JP3440551B2 - 燃料改質装置及び燃料改質装置の運転方法 - Google Patents

燃料改質装置及び燃料改質装置の運転方法

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JP3440551B2
JP3440551B2 JP12755194A JP12755194A JP3440551B2 JP 3440551 B2 JP3440551 B2 JP 3440551B2 JP 12755194 A JP12755194 A JP 12755194A JP 12755194 A JP12755194 A JP 12755194A JP 3440551 B2 JP3440551 B2 JP 3440551B2
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば一般電源用の可
搬型燃料電池、あるいは電気自動車に搭載する燃料電池
等に必要な水素を生成するために用いられ、アルコール
原料または炭化水素原料を水素リッチの改質ガスに変換
する燃料改質装置に関するものであり、さらにはその運
転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料電池用メタノール改質装置の
構造を図30(三菱電機技報 Vol.66,No.11 (1992)より
引用)に示す。図において、1はメタノール、2は水
(スチーム)、3は気化器、4は改質原料ガス、5は改
質器、6は加熱用熱媒体、7は改質ガス、8は熱媒体加
熱炉、9は電池オフガス、10は空気、11は燃焼排ガ
スである。
【0003】次に動作について説明する。供給されたメ
タノール1と水2は気化器3により気化して改質原料ガ
ス4になり、改質器5に供給される。改質器5の構造に
はシェル・アンド・チューブ型熱交換器が採用され、シ
ェル(胴)側に流した加熱用熱媒体(油)6により数本
の改質反応管が加熱され、改質反応に必要な熱が供給さ
れる。改質反応管の内側には改質触媒が充填され、メタ
ノールとスチームの原料ガス4が水素リッチの改質ガス
7に変換される。熱媒体6として改質器の動作温度(2
00〜300℃)に近い沸点をもつ液体が用いられ、別
途設置された熱媒体加熱炉8の中で電池オフガス9が空
気10によって燃焼して、熱媒体6を加熱する。燃焼ガ
ス11は熱媒体加熱炉8から排気される。加熱された熱
媒体6は改質器5のシェル側に供給され、改質反応管を
加熱する。このように熱媒体6が用いられるのは、熱的
安定性に優れ、改質器内の温度分布を均一にするためで
ある。
【0004】従来、燃料電池用にメタノールを変換し、
水素リッチガスを生成する改質法には、上記例で示した
水蒸気改質法と、例えば論文(US DOE Rep. ANL-92-31
)で示す部分酸化法がある。部分酸化法は燃焼反応の
ようにメタノールと空気中の酸素を(1)式に示す反応
式により反応させ、水素リッチの改質ガスを得る方法で
ある。 CH3OH + 1/2O2 → 2H2 + CO2 ・・・・(1) 1モルのメタノールと1/2モルの酸素を部分酸化反応
させれば、2モルの水素と1モルの二酸化炭素が生成す
る。参考のために、メタノールの燃焼反応は(2)式に
示すように、1モルのメタノールと3/2モルの酸素が
反応して、2モルの水と1モルの二酸化炭素が生成す
る。(1)式、(2)式からメタノールの部分酸化反応
が必要とする酸素は燃焼反応の1/3である。 CH3OH + 3/2O2 → 2H2O + CO2 ・・・・(2) (1)式の部分酸化反応はつぎのメタノール酸化反応と
水蒸気改質反応に分けることができる。つまり、最初に
1/3モルのメタノールと酸素が(3)式で酸化反応を
生じ、つぎに生成した水蒸気と残りのメタノールが
(4)式で改質反応を生じる。(3)式の酸化反応は発
熱反応であり、(4)式の改質反応は吸熱反応である
が、全体として(1)式は発熱反応になり、部分酸化反
応の発熱量は192kJになる(メタノールは気体状
態、温度25℃)。メタノールの気化熱37kJを考慮
すれば、正味の発熱量は155kJになる。 1/3CH3OH + 1/2O2 → 2/3H2O + 1/3CO2 ・・・(3) 2/3CH3OH + 2/3H2O → 2H2 + 2/3CO2 ・・・(4) 一方、水蒸気改質法は(5)式の反応式で示され、50
kJの吸熱反応である(水、メタノールは気体状態)。
水の気化熱44kJ、メタノールの気化熱37kJを考
慮すれば、正味の吸熱量は131kJになる。 CH3OH + H2O → 3H2 + CO2 ・・・・(5) 上述の反応式からわかるように部分酸化法は、水蒸気改
質法より燃料変換効率こそ低いけれども、発熱反応のた
め反応がおこりやすく、短時間で起動ができ、構造がシ
ンプルでコンパクトになる。
【0005】ジェット推進研究所は部分酸化法を用いた
三つの触媒充填層をもつ改質器を試験している。図31
はこのような部分酸化改質器の構造を示す断面構成図で
あり、12は部分酸化改質器、13は旋回混合器、14
は低活性触媒、15は酸化触媒、16は改質触媒であ
る。次に動作について説明する。燃料ガス4aは部分酸
化改質器12に入る前に旋回混合器13で空気10とス
チーム(COの発生を抑制するために入れる)2とを混
合する。円筒形改質器の中に3種類の触媒が3層に充填
されている。第1層の低活性触媒14(NiO−ZrO
2 )では反応ガスを徐々に酸化させて温度を緩やかに上
昇させ、炭素析出を抑制している。第2層の酸化触媒1
5(NiO−Al23−CaO)で燃料を酸化し、第3
層の高活性改質触媒16(NiO−Al23−MgO)
で未反応の燃料を水素に改質し、改質ガス7を生成す
る。このように図31の構成では、部分酸化反応は燃料
の酸化反応と改質反応から成っている。
【0006】ジョンソン・マッシー・テクノロジー・セ
ンターは部分酸化法を用いた別のメタノール改質器を開
発している。図32はこの部分酸化改質器の構造を示す
断面構成図であり、4bは燃料ガス(メタノール)とス
チーム(COの発生を抑制するために入れる)、4cは
燃料ガスとスチームと空気から成る混合ガス(予混合燃
料)、17は混合ガス噴射管である。つぎに動作につい
て説明する。部分酸化改質器12は二層の触媒層から構
成され、上部のメイン反応ゾーンに銅−シリカの改質触
媒16が充填され、下部20%には銅−シリカとパラジ
ウム−シリカ酸化触媒15の混合物が充填されている。
パラジウムは燃料ガスを自然発火させる機能をもつ。メ
タノール、水、空気から成る混合ガス4cは噴射管17
から改質触媒16が充填されたメイン反応ゾーンの中央
部に噴射される。これよりガスの流れは触媒充填層の内
部で噴射により循環しながら出口から排出される。始動
時、メタノールは部分酸化改質器12の出口のパラジウ
ム触媒15で酸化され、熱伝導や流れの循環により上部
の改質触媒16が加熱され、改質反応域が噴射口に向か
って上流側に移動する。ここではメタノール酸化反応熱
が反応ガス流れの循環による直接熱伝達により有効に改
質反応熱に供給される。
【0007】一方、前述した水蒸気改質法を用いた改質
器として、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)用改質器
には、電池内部に改質器を内蔵させた内部改質方式と、
電池とは別個に改質器を設ける外部改質方式があり、そ
れぞれ研究開発が進められている。外部改質方式では触
媒燃焼器と改質反応器を積層したプレート・リフォーマ
(プレート形改質装置)が開発され、触媒燃焼の分散化
のため以下のような構造が公開されている(石川島播磨
技報、第31巻第6号、平成3年11月)。図33はM
CFC用改質器の主要部を示す断面構成図であり、図に
おいて、18は改質室、19は燃料室、20は燃料分散
板、21は燃焼室、22は伝熱隔壁、51は燃焼排ガ
ス、52は燃焼触媒である。次に動作について説明す
る。炭化水素とスチーム、またはアルコールとスチーム
から成る原料ガス4は改質室18に導入され、改質触媒
16と接触し、改質反応により水素リッチの改質ガス7
となる。電池オフガスの燃料9はまず燃料室19に導入
され、空気10が燃焼室21に導入される。燃料室19
に導入された燃料9は燃料分散板20を介して燃焼室2
1に分散供給され、均一な燃焼が行われる。燃焼熱は伝
熱隔壁22を通して燃焼室21から改質室18に伝達さ
れ、改質反応に必要な熱が供給される。
【0008】また、同様のプレート形改質器として燃焼
用触媒を充填した燃焼室と改質用触媒を充填した改質室
とを伝熱隔壁を挟んで一体化した構造が実公平4ー22
827号公報に公告されている。図34及び図35にこ
のプレート形改質装置の構造を示す。改質触媒16を充
填した改質室18と燃焼触媒52を充填した燃焼室21
とを伝熱隔壁22を介して積層し、これを1ユニットA
として一体化している。ユニットAを2組用意して、各
ユニットAの燃焼室21が相対向するように配置して、
その間にユニットBを挟み込む。ユニットBは燃料室1
9とそれを表裏両面から挟持するように配置された燃料
分散板20a、20bとから構成される。上記ユニット
AがユニットBを挟んで対称的に配置され、且つ燃料が
燃料分散板の各分散孔を通して両ユニットAの両燃焼室
に対称的に流入して供給されるようにし、全体の上下に
ホルダー80、83を配置して適度の締付力で締め付
け、全体を一体化させる。
【0009】今、下部ホルダー80の空気供給流路81
から空気10を供給すると共に燃料供給流路82から燃
料91を供給する。燃料91は燃料供給室19に入った
後、両側の各燃料分散板20a、20bの多数の分散孔
200を通って図35の矢印Cで示す如く各ユニットの
上下の燃焼室21に別々にかつ同時に分散されて入る。
上下の各燃焼室内には、燃焼用触媒52があり、ここに
入った燃料91は、空気供給流路81より各燃焼室21
に供給された空気10によって燃焼させられ、各燃焼室
ごとに燃焼室全域で均一に燃焼を行わせることができ
る。一方、上部ホルダー83の改質原料ガス供給流路8
4から改質原料ガス(CH4+H2O)を供給すると、C
4+H2Oは各ユニットAの改質室18に各々入り、改
質反応を生じた後、改質ガス(H2、CO2)が上部ホル
ダー83の排出流路85より排気される。この装置で
は、ユニットAを燃料供給室19と燃料分散板20a、
20bとを挟んで上下に対称形とし、燃料供給室19か
ら燃料91が燃料分散板20aと20bで分散されて上
下の燃焼室21に入るようにして同時に燃焼が行われる
ので、各燃焼室21から各改質室18への熱伝達を効率
良く行うことができる。なお、燃焼排ガス51は排出流
路86より排出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
燃料改質装置における改質技術は大きく部分酸化法と水
蒸気改質法に二分されていた。水蒸気改質法において、
熱媒体による間接加熱を用いた場合、改質器の他に熱媒
体加熱炉や熱媒体循環系統が必要になり、装置全体が大
形化するとともに、起動に長時間を要するという問題が
あった。また、図30に示すように気化器も燃料改質器
と別個に設置されているため、装置が大形化するという
問題があった。これらは、コンパクト性と短時間起動が
要求される電気自動車用や可搬型の燃料改質装置の要求
に反するものであった。また、部分酸化法を用いれば比
較的コンパクトな構造で起動時間を短くすることができ
るが、燃料の気化に際しては、上記と同様、燃料改質器
と別個に設置されているため、装置の小型化に問題があ
った。
【0011】なお、部分酸化法を用いた場合には、水素
への変換効率が水蒸気改質法に比べて低く、従来方式で
は反応の制御が困難なため触媒層の入口付近で急激に反
応が起こり、均一な温度分布や熱バランスを得ることも
難しかった。
【0012】また、従来の気化器は蒸発した燃料やスチ
ームが途中の配管または燃料改質装置で凝縮し、部分酸
化反応部や改質反応部に供給されにくくなる問題や液体
燃料を気化させるために余分の熱エネルギーが必要にな
る問題もあった。
【0013】また、図33に示すように従来のプレート
・リフォーマに用いられる触媒燃焼器は、燃料のみを分
散板から触媒燃焼部に分散供給し、触媒燃焼部に燃焼用
空気を直接供給するので、燃料と空気の混合が悪くなっ
たり、空気が燃焼室に逆流したりして、触媒燃焼が不安
定になる問題点が生じた。また、触媒燃焼器に導入する
前に、燃料と空気の予混合器を設ければ設置スペースや
余分の配管が必要となるばかりか、燃料と空気の混合気
が予混合器まで逆火する危険性があった。
【0014】また、従来のプレート形改質器の構造で
は、燃焼触媒と改質触媒がほぼ同量充填されているの
で、負荷に対して燃焼触媒量が過剰になりやすいという
問題があった。本来、燃焼触媒の反応速度は、改質触媒
の反応速度に比べてはるかに速く、充填量も少量ですむ
はずである。また、図34の構成では、触媒燃焼器を改
質器の中央に設け、改質室をその外側に設けているの
で、改質室は外部への放熱による温度低下を被りやすい
という問題があった。
【0015】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたものであり、第1の目的は一つの燃料改質装
置の中に、始動性や負荷応答性、コンパクトさで有利な
部分酸化反応部と、水素への燃料変換効率で有利な改質
反応部の両方を設け、部分酸化反応部と改質反応部の両
方の長所を取り入れた燃料改質装置を得るものであり、
さらにはこのような装置を用いて燃料装置を効率よく運
転する方法を提供するものである。
【0016】また、本発明の第2の目的は、平板形の気
化器を提案し、よりコンパクトな燃料改質装置を得るも
のである。
【0017】また、本発明の第3の目的は、改質反応部
と触媒燃焼部から成る燃料改質装置において、予混合器
を別個に設けずに、安定な触媒燃焼を達成するとともに
予混合気の逆火を防止できる、コンパクトで、かつ安定
した触媒燃焼が得られる燃料改質装置を提案するもので
ある。
【0018】本発明の第4の目的は、改質反応部と触媒
燃焼部から成る燃料改質装置において、燃焼触媒と改質
触媒の負荷のアンバランスを適切にするとともに、触媒
燃焼部から改質反応部への熱供給を確実にし、コンパク
トな装置で多量の改質ガスを発生させることのできる燃
料改質装置を提案するものである。また、外部への放熱
による改質反応部の温度低下をキャンセルするような燃
料改質装置の構造を提案するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料改質装
置は、部分酸化反応により水素を生成する部分酸化反応
部、水蒸気改質反応により水素を生成する改質反応部、
及び部分酸化反応部から改質反応部へ熱を伝達する伝熱
板を備え、部分酸化反応部と改質反応部を伝熱板を介し
て積層したものである。
【0020】本発明に係る燃料改質装置は、上記改質反
応部が、原料ガス供給室、原料ガス分散板、及び改質反
応室から成り、上記改質反応室を積層方向にフィンを有
する伝熱フィン、及び上記フィンの両側に装填した改質
触媒により構成し、上記部分酸化反応部が、反応ガス供
給室、反応ガス分散板、及び部分酸化反応室から成り、
上記部分酸化反応室を積層方向にフィンを有する伝熱フ
ィン、上記反応ガス分散板に面した上記フィンの片側に
装填した酸化触媒、及び上記伝熱板に面した上記フィン
の片側に装填した改質触媒により構成した、あるいは上
記部分酸化反応室を積層方向にフィンを有する伝熱フィ
ン、及び上記フィンの両側に装填し、酸化反応と水蒸気
改質反応に有効な成分を両方とも含有する部分酸化触媒
により構成したものである。
【0021】本発明に係る燃料改質装置の運転方法は、
上記燃料改質装置で生成した水素を燃料として燃料電池
を運転する際に、燃料改質装置の起動時には、部分酸化
反応部に炭化水素またはアルコール原料と空気の予混合
燃料を供給し、部分酸化反応部から水素を燃料電池に供
給し、燃料電池の最大出力運転時、及び負荷変動運転時
には、部分酸化反応の発熱により改質反応部を改質反応
の動作温度まで加熱・昇温させて、改質反応部に改質原
料ガスを供給し、改質反応と部分酸化反応を同時に生じ
させて、改質反応部と部分酸化反応部の両方から水素を
供給し、燃料電池の定格運転時には、部分酸化反応部に
電池オフガスと空気を供給し、触媒燃焼させて改質反応
に必要な熱を電池オフガスの触媒燃焼により供給し、改
質反応部だけで燃料電池の定格運転時に必要な水素を生
成するものである。
【0022】本発明に係る燃料改質装置は、液体燃料を
面内に分散させる液体燃料分岐マニホールド、液体燃料
分岐マニホールドから液体燃料を噴出させる複数の液体
燃料供給小孔、液体燃料供給小孔と接して配置され、液
体燃料を蒸発させる、発泡金属または金属メッシュから
成る蒸発促進体、蒸発促進体と接して配置され、蒸発に
必要な熱を蒸発促進体に伝達する金属または合金から成
る均熱板、均熱板に接して配置され、蒸発に必要な熱を
供給する熱供給源、及び蒸発促進体の面内で発生した蒸
気を、燃料改質器の改質反応部または部分酸化反応部に
分散供給するように平面内に複数の小孔を有した蒸気分
散板を有する平板型燃料気化器を備えたものである。
【0023】本発明に係る燃料改質装置は、上記平板型
燃料気化器と上記燃料改質器を一体化したものであ
る。
【0024】明に係る燃料改質装置は、炭化水素ま
たはアルコール原料と水蒸気から水蒸気改質反応により
水素を生成する改質反応部、及び燃焼用空気により燃料
ガスを触媒燃焼させる触媒燃焼部から成る燃料改質装置
において、上記触媒燃焼部を、ガス供給平板、燃料と空
気を混合させるガス混合部、混合気を触媒燃焼部に分散
供給する混合気分散板、混合気を触媒燃焼させる触媒燃
焼室で構成し、上記ガス供給平板は、内部に燃料ガス分
岐マニホールドと燃焼用空気分岐マニホールドを有し、
平板表面に複数の燃料供給小孔と空気供給小孔を配置し
て、燃料ガスと燃焼用空気を面内に分散供給するように
し、上記混合気分散板は、平板表面に複数の混合気供給
小孔を配置し、上記混合気を面内に分散供給するように
し、さらに上記燃料供給小孔、上記空気供給小孔、及び
上記混合気供給小孔を面内で相互に対称に連続して配置
するとともに、上記ガス混合部の内部に、供給される燃
料ガスと燃料ガス間、または燃焼用空気と燃焼用空気間
の混合を遮断するバッフル板を、上記燃料供給小孔と隣
の燃料供給小孔の間、または上記空気供給小孔と隣の空
気供給小孔の間に設け、上記燃料供給小孔と上記空気供
給小孔の間に上記混合気供給小孔を配置したものであ
る。
【0025】本発明に係る燃料改質装置は、炭化水素ま
たはアルコール原料と水蒸気から水蒸気改質反応により
水素を生成する改質反応部、及び燃焼用空気により燃料
ガスを触媒燃焼させる触媒燃焼部から成る燃料改質装置
において、改質反応部の上下端に上記触媒燃焼部を設
け、上記改質反応部は、原料ガス供給室、原料ガス分散
板、改質反応室、仕切板から成る改質反応ユニットを複
数個積層した多層構成とするとともに、上記原料ガス供
給室の流路高さを調節する、あるいは上記原料ガス供給
室に粒子を充填して充填粒子量を調節することにより、
各改質反応室に供給する原料ガス流量を調節するもので
ある。
【0026】
【作用】本発明では、改質反応部に炭化水素またはアル
コール原料と水蒸気を供給し、吸熱反応である改質反応
を生じさせ、部分酸化反応部に炭化水素またはアルコー
ル原料と空気を供給し、発熱反応である部分酸化反応を
生じさせる。部分酸化反応による発熱は、伝熱板により
改質反応部に伝えられ、反応熱の効率的な供給が行われ
る。これにより改質反応に必要な熱が熱媒体加熱炉や熱
媒体循環系統を用いないで供給されるので装置が小型化
する。さらに、改質反応部、部分酸化反応部の両方から
水素が生成されるので、容積当たりの水素生成量を増加
させることができる。
【0027】また、本発明では、改質反応部で原料ガス
を原料ガス室から原料ガス分散板を介して改質反応室に
分散供給し、平面上に配置した改質触媒により改質反応
を生じさせるので、面内で均一な改質反応分布を得る。
また、部分酸化反応部で反応ガスを反応ガス室から反応
ガス分散板を介して部分酸化反応室に分散供給し、平面
上に配置した燃焼触媒と改質触媒により部分酸化反応を
生じさせるので、面内で均一な反応分布を得る。したが
って、吸熱反応、発熱反応がともに面内で均一になれ
ば、面内の温度分布もほぼ均一になる。また、部分酸化
反応室、及び改質反応室ともに、積層方向にフィンを有
する伝熱フィンを設け、フィンの両側に各触媒を装填し
て構成するので、伝熱フィンにより伝熱が促進され、積
層方向の温度差が低減される。
【0028】また、本発明では、燃料改質装置を起動す
るときには、部分酸化反応部に炭化水素またはアルコー
ルと空気を供給し、部分酸化反応により燃料電池を起動
するための水素を発生させる。また、燃料電池を最大出
力で運転したり、負荷を時間的に変化させて運転したり
するときには、改質反応と部分酸化反応を同時に生じさ
せて、改質反応部と部分酸化反応部の両方から水素リッ
チの改質ガスを燃料電池に供給する。さらに、燃料電池
を一定出力で定格運転するときには、部分酸化反応部に
電池オフガスと空気を供給し、触媒燃焼させて改質反応
に必要な熱を電池オフガスの触媒燃焼により供給し、改
質反応部だけで燃料電池の定格運転時に必要な水素を生
成する。この様にすることにより、効率の良い運転が可
能になる。
【0029】また、本発明では、気化器を液体燃料分岐
マニホールド、蒸発促進体、均熱板、熱供給源、及び蒸
気分散板から構成し、改質器と一体化しやすいように平
板化する。また、この平板型気化器においては、液体燃
料は液体燃料分岐マニホールドを経て、面内に分散した
小孔から蒸発促進体に分散供給され、発泡金属または金
属メッシュから成る蒸発促進体の空隙に液体燃料が充満
し、均熱板の熱伝導により液体燃料の気化に必要な熱が
供給される。この気化熱は熱供給源により供給する。発
生した蒸気は平面内に多数の小孔を有した蒸気分散板か
ら蒸気が必要とされる部分に均一に供給される。
【0030】また、本発明では、上記平板型気化器と改
質器を一体化して構成することにより、小型の装置を
得、さらに発生した蒸気を速やかに部分酸化反応部及び
改質反応部に供給して、蒸気の凝縮を確実に防止する。
また、改質器の部分酸化反応部、あるいは触媒燃焼部か
ら発生する余剰熱を液体燃料の気化に有効利用する。
【0031】また、本発明では、ガス供給平板の内部に
設けられた燃料ガス分岐マニホールドと空気分岐マニホ
ールドから多数の燃料ガス供給小孔、及び空気供給小孔
に燃料ガスと空気が分散して供給される。上記小孔から
噴射する空気と燃料ガスはバッフル板により同じガス間
の混合が遮断され、異なるガスの混合が促進される。混
合気分散板の混合気供給小孔は、燃料供給小孔と空気供
給小孔の間に配置され、両方の流れが衝突し、混合が促
進された後、混合気が触媒燃焼室に分散して供給され
る。これにより、燃料と空気を平面内で確実に混合して
供給できるので、安定した燃焼が行なえ、独立した予混
合器の設置スペースも節約でき、また燃料供給小孔と空
気供給小孔は孔径が小さく、孔の長さが充分長いので、
混合ガスが逆流せず、たとえ逆流しても火炎が消失して
逆火を防止する。
【0032】また、本発明では、改質反応部の上下端に
触媒燃焼部を設けて、燃焼熱を改質反応部に確実に供給
するとともに、改質反応部を多層化することにより改質
触媒の充填量を増加させ、本来反応速度の大きい燃焼触
媒との負荷の差を適切にする。それぞれの改質反応部は
原料ガス供給室、原料ガス分散板、改質反応室から構成
し、原料ガス分散板の分散孔から原料ガスを改質反応室
に均一に分散させて供給することにより改質反応の均一
化を図る。また、原料ガス供給室、原料ガス分散板、改
質反応室、仕切板から成る改質反応ユニットを複数個積
層し、複数の原料ガス供給室に供給する原料ガスの流量
を原料ガス供給室の高さを変える、あるいは原料ガス供
給室に充填する充填粒子の量を変えることにより調節す
る。即ち、触媒燃焼部に近い改質反応部には、熱が伝わ
りやすいので原料ガス流量を多くし、触媒燃焼部から遠
い改質反応部には、熱が伝わりにくいので原料ガス流量
を少なくする。このようにすることにより小型の装置
で、多量の改質ガスをより効率よく発生させることがで
きる。
【0033】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例を図について説明する。図1は
この発明の実施例1に係る燃料改質装置の基本的構成を
示す構成図である。図において、28は炭化水素または
アルコール原料と空気の予混合燃料、32は部分酸化反
応部、33は部分酸化反応による改質ガス、4は炭化水
素またはアルコール原料と水蒸気から成る改質原料ガ
ス、27は改質反応部、7は改質ガス、22は伝熱板、
35aは部分酸化反応部32と改質反応部27を伝熱板
22を介して積層した燃料改質ユニットであり、このよ
うな燃料改質ユニット35aを複数ユニット積層して燃
料改質装置が構成されている。
【0034】次にこの燃料改質装置の動作について説明
する。予混合燃料28が部分酸化反応部32に供給さ
れ、部分酸化反応により水素リッチの改質ガス33に変
換される。部分酸化反応は発熱反応であり、発生した熱
は伝熱板22により隣合う改質反応部27に伝達され
る。一方、気化した改質原料ガス4が改質反応部27に
供給され、水蒸気改質反応により水素リッチの改質ガス
7に変換される。水蒸気改質反応は吸熱反応であり、反
応に必要な熱は部分酸化反応部32から伝熱板22を通
って伝えられる。部分酸化反応部と改質反応部を伝熱板
を介して積層することにより、発熱と吸熱のバランスが
とれ、面内の均一な温度分布が維持できるとともに、両
方から水素リッチの改質ガスを生成することができる。
この結果、装置が小型化するとともに、容積当たりの水
素生成量も増加させることができる。
【0035】なお、上記実施例では燃料改質ユニット3
5aを複数ユニット積層して燃料改質装置が構成されて
いたが、燃料改質ユニット35aの単層であっても同様
の効果がある。
【0036】実施例2.この 発明の実施例2に係る燃料改質装置の具体的構成と
作用を図2により説明する。図2は燃料改質装置の改質
反応部と部分酸化反応部の断面構成を示す図である。図
において、23は原料ガス供給室、24は原料ガス分散
板、25は改質反応室、26は図3(a)に示されるよ
うなオフセット断続面フィンを積層方向に有する伝熱コ
ルゲートフィン、27は原料ガス供給室23、原料ガス
分散板24、改質反応室25からなる改質反応部、29
は反応ガス供給室、30は部分酸化反応室、31は反応
ガス分散板、32は反応ガス供給室29、部分酸化反応
室30、反応ガス分散板31からなる部分酸化反応部で
ある。なお、原料ガス供給室23、改質反応室25、部
分酸化反応室30、反応ガス供給室29は伝熱コルゲー
トフィン26を原料ガス分散板24、伝熱板22、反応
ガス分散板31を介して積層して構成されている。
【0037】次にこの燃料改質装置の動作について説明
する。気化した改質原料ガス4(メタノールとスチー
ム、または炭化水素とスチーム)が原料ガス室23に供
給される。原料ガス室23は金属製の伝熱コルゲートフ
ィン26から成り、原料ガス4は伝熱コルゲートフィン
26からの熱伝達により改質反応の動作温度まで予熱さ
れる。金属製の伝熱コルゲートフィン26は部分酸化反
応部32と改質反応部27が積層されるときの機械的強
度を保つ支持部材でもある。原料ガス4は原料ガス室2
3から原料分散板24を経て、改質反応室25に分散供
給される。原料分散板24には平板に小孔が配置されて
いる。小孔の配置パターンや孔径は伝熱コルゲートフィ
ン26の形状により、原料ガス4が改質反応室25に均
一に供給されるように配置する。改質反応室25は、伝
熱コルゲートフィン26のフィンの両側に改質触媒16
を装填し、流れた原料ガス4が水蒸気改質反応により水
素リッチの改質ガス7に変換される。改質反応は吸熱反
応であり、反応に必要な熱は部分酸化反応部32から伝
熱板22により供給され、伝熱コルゲートフィン26を
経て改質触媒16に伝達される。
【0038】一方、部分酸化反応ガスとなる予混合燃料
28(メタノールと空気、または炭化水素と空気)を反
応ガス室29に供給する。反応ガス室29は金属製の伝
熱コルゲートフィン26から成り、反応ガス28を伝熱
コルゲートフィン26からの熱伝達により反応温度まで
予熱する。反応ガス28は反応ガス室29から反応ガス
分散板31により部分酸化反応室30に分散して供給さ
れる。反応ガス分散板31には平板に小孔が配置されて
いる。部分酸化反応室30は伝熱コルゲートフィン26
で構成され、分散板31に面した片側に酸化触媒15を
装填し、伝熱板に面した片側に改質触媒16を装填す
る。図3(b)は図2の部分酸化反応部30のA−A断
面を上から透視した図で、反応ガス分散板31の小孔3
1aから反応ガスが噴射し、酸化触媒15を通った後、
改質触媒16に流れる様子を示したものである。このよ
うに、反応ガス分散板31から供給された部分酸化反応
ガス28はまず酸化触媒15を通り、供給メタノールの
1/3が酸化することにより改質反応に必要な水蒸気が
生成される。つぎに、部分的に酸化された反応ガスがつ
ぎの改質触媒16を通って、残りのメタノールが水蒸気
改質反応により水素リッチの改質ガス33に改質され
る。部分酸化反応では供給したメタノールの1/3が酸
化反応に消費され、残りが改質反応に消費される。これ
は、供給メタノールの1/3を酸化させる酸素を含んだ
空気を供給し、供給メタノール/空気比を精密にコント
ロールすることにより達成される。部分酸化反応では、
反応ガス28が部分的に酸化し、酸化反応の発熱により
高温になった反応ガスが再び吸熱の改質反応に利用され
るので、同じ反応ガスによる直接的な熱伝達が行われ
る。したがって、間接的な伝熱媒体を用いた方式に比べ
て格段に伝熱性能が良くなり、部分酸化反応部30の酸
化触媒15で発生した熱は、つぎの改質触媒16の改質
反応で有効に利用される。このような酸化反応と改質反
応を合わせた部分酸化反応は全体として発熱反応であ
り、余剰の熱は周囲の伝熱コルゲートフィン26を経て
伝熱板22により改質反応部25に有効に供給され、積
層方向の温度分布を小さくすることができる。
【0039】実施例3.この 発明の実施例3に係る燃料改質装置を図4により説
明する。実施例2では部分酸化反応部30を酸化触媒と
改質触媒に分けて構成したが、本実施例は部分酸化触媒
を単独で用いている。図4は部分酸化触媒を用いた燃料
改質装置の構造を示す断面図であり、37は部分酸化触
媒である。一般に改質触媒としては銅ー亜鉛、または銅
ークロム系の触媒が使用され、酸化触媒としてはアルミ
ナ、コージェライト担体の白金、パラジウム触媒が使用
される。実施例3では一つの触媒粒子に改質反応を起こ
す成分と燃焼反応を起こす成分の両方を含有させ、包括
した部分酸化反応を生じさせる一種類の触媒37で部分
酸化反応部30を構成する。この例では部分酸化反応が
触媒充填部で均一に進行するので、発熱分布はより均一
になり、触媒の最高温度を下げることができる。伝熱
板、改質反応部の構成と作用は、実施例2と同じであ
る。
【0040】実施例4.この 発明の実施例4に係る燃料改質装置を図5により説
明する。この実施例は伝熱コルゲートフィン26に改質
触媒16、部分酸化触媒37をコーティングして一体化
させた例である。この実施例では、熱は伝熱コルゲート
フィン26の壁面から直接的に固体内の熱伝導によりコ
ーティングされた触媒に伝わるので、充填層の触媒の対
流熱伝達、輻射熱伝達に比べて極めて速く熱が伝達され
る。触媒作用やガスの流れについては実施例2、3と同
様である。伝熱コルゲートフィン26と触媒を一体化さ
せる方法にはつぎのようなものがある。通常、改質触媒
16や酸化触媒15はアルミナ、マグネシア、コージェ
ライトなどのセラミック多孔質体に、銅、亜鉛、ルテニ
ウム、白金、パラジウムなどのような触媒活性物質を担
持させたもので構成される。一方、伝熱フィン26の材
質には鋼とニッケル、クロムの合金であるステンレス鋼
やインコネルが使用される。伝熱コルゲートフィン26
の表面に触媒膜を形成させるためには、例えば、触媒の
担体になるアルミナ、マグネシア、コージェライトなど
の物質をプラズマ溶射等の溶射法により0.5〜1.0mm程度
の厚さになるように伝熱フィン26の表面に固定する。
触媒の担体物質を固定した伝熱フィン26を触媒活性の
ある銅、亜鉛、ニッケルなどの金属塩の水溶液中に浸漬
させ、活性金属を例えば担体の2〜30重量%付着させ
た後、乾燥、熱分解の工程をとるという方法を用いるこ
とができる。また、伝熱フィン26の表面に通常の触媒
粉末を溶射した後、活性化することもできる。また、電
気泳動法により多孔質性担体層を形成した後、活性金属
を含む溶液に浸漬し、活性金属を付着させた後、活性化
を行った触媒や、改質触媒として一般に用いられるラネ
ー触媒(例えばニッケル含有量30〜50%のニッケルーア
ルミニウム合金層を伝熱コルゲートフィン26の表面に
設け、しかる後にアルミニウムを展開することにより得
られる表面積の大きなラネーニッケル触媒)など、伝熱
フィン26の表面に形成される適当な活性を持った触媒
であれば、同等の効果をあげる触媒として使用すること
ができる。
【0041】実施例5.この 発明の実施例5に係る燃料改質装置の運転方法を図
6(a)〜(c)により説明する。図において、34は
燃料電池、35は燃料改質装置である。まず、図6
(a)に示すように、燃料改質装置の起動時には燃料ガ
スとしてメタノール1を用いる。予熱・混合したメタノ
ール1と空気10の混合気28(量論比はメタノール1
モルと酸素0.5モルの割合)を部分酸化反応部32に
供給する。メタノールの酸化反応は白金またはパラジウ
ム系の触媒を用いれば、室温に近い温度で容易に行わ
れ、後続の改質触媒により残りのメタノールが水素に改
質される。部分酸化反応は全体として発熱反応なので、
燃料電池34に必要な水素を迅速に供給しながら、燃料
改質装置35全体を均一に加熱することができる。
【0042】燃料改質装置35の改質反応部27が水蒸
気改質反応の動作温度まで上昇した時、図6(b)に示
すように、改質原料ガス4を改質反応部27に供給す
る。ここでは水蒸気改質触媒により原料ガス4から水素
を生成する。水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、部
分酸化反応による発熱とバランスし、燃料改質装置35
全体は適切な動作温度に維持される。このように改質反
応と部分酸化反応を同時に生じさせた時、この改質器の
水素製造能力を増加させることができ、燃料電池34の
最大負荷が要求する水素が供給される。
【0043】燃料電池34の負荷が減少し、改質反応部
27だけで電池に必要な水素を供給できるときには、部
分酸化反応部32に供給したメタノール/空気に替えて
電池オフガス9を反応ガス室に供給し、燃焼用の空気1
0を別に供給する。このとき部分酸化反応部32は電池
オフガス9の触媒燃焼部36に置き替わり、改質反応に
必要な熱を供給する役割だけを果たす。水蒸気改質反応
は部分酸化反応よりも水素の変換効率が高いので、効率
の良い運転が実現できる。この様に、起動時や、燃料電
池の最大出力時、負荷変動時には部分酸化反応を用いて
起動時間の短縮や良好な負荷応答性を達成するととも
に、一定負荷で効率を重視する場合には、部分酸化反応
を燃料電池オフガスの触媒燃焼に切り替え、改質反応部
だけで燃料電池の定格運転時に必要な水素を生成するこ
とにより、効率の良い運転が可能になる。
【0044】実施例6.この 発明の実施例6に係る燃料改質装置の基本的構成と
作用を図7により説明する。図7において、38は炭化
水素またはアルコール等の液体燃料、39は細管で分岐
網を形成して小孔から液体燃料を噴出する液体燃料分岐
マニホールド、40は金属メッシュから成る蒸発促進
体、41は発生した蒸気を改質反応部または部分酸化反
応部に供給する蒸気分散板、42は高熱伝導性の金属か
ら成り蒸発に必要な熱を伝達する均熱板、43は蒸発熱
を供給する電熱ヒータ、44は電熱ヒータ下部に設けら
れた断熱材、45は平板型燃料気化器である。なお、本
実施例で示す燃料改質装置は図7に示されるように平板
型燃料気化器45と一体化されることにより原料ガスや
反応ガスが面内で均一に得られ、かつ小型の装置となる
ので特に有効である。
【0045】次に上記平板型燃料気化器45の動作につ
いて説明する。液体燃料38を液体燃料分岐マニホール
ド39に供給する。図8に分岐マニホールドの一例を示
す。この例では分岐マニホールド39は1本の主配管3
9aと数本の分岐管39bから成る。主配管39aに供
給された液体燃料38は、分岐管39bに分岐して流
れ、主配管39aと分岐管39b上の多数の液体燃料供
給小孔39cから蒸発促進体40の上に滴下する。滴下
した液体燃料は蒸発促進体40の金属メッシュの細孔に
充満し、均一に分散する。蒸発に必要な熱は電熱ヒータ
43から供給される。電熱ヒータ43と蒸発促進体40
の間には例えばアルミニウムなどの高熱伝導性金属から
成る均熱板42を設け、電熱ヒータ43の熱を蒸発促進
体40に均一に伝達する。均熱板42から伝達された熱
は蒸発促進体40の金属メッシュから液体燃料38に伝
えられ蒸発を生じる。発生した蒸気は平面内に多数の小
孔が配置された蒸気分散板41を通って、燃料改質装置
35の改質反応部または部分酸化反応部に供給される。
以上のように、本実施例の平板型燃料気化器は、平板の
面内に均一に蒸発を生じさせるとともに、電熱ヒータか
ら伝達される熱が液体燃料の気化に有効に使われる。
【0046】図9に液体燃料分岐マニホールド39を形
成する別の分岐網を示す。図9は直管39bを交差させ
分岐網を形成して例で、交差箇所で管を少し曲げて交差
させ、分岐網の溶接箇所を減らしている。また、他の管
と交差しない箇所に小孔39cを設け、すべての小孔3
9cの水平位置を同じにすることにより液体燃料38が
それぞれの小孔39cから同時に噴射するようにした。
図10は直管を交差せず、継手39dを用いて分岐網を
形成した例である。継手39dと直管39bを連結する
ため、溶接あるいは継手を加熱した締まりバメを施す。
【0047】実施例7. 上記実施例6では主配管と分岐管から分岐網を形成した
が、平板の内部に分岐網が形成されるように平板に穴明
け加工を施工する方法もある。図11に平板内部に分岐
網39を形成した例を示す。ドリルを使って平板を穴明
け加工することにより容易に分岐網39を形成すること
ができる。また、分岐網39を形成する芯材を鋳型で形
成し、平板に溶融金属を流し込み、後に芯材のみを除去
して分岐網39を形成する方法もある。内部に分岐網3
9を形成した平板は、小孔39cを配置した表面に蒸発
促進体40を設け液体燃料を蒸発させる。また、平板内
部に電熱ヒータと蒸気溜まりを設け、内部で蒸発させる
ことも考えられる。この場合、分岐網の小孔39cは蒸
気分散板となり、この平板上に燃料改質装置の改質反応
部または触媒燃焼部を直接設ければ良い。
【0048】実施例8. 改質反応にはメタノールと水の蒸気が必要であるが、部
分酸化反応にはメタノール蒸気と空気の混合気が必要に
なる。そこで、メタノールを蒸発させながら空気と混合
する方法について述べる。図12は内部に液体燃料分岐
マニホールドと空気分岐マニホールドをもつ平板を上か
ら見た図で、図で39は液体燃料分岐マニホールド、4
6は空気分岐マニホールドである。平板側面の両端から
液体燃料38と空気10を供給し、液体燃料分岐マニホ
ールド39と空気分岐マニホールド46の通路を平面内
で交互に配置する。燃料38と空気10が噴射する小孔
39c、46cを配置した平面上に伝熱コルゲートフィ
ン26を図12に示すように設け、空気10と燃料38
を混合する。燃料蒸気が噴射する小孔39cと空気が噴
射する小孔46cは、伝熱コルゲートフィン26の形状
に合わせて千鳥に配置する。図13に平板型燃料気化器
の蒸気噴射小孔39cと空気噴射小孔46cと伝熱コル
ゲートフィン26を合わせた断面構成を示す。伝熱コル
ゲートフィン26は実施例2で使用したオフセット断続
面形状のものを用いる。このコルゲートフィンの片面に
燃料蒸気38aと空気10を噴射させる。噴射した燃料
蒸気38aと空気10はコルゲートフィン26の側壁と
平行方向に流れ、蒸気の流れと空気の流れが衝突するこ
とにより両者の均一な混合が促進される。混合気はコル
ゲートフィンの片面に流れ込み、ここから分散板を通っ
て部分酸化反応部に供給される。
【0049】実施例9. 次に実施例9に係る燃料改質装置について述べる。本実
施例は平板型燃料気化器を、改質反応部と部分酸化反応
部から成る積層型燃料改質器と一体化し、かつ部分酸化
反応部から発生する余剰熱を液体燃料の気化に利用する
ようにしたものである。平板型燃料気化器を改質器の上
下に設置したものの部分断面構成図を図14に示す。図
において、45aはメタノール1と水2の気化器であ
り、この燃料改質装置は上から順に、メタノール1と水
2の気化器45a、改質反応部27、部分酸化反応部3
2、メタノール気化/空気混合器45bから構成され
る。供給されたメタノール1と水2は気化器45aの平
面内で均一に蒸発する。蒸発に必要な熱は部分酸化反応
の発熱により伝熱板22、伝熱コルゲートフィン26を
伝わって供給される。発生したメタノールと水の蒸気は
分散板41を通って、改質反応部27に分散して供給さ
れ、ここで水素リッチの改質ガス7に改質される。一
方、下部のメタノール気化/空気混合器45bには空気
10とメタノール38を別々に供給し、メタノール38
を蒸発させるとともに発生した蒸気を空気10と均一に
混合させる。蒸発熱は部分酸化反応の発熱により伝熱コ
ルゲートフィン26を伝わって供給される。メタノール
と空気の混合気28は分散板を通って、部分酸化反応部
32に分散して供給され、水素リッチの改質ガス33に
改質される。このように一体化することにより、配管や
空間を節約でき、コンパクトな構造を実現することがで
きるとともに、蒸気の凝縮を確実に防止することができ
る。また、部分酸化反応部の発熱を液体燃料の気化に有
効に使うことができる。
【0050】なお、上記実施例では平板型燃料気化器
を、改質反応部と部分酸化反応部から成る積層型燃料改
質器と一体化したが、改質反応部と触媒燃焼部から成る
燃料改質器と一体化し、触媒燃焼部から発生する余剰熱
を液体燃料の気化に利用するようにしてもよい。あるい
は、平板型燃料気化器を、部分酸化反応部から成る燃料
改質器と一体化し、部分酸化反応部から発生する余剰熱
を液体燃料の気化に利用するようにしてもよい。
【0051】実施例10. 次に実施例10に係る燃料電池装置について述べる。本
実施例は平板型燃料気化器を燃料電池と一体化し、燃料
電池から発生する余剰熱を液体燃料の気化に利用すると
ともに、平板型燃料気化器と燃料電池を交互に複数個積
層し、それぞれの燃料気化器に流れる液体燃料流量を独
立に調節して燃料電池スタックの温度を制御するように
したものである。本実施例の基本的構成と動作を図15
に示す。積層された複数の燃料電池(燃料電池スタッ
ク)60の間に複数個(この場合は3個)の平板型燃料
気化器61を配置する。液体燃料(アルコールと水)3
8は液体燃料ポンプ62により燃料気化器61に供給さ
れる。それぞれの燃料気化器に入る前に、流量調整弁6
3を設け、燃料気化器に流れる液体燃料流量をそれぞれ
独立に制御する。燃料改質装置が起動し、水素リッチの
改質ガスが燃料電池60に供給され、発電が行われる。
電池反応による発熱により燃料電池スタック全体が加熱
され、電池の動作温度内に実際の電池スタック温度をコ
ントロールする必要性が生じる。各燃料電池の温度をモ
ニターし、高温部分に近い燃料気化器に多くの液体燃料
を流すような信号を発生させ、その信号を流量調整弁6
3に送信し、液体流量を制御することにより各電池の温
度を動作温度の範囲内に各々独立にコントロールする。
固体高分子型燃料電池の場合、動作温度は80〜100
℃の範囲でコントロールしなければならない。液体燃料
がメタノールと水の混合溶液の場合、蒸発温度は65℃
〜100℃であり、混合液の蒸発を利用して燃料電池温
度を動作温度範囲に収めることは可能である。
【0052】なお、上記実施例では平板型燃料気化器と
燃料電池を交互に複数個積層し、それぞれの燃料気化器
に流れる液体燃料流量を独立に調節して燃料電池スタッ
クの温度を制御するようにしたが、一組の平板型燃料気
化器と燃料電池を一体化し、燃料電池から発生する余剰
熱を液体燃料の気化に利用するとともに、燃料気化器に
流れる液体燃料流量を調節して燃料電池の温度を制御す
るようにしたものであってもよい。
【0053】実施例11.この 発明の実施例11に係る燃料改質装置の基本的構成
と動作を図16、図17により説明する。本実施例は水
蒸気改質反応により水素を生成する改質反応部と触媒燃
焼部から成る燃料改質装置に対するものであり、特に触
媒燃焼部に関する実施例である。図16、17におい
て、47は燃料ガスであり、この場合、燃料電池の未利
用の水素を含む電池オフガスである。10は燃焼用空
気、48は燃料ガス分岐マニホールド、46は空気分岐
マニホールド、48cは燃料ガス供給小孔、46cは空
気供給小孔、49は混合気分散板、49cは混合気供給
小孔である。また、50はバッフル板、51は燃焼排ガ
ス、52は燃焼触媒、53は触媒燃焼室、54はガス供
給平板、55はガス混合部である。なお、図17は燃料
供給小孔、空気供給小孔、混合気供給小孔とバッフル板
50の配置を示したものである。
【0054】次にこの触媒燃焼部の動作を説明する。燃
料ガス47と燃焼用空気10がガス供給平板54に別々
に分散供給され、それぞれの分岐マニホールド46、4
8からガス供給小孔46c、48cに供給される。分岐
マニホールドとして図11に示したものが用いられる。
ガス供給小孔46c、48cから噴射した燃料ガス47
と空気10は、ガス混合部55内でバッフル板50に沿
って流れ、混合気供給小孔49cの周囲で燃料ガスと空
気の流れが衝突することにより混合される。図17で
は、隣合う空気供給小孔46cの間と燃料供給小孔48
cの間にバッフル板50を設け、空気と空気または燃料
と燃料が混合するのを遮断し、燃料ガス47と燃焼用空
気10の混合を促進している。混合気は混合気分散板4
9の供給小孔49cから触媒燃焼室53に供給され、触
媒燃焼室53で燃焼触媒52により燃焼し、燃焼熱が水
蒸気改質反応の熱源として有効に利用される。燃焼触媒
52としてはアルミナなどの担体に担持された白金、パ
ラジウム触媒を使用することができる。燃焼後の排ガス
51は触媒燃焼室53から側面の排気管を通って排気さ
れる。これにより、燃料と空気を平面内で確実に混合し
て供給できるので、安定した燃焼が行なえ、独立した予
混合器の設置スペースも節約できる。また、可燃性混合
気の逆火についてはガス供給平板54の燃料供給小孔4
8cと空気供給小孔46cの孔径を小さく、孔の長さを
充分長くすることにより可燃性混合気の逆流を防ぐこと
ができる。また、混合気が供給小孔に逆流しても、火炎
が小孔にて消火されることにより逆火を防止する。
【0055】実施例12. この実施例ではガス供給小孔とバッフル板の他の配置例
を示す。図18は燃料供給小孔48cとバッフル板5
0、空気供給小孔46cとバッフル板50の位置を混合
気供給小孔49cの中心からsの距離だけずらした例で
ある。
【0056】空気供給小孔46cから噴射した空気10
はバッフル板50に沿って平行に流れ、混合気供給小孔
49cの円周方向を旋回する。燃料供給小孔48cから
噴射した燃料ガス47は同様にバッフル板50に沿って
平行に流れ、混合気供給小孔49cの円周方向を空気1
0と一緒に旋回しながら混合し、混合気供給小孔49c
から触媒燃焼室53に供給される。この例では、対向し
て流れてきた燃料ガス47と空気10が混合気供給小孔
49cの円周方向を旋回することにより燃料ガス47と
空気10の混合が促進される。
【0057】前述した例では、燃料ガスと空気が衝突し
た後、即座に混合気供給小孔に供給されるため、燃料と
空気の混合が不十分になる場合も考えられる。燃料ガス
と空気を充分混合させるためには、衝突してから混合気
供給小孔に至るまでの距離を長くするのが望ましい。そ
こで、燃料ガスと空気の衝突空間と混合気の供給空間を
別に設けることにする。図19は混合気供給小孔49c
をバッフル板50で隔離された隣の部屋に設けた例であ
る。空気供給小孔46cから噴射した空気10と燃料供
給小孔48cから噴射した燃料ガス47は衝突により混
合しながら隣の部屋に流れ込み、混合気供給小孔49c
から触媒燃焼室に供給される。この例では、燃料ガス4
7と空気10が衝突してから混合気供給小孔49cに到
達するまでの距離が長いので、燃料ガスと空気のより均
一な混合を行うことができる。
【0058】実施例13. 実施例11及び実施例12では燃料ガスと空気の混合を
促進するため、流路にバッフル板を設けたが、燃料ガス
と空気の供給小孔と混合気の供給小孔の配置を考慮する
ことにより、バッフル板を設けなくても燃料ガスと空気
を混合することができる。図20は、本実施例の燃料ガ
ス、燃焼用空気、混合気の供給小孔の配置を示したもの
である。図20において、48cは燃料ガスの供給小
孔、46cは燃焼用空気の供給小孔、49cは混合気の
供給小孔である。
【0059】この実施例の動作について説明する。図2
0では2つの空気供給小孔46cと2つの燃料供給小孔
48cを正方形に配置し、正方形の中心に混合気供給小
孔49cを配置する。燃料供給小孔48cから噴射した
燃料ガス47は中心の混合気供給小孔49cに向かって
流れる。一方、空気供給小孔46cから噴射した空気1
0も中心の混合気供給小孔46cに向かって流れ、燃料
ガス47と空気10は混合気供給小孔49cの上で衝突
し、燃料ガス47と空気10が混合される。
【0060】図21は燃料ガス、空気、混合気の供給小
孔の別の配置パターンを示す例である。図21では4つ
の空気供給孔46cを正方形に配置し、正方形の中心に
燃料供給小孔48cを配置する。混合気供給小孔49c
は環状の4つの部分から成り、それぞれが空気供給小孔
46cと燃料供給小孔48cの間に位置する。空気供給
小孔46cから噴射した空気10は、正方形の中心に向
かって流れる。一方、燃料供給孔48cから噴射した燃
料ガス47は、中心から半径方向に広がって流れ、混合
気供給小孔49cの上で空気10と衝突してガス燃料4
7と空気10が混合される。混合気は環状の供給小孔4
9cを通って触媒燃焼室に供給される。触媒燃焼室で
は、1つの燃焼触媒粒子52が4つの環状の供給小孔4
9cの内側に置かれ、混合気55は、図21(b)(図
21(a)のA−A線に沿った断面図)に示すように燃
焼触媒52の外表面を通って触媒の有効な反応サイトへ
供給される。これより燃焼触媒52には充分に混合され
た燃料ガス47と空気10が供給され、安定した燃焼が
行われる。この例では混合気55の供給小孔49cは4
つの環状部分から成り、やや複雑な形状をしているが、
混合気分散板をアルミニウムやステンレスの薄板から製
作し、打ち抜き加工または化学的なエッチング処理によ
り比較的容易に薄板の平面に複雑な形状の孔明け加工を
実施することができる。
【0061】実施例14.この 発明の実施例14に係る燃料改質装置の基本的構成
を図22に示す。図において、71は燃料ガス供給平
板、72は燃料ガス分散板、73は空気供給平板(燃料
空気混合平板)、74は混合気分散板、75は触媒燃焼
平板であり、これらにより触媒燃焼部36が構成され
る。また、76は改質反応平板、77は原料ガス分散
板、78は原料ガス供給平板、79は仕切板であり、こ
れらにより改質反応ユニット70が構成されている。本
実施例では上下両端の触媒燃焼部36の間に改質反応ユ
ニット70を多層積層して多層改質反応部27とし、全
体の燃料改質装置を構築する。
【0062】上記燃料改質装置の具体的構成を図23に
示す。図において、65は燃料ガス供給管、66は空気
供給管、67は燃焼ガス排気管、68は原料ガス供給
管、69は改質ガス排気管、48は燃料ガス供給マニホ
ールド、46は空気供給マニホールド、92は燃焼ガス
排気マニホールド、93は原料ガス供給マニホールド、
94は改質ガス排気マニホールド、95は上端板、96
は下端板である。
【0063】図24、図25、図26は各々上記燃料改
質装置の原料ガス−改質ガス、空気−燃焼ガス、燃料ガ
ス−燃焼ガスの流れの様子を示したものである。図24
は図23のA−A線での断面、図25はB−B線での断
面、図26はC−C線での断面を示す。
【0064】つぎに本実施例の動作について説明する。
図24において、改質原料ガス4は上端板95に取り付
けられた原料ガス供給管68に供給される。原料ガス4
は原料ガス供給マニホールド93の内部を下方に流れ、
それぞれの改質反応部の原料ガス供給室78a、78b
に分配された後、原料ガス分散板77を通って改質反応
室76a、76bに流れる。原料ガスは改質反応室に充
填された改質触媒16により水素リッチの改質ガスにな
る。それぞれの改質反応室の改質ガスは、改質ガス排気
マニホールド94に集められ、下方に流れて、下端板9
6に取り付けられた改質ガス排気管69から排出され、
燃料電池の燃料極に供給される。
【0065】図25において、燃焼用の空気10は下端
板96に取り付けられた空気供給配管66に供給され
る。空気10は下端板96の空気供給室73aに供給さ
れる分と空気供給マニホールド46を上方に流れ、上端
板の空気供給室73bに供給される分とに分岐する。上
下の端板の空気供給室73a、73bでは、空気10と
燃料分散板72を通ってきた燃料ガスが混合し、混合気
を形成する。混合気は混合気分散板74を通って触媒燃
焼室75a、75bに供給され、燃焼触媒15により燃
焼する。下側の触媒燃焼室75aの燃焼ガス51は燃焼
ガス排気マニホールド92の中を上方に流れ、マニホー
ルドの上部で上側の触媒燃焼室75bの燃焼ガス51と
合流し、上端板95に取り付けられた燃焼ガス排気管6
7から排出される。
【0066】一方、図26において、燃料電池で利用さ
れた後の燃料ガス47は、下端板96に取り付けられた
燃料ガス供給配管65に供給される。燃料ガス47は下
端板96の中にある燃料ガス供給室71aに供給される
分と燃料ガス供給マニホールド48を上方に流れ、上端
板95の中にある燃料ガス供給室21bに供給される分
に分岐する。なお、燃料ガス供給マニホールド48は空
気供給マニホールド46の隣に位置する。上下の端板9
5、96の燃料ガス供給室21a、21bに供給された
燃料ガスは、燃料分散板72を通って空気供給室73
a、73bに供給され、空気と混合し混合気を形成す
る。
【0067】本実施例では、上下に配置した触媒燃焼部
36の間に多層の改質反応部27を設けている。これよ
り、燃焼触媒に比べて改質触媒を多く充填することがで
きる。燃焼触媒の反応速度は、改質触媒の反応速度に比
べて一桁以上大きく、本来、燃焼触媒量は改質触媒量の
数分の一で充分である。改質触媒を多層構造にすること
により、燃焼触媒と改質触媒の間の負荷のバランスを適
切にすることができ、小型の装置で、多量の改質ガスを
より効率よく発生させることができる。また、多層改質
反応部27の(上下)両面から触媒燃焼部36により改
質反応部27を加熱するので、改質反応に必要な熱を確
実に伝えることができる。なお、多層改質反応部27の
積層数は積層方向の温度分布が触媒の動作温度範囲に収
まるように設計する必要がある。また、本実施例では一
つの改質反応ユニット70には、二つの改質反応室とそ
の間に原料ガス分散板と原料ガス供給室を設け、原料ガ
スを流れ方向に分散させる空間を共有することにより、
原料ガス供給室の空間を節約して、より小型の装置を実
現している。
【0068】実施例15.この 発明の実施例15に係る燃料改質装置を図27に示
す。本実施例では、改質反応ユニット70を一つの改質
反応平板76と原料ガス供給平板78、その間の原料ガ
ス分散板77から構成した。実施例14に比べると改質
反応平板76に対する原料ガス供給平板78の空間の割
合が増加するので、触媒充填量が減少するが、流路構成
はシンプルになる。ただし、原料ガス流路の高さを実施
例14に比べて半分にして、改質反応ユニット70をも
う一層追加すれば、全体の積層高さは同じで同量の改質
触媒量を確保することができる。触媒燃焼部の構造、燃
料ガス、空気、燃焼ガスの流れについては実施例14と
同様である。
【0069】実施例16.この 発明の実施例16に係る燃料改質装置を図28に示
す。実施例14、15は原料ガス供給平板78に何も充
填せず、原料ガス供給流路の高さも同じにし、それぞれ
の改質反応ユニット70に原料ガス4が均等に分配され
るように考慮した。本実施例では、図28に示すように
各改質反応ユニットの原料ガス供給流路に反応に関与し
ないアルミナ、シリカ等の充填粒子100を充填し、流
路の圧力損失を調節することにより各改質反応ユニット
に流れる原料ガス流量を調節可能にした。即ち、図28
において、上から順に改質反応ユニットを701、70
2、703とし、各改質反応ユニットにそれぞれ充填粒
子100を重量がw1〉w2〉w3 となるように充填する
と、各改質反応ユニット701、702、703に流れ
る原料ガス流量Q1、Q2、Q3 は、Q1〈Q2〈Q3 とな
り、触媒燃焼部36に近い部分の改質反応ユニットに原
料ガスが多く流れるようにする。従って温度の高い部
分、即ち改質触媒の反応速度が高い部分により多くの原
料ガスが供給され、動作温度に応じた改質触媒の性能を
有効に発揮することができる。
【0070】なお、原料ガス流路の高さを変えることで
もガス流量を調節することができる。図29はこのよう
な実施例を示すものであり、触媒燃焼部36に近い部分
の改質反応ユニットに原料ガスが多く流れるように、流
路高さhを触媒燃焼部36に近いほど大きくしている
(h1〈h2〈h3)。
【0071】以上のように、原料ガスが原料ガス供給室
に均等に分配され、さらに原料ガス分散板の分散孔から
改質反応室に均一に供給されれば、多層改質反応部の全
域にわたって均一な反応分布、即ち吸熱分布を維持する
ことができる。改質器全体の温度分布は、主に多層改質
反応部の吸熱分布と触媒燃焼部の発熱分布により決定さ
れ、発熱分布と吸熱分布の両方とも、面内で均一化され
ていれば、均一な面内温度分布を実現することができ
る。また、積層方向の温度分布は、発熱量と吸熱量、触
媒と反応ガス、伝熱壁面の間の熱伝達に大きく依存す
る。概して、多層改質反応部では触媒燃焼部に近い部分
が高温になり、中央部で低温になる。本来、高温部分の
改質触媒は低温部分の改質触媒より反応速度が高く、よ
り多くの流量の原料ガスを改質する能力がある。したが
って、多層改質反応部分では各改質反応部に原料ガスを
均等に分配するのではなく、高温部分により多くの原料
ガスを供給するのがより有効な手段である。従って上述
したように充填粒子や流路高さの調整によって、多層改
質反応部における原料ガス流量を調整し、温度の高い部
分、即ち改質触媒の反応速度が高い部分により多くの原
料ガスを供給すれば、動作温度に応じた改質触媒の性能
を有効に発揮することができる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、部分酸化反応部と改質
反応部を伝熱板を介して積層したので、装置が小型化す
るとともに、両方から水素リッチの改質ガスを生成する
ことができる。
【0073】また、本発明によれば、上記部分酸化反応
部と上記改質反応部を各々積層方向にフィンを有する伝
熱フィンを用いて構成するとともに、フィンの両側に改
質触媒、または部分酸化触媒等を配置して構成したの
で、部分酸化反応部から改質反応部への伝熱が促進さ
れ、積層方向の温度分布を小さくすることができる。
【0074】また、本発明によれば、燃料電池の起動時
や最大出力時及び負荷変動時には部分酸化反応を用いて
起動時間の短縮や良好な負荷応答性を達成するととも
に、一定負荷で効率を重視する場合には、部分酸化反応
を燃料電池オフガスの触媒燃焼に切り替えることにより
効率の良い運転が可能になる。
【0075】また、本発明によれば、燃料気化器を液体
燃料分岐マニホールド、蒸発促進体、均熱板、熱供給
源、及び蒸気分散板から構成したので、改質器と一体化
しやすくなり、コンパクトな燃料改質装置が得られる。
また、平板の面内に均一に蒸発を生じさせ、蒸気を燃料
改質装置の改質反応部または部分酸化反応部に均一に供
給することができる。
【0076】また、本発明によれば、上記平板型気化器
と改質器を一体化したので、コンパクトな構造を実現
することができるとともに、蒸気の凝縮を確実に防止す
ることができる。また、部分酸化反応部や触媒燃焼部の
発熱を液体燃料の気化に有効に使うことができる。
【0077】また、本発明によれば、燃料改質装置の触
媒燃焼部において、ガス供給平板の内部に燃料分岐マニ
ホールドと空気分岐マニホールドを設け、面内に配置し
た燃料供給小孔と空気供給小孔から燃料ガスと空気を分
散して供給し、平面内で混合した後、混合気分散板から
触媒燃焼室に混合気を供給するので、安定した燃焼を行
うとともに、独立した予混合器の設置スペースを節約
し、小型の燃料改質装置を得ることができる。
【0078】また、本発明によれば、改質反応部の上下
端に触媒燃焼部を設けるとともに、上記改質反応部は、
原料ガス供給室、原料ガス分散板、改質反応室、仕切板
から成る改質反応ユニットを複数個積層した多層構成と
し、さらに上記原料ガス供給室の流路高さを調節する、
あるいは上記原料ガス供給室に粒子を充填して充填粒子
量を調節するようにしたので、改質触媒の充填量が増加
し、燃焼触媒との負荷の差が適切にでき、小型の装置
で、多量の改質ガスをより効率よく発生させることがで
きる。また、多層改質反応部の原料ガスの分配流量を調
節し、高温部分に多くの原料ガスを供給することにより
動作温度に応じた改質触媒の性能を発揮させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による燃料改質装置の基本
的構成を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施例2による燃料改質装置の主要
部を示す断面構成図である。
【図3】 本発明の実施例2に係る伝熱コルゲートフィ
ンの構造を示す斜視図、及び部分酸化反応部の触媒配置
とガスの流れを示す説明図である。
【図4】 本発明の実施例3による燃料改質装置の主要
部を示す断面構成図である。
【図5】 本発明の実施例4による燃料改質装置の主要
部を示す断面構成図である。
【図6】 本発明の実施例5による燃料改質装置の運転
方法を説明する説明図である。
【図7】 本発明の実施例6による燃料改質装置の基本
的構成を示す斜視構成図である。
【図8】 本発明の実施例6に係る液体燃料分岐マニホ
ールドの一例を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施例6に係る液体燃料分岐マニホ
ールドの他の例を示す斜視図である。
【図10】 本発明の実施例6に係る液体燃料分岐マニ
ホールドの他の例を示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施例7に係る液体燃料分岐マニ
ホールドの一例を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施例8に係る平板型燃料気化器
における燃料及び空気の噴射小孔の配置を示す平面構成
図である。
【図13】 本発明の実施例8に係る平板型燃料気化器
における燃料及び空気の噴射小孔と伝熱コルゲートフィ
ンの配置を示す断面構成図である。
【図14】 本発明の実施例9による燃料改質装置の基
本的構成を示す断面構成図である。
【図15】 本発明の実施例10による燃料電池装置の
構成を示す構成図である。
【図16】 本発明の実施例11に係る燃料改質用触媒
燃焼部の基本的構成と作用を示す構成図である。
【図17】 本発明の実施例11に係る燃料改質用触媒
燃焼部における燃料ガス、空気、及び混合気の供給小孔
とバッフル板の配置を示す説明図である。
【図18】 本発明の実施例12に係る燃料改質用触媒
燃焼部における燃料ガス、空気、及び混合気の供給小孔
とバッフル板の配置を示す説明図である。
【図19】 本発明の実施例12に係る燃料改質用触媒
燃焼部における燃料ガス、空気、及び混合気の供給小孔
とバッフル板の他の配置を示す説明図である。
【図20】 本発明の実施例13に係る燃料改質用触媒
燃焼部における燃料ガス、空気、及び混合気の供給小孔
の配置を示す説明図である。
【図21】 本発明の実施例13に係る燃料改質用触媒
燃焼部における燃料ガス、空気、及び混合気の供給小孔
の他の配置を示す説明図である。
【図22】 本発明の実施例14による燃料電池装置の
構成を示す構成図である。
【図23】 本発明の実施例14による燃料電池装置の
具体的構成を示す斜視構成図である。
【図24】 本発明の実施例14による燃料電池装置の
原料ガスの流れを模式的に示す断面構成図である。
【図25】 本発明の実施例14による燃料電池装置の
空気の流れを模式的に示す断面構成図である。
【図26】 本発明の実施例14による燃料電池装置の
燃料ガスの流れを模式的に示す断面構成図である。
【図27】 本発明の実施例15による燃料電池装置の
構成を示す断面構成図である。
【図28】 本発明の実施例16による燃料電池装置の
構成を示す断面構成図である。
【図29】 本発明の実施例16による燃料電池装置の
他の構成を示す構成図である。
【図30】 従来のメタノール改質装置を示す構成図で
ある。
【図31】 部分酸化法をもちいた従来の改質器を示す
断面構成図である。
【図32】 部分酸化法をもちいた従来の他の改質器を
示す断面構成図である。
【図33】 従来の溶融炭酸塩型燃料電池用のプレート
・リフォーマの構造を示す部分断面構成図である。
【図34】 従来の溶融炭酸塩型燃料電池用のプレート
形改質装置の構成部品を示す斜視構成図である。
【図35】 従来の溶融炭酸塩型燃料電池用のプレート
形改質器の構造を示す部分断面構成図である。
【符号の説明】
1 メタノール 2 水 4 改質原料ガス 7 改質ガス 9 電池オフガス 10 空気 15 酸化触媒 16 改質触媒 22 伝熱板 23、78a、7
8b 原料ガス供給室 24、77 原料ガス分散板 25、76a、7
6b 改質反応室 26 伝熱コルゲートフィン 27 改質反応部 28 予混合燃料 29 反応ガス供
給室 30 部分酸化反応室 31 反応ガス分
散板 32 部分酸化反応部 33 改質ガス 34 燃料電池 35 燃料改質装
置 35a 燃料改質ユニット 36 触媒燃焼部 37 部分酸化触媒 38 液体燃料 39 液体燃料分岐マニホールド 39c 液体燃料
供給小孔 40 蒸発促進体 41 蒸気分散板 42 均熱板 43 電熱ヒータ 45 平板型燃料気化器 46 空気分岐マ
ニホールド 46c 空気供給小孔 47 燃料ガス 48 燃料ガス分岐マニホールド 48c 燃料ガス
供給小孔 49 混合気分散板 49c 混合気供
給小孔 50 バッフル板 52 燃焼触媒 53 触媒燃焼室 54 ガス供給平
板 55 ガス混合部 60 燃料電池 61 燃料気化器 70 改質反応ユ
ニット 79 仕切板 100 充填粒子 701、702、703 改質反応ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−232701(JP,A) 特開 平6−111838(JP,A) 国際公開92/020617(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 3/32 C01B 3/38 H01M 8/04 H01M 8/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素またはアルコール原料と空気の
    予混合燃料から部分酸化反応により水素を生成する部分
    酸化反応部、炭化水素またはアルコール原料と水蒸気の
    改質原料ガスから水蒸気改質反応により水素を生成する
    改質反応部、及び上記部分酸化反応部から上記改質反応
    部へ熱を伝達する伝熱板を備え、上記部分酸化反応部と
    上記改質反応部を上記伝熱板を介して積層した燃料改質
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の改質反応部は、原料ガス
    供給室、原料ガス分散板、及び改質反応室から成り、上
    記改質反応室を積層方向にフィンを有する伝熱フィン、
    及び上記フィンの両側に装填した改質触媒により構成
    し、部分酸化反応部は、反応ガス供給室、反応ガス分散
    板、及び部分酸化反応室から成り、上記部分酸化反応室
    を積層方向にフィンを有する伝熱フィン、上記反応ガス
    分散板に面した上記フィンの片側に装填した酸化触媒、
    及び上記伝熱板に面した上記フィンの片側に装填した改
    質触媒により構成した、あるいは上記部分酸化反応室を
    積層方向にフィンを有する伝熱フィン、及び上記フィン
    の両側に装填し、酸化反応と水蒸気改質反応に有効な成
    分を両方とも含有する部分酸化触媒により構成した燃料
    改質装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の燃料改質装置で
    生成した水素を燃料として燃料電池を運転する際に、上
    記燃料改質装置の起動時には、部分酸化反応部に炭化水
    素またはアルコール原料と空気の予混合燃料を供給し、
    上記部分酸化反応部から水素を上記燃料電池に供給し、
    上記燃料電池の最大出力運転時、及び負荷変動運転時に
    は、部分酸化反応の発熱により改質反応部を改質反応の
    動作温度まで加熱・昇温させて、上記改質反応部に改質
    原料ガスを供給し、改質反応と部分酸化反応を同時に生
    じさせて、上記改質反応部と上記部分酸化反応部の両方
    から水素を供給し、上記燃料電池の定格運転時には、上
    記部分酸化反応部に電池オフガスと空気を供給し、触媒
    燃焼させて改質反応に必要な熱を上記電池オフガスの触
    媒燃焼により供給し、上記改質反応部だけで上記燃料電
    池の定格運転時に必要な水素を生成するようにした燃料
    改質装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 液体燃料を面内に分散させる液体燃料分
    岐マニホールド、上記液体燃料分岐マニホールドから上
    記液体燃料を噴出させる複数の液体燃料供給小孔、上記
    液体燃料供給小孔と接して配置され、上記液体燃料を蒸
    発させる、発泡金属または金属メッシュから成る蒸発促
    進体、上記蒸発促進体と接して配置され、蒸発に必要な
    熱を上記蒸発促進体に伝達する金属または合金から成る
    均熱板、上記均熱板に接して配置され、蒸発に必要な熱
    を供給する熱供給源、及び上記蒸発促進体の面内で発生
    した蒸気を、燃料改質器の改質反応部または部分酸化反
    応部に分散供給するように平面内に複数の小孔を有した
    蒸気分散板で構成された平板型燃料気化器を備えた燃料
    改質装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の平板型燃料気化器と燃
    改質器を一体化した燃料改質装置。
  6. 【請求項6】 炭化水素またはアルコール原料と水蒸気
    の改質原料ガスから水蒸気改質反応により水素を生成す
    る改質反応部、及び燃焼用空気により燃料ガスを触媒燃
    焼させる触媒燃焼部から成る燃料改質装置において、上
    記触媒燃焼部は、内部に燃料ガス分岐マニホールドと燃
    焼用空気分岐マニホールドを有し、平板表面に複数の燃
    料供給小孔と空気供給小孔を配置し、燃料ガスと燃焼用
    空気を面内に分散供給するガス供給平板、このガス供給
    平板より供給された燃料と空気を混合させるガス混合
    部、混合気を触媒燃焼させる触媒燃焼室、上記ガス混合
    部と上記触媒燃焼室の間に設けられ、平板表面に複数の
    混合気供給小孔を配置し、上記混合気を面内に分散供給
    する混合気分散板で構成し、上記燃料供給小孔、上記空
    気供給小孔、及び上記混合気供給小孔を面内で相互に対
    称に連続して配置するとともに、上記ガス混合部の内部
    に、供給される燃料ガスと燃料ガス間、または燃焼用空
    気と燃焼用空気間の混合を遮断するバッフル板を、上記
    燃料供給小孔と隣の燃料供給小孔の間、または上記空気
    供給小孔と隣の空気供給小孔の間に設け、上記燃料供給
    小孔と上記空気供給小孔の間に上記混合気供給小孔を配
    置することを特徴とする燃料改質装置。
  7. 【請求項7】 炭化水素またはアルコール原料と水蒸気
    の改質原料ガスから水蒸気改質反応により水素を生成す
    る改質反応部、及び燃焼用空気により燃料ガスを触媒燃
    焼させる触媒燃焼部からなる燃料改質装置において、上
    記改質反応部の上下端に上記触媒燃焼部を設け、上記改
    質反応部は、原料ガス供給室、原料ガス分散板、改質反
    応室、仕切板から成る改質反応ユニットを複数個積層し
    た多層構成とし、上記原料ガス供給室の流路高さを調節
    する、あるいは上記原料ガス供給室に粒子を充填して充
    填粒子量を調節することにより、各上記改質反応室に供
    給する原料ガス流量を調節することを特徴とする燃料改
    質装置。
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