JP3443013B2 - 液晶注入方法および液晶注入装置 - Google Patents

液晶注入方法および液晶注入装置

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JP3443013B2
JP3443013B2 JP27111298A JP27111298A JP3443013B2 JP 3443013 B2 JP3443013 B2 JP 3443013B2 JP 27111298 A JP27111298 A JP 27111298A JP 27111298 A JP27111298 A JP 27111298A JP 3443013 B2 JP3443013 B2 JP 3443013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の製
造方法および製造装置に関し、特に液晶表示装置に用い
られる液晶セルに液晶を注入する液晶注入方法および液
晶注入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶セル内への液晶の注入は、液
晶を溜めておいた皿の中に液晶パネルを浸すことによっ
て行われていた。しかし、この方法によれば、液晶注入
後液晶セル外部に余分な液晶が付着するという問題や、
液晶の注入に必要な機構装置および操作方法が複雑であ
るという問題があった。
【0003】これに対して、例えば、特開昭60−41
017号公報には、液晶パネルに付着する液晶量を低減
するために、支持棒に繊維状部材を巻き付け、その一部
を下方に配置した液晶皿(液晶溜め)の液晶に浸し、毛
細管現象を利用して液晶を注入する方法が開示されてい
る。また、特開昭61−17121号公報においても、
同様の液晶注入方法が開示されている。
【0004】ここで、図5に、特開昭60−41017
号公報に開示された液晶注入装置の概略を示す。
【0005】複数個の液晶セル51が形成された多数枚
取り液晶パネル52の各液晶セル51の液晶注入口53
が、繊維状部材54の上端部54aに当接している。そ
して、繊維状部材54の下端部54bは液晶皿57に溜
められた液晶であるベース液晶56に浸されている。そ
のため、液晶は毛細管現象によって繊維状部材54中を
上端部54aまで吸い上げられ、多数枚取り液晶パネル
52の各液晶セル51内に流入し、充填されることにな
る。ここで、繊維状部材54の上端部54aは、液晶注
入口53に対向する位置に、支持棒55によって支持さ
れている。
【0006】さらに、特開昭63−37315号公報に
は、多孔質弾性体よりなる液晶注入用スポンジを液晶注
入口に合わせた幅で細長く形成し、これをスポンジホル
ダにセットして液晶を注入することにより、液晶パネル
への付着による液晶のロスを低減させるとともに、生産
性を向上させることができる液晶注入方法が開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭60−41017号公報や特開昭61−1712
1号公報に開示されている方法では、多数枚取り液晶パ
ネルを生産レベルで複数枚注入するためには、液晶セル
に注入する液晶に加えて、ベース液晶として液晶皿の中
に溜めておく多量の液晶が必要であるという問題が生ず
る。
【0008】この場合、液晶皿の中にベース液晶として
溜められている液晶とノズルとして使用している繊維状
部材に滞留している液晶との量だけ、いつまでたっても
注入されることがなく、注入ロスとなる。
【0009】そして、液晶皿に貯められた液晶は、生産
が始まると数日間は大気にさらされる。そのため、液晶
が酸化して、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの
イオン濃度が高くなり、電圧保持率が低下する。ただ、
電圧保持率が低下した液晶であっても、例えば、ノート
型コンピュータおよびモニター用途のスーパー・ツイス
テッド・ネマティック(super-twisted-nematic )液晶
表示装置に使用する場合であれば、不具合は生じていな
かった。
【0010】しかし、近年急激に生産量が増大してきた
携帯情報端末(携帯電話、ページャー等)用途において
は、その使用環境からノート型コンピュータおよびモニ
ター用途よりも広い動作保証が必要となる。そして、こ
のような用途に電圧保持率が低下した(65%以下)液
晶を使用すると、高温での同一パターン連続動作により
表示ムラと呼ばれるしきい値ムラ不良が発生し、液晶表
示装置の信頼性が著しく低下することが確認されてい
る。
【0011】さらに、上記の特開昭60−41017号
公報に開示されている方法では、支持棒に巻き付けられ
る繊維状部材に、各液晶セルの液晶注入口の分断精度に
より生じる段差の吸収材や、多数枚取り液晶パネルと接
触した時の緩衝材としての役割を併せてもたせるため、
繊維状部材を何重にも巻き付ける必要があり、ここでも
多量のロス液晶が発生する。
【0012】また、特開昭63−37315号公報に開
示されている方法には、つぎのような問題がある。すな
わち、液晶を注入する液晶セルを変更する場合には、液
晶注入口の幅に応じて、液晶注入用スポンジとスポンジ
ホルダとを適宜交換する必要がある。また、スポンジホ
ルダの固定方法、液晶を変更する時の洗浄等を考慮する
と、ある程度以上多く(例えば、10個以上)の液晶注
入口を備えた多数枚取り液晶パネルには不向きである。
さらに、おのおのの液晶注入用スポンジをスポンジホル
ダに収納するため、液晶と治具との接触面積が大きくな
り、液晶の電圧保持率が大きく低下する。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、液晶セルに液晶を注入す
る際に発生する液晶のロスを低減するとともに、一定の
電圧保持率を有する液晶表示装置を製造することができ
る液晶注入方法および液晶注入装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の液晶注入方法
は、上記の課題を解決するために、液晶セルの液晶注入
口に対向して基盤上に載置された軟質棒状治具である
持部材を緩やかに覆うように、液晶を含浸させた繊維状
部材を該基盤上に載置して、液晶注入時に該繊維状部材
と該液晶セルの該液晶注入口以外の部位との接触を低減
するように該繊維状部材の該当接部位を該基盤から突出
させ、真空中で該繊維状部材の該当接部位と該液晶セル
の該液晶注入口とを当接させた後、この状態で大気圧に
戻すことにより、該液晶セル内外の気圧差によって、該
液晶を該繊維状部材から該液晶セル内へ注入することを
特徴としている。
【0015】上記の構成により、繊維状部材を、液晶セ
ルの液晶注入口と当接する当接部位のみが液晶セルに接
触するようにできる。これにより、液晶セルの液晶注入
口以外の場所へ不要な液晶が付着することを防止でき
る。よって、液晶のロスを低減することができる。
【0016】さらに、繊維状部材の当接部位以外に含浸
させた液晶をベース液晶とすることができる。これによ
り、液晶溜めが不要になり、ベース液晶の量を大きく減
らすことができる。よって、液晶セルに注入されるべき
液晶が長時間ベース液晶として液晶溜めで大気にさらさ
れることがないため、液晶の電圧保持率が低下せず、常
に高比抵抗で安定した液晶を生産レベルで注入できる。
すなわち、ベース液晶の劣化による液晶のロスを大幅に
低減することができる。
【0017】以上より、液晶のロスを最小限に抑えるこ
とができるため、トータルでの液晶の使用量を大幅に低
減できる。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示
装置を製造することができる。
【0018】請求項2の液晶注入方法は、上記の課題を
解決するために、請求項1の構成に加えて、上記繊維状
部材にて、含浸した液晶に含まれるイオンを吸着するこ
とを特徴としている。
【0019】上記の構成により、請求項1の構成による
作用に加えて、繊維状部材によって、含浸した液晶に含
まれるイオンを吸着することにより、液晶の電圧保持率
をさらに高く維持することができる。
【0020】よって、繊維状部材にイオン吸着部材を採
用するだけで、より信頼性の高い液晶表示装置を製造す
ることができる。
【0021】請求項3の液晶注入方法は、上記の課題を
解決するために、請求項1または2の構成に加えて、一
定枚数の上記液晶セルに液晶を注入するごとに、上記繊
維状部材に該液晶セルに注入された量の液晶を含浸させ
ることを特徴としている。
【0022】上記の構成により、請求項1または2の構
成による作用に加えて、繊維状部材3に短時間の内に注
入される分量だけの液晶を含浸させることにより、連続
して注入工程を行うことができる。このとき、必要以上
の液晶が大気にさらされることがなく、液晶の電圧保持
率が低下しない。すなわち、液晶溜めの中でベース液晶
が劣化せず、液晶のロスがない。
【0023】よって、液晶のロスを最小限に抑えなが
ら、液晶の注入工程を一定回数連続して行うことができ
る。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示装置
を、効率よく製造することができる。
【0024】請求項4の液晶注入装置は、上記の課題を
解決するために、液晶を含浸した繊維状部材と、液晶注
入時に該繊維状部材の当接部位を液晶セルの液晶注入口
と当接するように支持する軟質棒状治具である支持部材
と、これら繊維状部材および支持部材を載置する基盤と
を排気可能な真空槽内に備え、該繊維状部材は該支持部
材を緩やかに覆うように該基盤上に載置されているとと
もに、該支持部材は、液晶注入時に該繊維状部材と該液
晶セルの該液晶注入口以外の部位との接触を低減するよ
うに該繊維状部材の該当接部位を該基盤から突出させる
形状を有し、該液晶セルの該液晶注入口とは該繊維状部
材の該当接部位を介して対向する位置に該基盤上に載置
されていることを特徴としている。
【0025】上記の構成により、繊維部材を支持部材で
支持することによって、繊維状部材を、液晶セルの液晶
注入口と当接する当接部位のみが液晶セルに接触するよ
うにできる。これにより、液晶セルの液晶注入口以外の
場所へ不要な液晶が付着することを防止できる。よっ
て、液晶のロスを低減することができる。
【0026】さらに、繊維状部材の当接部位以外に含浸
させた液晶をベース液晶とすることができる。これによ
り、液晶溜めが不要になり、ベース液晶の量を大きく減
らすことができる。よって、液晶セルに注入されるべき
液晶が長時間ベース液晶として液晶溜めで大気にさらさ
れることがないため、液晶の電圧保持率が低下せず、常
に高比抵抗で安定した液晶を生産レベルで注入できる。
すなわち、ベース液晶の劣化による液晶のロスを大幅に
低減することができる。
【0027】以上より、液晶のロスを最小限に抑えるこ
とができるため、トータルでの液晶の使用量を大幅に低
減できる。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示
装置を製造することができる。
【0028】請求項5の液晶注入装置は、上記の課題を
解決するために、請求項4の構成に加えて、上記繊維状
部材は、含浸した液晶に含まれるイオンを吸着する機能
を有することを特徴としている。
【0029】上記の構成により、請求項4の構成による
作用に加えて、繊維状部材によって、含浸した液晶に含
まれるイオンを吸着することにより、液晶の電圧保持率
をさらに高く維持することができる。
【0030】よって、繊維状部材にイオン吸着部材を採
用するだけで、より信頼性の高い液晶表示装置を製造す
ることができる。
【0031】請求項6の液晶注入装置は、上記の課題を
解決するために、請求項4または5の構成に加えて、上
記繊維状部材は、一定枚数の上記液晶セルに液晶が注入
されるごとに、該液晶セルに注入された量の液晶が含浸
されることを特徴としている。
【0032】上記の構成により、請求項4または5の構
成による作用に加えて、繊維状部材に短時間の内に注入
される分量だけの液晶を含浸させることにより、連続し
て注入工程を行うことができる。このとき、必要以上の
液晶が大気にさらされることがなく、液晶の電圧保持率
が低下しない。すなわち、液晶溜めの中でベース液晶が
劣化せず、液晶のロスがない。
【0033】よって、液晶のロスを最小限に抑えなが
ら、液晶の注入工程を一定回数連続して行うことができ
る。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示装置
を、効率よく製造することができる。
【0034】請求項7の液晶注入装置は、上記の課題を
解決するために、請求項4から6の何れかの構成に加え
て、上記の基盤および支持部材の互いの接触面が、それ
ぞれ鏡面加工されていることを特徴としている。
【0035】上記の構成により、請求項4から6の何れ
かの構成による作用に加えて、基盤の鏡面加工面に、支
持部材の鏡面加工面を合わせることによって、支持部材
を基盤上に密着させて固定することができる。
【0036】よって、液晶注入時の脱泡によっても支持
部材および繊維状部材が移動せず、液晶の注入を安定し
て行うことができる。したがって、液晶の注入不良の発
生が防止できる。
【0037】また、支持部材と基盤とに固定のための構
造物を備えず、それぞれの接触面が鏡面加工されている
だけであるため、液晶セルの種類の変更などにより液晶
注入口の位置が変わっても調整可能であるとともに、固
定のための構造物への液晶の付着がないため、液晶のロ
スが少ない。
【0038】請求項8の液晶注入装置は、上記の課題を
解決するために、請求項4から7の何れかの構成に加え
て、上記支持部材は短辺の長さが上記液晶セルの上記液
晶注入口の幅と略同一である矩形状の平板であり、複数
枚の該支持部材が、複数枚の該液晶セルが形成された多
数枚取り液晶パネルの各液晶注入口に対向するように、
互いに平行に上記基盤上に載置されるとともに、隣接す
る該支持部材間にて該基盤と接触しながら複数枚の該支
持部材を覆うように配設される上記繊維状部材は、隣接
する該支持部材間の部位に切り目状の穴が配設されてい
ることを特徴としている。
【0039】上記の構成により、請求項4から7の何れ
かの構成による作用に加えて、繊維状部材の隣接する支
持部材間で基盤に接触する部位に切り目状の穴を配設す
ることにより、液晶注入時の脱泡によって生じる空気を
この穴から抜くことができる。
【0040】よって、液晶注入時の脱泡によっても支持
部材および繊維状部材が移動せず、液晶の注入を安定し
て行うことができる。したがって、液晶の注入不良の発
生が防止できる。さらに、ベース液晶の量を低減するこ
とができる。
【0041】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の一実施
の形態について図1から図3に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。
【0042】本実施の形態にかかる液晶注入装置は、真
空槽内において、複数個の液晶セルが形成された多数枚
取り液晶パネルが複数枚装着されたカセットをセット
し、真空排気した後に、各液晶セルの液晶注入口と、液
晶注入治具の液晶を含浸した繊維状部材とを接触させた
後、真空槽内を大気圧状態に戻し、気圧差により液晶を
液晶セル内に注入するものである。
【0043】図3に示すように、上記液晶注入装置は、
真空槽21と、カセット22と、カセット支持部23
と、可動テーブル24と、真空ポンプ25と、液晶注入
治具26とを備えて構成されている。
【0044】上記真空槽21は、真空ポンプ25によ
り、多数枚取り液晶パネル12(図1)がセットされた
カセット22および液晶注入治具26を装着した状態
で、内部の雰囲気を真空状態にまで排気減圧することが
できる。なお、真空槽21は、例えばベルジャーであ
る。また、真空ポンプ25は、例えばロータリーポンプ
である。
【0045】上記カセット22は、複数個の液晶セル1
1(図1)が形成された多数枚取り液晶パネル12が、
複数枚ごとにカセット22に垂直にそして互いに平行に
重なった状態でセットされる。そして、上記カセット2
2は、液晶注入治具26がカセットにより支持された各
液晶セル11の一列に並んだ液晶注入口13(図1)に
当接し得るように、液晶注入口13を露出する開口を有
し、かつ細長く形成されている。
【0046】上記カセット支持部23は、可動テーブル
24上に載置されて昇降する液晶注入治具26が、カセ
ット22にセットされた各液晶セル11の一列に並んだ
液晶注入口13に当接し得るように、液晶注入口13を
液晶注入治具26に対向させて、カセット22を支持す
る。
【0047】上記可動テーブル24は、矢印U・D方向
に昇降可能であり、載置面上に液晶注入治具26が載置
される。可動テーブル24は、液晶注入治具26を液晶
注入時には液晶セル11に当接するまで上昇させ、それ
以外の時は待機位置に下降させておく。
【0048】つぎに、図1および図2を用いて、上記液
晶注入治具26を説明する。
【0049】図2に示すように、液晶注入治具26は、
平滑板(基盤)1と、軟質棒状治具(支持部材)2と、
繊維状部材3とを備えて構成されている。
【0050】上記平滑板1は、軟質棒状治具2との接触
面が研磨された、例えばステンレス板である。
【0051】上記軟質棒状治具2は、平滑板1との接触
面が鏡面加工された、例えばシリコンゴムの平板であ
る。
【0052】上記繊維状部材3は、カセット22にセッ
トされた多数枚取り液晶パネル12の各液晶セル11に
注入するに十分な量の液晶を含浸した、例えばガラス繊
維、カーボン繊維、コットン不織布である。
【0053】上記の平滑板1および軟質棒状治具2の互
いの接触面は、それぞれ十分な滑らかさに加工されてい
る。このように、平滑板1の鏡面加工面と、軟質棒状治
具2の鏡面加工面を合わせることにより、軟質棒状治具
2が平滑板1上に密着して固定されるため、液晶の脱泡
においても移動することはない。また、平滑板1と軟質
棒状治具2とに固定のための構造物を備えず、それぞれ
の接触面が鏡面加工されているだけであるため、液晶セ
ル11の種類の変更などにより液晶注入口13の位置が
変わっても調整可能であるとともに、固定のための構造
物への液晶の付着がないため、液晶のロスが少ない。
【0054】上記軟質棒状治具2は、短辺が液晶注入口
13の幅にほぼ等しく、長辺がカセット22にセットさ
れたすべての多数枚取り液晶パネル12に直交する方向
で対向できるだけの長さを有する棒状の平板である。
【0055】そして、上記軟質棒状治具2は、カセット
22にセットされた多数枚取り液晶パネル12の各液晶
セル11の液晶注入口13に対向して、液晶注入口13
の数だけ互いに平行に配設される。
【0056】なお、軟質棒状治具2は、繊維状部材3の
液晶注入口13に当接する部位を他の部位より上方で支
持できる形状であればよい。しかし、図2に示したよう
に、軟質棒状治具2を矩形状の平板とすることにより、
カセット22に装着された多数枚取り液晶パネル12の
間隔が変わっても、同じ軟質棒状治具2を使用すること
ができるため、軟質棒状治具2を汎用化することができ
る。
【0057】さらに、上記軟質棒状治具2の上には、繊
維状部材3が軟質棒状治具2を緩やかに覆うように配設
される。
【0058】このように、軟質棒状治具2と繊維状部材
3を配設することにより、繊維状部材3に段差が形成さ
れる。すなわち、図1に示したように、繊維状部材3に
は、多数枚取り液晶パネル12の下端面に接触している
部位(当接部位)と、多数枚取り液晶パネル12の下端
面より軟質棒状治具2の厚さd2だけ離れた部位が交互
に形成されることになる。言い換えれば、図1では、軟
質棒状治具2により、繊維状部材3の液晶注入口13に
接触する部分が軟質棒状治具2の厚さd2だけ平滑板1
より高い位置に保持される。
【0059】このように、繊維状部材3の液晶注入口1
3に接触する部分と平滑板1との間に軟質棒状治具2を
介在させることにより、多数枚取り液晶パネル12の液
晶注入口13以外の場所への不要な液晶の付着を防ぐこ
とができる。
【0060】また、軟質棒状治具2は、適当な弾性を有
する材質より形成されており、多数枚取り液晶パネル1
2への繊維状部材3の当接による衝撃を和らげる緩衝材
の役割も果たしている。
【0061】このため、軟質棒状治具2は、硬度が適切
な範囲に設定されていることが好ましい。軟質棒状治具
2の硬度が小さすぎると、必要以上の液晶が多数枚取り
液晶パネル12の下端面に付着するため、液晶のロスが
多くなる。また、軟質棒状治具2の硬度が大きすぎる
と、多数枚取り液晶パネル12の分断公差を吸収できな
いため、液晶セル11内に気泡が入り込み、液晶を完全
に注入できないという注入不良が発生する。
【0062】上記繊維状部材3は、平滑板1上に複数本
互いに平行に配設された軟質棒状治具2の上を緩やかに
覆うように配設されている。すなわち、繊維状部材3
は、軟質棒状治具2と軟質棒状治具2との間において、
たるみがあり、平滑板1と接触している。
【0063】上記繊維状部材3の厚みは、なるべく薄い
方が好ましい。なぜならば、繊維状部材3の厚みd3が
厚いと、多数枚取り液晶パネル12の液晶注入口13以
外の場所への不要な液晶の付着が多くなるとともに、繊
維状部材3に滞留する液晶量が増大するといった不具合
が生じ、生産でのタクトアップにつながるからである。
【0064】上記繊維状部材3は、毛細管現象により液
晶を液晶注入口13に導き、かつ、ベース液晶を保持す
る役割を果たしている。すなわち、軟質棒状治具2によ
って支持されている部位は液晶注入口13に当接して液
晶を注入する。そして、液晶注入口13との当接部位が
含んでいる液晶が減少すると、平滑板1と接触している
部位を含む他の部位にベース液晶として含まれている液
晶が毛細管現象により当接部位に供給されることにな
る。ここで、ベース液晶とは、繊維状部材3中におい
て、液晶注入口13との当接部位以外の場所に溜められ
ており、液晶注入口13との当接部位に含まれている液
晶が減少すると、当接部位に移動する液晶である。
【0065】また、繊維状部材3の平滑板1と接触して
いる部分の中央部には、軟質棒状治具2の長手方向に沿
って切れ目状の穴3a(図2)が設けられている。穴3
aの大きさは、液晶注入口13の数により決定される軟
質棒状治具2の配置本数により異なるが、なるべく大き
い方が好ましい。
【0066】このように、繊維状部材3の平滑板1との
接触部位に穴3aを設けることにより、液晶の脱泡時に
生じる空気が穴3aを通って抜けるため、脱泡により繊
維状部材3が移動することはない。また、穴3aを設け
ることにより、ベース液晶の量を低減することができ
る。
【0067】さらに、液晶を含浸した繊維状部材3は、
軟質棒状治具2を上から押さえつける役割も果たしてい
ることから、1枚物が好ましい。
【0068】つづいて、上記のような構成を有する液晶
注入装置による液晶注入の動作は、次のとおりである。
【0069】まず、真空槽21内において、多数枚取り
液晶パネル12が装着されたカセット22をカセット支
持部23にセットする。あわせて、可動テーブル24の
載置面上に、平滑板1と、軟質棒状治具2と、液晶を含
浸させた繊維状部材3とを上述したように所定の位置に
配設する。
【0070】つぎに、真空槽21を密閉し、真空ポンプ
25により排気して、真空槽21の内部を真空状態(1
×10-2〜1×10-4Torr程度)にする。
【0071】つづいて、可動テーブル24を上昇させ
て、液晶注入治具26の繊維状部材3を液晶セル11の
液晶注入口13に押し当てる。その結果、液晶注入口1
3を形成する液晶注入口13の外周部(開口端部)と繊
維状部材3が密着する。
【0072】最後に、真空槽21の内部を大気圧状態に
戻し、気圧差により液晶を繊維状部材3から液晶セル1
1内へ注入する。
【0073】さらに、連続して液晶注入を行う場合に
は、最初に繊維状部材3に含浸させる液晶の量を、連続
して液晶注入処理を行うカセット22の数に応じて設定
し、連続注入処理の後、液晶セル11に注入された量
(減少量)分の液晶を、繊維状部材3に追加して含浸さ
せればよい。
【0074】このように、繊維状部材3には短時間の内
に注入される分量だけの液晶を含浸させることにより、
連続して注入工程を行うことができるとともに、必要以
上の液晶が大気にさらされることがなく、液晶の電圧保
持率が低下しない。すなわち、従来のように、液晶溜め
の中でベース液晶が劣化せず、液晶のロスがない。よっ
て、液晶のロスを最小限に抑えながら、液晶の注入工程
を一定回数連続して行うことができる。
【0075】なお、液晶の追加方法については、機械的
に制御することも可能である。例えば、可動テーブル2
4の昇降回数をカウントし、一定回数ごとに定量の液晶
を繊維状部材3に滴下することができる。
【0076】また、さらに高い比抵抗の維持を必要とす
る場合は、繊維状部材3としてナトリウムイオン、カリ
ウムイオン、カルシウムイオン等を吸着する機能をもつ
イオン吸着部材を使用することにより、達成可能であ
る。すなわち、液晶は大気にさらされると酸化して、ナ
トリウム、カリウム、カルシウムなどのイオン濃度が高
くなり、電圧保持率が低下する。そこで、繊維状部材3
をイオン交換樹脂のようなもので構成することにより、
含浸された液晶のイオン濃度を低下させて、電圧保持率
を高く維持することができる。
【0077】以上のように、本実施の形態にかかる液晶
注入装置では、平滑板1と、軟質棒状治具2と、繊維状
部材3とを備えた液晶注入治具26を用いることによ
り、繊維状部材3を、液晶セル11の液晶注入口13と
当接する当接部位のみが液晶セル11に接触するように
できる。
【0078】これにより、液晶注入口13以外の場所へ
不要な液晶が付着することを防止できる。よって、液晶
のロスを低減することができる。
【0079】さらに、繊維状部材3の当接部位以外に含
浸させた液晶をベース液晶とすることができる。
【0080】これにより、液晶溜めが不要になり、ベー
ス液晶の量を大きく減らすことができる。よって、液晶
セル11に注入されるべき液晶が長時間ベース液晶とし
て液晶溜めで大気にさらされることがないため、液晶の
電圧保持率が低下せず、常に高比抵抗で安定した液晶を
生産レベルで注入できる。すなわち、ベース液晶の劣化
による液晶のロスを大幅に低減することができる。
【0081】以上より、液晶のロスを最小限に抑えるこ
とができるため、トータルでの液晶の使用量を大幅に低
減できる。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示
装置を製造することができる。
【0082】また、本実施の形態にかかる液晶注入装置
では、繊維状部材3によって、含浸した液晶に含まれる
イオンを吸着することにより、液晶の電圧保持率をさら
に高く維持することができる。
【0083】よって、繊維状部材3にイオン吸着部材を
採用するだけで、より信頼性の高い液晶表示装置を製造
することができる。
【0084】なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定
するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能
であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0085】
【実施例】本発明の一実施例について図1から図4に基
づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0086】本実施例にかかる液晶注入装置は、ベルジ
ャー(真空槽21)内において、30mm×22mmの
小型の液晶セル11が13個形成された80本の多数枚
取り液晶パネル12を1ロットとしてカセット22にセ
ットし、液晶を注入するものである(図1)。
【0087】本実施例では、液晶注入治具26として、
表面を研磨されたステンレス板(平滑板1)(290m
m×320mm)の上面に、下面を鏡面加工されたシリ
コンゴム(軟質棒状治具2)(320mm×3.5mm
×3mm)を配置し、その上にコットン不織布(繊維状
部材3)(285mm×315mm×1mm)を配置す
る(図1、図2)。
【0088】ここで、上記のシリコンゴムの厚みd2お
よびコットン不織布の厚みd3は、表1の実験結果によ
り、シリコンゴムの厚みd2(図1)を3mm、シリコ
ンゴム上にコットン不織布を配置した状態でのトータル
の厚みd(=d2+d3)(図1)を5mm以下になる
ように設定している。なお、シリコンゴムとコットン不
織布とのトータルの厚みdが3mmから5mmになるよ
うに設定することにより、コットン不織布に滞留する液
晶量を極限まで低減することができた。
【0089】
【表1】
【0090】また、シリコンゴムの硬度(JIS規格K
6301)は30度から70度の範囲に設定する。シリ
コンゴムの硬度が30度を下回ると、必要以上の液晶が
多数枚取り液晶パネル12の下端面に付着するため液晶
のロスとなる。シリコンゴムの硬度が70度を超える
と、多数枚取り液晶パネル12の分断公差を吸収できな
いため、液晶セル11内に気泡が入り液晶が完全に注入
できないといった注入不良が発生する。
【0091】つづいて、図4は、本実施例および従来例
における液晶の注入回数と電圧保持率との関係を示すグ
ラフである。
【0092】従来の注入方法(特開昭60−41017
号公報)では、液晶の注入回数が増えるにつれて、液晶
の電圧保持率が低下した。
【0093】これに対して、本実施例の方法では、液晶
を5回(80本×5回)注入するごとに、繊維状部材3
に液晶を20gずつ追加することにより、常に高い比抵
抗で安定した液晶を注入することができた。
【0094】さらに、繊維状部材3としてナトリウムイ
オン、カリウムイオン、カルシウムイオン等を吸着する
機能をもつイオン吸着部材を使用し、液晶を5回(80
本×5回)注入するごとに、繊維状部材3に液晶を20
gずつ追加することによって、より高い比抵抗を維持す
ることができた。
【0095】また、本実施例の構成によれば、例えば、
13枚取りの小型液晶セル11を形成した多数枚取り液
晶パネル12の80本を1ロットとして注入する場合、
ベース液晶は20gあれば十分であった。
【0096】これに対して、従来の特開昭60−410
17号公報や特開昭61−17121号公報に記載され
ているような液晶皿を使用する方法では、ベース液晶が
約1000g必要であった。また、特開昭63−373
15号公報に記載されている液晶注入用スポンジを使用
する方法では、ベース液晶が約80g必要であった。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明の液晶注入方法は、以上
のように、液晶セルの液晶注入口に対向して基盤上に載
置された軟質棒状治具である支持部材を緩やかに覆うよ
うに、液晶を含浸させた繊維状部材を該基盤上に載置し
て、液晶注入時に該繊維状部材と該液晶セルの該液晶注
入口以外の部位との接触を低減するように該繊維状部材
の該当接部位を該基盤から突出させ、真空中で該繊維状
部材の該当接部位と該液晶セルの該液晶注入口とを当接
させた後、この状態で大気圧に戻すことにより、該液晶
セル内外の気圧差によって、該液晶を該繊維状部材から
該液晶セル内へ注入する構成である。
【0098】それゆえ、液晶セルの液晶注入口以外の場
所へ不要な液晶が付着することを防止できる。よって、
液晶のロスを低減することができる。さらに、液晶溜め
が不要になり、ベース液晶の量を大きく減らすことがで
きる。よって、液晶セルに注入されるべき液晶が長時間
ベース液晶として液晶溜めで大気にさらされることがな
いため、液晶の電圧保持率が低下せず、常に高比抵抗で
安定した液晶を生産レベルで注入できる。すなわち、ベ
ース液晶の劣化による液晶のロスを大幅に低減すること
ができる。
【0099】以上より、液晶のロスを最小限に抑えるこ
とができるため、トータルでの液晶の使用量を大幅に低
減できる。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示
装置を製造することができるという効果を奏する。
【0100】請求項2の発明の液晶注入方法は、以上の
ように、請求項1の構成に加えて、上記繊維状部材に
て、含浸した液晶に含まれるイオンを吸着する構成であ
る。
【0101】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、繊維状部材にイオン吸着部材を採用するだけで、
より信頼性の高い液晶表示装置を製造することができる
という効果を奏する。
【0102】請求項3の発明の液晶注入方法は、以上の
ように、請求項1または2の構成に加えて、一定枚数の
上記液晶セルに液晶を注入するごとに、上記繊維状部材
に該液晶セルに注入された量の液晶を含浸させる構成で
ある。
【0103】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、液晶のロスを最小限に抑えながら、液晶
の注入工程を一定回数連続して行うことができる。した
がって、安価で、信頼性の高い液晶表示装置を、効率よ
く製造することができるという効果を奏する。
【0104】請求項4の発明の液晶注入装置は、以上の
ように、液晶を含浸した繊維状部材と、液晶注入時に該
繊維状部材の当接部位を液晶セルの液晶注入口と当接す
るように支持する軟質棒状治具である支持部材と、これ
ら繊維状部材および支持部材を載置する基盤とを排気可
能な真空槽内に備え、該繊維状部材は該支持部材を緩や
かに覆うように該基盤上に載置されているとともに、該
支持部材は、液晶注入時に該繊維状部材と該液晶セルの
該液晶注入口以外の部位との接触を低減するように該繊
維状部材の該当接部位を該基盤から突出させる形状を有
し、該液晶セルの該液晶注入口とは該繊維状部材の該当
接部位を介して対向する位置に該基盤上に載置されてい
る構成である。
【0105】それゆえ、液晶セルの液晶注入口以外の場
所へ不要な液晶が付着することを防止できる。よって、
液晶のロスを低減することができる。さらに、液晶溜め
が不要になり、ベース液晶の量を大きく減らすことがで
きる。よって、液晶セルに注入されるべき液晶が長時間
ベース液晶として液晶溜めで大気にさらされることがな
いため、液晶の電圧保持率が低下せず、常に高比抵抗で
安定した液晶を生産レベルで注入できる。すなわち、ベ
ース液晶の劣化による液晶のロスを大幅に低減すること
ができる。
【0106】以上より、液晶のロスを最小限に抑えるこ
とができるため、トータルでの液晶の使用量を大幅に低
減できる。したがって、安価で、信頼性の高い液晶表示
装置を製造することができるという効果を奏する。
【0107】請求項5の発明の液晶注入装置は、以上の
ように、請求項4の構成に加えて、上記繊維状部材は、
含浸した液晶に含まれるイオンを吸着する機能を有する
構成である。
【0108】それゆえ、請求項4の構成による効果に加
えて、繊維状部材にイオン吸着部材を採用するだけで、
より信頼性の高い液晶表示装置を製造することができる
という効果を奏する。
【0109】請求項6の発明の液晶注入装置は、以上の
ように、請求項4または5の構成に加えて、上記繊維状
部材は、一定枚数の上記液晶セルに液晶が注入されるご
とに、該液晶セルに注入された量の液晶が含浸される構
成である。
【0110】それゆえ、請求項4または5の構成による
効果に加えて、液晶のロスを最小限に抑えながら、液晶
の注入工程を一定回数連続して行うことができる。した
がって、安価で、信頼性の高い液晶表示装置を、効率よ
く製造することができるという効果を奏する。
【0111】請求項7の発明の液晶注入装置は、以上の
ように、請求項4から6の何れかの構成に加えて、上記
の基盤および支持部材の互いの接触面が、それぞれ鏡面
加工されている構成である。
【0112】それゆえ、請求項4から6の何れかの構成
による効果に加えて、液晶注入時の脱泡によっても支持
部材および繊維状部材が移動せず、液晶の注入を安定し
て行うことができる。したがって、液晶の注入不良の発
生が防止できるという効果を奏する。
【0113】また、支持部材と基盤とに固定のための構
造物を備えず、それぞれの接触面が鏡面加工されている
だけであるため、液晶セルの種類の変更などにより液晶
注入口の位置が変わっても調整可能であるとともに、固
定のための構造物への液晶の付着がないため、液晶のロ
スが少ないという効果を奏する。
【0114】請求項8の発明の液晶注入装置は、以上の
ように、請求項4から7の何れかの構成に加えて、上記
支持部材は短辺の長さが上記液晶セルの上記液晶注入口
の幅と略同一である矩形状の平板であり、複数枚の該支
持部材が、複数枚の該液晶セルが形成された多数枚取り
液晶パネルの各液晶注入口に対向するように、互いに平
行に上記基盤上に載置されるとともに、隣接する該支持
部材間にて該基盤と接触しながら複数枚の該支持部材を
覆うように配設される上記繊維状部材は、隣接する該支
持部材間の部位に切り目状の穴が配設されている構成で
ある。
【0115】それゆえ、請求項4から7の何れかの構成
による効果に加えて、液晶注入時の脱泡によっても支持
部材および繊維状部材が移動せず、液晶の注入を安定し
て行うことが可能となる。したがって、液晶の注入不良
の発生が防止できるという効果を奏する。さらに、ベー
ス液晶の量を低減することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に示す液晶注入装置により液晶セルに液晶
を注入する際の多数枚取り液晶パネルと液晶注入治具と
の位置関係を示す説明図である。
【図2】図3に示す液晶注入装置に備えられる液晶注入
治具の構成の概略を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる液晶注入装置の
構成の概略を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例および従来例における液晶の
注入回数と電圧保持率との関係を示すグラフである。
【図5】従来の技術にかかる液晶注入装置により液晶セ
ルに液晶を注入する際の多数枚取り液晶パネルと液晶注
入治具との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 平滑板(基盤) 2 軟質棒状治具(支持部材) 3 繊維状部材 3a 穴 11 液晶セル 12 多数枚取り液晶パネル 13 液晶注入口 21 真空槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−41017(JP,A) 特開 昭61−275726(JP,A) 特開 昭62−14620(JP,A) 特開 平6−269718(JP,A) 特開 平6−235897(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1341 G02F 1/13

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶セルの液晶注入口に対向して基盤上に
    載置された軟質棒状治具である支持部材を緩やかに覆う
    ように、液晶を含浸させた繊維状部材を該基盤上に載置
    して、液晶注入時に該繊維状部材と該液晶セルの該液晶
    注入口以外の部位との接触を低減するように該繊維状部
    材の該当接部位を該基盤から突出させ、 真空中で該繊維状部材の該当接部位と該液晶セルの該液
    晶注入口とを当接させた後、 この状態で大気圧に戻すことにより、該液晶セル内外の
    気圧差によって、該液晶を該繊維状部材から該液晶セル
    内へ注入することを特徴とする液晶注入方法。
  2. 【請求項2】上記繊維状部材にて、含浸した液晶に含ま
    れるイオンを吸着することを特徴とする請求項1記載の
    液晶注入方法。
  3. 【請求項3】一定枚数の上記液晶セルに液晶を注入する
    ごとに、上記繊維状部材に該液晶セルに注入された量の
    液晶を含浸させることを特徴とする請求項1または2記
    載の液晶注入方法。
  4. 【請求項4】液晶を含浸した繊維状部材と、 液晶注入時に該繊維状部材の当接部位を液晶セルの液晶
    注入口と当接するように支持する軟質棒状治具である
    持部材と、 これら繊維状部材および支持部材を載置する基盤とを排
    気可能な真空槽内に備え、 該繊維状部材は該支持部材を緩やかに覆うように該基盤
    上に載置されているとともに、 該支持部材は、液晶注入時に該繊維状部材と該液晶セル
    の該液晶注入口以外の部位との接触を低減するように該
    繊維状部材の該当接部位を該基盤から突出させる形状を
    有し、該液晶セルの該液晶注入口とは該繊維状部材の該
    当接部位を介して対向する位置に該基盤上に載置されて
    いることを特徴とする液晶注入装置。
  5. 【請求項5】上記繊維状部材は、含浸した液晶に含まれ
    るイオンを吸着する機能を有することを特徴とする請求
    項4記載の液晶注入装置。
  6. 【請求項6】上記繊維状部材は、一定枚数の上記液晶セ
    ルに液晶が注入されるごとに、該液晶セルに注入された
    量の液晶が含浸されることを特徴とする請求項4または
    5記載の液晶注入装置。
  7. 【請求項7】上記の基盤および支持部材の互いの接触面
    が、それぞれ鏡面加工されていることを特徴とする請求
    項4から6の何れかに記載の液晶注入装置。
  8. 【請求項8】上記支持部材は短辺の長さが上記液晶セル
    の上記液晶注入口の幅と略同一である矩形状の平板であ
    り、 複数枚の該支持部材が、複数枚の該液晶セルが形成され
    た多数枚取り液晶パネルの各液晶注入口に対向するよう
    に、互いに平行に上記基盤上に載置されるとともに、 隣接する該支持部材間にて該基盤と接触しながら複数枚
    の該支持部材を覆うように配設される上記繊維状部材
    は、隣接する該支持部材間の部位に切り目状の穴が配設
    されていることを特徴とする請求項4から7の何れかに
    記載の液晶注入装置。
  9. 【請求項9】上記支持部材と上記繊維状部材とのトータ
    ルの厚みdは、 3mm≦d≦5mm であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載
    の液晶注入方法。
  10. 【請求項10】上記支持部材と上記繊維状部材とのトー
    タルの厚みdは、 3mm≦d≦5mm であることを特徴とする請求項4から8の何れかに記載
    の液晶注入装置。
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