JP3285844B2 - 建築板の製造装置 - Google Patents

建築板の製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外壁に用い
て好適な建築板、特に、その裏面の防水性機能を向上さ
せた建築板及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の建築板の連続塗装工程を
説明するフロー図である。まず、原板であるセメント基
板を投入し(ステップS21)、ロールコータによって
セメント基板の裏面にバックシーラを塗布することで裏
塗りを行い(ステップS22)、乾燥させて(1)(ステ
ップS23)、今度はセメント基板の表面に全面スプレ
ーによってシーラを塗布することで下塗りを行い(ステ
ップS24)、乾燥させて(2)(ステップS25)、再
び全面スプレーによって溝部の色に塗装することで中塗
を行い(ステップS26)、乾燥させて(3)(ステップ
S27)、ロールコータによって凸部を塗装することで
上塗りを行い(ステップS28)、乾燥させて(4)(ス
テップS29)、必要に応じてスパッタスプレーなどで
化粧塗りを行い(ステップS30)、全面スプレーによ
ってクリヤ塗装を行い(ステップS31)、乾燥させて
(5)(ステップS32)、空冷によるクーリングを行い
(ステップS33)、仕上がった建築板を検査して(ス
テップS34)、梱包し(ステップS35)、出荷して
(ステップS36)、フローを終了する。
【0003】図9に示すように、塗装工程の最初に、建
築板の基板裏面に対してある程度の防水性を付与するた
めにバックシーラ塗装が行われる。その場合の塗布量と
しては、ウェット状態で45〜55g/m2程度であ
り、乾燥後のシーラ塗膜の厚みについは10〜20μm
程度となっている。板裏面へのシーラ接着のため、ポー
ラスな板内部に含浸したシーラ分だけ、膜厚は薄くな
る。なお、ここでシーラ(sealer)とは、多孔質な吸収
性の大きな被塗装面の孔を埋めるために用いられる塗料
のことを言い、通常、無色透明のアクリルウレタン系塗
料が多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板製造ラ
インで製造されたセメント基板(塗装前の状態の板のこ
とである)の裏面は、略平坦に成形されてはいるもの
の、基板全体としては細かな凹凸や多数の空隙があっ
て、更に、板の厚み方向の密度は必ずしも均質であると
は言い難い。
【0005】そのため、前記建築板の連続塗装工程にお
けるバックシーラ塗布工程(ステップS22)でのシー
ラ浸透性の面では、どうしても部分的に塗布ムラが発生
する不具合は避け難く、そのような場合、所望の防水性
効果を十分に発揮させることはできない。かと言って、
通常の使用では直接目に触れることのない建築板裏面に
対して、シーラ塗布量を増やすことは、大きく製品コス
トアップを招くことになるため、決して適切な対応策で
はない。
【0006】本来、シーラ層の発揮すべき機能として
は、表面の塗膜層とは違って、直接に雨水が当たる部分
ではないことから、基板裏面として、ある程度の防水性
が発揮できればよいということで、シーラ塗装が行われ
ているのが現状である。このため、引っ掻き強度などの
他の物性面においては、ほとんど注意が払われておら
ず、強度面では決して強い膜にはなっていない。
【0007】そのことに起因して、物流途上や施工現場
において引っ掻き傷などが発生する危険性は十分にあ
り、一旦引っ掻き傷などが発生してしまった場合には、
もはやその部分からの水の浸透は避けられない。また時
として、何らかの衝撃を受け、実部などが欠けてしまう
といった致命的な不具合を引き起こすこともなきにしも
あらずである。
【0008】本発明は、かかる現状に鑑みてなされたも
のであり、バックシーラ塗布と・それに続く乾燥工程と
をなくし、従来は建築板裏面に形成されていたシーラ層
が有する防水性機能を効果的に発揮させる構造の建築板
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の建築板の製造装
置は、クリヤ塗装工程に続く乾燥機の出口で建築板の温
度を測定する温度測定手段と、該温度に応じて前記乾燥
機の加熱手段を制御する制御手段と、該制御手段により
温度制御される前記建築板を発熱体として建築板にプラ
スチックシートを溶融接着することにより裏打ちする裏
打ち手段とを備える。これにより、搬出建築板の板温度
を、プラスチックシートの溶融接着に利用することがで
きるし、その後に高温に加熱する工程がないので裏打ち
したプラスチックシートを損傷することがない。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施の形態による建築板の部分断面構造
を示す図である。建築板1は、セメント基板2の表面に
表面塗装層3を有し、裏面にプラスチックシート、好適
には、ポリエチレンシート4を裏打ちした構造を有す
る。セメント基板2は、原料スラリーの抄造又は押出し
により多孔質支持体上にフォーミングして作成した原料
マットをプレスして養生することにより作成する。原料
スラリーは、例えばポルトランドセメント、あるいはポ
ルトランドセメントに高炉スラグを混合した高炉セメン
ト、フライアッシュを混合したフライアッシュセメン
ト、火山灰、シリカヒューム、白土等のシリカ物質を混
合したシリカセメント、アルミナセメント、高炉スラグ
等のセメント系無機水硬材料と、木粉、木毛、木片、木
質繊維、木質パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、木
質繊維束、故紙パルプ、麻繊維、バカス、モミガラ、稲
わら、竹繊維等の木質補強材と、所望なればパーライ
ト、シラスバルーン、膨張頁岩、膨張粘土、焼成ケイ藻
土、フライアッシュ、石炭ガラ、発泡コンクリートの粉
砕物等の骨材やケイ酸アルカリ金属塩等の硬化促進剤、
ロウ、ワックス、パラフィン、界面活性剤、シリコン等
の防水剤や撥水剤等を水に分散して固形分を通常5〜2
0重量%程度に調節したものである。裏打ちするポリエ
チレンシート4には、密度が0.910〜0.925g/cm3
ある高圧法ポリエチレン樹脂を用いることにより、透明
性、形成性、熱接着性、伸び、インパクト強さなどが良
好となる。ポリエチレンシート4の厚みについては、0.
07〜0.30mm好ましくは0.10〜0.20mm程度とする。0.
07mmより薄い場合には、強度面で問題が発生し、防水
性についてもその機能を十分に発揮させることはできな
い。逆に、0.30mmを越える厚みになると、シートの剛
性が強くなって、セメント基板2裏面との接着加工の
際、問題が発生する。
【0014】本実施の形態では、ポリエチレンシート4
の裏打ち加工を、連続塗装工程の最終工程であるクリヤ
塗装工程(ステップS31)に続く乾燥工程(5)(ステ
ップS32)を出た直後に行うものとしている。これ
は、搬出被加工板の板温度を、ポリエチレンシートの溶
融接着に利用するためである。通常のクリヤ塗装後の乾
燥は、90〜120℃程度で10〜12分程度の加熱処
理を行っているが、本実施の形態では、使用するポリエ
チレンシート物性(特に、軟化点や融点などが重要であ
る)と、それに伴う接着加工条件に従い板温度制御を行
う。
【0015】図2は、本実施の形態のポリエチレンシー
ト裏打ち加工工程を説明するフロー図である。クリヤ塗
装工程(ステップS31)に続く乾燥工程(5)(ステッ
プS32)における乾燥機出口の板温(表面温度)を非
接触表面温度計などで測定しながら、乾燥機内最終チャ
ンバーの加熱処理条件を制御する(ステップS10
1)。例えば、乾燥機から搬出された直後の板温が14
0±2℃になるように制御し、そのまま速やかに熱圧着
(挟み圧を例えば330±50kg/m2として5秒間
保持する)させるものとする(ステップS102)。そ
して、直ちに90℃程度になるまで急冷してポリエチレ
ンシートを固化してから続くクーリング工程(空冷)に
移行させる(ステップS103)。その後は、板の輪郭
境界部よりはみ出した余分なポリエチレンシートを切除
すなわちトリミングして(ステップS104)、検板工
程(ステップS34)に進む。これらの工程により従来
の裏塗り工程(ステップS22)及び乾燥工程(1)(ス
テップS23)は必要なくなる。
【0016】図3は、本実施の形態のポリエチレンシー
ト裏打ち加工装置の構成を側方から見た図である。本実
施の形態では、ポリエチレンシート4の溶融接着方式と
して、加熱し加圧して接着する熱接着方式を採用してい
る。具体的には、ポリエチレンシート4の溶着温度より
も高い温度に一定に保った被加工板を発熱体として利用
する方法であって、発熱体である被加工板を直接ポリエ
チレンシート4に圧接させ、熱伝導によって溶着させる
ものとしている。この方式によれば、ポリエチレンシー
ト4の厚みが0.10mmの場合、約0.9秒で、フィルム
中心温度を接触熱板温度の90%程度に到達させること
が可能である。
【0017】図3に示すように、本加工装置は、矢印A
の方向に搬送ロール11によって搬送される被加工板の
走行ラインを挟んで、大きく、その上側ゾーンに位置す
る上側装置部101と、その下側ゾーンに属する下側装
置部102とに分別構成されている。接着のために加圧
するには、一般に、被着面に対して適正な圧力がかか
り、所定の接着強度に達するまで固定保持できる構造が
必要であるが、今回のような場合、厚みの薄いポリエチ
レンシート4を溶着させるだけでよいし、連続して間欠
的に搬送されてくる被加工板を1枚ずつ処理していかな
ければならないという特殊な加工形態をとることから、
図示するような独特な連続プレス方式で圧締を行うもの
としている。
【0018】具体的には、上側装置部101は、ベルト
回転ロール12及び上繰出しロール13によって回転す
る上側エンドレスベルト14を有する。さらに、上側装
置部101は、前方メインプレスロール25及び後方メ
インプレスロール26によって回転するスチールベルト
27及び補助プレスロール群28を有し、前方メインプ
レスロール25、後方メインプレスロール26及び補助
プレスロール群28によってスチールベルト27及び上
側エンドレスベルト14を介して被加工板を前方へと圧
締移動させる。このように、スチールベルト27を使用
したキャタピラプレス方式を圧締の基本方式として採用
し、更に被加工板が長尺であることも考慮して、前方メ
インプレスロール25及び後方メインプレスロール26
に加えて補助プレスロール群28も使っている。また、
この場合、建築板1となる被加工板の表面には、ほとん
どの場合に凹凸形状模様が形成されているので、上側装
置部101においては、所定の厚みを持った断熱弾性シ
ート(例えば、難燃性発泡プラスチックシート)の上側
エンドレスベルト14を介して、被加工板の表面側から
加圧するものとしている。
【0019】一方、下側装置部102も同様に、ベルト
回転ロール15、下繰出しロール16、下側エンドレス
ベルト17、前方メインバックアップロール29、後方
メインバックアップロール30、スチールベルト31、
及び、補助バックアップロール群32を有する。ここで
は、上側装置部101の上側エンドレスベルト14に対
向して、所定のクリアランス(板厚みに応じて決定され
る)を保って配される下側エンドレスベルト17によっ
て、被加工板裏面を支持し、前方へと圧締移動させる。
この場合、被加工板の保有する熱によってポリエチレン
シート4が軟化溶融することにになるので、例えば、シ
リコンゴムシートなどの離型シートの下側エンドレスベ
ルト17を介して、被加工板裏面を支持するものとして
いる。
【0020】図4は、本実施の形態の下側装置部102
の構成を上方から見た図である。ポリエチレンシート4
が裏打ちされて上記裏打ち工程を出た被加工板に対し
て、ポリエチレンシート4を固化させるために、クーリ
ング工程(ステップS103)として直ちに被加工板裏
面に対して急速冷却処理を第1冷却部33で行い、ひき
続き、被加工板裏面に対して第2及び第3の冷却部3
4、35で冷却処理を施す。また、シート接着面である
被加工板裏面の冷却をメインとするものの、板が保有す
る熱もある程度取り除く必要があるため(すなわち、セ
メント系建築板は蓄熱性があるため)、第4及び第5の
冷却部36、37で被加工板表面への冷風吹きつけも併
せて行う(図3参照)。
【0021】ここで、第1冷却部33は、圧縮エアをノ
ズルより噴射して(例えば2kg/cm2程度で噴射す
る)被加工板裏面における軟化〜溶融状態にあるフィル
ムに対して吹き付けるものとしている。具体的には、扇
形ノズルを所定間隔で配列したノズルアレイを前後に多
連配備しており、エア吹き付け方向を、被加工板が下側
エンドレスベルト17から離れる直後の位置から順に前
方へ吹き付けていく。
【0022】第2〜第5の冷却部34、35、36、3
7は、クーラダクト配管を通じてブロア供給される冷風
を、吹き出しスリットを形成した吹き出しフードより吹
き出して被加工板に吹きつける。また、被加工板の表裏
面部で熱交換した冷風は、両側方に設けた回収ダクト3
9、40、41に回収されて再利用される。ひき続い
て、従来のクーリング工程(ステップS33)として従
来のウィケットコンベア(特開平5−208728号公
報など参考)などを使用して所要時間をかけ、クーリン
グダウンを行い、検板工程(ステップS34)へと進
む。つぎに、ポリエチレンシートロールの駆動制御につ
いて説明する。
【0023】紙管に巻かれたポリエチレンシートのシー
トロール23については、図3及び図4に示すように、
紙管内を貫通させた支持バー22を両側端部で支持する
構造のロール載置台車20にセットする。このロール載
置台車20は、レール18上を左右に移動できるように
制御されるように作られており、そうすることで、加工
中、供給シートが蛇行することが防止され、定位置を走
行するようにすることができる。具体的には、ポリエチ
レンシート4の両端部を検知片24で検出し、ロール載
置台車20の駆動モータ(パルスモータなど)82(図
6参照)を制御して、ロール載置台車20の左右移動量
を調整するものとしている。
【0024】また、シートロール23は、下側エンドレ
スベルト17の移動に伴って引っ張られていくが、送り
出しを補助するために駆動モータ83(図6参照)によ
って回転制御されるようにしている。つぎに、本実施の
形態では、間欠的に供給されてくる個々の長尺被加工板
に対して、連続してポリエチレンシート4のラミネート
加工を行わなければならない。そこで、下側装置部10
2に属するポリエチレンシート4の間欠的供給をいかに
行うかを説明する。
【0025】図3において、被加工板の後端部が前方メ
インバックアップロール29の先に配置される繰出しロ
ール16を通過したときには、先述した第1冷却部33
にて急速冷却されたポリエチレンシート4はまだシート
ロール23と繋がっている。そして、第2及び第4冷却
部34、36を被加工板の後端部が通過した直後に(こ
の投階では、ポリエチレンシート4は完全に固化されて
いる)、レーザメス38(例えば、CO2レーザメス)
を使ってポリエチレンシート4を切断する。
【0026】この切断の後、下側装置部102の2つの
エンドレスベルト17、31を停止させ、シートロール
23を正転方向に回転させている駆動モータ83を逆回
転にして、後方メインバックアップロール30直前の位
置にまでポリエチレンシート4の先端位置が戻るように
巻き取る。後は、次順の被加工板の先端が後方メインバ
ックアップロール30手前の所定位置に達したときに、
停止中の2つのエンドレスベルト17、31の運転と、
シートロール23の正転を再開すれば良い。この際、上
側装置部101と下側装置部102との間には上述のよ
うに所定のクリアランスが保たれているので、2つのエ
ンドレスベルト17、31を停止させなくても構わない
が、運転の必要がないので停止させることにも意味があ
る。また、上側の2つのエンドレスベルト14、27は
下側のエンドレスベルト17、31に合わせて運転する
とよい。
【0027】図5は、本実施の形態のトリミングの方法
を示す図である。図5(a) に示すように、ラミネート加
工を終え、クーリングダウンした建築板1は、その輪郭
部から余分なポリエチレンシート4aがはみ出している
ため、トリミング加工を行う必要がある。その場合、図
5(c) に示すように、建築板1の輪郭垂直部を定規とし
て利用し、リニアサーボガイド42のスライダーに取り
つけたレーザメスホルダープレート43を該輪郭垂直部
に沿って移動させていく。該レーザメスホルダープレー
ト43には、所定の角度θでレーザメス44が取りつけ
られている。
【0028】図5(b) に示す例では、建築板1を定位置
に停止させ、建築板1の短手方向前後(C、D)と、長
手方向左右(A、B)のトリミングを行うべき4つのレ
ーザメス44を同時に矢印の方向に移動させることで板
の4辺のトリミングを、板停止位置にて完成させる。そ
の後、次順の建築板1が同位置に到着した場合には、今
度は現停止位置をスタート位置にして表示矢印と逆方向
にレーザメス44を移動させて4辺のトリミングを実行
する。
【0029】図6は、本実施の形態のポリエチレンシー
ト裏打ち加工の全体制御システム構成を示すブロック図
である。各コントローラの統一制御をメインコントロー
ラ50が行う。搬送コントローラ55は、被加工板の搬
送を制御する。圧締部コントローラ60は、エンドレス
ベルト(1)(2)61としてのエンドレスベルト14及びス
チールベルト27の運転を制御し、エンドレスベルト
(3)(4)62としてのエンドレスベルト17及びスチール
ベルト31の運転を制御し、前方メインプレスロール2
5、後方メインプレスロール26及び補助プレスロール
群28による加圧手段63を制御する。この際、エンド
レスベルト14とスチールベルト27は同速度で運転す
るように制御し、エンドレスベルト17とスチールベル
ト31も同速度で運転するように制御する。冷却部コン
トローラ65は、第1冷却部33、「第2、第3冷却
部」67としての第2冷却部34、第3冷却部35、
「第4、第5冷却部」68としての第4冷却部36、及
び、第5冷却部37を制御する。この際、第2冷却部3
4と第3冷却部35は冷却の強弱を同様に制御し、第4
冷却部36と第5冷却部37も同様に制御すれば十分で
ある。レーザメスコントローラ70は、板後端部通過検
知スイッチ71によって被加工板の後端部が第2及び第
4冷却部34、36を通過したことを検知して、レーザ
発生装置72からレーザを発生させてレーザメス38を
ポリエチレンシート4を横断するようにモータ73によ
って走行させてポリエチレンシート4の切断を制御す
る。
【0030】板温制御コントローラ75は、メインコン
トローラ50を介して板搬入事前検知スイッチ51によ
って被加工板の搬入が検知されるとクリヤ塗装工程(ス
テップS31)に続く乾燥工程(5)(ステップS32)
における乾燥機出口の板温(表面温度)を非接触型の表
面温度計76で測定し、乾燥機内最終チャンバーの加熱
手段77を制御する。シートロール(載置台車駆動モー
タ)コントローラ80は、まず、シート両端検知装置8
1によってポリエチレンシート4の両端部を検知し、ロ
ール載置台車20の駆動モータ82を制御して、ロール
載置台車20の左右移動量を調整する。また、レーザメ
ス38によるポリエチレンシート4の切断が終了すると
シートロール23を正転方向に回転させている駆動モー
タ83を逆回転にして、ポリエチレンシート4を巻き取
り、メインコントローラ50を介してシート巻き戻し位
置検出スイッチ52によって後方メインバックアップロ
ール30直前の位置にまでポリエチレンシート先端位置
が戻ったことを検出すると、駆動モータ83を停止して
シートロール23の回転を停止させて、次順の被加工板
の先端が後方メインバックアップロール30手前の所定
位置に達すると駆動モータ83の運転を再開してシート
ロール23の正転を再開する。図7及び図8は、本実施
の形態のメインコントローラ50の動作を説明するフロ
ー図である。まず、システム電源ONか否かを判断し
(ステップS1)、NOであればシステム電源ONにな
るまで待機する。YESであれば初期設定を行う(ステ
ップS2)。
【0031】つぎにステップS3で、各コントローラか
らの異常の連絡があるか否かを判断し、YESで異常の
連絡があると、異常対応処理を行って(ステップS
4)、処理が完了したか否かを判断し(ステップS
5)、NOで完了していなければ異常対応処理を継続
し、YESで処理が完了すればシステム停止処理を行っ
てフローを終了する。ステップS3でNOであって異常
がなければ被加工板が搬入されたか否かを判断し(ステ
ップS7)、NOで搬入されていなければ搬入されるの
を待機し、YESで搬入されると、各コントローラに板
搬入を連絡する(ステップS8)。これにより、各コン
トローラは制御開始又は制御待機状態に移行する。つぎ
に、図8に移って、レーザメスコントローラ70からシ
ート切断完了の連絡があるか否かを判断し(ステップS
9)、NOで連絡がなければ待機し、YESで切断完了
の連絡があると、圧締部コントローラ60にエンドレス
ベルト(3)(4)62の停止を指示し(ステップS10)、
シートロールコントローラ80に駆動モータ83の逆転
を指示し(ステップS11)、シート先端が所定の巻き
戻し位置に到達したか否かを判断し(ステップS1
2)、NOでまだ到達しなければ到達するまで待機し、
YESでシート先端が所定位置に到達すると、シートロ
ールコントローラ80に駆動モータ83の運転停止を指
示して(ステップS13)、ステップS3に戻る。な
お、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
い。複数のプラスチックシートを重ねて裏打ちしてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、搬出建
築板の板温度を、プラスチックシートの溶融接着に利用
することができるし、その後に高温に加熱する工程がな
いので裏打ちしたプラスチックシートを損傷することが
ない。
【0033】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による建築板の部分断面
構造を示す図である。
【図2】本実施の形態のポリエチレンシート裏打ち加工
工程を説明するフロー図である。
【図3】本実施の形態のポリエチレンシート裏打ち加工
装置の構成を側方から見た図である。
【図4】本実施の形態の下側装置部の構成を上方から見
た図である。
【図5】本実施の形態のトリミングの方法を示す図であ
る。
【図6】本実施の形態のポリエチレンシート裏打ち加工
の全体制御システム構成を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態のメインコントローラの動作を説
明するフロー図(その1)である。
【図8】本実施の形態のメインコントローラの動作を説
明するフロー図(その2)である。
【図9】従来の建築板の連続塗装工程を説明するフロー
図である。
【符号の説明】
1 建築板 2 セメント基板 3 表面塗装層 4 ポリエチレンシート 11 搬送ロール 12 ベルト回転ロール 13 上繰出しロール 14 上側エンドレスベルト 15 ベルト回転ロール 16 下繰出しロール 17 下側エンドレスベルト 18 レール 20 ロール載置台車 22 支持バー 23 シートロール 24 検知片 25 前方メインプレスロール 26 後方メインプレスロール 27 スチールベルト 28 補助プレスロール群 29 前方メインバックアップロール 30 後方メインバックアップロール 31 スチールベルト 32 補助バックアップロール群 33 第1冷却部 34 第2冷却部 35 第3冷却部 36 第4冷却部 37 第5冷却部 38 レーザメス 39、40、41 回収ダクト 42 リニアサーボガイド 43 レーザメスホルダープレート 44 レーザメス 73 モータ 82、83 駆動モータ 101 上側装置部 102 下側装置部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04F 13/14 102 E04F 13/14 102A (56)参考文献 特開 昭58−164855(JP,A) 特開 昭50−4173(JP,A) 特開 昭61−57742(JP,A) 特開 昭51−67635(JP,A) 特開 昭63−206544(JP,A) 特開 平5−65756(JP,A) 特開 平9−123340(JP,A) 特開 平10−245925(JP,A) 特開 平11−107491(JP,A) 実開 昭51−123316(JP,U) 実開 平1−118516(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 2/04 B32B 13/12 B32B 27/32 E04B 1/66 E04F 13/08 E04F 13/14 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリヤ塗装工程に続く乾燥機の出口で建
    築板の温度を測定する温度測定手段と、 該温度に応じて前記乾燥機の加熱手段を制御する制御手
    段と、 該制御手段により温度制御される前記建築板を発熱体と
    して建築板にプラスチックシートを溶融接着することに
    より裏打ちする裏打ち手段とを備えることを特徴とする
    建築板の製造装置。
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