZrとTiの合計モル数に対して等モルとな
る量のPbを含有する硝酸鉛の水溶液を添加し、PZT構
成金属含有しゅう酸塩の沈殿を形成させ、この沈殿をエ
タノールで洗浄して、しゅう酸塩微粒子を得た。 【0013】このしゅう酸塩微粒子を、室温条件下で乾
燥させた後、500℃で1時間仮焼し、ボールミルで粉砕
して、PZT粉末を得た。 【0014】実施例2 実施例1において、硝酸鉛の水溶液の代わりに、同モル
量の酢酸鉛の水溶液が用いられた。 【0015】以上の各実施例の過程で得られたPZT構
成金属含有しゅう酸塩について、ICP(誘導結合型プ
ラズマ発光分析)による組成分析を行った結果、いずれ
も 仕込みモル比 Pb 100:Zr 52:Ti 48 に対し、 Pb 101:Zr 52:Ti 48 という測定値が得られた。 【0016】また、得られたPZT粉末のX線回析パタ
ーンは図1に、その粒径分布(占有率)およびその累積率
は図2にそれぞれ示される。 【0017】これらの結果から、PZT粉末はPbZrO3:
PbTiO3=52:48のモル比を有しており、平均2次粒径が
0.52μmのペロブスカイト型構造を有していることが分
かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PZT粉末のX線回析パターンである。
【図2】PZT粉末の粒度分布およびその累積率のグラ
フである。
フである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水酸化ジルコニウムと水酸化チタンをし
ゅう酸水溶液に溶解させ、そこに形成されたジルコニウ
ム・チタンオクサラト錯体の水溶液に水溶性鉛塩の水溶
液を添加し、沈殿として得られたPZT構成金属含有し
ゅう酸塩を450℃以上の温度で仮焼することを特徴とす
るPZT粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29554594A JP3446351B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | Pzt粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29554594A JP3446351B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | Pzt粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08133732A JPH08133732A (ja) | 1996-05-28 |
JP3446351B2 true JP3446351B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=17822040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29554594A Expired - Fee Related JP3446351B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | Pzt粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3446351B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200427809A (en) * | 2003-05-19 | 2004-12-16 | Hitachi Chemical Co Ltd | Insulating material, film, circuit board and method for manufacture thereof |
JP5575609B2 (ja) * | 2010-11-02 | 2014-08-20 | 日本碍子株式会社 | 鉛系圧電材料及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-11-04 JP JP29554594A patent/JP3446351B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08133732A (ja) | 1996-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5096642A (en) | Process for producing a high density ceramic of perovskite | |
JP5361190B2 (ja) | 微粉末のチタン酸ジルコニウム酸鉛、ジルコンチタン水和物及びチタン酸ジルコニウム及びその製法 | |
JP2598786B2 (ja) | ペロブストカイト系機能性セラミツクの製造方法 | |
JP3446351B2 (ja) | Pzt粉末の製造方法 | |
JPH0159967B2 (ja) | ||
Ando et al. | Preparation of Pb (Mg1/3Nb2/3) O3-PbTiO3 powder by a wet chemical process | |
JPH0818871B2 (ja) | ジルコン酸チタン酸鉛系圧電磁器の製造方法 | |
JP3345974B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JPH0425207B2 (ja) | ||
JP3384048B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JPH0818870B2 (ja) | ジルコン酸チタン酸鉛系圧電磁器の製造方法 | |
JPH0769645A (ja) | 鉛含有複合酸化物の製造方法 | |
JP2767584B2 (ja) | ペロブスカイト型セラミックス微粉末の製造方法 | |
JP2899755B2 (ja) | Pzt系粉末の製造方法 | |
JPH0798663B2 (ja) | 赤外線センサー用焦電体磁器の製法 | |
JPH0159205B2 (ja) | ||
JPS62138354A (ja) | 易焼結性鉛含有酸化物粉末の製造法 | |
JPS6243929B2 (ja) | ||
JP3041411B2 (ja) | 圧電セラミックス用原料粉体の製造方法 | |
JPH01122907A (ja) | ペロブスカイト酸化物紛末の製造方法 | |
JPS62202821A (ja) | 多段湿式法による易焼結性の複合ペロブスカイトの原料粉末の製造方法 | |
JPH0256287B2 (ja) | ||
JPH0818867B2 (ja) | ジルコニウムを含むペロブスカイトセラミツクスの製造方法 | |
JPH0651570B2 (ja) | 圧電セラミックス原料粉末の製造方法 | |
JPS61232217A (ja) | 誘電体磁器製造用の低温焼結性原料粉末の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |