JP3445766B2 - トルク制動用回転ダンパー - Google Patents

トルク制動用回転ダンパー

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JP3445766B2 JP37500799A JP37500799A JP3445766B2 JP 3445766 B2 JP3445766 B2 JP 3445766B2 JP 37500799 A JP37500799 A JP 37500799A JP 37500799 A JP37500799 A JP 37500799A JP 3445766 B2 JP3445766 B2 JP 3445766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーディオ機器,ビ
ジュアル機器,パーソナルコンピュータ等におけるカセ
ットや光ディスクの収納部、自動車のダッシュボードや
灰皿、その他機器の開閉部の開閉に用いられ、その開閉
動作が回転運動へ変換されてトルクを制動し、開閉を緩
慢に行わしめる回転トルク制動用の回転ダンパーに関
し、特に、AV機器のコンパクト化に対応して合理的な
小型化且つ確実な制動を可能とするトルク制動用回転ダ
ンパーを提供することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のトルク制動用回転ダンパーとし
て、本願出願人は先に実開平7−35838号を提案し
ている。このトルク制動用回転ダンパーは、皿形ハウジ
ング内にシリコンゲルからなる粘性固体を封入すること
で、オイルやグリースを封入していた旧来の回転ダンパ
ーに比べ、トルク性能や組立ての簡便化の面で優れた特
性を有している。すなわち、旧来の回転ダンパーは皿形
ハウジングとキャップの継ぎ目からオイルやグリースが
漏洩する虞れがあるためその漏洩を防止する手立てのさ
れた構造にし、且つ前記継ぎ目を高周波溶接等で密封す
る必要があったのに対し、シリコンゲルからなる粘性固
体は漏洩する虞れがないので漏洩を防止する手立ての構
造及び継ぎ目を溶接等する必要がなく、組み立てが簡便
であった。そして、オイルやグリースを用いた回転ダン
パーに較べてシリコンゲルからなる粘性固体を用いたト
ルク制動用回転ダンパーは高性能で、且つ環境の変化に
対してもバラツキのない極めて安定したトルクの制動及
び特性が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、シリコン
ゲルからなる粘性固体を封入したトルク制動用回転ダン
パーはシリコンゲルからなる粘性固体が漏洩する虞れの
ないためそれを防止する手立ての構造を必要とせず、そ
して組立てが容易で、且つ安定したトルクの制動及び特
性が得られるという優れたものであるが、近年、AV機
器等のさらなるコンパクト化が進み、そこでトルク制動
用回転ダンパーをより小型化させ、しかもトルク制動性
能を一層高めると共に所定のトルクの制動及び特性を得
ることが要求されている。しかし乍ら、上記従来のトル
ク制動用回転ダンパーを小型化した場合、当然のことな
がら皿形ハウジング内に封入するシリコンゲルからなる
粘性固体の充填量が少なくなり、所定のトルクの制動性
能及び特性を得れない虞れがある。
【0004】そこで、実願平7−43882号に開示さ
れるように制動板に突条を形成したり、また制動板の外
周縁部分に溝を刻設するなどして、ロータの制動板の接
触面積を増大して混練抵抗を増すことも考えられるが、
コンパクト化で制動板が極小部品になった場合、突条や
溝も極小になるので所望のトルクの制動性能及び特性が
得られず、その上、前記突条や溝を高精度で形成するこ
とが困難で、よって製作コストが高くなるという問題を
生じる。
【0005】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とする処は、シリコンゲルからなる
粘性固体を制動部材としてロータの制動に使用する小型
化したトルク制動用回転ダンパーが極小型化されるに当
って優れた制動機能を発揮し、且つ構造を簡便にして組
立ての容易なトルク制動用回転ダンパーを、低コストで
実現することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は請求項1記載の発明のように、トルク制動用
回転ダンパーは、皿形ハウジングと、該皿形ハウジング
内で回転する制動板及び該制動板から起立するロータ軸
を有するロータと、前記皿形ハウジングの内部を塞ぐ嵌
め蓋と、同皿形ハウジングの内部に封入したJIS規格
K2220によるちょう度(針入度)40〜90程度の
粘性を有するシリコンゲルからなる餅状の粘性固体と
なり、前記制動板にはロータの回転トルクを上げるため
孔が穿設され、ロータの回転により上記シリコンゲル
からなる餅状の粘性固体が制動板で分断され且つその粘
着力で併合し合うことの繰り返しによってロータの回転
によるトルクを制動すると共に、上記粘性固体が、制動
板に穿設された孔を介して粘着し且つ制動板の回転によ
って引き千切り分断されることで生ずる抵抗によってロ
ータの回転トルクが上がるよう構成したことを要旨とす
る。
【0007】このような構成にした場合、ロータの回転
に伴いシリコンゲルからなる粘性固体が制動板で分断さ
れ、制動板の通過の後、粘性による粘着力で併合し合
い、この繰り返しで生ずる抵抗によってロータの回転が
トルクを制動すると共に、そのシリコンゲルからなる粘
性固体がこの粘性の粘着力によって制動板の孔を介して
粘着され、また、制動板の回転によって、前記孔を介し
て粘着されたシリコンゲルからなる粘性固体が引き千切
り分断されることで生ずることによる抵抗によって回転
トルクが制動され、所望の制動機能を発現することがで
きる。制動板における孔の形成箇所や大きさ、数等は、
得ようとする制動機能に応じて適宜に選択することがで
きる。ハンディタイプのAV機器等のコンパクト化に対
応すべく回転ダンパー自体を極小型にし、且つ優れた制
動機能を発揮すると共に構造を簡便にして組立ての容易
なトルク制動用回転ダンパーを低コストで得るという点
に鑑みると、制動板に穿設する孔は円形であって、制動
板の羽根部に対し一つの孔を穿設するようにすることが
好ましい。
【0008】上記した制動機能をより確実に得るため
、上記したように、ロータの回転により制動板で分断
され、その粘着力による併合し合うことの繰り返しで
抗を生じロータの回転によるトルクを制動するシリコン
ゲルからなる餅状の粘性固体として、JIS K 22
20によるちょう度(針入度)を40〜90程度とする
ものを用いる。
【0009】このようなシリコンゲルからなる餅状の粘
性固体を用いることで、−40℃程度の低温環境下から
90℃程度の高温環境下の温度領域のいかなる条件下で
あっても、10万回程度のロータの連続回転及びロータ
の正逆回転を夫々行えて、安定したトルクの制動及び特
性を発揮することができる。
【0010】上記シリコンゲルからなる餅状の粘性固体
は、主剤液と硬化剤液の二液を皿形ハウジング内に充填
攪拌した後に混合してゲル状にするものである。この場
合、主剤液と硬化剤液の混合比率が適宜に調整されるこ
とで、前述の回転トルクの制動機能、及び特性が発揮さ
れるシリコンゲルからなる餅状の粘性固体を容易に得る
ことができ、そのようなトルク制動用回転ダンパーの作
製も容易になる。また、前記主剤液と硬化剤液の混合比
の調整により、所望の回転トルクを得ることが出来る。
また、主剤液に対し硬化剤液の混合比を多くした場合は
大きいトルク値を得ることが出来る。
【0011】本発明のトルク制動用回転ダンパーは、皿
形ハウジングの内部に封入されるトルクの制動部材がシ
リコンゲルからなる餅状の粘性固体であるので、嵌め蓋
を皿形ハウジングに嵌着して固定するだけの構造でよ
く、ロータのロータ軸の外周と皿形ハウジングとの間に
は制動部材の漏洩防止のシール用材が不用であるが、塵
埃防止としてOリングを装着してもよいことになる。こ
の場合の構造では、皿形ハウジングにロータを組み込
み、その皿形ハウジング内にシリコンゲルからなる餅状
の粘性固体を装填するためにシリコンゲルの主剤液と硬
化剤液の二液を充填攪拌し、しかる後、嵌め蓋を皿形ハ
ウジングに嵌着して固定するだけの簡単な作業でトルク
制動用回転ダンパーを組立てることができる。シリコン
ゲルからなる粘性固体は餅状の固体であるため、皿形ハ
ウジングと嵌め蓋との嵌め込み継ぎ目部分からそれを漏
洩する虞れはなく、またロータ軸と、該ロータ軸を皿形
ハウジングの外部に突出させるための軸孔との間に形成
される狭小隙間にはOリングが施されるとしてもこの部
分からシリコンゲルからなる粘性固体が漏洩する虞れが
あるからでなく、塵埃が浸入して前述のトルクの制動機
能及び特性、そして、耐久性等を低減させる虞れのない
ようにするためのことである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。本発明のトルク制動用回転
ダンパーaは、皿形ハウジング1と、皿形ハウジング1
の内部で回転する孔12を穿設させた制動板2及び制動
板2の中心から起立するロータ軸3からなるロータ4
と、皿形ハウジング1の内部に主剤液と硬化剤液との二
液を充填攪拌して混合されたシリコンゲルからなる餅状
の粘性固体7と、皿形ハウジング1の内部を上から塞ぐ
嵌め蓋6とで構成され、ロータ4の回転に伴い制動板2
でシリコンゲルからなる餅状の粘性固体7が分断され、
その粘着力による併合し合うことの繰り返しで抵抗が生
、ロータ4の回転によるトルクを制動する様にしてな
る。なお、ロータ4のロータ軸3の基部外周には、皿形
ハウジング1の軸孔10との間に塵埃浸入防止のための
Oリング5が嵌装着されている。
【0013】皿形ハウジング1、ロータ4、嵌め蓋6の
各々は、周知のプラスチック等の材料からなる一体成形
品であり、皿形ハウジング1の周壁1aの内側周に形成
された係合溝1cに嵌め蓋6の外周縁に形成された係合
突条6aを嵌め込み密着固定し、この嵌合がねじ込み方
式によってもよいことは云うまでもない。皿形ハウジン
グ1の周壁1aの外側周には所望形状のブラケット9が
一体に連設され、上面壁1bにはロータ2のロータ軸3
を皿形ハウジング1の外部に突出させる軸孔10が形成
されている。そして、軸孔10から外部に突出するロー
タ軸3にはピニオン11が同軸状に嵌合されている。
【0014】制動板2は、図示する略小判形状のものに
限らず、円盤形や複数枚の羽根部を有する形状等、種々
の形状への変更が可能である。そして、制動板2には孔
12が穿設されており、孔12は、図示では制動板2の
左右面部の中央に夫々一箇所づつ、計二箇所に穿設され
ているが、孔12の形成箇所や大きさ、数等は、得よう
とする制動機能に応じて適宜に変更、選択することがで
きるものである。本例では、ハンディタイプのAV機器
のコンパクト化に対応すべく回転ダンパー自体を極小型
(例えば、ブラケットを含む長手方向の寸法15mm以
下、皿形ハウジングの直径10mm以下)にし、且つ優
れた制動機能を発揮すると共に構造を簡便にして組立て
の容易なトルク制動用回転ダンパーを低コストで得ると
いう点に鑑みて、略小判形状の制動板2の左右の羽根部
に夫々一箇所づつ、計二箇所に円形の孔12を穿設し
た。
【0015】シリコンゲルからなる餅状の粘性固体7
は、粘性が高く餅状の表面に粘着力を要しているのでロ
ータ4の回転時に制動板2で分断されると、制動板2の
通過の後、粘着力で併合し合い、その繰り返しで生ずる
抵抗によってロータ4の回転がトルクを制動することと
なると共に、制動板2の孔12を介して粘着されるシリ
コンゲルからなる粘性固体7が制動板2の回転で引き千
切り分断されることによって生ずる抵抗で所望の制動機
能を得ることが出来る。シリコンゲルからなる餅状の粘
性固体は、JIS K 2220によるちょう度(針入
度)が40〜90程度であるものを用い、このようなも
のを用いることで、−40℃程度の低温環境下から90
℃程度の高温環境下の温度領域のいかなる条件下であっ
ても、10万回程度のロータの連続回転及びロータの正
逆回転の夫々を完遂し得、安定したトルクの制動及び特
性を発揮することができる。
【0016】また、このようなシリコンゲルからなる粘
性固体7は、主剤液と硬化剤液との二液を皿形ハウジン
グ1内に充填攪拌した後、混合してゲル状にしたもので
あって、この場合、主剤液と硬化剤液の混合比率を適宜
に調整することで、前述のトルクの制動機能、及び特性
が発揮されるものを容易に得ることができ、トルク制動
用回転ダンパーaの作製も容易になる。このようなシリ
コンゲルからなる餅状の粘性固体の具体例としては、G
E東芝ケミカル社製のTSE3062を挙げることがで
きる。
【0017】以上の構成でなる本発明のトルク制動用回
転ダンパーaは、シリコンゲルからなる餅状の粘性固体
7の高い粘性による粘着力で、ロータ4の回転時におけ
る制動板2の所望の回転抵抗と、ロータ4の回転に伴う
制動板2に穿設された孔12による引き千切り分断での
抵抗とによってロータ4の回転のトルクに対する所望の
制動効果を発揮できる。よって、制動板2に孔12を穿
設することによって、トルクの制動を増し、トルク制動
用回転ダンパーaが極小型化されても所望のトルクの制
動効果を維持することができることになる。
【0018】また、シリコンゲルからなる餅状の粘性固
体7は、前述の特性に加え、嵌め蓋6を皿形ハウジング
1に嵌着して固定するだけの構造で、皿形ハウジング1
内に充填した制動部材が漏洩されないので、皿形ハウジ
ング1内にロータ4の制動板2を組み込み、シリコンゲ
ルからなる餅状の粘性固体7を前述のように主剤液と硬
化剤液との二液の充填攪拌による混合でゲル状し、しか
る後、嵌め蓋6を嵌着固定するだけの簡単な作業でトル
ク制動用回転ダンパーを組立てることができる。しかる
に、シリコンゲルからなる餅状の粘性固体7であるた
め、漏洩する虞れがなく、皿形ハウジング1と嵌め蓋6
との継ぎ目を漏洩防止のための高周波溶接等をする必要
がない。またロータ軸3と軸孔10との間に形成される
狭小隙間においても、この部分からシリコンゲルからな
る餅状の粘性固体7が漏洩する虞れがあるからでなく、
異物の浸入を防止し、前述のトルクの制動機能、及び特
性や耐久性等の低減をさせる虞れもないようにするため
のものである。
【0019】
【実施例1】上記構成からなる本発明のトルク制動用回
転ダンパーの実施品としてロータの制動板に孔を穿設し
たもの(実施例)と、ロータの制動板に孔を穿設しない
比較品(比較例)との回転トルクの制動及び特性を測定
した結果が、図6に示される。
【0020】この測定結果によれば、ロータの制動板に
孔を穿設した本発明実施品は、ロータの制動板に孔を穿
設しない比較品に比べ、トルクの制動効果が5〜10%
程度向上すると共に戻りトルクが15%程度減少するこ
とが確認できた。よって、トルク制動用回転ダンパーを
極小型化した場合においても所望のトルクの制動効果を
維持し得ることが確認できた。
【0021】
【実施例2】シリコンゲルを封入したトルク制動用回転
ダンパーとして、主剤液(A液)と硬化剤液(B液)の
混合比の調整によるロータの回転トルク値の違いが図7
に示される。
【0022】この測定結果によれば、主剤液(A液)と
硬化剤液(B液)の混合比の調整により所望の回転トル
ク値が得られると共に、主剤液(A液)に対し硬化剤液
(B液)の混合比が少ない場合はトルク値が小さく、主
剤液(A液)に対し硬化剤液(B液)の混合比が多い場
合はトルク値が大きいことが確認できた。
【0023】
【実施例3】本発明で用いるシリコンゲルからなる餅状
の粘性固体を封入したトルク制動用回転ダンパーと、シ
リコンオイルを封入した旧来の回転ダンパーとについ
て、−40℃の低温環境下から90℃の高温環境下の温
度領域においてのトルクの制動効果が測定された結果
を、図8に示す。
【0024】この測定結果によれば、シリコンオイルを
封入した旧来の回転ダンパーはトルクの制動が2.45
〜0.51N・cm(240〜50gf・cm)の範囲
とバラツキが大きく、これに対しシリコンゲルからなる
餅状の粘性固体を封入したトルク制動用回転ダンパー
は、トルクの制動が1.63〜0.61N・cm(16
0〜60gf・cm)の範囲でバラツキが小さく安定し
たトルクの制動効果を発揮し、特に低温時においてはシ
リコンオイルの硬化が激しいのに対し、シリコンゲルか
らなる餅状の粘性固体が安定したトルクの制動効果を発
揮し、この点が確認できる。
【0025】
【発明の効果】本発明のトルク制動用回転ダンパーは叙
上の如くの構成をしているから、下記の作用効果を秦す
る。
【0026】請求項1に係る発明では、皿形ハウジング
内に、ちょう度(針入度)40〜90程度の粘性の高い
シリコンゲルからなる餅状の粘性固体が制動部材として
封入されているのでロータの回転がトルクを制動するこ
とになると共に、ロータの制動板に孔を介して粘着され
るシリコンゲルからなる粘性固体が制動板の回転で引き
千切り分断されることによりロータの回転が制動板のト
ルクの制動として抵抗を増すように構成され、穿設され
た孔を具備しない従来技術の回転ダンパーに比べ、トル
クの制動機能を向上させることができる。よって、優れ
たトルクの制動機能を発揮し、且つロータ回転時のトル
クの制動部材であるシリコンゲルからなる餅状の粘性固
体を外部に漏洩する虞れがなく、組立ても簡単且つ容易
であって、さらに近年におけるAV機器等のコンパクト
化に伴う極小型化の要求に対応し得、しかも制動板に孔
を設けるだけのことで、トルクの制動機能を向上させ、
且つ低コストで作製し得る。
【0027】さらに、前記したシリコンゲルからなる餅
状の粘性固体を用いることで、−40℃程度の低温環境
下から90℃程度の高温環境下の温度領域のいかなる条
件下であっても、10万回程度のロータの連続回転及び
ロータの正逆回転を夫々行えて、安定したトルクの制動
及び特性を発揮することができる。
【0028】請求項3に係る発明では、主剤液と硬化剤
液の混合比率を適宜に調整することで前述のシリコンゲ
ルからなる餅状の粘性固体を容易に得ることができ、ト
ルク制動用回転ダンパーの作製が容易になる等の効果を
有する。
【0029】請求項4に係る発明では、嵌め蓋がその皿
形ハウジングへの嵌着を簡単な作業で組立てることので
きるトルク制動用回転ダンパーであって、且つシリコン
ゲルの漏洩の虞れがないと共に、異物浸入によるトルク
の制動機能、特性、耐久性等の劣化を防止できる等の効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク制動用回転ダンパーの一実
施形態の分解斜視図。
【図2】図1のものを組立て状態にしたトルク制動用回
転ダンパーの斜視図。
【図3】図1のものを組立てた状態を示し、図2のトル
ク制動用回転ダンパーの底面側からの斜視図。
【図4】図2の(X)−(X)線に沿う断面図。
【図5】図4の(Y)−(Y)線に沿う断面図。
【図6】ロータの制動板に孔を穿設した本発明の実施例
と、ロータの制動板に孔を穿設しない比較例との回転ト
ルク値を比較したグラフ。
【図7】シリコンゲルを封入した回転ダンパーにおける
主剤液(A液)と硬化剤液(B液)の混合比の調整によ
るロータの回転トルク値を示すグラフ。
【図8】シリコンゲルからなる餅状の粘性固体を封入し
たトルク制動用回転ダンパーと、シリコンオイルを封入
した回転ダンパーの温度特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1:皿形ハウジング 2:制動板 3:ロータ軸 4:ロータ 5:Oリング 6:嵌め蓋 7:シリコンゲルからなる餅状の粘性固体 12:孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/00 - 9/58 A47K 13/00 - 17/02 G11B 33/02 G10C 3/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皿形ハウジングと、該皿形ハウジング内
    で回転する制動板及び該制動板から起立するロータ軸を
    有するロータと、前記皿形ハウジングの内部を塞ぐ嵌め
    蓋と、同皿形ハウジングの内部に封入したJIS規格K
    2220によるちょう度40〜90程度の粘性を有する
    シリコンゲルからなる餅状の粘性固体とでなり、前記制
    動板にはロータの回転トルクを上げるための孔が穿設さ
    れ、ロータの回転により上記シリコンゲルからなる餅状の粘
    性固体が制動板で分断され、且つその粘着力で併合し合
    うことの繰り返しによってロータの回転によるトルクを
    制動すると共に、 上記粘性固体が、制動板に穿設された孔を介して粘着
    し、且つ制動板の回転によって引き千切り分断されるこ
    とで生ずる抵抗によってロータの回転トルクが上がるよ
    う構成したことを特徴とする トルク制動用回転ダンパ
    ー。
  2. 【請求項2】 低温環境下乃至高温環境下の温度領域に
    おいて、10万回程度のロータの連続回転及びロータの
    正逆回転の夫々が実施されても安定したトルクの制動及
    び特性を発揮することのできる請求項1記載のトルク制
    動用回転ダンパー。
  3. 【請求項3】 上記シリコンゲルからなる餅状の粘性固
    体は、主剤液と硬化剤液の二液を皿形ハウジング内に充
    填攪拌したのち混合して形成されるものであって、前記
    主剤液と硬化剤液の混合比の調整により所望の回転トル
    クを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のトルク
    制動用回転ダンパー。
  4. 【請求項4】 上記嵌め蓋が、皿形ハウジングに嵌着し
    て固定される、それだけであってもシリコンゲルからな
    る餅状の粘性固体を漏洩させることがない請求項1〜3
    の何れか1項記載のトルク制動用回転ダンパー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10267375B2 (en) 2014-11-27 2019-04-23 Nifco Inc. Damper and method for manufacturing damper

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US10267375B2 (en) 2014-11-27 2019-04-23 Nifco Inc. Damper and method for manufacturing damper

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