JP3442918B2 - 薄膜エレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents
薄膜エレクトロルミネッセンスパネルInfo
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- JP3442918B2 JP3442918B2 JP29148495A JP29148495A JP3442918B2 JP 3442918 B2 JP3442918 B2 JP 3442918B2 JP 29148495 A JP29148495 A JP 29148495A JP 29148495 A JP29148495 A JP 29148495A JP 3442918 B2 JP3442918 B2 JP 3442918B2
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Description
レイとして用いられている薄膜エレクトロルミネッセン
ス(以下、ELと称する)パネルに関するものである。
ディスプレイの需要が高まり、その中でも薄膜ELパネ
ルは、長寿命であることから特にFA(Factory Automa
tion)用ディスプレイとして注目されている。
色発光を呈する、ZnSを母材としてこれに発光中心と
してMnを添加してなるZnS:Mnを用いたものがあ
り、このZnS:Mnを発光層に用いることにより、高
輝度で信頼性に優れた表示特性が得られている。そし
て、このZnS:Mnの発光スペクトルは、500nm
台から600nm台の波長にまで及んでいるため、この
ZnS:Mnを発光層に用いたものに、赤色および緑色
のカラーフィルタを組み合わせれば、赤色光および緑色
光を取り出すことが可能であり、このような赤色および
緑色のカラーフィルタを組み合わせた二色表示マルチカ
ラー薄膜EL表示パネルも検討されている(SID 91 DIG
EST pp.275 〜 278) 。
光層に用いた橙色ELパネルに加えて、より豊かな発光
色とより高い発光輝度を求め、緑色発光を呈するZn
S:Tbや青色発光を呈するSrS:Ce、或いは赤色
発光を呈するSrS:Euなどを発光層に用いた緑色、
青色、赤色の各画素をマトリクス状に配置した並置方式
薄膜ELパネルや、異なる発光色の2枚の薄膜ELパネ
ル基板を貼り合わせる貼り合わせ方式薄膜ELパネル、
白色発光を呈する、ZnS:Mn/SrS:Ce/Zn
S:Mnなどの積層膜を発光層に用い、これにカラーフ
ィルタを重ねてカラー化するフィルタ方式薄膜ELパネ
ルなどの開発が盛んである。
nの積層膜を発光層に用いた薄膜ELパネルとしては、
例えば特開昭62−74986号公報に開示されている
ものがある。また、このような白色光を発する薄膜EL
パネルに、赤色・緑色・青色のカラーフィルタを重ねて
カラー化することも検討されている(SID 95 DIGESTp
p.883 〜 886) 。
S:Mnの発光スペクトルは、500nm台から600
nm台の波長にまで及んでいるものの、550nm以下
の発光強度が弱く、橙色発光であるため、ZnS:Mn
を発光層とした薄膜ELパネルに、緑色のカラーフィル
タを組み合わせた場合に得られる緑色光は、黄色に近い
緑色で、緑色の色純度があまり良くないという問題があ
る。
S:Ce/ZnS:Mn積層膜のように、ZnS:Mn
層を用いた白色発光の積層膜を発光層に用い、カラーフ
ィルタを重ねてカラー化した薄膜ELパネルでも、緑色
発光成分が少なくなり、赤色・緑色・青色のそれぞれの
カラーフィルタでその白色発光を分光すると、赤色・青
色の発光に比べ緑色の発光が弱く、本来RGBカラーに
必要とされる輝度比赤:緑:青=3:7:1が得られな
いという問題がある。
ZnS:Mn積層膜を発光層とした薄膜ELパネルにつ
いて説明すると、ZnS:Mn/SrS:Ce/Zn
S:Mn積層膜の発光層は、図14に示すような発光ス
ペクトルを示す。同図中実線にて示される特性曲線は、
薄膜ELパネルにカラーフィルタを組み合わせなかった
もので、白色光のものである。この白色光を、図15に
示すような波長と透過率の関係を有する赤色・緑色・青
色のカラーフィルタを用いて分光すると、図14のよう
に各カラーフィルタに対応した赤色・緑色・青色の発光
スペクトルを呈することとなる。同図中一点鎖線で示さ
れる特性曲線が赤色のカラーフィルタを透過したもの、
同図中点線で示される特性曲線が緑色のカラーフィルタ
を透過したもの、同図中破線で示される特性曲線が青色
のカラーフィルタを透過したものである。
S:Mn積層膜の発光層を、周波数100Hzの2極性
パルス電圧にて駆動したとき、画素輝度で赤:緑:青=
18.7cd/m2 :29.9cd/m2 :4.8cd/m2
であり、輝度比に換算すると赤:緑:青=3.9:6.2:
1.0となり、本来RGBカラーに必要とされる輝度比
赤:緑:青=3:7:1が得られないわけである。
は、上記したSrS:Ceの他に、CaGa2 S4 :C
eやZnS:Tmなど数種類があり、それらの発光波長
は図16に示すとおりである。この図からも明らかなよ
うに、これらのうち上記したSrS:Ceは発光効率が
良く、かつ長波長側であるので緑色発光成分を最も補い
得るものであるが、やはり、本来RGBカラーに必要と
される輝度比を得るものではない。
いう問題は、緑色発光画素の画素面積を増やしたり、或
いはZnS:Tbのような緑色発光を呈する層を発光層
に更に積層して緑色成分の発光輝度向上を図ることで解
決できる。しかしながら、前者では、駆動するパネル駆
動用のICドライバの負荷が発光色によって異なってし
まうため、負担の大きい緑色の画素面積に合わせた規格
のICドライバが必要となり、製造コストの上昇につな
がり、後者では、例えばZnS:Mn/ZnS:Tb/
SrS:Ce/ZnS:Mnの4層、または発光の極性
対称性を考慮するとZnS:Mn/ZnS:Tb/Sr
S:Ce/ZnS:Tb/ZnS:Mnの5層の積層化
が必要であり、積層数が増えるため、成膜プロセスが複
雑になると共に、プロセス時間も長くなり、かつ、バラ
ツキも大きくなって再現性確保が困難になるなどの不具
合を招来することとなる。
り、その目的は、緑色のカラーフィルタを組み合わせた
場合に得られる緑色光の色純度を従来よりも高めること
ができる発光輝度の高い薄膜ELパネルを提供すること
にある。
的を達成し得る薄膜ELパネルの構成を利用して、赤
色、および緑色のカラーフィルタを組み合わせた場合に
得られる赤色光、緑色光の各色純度が良好で発光輝度も
高い薄膜ELパネルを提供することにある。
緑色および青色のカラーフィルタを組み合わせた場合に
得られる赤色光、緑色光、青色光の各色純度が良好で発
光輝度も高く、かつ、本来RGBカラーに必要とされる
輝度比を、緑色発光成分の画素数の増加や、発光層を構
成する薄膜の積層数の増加を伴うことなく実現できる薄
膜ELパネルを提供することにある。
膜エレクトロルミネッセンスパネルは、いずれも、発光
層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<1)からなる母材
に発光中心としてMn又はMn化合物を添加してなる層
を、少なくとも備えていることを特徴としている。
に、発光輝度が高く薄膜ELパネルの発光層として有効
なZnS:Mnの発光スペクトルの短波長化を試みた結
果、母材のZnSのZnをX(0<X<1)の範囲でM
gに置換したZn1-X MgXSを母材とし、これに発光
中心としてMnを添加したZn1-X MgX S:Mnの発
光スペクトルが、ZnS:Mnのものよりも10〜20
nm短波長の発光色を呈することを見い出した。
0.25S:Mn、X=0.5のZn0.5 Mg0.5 S:M
n、X=0.75のZn0.25Mg0.75S:Mnの場合、
それぞれの発光スペクトルは図13に示すように、X=
0のZnS:Mnの発光スペクトルよりそれぞれ約10
nm、15nm、20nm、短波長側へピーク波長がシ
フトしたものとなる。
では、上記のZn 1-X Mg X S(0<X<1)からなる母
材に発光中心としてMn又はMn化合物を添加してなる
層(Zn 1-X Mg X S:Mn) を発光層として用いている
ので、その発光スペクトルは、緑色発光成分が多いもの
であり、緑色のカラーフィルタを組み合わせれば、色純
度が高く、かつ高輝度の緑色発光を得ることができる。
ミネッセンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S
(0<X<1)からなる母材に発光中心としてMn又は
Mn化合物を添加してなる層と、ZnSからなる母材に
発光中心としてMn又はMn化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えていることを特
徴としている。
は、橙色発光を呈し、高輝度である。したがって、第1
の発明の薄膜ELパネルでは、このZnS:Mnからな
る層を、上記のZn 1-X Mg X S:Mnからなる層に積層
した積層膜を発光層として用いているので、その発光ス
ペクトルは緑色発光成分および赤色発光成分が共に多い
ブロードな発光スペクトルとなり、この薄膜ELパネル
に、赤色および緑色のカラーフィルタを組み合わせれ
ば、赤色の輝度及び色純度を、Zn 1-X Mg X S:Mn単
層の発光層を用いた構成のものよりも上げることがで
き、また、従来のZnS:Mn単層の発光層を用いた構
成のものよりも、緑色の輝度及び色純度を上げることが
できる。その結果、この薄膜ELパネルに、赤色および
緑色のカラーフィルタを組み合わせれば、両者に比べ
て、赤色・緑色共に発光輝度が高く色純度も良い薄膜E
Lパネルを得ることができる。
ンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X
<1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合
物を添加してなる層と、SrS、BaS、CaS、Sr
1-X Ba X S(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S(0<X<
1)又はBa 1-X Ca X S(0<X<1)からなる母材に
発光中心としてCe又はCe化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えていることを特
徴としている。
(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S(0<X<1)又はB
a 1-X Ca X S(0<X<1)からなる母材に発光中心と
してCe又はCe化合物を添加してなる層は、青色発光
を呈するものである。つまり、第2の発明の薄膜ELパ
ネルでは、この青色発光を呈する層に、上記のZn 1-X
Mg X S:Mnからなる層を積層した積層膜を発光層と
して用いているので、従来のように、緑色発光画素の画
素面積を増やしたり、或いはZnS:Tbのような緑色
発光を呈する層を発光層に更に積層して緑色成分の発光
輝度向上を図ることなく、本来RGBカラーに必要とさ
れる輝度比赤:緑:青=3:7:1を得ることができ
る。その結果、この薄膜ELパネルに、赤色、緑色およ
び青色のカラーフィルタを組み合わせれば、色純度が高
く、赤色、緑色および青色の発光が可能な薄膜ELパネ
ルを、低い製造コストで、かつ、成膜プロセスの簡略化
・短縮化を図りながら、再現性確保も容易に得ることが
できる。
Sr 1-X Ba X S(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S(0<
X<1)又はBa 1-X Ca X S(0<X<1)からなる母
材に発光中心としてCe又はCe化合物を添加してなる
層は、青色発光成分を有するものの中で特に高輝度であ
るので、後述する第3、第4の薄膜ELパネルよりも、
白色発光の輝度を上げることができる。
ンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X
<1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合
物を添加してなる層と、SrGa2S4、BaGa2S4、
CaGa2S4、Sr2Ga2S5、Ba2Ga2S5又はCa
2Ga2S5からなる母材に発光中心としてCe又はCe
化合物を添加してなる層とが積層された積層膜を、少な
くとも備えていることを特徴としている。
ネッセンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S
(0<X<1)からなる母材に発光中心としてMn又は
Mn化合物を添加してなる層と、ZnSからなる母材に
発光中心としてTm又はTm化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えていることを特
徴としている。
S4 、Sr2Ga2S5、Ba2Ga2S5又はCa2Ga2S
5からなる母材に発光中心としてCe又はCe化合物を
添加してなる層、およびZnSからなる母材に発光中心
としてTm又はTm化合物を添加してなる層も、青色発
光を呈するものである。つまり、第3・第4の薄膜EL
パネルでも、第2の薄膜ELパネルと同様に、従来のよ
うに、緑色発光画素の画素面積を増やしたり、或いはZ
nS:Tbのような緑色発光を呈する層を発光層に更に
積層して緑色成分の発光輝度向上を図ることなく、本来
RGBカラーに必要とされる輝度比赤:緑:青=3:
7:1を得ることができる。その結果、この薄膜ELパ
ネルに、赤色、緑色および青色のカラーフィルタを組み
合わせれば、色純度が高く、赤色、緑色および青色の発
光が可能な薄膜ELパネルを、低い製造コストで、か
つ、成膜プロセスの簡略化・短縮化を図りながら、再現
性確保も容易に得ることができる。
aGa2S4 、Sr2Ga2S5、Ba2Ga2S5又はCa2
Ga2S5からなる母材に発光中心としてCe又はCe化
合物を添加してなる層、およびZnSからなる母材に発
光中心としてTm又はTm化合物を添加してなる層は、
青色発光を呈するものの中で、特に青色の純度が良い。
したがって、第2の薄膜ELパネルよりも、青色光の純
度を上げることができる。
ネッセンスパネルは、上記の構成において、発光面側
に、発光層からの光を分光するカラーフィルタが備えら
れているものであってもよい。
おいて、発光面側に、発光層からの光を分光するカラー
フィルタ、例えば赤色のカラーフィルタを備えること
で、赤色の発光輝度および色純度が良好な表示パネル或
いは照明パネルとなり、緑色のカラーフィルタを備える
ことで、緑色の発光輝度および色純度が良好な表示パネ
ル或いは照明パネルとなり、或いは、赤色および緑色両
方のカラーフィルタを備えることで、赤色および緑色の
両色共に発光輝度および色純度が良好なマルチマラーの
表示パネル或いは照明パネルとなり得る。また、特に第
2、3又は4の薄膜ELパネルの場合は、青色のカラー
フィルタを備えることで、青色の発光輝度および色純度
が良好な表示パネル或いは照明パネルとなり得ると共
に、赤色、緑色および青色のカラーフィルタを備えるこ
とで、赤色、緑色および青色の発光輝度および色純度が
良好なマルチカラーの表示パネル或いは照明パネルとな
り得て、かつ、フルカラー表示にも対応可能となる。
いし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
1に示すように、ガラス基板1上に、背面電極2、第1
絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、および透明電
極6がこの順に積層されると共に、これら背面電極2、
第1絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、および透
明電極6を背面電極2の端部側を除いて覆うように透光
性絶縁樹脂7が形成され、さらに、この透光性絶縁樹脂
7の上に赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a・8b
・8cが形成された構成を有している。
順に、Zn0.75Mg0.25S:Mn層4a、SrS:Ce
層4b、Zn0.75Mg0.25S:Mn層4cが積層されて
なるZn0.75Mg0.25S:Mn/SrS:Ce/Zn
0.75Mg0.25S:Mn積層膜である。Zn0.75Mg0.25
S:Mn層4a・4cは、Zn0.75Mg0.25Sを母材と
してこれに発光中心としてMnが添加されてなるもの
で、ZnS:Mnに比べて10nm短波長側へピーク波
長がシフトした発光スペクトルを有し、黄色発光を呈す
る。SrS:Ce層4bは、SrSを母材とし、これに
発光中心としてCeが添加されてなるもので、青色発光
を呈するものである。そして、上記白色発光層4は、第
1絶縁層3および第2絶縁層5で挟まれた二重絶縁構造
となっている。
る方向に延びる複数の帯状電極からなり、所謂、マトリ
クス構造となっている。また、赤色・緑色・青色のカラ
ーフィルタ8a・8b・8cは、透光性絶縁樹脂7上
に、上記の背面電極2と透明電極6との交差する位置に
マトリクス状に形成されている。
電極2と透明電極6との間に図示しない駆動用交流電源
を接続し、両電極2・6間に所定周波数の交流電圧を印
加することによってなされる。上記両電極2・6間に交
流電圧が印加されると、両電極2・6間に電界が形成さ
れ、この電界によって白色発光層4中の電子が伝導帯に
励起されて伝導電子(自由電子)となり、さらにこの電
子が電界によって加速されて充分なエネルギーを持ち、
そして、この電子が白色発光層4中に添加された発光中
心としてのMn、Ceに衝突してMn、Ceを励起し、
励起されたMn、Ceが基底状態に戻る際に光を放射す
る。詳細には、白色発光層4におけるZn0.75Mg0.25
S:Mn層4a・4cからは黄色光が、SrS:Ce層
4bからは青色光が発せられ、結果的に白色発光層4か
らは白色光が発せられる。このとき白色発光層4から放
射される光がカラーフィルタで分光され、赤色カラーフ
ィルタ8aを透過することによって赤色光として認識さ
れ、緑色カラーフィルタ8bを透過することによって緑
色光として認識され、青色カラーフィルタ8cを透過す
ることによって青色光として認識される。
す。まず、スパッタ法や電子ビーム蒸着法(以下、EB
蒸着法と称する)などの薄膜形成法により、ガラス基板
1上に膜厚200nm程度のMo薄膜層を形成し、電極
パターンをウェットエッチングにより形成し、背面電極
2を形成する。背面電極2には、上記のMo以外に、T
a、W、或いはITO(Indium Tin Oxide)などを用いる
ことができる。
形成法により、膜厚200nm程度の、Si3 N4 膜と
SiO2 膜とが積層されたSi3 N4 /SiO2 膜を形
成し、第1絶縁層3を形成する。第1絶縁層3には、上
記以外に、Ta2 O5 やAl2 O3 などを用いることが
できる。
ol%を混合し、これにMnを0.35at%添加して加
圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結させ
たZn0.75Mg0.25S:Mnペレットを作製し、これを
用いたEB蒸着法によって膜厚200nm程度のZn
0.75Mg0.25S:Mn層4aを成膜する。
加圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結さ
せたSrS:Ceペレットを作製し、これを用いて電子
ビーム蒸着法により膜厚900nm程度のSrS:Ce
層4bを形成する。
4aと同様の工程によって、膜厚200nm程度の上側
のZn0.75Mg0.25S:Mn層4cを形成する。
形成法により、膜厚200nm程度の、Si3 N4 膜と
SiO2 膜とが積層されたSiO2 /Si3 N4 膜を形
成し、第2絶縁層5を形成する。第2絶縁層5には、上
記以外に、Ta2 O5 やAl2 O3 などを用いることが
できる。
形成法により、膜厚200nm程度のITO(Indium T
in Oxide)膜を形成し、電極パターンをドライエッチン
グにより形成し、透明電極6を形成する。透明電極6に
は、上記以外に、Alを添加したZnO、Gaを添加し
たZnOなどを用いることができる。
μm程度の透光性絶縁樹脂7を形成する。その後、スピ
ンナーで赤色カラーフィルタ8aを塗布して90℃でプ
リベークし、パターンを紫外線露光し、有機アルカリ系
の現像液で現像し、200℃でポストベークして赤色カ
ラーフィルタ8aを形成する。そして、緑色カラーフィ
ルタ8bと青色カラーフィルタ8cについても同様の工
程を繰り返して形成する。これによって、薄膜ELパネ
ルとなる。
種特性を以下に示す。まず、Zn0.75Mg0.25S:Mn
層4a・4cであるが、これらは、ZnSとMgSとの
混晶となっていた。ZnSとMgSとの混晶は、ウルツ
鉱型結晶構造と、閃亜鉛鉱型構造を取り得るもので、例
えば、ウルツ鉱型結晶構造が支配的となっているZn
1-X MgX S:Mn(X=0.5 )のX線回折パターンを
図2に示す。
ことは、閃亜鉛鉱型のZnSとMgSが存在し、またそ
の混晶が存在することが、閃亜鉛鉱型結晶構造を取る各
化合物のバンドギャップエネルギーと格子間距離との関
係を示す図3において、ZnSとMgSとが直線で結ば
れていることからわかる(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32(199
3)pp.679-680 Part 1,No.1B,January 1993)。
ルを図4に示す。同図中に実線にて示される特性曲線
は、赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a・8b・8
cを組み合わせなかった場合のもの、同図中に点線にて
示される特性曲線は、緑色カラフィルタ8bを組み合わ
せた場合のもの、同図中に一点鎖線にて示される特性曲
線は、赤色カラーフィルタ8aを組み合わせた場合のも
の、そして、同図中に破線にて示される特性曲線は、青
色カラーフィルタ8cを組み合わせた場合のものであ
る。
した、ZnS:Mn/SrS:Ce/ZnS:Mn積層
膜を発光層に用いた前述の薄膜ELパネル(参考例)の
発光スペクトルとを比較すると、本薄膜ELパネルの白
色発光が緑色カラーフィルタ8bを透過した緑色光は、
参考例の薄膜ELパネルによる緑色光に比べて、発光強
度が大きくなっていることがわかる。
100Hzのパルス電圧で駆動したとき、参考例の薄膜
ELパネルでは、画素輝度で赤:緑:青=18.7cd/
m2:29.8cd/m2 :4.8cd/m2 であり、輝度
比に換算すると赤:緑:青=3.9:6.2:1.0であるの
に対し、本薄膜ELパネルでは、画素輝度で赤:緑:青
=13.9cd/m2 :35.0cd/m2 :4.8cd/m
2 であり、輝度比に換算すると輝度比赤:緑:青=2.
9:7.3:1.0と、RGBカラーに必要とされる輝度比
赤:緑:青=3:7:1にほぼ等しい輝度比が得られ
た。
Lパネルの発光層は、Zn0.75Mg0.25S:Mn/Sr
S:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からなる白
色発光層4であるので、白色発光層4中のZn0.75Mg
0.25S:Mn層4a・4cによって緑色発光成分が多く
なり、発光面側に配された緑色カラーフィルタ8bを透
過して得られる緑色光は、色純度が高く、かつ高輝度で
ある。
えた本実施の形態の薄膜ELパネルは、赤色、緑色、青
色の色純度が良好で、RGBカラーとする上で、十分適
正な輝度比率が得られるので、従来のように発光画素面
積を変えて調節する必要がなく、パネル駆動用のICド
ライバの負担が発光色によって異なる問題もなく、安価
なICドライバで対応できるので製造コストが下げら
れ、またZn1-X MgXS:Mn層(ここではZn0.75
Mg0.25S:Mn層)とSrS:Ce層の2種類の発光
層の積層だけで構成できるので、ZnS:Tbのような
緑色発光を呈する発光層を更に積層して緑色成分の発光
輝度向上を図る必要もないので、成膜プロセス工程を簡
略化かつ短縮化でき、再現性確保も容易になる。
SrS:Ce層4bは、特に高輝度であるので、上記白
色発光層4から発せられる白色光は高輝度である。した
がって、このような白色発光層4を備えた本実施の形態
の薄膜ELパネルは、赤色、緑色および青色の色純度が
良好である上に、発光輝度が特に優れたものとなる。
Zn1-X MgX S:MnとSrS:Ceの膜厚比や赤色
・緑色・青色の各カラーフィルタの透過率、得ようとす
る発光輝度バランスなど総合的な観点から最適値を選ぶ
必要があり、ここでは、Xとして0.25を選んだが、こ
れは、Xをあまり大きな値とすると、Xの値が大きくな
るほどZn1-X MgX S:Mnの発光が短波長側にシフ
トする傾向にあるため、発光スペクトルの赤色成分が少
なくなりすぎるためである。
光層4のように、Zn0.75Mg0.25S:Mn/SrS:
Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mnである必要はなく、例
えばZn0.75Mg0.25S:Mn/SrS:Ceや、Sr
S:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn/SrS:Ceで
あってもよいが、発光の極性対称性を考慮すると上下対
称な構造が好ましい。
るZn0.75Mg0.25S:Mn層4a・4cの発光中心と
してMnを用いたがMnF2 などのMn化合物でもよ
く、また、SrS:Ce層4bの発光中心も、CeCl
3 やCeNなどのCe化合物を用いることもできる。
尚、その場合、Zn0.75Mg0.25S:Mn層は、Zn
0.75Mg0.25S:MnF2 層、SrS:Ce層は、Sr
S:CeCl3 層、SrS:CeN層と記載すべきであ
るが、本明細書中は、説明の便宜上、化合物を用いた場
合も単体の形で記載している。
発光成分を有するBaS:Ce、CaS:Ce、Sr
1-X BaX S:Ce(0<X<1)、Sr1-X Ca
X S:Ce(0<X<1)、Ba1-X CaX S:Ce
(0<X<1)などからなる層を用いることができる。
金属あるいは希土類の元素をドープしたMgS、Ca
S、SrS、BaSの中の少なくとも一つとZnSとの
複合体を母材とする薄膜発光層が開示されている。上記
公報は、加水分解し易く耐久性が低いMgSなどに遷移
金属あるいは希土類の元素をドープし、これに母体とし
て十分な安定性を有するZnSを混ぜることによって、
発光層の耐久性を向上させることを目的としたものであ
って、発光中心の発光波長を短波長化するという本発明
とは区別されるものである。
は、ZnS:TmとZnS:Mnの組み合わせの白色発
光層において、Zn1-X MgX S:Tmとすることが開
示されている。上記公報は、ZnS:TmをZn1-X M
gX S:Tmとすることにより青色発光層の輝度を上
げ、白色の色度を維持するためにZnS:Mnの輝度を
低くする必要をなくし、結果として白色の輝度を上げる
ことを目的としたものであって、Zn1-X MgX Sを母
材としても、発光中心のTmの発光波長はほとんど変わ
らず発光強度が変わるだけで、発光中心の発光波長を短
波長化するという本発明とは区別されるものである。
たものでも、発光中心が遷移金属元素のMnの場合は発
光波長が変化し、発光中心がTmをはじめ希土類元素で
は発光波長がほとんど変わらない理由を簡単に述べる。
は、 (1s)2 (2s)2 (2p)6 (3s)2 (3p)6 (3d)5
(4s)2 となる。ここで右肩の添字は軌道に入っている電子数を
表す。Mnの場合、3d軌道は10個の電子の許容量が
あるのにも係わらず、5個しか電子が入っていない不完
全殻となっており、この不完全な3d軌道間で電子遷移
が容易に起こり、外部からエネルギーが与えられたと
き、電子は3d軌道の別の軌道に励起され、発光を伴っ
て元の軌道に緩和する。これがd−d遷移とよばれる吸
収・発光メカニズムである。さらに、これがイオン化し
たMn2+の場合、4s軌道の電子2個が失われ、 (1s)2 (2s)2 (2p)6 (3s)2 (3p)6 (3d)5 となって最外殻に不完全殻の3dがむき出しの状態で存
在することとなるため、Mn2+が固体中に置かれた場
合、Mn2+の3d軌道はその結晶場の中に大きく広が
り、その結晶場の影響を大きく受け、Mn2+の発光波長
はまわりの結晶場の差異に大きく影響されることとな
る。
10(4s)2 (4p)6(4d)10(4f)13(5s)2 (5p)6
(6s)2 となる。Tmの場合もMnの場合と同様に4f軌道が不
完全殻となっており、4f軌道間でf−f遷移とよばれ
る吸収・発光メカニズムが存在する。Tmがイオン化し
たTm3+の場合、6s軌道の2個の電子と4f軌道の1
個の電子が失われ、 (1s)2 (2s)2 (2p)6 (3s)2 (3p)6 (3d)
10(4s)2 (4p)6(4d)10(4f)12(5s)2 (5p)6 となる。しかしながらTm3+の4f軌道はMn2+の3d
軌道とは異なり、5s、5p軌道の電子に静電的に良く
遮蔽されているため外部の結晶場の影響をほとんど受け
ず、Tm3+を様々な固体中に置いても自由イオンのとき
と発光波長は変わらない。
添加され、発光色が変化するものは遷移金属元素のMn
だけであり、Tmをはじめ希土類元素では、たとえZn
1-XMgX Sを母材としても、その発光色が変化するも
のではない。
について図5、図6に基づいて説明すれば、以下の通り
である。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示し
た部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
5に示すように、ガラス基板1上に、背面電極2、第1
絶縁層3、白色発光層10、第2絶縁層5、および透明
電極6がこの順に積層されると共に、これら背面電極
2、第1絶縁層3、白色発光層10、第2絶縁層5、お
よび透明電極6を背面電極2の端部側を除いて覆うよう
に透光性絶縁樹脂7が形成され、さらに、この透光性絶
縁樹脂7の上に赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a
・8b・8cが形成された構成を有している。
ネルでは、発光層として、Zn0.75Mg0.25S:Mn/S
rS:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からなる
白色発光層4を備えていたのに対し、本実施の形態の薄
膜ELパネルでは、ガラス基板1側から順に、Zn0.75
Mg0.25S:Mn層10a、CaGa2 S4 :Ce層1
0b、Zn0.75Mg0.25S:Mn層10cが積層されて
なるZn0.75Mg0. 25S:Mn/CaGa2 S4 :Ce
/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からなる、白色発光
層10を有する点が異なり、その他の構造はほぼ同一の
構成を有している。白色発光層10におけるCaGa2
S4 :Ce層10bは、CaGa2 S4 を母材とし、こ
れに発光中心としてCeが添加されてなり、青色発光を
呈するものである。
に交流電圧が印加されると、上述のように、発光中心と
してのMn、Ceが励起され、基底状態に戻る際に光を
放射する。白色発光層10におけるZn0.75Mg
0.25S:Mn層10a・10cからは黄色光が、CaG
a2 S4 :Ce層10bからは青色光が発せられ、結果
的に白色発光層10からは白色光が発せられる。このと
き白色発光層10から放射される光がカラーフィルタで
分光され、赤色カラーフィルタ8aを透過することによ
って赤色光として認識され、緑色カラーフィルタ8bを
透過することによって緑色光として認識され、青色カラ
ーフィルタ8cを透過することによって青色光として認
識される。
Lパネルは、以下の手順で作製される。まず、ガラス基
板1上に、実施の形態1の薄膜ELパネルと同様の工程
で、膜厚200nm程度の背面電極2、膜厚200nm
程度の第1絶縁層3を順に形成する。
ol%を混合し、これにMnを0.35at%添加して加
圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結させ
たZn0.75Mg0.25S:Mnターゲットを作製し、これ
を用いたスパッタリングによって膜厚200nm程度の
下側のZn0.75Mg0.25S:Mn層10aを成膜する。
添加して加圧形成したのち、Arガス中900℃で1時
間焼結させたCaGa2 S4 :Ceターゲットを作製
し、これを用いてスパッタリング法により膜厚900n
m程度のCaGa2 S4 :Ce層10bを形成する。
10aと同様の工程によって、膜厚200nm程度の上
側のZn0.75Mg0.25S:Mn層10cを形成する。
同様の工程で、膜厚200nm程度の第2絶縁層5、膜
厚200nm程度の透明電極6、膜厚20μm程度の透
光性絶縁樹脂7、および赤色・緑色・青色のカラーフィ
ルタ8a・8b・8cを順に形成する。
0.25S:Mn層10a・10cも、前述のものと同様
に、ZnSとMgSとの混晶となっていた。図6に、上
記薄膜ELパネルの発光スペクトルを示す。同図中に実
線にて示される特性曲線は、赤色・緑色・青色のカラー
フィルタ8a・8b・8cを組み合わせなかった場合の
もの、同図中に点線にて示される特性曲線は、緑色カラ
ーフィルタ8bを組み合わせた場合のもの、同図中に一
点鎖線にて示される特性曲線は、赤色カラーフィルタ8
aを組み合わせた場合のもの、そして、同図中に破線に
て示される特性曲線は、青色カラーフィルタ8cを組み
合わせた場合のものである。
態1の薄膜ELパネルと同様に、本薄膜ELパネルの白
色発光を赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a・8b
・8cで分光した場合、赤色および青色と共に十分な輝
度の緑色発光が得られていることがわかる。しかも、図
4に示した実施の形態1の薄膜ELパネルの発光スペク
トルと比較すると、本薄膜ELパネルの方が、全体とし
ての輝度は実施の形態1の薄膜ELパネルに比べてやや
劣るものの、青色カラーフィルタ8cを透過する発光ス
ペクトルが左にシフトしており、青色の色純度が良いこ
とがわかる。
パネルの発光層は、Zn0.75Mg0. 25S:Mn/CaG
a2 S4 :Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜から
なる白色発光層10であるので、白色発光層10中のZ
n0.75Mg0.25S:Mn層10a・10cによって緑色
発光成分が多くなり、実施の形態1の薄膜ELパネルと
同様に、緑色発光成分の画素数の増加や、発光層を構成
する薄膜の積層数の増加を伴うことなくRGBカラーの
表示を行なう上で十分適正な輝度比率が得られる。
a2 S4 :Ce層10bを用いたので、上記白色発光層
10から発せられる白色光を青色カラーフィルタ8cで
分光して得た青色光は、色純度の優れたものとなる。
0.25を選んだが、前述したように、Zn1-X Mg
X S:MnとCaGa2 S4 :Ceの膜厚比や赤色・緑
色・青色の各カラーフィルタの透過率、得ようとする発
光輝度バランスなど総合的な観点から最適値を選べばよ
い。
光層10のように、Zn0.75Mg0. 25S:Mn/CaG
a2 S4 :Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mnである必要
はなく、例えばZn0.75Mg0.25S:Mn/CaGa2
S4 :CeやCaGa2 S4:Ce/Zn0.75Mg0.25
S:Mn/CaGa2 S4 :Ceであってもよいが、発
光の極性対称性を考慮すると上下対称な構造が好まし
い。
するZn0.75Mg0.25S:Mn層10a・10cの発光
中心としてMnを用いたがMnF2 などのMn化合物で
もよく、また、CaGa2 S4 :Ce層10bの発光中
心も、CeCl3 やCeNなどのCe化合物を用いるこ
ともできる。
色発光成分を有するSrGa2 S4:Ce、BaGa2
S4 :Ce、Sr2 Ga2 S5 :Ce、Ba2 Ga2 S
5 :Ce、Ca2 Ga2 S5 :Ceなどを用いることも
できる。
について図7、図8に基づいて説明すれば、以下の通り
である。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1、2にて
示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号
を付記し、その説明を省略する。
7に示すように、ガラス基板1上に、背面電極2、第1
絶縁層3、白色発光層11、第2絶縁層5、および透明
電極6がこの順に積層されると共に、これら背面電極
2、第1絶縁層3、白色発光層11、第2絶縁層5、お
よび透明電極6を背面電極2の端部側を除いて覆うよう
に透光性絶縁樹脂7が形成され、さらに、この透光性絶
縁樹脂7の上に赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a
・8b・8cが形成された構成を有している。
ネルでは、発光層として、Zn0.75Mg0.25S:Mn/
SrS:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からな
る白色発光層4を備えていたのに対し、本実施の形態の
薄膜ELパネルでは、ガラス基板1側から順に、Zn
0.5 Mg0.5 S:Mn層11a、ZnS:Tm層11
b、Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層11cが積層されてな
るZn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Tm/Zn0.5
Mg0.5 S:Mn積層膜からなる、白色発光層11を有
する点が異なり、その他の構造はほぼ同一の構成を有し
ている。Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層11a・11c
は、ZnS:Mnに比べて15nm短波長側へピーク波
長がシフトした発光スペクトルを有し、黄色発光を呈す
る。ZnS:Tm層11bは、ZnSを母材とし、これ
に発光中心としてTmが添加されてなるもので、前述し
たように青色発光を呈するものである。
に交流電圧が印加されると、上述のように、発光中心と
してのMn、Tmが励起され、基底状態に戻る際に光を
放射する。白色発光層11におけるZn0.5 Mg
0.5 S:Mn層11a・11cからは黄色光が、Zn
S:Tm層11bからは青色光が発せられ、結果的に白
色発光層11からは白色光が発せられる。このとき白色
発光層11から放射される光がカラーフィルタで分光さ
れ、赤色カラーフィルタ8aを透過することによって赤
色光として認識され、緑色カラーフィルタ8bを透過す
ることによって緑色光として認識され、青色カラーフィ
ルタ8cを透過することによって青色光として認識され
る。
Lパネルは、以下の手順で作製される。まず、ガラス基
板1上に、実施の形態1の薄膜ELパネルと同様の工程
で、膜厚200nm程度の背面電極2、膜厚200nm
程度の第1絶縁層3を順に形成する。
ol%を混合し、これにMnを0.35at%添加して加
圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結させ
たZn0.5 Mg0.5 S:Mnペレットを作製し、これを
用いたEB蒸着法によって膜厚100nm程度の下側の
Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層11aを成膜する。
のTm化合物を0.3mol%添加して加圧形成したの
ち、Arガス中900℃で1時間焼結させたZnS:T
mペレットを作製し、これを用いてEB蒸着法により膜
厚600nm程度のZnS:Tm層11bを形成する。
尚、詳細に言えば、前述したように、ZnSにTmF3
やTmCl3 などのTm化合物を添加して作成されたペ
レットは、ZnS:TmF3 ペレット或いはZnS:T
mCl3 ペレットとなり、これを用いてEB蒸着法によ
り成膜される層は、ZnS:TmF3 層、ZnS:Tm
Cl3 層である。
11aと同様の工程によって、膜厚100nm程度の上
側のZn0.5 Mg0.5 S:Mn層11cを形成する。そ
の後、実施の形態1の薄膜ELパネルと同様の工程で、
膜厚200nm程度の第2絶縁層5、膜厚200nm程
度の透明電極6、膜厚20μm程度の透光性絶縁樹脂
7、および赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a・8
b・8cを順に形成する。
0.5 S:Mn層11a・11c も、前述のものと同様
に、ZnSとMgSとの混晶となっていた。図8に、上
記薄膜ELパネルの発光スペクトルを示す。同図中に実
線にて示される特性曲線は、赤色・緑色・青色のカラー
フィルタ8a・8b・8cを組み合わせなかった場合の
もの、同図中に点線にて示される特性曲線は、緑色カラ
ーフィルタ8bを組み合わせた場合のもの、同図中に一
点鎖線にて示される特性曲線は、赤色カラーフィルタ8
aを組み合わせた場合のもの、そして、同図中に破線に
て示される特性曲線は、青色カラーフィルタ8cを組み
合わせた場合のものである。
態1の薄膜ELパネルと同様に本薄膜ELパネルの白色
発光を赤色・緑色・青色のカラーフィルタ8a・8b・
8cで分光した場合、赤色および青色と共に十分な輝度
の緑色発光が得られていることがわかる。しかも、図4
に示した実施の形態1の薄膜ELパネルの発光スペクト
ルと比較すると、本薄膜ELパネルの方が、全体として
の輝度は実施の形態1の薄膜ELパネルに比べてやや劣
るものの、青色カラーフィルタを透過した発光スペクト
ルは450〜500nmの領域にあるシャープなもので
あり、実施の形態2の薄膜ELパネルと同様に、青色の
色純度が良いことがわかる。
パネルの発光層は、Zn0.5 Mg0. 5 S:Mn/Zn
S:Tm/Zn0.5 Mg0.5 S:Mnの積層膜からなる
白色発光層11であるので、白色発光層11中のZn
0.5 Mg0.5 S:Mn層11a・11cによって緑色発
光成分が多くなり、実施の形態1の薄膜ELパネルと同
様に、緑色発光成分の画素数の増加や、発光層を構成す
る薄膜の積層数の増加を伴うことなくRGBカラーの表
示を行なう上で十分適正な輝度比率が得られる。
S:Tm層11bを用いたので、上記白色発光層11か
ら発せられる白色光を青色カラーフィルタ8cで分光し
て得た青色光は、色純度の優れたものとなる。
0.5を選んだが、前述したように、Zn1-X MgX S:
MnとZnS:Tmの膜厚比や赤色・緑色・青色の各カ
ラーフィルタの透過率、得ようとする発光輝度バランス
など総合的な観点から最適値を選べばよい。
光層11のように、Zn0.5 Mg0. 5 S:Mn/Zn
S:Tm/Zn0.5 Mg0.5 S:Mnである必要はな
く、例えばZn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Tmや
ZnS:Tm/Zn0.5 Mg0.5S:Mn/ZnS:T
mであってもよいが、発光の極性対称性を考慮すると上
下対称な構造が好ましい。
するZn0.5 Mg0.5 S:Mn層11a・11cの発光
中心としてMnを用いたがMnF2 などのMn化合物で
もよい。そして反対に、ここでは、ZnS:Tm層11
bの発光中心としてTmF3などのTm化合物を用いた
がTmでももちろんよい。
分を有するZnS:Prなどを用いることもできる。
について図9、図10に基づいて説明すれば、以下の通
りである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1、2、
3にて示した部材と同一の機能を有する部材には、同一
の符号を付記し、その説明を省略する。
9に示すように、ガラス基板1上に、背面電極2、第1
絶縁層3、黄色発光層12、第2絶縁層5、および透明
電極6がこの順に積層されると共に、これら背面電極
2、第1絶縁層3、黄色発光層12、第2絶縁層5、お
よび透明電極6を背面電極2の端部側を除いて覆うよう
に透光性絶縁樹脂7が形成され、さらに、この透光性絶
縁樹脂7の上に赤色・緑色のカラーフィルタ8a・8b
が形成された構成を有している。
ネルでは、発光層として、Zn0.75Mg0.25S:Mn/
SrS:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からな
る白色発光層4を備えていたのに対し、本実施の形態の
薄膜ELパネルでは、Zn0. 5 Mg0.5 S:Mn層のみ
からなる単層の黄色発光層12を有する点、および、備
えているカラーフィルタが、黄色に応じた赤色カラーフ
ィルタ8aと緑色カラーフィルタ8bである点が異な
る。Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層からなる黄色発光層1
2は、ZnS:Mnに比べて15nm短波長側へピーク
波長がシフトした発光スペクトルを有する。
に交流電圧が印加されると、上述のように、黄色発光層
12中の発光中心としてのMnが励起され、基底状態に
戻る際に黄色光を放射する。このとき黄色発光層12か
ら放射される光がカラーフィルタで分光され、赤色カラ
ーフィルタ8aを透過することによって赤色光として認
識され、緑色カラーフィルタ8bを透過することによっ
て緑色光として認識される。
Lパネルは、以下の手順で作製される。まず、ガラス基
板1上に、実施の形態1の薄膜ELパネルと同様の工程
で、膜厚200nm程度の背面電極2、膜厚200nm
程度の第1絶縁層3を順に形成する。
ol%を混合し、これにMnを0.35at%添加して加
圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結させ
たZn0.5 Mg0.5 S:Mnペレットを作製し、これを
用いたEB蒸着法によって膜厚800nm程度のZn
0.5 Mg0.5 S:Mn層からなる黄色発光層12を成膜
する。
同様の工程で、膜厚200nm程度の第2絶縁層5、膜
厚200nm程度の透明電極6、膜厚20μm程度の透
光性絶縁樹脂7、および赤色・緑色のカラーフィルタ8
a・8bを順に形成する。
るZn0.5 Mg0.5 S:Mn層も、前述のものと同様
に、ZnSとMgSとの混晶となっていた。図10に、
上記薄膜ELパネルの発光スペクトルを示す。同図中に
実線にて示される特性曲線は、赤色・緑色のカラーフィ
ルタ8a・8bを組み合わせなかった場合のもの、同図
中に点線にて示される特性曲線は、赤色カラーフィルタ
8aを組み合わせた場合のもの、同図中に破線にて示さ
れる特性曲線は、緑色カラーフィルタ8bを組み合わせ
た場合のものである。
ELパネルの黄色発光を赤色・緑色のカラーフィルタ8
a・8bで分光すると、十分な輝度の赤色および緑色発
光が得られていることがわかる。
パネルの発光層は、Zn0.5 Mg0. 5 S:Mn層の単層
からなる黄色発光層12であるので、緑色発光成分が従
来のZnS:Mn層の単層からなる橙色発光層を用いた
ものに比べて多くなり、これに赤色・緑色のカラーフィ
ルタ8a・8bを重ね合わせることで、赤色、緑色とも
に充分な輝度と色純度とを有する赤・緑のマルチカラー
薄膜ELパネルを得ることができる。
0.5を選んだが、前述したように、Zn1-X Mg
X S:Mnの膜厚比や赤色・緑色の各カラーフィルタの
透過率、得ようとする発光輝度バランスなど総合的な観
点から最適値を選べばよい。
るZn0.5 Mg0.5 S:Mn層の発光中心としてMnを
用いたがMnF2 などのMn化合物でもよい。
について図11、図12に基づいて説明すれば、以下の
通りである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1、
2、3、4にて示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
11に示すように、ガラス基板1上に、背面電極2、第
1絶縁層3、黄色発光層13、第2絶縁層5、および透
明電極6がこの順に積層されると共に、これら背面電極
2、第1絶縁層3、黄色発光層13、第2絶縁層5、お
よび透明電極6を背面電極2の端部側を除いて覆うよう
に透光性絶縁樹脂7が形成され、さらに、この透光性絶
縁樹脂7の上に赤色・緑色のカラーフィルタ8a・8b
が形成された構成を有している。
ネルでは、発光層として、Zn0.75Mg0.25S:Mn/
SrS:Ce/Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜からな
る白色発光層4を備えていたのに対し、本実施の形態の
薄膜ELパネルでは、ガラス基板1側から順に、Zn
0.5 Mg0.5 S:Mn層13a、ZnS:Mn層13
b、Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層13cが積層されてな
るZn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Mn/Zn0.5
Mg0.5 S:Mn積層膜からなる、黄色発光層13を有
する点、および、備えているカラーフィルタが、黄色に
応じた赤色カラーフィルタ8aと緑色カラーフィルタ8
bである点が異なる。ZnS:Mn層13bは、前述し
たように橙色発光を呈するものである。
に交流電圧が印加されると、上述のように、発光中心と
してのMnが励起され、基底状態に戻る際に光を放射す
る。黄色発光層13におけるZn0.5 Mg0.5 S:Mn
層13a・13cからは黄色光が、ZnS:Mn層13
bからは橙色光が発せられる。このとき黄色発光層13
から放射される光がカラーフィルタで分光され、赤色カ
ラーフィルタ8aを透過することによって赤色光として
認識され、緑色カラーフィルタ8bを透過することによ
って緑色光として認識される。
Lパネルは、以下の手順で作製される。まず、ガラス基
板1上に、実施の形態1の薄膜ELパネルと同様の工程
で、膜厚200nm程度の背面電極2、膜厚200nm
程度の第1絶縁層3を順に形成する。
ol%を混合し、これにMnを0.35at%添加して加
圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結させ
たZn0.5 Mg0.5 S:Mnペレットを作製し、これを
用いたEB蒸着法によって膜厚200nm程度の下側の
Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層13aを成膜する。
て加圧形成したのち、Arガス中900℃で1時間焼結
させたZnS:Mnペレットを作製し、これを用いてE
B蒸着法により膜厚400nm程度のZnS:Mn層1
3bを形成する。
13aと同様の工程によって、膜厚200nm程度の上
側のZn0.5 Mg0.5 S:Mn層13cを形成する。
同様の工程で、膜厚200nm程度の第2絶縁層5、膜
厚200nm程度の透明電極6、膜厚20μm程度の透
光性絶縁樹脂7、および赤色・緑色のカラーフィルタ8
a・8bを順に形成する。
0.5 S:Mn層13a・13c も、前述のものと同様
に、ZnSとMgSとの混晶となっていた。図12に、
上記薄膜ELパネルの発光スペクトルを示す。同図中に
実線にて示される特性曲線は、赤色・緑色のカラーフィ
ルタ8a・8bを組み合わせなかった場合のもの、同図
中に点線にて示される特性曲線は、赤色カラーフィルタ
8aを組み合わせた場合のもの、同図中に破線にて示さ
れる特性曲線は、緑色カラーフィルタ8bを組み合わせ
た場合のものである。
いZn0.5 Mg0.5 S:Mn層13a・13cの発光
と、赤色発光成分の強いZnS:Mn層13bの発光と
が重なり合うため、その発光は赤・緑の波長領域に広が
ったブロードな発光スペクトルとなっており、図10に
示した前述の実施の形態4の薄膜ELパネルの発光スペ
クトルに比べて、赤色発光成分が強くなっている。
パネルの発光層は、Zn0.5 Mg0. 5 S:Mn/Zn
S:Mn/Zn0.5 Mg0.5 S:Mn積層膜からなる黄
色発光層13であるので、Zn0.5 Mg0.5 S:Mn層
の単層の発光層を用いた実施の形態4の薄膜ELパネル
よりも赤色発光成分が強くなり、また、ZnS:Mn単
層の発光層を用いた薄膜ELパネルよりも緑色発光成分
が強くなり、つまりは、両者に比べて赤・緑ともに輝度
が高く色純度の良い発光が得られる。
0.5を選んだが、前述したように、Zn1-X MgX S:
MnとZnS:Mnの膜厚比や赤色・緑色の各カラーフ
ィルタの透過率、得ようとする発光輝度バランスなど総
合的な観点から最適値を選べばよい。
光層13のように、Zn0.5 Mg0. 5 S:Mn/Zn
S:Mn/Zn0.5 Mg0.5 S:Mnである必要はな
く、例えばZn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Mnや
ZnS:Mn/Zn0.5 Mg0.5S:Mn/ZnS:M
nであってもよいが、発光の極性対称性を考慮すると上
下対称な構造が好ましい。
するZn0.5 Mg0.5 S:Mn層13a・13cやZn
S:Mn層13bの発光中心としてMnを用いたが、M
nF2 などのMn化合物でもよい。
ネルを、表示パネルとした場合について述べたが、照明
パネルとして用いることもできる。上記した各実施の形
態は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするも
のであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解
釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求の
範囲内で、いろいろと変更して実施することができるも
のである。
膜エレクトロルミネッセンスパネルは、いずれも、発光
層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<1)からなる母材
に発光中心としてMn又はMn化合物を添加してなる層
を、少なくとも備えている構成である。
分が多くなるので、緑色のカラーフィルタを組み合わせ
れば、色純度が高く、かつ高輝度の緑色発光を得ること
ができる。
ンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X
<1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合
物を添加してなる層と、ZnSからなる母材に発光中心
としてMn又はMn化合物を添加してなる層とが積層さ
れた積層膜を、少なくとも備えている構成である。
光成分および赤色発光成分が共に多いブロードな発光ス
ペクトルとなり、この薄膜ELパネルに、赤色および緑
色のカラーフィルタを組み合わせれば、赤色の輝度及び
色純度を、Zn1-X MgX S:Mn単層の発光層を用い
た構成のものよりも上げることができ、また、従来のZ
nS:Mn単層の発光層を用いた構成のものよりも、緑
色の輝度及び色純度を上げることができる。その結果、
赤色および緑色のカラーフィルタを組み合わせれば、両
者に比べて、赤色・緑色共に発光輝度が高く色純度も良
い薄膜ELパネルを得ることができるという効果を奏す
る。
ンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X
<1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合
物を添加してなる層と、SrS、BaS、CaS、Sr
1-X Ba X S(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S(0<X<
1)又はBa 1-X Ca X S(0<X<1)からなる母材に
発光中心としてCe又はCe化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えている構成であ
る。
の画素面積を増やしたり、或いはZnS:Tbのような
緑色発光を呈する層を発光層に更に積層して緑色成分の
発光輝度向上を図ることなく、本来RGBカラーに必要
とされる輝度比赤:緑:青=3:7:1を得ることがで
きる。その結果、この薄膜ELパネルに、赤色、緑色お
よび青色のカラーフィルタを組み合わせれば、色純度が
高く、赤色、緑色および青色の発光が可能な薄膜ELパ
ネルを、低い製造コストで、かつ、成膜プロセスの簡略
化・短縮化を図りながら、再現性確保も容易に得ること
ができるという効果を奏する。
S、Sr 1-X Ba X S(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S
(0<X<1)又はBa 1-X Ca X S(0<X<1)から
なる母材に発光中心としてCe又はCe化合物を添加し
てなる層は、青色発光成分を有するものの中で特に高輝
度であるので、第3、4の薄膜ELパネルよりも、白色
発光の輝度を上げることができるという効果も奏する。
ンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X
<1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合
物を添加してなる層と、SrGa2S4、BaGa2S4、
CaGa2S4、Sr2Ga2S5、Ba2Ga2S5又はCa
2Ga2S5からなる母材に発光中心としてCe又はCe
化合物を添加してなる層とが積層された積層膜を、少な
くとも備えている構成である。
ネッセンスパネルは、発光層として、Zn 1-X Mg X S
(0<X<1)からなる母材に発光中心としてMn又は
Mn化合物を添加してなる層と、ZnSからなる母材に
発光中心としてTm又はTm化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えている構成であ
る。
の画素面積を増やしたり、或いはZnS:Tbのような
緑色発光を呈する層を発光層に更に積層して緑色成分の
発光輝度向上を図ることなく、本来RGBカラーに必要
とされる輝度比赤:緑:青=3:7:1を得ることがで
きる。その結果、この薄膜ELパネルに、赤色、緑色お
よび青色のカラーフィルタを組み合わせれば、色純度が
高く、赤色、緑色および青色の発光が可能な薄膜ELパ
ネルを、低い製造コストで、かつ、成膜プロセスの簡略
化・短縮化を図りながら、再現性確保も容易に得ること
ができるという効果を奏する。
CaGa2S4 、Sr2Ga2S5、Ba2Ga2S5又はC
a2Ga2S5からなる母材に発光中心としてCe又はC
e化合物を添加してなる層、およびZnSからなる母材
に発光中心としてTm又はTm化合物を添加してなる層
は、青色発光を呈するものの中で、特に青色の純度が良
いので、第2の薄膜ELパネルよりも、青色発光の純度
を上げることができるという効果も奏する。
ネッセンスパネルは、上記の構成において、発光面側
に、発光層からの光を分光するカラーフィルタが備えら
れている構成であってもよい。
おいて、発光面側に、発光層からの光を分光するカラー
フィルタ、例えば赤色のカラーフィルタを備えること
で、赤色の発光輝度および色純度が良好な表示パネル或
いは照明パネルとなり、緑色のカラーフィルタを備える
ことで、緑色の発光輝度および色純度が良好な表示パネ
ル或いは照明パネルとなり、或いは、赤色および緑色両
方のカラーフィルタを備えることで、赤色および緑色の
両色共に発光輝度および色純度が良好なマルチマラーの
表示パネル或いは照明パネルとなり得る。また、特に第
2、3、又は4の薄膜ELパネルの場合は、青色のカラ
ーフィルタを備えることで、青色の発光輝度および色純
度が良好な表示パネル或いは照明パネルとなり得ると共
に、赤色、緑色および青色のカラーフィルタを備えるこ
とで、赤色、緑色および青色の発光輝度および色純度が
良好なマルチカラーの表示パネル或いは照明パネルとな
り得て、かつ、フルカラー表示にも対応可能となる。
概略構成を示す断面模式図である。
n(X=0.5)のX線回折パターンを示す説明図であ
る。
ドギャップエネルギーと格子間距離との関係を示す説明
図である。
(Zn0.75Mg0.25S:Mn/SrS:Ce/Zn0.75
Mg0.25S:Mn積層膜)の発光スペクトルを示す説明
図である。
概略構成を示す断面模式図である。
(Zn0.75Mg0.25S:Mn/CaGa2 S4 :Ce/
Zn0.75Mg0.25S:Mn積層膜)の発光スペクトルを
示す説明図である。
概略構成を示す断面模式図である。
(Zn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Tm/Zn0.5
Mg0.5 S:Mn積層膜)の発光スペクトルを示す説明
図である。
概略構成を示す断面模式図である。
(Zn0.5 Mg0.5 S:Mn単層膜)の発光スペクトル
を示す説明図である。
の概略構成を示す断面模式図である。
(Zn0.5 Mg0.5 S:Mn/ZnS:Mn/Zn0.5
Mg0.5 S:Mn積層膜)の発光スペクトルを示す説明
図である。
の各発光波長の比較を示す説明図である。
積層膜からなる発光層の発光スペクトルを示す説明図で
ある。
率特性を示す説明図である。
す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<
1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合物
を添加してなる層と、ZnSからなる母材に発光中心と
してMn又はMn化合物を添加してなる層とが積層され
た積層膜を、少なくとも備えていることを特徴とする薄
膜エレクトロルミネッセンスパネル。 - 【請求項2】発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<
1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合物
を添加してなる層と、SrS、BaS、CaS、Sr
1-X Ba X S(0<X<1)、Sr 1-X Ca X S(0<X<
1)又はBa 1-X Ca X S(0<X<1)からなる母材に
発光中心としてCe又はCe化合物を添加してなる層と
が積層された積層膜を、少なくとも備えていることを特
徴とする薄膜エレクトロルミネッセンスパネル。 - 【請求項3】発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<
1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合物
を添加してなる層と、SrGa 2 S 4 、BaGa 2 S 4 、C
aGa 2 S 4 、Sr 2 Ga 2 S 5 、Ba 2 Ga 2 S 5 又はCa 2
Ga 2 S 5 からなる母材に発光中心としてCe又はCe化
合物を添加してなる層とが積層された積層膜を、少なく
とも備えていることを特徴とする薄膜エレクトロルミネ
ッセンスパネル。 - 【請求項4】発光層として、Zn 1-X Mg X S(0<X<
1)からなる母材に発光中心としてMn又はMn化合物
を添加してなる層と、ZnSからなる母材に発光中心と
してTm又はTm化合物を添加してなる層とが積層され
た積層膜を少なくとも備えていることを特徴とする薄膜
エレクトロルミネッセンスパネル。 - 【請求項5】発光面側に、発光層からの光を分光するカ
ラーフィルタが備えられている請求項1、2、3、又は
4記載の薄膜エレクトロルミネッセンスパネル。
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JP29148495A JP3442918B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 薄膜エレクトロルミネッセンスパネル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29148495A JP3442918B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 薄膜エレクトロルミネッセンスパネル |
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JP3442918B2 true JP3442918B2 (ja) | 2003-09-02 |
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- 1995-11-09 JP JP29148495A patent/JP3442918B2/ja not_active Expired - Fee Related
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