JP3442696B2 - 建築板搬送用カート - Google Patents

建築板搬送用カート

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JP3442696B2 JP24193499A JP24193499A JP3442696B2 JP 3442696 B2 JP3442696 B2 JP 3442696B2 JP 24193499 A JP24193499 A JP 24193499A JP 24193499 A JP24193499 A JP 24193499A JP 3442696 B2 JP3442696 B2 JP 3442696B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外壁に用い
て好適な建築板、特に、その裏面の防水性機能を向上さ
せた建築板を製造するのに用いられる好適な建築板搬送
用カートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築板塗装工程の最初に、建築板
の基板裏面に対してある程度の防水性を付与するために
バックシーラ塗装が行われる。その場合の塗布量として
は、ウェット状態で45〜55g/m2程度であり、乾
燥後のシーラ塗膜の厚みについは10〜20μm程度と
なっている。板裏面へのシーラ接着のため、ポーラスな
板内部に含浸したシーラ分だけ、膜厚は薄くなる。な
お、ここでシーラ(sealer)とは、多孔質な吸収性の大
きな被塗装面の孔を埋めるために用いられる塗料のこと
を言い、通常、無色透明のアクリルウレタン系塗料が多
く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板製造ラ
インで製造されたセメント基板(塗装前の状態の板のこ
とである)の裏面は、略平坦に成形されてはいるもの
の、基板全体としては細かな凹凸や多数の空隙があっ
て、更に、板の厚み方向の密度は必ずしも均質であると
は言い難い。そのため、前記建築板の連続塗装工程にお
けるバックシーラ塗布工程でのシーラ浸透性の面では、
どうしても部分的に塗布ムラが発生する不具合は避け難
く、そのような場合、所望の防水性効果を十分に発揮さ
せることはできない。
【0004】かと言って、通常の使用では直接目に触れ
ることのない建築板裏面に対して、シーラ塗布量を増や
すことは、大きく製品コストアップを招くことになるた
め、決して適切な対応策ではない。本来、シーラ層の発
揮すべき機能としては、表面の塗膜層とは違って、直接
に雨水が当たる部分ではないことから、基板裏面とし
て、ある程度の防水性が発揮できればよいということ
で、シーラ塗装が行われているのが現状である。このた
め、引っ掻き強度などの他の物性面においては、ほとん
ど注意が払われておらず、強度面では決して強い膜には
なっていない。
【0005】そのことに起因して、物流途上や施工現場
において引っ掻き傷などが発生する危険性は十分にあ
り、一旦引っ掻き傷などが発生してしまった場合には、
もはやその部分からの水の浸透は避けられない。また時
として、何らかの衝撃を受け、実部などが欠けてしまう
といった致命的な不具合を引き起こすこともなきにしも
あらずである。かかる現状に鑑みて本出願人は先に、セ
メント基板生地にプラスチックシートが裏打ちされてい
る「建築板及びその製造装置」を出願している(特願平
11−185410号)。
【0006】しかし、この出願の発明においても次の問
題点が残る。すなわち、図2(a) に示すように、建築板
201の表面から釘5(やビス)を打ち込んで留め付け
る施工法では、釘5が建築板201の裏面から突き出る
状態となるが、その突き出し部近傍206では、ひび割
れ状態となっており、セメント基板202破壊が起きて
いる。したがって、釘5の打ち込み部分(すなわち、釘
やビスと板との僅かな隙間)から建築板201裏面へ侵
入した雨水は、従来のシーラ層204塗布の場合や、前
回提案のプラスチックシート裏打ちの場合には、セメン
ト基板202裏面部へ回り込むことを回避することはで
きない。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑み、バックシー
ラ塗布と・それに続く乾燥工程とをなくし、従来は建築
板裏面に形成されていたシーラ層が有する防水性機能を
効果的に発揮させる構造であって、釘打ちをしてもなお
建築板の裏面を良好に保護することができる建築板を製
造するのに用いられる好適な建築板搬送用カートを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の建築板搬送用カ
ートは、搬送路を走行する走行手段と、建築板の前端部
を支持する前保持具と、前記建築板の後端部を支持する
後保持具と、を有し、該前保持具及び後保持具は、前記
搬送路よりも下の位置でクリヤ塗装後の前記建築板を支
持して、前記走行手段が走行する間に前記建築板を支持
する位置の前記搬送路からの距離を互いに独立に調整さ
れ、下方に対して傾斜角度を少しずつ低くしながら接近
させる支持手段と、を備えるものである。
【0009】た、前記走行手段は、無線通信による指
示を受信して、走行を開始することで、メインコントロ
ーラ等の制御の下で所望の時に所望の位置に移動するこ
とができる。また、前記カートが存在する位置に関する
情報を送信する通信手段を備えることで、メインコント
ローラ等の制御手段に該当カートが存在する位置を通知
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施の形態による建築板搬送用カートを
用いて製造される建築板の部分断面構造を示す図であ
る。建築板1は、セメント基板2の表面に表面塗装層3
を有し、裏面に発泡プラスチック、好適には、ポリエチ
レン(PE)発泡層4を裏打ちした構造を有する。セメ
ント基板2は、原料スラリーの抄造又は押出しにより多
孔質支持体上にフォーミングして作成した原料マットを
プレスして養生することにより作成する。原料スラリー
は、例えばポルトランドセメント、あるいはポルトラン
ドセメントに高炉スラグを混合した高炉セメント、フラ
イアッシュを混合したフライアッシュセメント、火山
灰、シリカヒューム、白土等のシリカ物質を混合したシ
リカセメント、アルミナセメント、高炉スラグ等のセメ
ント系無機水硬材料と、木粉、木毛、木片、木質繊維、
木質パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、木質繊維
束、故紙パルプ、麻繊維、バカス、モミガラ、稲わら、
竹繊維等の木質補強材と、所望なればパーライト、シラ
スバルーン、膨張頁岩、膨張粘土、焼成ケイ藻土、フラ
イアッシュ、石炭ガラ、発泡コンクリートの粉砕物等の
骨材やケイ酸アルカリ金属塩等の硬化促進剤、ロウ、ワ
ックス、パラフィン、界面活性剤、シリコン等の防水剤
や撥水剤等を水に分散して固形分を通常5〜20重量%
程度に調節したものである。
【0011】PE発泡層4は好適には常圧発泡法によっ
て発泡させた樹脂を用いる。耐薬品性に優れていること
から直鎖状ポリエチレンが好適である。再生可能である
ことから無架橋のものが好適である。材料密度を調整す
ることで、軟質タイプから半硬質タイプまでの幅広いタ
イプのPE発泡層4を製造することができる。また、発
泡剤の練り込み量を調整することにより、任意厚みのP
E発泡層4の成形ができる。PE発泡層4の厚みは、
0.5〜3.0mmが好適である。0.5mmより薄い
場合には、強度面で問題が発生し、防水性についてもそ
の機能を十分に発揮させることはできない。逆に、3.
0mmを越える厚みになると、建築板全体として必要以
上にかさばり商品価値が低下してしまう。。
【0012】常圧発泡法は、例えば、ポリエチレンやポ
リプロピレン等の発泡用オレフィン系樹脂組成物に予め
アゾジカルボンアミド等の熱分解型発泡剤を混合したも
のを、発泡剤が分解しない温度で押出機やロール等で溶
融混練し、該混練物を押出成形、プレス成形その他適宜
手段にて、シート状その他の適宜形状に予備成形し、該
予備成形品を加熱室に導入し、発泡剤の分解温度以上に
加熱することにより常圧で樹脂を発泡させる方法であ
る。
【0013】他に押出発泡法、加圧発泡法等の公知の発
泡法が適応できる。押出発泡法は、例えば、発泡用樹脂
組成物を押出機にて溶融混練し、上記押出機の混練部の
途中に設けられた発泡剤注入口よりジクロロテトラフル
オロエタン等の膨張性液体型発泡剤或いは炭酸ガス等の
不活性気体型発泡剤を溶融樹脂中に圧入するか、もしく
は、上記発泡用樹脂組成物に予めアゾジカルボンアミド
等の熱分解型発泡剤を混合したものを押出機にて溶融混
練し、これを押出用金型から適宜形状に発泡させながら
押出す方法である。
【0014】加圧発泡法は、例えば、発泡用樹脂組成物
を押出機やロール等で溶融混練し、該混練物を押出成
形、プレス成形その他適宜手段にて、シート状その他の
適宜形状に予備成形し、該予備成形品をオートクレーブ
等の圧力室に入れて加圧下に加熱し、ジクロロテトラフ
ルオロエタン等の膨張性液体型発泡剤又は炭酸ガス等の
不活性気体型発泡剤を上記予備成形品表面から含浸さ
せ、その後、圧力室の圧力を開放することにより発泡さ
せる方法である。
【0015】また、上記各発泡法で用いられる発泡剤
も、特に限定されるものではなく、低沸点有機溶剤、膨
潤剤等の膨張性液体型発泡剤、不活性気体型発泡剤、熱
分解型発泡剤等の如何なる発泡剤も使用することができ
る。図2は、釘打ちの場合の建築板裏面の割れ状況を説
明する図である。上述のように、図2(a) に示す従来の
シーラ層204塗布の場合や、前回提案のプラスチック
シート裏打ちの場合には、建築板201裏面へ侵入した
雨水はセメント基板202裏面部へ回り込むことを回避
することはできない。しかし、図2(b) に示すように本
発明の場合には、建築板1裏面における割れ及び欠けが
防止される。
【0016】図3は、本実施の形態を用いる建築板製造
装置のPE発泡層裏打ち加工工程を説明するフロー図で
ある。破線内が本発明による工程であり従来の工程に挿
入される。シーラ裏打ちをしていないことの他は通常の
建築板製造装置のクリヤ塗装後の乾燥工程(ステップS
101)から、被加工板aの供給を受けて(ステップS
102)、未発泡の状態の発泡プラスチックをコーティ
ングした基布11(後述する)を供給し(ステップS1
03)、その基布11を加熱することで発泡プラスチッ
クを昇温・融解・発泡させて(ステップS104)、基
布11と被加工板aとをラミネートさせて(ステップS
105)、急速冷却し(ステップS106)、被加工板
aを搬出し(ステップS107)、後は再度通常の建築
板製造装置の工程であるクーリング(ステップS10
8)、被加工板aの輪郭境界部よりはみ出した余分な発
泡プラスチックを切除すなわちトリミングして(ステッ
プS109)、検板(ステップS110)、出荷(ステ
ップS111)へと進む。
【0017】図4は、本実施の形態を用いる建築板製造
装置の構成を示す上面図、図5はその側面図である。被
加工板aは、キャリッジカートCC(図8以降に詳述す
る)によって、所定搬送路を運搬されるようになってい
るが、図4では、被加工板aが移動する位置を二点鎖線
で示す。
【0018】ロール状に巻かれた特殊ラミネートシート
(以下基布11と言うものとし、具体的には、図6に示
す)は、基布ロール12から繰り出された後、前部回転
ローラ13及び後部回転ローラ14によって駆動される
ピンテンター16にピン押さえロール15によってかけ
られて走行し、残基布ロール17に巻き取られる。ま
ず、基布11が遠赤外線加熱ゾーンZAを通過すること
で、遠赤外線ヒータ18によって、上方からの非接触加
熱処理を受けさせる。ここでは例えば、175℃で10
secの加熱処理を基布11に受けさせることで、基布
11上のPEコーティング部分32を常温(30℃)→
165℃に昇温させる。この昇温に伴って、該基布11
上のPEコーティング部分32は、軟化→融解と、状態
変化を起こしていく。そして、融解状態のままで、続く
ラミネート加工ゾーンZBへと移動して行く。
【0019】ラミネート加工ゾーンZBの側方には、板
供給ゾーンZCが設けられており、クリヤ塗装後の乾燥
機を出た被加工板aが、後述するキャリッジカートCC
にセットされた状態で搬入されて来る。板位置(1)か
ら板位置(2)に至るまでに、被加工板aを基布11の
上に載置するラミネート加工が実行される。
【0020】ラミネート加工にあたっては、通常の場
合、被加工板aの裏面を上にして加工する方が、被加工
板aを支持し易く、ラミネート加工自体も容易であり、
装置構成も簡単にすむことが多いと思われたが、例え
ば、搬送ローラを使用する場合などは板表面が傷つくお
それがなきにしもあらずであり(凹凸の激しい被加工板
aの場合は絶望的)、現に乾燥機からは、板表面を上に
して出て来るようになっているのが普通であるので、こ
こでは、板表面を上にしてラミネート加工する。
【0021】このラミネート加工では、既に発泡状態に
あるPEコーティング部分32に対して被加工板a裏面
を載置することでラミネート加工が行われるが、同時
に、ピンテンター16にかけられた基布11裏面をヒー
トロール19によって加熱して、例えば、PEコーティ
ング部分32が165℃→185℃まで温度上昇するよ
う制御を行う。このときの昇温カーブについては、実際
にテストを行うことによって決定されるが、最初は緩や
かに昇温させていくことで、発泡を緩やかに開始させ
る。そして、貼り合わせ位置に到達する直前位置におい
ては、例えば、60%程度の発泡度となるよう昇温し、
貼り合わせ位置では80%程度に達しており、その直後
には100%に達するといった時間経過を伴った発泡度
コントロールを行うものとし、ピンテンター16の走行
速度を考慮して昇温カーブを決定する。貼り合わせ後に
発泡状態のPEコーティング部分32の厚みがクリアラ
ンス調整ロール20によって所望の値に調整され、ピン
テンター16にかけられた基布11裏面に向けて冷風供
給ダクト21から冷風を当て、両側方に設けた排気ダク
ト22からその排気を行うことで第1段目の冷却処理を
行い、例えば、PEコーティング部分32が185℃→
140℃まで温度降下するよう制御を行う。
【0022】続いて上記ラミネート加工ゾーンZBを出
た被加工板a(そのときの状態は、長尺の連続する基布
11の上のPEコーティング部分32の上に被加工板a
が乗っかった状態となっている)は、その状態のままで
更に続く冷却ゾーンZDへと搬送され、そこで被加工板
aの表裏面に対して冷却処理がなされ、例えば、140
℃→70℃まで温度降下するように制御を行うものとし
ている。そして、板位置(3)においてピンテンター1
6から基布11を離脱させ、裏面にPE発泡層4が形成
された被加工板aを基布11から離脱させる。
【0023】その場合、アジャスタ23によって位置調
整されるピン外しロール24によって基布11が押し上
げられることで、基布11がピンテンター16に巻きつ
いていかないようにしている。また同時に、セパレート
ブレード25によって、PE発泡層4が裏にくっついた
被加工板aを基布11から離脱させるようにしている
(図7参照)。また、PE発泡層4が離脱された残りの
基布11については、残基布ロール17に巻き取られて
いくようにしている。
【0024】板位置(4)まで搬送されたラミネート済
の被加工板aは、そこでキャリッジカートCCから外さ
れ、下方の搬送ローラ26上に載置され、冷却ゾーンZ
Dから搬出される。ここで、搬送ローラ26の上面位置
は、ピンテンター16によって搬送される基布面位置よ
りも下方位置となるように設置されている。
【0025】冷却ゾーンZDでは、上部冷風供給ダクト
27及び下部冷風供給ダクト28から被加工板aの表裏
面に対して積極的に冷却風を吹きつけるようにしてお
り、吹きつけ後の空気は両側方に設けた排気ダクト29
から回収されるようにしている。キャリッジカートCC
は、カート戻りゾーンZEを通って、板供給ゾーンZC
におけるスタート位置まで戻る。
【0026】図6は、基布11を説明する図である。こ
の基布11は、例えば、長尺の耐熱性の再生PET(ポ
リエチレンテレフタレート)不織布(又は織布)31の
表面に、部分的に、被加工板a裏面から少しはみ出す程
度の面積で矩形状に未発泡のPEコーティング部分32
を所定間隔でコーティングしたものであり、コーティン
グに支障ない程度に耐熱性の離型剤を基布11の表面に
薄くコーティングしておくと、建築板1のPE発泡層4
からの再生PET不織布31の離脱動作をよりスムース
に実行できる。
【0027】なお、各PEコーティング部分32の基布
11上の間隔は、加工速度に従って決められるが、例え
ば、図4における板位置(2)を前のPEコーティング
部分32の位置とした場合に、後のPEコーティング部
分32の位置が、遠赤外線加熱ゾーンZAの手前の板位
置(0)となるような間隔とする。
【0028】図7は、ピンテンター16からの被加工板
aと残り基布11の離脱状況を示す図である。基布11
を破らないように適度に先端にRをとったセパレートブ
レード25を基布11とPE発泡層4の境界に調整可能
な適度の角度で当接させ、両者を分離する。
【0029】図8は、本実施の形態のキャリッジカート
CCの裏面の駆動系を示す図、図9は、キャリッジカー
トCCの構成を示す側面図、図10は、キャリッジカー
トCCの構成を示す正面図である。4輪駆動系の電気モ
ータ駆動の走行台車となっている。フロントホイル41
とリアホイル42から成る4輪(タイヤ)は、平板搬送
路51(図9参照)上を走行する。モータ43によって
プロペラシャフト44が駆動され、更に、フロントデフ
45及びリアデフ46によってそれぞれフロントホイル
41及びリアホイル42が駆動される。走行方向センタ
ーライン中央部には、センターガイドロール47が取り
付けられており、平板搬送路51のセンターライン上に
形成したセンターガイドレール52上を回転スライドし
ていくようにしており、キャリッジカートCCの蛇行を
防止している。
【0030】また、図8、図9に示すように、平板搬送
路51のセンターガイドレール52の両側には、キャリ
ッジカートCCの台車裏面部に取り付けられたパイプ状
の吊り手48が通過するための長穴53が形成されてい
る(なお、4コーナーの部分についてはL字状に切り欠
いている。)。
【0031】上記吊り手48の動作(下降動作と上昇復
帰動作)は互いに独立に制御可能になっていて、吊り手
48のパイプ上部に取り付けたラックギア54を操作す
ることによって行うが、その駆動は、図9及び図10に
示すステッピングモータ55と連動するピニオンギア5
6で行い、その回転数と回転方向を、図17に示す軌跡
曲線に基づいて作成したパルス変換プログラムに従って
制御する。キャリッジカートCCの台部40の上には他
にキャリッジカートCCの全体を制御するコントローラ
58、キャリッジカートCCの電源であるバッテリー5
7、及び、吊り手48からヒンジ59を介して接続され
た複動式エアシリンダー64と、そのピストンロッド6
0の先に所定間隔を保って設けられる2つの単動式エア
シリンダー61をエアホース62を介して駆動する小型
のコンプレッサ63を備える。
【0032】図11は建築板1の平面図である。本ラミ
ネート加工に供する建築板1を、例えば四方合決り形状
の被加工板aとした場合、被加工板aの柄部(塗装面)
67を上にして加工するためには、図中、左側部の雌実
部68と、右側部の雄実部69とを、図10に示すよう
に、夫々の側に位置させた単動式エアシリンダー61の
ピストンロッドの先端に取り付けた保持具66(なお、
表面にはゴムを被覆して摩擦力を高めている)で押圧P
1、P2、P3、P4することで被加工板aの両端を支
持する。また、単動式エアシリンダー61の上下位置に
ついては、複動式エアシリンダー64等によって調整し
てもよい。
【0033】図12は、図4に示す板供給ゾーンZC、
ラミネート加工ゾーンZB、冷却ゾーンZD、カート戻
りゾーンZEに設置されるキャリッジカートCCの全搬
送系を示す図である。全搬送系は、4つの矩形状搬送路
が輪状に連結されて形成されているが、2つの相対する
搬送路からなり、その一つは、2つの平板搬送路51で
あり、他の一つは、2つのチェーンコンベア72、76
によって形成されるカート台部40の裏面両側端部を支
持する搬送路となっている。
【0034】なお、便宜上、長方形のキャリッジカート
CCは上記搬送路の4隅部分にあるものとして表示して
いるが、各キャリッジカートCCの走行位置と、全搬送
路上で使用されるキャリッジカートCCの個数について
は、加工条件によって異なるものとなり、それぞれの場
合にスムースに加工が実行されるようコンピュータ制御
するものとしている。
【0035】図13は、図12に示す搬送系の動作を説
明する図である。 1.位置(1)にカートCCが到着したら、カート駆動モ
ータを停止する。 2.板搬入チェーンコンベア71をONして被加工板a
を位置(1)まで搬送して、板搬入チェーンコンベア71
をOFFする。 3.単動式エアシリンダー61のソレノイドバルブをO
Nして、被加工板aを吊り下げ状態でキャリッジカート
CCにセットする。
【0036】4.リミットスイッチを利用することで、
キャリッジカートCCの台部40の裏面を支持するリフ
タ(1)L,R73を上昇及び下降させて上方に設置され
た搬入チェーンコンベア72の上部チェーン走行位置ま
でキャリッジカートCCを上昇させる。 5.プッシャーA74を前進及び後退させて、キャリッ
ジカートCCを前方へ押し出すことで、位置(1)からキ
ャリッジカートCCを運転中の搬入チェーンコンベア7
2上に乗せる。 6.リミットスイッチを利用することで、搬入チェーン
コンベア72によって位置(2)までキャリッジカートC
Cを搬送する。
【0037】7.リミットスイッチを利用することで、
リフタ(2)L,R75を下降及び上昇させて平板搬送路
51上にキャリッジカートCCを降ろす。 8.モータ43を正転の方向に加速→等速→減速→停止
させることで、位置(2)から位置(3)までキャリッジカー
トCCを走行させる。 9.吊り手48のラックギア54によって被加工板aを
キャリッジカートCCから搬送ローラ26(図4、図5
参照)上に降ろす。単動式エアシリンダー61のソレノ
イドバルブOFF。
【0038】10.搬送ローラ26を運転及び停止する
ことで、被加工板aを搬出する。 11.リミットスイッチを利用することで、リフタ(3)
L,R77を上昇及び下降させて上方に設置された搬出
チェーンコンベア76の上部チェーン走行位置までキャ
リッジカートCCを上昇させる。 12.プッシャーB78を前進及び後退させて、位置
(3)からキャリッジカートCCを運転中の搬出チェーン
コンベア76上に乗せる。
【0039】13.リミットスイッチを利用すること
で、搬出チェーンコンベア76によって位置(4)までキ
ャリッジカートCCを搬送する。 14.リミットスイッチを利用することで、リフタ(4)
L,R79を下降及び上昇させて平板搬送路51上にキ
ャリッジカートCCを降ろす。 15.モータ43を逆回転の方向に加速→等速→減速→
停止させることで、位置(4)から位置(1)までキャリッジ
カートCCを走行させる。 16.1.の動作に戻る。
【0040】図14は、PEコーティング部分32(◆
と表す)と、これを裏面にラミネートする被加工板aを
搬送するキャリッジカートCC(◇と表す)の走行タイ
ミングを説明する図である。横軸は「◆」の走行路を示
し、合流点yから「◇」が合流する。(0)は図4に示
す板位置(0)を示し、検出点xにおいては「◆」の先
端部が通過したことをカラーマークセンサなどによって
検出する。PEコーティング部分32と被加工板aとを
ラミネートするためには、ラミネート時においてそれら
が共にほぼ同じ位置を同じ速度で走行しなければならな
い。しかし、「◆」は基布11上で等速走行しているの
に対し、「◇」は合流点yからラミネート加工のための
直接走行を開始するので、「◇」は「◆」が来る前のタ
イミングで走行を開始しておく必要がある。
【0041】図15は、「◆」と「◇」の速度を説明す
る図である。時間を横軸にとって、両者の速度を縦軸に
とっている。「◆」は等速度v1(ピンテンター16の
走行速度)で走行するのに対し、「◇」は初速度0から
スムースに速度を増していって速度v1まで加速して、
その後は等速度で走行する様子が示されている。両者の
速度が一致するまでの走行距離は速度の時間積分である
から図示の場合は「◆」がほぼ2倍の距離を走行するこ
とになる。そこで、この距離の差v1×t1(sec)
に相当する位置xで「◆」を検出するようにして、
「◆」が検出されたタイミングで「◇」を出発位置
(1)から走行開始させて加速させれば、「◇」の速度
が「◆」の速度と一致する時には、両者は同じ位置を同
じ速度で走行することになる。その後、「◆1」が検出
されてからt2秒後に「◆2」が検出位置xを通過する
ときは、同じく、カート2「◇2」を、その検出時刻に
出発位置(1)を出発させるものとする。この結果、先
行するカートと後続するカートとは、それぞれが出発位
置(1)を通過時点において、必ずt2秒経過相当の車
間距離がとられるように制御される。
【0042】このようにして、ピンテンターが等速運転
されており、「◆」が基布上に所定間隔でコーティング
されていさえすれば、カートの走行については、上述し
た搬送・走行制御が可能であり、ラミネート加工をスム
ースに実行することが可能となる。なお、出発位置
(1)や、搬送路各部の長さなどについては、カートの
搬送走行における誤差や、ピンテンター16とのタイミ
ング運転での許容される調整範囲内の最適長さに設定さ
れる。
【0043】図16及び図17は、ラミネート加工中に
おける吊り手48の動作を説明する図である。図4に示
す板位置(1)から→板位置(2)までキャリッジカー
トCCを走行させる間に、前後の吊り手48は、被加工
板aの前後各端部P,Qが図17に図示する軌跡を描く
ように、ラックギア54を使って夫々の長さを変化させ
るよう制御する。このように制御することで、被加工板
aの下方を走行する基布11の上面に対して、傾斜角度
を少しずつ低くしながら接近してゆく。そして、板位置
(2)において、被加工板a裏面は、完全にPEコーテ
ィング部分32の上に着床する。いわゆる、被加工板a
のPEコーティング部分32へのソフトランディングが
実現されることになり、空気を極力巻き込まずに、確実
なラミネートを行うことが可能となる。
【0044】上記吊り手48の動作(下降動作と上昇復
帰動作)は、吊り手48のパイプ上部に取り付けたラッ
クギア54を操作することによって行うが、その駆動
は、図9及び図10に示すステッピングモータ55で行
い、その回転数と回転方向を、図17に示す軌跡曲線に
基づいて作成したパルス変換プログラムに従って制御す
る。
【0045】図18は、本発明の実施の形態を用いる建
築板製造装置の全体構成を示す図である。キャリッジカ
ートCCの移動スケジュール101等を記憶するメモリ
102、及びアンテナ103により無線通信する無線部
104を有するメインコントローラ100は、所定の位
置でPEコーティング部分32の通過を検出するカラー
マークセンサ105、光電スイッチ等によりキャリッジ
カートCCの搬送路上の位置を検出する位置検出センサ
106、必要なデータを入力するためのキーボード10
7、及び、所望のデータを表示するディスプレイ108
が接続される。メインコントローラ100は以下の各部
を制御する。まず、表面温度計81によって被加工板a
の表面温度を検出して、送風ブロア82及び排気ブロア
83を制御する冷風・排気コントローラ84を制御す
る。ピンテンター16及び残基布ロール17を制御する
ピンテンター&残基布ロールコントローラ85を制御す
る。シート表面温度計86によって基布11の表面温度
を検出し、各ロール表面温度計87によって各ヒートロ
ール19の表面温度を検出して、遠赤外線ヒータ18及
びヒートロール19を制御するシート温度コントローラ
88を制御する。搬入チェーンコンベア72及び搬出チ
ェーンコンベア76を制御する。板搬入コンベア71及
びキャリッジカートCCの搬送を制御する板搬入&カー
ト搬送シーケンスコントローラ89を制御する。
【0046】走行制御プログラム111及び吊り手制御
プログラム112等を記憶するメモリ113、時刻を刻
むタイマ114及びアンテナ115により無線通信する
無線部116を有するカートコントローラ110は、キ
ャリッジカートCCの着地を検出するリミットスイッチ
117及びキャリッジカートCCのコーナ部到着を検出
する近接スイッチ118によって自身の動きを検出し
て、エアシリンダー制御ソレノイドバルブ120により
エアシリンダー61、64を制御し、前後ラックギア駆
動用ドライバ121によりステッピングモータ55を制
御し、コンプレッサ63を制御し、更に、DCモータド
ライバ119により走行用モータ43を制御する。
【0047】プッシャA制御部134は、アンテナ13
1により該当制御信号を無線受信する受信部132及び
キャリッジカートCCの搬送方向を変更するためのプッ
シャーA74を駆動するプッシャーA運転スイッチ13
3を有する。プッシャB制御部138は、アンテナ13
5により該当制御信号を無線受信する受信部136及び
キャリッジカートCCの搬送方向を変更するためのプッ
シャーB78を駆動するプッシャーB運転スイッチ13
7を有する。
【0048】使用するキャリッジカートCCには、個々
に、ID番号を持たせ、メインコントローラ100に予
め登録しておく。メインコントローラ100は、各キャ
リッジカートCCの運行状況について無線管理する。具
体的には、カラーマークセンサ105によるPEコーテ
ィング部分32の検知情報に従い、出発位置(1)にあ
るキャリッジカートCCに対して、出発を指示する。ま
た、各キャリッジカートCCは、例えば、カート搬送路
の4つのコーナ部に到着したことをメインコントローラ
100に無線連絡するようにすれば、メインコントロー
ラ100では、時刻の経過と共に、全キャリッジカート
CCが、カート搬送路上のどの位置にあるかを、おおよ
そ把握することができるので、これを表示情報に変換作
成してディスプレイ108に画面表示させることがで
き、異常事態の発見も可能となる。
【0049】図19は、各キャリッジカートCCが、コ
ーナ部に到着したことを認識する方法を示す図である。
4つのカート搬送路を、各キャリッジカートCCは矢印
で示す方向に進行する。そこで、カートの台部40の4
辺の中央部側面に近接スイッチSa,Sb,Sc,Sd
を取り付ける。近接スイッチSaは、進行方向の対面部
の金属面141を検出することで、コーナ部(1)への到
着を認識できる。同様に、近接スイッチSbはコーナ部
(2)への、近接スイッチScはコーナ部(3)への、近接ス
イッチSdはコーナ部(4)への到着を認識できる。
【0050】図20及び図21は、本実施の形態のカー
トコントローラ110の動作を説明するフロー図であ
る。まず、システム電源ONか否かを判断し(ステップ
S1)、NOであればシステム電源ONになるまで待機
する。YESであればメインコントローラ100との無
線通信設定を含む初期設定を行う(ステップS2)。
【0051】つぎにステップS3で、メインコントロー
ラ100からシステム停止指示があるか否かを判断し、
YESで停止指示がある場合は、システム停止処理を行
い(ステップS4)フローを終了する。NOでシステム
停止指示がなければ、自身に異常があるか否かを判断し
(ステップS5)、YESで異常がある場合には、メイ
ンコントローラ100に異常発生を連絡して(ステップ
S6)、ステップS4に進む。NOで異常がなければメ
インコントローラ100から位置の問い合わせがあるか
否かを判断し(ステップS7)、YESで問い合わせが
ある場合には、メインコントローラ100に位置情報に
関する応答メッセージを送って(ステップS8)、ステ
ップS7に進む。NOで問い合わせがなければ、位置
(1)に到着したか否かを判断し(ステップS9)、NO
で到着していなければ、到着するまで待機し、YESで
到着すれば、メインコントローラ100に位置(1)に到
着した旨の連絡メッセージを送り(ステップS10)、
被加工板aをセットして(ステップS11)、メインコ
ントローラ100から出発の指示があるか否かを判断し
(ステップS12)、NOで出発の指示がなければ指示
があるまで待機し、YESで出発の支持があればプッシ
ャーA74を運転させて、搬入チェーンコンベア72に
乗る。つぎに、位置(2)に到着したか否かを判断し(ス
テップS14)、NOで到着していなければ、到着する
まで待機し、YESで到着すれば、メインコントローラ
100に位置(2)に到着した旨の連絡メッセージを送り
(ステップS15)、図21に進み、キャリッジカート
CCが平板搬送路51に着地したか否かを判断し(ステ
ップS16)、NOで着地していなければ、着地するま
で待機し、YESで着地すれば、キャリッジカートCC
の走行を制御する(ステップS17)と共に、前後吊り
手48の長さを制御する(ステップS18)。そして、
位置(3)に到着したか否かを判断し(ステップS1
9)、NOで到着していなければ、到着するまで待機
し、YESで到着すれば、メインコントローラ100に
位置(3)に到着した旨の連絡メッセージを送り(ステッ
プS20)、被加工板aを搬送ローラ26上に降ろして
(ステップS21)、キャリッジカートCCの戻り搬送
及び戻り走行を制御して(ステップS22)、位置(4)
に到着したか否かを判断し(ステップS23)、NOで
到着していなければ、キャリッジカートCCの戻り搬送
及び戻り走行制御(ステップS22)を継続して、YE
Sで到着すれば、メインコントローラ100に位置(4)
に到着した旨の連絡メッセージを送り(ステップS2
4)、位置(1)に到着したか否かを判断し(ステップS
25)、NOで到着していなければ、キャリッジカート
CCの戻り搬送及び戻り走行制御(ステップS22)を
継続して、YESで到着すれば、ステップS10(図2
0)に戻る。
【0052】図22は、本実施の形態のメインコントロ
ーラ100の動作を説明するフロー図である。各制御項
目の詳細については、それぞれ、専用のコントローラに
実行させるものとしており、メインコントローラ100
では、あくまでも、それら各コントローラに対して、適
切な指示を与えるものとしている。まず、システム電源
ONか否かを判断し(ステップS31)、NOであれば
システム電源ONになるまで待機する。YESであれば
各カートコントローラ110との無線通信設定を含む初
期設定を行う(ステップS32)。
【0053】つぎにステップS3で、自身に異常がある
か否かを判断し、YESで異常がある場合にはシステム
停止処理を行い(ステップS34)、フローを終了す
る。NOで異常がなければ、カートコントローラ110
から異常発生の連絡があるか否かを判断し(ステップS
35)、YESで異常がある場合には、各キャリッジカ
ートCCのカートコントローラ110に対して同報通信
で異常連絡をして(ステップS36)、ステップS34
に進む。NOで異常発生の連絡がなければ、各キャリッ
ジカートCCの移動位置の管理制御(ステップS3
7)、基布11の走行と巻取の制御(ステップS3
8)、被加工板aの搬入及び搬出の制御(ステップS3
9)、該当基布11の加熱制御(ステップS40)、及
び、該当基布11及び被加工板aの冷却制御(ステップ
S41)を行って、ステップS33に戻る。
【0054】各キャリッジカートCCの移動位置の管理
制御(ステップS37)は図23及び図24によって詳
述する。基布11の走行と巻取の制御(ステップS3
8)では、ピンテンター16と残基布ロール17の同期
運転を指示する。
【0055】被加工板aの搬入及び搬出の制御(ステッ
プS39)では、搬入チェーンコンベア72と、搬出チ
ェーンコンベア76のタイミング運転を指示する。ま
た、カラーマークセンサ105による該当基布11の検
出に従い、出発位置(1)にあるキャリッジカートCCの
カートコントローラ110に対して、その出発を指示す
る。
【0056】該当基布11の加熱制御(ステップS4
0)では、カラーマークセンサ105による該当基布1
1の検出に従い、シート温度コントローラ88に対し
て、加熱開始・停止を指示する。シート温度コントロー
ラ88では、シート表面温度計86によって、加熱ゾー
ンZAを出た直後の該当基布11の温度を常に測定して
おり、例えばPID制御により、加熱条件を維持し、次
のPEコーティング部分32の到着までに、その加熱条
件の修正を行う。
【0057】該当基布11及び被加工板aの冷却制御
(ステップS41)では、ラミネート加工ゾーンZB及
び冷却ゾーンZDを被加工板aが通過するタイミングを
連絡する。冷風・排気コントローラ84では、各処理ゾ
ーン出口の被冷却対象物の表面温度を測定して、送風ブ
ロア82、排気ブロア83の風量コントロールを行う。
【0058】図23は、本実施の形態の各キャリッジカ
ートCCの移動位置の管理制御(ステップS37)の詳
細を説明するフロー図である。まず、最初のキャリッジ
カートCCの出発時刻を元に、各キャリッジカートCC
の移動スケジュール表を作成しメモリ102に記録する
(ステップS51)。つぎに、各キャリッジカートCC
から位置(1)に到着したことの連絡があるか否かを判断
し(ステップS52)、NOで連絡がなければ連絡を待
機し、YESで連絡があったらカラーマークセンサ10
5で該当PEコーティング部分32を検出したか否かを
判断し(ステップS53)、NOで検出していなければ
検出するまで待機し、YESで検出したら、位置(1)に
あるカートコントローラ110に対して出発を指示する
(ステップS54)。そして、所定のポーリング速度で
各カートコントローラ110に対して、いずれかのコー
ナ部に到着したか否かを問い合わせ(ステップS5
5)、返答があるか否かを判断し(ステップS56)、
NOで返答がなければいずれかのカートコントローラ1
10から割り込みの連絡があるか否かを判断し(ステッ
プS57)、NOで割り込みの連絡もなければステップ
S55に戻り、ステップS56又はS57でYESで返
答があるか又は割り込みがあったら、該当のカートコン
トローラ110から各コーナ毎の各ID番号と各キャリ
ッジカートCCの到着時刻を受信してメモリ102に記
録する(ステップS58)。そして、その記録によって
各キャリッジカートCCがスケジュールどおりに搬送路
上を移動しているか否かをチェックして(ステップS5
9)、異常があるか否かを判断し(ステップS60)、
NOで異常がなければステップS55に戻って、処理を
継続し、YESで異常があればステップS34(図22
参照)に進んでシステムを停止する。
【0059】2つ以上(多い場合には、4つ)のコーナ
部において、複数のキャリッジカートCCが同時に到達
して、メインコントローラ100に対する各カートコン
トローラ110からの無線連絡が重なってしまう不具合
を解消するために、本実施の形態では、所定のポーリン
グ速度でもって、メインコントローラ100から各カー
トコントローラ110に対して呼び出しをかけ、各コー
ナ部へのそれぞれの到着時刻についての問い合わせを行
うものとした。
【0060】その問い合わせに対して、各カートコント
ローラ110では、未連絡の到着情報がある場合には、
『自己のID番号』と、『直前に通過したコーナーヘの
到着時刻』と、『そのコーナ番号』とを応答メッセージ
としてメインコントローラ100ヘ連格する。また、メ
インコントローラ100では、ポーリングによる上記問
い合わせの間に、いずれかのカートコントローラ110
の側から直接に、コーナ部に到着したことについての連
絡メッセージがあった場合には、その連絡メッセージを
割り込み入力データとして受けつけるものとする。
【0061】この場合、各カートコントローラ110か
らの連絡メッセージとしては、『自己のID番号』と、
『到着したコーナーの到着時刻』と、『そのコーナ番
号』とする。キャリッジカートCCからのメッセージに
各コーナ部到着時刻からの経過時間の計測データを含ま
せると、各カートの搬送・走行路上のおおよその現在位
置も把握することができるようになる。
【0062】なお、上記応答メッセージと、連絡メッセ
ージとは、例えば、前者のメッセージデータに対してフ
ラグを立てることによって区別する。ステップS59で
のチェックは、それが応答メッセージである場合には、
「直前に通過したコーナ部として連絡したコーナ部に対
して、移動スケジュール表どおりに到着したか否か」
を、また、連絡メッセージである場合には、「連絡した
コーナ部に対して、移動スケジュール表どおりに到着し
たか否か」をチェックすることになる。
【0063】具体的に、連絡して来た到着時刻について
は、移動スケジュール表に示された予定到着時刻に対し
て、システム運行上許容される範囲内をOKとして、移
動スケジュール表内の連絡のあった該当コーナ番号の欄
における、連絡された到着時刻に近い予定到着時刻を検
索して、予定到着ID番号が連絡されて来たID番号と
一致するか否かを、チェックするものとしている。そこ
で、一致していなければ、連絡して来た、あるいは問い
合わせに対して応答したキャリッジカートCCは、移動
スケジュール表どおりに搬送・走行していないことにな
るので、直ちに、次なる「システム停止処理」を実行す
る。
【0064】システム停止処理の内、各カートコントロ
ーラ110に対しては、無線連絡によって、同報通信
で、システム停止処理の実行を指示する。また、その他
の駆動系に対しては、緊急停止をかける。その後、ソフ
ト上のシステム停止処理を実行する。図24は、本実施
の形態のステップS51(図23参照)で作成する移動
スケジュール表の例を示す図である。上述のように、各
コーナ毎の各ID番号と各キャリッジカートCCの到着
予定時刻を記録したものである。なお、本発明は上記実
施の形態に限定されるものではない。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明による建築板搬送
用カートは、搬送路よりも下側で建築板である被加工板
を支持して搬送するために重心が低くなって、建築板の
裏面を開放した状態を維持しつつ安定した走行を実現す
ることができる。また、前記支持手段は、前記建築板の
前端部を支持する前保持具と、前記建築板の後端部を支
持する後保持具と、を有することで、一般に長尺である
建築板の前端部及び後端部によって安定的に建築板を支
持することができる。さらに、前記前保持具及び後保持
具は、前記搬送路よりも下の位置でクリヤ塗装後の前記
建築板を支持して、前記走行手段が走行する間に前記建
築板を支持する位置の前記搬送路からの距離を互いに独
立に調整され、下方に対して傾斜角度を少しずつ低くし
ながら接近させることで、支持している建築板をスムー
スに下に降ろすことができる。
【0066】また、本発明による建築板搬送用カートを
用いて製造された建築板は、 (1).建築板裏面からの吸水が効果的に防止されるので、
板全体としての寸法変化が低減される。 (2).建築板裏面からのCO2の侵入がかなり防止される
ので、セメント板の炭酸化や、中性化が防止される。
【0067】(3).建築板裏面からの吸水が防止されるこ
とで内部からの塩素イオンの流出が防止されるため、鉄
骨下地などへの留め付けにあたっては、鉄の酸化(錆び
発生)が防止される。 (4).シーラ塗布の場合に比べて膜強度(引き裂き強度、
破裂強度など)が大きいため、引っ掻き傷や割れ・欠け
(特に、実部)などの発生を抑える。 (5).バックシーラの塗布工程及びその後の乾操工程がな
くなるため、エネルギーコストが大幅に低減され、トー
タル塗装コストの大幅低減が可能となる。
【0068】(6).鉄骨下地組に対して建築板を留め付け
る施工法では、建築板のきしみ音が防止される。 (7).建築板の表面から釘(やビス)を打ち込んで留め付
ける施工法では、独立気泡の弾力性に富む発泡層によっ
て、釘の突き出し部近辺が保護されるので、雨水をある
程度堰き止めることが可能となる。その結果、板裏面へ
の雨水の回り込みを、はるかに効果的に抑制することが
可能となる。 (8).発泡層が裏面に形成されたことにより、ある程度の
衝撃吸収性が発揮され、外力が加わったときでも細かく
割れが発生する現象がかなり緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による建築板搬送用カー
トを用いて製造される建築板の部分断面構造を示す図で
ある。
【図2】釘打ちの場合の建築板裏面の割れ状況を説明す
る図である。
【図3】本実施の形態を用いる建築板製造装置のPE発
泡層裏打ち加工工程を説明するフロー図である。
【図4】本実施の形態を用いる建築板製造装置の構成を
示す上面図である。
【図5】本実施の形態を用いる建築板製造装置の構成を
示す側面図である。
【図6】基布を説明する図である。
【図7】ピンテンターからの被加工板と残り基布の離脱
状況を示す図である。
【図8】本実施の形態のキャリッジカートの裏面の駆動
系を示す図である。
【図9】本実施の形態のキャリッジカートの構成を示す
側面図である。
【図10】本実施の形態のキャリッジカートの構成を示
す正面図である。
【図11】建築板の平面図である。
【図12】キャリッジカートの全搬送系を示す図であ
る。
【図13】搬送系の動作を説明する図である。
【図14】PEコーティング部分とキャリッジカートの
走行タイミングを説明する図である。
【図15】PEコーティング部分とキャリッジカートの
速度を説明する図である。
【図16】ラミネート加工中における吊り手の動作を説
明する図(その1)である。
【図17】ラミネート加工中における吊り手の動作を説
明する図(その2)である。
【図18】本実施の形態を用いる建築板製造装置の全体
構成を示す図である。
【図19】各キャリッジカートが、コーナ部に到着した
ことを認識する方法を示す図である。
【図20】本実施の形態のカートコントローラの動作を
説明するフロー図(その1)である。
【図21】本実施の形態のカートコントローラの動作を
説明するフロー図(その2)である。
【図22】本実施の形態のメインコントローラの動作を
説明するフロー図である。
【図23】本実施の形態の各キャリッジカートCCの移
動位置の管理制御の詳細を説明するフロー図である。
【図24】本実施の形態の移動スケジュール表の例を示
す図である。
【符号の説明】
1 建築板 2 セメント基板 3 表面塗装層 4 PE発泡層 11 基布 12 基布ロール 13 前部回転ローラ 14 後部回転ローラ 15 ピン押さえロール 16 ピンテンター 17 残基布ロール 18 遠赤外線ヒータ 19 ヒートロール 20 クリアランス調整ロール 21 冷風供給ダクト 22 排気ダクト 23 アジャスタ 24 ピン外しロール 25 セパレートブレード 26 搬送ローラ 27 上部冷風供給ダクト 28 下部冷風供給ダクト 29 排気ダクト 31 再生PET不織布 32 PEコーティング部分 40 台部 41 フロントホイル 42 リアホイル 43 モータ 44 プロペラシャフト 45 フロントデフ 46 リアデフ 47 センターガイドロール 48 吊り手 51 平板搬送路 52 センターガイドレール 53 長穴 54 ラックギア 55 ステッピングモータ 56 ピニオンギア 57 バッテリー 58 コントローラ 59 ヒンジ 60 ピストンロッド 61 単動式エアシリンダー 62 エアホース 63 コンプレッサ 64 複動式エアシリンダー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 35/00 B65G 47/60 - 47/61 B66C 13/08 B05C 13/00 - 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送路を走行する走行手段と、 建築板の前端部を支持する前保持具と、前記建築板の後
    端部を支持する後保持具と、を有し、該前保持具及び後
    保持具は、前記搬送路よりも下の位置でクリヤ塗装後の
    前記建築板を支持して、前記走行手段が走行する間に前
    記建築板を支持する位置の前記搬送路からの距離を互い
    に独立に調整され、下方に対して傾斜角度を少しずつ低
    くしながら接近させる支持手段と、を備えることを特徴
    とする建築板搬送用カート。
  2. 【請求項2】 前記走行手段は、無線通信による指示を
    受信して、走行を開始することを特徴とする請求項1記
    載の建築板搬送用カート。
  3. 【請求項3】 前記カートが存在する位置に関する情報
    を送信する通信手段を備えることを特徴とする請求項1
    記載の建築板搬送用カート。
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