JP3445107B2 - 薄膜エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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JP3445107B2
JP3445107B2 JP24435997A JP24435997A JP3445107B2 JP 3445107 B2 JP3445107 B2 JP 3445107B2 JP 24435997 A JP24435997 A JP 24435997A JP 24435997 A JP24435997 A JP 24435997A JP 3445107 B2 JP3445107 B2 JP 3445107B2
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light emitting
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幹弘 野間
康一 田中
仁 梶野
勇 八島
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面薄型ディスプ
レイとして応用される薄膜エレクトロルミネッセンス素
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化産業時代の到来とともに、平面薄
型ディスプレイ(フラットパネルディスプレイ)の需要
が高まっており、その中でも、薄膜エレクトロルミネッ
センス(以下、ELと記す)パネルは、長寿命であるこ
とから、特にFA(Factory Automation) 用ディスプレ
イとして注目されている。
【0003】最近では、例えば、実開平1−13548
3号公報や特開平5−94879号公報に示されている
ように、ZnSにMnを添加してなる混合物(以下、Z
nS:Mnと記す)からなる発光層から発光した単色の
黄橙色光をカラーフィルターを透過させて分光し、赤・
緑の発光色を得る構造のフィルター分光型カラー薄膜E
Lパネルの開発が盛んに行われている。
【0004】しかしながら、この構造の薄膜ELパネル
は、薄膜ELパネルのZnS:Mn層からの黄橙色発光
をカラーフィルターで分光する構成であるため、赤色光
成分に比べて緑色光成分が少ない。その結果、上記薄膜
ELパネルでは、その赤色光と緑色光とのカラーバラン
スが悪く、良い表示品質が得られないという問題があ
る。
【0005】この問題を解決するために、ZnS:Mn
発光層よりも短波長の発光スペクトルを有する、つま
り、黄橙色光よりも緑色発光成分が多く黄緑色光を発光
する発光層として、Zn1-X MgX SにMnを添加して
なる混合物(以下、Zn1-X MgX S:Mnと記す)か
らなる発光層が開発されている。また、該発光層を用い
たフィルター分光型カラー薄膜ELパネルも開発されて
おり、上記構成の薄膜ELパネルでは、赤色光と緑色光
とのカラーバランスが良く、良い表示品質が得られる。
【0006】例えば、特開平8−31571号公報に
は、ZnS:Mn粉末とMgSとをmol比1:1で混
合したペレットを作製し、これを用いて基板温度200
℃で電子ビーム蒸着法による蒸着を行うZnMgS:M
n発光層の成膜方法が開示されている。
【0007】また、特開平9−134783号公報に
は、ZnS75mol%とMgS25mol%とを混合
し、これにMnを0.35atm%添加して加圧形成し
た後、焼結させてZn0.75Mg0.25S:Mnペレットを
作製し、これを用いて電子ビーム蒸着法による成膜を行
うZn0.75Mg0.25S:Mn発光層の成膜方法が開示さ
れている。
【0008】さらに、SID Int. Symp., Digest of Tech
nical Papers, 1997, pp.883〜886には、Zn1-X MgX
S:MnにおけるMgの組成比Xが、0、0.1、
0.2、0.25、0.32、0.4と変化したときの
薄膜(EL)およびソース(PL)のピーク波長が記載
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このZ
1-x Mgx S:Mn発光層材料は、まだ未知の部分が
多く、最適な組成および成膜条件が公知でない。このた
め、この発光層材料の持つ特徴を十分引き出すことがで
きていなかった。
【0010】このZn1-x Mgx S:Mn発光層材料
は、特に4元系材料であるため、発光層材料の組成によ
っては、母材であるZn1-x Mgx Sが、部分的に分離
を起こし、発光層中にMgSとして晶出することがあ
る。このMgSは、水に対して非常に弱く、薄膜ELパ
ネルの電極パターンを形成するためのウェットエッチン
グの際に、用いた酸によって容易に溶解する。従って、
MgSの晶出は、発光層に穴を開けてしまったり、薄膜
ELパネルの駆動時に印加する電圧によって容易に画素
破壊を起こす要因となる。このため、MgSの晶出量を
低減することが求められている。
【0011】さらに、Zn1-x Mgx S:Mn発光層に
は、高輝度であることが求められている。その上、Zn
1-x Mgx S:Mn発光層には、Zn1-xMgx S:M
n発光層材料を用いる本来の目的である、ZnS:Mn
発光層に対する発光波長の短波長化を実現することが求
められている。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、その第1の目的は、Zn1-xMgx S:Mn発光
層を有する薄膜EL素子の製造方法において、発光輝度
を向上させることができる薄膜EL素子の製造方法を提
供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、上記各製造
方法において、MgSの晶出により生じる異常成長点の
数が低減された薄膜EL素子の製造方法を提供すること
にある。さらに、本発明の第3の目的は、発光開始電圧
の低い薄膜EL素子を提供することにある。
【0014】また、本発明の第4の目的は、Zn1-x
x S:Mn発光層を有する薄膜EL素子の製造方法に
おいて、発光輝度の向上と、MgSの晶出量の低減と、
発光層の発光波長の短波長化との3者を同時に実現でき
る薄膜EL素子およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
課題を解決すべく、Zn1-x Mgx S:Mn(またはM
n化合物)発光層の成膜条件および該発光層の成膜に用
いるZn1-x Mgx S:Mn(またはMn化合物)ペレ
ットの組成について鋭意検討した結果、本願発明者等
は、上記ペレット中のMn濃度を0.1〜0.2at%
の範囲内とすることにより、高輝度の薄膜EL素子が得
られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】また、本願発明者等は、上記ペレットにお
けるMgの組成比Xを0.1〜0.32の範囲内とする
ことにより、発光層の発光波長を十分に短波長化しなが
ら、MgSの晶出を防止でき、かつ、高輝度の薄膜EL
素子が得られることを見出した。
【0017】求項1記載の発明の薄膜EL素子の製造
方法は、前記第1、第2、第4の目的を達成するため
に、Zn1-X MgX S(0<X<1)からなる母材に対
し発光中心としてMnまたはMn化合物を添加してなる
ペレットを基板上に蒸着させることにより発光層を形成
する薄膜EL素子の製造方法において、上記基板を15
0〜175℃の範囲内の温度に加熱しながら、上記Xが
0.1≦X≦0.32であり、かつ、Mn濃度が0.1
〜0.2at%の範囲内である上記ペレットを蒸着させ
ことを特徴としている。
【0018】上記方法によれば、Zn1-X MgX
0.1≦X≦0.32)にMnまたはMn化合物を添
加してなり、Mn濃度が0.1〜0.2at%の範囲内
であるペレットを蒸着させることによって発光層を形成
するので、高輝度のZn1-X MgX S:Mn(またはM
n化合物)発光層を備える薄膜EL素子を得ることがで
きる。
【0019】また、上記方法によれば、MgSの配向強
度が強くなる200℃を越え250℃未満の範囲および
275℃を越える範囲外の基板温度でZn1-X MgX
S:Mn(またはMn化合物)ペレットの蒸着を行うの
で、MgSの晶出により生じる異常成長点の個数を低減
でき、発光層に欠落を生じたり画素破壊を招来すること
を防止できる。
【0020】また、上記方法によれば、蒸着基板温度が
150℃以上であることにより、基板に対するZn1-X
MgX S:Mn薄膜の付着力が強く、発光層成膜後にお
けるZn1-X MgX S:Mn薄膜の部分的な剥離を防止
できる。
【0021】また、上記方法によれば、ZnS:Mn
(またはMn化合物)発光層に対し、上記のXの値が
0.1以上という十分な量のMgが導入されているの
で、ZnS:Mn(またはMn化合物)より十分に短い
発光波長を有するZn 1-X Mg X S:Mn(またはMn
化合物)発光層を備える薄膜EL素子を得ることができ
る。
【0022】さらに、上記方法によれば、上記のXの値
がMgSの固溶限界である0.32以下であることによ
り、発光層に欠落を生じたり画素破壊を招来する要因と
なるMgSの晶出が抑制されたZn 1-X Mg X S:Mn
(またはMn化合物)発光層 を備える薄膜EL素子を得
ることができる。
【0023】請求項記載の発明の薄膜EL素子は、前
記第3および第4の目的を達成するために、基板上に、
背面電極層、第1絶縁層、下地層、発光層、第2絶縁
層、および透明電極層をこの順で形成してなる薄膜EL
素子において、上記発光層が、Zn 1-X Mg X S(0.
1≦X≦0.32)からなり、上記下地層が、ZnSあ
るいはZnS:MnSからなり、上記下地層の厚みが、
100〜200nmの範囲内であることを特徴としてい
る。
【0024】上記構成によれば、下地層は、Mgを含ま
ず、MgSの晶出による結晶性の劣化がないので、良好
な結晶性を有する。そして、良好な結晶性を有するZn
SあるいはZnS:MnSからなる下地層上に、Zn
1-X MgX S:MnSからなる発光層形成され、下地
層表面の配向性の規則性が良いことから、良好なZn
1-X MgX S結晶を形成できる。この結果、薄膜EL素
子の発光開始電圧を低減できる。従って、薄膜EL素子
の駆動に必要な電圧を低減できる。
【0025】また、上記構成によれば、上記下地層の厚
みが100nm以上であることにより薄膜EL素子の発
光開始電圧を十分に低減させることができる。また、上
記下地層の厚みが200nm以下であることにより、下
地層の影響によって薄膜EL素子の発光波長が長波長化
されることを防止できる。
【0026】た、上記構成によれば、ZnS:Mn
からなる発光層に対し、上記のXの値が0.1以上とい
う十分な量のMgが導入されているので、ZnS:Mn
より十分に短い発光波長を有するZn1-X MgX S:
Mn発光層を備える薄膜EL素子を得ることができ
る。
【0027】さらに、上記構成によれば、上記のXの値
がMgSの固溶限界である0.32以下であることによ
り、発光層に欠落を生じたり画素破壊を招来する要因と
なるMgSの晶出が抑制されたZn1-X MgX S:Mn
発光層を備える薄膜EL素子を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0029】本実施の形態に係る薄膜EL素子では、図
1に示すように、ガラス基板1上に、Moからなる厚さ
200nmの背面電極層2が形成されている。また、背
面電極層2上には、SiO2 膜とSi34 膜とが積
層されてなるSiO2 /Si34 膜からなる厚さ20
0nmの第1絶縁層3、Zn1-X MgX S:MnSから
なる厚さ700nmの発光層4、SiO2 /Si34
膜からなる厚さ200nmの第2絶縁層5、およびIT
O(Indium Tin Oxide)からなる厚さ200nmの透明電
極層6の4層がこの順で積層されている。
【0030】背面電極層2および透明電極層6には、複
数の帯状(ストライプ状)電極からなる帯状電極パター
ンが形成されており、背面電極層2の各帯状電極と、透
明電極層6の各帯状電極とは、互いに直交する方向に延
びている。
【0031】なお、ここでは、発光層4の発光中心とし
てMnSを用いたが、MnSに代えて、Mn単体、ある
いはMnF2 等のMn化合物を用いてもよい。また、絶
縁層3・5には、SiO2 /Si34 膜に代えて、T
25 膜やA123 膜等の絶縁膜を用いてもよい。
また、背面電極層2には、Moに代えて、TaやW等の
金属を用いてもよい。さらに、透明電極層6には、IT
Oに代えて、Alを添加したZnOや、Gaを添加した
ZnO等の透明電極を用いてもよい。
【0032】本実施の形態に係る薄膜EL素子10は、
背面電極層2と透明電極層6との間に所定周波数、例え
ば200V程度の両極性パルス電圧(交流電圧)を印加
することにより駆動され、これにより発光層4から黄色
光が生じ、ガラス基板1と反対側へ黄色光を放射するい
わゆる反転構造型の薄膜EL素子となっている。
【0033】薄膜EL素子10では、背面電極層2と透
明電極層6との間に電圧が印加されることにより両電極
2・6間に電界が形成され、この電界によって発光層4
中の電子が伝導帯に励起されて伝導電子(自由電子)と
なり、さらにこの電子が電界によって加速されて充分な
エネルギーを持つ。そして、この電子が発光層4中に添
加された発光中心としてのMnに衝突してMnを励起
し、励起されたMnが基底状態に戻る際に黄色光を放射
する。
【0034】次に、薄膜EL素子10の製造方法につい
て説明する。まず、スパッタ法や電子ビーム蒸着法(以
下、EB蒸着法と称する)などの薄膜形成法により、ガ
ラス基板1上に膜厚200nmのMo薄膜層を形成し、
ウェットエッチングにより電極パターンを形成し、背面
電極層2を形成する。次に、スパッタ法やEB蒸着法な
どの薄膜形成法により、膜厚200nmのSi34
SiO2 膜を形成し、第1絶縁層3を形成する。
【0035】次に、EB蒸着法を用いて、基板(ガラス
基板1、背面電極層2、および第1絶縁層3)を所定の
温度(例えば、150℃)に加熱しながら、Zn1-X
XS:MnSペレットを基板上、即ち、第1絶縁層3
上に蒸着させ、発光層4を膜厚700nmの厚さに成膜
する。
【0036】発光層4の成膜に用いられるEB蒸着用Z
1-X MgX S:MnSペレット(以下、適宜、ソース
ペレットと記す)は、以下のようにして調製される。
【0037】まず、ZnSとMgSとを、ソースペレッ
トに求める組成比X(例えばX=0.2)を実現する割
合1−X:Xでよく混合し、さらにMnSをソースペレ
ット中のMn濃度が所定値(例えば、0.15at%)
となるように添加し、硫化水素中、1000℃で仮焼成
を行う。その後、仮焼成した混合物をペレット形状に加
圧成形した後、硫化水素中、1050℃で1時間かけて
本焼結させる。これにより、Zn1-X MgX S:MnS
ペレットが得られる。
【0038】さらに、スパッタ法やEB蒸着法などの薄
膜形成法により、膜厚200nmのSiO2 /Si3
4 膜を形成し、第2絶縁層5を形成する。その後、発
光層4を真空中630℃で1時間アニールする。最後
に、スパッタ法やEB蒸着法などの薄膜形成法により、
膜厚200nmのITO膜を形成し、ドライエッチング
により電極パターンを形成し、透明電極層6を形成す
る。これにより、薄膜EL素子10が得られる。
【0039】上記製造方法において、ソースペレット中
のMg組成比Xのみを変えたときのZn1-X MgX
S:MnSペレットのフォトルミネッセンス(以下、P
Lと記す)スペクトルおよび薄膜EL素子のELスペク
トルのピーク波長の変化を、図2に示す。なお、ここで
は、ソースペレット中のMn濃度を0.15at%、電
子ビーム蒸着時の基板の温度(以下、蒸着基板温度と称
する)を150℃とした。
【0040】図2より、Zn1-X MgX S:MnSペレ
ットのPLスペクトルは、X≦0.32ではXの増加と
ともに短波長化する傾向が見られるが、X>0.32で
は不変であることが分かる。
【0041】これは、Zn1-X MgX S:MnSペレッ
トにおけるMgS固溶限界、即ち、MgSがZnSに固
溶して均一な結晶(混晶)を形成できる限界がX=0.
32であることを示している。従って、Zn1-X MgX
S:MnSペレットは、X≦0.32では100%純粋
なZn1-X MgX S:MnSで構成されるが、X>0.
32ではZn0.68Mg0.32S:MnSからMgS:Mn
Sが分離してしまう。
【0042】なお、Zn1-X MgX S:MnSペレット
におけるMgS固溶限界がX=0.32であることは、
X線回折測定からも確認されている。即ち、Zn1-X
XS:MnSペレットのX線回折測定により、X≦
0.32では、Zn1-X MgXS:MnSの回折ピーク
のみが検出される一方、X>0.32では、Zn0.68
0.32S:MnSの回折ピークおよびMgS:MnSの
回折ピークの両者が確認された。
【0043】よって、X>0.32のZn1-X MgX
S:MnSペレットは、分離したMgS結晶を含有して
おり、発光層4を形成するための該ペレットの蒸着時
に、蒸着された薄膜中にMgSの晶出を招く。このた
め、純粋なZn1-X MgX S:MnSからなる発光層4
を得ることができない。従って、純粋なZn1-X MgX
S:MnSからなる黄色発光層4を得ることができるX
の上限は、0.32である。
【0044】また、薄膜EL素子のELスペクトルは、
図2に示すように、0.1≦X≦0.32のZn1-X
X S:MnSペレットを用いたときに、ピーク波長が
575nm〜552nmとなり、この発光層材料を用い
る最大の目的である発光波長の短波長化を十分に図るこ
とができる。このため、Xは0.1〜0.32の範囲内
である。
【0045】さらに、前記製造方法において、ソースペ
レット中のMn濃度を0.15at%、蒸着基板温度を
150℃とし、ソースペレット中のMg組成比Xを変え
たときの薄膜EL素子10の発光輝度特性は、図3に示
すようになる。
【0046】図3の結果から分かるように、X=0.2
において、従来のZnS:MnS薄膜EL素子(X=
0)の発光輝度と同等でかつ最も高い発光輝度333c
d/m2 が得られている。また、X=0.2において
は、先述の図2から分かるように、薄膜EL素子10の
ELピーク波長が571nmとなり、従来のZnS:M
nS薄膜EL素子の585nmに比べ、約15nmとい
う十分な短波長化を達成できる。
【0047】このため、薄膜EL素子の発光波長および
発光輝度の双方を考慮すると、Xは、0.15〜0.2
5の範囲内であることがより好ましく、0.2であるこ
とが最も好ましい。
【0048】次に、前記製造方法において、ソースペレ
ット中のMg組成比Xを0.1、蒸着基板温度を150
℃に固定し、ソースペレット中のMn濃度(以下、単に
Mn濃度と記す)のみを変えたときの薄膜EL素子10
の発光輝度特性を、図4に示す。
【0049】この結果より明らかなように、Mn濃度が
0.1〜0.2at%の範囲内であるときに高い発光輝
度が得られ、その中でも特にMn濃度が0.15at%
であるときに最高の発光輝度が得られる。よって、Mn
濃度は、0.1〜0.2at%の範囲内であることが好
ましく、0.12〜0.18at%の範囲内であること
がより好ましく、0.15at%であることが最も好ま
しい。
【0050】発光層4では、Zn1-X MgX S:MnS
ペレットの蒸着条件によっては、Zn1-X MgX SとM
gSとに分離して、MgSが晶出し、晶出したMgSが
高さ10〜500nmの突起状の異常成長点を形成する
ことがある。この異常成長点は、薄膜EL素子10にお
いて画素破壊の原因となり、薄膜EL素子10を非常に
不安定化させるため、できるだけその発生を押さえる必
要がある。
【0051】前記製造方法において、Mn濃度が0.1
5at%、Mg組成比Xが0.25であるZn1-X Mg
X S:MnSペレットを用い、蒸着基板温度を変えて該
ペレットの蒸着を行うことにより成膜された発光層4に
ついて、発光層4表面の凹凸の個数を表面粗さ計により
測定した値を、図5(a)に示す。この凹凸の個数は、
突起状のMgSの異常成長点の個数を示している。
【0052】図5(a)の結果から、蒸着基板温度が2
00℃以下の範囲内あるいは250〜275℃の範囲内
でZn1-X MgX S:MnSペレットの蒸着を行うこと
によって、MgSの異常成長点個数を低減できることが
わかる。
【0053】また、図5(b)には、前記製造方法にお
いて、Mg組成比Xが0.25、Mn濃度が0.15a
t%であるZn1-X MgX S:MnSペレットを用い、
蒸着基板温度を変えて成膜された発光層4中に含まれる
MgSの総X線回折強度、すなわちMgS(200)面
のX線回折強度とMgS(220)面のX線回折強度と
の合計値(a.u.)を示している。
【0054】この結果から、蒸着基板温度が200℃以
下の範囲内および250〜275℃の範囲内を外れる
と、MgSの配向強度が強くなることが分かる。このX
線回折強度が強いということは、MgSの結晶化傾向が
強いことを示しており、このことからも、蒸着基板温度
が200℃以下の範囲内および250〜275℃の範囲
内を外れると、MgSの分離・晶出が進んでいることが
分かる。よって、蒸着基板温度は、200℃以下の範囲
内あるいは250〜275℃の範囲内であることが好ま
しい。
【0055】また、蒸着基板温度が150℃未満では、
基板に対するZn1-X MgX S:MnS薄膜の付着力が
弱く、発光層4成膜後にZn1-X MgX S:MnS薄膜
が部分的に剥離することがあるため、150℃以上の蒸
着基板温度が望ましい。
【0056】Mg組成比Xが0.1、Mn濃度が0.1
5at%であるZn1-X MgX S:MnSペレットを用
い、蒸着基板温度を変えて成膜した発光層4の蛍光X線
分析による組成分析結果を、図6に示す。なお、図6に
は、比較のために用いたZn1-X MgX S:MnSペレ
ットの組成分析結果を併せて示した。
【0057】図6の結果より、発光層4の組成は、蒸着
基板温度が低温であるときにはソースペレットの組成に
近いが、高温になるほどZnおよびSが減少し、Mgお
よびMnの割合が増加し、ソースペレットの組成から大
きくずれることが分かる。従って、蒸着基板温度が、2
25℃以上のような高温領域であると、薄膜EL素子1
0の長期安定性(耐劣化性)を低下させるS抜けが顕著
に起こってしまうという問題や、ソースペレットの組成
と発光層4の組成とが大きくずれ、ソースペレットの組
成比の調節によって発光層4の組成比を制御することが
困難となるという問題等が発生する。
【0058】Mg組成比Xが0.2、Mn濃度が0.1
5at%であるZn1-X MgX S:MnSペレットを用
い、蒸着基板温度を変えて成膜したときの薄膜EL素子
10の画素破壊個数を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果より、Zn1-X MgX S:Mn
Sペレットの成膜条件を全て最適化して、即ち、Mg組
成比Xを0.2、Mn濃度を0.15at%、蒸着基板
温度150℃として、発光層4を成膜することにより、
表1に示すように画素破壊しにくく安定な薄膜EL素子
10を得ることができることが分かる。これに対し、蒸
着基板温度が150℃から上昇するにつれて、画素破壊
個数は顕著に増大する。
【0061】従って、蒸着基板温度は、ソースペレット
の組成と発光層4の組成とのずれ、および薄膜EL素子
10の画素破壊個数の点から、できるだけ低温であるこ
とが好ましい。従って、蒸着基板温度は、前記の好まし
い温度範囲(150〜200℃あるいは250〜275
℃)内でも、150〜200℃の範囲内であることがよ
り好ましく、150〜175℃の範囲内であることがさ
らに好ましく、150℃であることが最も好ましい。
【0062】なお、上記では、Zn1-X MgX S:Mn
SペレットのMg組成比X、Mn濃度、および蒸着基板
温度の各数値のうち、2つの数値を固定したときの他の
1つの数値の最適化について説明したが、複数の数値を
最適化することにより、1つの数値を最適化するよりも
さらに優れた効果が得られる。
【0063】即ち、例えば、Mg組成比Xを0.1〜
0.32の範囲内とし、かつ、Mn濃度を0.1〜0.
2at%の範囲内とすることにより、MgSの晶出量の
低減と、発光層の発光波長の短波長化との両者を実現で
きるとともに、発光輝度をより一層向上させることがで
きる。
【0064】また、Mg組成比Xを0.1〜0.32の
範囲内とし、かつ、蒸着基板温度を150〜200℃の
範囲内あるいは250〜275℃の範囲内とすることに
より、発光輝度の向上と、MgSの晶出量の低減と、発
光層の発光波長の短波長化との3者を実現できるととも
に、MgSの異常成長点個数を低減できる。
【0065】さらに、Mn濃度を0.1〜0.2at%
の範囲内とし、かつ、蒸着基板温度を150〜200℃
の範囲内あるいは250〜275℃の範囲内とすること
により、発光輝度を向上でき、かつ、MgSの異常成長
点個数を低減できる。
【0066】その上、Mg組成比Xを0.1〜0.32
の範囲内とし、Mn濃度を0.1〜0.2at%の範囲
内とし、かつ、蒸着基板温度を150〜200℃の範囲
内あるいは250〜275℃の範囲内とすることによ
り、MgSの晶出量の低減と、発光層の発光波長の短波
長化との両者を実現できるとともに、発光輝度をより一
層向上させることができ、かつ、MgSの異常成長点個
数を低減できる。
【0067】以上のように、発光層4の成膜条件とその
成膜に用いるZn1-X MgX S:MnSペレットの組成
とを前記のように最適化することで、高輝度で、かつ、
画素破壊が少なく、安定で信頼性の高い薄膜EL素子1
0が得られる。
【0068】〔実施の形態2〕本発明の他の実施形態に
ついて図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通
りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて
示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0069】Zn1-X MgX S:MnS発光層には、先
述のMgSの晶出による異常成長点の発生の他に、もう
一つ問題点がある。それは、従来のZnS:MnS発光
層を有する薄膜EL素子に比べて発光開始電圧が高いこ
とである。これは、母材のZn1-X MgX Sのバンドギ
ャップが高いことに加えて、異常成長点の発生を抑える
ために蒸着基板温度150℃と比較的低温で成膜されて
いるため、発光層の結晶性があまり良くないためであ
る。
【0070】図7に示すように、本実施の形態の薄膜E
L素子20では、この問題を解決するために、実施の形
態1の薄膜EL素子10における単層の発光層に代え
て、Zn1-X MgX S:MnSからなる発光層7bの
下部にZnSあるいはZnS:MnSからなる下地層7
aを設けた2層構造の厚さ700nmの積層発光層7を
備えており、他の構成は薄膜EL素子10と同じであ
る。
【0071】なお、薄膜EL素子20では、下地層7a
がZnS:MnSからなる場合には、下地層7aも発光
することになる。また、下地層7aの発光中心として、
MnSに代えて、Mn単体、あるいはMnF2 等のMn
化合物を用いてもよい。
【0072】次に、薄膜EL素子20の製造方法につい
て説明する。まず、実施の形態1の薄膜EL素子10の
製造方法と同様にして、ガラス基板1上に背面電極層
2、および第1絶縁層3を順に形成する。
【0073】次に、EB蒸着法を用いて、基板(ガラス
基板1、背面電極層2、および第1絶縁層3)を225
℃に加熱しながら、ZnS:MnSペレットあるいはZ
nSを基板上、即ち、第1絶縁層3上に蒸着させ、所定
の厚さに下地層7aを成膜する。
【0074】なお、ZnS:MnSペレットは、ZnS
にMnSをMn濃度が0.15at%となるように添加
し、硫化水素中、1000℃で仮焼成を行った後、仮焼
成した混合物をペレット形状に加圧成形し、硫化水素
中、1050℃で1時間かけて本焼結させることにより
得られる。
【0075】さらに、EB蒸着法を用いて、基板(ガラ
ス基板1、背面電極層2、第1絶縁層3、および下地層
7a)を所定の温度に加熱しながら、Zn1-X MgX
S:MnSペレットを基板上、即ち、下地層7a上に蒸
着させ、所定の厚さに発光層7bを成膜する。
【0076】なお、発光層7bの成膜に用いるZn1-X
MgX S:MnSペレットは、実施の形態1の薄膜EL
素子10の発光層4の成膜に用いたZn1-X MgX
S:MnSペレットと全く同様の方法で調製すればよ
い。また、Zn1-X MgX S:MnSペレットの蒸着時
の基板温度についても、実施の形態1の製造方法と同様
にすればよい。
【0077】最後に、実施の形態1の薄膜EL素子10
の製造方法と同様にして、第2絶縁層5を形成した後、
第2絶縁層5とともに積層発光層7を真空中630℃で
1時間アニールし、次いで、透明電極層6を順に形成す
る。これにより、薄膜EL素子20が得られる。
【0078】薄膜EL素子20では、下地層7aを設け
たことにより、発光開始電圧が低く抑えられる。これ
は、次の理由による。
【0079】即ち、下地層7aは、ZnSまたはZn
S:MnSからなり、MgSが分離晶出するという問題
が根本的に存在しないので、最もZnS結晶が育ち易い
蒸着基板温度225℃の条件で蒸着を行うことができ
る。このため、下地層7aは、膜厚が薄くても、結晶性
の良い膜とすることができる。
【0080】また、その結晶性の良いZnS結晶の表面
には、単一のβ−ZnS(111)配向面が規則正しく
並ぶ。このため、下地層7a上にZn1-X MgX S:M
nSペレットを蒸着させると、基板(ガラス基板1、背
面電極層2、および第1絶縁層3)上に直接Zn1-X
X S:MnSペレットを蒸着させるより遙かにZn
1-X MgX S:MnS結晶が育ち易く、結晶性の良い膜
が得られる。
【0081】その結果、ZnS:MnSからなる下地層
7a(以下、ZnS:MnS下地層7aと記す)の膜厚
とその上部に形成された発光層7bの膜厚との合計を7
00nmに固定したまま、ZnS:MnS下地層7aの
膜厚を変えると、図8に示すように、薄膜EL素子20
の発光開始電圧は、ZnS:MnS下地層7aの膜厚の
増大に伴って減少する。
【0082】即ち、図8より、まず、ZnS:MnS下
地層7aがある薄膜EL素子20とZnS:MnS下地
層7aがない薄膜EL素子10との間で発光開始電圧に
大きな差があり、ZnS:MnS下地層7aを発光層7
bの下に挿入することによって、薄膜EL素子の発光開
始電圧が大きく低下していることが分かる。
【0083】例えば、100nm厚のZnS:MnS下
地層7aを設けることによって、薄膜EL素子20の発
光開始電圧は、ZnS:MnS下地層7aのない場合の
220Vから25V低下し、195Vとなった。また、
200nm厚のZnS:MnS層7aを設けることによ
って、発光開始電圧は、ZnS:MnS下地層7aのな
い場合の220Vから35V低下し、185Vとなっ
た。
【0084】また、ZnS:MnS下地層7aの膜厚が
200nmを越えても、ZnS:MnS下地層7aの膜
厚が増加するにつれて発光開始電圧は低下していく。
【0085】このように、ZnS:MnS下地層7aの
膜厚が増加するにつれて発光開始電圧は低下していく。
従って、ZnS:MnS下地層7aの膜厚は、100n
m以上であればよいが、できるだけ厚い方が望ましい。
【0086】しかしながら、ZnS:MnS下地層7a
の膜厚が200nmより厚いと、ZnS:MnS下地層
7aの発光によって積層発光層7全体の発光波長が長波
長化され、発光層7bを用いる目的である薄膜EL素子
20の発光波長の短波長化効果が薄れる。このため、Z
nS:MnS下地層7aの膜厚は、200nm以下であ
る方が良い。従って、ZnS:MnS下地層7aの膜厚
は、100〜200nmの範囲内であることが望まし
い。
【0087】なお、実施の形態1および2に記載の薄膜
EL素子10・20は、平面薄型ディスプレイの1つで
ある薄膜EL表示パネルに応用可能である。即ち、例え
ば、薄膜EL素子10または20に対し、透明電極層6
の表面における背面電極層2の各帯状電極と透明電極層
6の各帯状電極との交点に、赤色および緑色のフィルタ
ーをマトリックス状に設けることにより、赤および緑の
二色表示マルチカラー薄膜EL表示パネルとすることが
できる。
【0088】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の薄膜EL素子の
製造方法は、以上のように、Zn1-XMgX S:Mn
(またはMn化合物)ペレットを基板上に蒸着させるこ
とにより発光層を形成する方法において、上記基板を1
50〜175℃の範囲内の温度に加熱しながら、上記X
が0.1≦X≦0.32であり、かつ、Mn濃度が0
1〜0.2at%の範囲内である上記ペレットを蒸着さ
せる方法である。これにより、高輝度のZn1-X MgX
S:Mn(またはMn化合物)発光層を備える薄膜EL
素子を得ることができるという効果を奏する。また、
光層成膜後におけるZn1-X MgX S:Mn薄膜の部分
的な剥離を防止しながら、MgSの晶出により生じる異
常成長点の個数を低減することができるという効果を奏
する。また、ZnS:Mn(またはMn化合物)より十
分に短い発光波長を有し、かつ、MgSの晶出が抑制さ
れた高輝度のZn 1-X Mg X S:Mn(またはMn化合
物)発光層を備える薄膜EL素子を得ることができると
いう効果を奏する。
【0089】本発明の請求項記載の薄膜EL素子は
以上のように、基板上に、背面電極層、第1絶縁層、下
地層、発光層、第2絶縁層、および透明電極層をこの順
で形成してなる薄膜エレクトロルミネッセンス素子にお
いて、上記発光層が、Zn 1-X Mg X S(0.1≦X≦
0.32)からなり、上記下地層が、ZnSあるいはZ
nS:MnSからなり、上記下地層の厚みが、100〜
200nmの範囲内である方法である。これにより、上
記薄膜EL素子の発光開始電圧を低減できるという効果
を奏する。また、薄膜EL素子の発光波長の長波長化を
抑制しながら、発光開始電圧をより一層低減できるとい
う効果を奏する。また、ZnS:Mnより十分に短い
発光波長を有し、かつ、MgSの晶出が抑制された高輝
度のZn1-X MgX S:Mn発光層を備える薄膜EL
素子を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる薄膜EL素子の実施の一形態を
示す断面図である。
【図2】ソースペレットのMg組成比Xの変化に伴う上
記薄膜EL素子のピーク波長の変化を示すグラフであ
る。
【図3】ソースペレットのMg組成比Xの変化に伴う上
記薄膜EL素子の発光輝度の変化を示すグラフである。
【図4】ソースペレット中のMn濃度の変化に伴う上記
薄膜EL素子の発光輝度の変化を示すグラフである。
【図5】ソースペレットの蒸着時の基板温度の変化に伴
う上記薄膜EL素子における発光層の結晶状態の変化を
示すグラフであり、(a)は、異常成長点個数の変化を
示すグラフ、(b)はX線回折強度の変化を示すグラフ
である。
【図6】ソースペレットの蒸着時の基板温度の変化に伴
う上記薄膜EL素子中の各構成元素量の変化を示すグラ
フである。
【図7】本発明にかかる薄膜EL素子の他の実施形態を
示す断面図である。
【図8】上記他の実施の形態にかかる薄膜EL素子にお
ける、ZnS:MnS下地層の膜厚の変化に伴う発光開
始電圧の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 背面電極層 3 第一絶縁層 4 発光層 5 第二絶縁層 6 透明電極層 7 積層発光層 7a 下地層 7b 発光層 10 薄膜EL素子 20 薄膜EL素子
フロントページの続き (72)発明者 梶野 仁 埼玉県上尾市原市1333−2 三井金属鉱 業株式会社 総合研究所内 (72)発明者 八島 勇 埼玉県上尾市原市1333−2 三井金属鉱 業株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平10−223370(JP,A) 特開 平9−134783(JP,A) 特開 平8−31571(JP,A) 特開 昭53−108293(JP,A) 特開 平7−249489(JP,A) 特開 平3−208298(JP,A) 特開 平8−88086(JP,A) 特開 平2−152193(JP,A) 欧州特許出願公開249942(EP,A 1) A.Mikami,I Yashim a,F Kajikawa,New D evelopment in ZnS Type EL Displays,T he 8th Internation al Workshop on Ele ctroluminescence(E L’96)(1996年8月13日〜8月15日開 催)にて頒,p.369−p.374 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn1-X MgX S(0<X<1)からなる
    母材に対し発光中心としてMnまたはMn化合物を添加
    してなるペレットを基板上に蒸着させることにより発光
    層を形成する薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造
    方法において、上記基板を150〜175℃の範囲内の温度に加熱しな
    がら、 上記Xが0.1≦X≦0.32であり、かつ、 Mn濃度
    が0.1〜0.2at%の範囲内である上記ペレットを
    蒸着させることを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセ
    ンス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に、背面電極層、第1絶縁層、下地
    層、発光層、第2絶縁層、および透明電極層をこの順で
    形成してなる薄膜エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、 上記発光層が、Zn 1-X Mg X S(0.1≦X≦0.3
    2)からなり、 上記下地層が、ZnSあるいはZnS:MnSからな
    り、 上記下地層の厚みが、100〜200nmの範囲内であ
    ことを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス素
    子。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
A.Mikami,I Yashima,F Kajikawa,New Development in ZnS Type EL Displays,The 8th International Workshop on Electroluminescence(EL’96)(1996年8月13日〜8月15日開催)にて頒,p.369−p.374

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