JP3446019B2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は超音波を
利用した布等の柔軟素材の洗浄,とりわけ衣類の袖口や
襟等の部分汚れや、強い汚れを洗浄する装置および洗剤
自動投入装置を装備する洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、カッターシャツの袖口や襟、
木綿靴下といった洗濯物の部分汚れは落ちにくいため,
予め手洗いや、ブラシにより大まかに洗浄した後、洗濯
機に投入して洗擢している。

【０００３】この煩雑さを解消する方法として、特開平
４−２２４７９３号公報に開示されている技術では、洗
濯機本体に被洗浄物洗浄用噴射ノズルと、噴射ノズルに
洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、洗浄液に超音波を
乗せる超音波発生装置によって,噴射ノズルから噴出す
る超音波の乗った洗浄液で部分洗いを行う方法が提案さ
れている。

【０００４】さらに、振動ホーンを介して超音波を直接
的に被洗浄物に照射して洗浄する方法として、特開平６
−２１８３３７号公報に開示されている。

【０００５】これは、振動ホーンの先端部から洗浄用液
体を噴射させるか、あるいはホーン先端部に液体を吹き
付ける状態でホーンを超音波振動させ、ホーンからの超
音波を被洗浄部分に照射することによって汚れを剥離し
てよごれを液体で流し去ることを特徴とする可殻型の洗
浄装置である。

【０００６】一方、粉末洗剤の溶解を促進する技術とし
て、たとえば、次に示すような構成の洗濯機が提案され
ている。

【０００７】図６は、洗剤自動投入装置を持つ従来の全
自動洗濯機の洗濯機上部の給水部付近の断面図である。

【０００８】洗擢機上部に給水口１９があり、洗剤投入
ボックス１３に至る経路が形成されている。

【０００９】洗剤投入ボックス１３内には羽根車２８が
設置されており、洗剤投入ボックス１３は前方(図中左
方向)にスライドでき、ユーザーが洗濯物の量に応じた
適量の粉末洗剤２０を投入した後、洗剤投入ボックス１
３を図示しているもとの状態に戻す。

【００１０】次に、給水弁２1が開放されることによ
り、水道水が洗剤投入ボックス１３内に流入すると、そ
の流水の動圧によって羽根車２７が回転し、粉末洗剤２
０が撹拌されて水道水に溶解して洗剤水２２となり、こ
の洗剤水２２が洗擢槽内に供給される。この方法により
合成洗剤の溶け出しを向上させている。

【００１１】この洗剤自動投入装置では、洗擢槽内に洗
剤を直接投入するよりは、洗浄液の濃度は向上するもの
の、給水時の洗剤の溶け残りは依然として存在するた
め.洗剤の持つ洗浄力を十分に引き出せない。

【００１２】これを解決するための方法として、実開平
６−３６５９１号公報に開示されている技術が提案され
ているこの技術では、洗剤の自動投入において、超音波
を利用して洗剤の溶解を促進するものである。すなわ
ち、この装置では、粉末洗剤を収容する洗剤溶解筒に給
水することで粉末洗剤を一次的に溶解し、この部分で溶
解できずに粉体としてそのまま浮遊している洗剤を、洗
剤溶解筒の下流の配管内に設置された超音波振動子から
の超音波によってさらに二次的に溶解させるようにして
いる。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各々の従来技術のものでは、それぞれ次の問題があ
る。

【００１４】(１) 特開平４−２２４７９３号公報に開
示されているのものでは、被洗浄物を噴射ノズルの下方
に持っていき超音波の力で洗浄するのであるが、これ
は、被洗浄物が主に布等の柔軟素材である場合には、超
音波による水の振動は布自身に吸収されてしまい、汚れ
を布から遊離させる力に変換されにくいため、ある程度
の洗浄力しか得られない。

【００１５】また、噴流出口から被洗浄物までの距離が
遠く離れていると、超音波が噴流中で減衰してしまい、
強い洗浄力は期待できなくなる。

【００１６】(２) また、特開平６−２１８３３７号公
報に開示されているものでは、超音波振動を直接的に被
洗浄物に作用させるため、汚れに対する機械力の伝達は
良好であると言える。

【００１７】しかしながら、可搬式であるがゆえに、例
えば衣類の襟垢や袖口の部分汚れの洗浄を行う場合に
は、何らかの受水部が必要であり、さらに、襟や袖にあ
る程度の張力を加えた状態で、片手に保持した洗浄装置
のホーン先端部を押し当てるという作業が必要で、洗浄
作業が困難になることが容易に想像できる。さらに、こ
のような作業ではホーン部に直接指が接触したときに
は、激しい傷みを感じる危険性が高い。

【００１８】(３) さらに、実開平６−３６５９１号公
報に開示されている技術では、流水中に浮遊する粉状の
洗剤を、給水配管中の側面に配置した振動面からの超音
波で連続的に溶解しているが、その溶解メカニズムとし
ては、振動面近傍での強い近距離音場のみと考えられ、
粉状の溶け残り洗剤が近距離音場を通過する時間はごく
短いと考えられる。したがって、このような構成では十
分な溶解促進の効果は期待できない。

【００１９】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、洗濯物の部分洗いを容易に行えるとと
もに、粉末洗剤の溶解を十分促進できるようにした洗濯
機を提供することを課題とする。

【００２０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る洗濯機は、
上記の課題を解決するため、次のようにしている。

【００２１】請求項１記載の発明では、超音波振動子に
振動ホーンが機械的に連結されてなる超音波加振器と、
洗濯機への給水からこの超音波加振器の前記振動ホーン
の表面に液体を供給する供液手段とを備え、かつ、前記
超音波加振器は、洗濯機本体に装着された状態におい
て、その振動ホーンの先端部が外部に露出するように配
置されている。請求項２記載の発明では、超音波振動子
に振動ホーンが機械的に連結されてなる超音波加振器
と、洗濯槽への給水からこの超音波加振器の前記振動ホ
ーンの表面に液体を供給する供液手段とを備え、かつ、
前記超音波加振器は、洗濯機本体に装着された状態にお
いて、その振動ホーンの先端部が外部に露出するように
配置されている。 請求項３記載の発明では、超音波振動
子に振動ホーンが機械的に連結されてなる超音波加振器
と、この超音波加振器の前記振動ホーンの表面に液体を
供給する供液手段とを備え、かつ、前記超音波加振器
は、洗濯機本体に装着された状態において、被洗濯物に
押し当てる振動ホーンの先端部が洗濯槽に向けて露出す
るように配置し、該洗濯槽への前記供液手段による洗濯
開始の給水とともに超音波振動を開始することで、その
振動ホーンの先端部に被洗濯物を押し当てて部分洗いを
行なえる。

【００２２】これにより、作業者は超音波加振器を手に
保持しなくても洗濯機本体に装着されている状態で洗濯
物の部分汚れの部位を振動ホーンに直接接触させればよ
いため、部分洗いを容易に行えるとともに、十分な部分
洗いを行うことができる。しかも、そのとき、振動ホー
ンの先端部のみが外部に露出するため、作業者に対する
安全性も向上する。

【００２３】請求項４記載の発明では、請求項１〜請求
項３のいずれか一つに記載の構成において、洗濯機本体
には、洗剤が投入されかつ前記供液手段により給水され
る洗剤投入ボックスが設けられ、該洗剤投入ボックスの
底部には洗剤水を洗濯槽に落下させる孔が形成され、か
つ、前記超音波加振器は、洗濯機本体に装着された状態
において、前記振動ホーンの一部が洗剤投入ボックス内
に臨むとともに、前記先端部が洗剤自動投入ボックスの
底部の孔を通って洗濯槽側に向けて露出するように配置
され、前記洗剤水は前記振動ホーンの側面に接触してか
ら洗濯槽に落下するように構成されている。

【００２４】これにより、超音波加振器は、部分洗い用
としてのみならず、粉末洗剤の溶解促進の装置としても
同時に利用することができる。

【００２５】請求項５記載の発明では、請求項１〜請求
項４のいずれか一つに記載の構成において、前記超音波
振動子の共振周波数は、２０〜５０ＫＨｚに調整されて
いる。 請求項６記載の発明では、請求項１〜請求項５の
いずれか一つに記載の洗濯機において、部分洗いスイッ
チを備え、該スイッチを投入することで給水と超音波加
振器の超音波振動を開始するように構成されている。 請
求項７記載の発明では、請求項１〜請求項６のいずれか
一つに記載の洗濯機において、前記超音波加振器は、洗
濯機本体に対して着脱可能に設けられている。

【００２６】これにより、必要に応じて超音波加振器を
取り外して使用することができるため、利便性が高ま
る。

【００２７】請求項８記載の発明では、請求項１〜請求
項７のいずれか一つに記載の洗濯機において、前記振動
ホーンの先端部の表面は、微細な凹凸形状に加工されて
いる。

【００２８】これにより、洗浄効果を高めることができ
る。

【００２９】請求項９記載の発明では、請求項１〜請求
項８のいずれか一つに記載の構成において、前記洗濯機
本体の非回転部分に、平板、多孔板、メッシュ材等から
なる部材を取り出し可能に設け、また、請求項１０記載
の発明では、請求項１〜請求項９のいずれか一つに記載
の構成において、洗濯機本体の非回転部分に、衣類等を
クリップするクリップ部材を設けている。

【００３０】これにより、洗濯物を板状部材の上におい
たり、あるいは、洗濯物の一端をクリップ部材にクリッ
プして張力をかけ状態で振動ホーンを接触あるいは近接
させて部分洗いを行えるため、部分洗いの作業が容易に
なる。

【００３１】

【発明の実施の形態】この実施形態では、家庭用洗濯
機、特にここでは全自動洗濯機に本発明を適用した場合
について説明するが、全自動でない洗濯機にも本発明は
適用可能である。

【００３２】実施形態１ 図１は、この実施形態１に係る全自動洗濯機の上部を示
す側面断面図である。

【００３３】この実施形態１では、洗濯機本体４０の上
部に、洗擢機上部カバー１１が設けられている。この洗
擢機上部カバー１１は、樹脂成型品であって、洗濯機本
体４０の正面に近い側(図中左側)に、このカバー１１を
上下に貫通した状態でケース収納部１２が成型されてお
り、このケース収納部１２内に超音波加振器５０が若干
のスリアランスをもって装着されている。また、洗擢機
上部カバー１１の下方には、洗剤投入ボックス１３が配
置されている。さらに、洗擢機上部カバー１１には、給
水口１９が形成されており、この給水口１９が給水弁２
１を介して洗剤投入ボックス１３に連通していて、後述
する第２の仕切り板１７より奥側に水道水が給水される
ようになっている。なお、この給水は、図示しないポン
プを介して風呂水から供給しても良い。

【００３４】超音波加振器５０は、樹脂成型品の振動子
ケース４を有し、そのケース先端部は超音波キャビテー
ションによる樹脂の溶融や変形を防止するために、図示
しない金属によって内面がライニングされており、この
振動子ケース４の内部に超音波振動子１が設けられてい
る。

【００３５】この超音波振動子１は、ジルコンチタン酸
鉛系のランジュバン型振動子であり、共振周波数は２０
〜５０ＫＨzに調整されている。そして、この超音波振
動子１は、振動子ケース４に振動が伝わらないように、
図示しないゴム等の振動吸収体を介して固定されてい
て、この超音波振動子１には、振動ロッド２を介して振
動ホーン３が機械的に接続されている。

【００３６】振動ホーン３の先端部３aの形状を図２
(a)，(b)に示す。

【００３７】振動ホーン３の先端部３aは、その断面形
状が概略長方形であって、その水平断面積が先端にいく
ほど小さくなっており、これによって超音波振幅が先端
ほど大きく増幅されるようになっている。なお、本側で
は図１における紙面奥行き方向の厚みが先端ほど小さく
しているものを採用している。

【００３８】また、先端部３aの表面は、同図(a)に示す
ような凹凸が数ミリ程度の波形に加工されたものや、同
図(b)に示すようなディンプル形状に加工されたもの、
さらには、図示しないランダムな数十マイクロメートル
程度の微細凹凸形状等、種々考えられる。その形状は、
たとえば切削、放電加工、エッチング、サンドブラスト
等の加工法により容易に形成することができる。そし
て、この凹凸により、部分洗い作業におけるいわゆる洗
濯板効果(凸部への押しつけの圧力集中)と、凸部への加
振力集中による洗浄力の向上が図れるものである。

【００３９】なお、図２では、振動ホーン４の先端部の
断面形状が概略長方形のものであるが、本例の形状に限
定されるものではない。

【００４０】そして、この振動ホーン３は、最も超音波
密度が大きい先端部３aのみが１mm程度振動子ケース４
の先端部から洗濯槽４２側に向けて外部に露出してい
る。また、振動ホーン３の振動子１側に近い部分には、
その全周にわたってシール部材１０が装着されて振動子
ケース４の内面に接触しており、これによって、その上
方にある超音波振動子１を駆動するための通電部分が浸
水されないよう防水されている。

【００４１】超音波振動子１とターミナル５とは、ケー
ス内動力線６によって電気的に接続され、ターミナル５
はコードリール８を介して本体側動力線９に接続され、
さらに、この本体側動力線９が洗擢機上部カバー１１の
下方に装備された発振回路７に電気的に接続されてい
る。

【００４２】一方、前記の洗剤投入ボックス１３は、上
部が完全開放された容器であって、ヒンジ１４によって
これを中心として回転自在に保持されるとともに、その
前面パネル１８には、開閉用把手１５が形成されるとと
もに、前面パネル１８の裏面には凸部３０が設けられ、
また、洗擢機上部カバー１１の凸部３０に対向した位置
には、凹部３２がそれぞれ形成されて、両者３０，３２
の嵌合によって洗剤投入ボックス１３が水平に保持され
ている。

【００４３】また、洗剤投入ボックス１３の内部には、
全面がメッシュでできた第１の仕切り部１６と、下半部
のみをメッシュ構造とした第２の仕切り部１７とが設け
られていて、両者１６，１７および洗剤投入ボックス１
３の側面と底面で形成される洗剤収納部３６に粉末洗剤
２０が投入されるようになっている。

【００４４】さらに、洗剤投入ボックス１３の底部に
は、振動ホーン３の先端３aより若干大きい形状の孔３
４が形成されており、この孔３４によって振動ホーン３
が洗剤投入ボックス１３を通って洗濯槽４２に向けて若
干露出している。また、洗剤投入ボックス１３の底部の
孔３４よりも前方側の前面パネル１８に至るまで部分も
メッシュ部３８として構成されている。

【００４５】これにより、洗剤投入ボックス１３から流
出する洗剤水２２は振動ホーン３の側面に接触してか
ら、孔３４あるいはメッシュ部３８を通って洗濯槽４２
の中に落下するようになっている。

【００４６】なお、４４は洗濯槽４２に設けられたバラ
ンスリングである。

【００４７】次に、図１および図２に示した構成におい
て、洗剤溶解と部分洗いを同時に行う場合について、図
３に示すフローチャートを参照して説明する。

【００４８】まず、使用者は、洗濯槽４２の中に洗濯物
を投入した後(ステップ１)、洗濯条件を設定する(ステ
ップ２)。

【００４９】次に、開閉用把手１５を手前に引きながら
洗剤投入ボックス１３を開いて、その洗剤収納部３６内
に、所定量の合成洗剤または粉石鹸等の粉末洗剤２０を
投入してから(ステップ３)、洗剤投入ボックス１３を閉
じる。

【００５０】次に、図示しない洗濯開始のスイッチを押
すと(ステップ４)、洗濯物の量が図示しないセンサ等で
検知され(ステップ５)、これに応じて、給水弁２１が開
かれて洗濯槽４２には洗濯物の量に応じた所定量の給水
が行なわれる(ステップ６)。この時、給水と同時に発振
回路７から超音波振動子１に高周波電流が印加され、超
音波加振器５０は超音波振動を開始する(ステップ７)。

【００５１】振動ホーン３の先端では、その超音波振動
によって少しずつ粉末洗剤２０が粉砕され、この粉末洗
剤２０が懸濁あるいは溶解して洗剤水２２となり、この
洗剤水２２が洗擢槽４２に供給される。

【００５２】この洗剤溶解工程中に洗濯物を部分洗いす
る場合には、事前に部分洗いをしたい例えば襟、袖等の
汚れ部分に予め部分洗い専用液体洗剤を塗布しておき、
この洗濯物の汚れ部分を、洗濯槽４２への給水中に振動
ホーン３の先端部３aに押し当てて、汚れ部分を先端部
３aで摩擦すると、超音波の直接振動伝達と、振動ホー
ン３の表面の給水により生じるキャビテーションとによ
って部分汚れが除去される(ステップ８)。こうして部分
洗いを終えた衣類は、そのまま洗濯槽４２に投入して、
洗濯機フタを閉じる(ステップ９)。

【００５３】そして、所定の給水が終了したことを図示
しない水位センサが検知すると(ステップ１０)、発振回
路７からの高周波電流の供給が停止されて超音波振動が
停止されるとともに(ステップ１１)、給水弁２１が閉じ
られ(ステップ１２)、通常の洗濯が開始される(ステッ
プ１３)。

【００５４】なお、図３に示した洗剤溶解工程中に部分
洗いをしなくとも、図４のフローチャートに示すような
手順に従って通常の洗濯中に部分洗いを行うこともでき
る。

【００５５】すなわち、通常の洗濯中に部分洗いを行い
たい場合には(ステップ２０)、洗濯機フタを開け(ステ
ップ２１)、図示しない部分洗いスイッチを投入すると
(ステップ２２)、これに応じて給水弁２１が開かれると
ともに(ステップ２３)、超音波振動子１が駆動されて
(ステップ２４)、前述の部分洗い動作を行うことができ
る(ステップ２５)。

【００５６】部分洗い作業を終了したい場合は、部分洗
いスイッチを切れば(ステップ２６)、超音波振動子１の
動作が停止するとともに(ステップ２７)、給水弁２１が
閉となるので(ステップ２８)、洗濯機のフタを閉じれば
(ステップ２９)、通常の洗濯工程に戻ることができる。

【００５７】さらに、ここでは詳細な説明は省略する
が、通常の洗濯中でなくとも部分洗いのみを行いたい場
合には、図４のフローチャートに示した通常の洗擢工程
を除いた方法での実施が可能である。

【００５８】実施形態２ 図５は、この実施形態２に係る全自動洗濯機の上部を示
す側面断面図であり、図１に示した実施形態１に対応す
る部分には同一の符号を付す。

【００５９】この実施形態２の特徴は、次の通りであ
る。

【００６０】振動子ケース４の上部にケース脱着用の把
手２３が取り付けられており、これを上方に引き上げる
ことで超音波加振器５０がケース収納部１２から取り外
すことができるようになっている。また、超音波加振器
５０の振動子ケース４には超音波振動子１を動作させる
ための部分洗いスイッチ２６が設けられている。

【００６１】一方、洗剤投入ボックス１３の底部には、
平板部材２４が図示しないラチェット機構等に連結され
た支軸４６よって揺動可能に設けられており、また、前
面カバー１８の前面には、クリップ２５が取り付けられ
ていて、このクリップ２５と前面カバー１１の壁面との
間で洗濯物を挟み付けることができるようになってい
る。その他の構成は、実施形態１の場合と同様であるか
ら、ここでは詳しい説明は省略する。

【００６２】なお、平面部材２４およびクリップ２５に
ついては、設置場所を本例に限定するものではなく、他
の非回転部分に設けることが可能である。また、平板部
材２４上で部分洗いを行う場合、平面部材２４に超音波
の加振力が加わるため、その材質は金属とすることが望
ましく、さらには、超音波による発熱による変形を防ぐ
ために、メッシュ構造にして給水により冷却できる構造
とすることもできる。

【００６３】次に、図５の構成において、振動子ケース
４を取り出して部分洗いを行う場合について説明する。

【００６４】本体側動力線９は、コードリール８によっ
て発振回路７に接続されているため、超音波加振器５０
を取り外した状態でも超音波振動子１への動力供給が可
能である。

【００６５】そこで、使用者は、まず部分洗いを行いた
い衣類の汚れ部分の近傍をクリップ２５に挟み、片手で
その衣類の一部を保持しながら衣類に若干張力を与え、
部分洗い専用の液体洗剤を汚れ部分に塗布する。また、
クリップ２５で挟むことができない衣類、例えばズック
類等や挟むことによって生じるシワを気にする場合に
は、平板部材２４の上で液体洗剤を塗布することができ
る。

【００６６】クリップ２５で衣類を挟んでいる場合に
は、使用者は、片手で衣類に張力を与えながら、片手に
超音波加振器５０を保持して部分洗いスイッチ２６を投
入すると、超音波振動子１に動力が供給される。よっ
て、使用者は、振動ホーン３の先端部３aを衣類の汚れ
部分に軽く押し当てながら摩擦することで簡単に部分洗
いができる。

【００６７】一方、クリップ２５で衣類を挟めないよう
な洗濯物の場合には、平板部材２４の上に衣類の汚れ部
分を置き、この上で振動ホーン３の先端部を衣類の汚れ
部分に軽く押し当てながら摩擦することで簡単に部分洗
いができる。

【００６８】なお、この実施形態２の場合も、超音波加
振器５０を洗濯機上部カバー１１のケース収納部１２内
に装着すれば、実施形態１の場合と同様に、その状態で
部分洗いや粉末洗剤２０の溶解促進を行うことができ
る。

【００６９】

【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。

【００７０】

【発明の効果】（１）請求項１または２または３記載の
発明によれば、作業者は超音波加振器を手に保持しなく
ても洗濯機本体に装着されている状態で洗濯物の部分汚
れの部位を振動ホーンに直接接触させればよいため、部
分洗いを容易に行えるとともに、十分な部分洗いを行う
ことができる。しかも、そのとき、振動ホーンの先端部
のみが外部に露出するため、作業者に対する安全性も向
上する。

【００７１】（２）請求項４記載の発明によれば、超音
波加振器は、部分洗い用として利用するのみならず、粉
末洗剤の溶解促進の装置としても同時に利用することが
できる。

【００７２】（３）請求項５記載の発明によれば、超音
波振動子の共振周波数は、２０〜５０ＫＨｚに調整され
ている。請求項６記載の発明では、スイッチを投入する
ことで給水と超音波加振器の超音波振動を開始する。請
求項７記載の発明によれば、必要に応じて超音波加振器
を取り外して使用することができるため、利便性が高ま
る。

【００７３】（４）請求項８記載の発明によれば、振動
ホーンの表面が微細な凹凸形状に加工されているため、
超音波の加振のみの場合よりも一層洗浄効果を高めるこ
とができる。

【００７４】（５）請求項９または請求項１０記載の発
明によれば、板状部材またはクリップ部材によって部分
洗い用洗剤の塗布作業をスムーズに行うことができるた
め、部分洗いの作業が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１に係る全自動洗濯機の上部
を示す側面断面図である。

【図２】図１の洗濯機が備える振動ホーンの先端部の形
状を示す斜視図である。

【図３】図１に洗濯機において、洗剤溶解と部分洗いを
同時に行う場合の動作説明に供するフローチャートであ
る。

【図４】図１の洗濯機において、通常の洗濯の途中で部
分洗いを行う場合の動作説明に供するフローチャートで
ある。

【図５】本発明の実施形態２に係る全自動洗濯機の上部
を示す側面断面図である。

【図６】従来の全自動洗濯機の上部を示す側面断面図で
ある。

【符号の説明】

１…超音波振動子、２…振動ロッド、３…振動ホーン、
４…振動子ケース、７…発振回路、８…コードリール、
９…本体側動力線、１１…洗濯機上部カバー、１２…ケ
ース収納部、１３…洗剤投入ボックス、１５…開閉用把
手、１６…第１の仕切り板、１７…第２の仕切り板、１
８…前面パネル、１９…給水口、２０…粉末洗剤、２１
…給水弁、２２…洗剤水、２３…ケース脱着用把手、２
４…平板部材、２５…クリップ、２６…部分洗いスイッ
チ、３６…洗剤収納部、４０…洗濯機本体、４２…洗濯
槽、４４…バランスリング、４６…支軸、５０…超音波
加振器。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−224793（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−134170（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−36591（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−76282（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭41−18157（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06F 1/00 - 51/02 B06B 1/02 B08B 3/12 B08B 11/00 D06L 1/12

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 超音波振動子に振動ホーンが機械的に連
   結されてなる超音波加振器と、洗濯機への給水からこの
   超音波加振器の前記振動ホーンの表面に液体を供給する
   供液手段とを備え、かつ、前記超音波加振器は、洗濯機
   本体に装着された状態において、その振動ホーンの先端
   部が外部に露出するように配置されていることを特徴と
   する洗濯機。
2. 【請求項２】 超音波振動子に振動ホーンが機械的に連
   結されてなる超音波加振器と、洗濯槽への給水からこの
   超音波加振器の前記振動ホーンの表面に液体を供給する
   供液手段とを備え、かつ、前記超音波加振器は、洗濯機
   本体に装着された状態において、その振動ホーンの先端
   部が外部に露出するように配置されていることを特徴と
   する洗濯機。
3. 【請求項３】 超音波振動子に振動ホーンが機械的に連
   結されてなる超音波加振器と、この超音波加振器の前記
   振動ホーンの表面に液体を供給する供液手段とを備え、
   かつ、前記超音波加振器は、洗濯機本体に装着された状
   態において、被洗濯物に押し当てる振動ホーンの先端部
   が洗濯槽に向けて露出するように配置し、該洗濯槽への
   前記供液手段による洗濯開始の給水とともに超音波振動
   を開始することで、その振動ホーンの先端部に被洗濯物
   を押し当てて部分洗いを行なえることを特徴とする洗濯
   機。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか一つに記載の洗
   濯機において、洗濯機本体には、洗剤が投入されかつ前
   記供液手段により給水される洗剤投入ボックスが設けら
   れ、該洗剤投入ボックスの底部には洗剤水を洗濯槽に落
   下させる孔が形成され、かつ、前記超音波加振器は、洗
   濯機本体に装着された状態において、前記振動ホーンの
   一部が洗剤投入ボックス内に臨むとともに、前記先端部
   が洗剤自動投入ボックスの底部の孔を通って洗濯槽側に
   向けて露出するように配置され、前記洗剤水は前記振動
   ホーンの側面に接触してから洗濯槽に落下することを特
   徴とする洗濯機。
5. 【請求項５】 請求項１〜請求項４のいずれか一つに記
   載の洗濯機において、前記超音波振動子の共振周波数
   は、２０〜５０ＫＨｚに調整されていることを特徴とす
   る洗濯機。
6. 【請求項６】 請求項１〜請求項５のいずれか一つに記
   載の洗濯機において、部分洗いスイッチを備え、該スイ
   ッチを投入することで給水と超音波加振器の超音波振動
   を開始することを特徴とする洗濯機。
7. 【請求項７】 請求項１〜請求項６のいずれか一つに記
   載の洗濯機において、前記超音波加振器は、洗擢機本体
   に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする洗
   擢機。
8. 【請求項８】 請求項１〜請求項７のいずれか一つに記
   載の洗濯機において、前記振動ホーンの先端部の表面
   は、微細な凹凸形状に加工されていることを特徴とする
   洗濯機。
9. 【請求項９】 請求項１〜請求項８のいずれか一つに記
   載の洗濯機において、前記洗濯機本体の非回転部分に、
   平板、多孔板、メッシュ材等からなる部材を取り出し可
   能に設けたことを特徴とする洗濯機。
10. 【請求項１０】 請求項１〜請求項９のいずれか一つに
    記載の洗濯機において、洗濯機本体の非回転部分に、衣
    類等をクリップするクリップ部材を設けたことを特徴と
    する洗濯機。