JP3445055B2 - 薬剤散布車 - Google Patents

薬剤散布車

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JP3445055B2
JP3445055B2 JP10642596A JP10642596A JP3445055B2 JP 3445055 B2 JP3445055 B2 JP 3445055B2 JP 10642596 A JP10642596 A JP 10642596A JP 10642596 A JP10642596 A JP 10642596A JP 3445055 B2 JP3445055 B2 JP 3445055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピードスプレ
ーヤ等の薬剤散布車に係り、詳しくは小型化に有利な薬
剤散布車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−69558号公報は、薬剤
散布車の全長及び幅を低減するために、エンジン室にお
いて、エンジン本体を、その長手方向を薬剤散布車の前
後方向へ揃えて、配設するとともに、ラジエータを、薬
剤散布車の前後方向へエンジン本体と重複させつつ、向
きを側方にして、配設している。また、ラジエータで
は、冷却ファンは、ラジエータ本体に対してエンジン本
体とは反対側にあり、エンジン本体の方から空気を吸引
して、ラジエータ本体を通過させ、エンジン室の外へ排
出しており、これにより、エンジン室の外の噴霧がエン
ジン室内へ吸引されて、エンジン室内の各部品が、薬剤
の噴霧のために腐蝕する弊害を回避している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−6955
8号公報の薬剤散布車の問題点は次のとおりである。 (a)エンジン室からの排出風を、実質的に真横、すな
わち、噴頭部からの放出噴霧風に対してほぼ平行に流す
ので、放出噴霧風が、エンジン室からの空気の排出力と
して全く役立っていない。 (b)ラジエータは真横に向けられるので、最小旋回半
径を低減するために、エンジン室カバー側壁部を含む車
体後部を、平面視で後方へ向かってつぼむ形状にする場
合、ラジエータがエンジン室カバー側壁部から遠ざかっ
てしまい、ラジエータの冷却ファンによるエンジン室の
外への空気の排出効率が低下する。 (c)冷却ファンは、ラジエータ本体から空気を吸引す
るようになっているので、冷却ファン及びその駆動モー
タ等は、ラジエータ本体を通過した熱風に晒され、高い
耐熱性を要求される。
【0004】この発明の目的は、上述の問題点を克服す
る薬剤散布車を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の薬剤散布車(1
0)によれば、エンジン室(16)及び噴頭部(20)は、それぞ
れ前側及び後ろ側の位置関係で隣接して配設され、エン
ジン本体(28)は長手方向を薬剤散布車(10)の前後方向に
揃えてエンジン室(16)内に配設され、エンジン室カバー
側壁部(26)は換気用通孔を備えている。ラジエータ(34)
は、ラジエータ本体(36)と冷却ファン(38)とを備え、薬
剤散布車(10)の前後方向へエンジン本体(28)と位置範囲
を重複しつつ、エンジン室(16)の真横に対して噴頭部(2
0)からの放出噴霧風に斜めとなる向きでエンジン室(16)
内に配設されている。冷却ファン(38)は生成風の向きを
エンジン室(16)の内から外とされている。
【0006】エンジン室(16)内の空気は、冷却ファン(3
8)により吸引されて、ラジエータ本体(36)を通過し、エ
ンジン室カバー側壁部(26)の換気用通孔を経てエンジン
室(16)の外へ排出され、それから、噴頭部(20)からの放
出噴霧風と合流する。また、噴頭部(20)からの放出噴霧
風は、エンジン室(16)からの排出風と交差する結果、エ
ンジン室(16)からの排出風を吸引するので、排出風の風
力が増大する。こうして、冷却ファン(38)単独でエンジ
ン室(16)内の換気及びラジエータ本体(36)の冷却を行う
のに比して、換気性能及び冷却性能を高めることができ
る。
【0007】この発明の他の薬剤散布車(10)によれば、
エンジン室(16)及び噴頭部(20)は、それぞれ前側及び後
ろ側の位置関係で隣接して配設されている。エンジン室
カバー側壁部(26)は、後方へ向かってエンジン室(16)の
左右幅を漸減する形状とされ、かつ換気用通孔を備えて
いる。エンジン本体(28)は長手方向を薬剤散布車(10)の
前後方向に揃えてエンジン室(16)内に配設されている。
ラジエータ(34)は、ラジエータ本体(36)と冷却ファン(3
8)とを備え、薬剤散布車(10)の前後方向へエンジン本体
(28)と位置範囲を重複しつつ、エンジン室カバー側壁部
(26)にほぼ対峙する向きで、エンジン室(16)内に配設さ
れている。冷却ファン(38)は生成風の向きをエンジン室
(16)の内から外とされている。
【0008】エンジン室(16)が、左右方向幅を後方へ向
かって漸減する形状とされることにより、薬剤散布車(1
0)の旋回時の旋回方向最外部が旋回中心に接近すること
になり、薬剤散布車(10)の最小旋回半径が大幅に縮小す
る。一方、ラジエータ(34)は、後方へ向かって左右幅を
漸減する形状のエンジン室カバー側壁部(26)に向ける結
果、冷却ファン(38)による生成風は、薬剤散布車(10)の
真横に対して斜めの向きとなり、噴頭部(20)からの放出
噴霧風の方へ向かう。これにより、エンジン室(16)内の
空気は、冷却ファン(38)により吸引されて、ラジエータ
本体(36)を通過し、エンジン室カバー側壁部(26)の換気
用通孔を経てエンジン室(16)の外へ排出され、それか
ら、噴頭部(20)からの放出噴霧風と合流する。放出噴霧
風は、合流して来るエンジン室(16)からの排出風を吸引
するので、排出風の風力が増大する。こうして、冷却フ
ァン(38)単独でエンジン室(16)内の換気及びラジエータ
本体(36)の冷却を行うのに比して、換気性能及び冷却性
能を高めることができる。
【0009】この発明の他の薬剤散布車(10)によれば、
エンジン室(16)及び噴頭部(20)は、それぞれ前側及び後
ろ側の位置関係で隣接して配設されている。エンジン本
体(28)は長手方向を薬剤散布車(10)の前後方向に揃えて
エンジン室(16)内に配設され、エンジン室カバー側壁部
(26)は換気用通孔を備えている。ラジエータ(34)は、ラ
ジエータ本体(36)と冷却ファン(38)とを備え、薬剤散布
車(10)の前後方向へエンジン本体(28)と位置範囲を重複
しつつ、換気用通孔の方へ向けられて、エンジン室(16)
内に配設されている。冷却ファン(38)は生成風の向きを
エンジン室(16)の内から外とされている。風向規定部材
は、換気用通孔からの排出風を、噴頭部(20)からの放出
噴霧風の方へ向けるように、換気用通孔に装備されてい
る。
【0010】風向規定部材は、換気用通孔からの排出風
を、噴頭部(20)からの放出噴霧風の方へ向けるので、エ
ンジン室(16)内の空気は、冷却ファン(38)により吸引さ
れて、ラジエータ本体(36)を通過し、エンジン室カバー
側壁部(26)の換気用通孔を経てエンジン室(16)の外へ排
出され、それから、噴頭部(20)からの放出噴霧風と合流
する。この合流では、放出噴霧風は排出風を吸引するの
で、排出風の風力が増大する。こうして、冷却ファン(3
8)単独でエンジン室(16)内の換気及びラジエータ本体(3
6)の冷却を行うのに比して、換気性能及び冷却性能を高
めることができる。風向規定部材のない場合には、エン
ジン室(16)からの排出風はラジエータ(34)の向きの方向
へ流れることになるが、風向規定部材により、排出風
を、ラジエータ(34)の向きによる方向を修正して、適切
な斜め後方の向き、例えば放出噴霧風への排出風の合流
点が噴頭部(20)に近く、放出噴霧風による排出風の吸引
力の強い方へ排出風を向かわせることができる。
【0011】この発明の薬剤散布車(10)によれば、冷却
ファン(38)はラジエータ本体(36)に対してエンジン本体
(28)側に配設されている。
【0012】冷却ファン(38)は、ラジエータ本体(36)に
対してエンジン本体(28)側に配設されて、ラジエータ本
体(36)の通過風を生成するので、ラジエータ本体(36)側
から吸引した空気をラジエータ本体(36)側へ吐出するこ
とになる。したがって、冷却ファン(38)は、ラジエータ
本体(36)を通過する高温空気に晒されないので、温度上
昇を適当に抑制される。結果、冷却ファン(38)及び(冷
却ファン(38)がモータ駆動の場合には)モータの耐熱性
を低下できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明を
説明する。図1はエンジン室16内だけ透視して示すスピ
ードスプレーヤ10の平面図である。スピードスプレーヤ
10は、前側から順番に、運転手が乗り込んでスピードス
プレーヤ10の運転を行う運転席12、液状の薬剤を貯留す
る薬剤タンク14、エンジン本体28等が配設されるエンジ
ン室16、周辺部に沿って複数個のノズル18を配列されて
いる噴頭部20、及びスピードスプレーヤ10の後方から吸
入した空気を噴頭部20へ吐出する送風機22を備えてい
る。各ノズル18はその各位置において噴頭部20の放射方
向外方へ向けられており、各ノズル18からの薬剤は、噴
霧となって、噴頭部20の放射方向外方へ放出される。ス
ピードスプレーヤ10は、運転席12及び薬剤タンク14の範
囲では左右方向幅を一定に保持し、エンジン室16、噴頭
部20、及び送風機22の範囲では、後方へ向かって左右方
向幅を漸減させ、これにより、スピードスプレーヤ10の
最小旋回半径をより小さくさせている。αは、エンジン
室16、噴頭部20、及び送風機22の平面視の外輪郭線のテ
ーパ角の1/2を表わし、例えば30〜45°である。
【0014】エンジン室カバー24は、エンジン室16を覆
いつつ、左右の部分がエンジン室16の天井部中央におい
て枢支され、その枢支点の周りの回動により上方へ開く
翼(ウィング)式になっているか、又は、エンジン室16
の天井部前方において枢支され、その枢支点の周りの回
動により全体が薬剤タンク14側に開く方式になってい
る。エンジン室カバー24の側壁部26は、また、スピード
スプレーヤ10の後部の左右方向幅のテーパ形状のため
に、スピードスプレーヤ10の真横に対して斜めである、
側方へ斜め後方の向きとなっている。左右の側壁部26に
は、エンジン室16内の換気を行うための換気用通孔が形
成されており、安全上、換気用通孔には網が取り付けら
れているか、換気用通孔の個数を増大しつつ、各換気用
通孔の寸法を適当に小さくされている。エンジン室16内
では、エンジン本体28は、その長手方向(=出力軸方
向)をスピードスプレーヤ10の前後方向にされて、配設
される。噴霧ポンプ30は、エンジン本体28の側方に配設
され、ベルト32を介してエンジン本体28からの回転動力
により運転され、薬剤タンク14内の薬剤を吸入して、噴
頭部20のノズル18へ送出する。ラジエータ34は、エンジ
ン本体28に対して噴霧ポンプ30とは左右方向反対側の側
縁部において側壁部26に対峙して、配設されている。図
1では、αは30〜45°であるので、側壁部26及びラ
ジエータ本体36は、面を、スピードスプレーヤ10の真横
に対して30〜45°、斜め後方へ向けることになる。
ラジエータ34は、エンジン本体28へホース40,42を介し
て連通し、エンジン本体28からの冷却液の循環通路とし
てのラジエータ本体36、及びラジエータ本体36に対して
エンジン本体28側に配設されてラジエータ本体36の通過
風を生成する冷却ファン38を備えている。冷却ファン38
は、例えばモータにより駆動されるが、エンジン本体28
からの回転動力により駆動されてもよい。
【0015】エンジン本体28の回転動力は、スピードス
プレーヤ10の駆動輪(図示せず)の駆動力に使用される
とともに、送風機22の回転動力にも使用される。送風機
22がスピードスプレーヤ10の後方から吸入した空気は、
送風機22から噴頭部20へ供給され、ノズル18からの薬剤
噴霧を巻き込んで、噴頭部20の放射方向外方へ、すなわ
ちスピードスプレーヤ10の前後方向に対して直角方向の
側方及び上方へ放出される。一方、冷却ファン38は、エ
ンジン本体28側から空気を吸入して、ラジエータ本体36
へ吐出する。冷却ファン38は、ラジエータ本体36を通過
した熱風に晒されないので、冷却ファン38及びその駆動
モータの耐熱性を低下させることができる。
【0016】冷却ファン38により生成されかつラジエー
タ本体36を通過した風は、側壁部26の換気用通孔を経て
スピードスプレーヤ10の側方の斜め後方へ(真横に対し
て30〜45°斜め後方へ)向かって排出される。噴頭
部20からの放出噴霧風は、噴頭部20の放射方向外方へ向
かって放出されているので、側壁部26からの排出風と合
流するとともに、その排出風を吸引する力をもつ。した
がって、排出風の風力は増大し、エンジン室16内の空気
の排出流量及びラジエータ本体36の通過風量は増大し、
エンジン室16の換気性能及びラジエータ本体36の放熱性
能が増大する。
【0017】エンジン室カバー24の側壁部26の換気
用通孔に、向きを調整自在又は固定の風向規定部材とし
てのルーバを設けてもよい。スピードスプレーヤ10の
運転中では、このルーバは、エンジン室16からの排出
風をスピードスプレーヤ10の側方の斜め後方へ向け、
排出風を噴頭部20からの放出噴霧風に合流させる。
ーバがない場合には、エンジン室16からの排出風は、
真横に対して斜め後方へ30〜45゜の角度で流れる
が、適当なルーバを設けることにより、この角度を適当
に修正できる。例えば、噴頭部20からの放出噴霧風へ
の排出風の合流点を、ルーバによりもっと噴頭部20へ
近い所、すなわち吸引力の強い所へ変更することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン室内だけ透視して示すスピードスプレ
ーヤの平面図である。
【符号の説明】
10 スピードスプレーヤ(薬剤散布車) 16 エンジン室 20 噴頭部 26 側壁部(エンジン室カバー側壁部) 28 エンジン本体 34 ラジエータ 36 ラジエータ本体 38 冷却ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 17/00 - 17/08 A01M 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン室(16)及び噴頭部(20)が、それ
    ぞれ前側及び後ろ側の位置関係で隣接して配設され、エ
    ンジン室カバー側壁部(26)は、後方へ向かって前記エン
    ジン室(16)の左右幅を漸減する形状とされ、かつ換気用
    通孔を備え、エンジン本体(28)は長手方向を薬剤散布車
    (10)の前後方向に揃えて前記エンジン室(16)内に配設さ
    れ、ラジエータ(34)は、ラジエータ本体(36)と冷却ファ
    ン(38)とを備え、前記薬剤散布車(10)の前後方向へ前記
    エンジン本体(28)と位置範囲を重複しつつ、前記エンジ
    ン室カバー側壁部(26)にほぼ対峙する向きで、前記エン
    ジン室(16)内に配設され、前記冷却ファン(38)は生成風
    の向きを前記エンジン室(16)の内から外とされているこ
    とを特徴とする薬剤散布車。
  2. 【請求項2】 前記冷却ファン(38)は前記ラジエータ本
    体(36)に対して前記エンジン本体(28)側に配設されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の薬剤散布車。
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