JP3445993B2 - 切断後の変形の小さい熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

切断後の変形の小さい熱延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車、船舶等
の輸送機、建築物やガードレール等の鋼構造物、家具、
電気機器の外板などに使用される、切断後の変形量が小
さい熱延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、船舶等の輸送機、建築物やガー
ドレール等の鋼構造物、家具、電気機器の外板など、加
工して使用される鋼板には、所定寸法に切断後に生ずる
変形量の小さいことが要求されている。一方、鋼板加工
業においては、加工ラインの無人化、自動化が進められ
ており、加工中に生ずる鋼板の変形は、ライントラブル
の原因となるために、その変形量を極力低減することが
望まれている。
【0003】通常、熱延鋼板を切断した場合、切断され
た鋼板に、残留応力によって変形が発生する。図1は、
切断前の鋼板の平面図、図2は図1の鋼板1を、圧延方
向に、a−a線、b−b線およびc−c線で幅方向に4
枚に切断した場合の、短冊状鋼板1a、1b、1c、1
dの平面図である。図1および図2に示すように、切断
された鋼板1の幅方向両側の短冊状鋼板1aおよび1d
は、各々外方に向けて彎曲変形し、中間部の短冊状鋼板
1bおよび1cは、内側に張り出した状態に変形する。
このように切断後の鋼板に変形が生ずると、その後に行
われる鋼板の加工作業に重大な支障が生ずる。
【0004】そこで、従来から、切断後に生ずる鋼板の
変形を軽減する手段について種々研究がなされており、
例えば、特開平9−111409号公報には、仕上げ圧
延された熱延鋼板を調質圧延することによって、圧延方
向における残留応力の板幅方向分布のばらつきを、10
N/mm2以下に少なくする方法(以下、先行技術という)
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術によっては、鋼板板幅方向の残留応力の分布が極端に
大である場合に、調質圧延によって残留応力のばらつき
を10N/mm2 以下にすることは不可能である。また、調
質圧延によって残留応力のばらつきを、無理に10N/mm
2 以下とした場合には、鋼板の長手方向および幅方向に
うねりが生じ、平板のままでの使用が不可能になった
り、加工工程でのトラブルの原因になる問題が生ずる。
【0006】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、切断後における変形量を適確に軽減すること
ができる、切断後の変形の小さい熱延鋼板を製造するた
めの方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決し、切断後の変形の小さい熱延鋼板を製造す
る方法を開発すべく、先ず、切断後の鋼板に残留応力が
発生する原因について研究を行った。
【0008】鋼板に残留応力が発生する理由は、単なる
ランアウトテ−ブル上における鋼板の幅方向に生ずる冷
却むらによっては、説明することができない。即ち、鋼
板の幅方向の冷却むらによって、最も冷えにくい鋼板幅
方向の中央部においては、圧延方向に引張り応力が生
じ、両エッジ部においては圧縮応力が生ずる。従って、
鋼板を切断すると、幅方向両側の切断鋼板は、内側に曲
がることになり、実際とは逆の曲がりが生ずる。
【0009】そこで、この点について研究を進めた結
果、鋼板に生ずる残留応力は、ランアウトテ−ブル上で
の冷却時における鋼板の両エッジ部と中央部との変態の
タイミングの相違によって生ずることを突き止めた。
【0010】即ち、鋼板の冷却時に冷えやすい両エッジ
部から変態が始まり、オ−ステナイトがフェライトに変
態する。このように、オ−ステナイトがフェライトに変
態すると、体積が膨張する結果、エッジ部には圧延方向
に圧縮応力が生じ、中央部には引張り応力が生ずる。
【0011】このときの、エッジ部に生ずる圧縮応力
は、鋼板がまだ高温であるために、速やかに解消する。
一方、中央部の引張り応力は、変態で解消されるが、変
態に伴う体積の膨張によって、変態開始時とは逆に、エ
ッジ部には引張り応力が生じ、中央部には圧縮応力が生
ずる。このようなエッジ部に生じた引張り応力は、すで
に鋼板の温度が低下しているので、解消されることはな
い。
【0012】エッジ部に引張り応力が残存している鋼板
を、圧延方向に短冊状に複数枚に切断した場合には、エ
ッジ部は、引張り応力が解消するために縮み、逆に中央
部は圧縮応力が解消するために伸びる。その結果、鋼板
を圧延方向に切断した場合、その幅方向両側の切断鋼板
には、外方に向けた彎曲変形が生じ、中央部には内側に
張り出し変形が生ずる。
【0013】上述したメカニズムによって発生する残留
応力を低減するためには、ランアウトテ−ブル上におけ
る冷却時の鋼板幅方向の変態タイミングのずれを、最小
限に抑えればよく、従って、鋼板に対する変態点前後の
冷却が重要になる。
【0014】この点について、更に研究を進めた結果、
Ar3 +50℃未満までの冷却速度、および、Ar3
50℃超から巻き取りまでの冷却速度は、残留応力発生
への影響が少なく、Ar3 +50℃から、Ar3 ―50
℃までの冷却速度を20℃/s以下とすることが、残留
応力の低減に極めて効果的であり、更に、仕上げスタン
ド列の入側、または、仕上げスタンドF1〜F2間、ま
たは,F2〜F3間において、粗バ−または粗圧延材を
加熱または保温し、鋼板幅方向の温度を均一化すれば、
ランアウトテ−ブル上での変態タイミングの差を低減す
る上で有効であることを知見した。
【0015】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、請求項1に記載の発明は、C:0.15
wt.%以下、Si:2wt.%以下、Mn:5wt.%以下、P:
0.02wt.%以下、S:0.03wt.%以下、Al:0.
1wt.%以下およびN:0.01wt.%以下を含有する化学
成分組成を有する鋼片を調製し、前記鋼片を、仕上げ圧
延温度:Ar3 以上、Ar3 +50℃〜Ar3 ―50℃
の温度範囲における平均冷却速度:20℃/S以下、巻
取り温度:650℃以下の条件で熱間圧延することに特
徴を有するものである。
【0016】請求項2に記載の発明は、C:0.15w
t.%以下、Si:2wt.%以下、Mn:5wt.%以下、P:
0.02wt.%以下、S:0.03wt.%以下、Al:0.
1wt.%以下およびN:0.01wt.%以下を含有する鋼片
を調製し、前記鋼片を熱間圧延する際に、仕上げ圧延ス
タンド列の入側において加熱または保温して、その温度
を一定となし、次いで、仕上げ圧延温度:Ar3 以上、
Ar3 +50℃〜Ar3―50℃の温度範囲における平
均冷却速度:20℃/S以下、巻取り温度:650℃以
下の条件で熱間圧延することに特徴を有するものであ
る。
【0017】請求項3 に記載の発明は、前記鋼片が、化
学成分組成として、Ti:0.2wt.%以下、Nb:0.
05wt.%以下およびV:0.1wt.%以下の1種または2
種以上を付加的に含有していることに特徴を有するもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の方法において、鋼の化
学成分組成を、上述したように限定した理由について以
下に述べる。
【0019】C:Cは、鋼板の強度に最も影響を及ぼす
元素である。しかしながら、C含有量が0.15wt.%を
超えると伸び(EL)が低下する。本発明方法によって
製造される鋼板は、曲げ加工等を行う鋼板を対象として
いるので、曲げ加工の際におけるELを十分に確保する
必要があり、そのために、C含有量は0.15wt.%以下
に限定すべきである。
【0020】Si:Siは、固溶強化元素であり、鋼板
の強度を調整する作用を有している。しかしながら、S
i含有量が2wt.%を超えると、ELが極端に低下する。
従って、Si含有量は2wt.%以下に限定すべきである。
【0021】Mn:Mnは、Sを固定することによっ
て、鋼板の熱間圧延性および表面品質を向上させ、且
つ、鋼板の強度を調整する作用を有している。しかしな
がら、Mn含有量が5wt.%を超えるとELが極端に低下
する。従って、Mn含有量は5wt.%以下に限定すべきで
ある。
【0022】P:Pは、固溶強化元素であり、鋼板の強
度を確保する作用を有している。しかしながら、P含有
量が0.02wt.%を超えると粒界に偏析し、粒界脆化を
引き起こす。従って、P含有量は0.02wt.%以下に限
定すべきである。
【0023】S:Sは、熱間延性を低下させ、鋼板の表
面品質を劣化させることから、その含有量は低いほど望
ましい。通常、SはMnによりMnSとして固定される
が、MnSが多量になると、伸びおよびフランジ性が低
下する。この点からMn含有量は0.03wt.%以下に限
定すべきである。
【0024】Al:Alは、脱酸剤として添加される
が、その含有量が0.1wt.%を超えるとELが低下す
る。従って、Al含有量は0.1wt.%以下に限定すべき
である。 N:Nは、AlまたはTiによりAlNまたはTiNと
して固定され、鋼中に析出する。微細に析出したAlN
やTiNは、結晶粒の成長を抑制し、鋼板の強度を確保
する作用を有している。しかしながら、鋼中のN含有量
が0.01wt.%を超えると、上記窒化物が粗大に成長
し、結晶粒抑制効果が失われる。従って、N含有量は
0.01wt.%以下に限定すべきである。
【0025】本発明においては、上述した元素のほか
に、必要に応じて下記元素の1種または2種以上を含有
させてもよい。 Ti:Tiは、鋼中のCおよびNと析出物を作り、 粒成
長を抑制することによって、鋼板の強度を向上させる作
用を有している。従って、必要に応じ、Tiを0.2w
t.%以下の量で含有させる。Ti含有量が0.2wt.%を
超えると鋼板の強度低下を招く。
【0026】Nb:Nbも、Tiと同様に、鋼中のCお
よびNと析出物を作り、 粒成長を抑制することによっ
て、鋼板の強度を向上させる作用を有している。従っ
て、必要に応じ、Nbを0.05wt.%以下の量で含有さ
せる。Nb含有量が0.05wt.%を超えると鋼板の強度
低下を招く。
【0027】V:Vも、Tiと同様に、鋼中のCおよび
Nと析出物を作り、 粒成長を抑制することによって、鋼
板の強度を向上させる作用を有している。従って、必要
に応じ、Vを0.1wt.%以下の量で含有させる。V含有
量が0.1wt.%を超えると鋼板の強度低下を招く。
【0028】次に、この発明において、熱間圧延機にお
ける熱延条件即ち熱延鋼板の仕上げ圧延温度、平均冷却
速度および巻取り温度を、上述したように限定した理由
について以下に述べる。
【0029】仕上げ圧延温度(FT):熱間圧延機での
鋼板の仕上げ圧延温度は、Ar3 点以上に限定すべきで
ある。仕上げ圧延温度がAr3 点未満であると、表層に
粗大なフェライト粒が生成し、また、加工組織が残留す
ることによってELが低下する。
【0030】Ar3 +50℃〜Ar3 ―50℃の温度範
囲における平均冷却速度:仕上げ圧延された鋼板もしく
は圧延中における鋼板の、Ar3 +50℃からAr 3
50℃までの温度範囲における平均冷却速度は極めて重
要であり、これを20℃/s以下に限定すべきである。
即ち、鋼板幅方向における変態のタイミングの差により
残留応力が生ずることから、変態時即ちAr3 +50℃
からAr3 ―50℃までの温度範囲における平均冷却速
度が20℃/sを超えて大になると、鋼板のエッジ部と
中央部との変態のタイミングが大きくくずれ、残留応力
が大になる。
【0031】巻取り温度:仕上げ圧延機で仕上げ圧延さ
れた鋼帯の巻取り温度も本発明においては重要であり、
これを650℃以下に限定すべきである。熱間圧延にお
いて、変態直後におけるフェライト粒の成長性は極めて
よく、本発明のように、Ar3 近傍の冷却速度を遅くす
る場合には、結晶粒が成長して強度が低下する。このよ
うな強度の低下を補うのが巻取り温度であり、巻取り温
度を650℃以下とすることによって、析出物を微細に
分散させ、強度を確保することが可能になる。
【0032】仕上げスタンド列の入側温度:仕上げスタ
ンド列の入側温度を一定にすることは、本発明の効果を
促進させ、更に、鋼板幅方向における温度むらの解消に
効果的である。即ち、従来の圧延においては、圧延材後
端の仕上げ温度を確保するために、圧延材先端がコイラ
−に巻き付いた瞬間より圧延速度を加速しているが、こ
れは、ランアウトテーブル上での鋼板の冷却速度が増加
することを意味している。従って、仕上げスタンド列の
入側温度を一定に保つことによって、本発明の効果を最
大限に発揮させることができる。
【0033】仕上げスタンド列の入側温度のばらつき範
囲は、±20℃以内とすることが好ましい。そのための
温度補償手段としては、粗圧延材を、仕上げスタンド列
の入側において加熱するのがよい。粗圧延材を加熱する
タイミングについては、仕上げ圧延スタンド列入側が望
ましいが、圧延速度が遅く、スタンド間で再結晶が進行
するF1〜F2間またはF2からF3間で行っても問題
はない。
【0034】粗圧延材の加熱は、誘導加熱、通電加熱、
ガスバーナー加熱など、どのような手段で行ってもよい
が、表層が加熱されやすく且つ制御が容易な誘導加熱に
よって行えば、鋼板エッジ部の温度差低減効果も期待す
ることができる。また、粗圧延機によって圧延された粗
圧延材を、コイルボックスに巻き取ることによって保熱
または加熱し、粗圧延材の温度を均一化した後に仕上げ
圧延してもよく、あるいは、粗圧延機と仕上げ圧延機と
の間にトンネル炉を設け、粗圧延材をトンネル炉によっ
て加熱してもよい。
【0035】本発明において行う熱間圧延は、スラブを
粗圧延後、仕上げ圧延を行う通常の熱間圧延によって行
っても、連続鋳造されたスラブを室温まで冷却すること
なくそのまま熱間圧延を行う直送圧延によって行って
も、また、連続鋳造によって薄スラブに鋳造した後、直
ちに仕上げ圧延を行う方法で行ってもよい。このような
薄スラブを使用する場合には、粗圧延を省略することが
できる。更に、粗圧延された粗圧延材を接合し仕上げ圧
延を行う、いわゆる連続圧延を行っても、なんら問題は
ない。
【0036】圧延後におけるランアウトテーブル上での
冷却、場合によっては圧延中からランナウトテーブル上
での冷却に際しては、Ar3 +50℃〜Ar3 ―50℃
の温度範囲における冷却速度が、20℃/s以下であれ
ば、その前後における冷却速度は問題とするものではな
い。また、圧延後、Ar3 ―50℃までの間において、
幅方向の温度勾配が著しい場合(30℃以上)には、鋼
板の両エッジ部に対する注水を無注水または弱注水とな
して温度勾配を低減してもよい。
【0037】前記成分組成の鋼の溶製は、転炉で行って
もまたは電気炉で行ってもよく、その原料にスクラップ
を使用してもよい。また、熱延後に、鋼板表面にめっき
処理や化成処理等の表面処理を施しても本発明の効果が
失われることはない。
【0038】
【実施例】次に、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明する。 [実施例1] 表1に示す、本発明の範囲内の化学成分
組成を有する鋼を転炉にて溶製し、次いで、連続鋳造す
ることによってスラブを調製した。このスラブを、同じ
く表1に示す条件で熱間圧延して、板厚3.2mmの熱
延鋼板を調製し、得られた熱延鋼板を800mmの長さ
に切断して、表1に示す試験片No.1〜24を調製し
た。なお、上記試験片のうち、試験片No.16〜20
は、連続鋳造されたスラブを室温まで冷却することなく
そのまま熱間圧延する直送圧延によって調製した。
【0039】
【表1】 各試験片のエッジから60mmの位置に、ゲージレング
ス5mmの歪みゲージを圧延方向に貼り付けた後、前記
ゲージを中心として幅30mmに切断し、短冊状鋼板を
切り出し、その切断前後における歪みゲージの差を、残
留応力による歪みとして、表1に引張り強度(TS)と
共にを示した表1において、試験片No.5,10,1
5,20は、Ar3 +50℃〜Ar 3 ―50℃の温度範
囲における平均冷却速度が本発明の範囲を超えて高い比
較例であって、上記比較例の試験片においては、残留歪
みが大であった。これに対し、上記温度範囲における平
均冷却速度が本発明の範囲内である試験片の残留歪みは
小さく、切断による変形が抑えられていた。
【0040】[実施例2] 表2に示す、本発明の範囲
内の化学成分組成を有する鋼を転炉にて溶製し、次い
で、連続鋳造することによってスラブを調製した。この
スラブを粗圧延して粗圧延材を調製した。得られた粗圧
延材を、加熱または保温し、次いで、表2に示す条件で
熱間圧延して、板厚2.0mmの熱延鋼板を調製し、得
られた熱延鋼板を800mmの長さに切断して、表2に
示す試験片No.1〜25を調製した。
【0041】
【表2】 なお、上述試験片のうち、表2の試験片No.5,1
0,11,16,21は、粗圧延材に対する加熱、保温
を行わなかった。また、試験片No.12〜16は、連
続鋳造されたスラブを室温まで冷却することなくそのま
ま熱間圧延する直送圧延によって調製した。
【0042】上記試験片のエッジから60mmの位置
に、ゲージレングス5mmの歪みゲージを圧延方向に貼
り付けた後、前記ゲージを中心に30mm幅に切断して
短冊状鋼板を切り出し、切断前後の歪みゲージの差を残
留応力による歪みとして、表2に、引張り強度(TS)
と共に示した。表2から明らかなように、粗圧延材に対
し、加熱、保温を行った場合には、これを行わない場合
に比較し、残留歪みの発生が一段と少なかった。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鋼板を切断した際に生ずる変形量が軽減され、その後に
行われる加工作業に問題の生ずることがない、切断後の
変形の小さい熱延鋼板を製造することができる、工業上
有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】切断前の鋼板の平面図である。
【図2 】図1に示した鋼板を切断した短冊状鋼板に生ず
る変形状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 鋼板 1a、1b、1c、1d 切断された短冊状鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−238920(JP,A) 特開 平9−314216(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/00 - 8/04 B21B 37/10 B21B 45/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.15wt.%以下、Si:2wt.%以
    下、Mn:5wt.%以下、P:0.02wt.%以下、S:
    0.03wt.%以下、Al:0.1wt.%以下、および、
    N:0.01wt.%以下を含有する化学成分組成を有する
    鋼片を調製し、 前記鋼片を、仕上げ圧延温度:Ar3 以上、Ar3 +5
    0℃〜Ar3 ―50℃の温度範囲における平均冷却速
    度:20℃/S以下、巻取り温度:650℃以下の条件
    で熱間圧延することにより熱延鋼板を製造することを特
    徴とする切断後の変形の小さい熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 C:0.15wt.%以下、Si:2wt.%以
    下、Mn:5wt.%以下、P:0.02wt.%以下、S:
    0.03wt.%以下、Al:0.1wt.%以下、および、
    N:0.01wt.%以下を含有する化学成分組成を有する
    鋼片を調製し、 前記鋼片を熱間圧延する際に、仕上げ圧延スタンド列の
    入側において加熱または保温して、その温度を一定とな
    し、次いで、仕上げ圧延温度:Ar3 以上、Ar3 +5
    0℃〜Ar3 ―50℃の温度範囲における平均冷却速
    度:20℃/S以下、巻取り温度:650℃以下の条件
    で熱間圧延することにより熱延鋼板を製造することを特
    徴とする、切断後の変形の小さい熱延鋼板の製造方法。 【請求項3 】 前記鋼片は、化学成分組成として、T
    i:0.2wt.%以下、Nb:0.05wt.%以下および
    V:0.1wt.%以下の1種または2種以上を付加的に含
    有している請求項1または2記載の方法。
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