JP3439524B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

Info

Publication number
JP3439524B2
JP3439524B2 JP11143994A JP11143994A JP3439524B2 JP 3439524 B2 JP3439524 B2 JP 3439524B2 JP 11143994 A JP11143994 A JP 11143994A JP 11143994 A JP11143994 A JP 11143994A JP 3439524 B2 JP3439524 B2 JP 3439524B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
liquid
corner portion
coating liquid
slide surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11143994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07313919A (ja
Inventor
忠宏 辻本
崇 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11143994A priority Critical patent/JP3439524B2/ja
Publication of JPH07313919A publication Critical patent/JPH07313919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3439524B2 publication Critical patent/JP3439524B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/007Slide-hopper coaters, i.e. apparatus in which the liquid or other fluent material flows freely on an inclined surface before contacting the work

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スライドビードコータ
ーで水溶系または有機溶剤系の塗布液を塗布する際に発
生するスジ故障を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】スライドビードコーターの塗布装置での
塗布は、単層又は多層の同時塗布に用いられ、例えば、
1液又は2液以上の塗布液を塗布液供給口から押し出し
スライド面を流下させ、バッキングロールにより搬送さ
れている支持体にスライド面の端部から塗布される。こ
のとき支持体の振動、塗布切れの発生、振動によりビー
ド位置にある塗布液層間の液の混合等の原因でスジの発
生(スジ故障)が生じることがあり、発生したスジは、
より薄層の塗布が行われたとき重大な問題になる。特
に、写真感光材料の製造に用いられたとき、写真感光材
料は品質的に非常に厳しく、目視で判別できない程度の
スジの発生でも問題になることがある。
【0003】このスジの発生を防止する技術として、例
えば特開平1−206332号公報には、リップ先端部
にビード保持部を設け、ビードの安定性を高めスジ故障
を防止する技術が開示されている。また、特開平5−7
817号公報には、リップ上端角部を10〜50μmに
面取りし、高速塗布の際のビードの不安定化を抑えスジ
故障を防止する技術が開示されている。しかし、これら
の技術は、いずれもスライド型ホッパーの上面及び塗布
点周辺の固相、液相、気相の三相界面が存在する領域部
及びその上方で発生する塗布液の蒸発による固化により
発生するスジ故障を防止することができない。これに対
して、特開昭55−75758号公報には、スライド型
ホッパーの上面及び塗布点周辺の固相、液相、気相の三
相界面が存在する領域部及びその上方を覆う乾き防止板
を設置することで、三相界面での塗布溶媒の蒸発を抑え
塗布液の固化に伴うスジ故障を防止する技術が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭55−75758号公報に記載の技術は、図5に示
すようにスライド面2上を流れる塗布液4の最上流部の
気液固接触線4aの位置が想像線で示すように微妙に変
動し、乾燥または同時に起こるゲル化により固化物が生
成する。そして、この固化物の影響で塗布液面が平坦で
なくなりスジが発生してしまう。このようなスジの発生
は、塗布製品の品質を阻害するばかりでなく、連続的な
安定製造を阻害し生産性を低下させる重大な問題であ
る。また、この問題は、塗布液の溶媒が有機溶媒である
と、また薄層塗布であると、また塗布が高速で行われる
とより悪化する。
【0005】この固化物によるスジの発生は、恐らく塗
布液の溶媒の濡れ性に寄与すると考えられる。この濡れ
性は、液体が固体表面から気体を押しのける現象で、固
体面と液体との付着現象であり、液体自身の分子間に働
く力(凝集力)と液体分子とそれが接する固体表面との
間に働く力(付着力)とが関係していると考えられる。
固化物の発生によるスジを防止するために、この濡れ性
による問題を解決することが望まれる。従って、本発明
の目的は、スライドビードコーターのスライド面上を流
れる塗布液の最上流部に生じる固化物によるスジの発生
を防止し、良好に塗布することができる塗布装置を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
によって達成される。 (1)塗布液供給スリットから押し出された塗布液をス
ライド面上を流下させて被塗布材に供給するスライドビ
ード塗布装置において、スライド面上の前記スリットよ
り流下方向上流の接液部に前記流下方向と直交する幅方
向にわたる複数の段差を有することを特徴とする塗布装
置。 (2)前記段差の角部分の先端が曲率半径が50μm以
下の曲面であることを特徴とする前記(1)に記載の塗
布装置。 (3)前記段差の角部分の先端角度が105°以下であ
ることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の塗
布装置。 (4)塗布液として有機溶媒の混合液を塗布することを
特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の
塗布装置。 (5)前記段差の角部分の表面が撥水加工されているこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の塗布装置。 (6)前記段差の角部分の表面がテフロンコーティング
され撥水性を有していることを特徴とする前記(5)に
記載の塗布装置。
【0007】
【作用】即ち、本発明は、スライド面上のスリットより
流下方向上流の接液部に流下方向と直交する幅方向にわ
たる多段の角部分を設けて、接液部を幅方向にわたって
一定の直線状に保持することで、接液部での蒸発を抑制
でき固化物の発生を防ぐことができる。この結果、長時
間にわたってスジの発生なく安定に塗布することができ
る。スライドビードコーターで塗布する場合、水性溶剤
系または有機溶剤系の塗布液が給液スリットから押し出
されると、液体が固体表面から気体を押しのける現象が
生じ、塗布液がスリット面を流れていく流下方向上流方
向に濡れ広がる。このため、スライド面の最上部の気液
固接触線が上下に変動し固化物が発生すると考えられ
る。
【0008】本発明は、上記構成によりこの濡れ広がる
現象を抑えることができ、スライド面の最上部の気液固
接触部分での固化物の発生を防止しスジ故障なく良好に
塗布することができる。つまり、本発明は、段差を設け
ることで、液体自身の分子間の凝集力と液体分子とそれ
が接する固体表面との間の付着力との関係を調整し、こ
れにより濡れ性が抑えられるものと考えられる。本発明
において、段差は1段でも2段以上でもよく、1段の高
さも特に限定されず塗布量や用途により調節される。ま
た、本発明において、段差は、濡れ広がりを良好に抑え
るため、階段状または鉛直状に設けられる。段差は、塗
布量の異なる数種の塗布を同一の塗布装置で行う場合は
1段よりも2段以上の段差を設定するのが好ましく、塗
布量の少ない塗布を行う場合は1段の高さを低めに設定
するのが好ましく、またこれらのことは、濡れ広がりを
良好に抑えるのにも好ましい。
【0009】本発明において、スライド面最上流部の接
液部に複数の段差を設けると、塗布液の濡れ性による塗
布液の濡れ広がりを抑えることができ、スライド面上を
流れる塗布液の最上流部の気液固接触線での塗布液の乾
燥または/同時に起こるゲル化により生成される固化物
によるスジの発生を防止することができる。本発明にお
いて、段差の角部分の先端が曲率半径が50μm以下の
曲面であると、接液線が安定化するため塗布液の濡れ広
がりを良好に抑えることができ、スジの発生を防止でき
る。本発明において、段差の角部分の角度が105°以
下の形状であると、接液線が安定化するため塗布液の濡
れ広がりを抑える力が強くなり、より良好にスジの発生
が防止できる。段差の角部分の角度の好ましくは、95
°以下である。
【0010】本発明は、水性溶剤系の塗布液でも有機溶
剤系の塗布液でも良好に塗布が可能であるが、特に、液
の濡れ性が強い有機溶剤系の塗布液の場合により有効で
ある。本発明において、有機溶剤系とは、表面張力が2
0℃で50dyn/cm以下、沸点が1atmで90℃
以下のものを示す。つまり、本発明は、表面張力が水
(70dyn/cm)より低く濡れ広がり易く、沸点が
低いために蒸発し易く、溶液内に溶けているポリマーの
バインダー等の固化付着が生じ易い系に対して、特に有
効である。本発明において、段差の角部分の表面が撥水
加工、好ましくはテフロンコーティングにより撥水性を
有していると、表面張力が大きくなり濡れ広がりを良好
に防止できる。本発明の塗布装置は、磁気材料の塗布、
写真感光材料の乳剤塗布、写真感光材料用支持体の下塗
り、電子写真感光材料の塗布、感熱紙の塗布、感圧紙の
塗布、放射線感応レジストの塗布、鋼板材料の塗布等に
用いることができる。
【0011】
【実施態様】以下、本発明の塗布装置を図面を用いて説
明する。図1は、本発明の実施態様である塗布装置の要
部断面図である。この塗布装置は、スライド面2と給液
スリット3を有するスライドビードコーターとバッキン
グロール1を有している。傾斜角度を持って設けられた
スライド面2上に開口して形成された給液スリット3か
ら押し出された塗布液は、スライド面2上の傾斜に沿っ
て流下しバッキングロールによって搬送されてきた支持
体表面に塗布される。スライド面2の最上流部の接液部
に前記流下方向と直交する幅方向にわたり階段状に設け
られた複数の段差(以下、単に段差という。)は、給液
スリットから押し出された塗布液の濡れ広がりを抑え、
スライド面の最上部の気液固接触線を一定に保持し、固
化物の発生によるスジ故障を防止し長時間安定に塗布す
ることができる。
【0012】最上流部の接液部に設けられた複数の段差
は、段の数、段の形状、また、段の傾斜角度等を限定さ
れるものではない。本発明の塗布装置として好ましく
は、段差の角部分の先端が曲率半径が50μm以下、好
ましくは10μm以下の曲面であり、段差の角部分の角
度(α)が105°以下、好ましくは95°以下の形状
をしている。また、段差の角部分の形状は、階段状、鋸
刃状等の断面形状で流下方向と直交する幅方向にわたり
一様に加工されている。図1は、角部分が階段状に加工
されている一実施態様である。図1に示されている段差
の段の幅aは0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2m
mであり、高さbは0.1〜5mm、好ましくは0.2
〜2mmである。図1に示されている段差全体の高さH
は、0.2〜20mm、好ましくは0.5〜10mmで
ある。図1の塗布装置の実施態様としては、段が3段、
段の角部分の角度が90度、段の角部分の先端が曲率半
径が5μm以下、段差の段の幅aは1.0mm、高さb
は1.0mmのものがあげられる。
【0013】図2は、図1に示す段差の形状を鋸刃状に
変えた本発明の実施態様である塗布装置の要部断面図で
ある。図2に示された段は、その先端が鉛直方向の同一
平面内にあり、また、段は上辺に水平面を有し下辺が斜
めに傾斜し、段の角部分の角度は鋭角である。図2の塗
布装置として、好ましくは、段差の角部分の先端の曲率
半径、段差の角部分の形状、段差の段の幅a及び高さ
b、段差全体の高さHは、それぞれ図1に示す範囲と同
様であり、段差の角部分の角度(α)は90°以下の鋭
角である。図2の塗布装置は、段の数、段の角部分の角
度等は特に限定されないが、図2の塗布装置の実施態様
としては、段が3段、段の角部分の角度が60°、段の
角部分の先端が曲率半径が5μm以下、段差の段の幅a
は1.0mm、高さbは1.0mmのものがあげられ
る。
【0014】図2の塗布装置は、段の角部分の角度が鋭
角で、段の上辺が水平面を有し下辺が斜めに傾斜してい
ることから、スライド面上を流れる塗布液の最上流部の
気液固接触線を一定により良好に保持でき、気液固接触
線で生じる固化物によるスジの発生を防止でき好まし
い。図2の塗布装置は、薄層塗布に好ましく用いられ
る。薄層塗布は、塗布量が少なくなるため、段の高さを
低めに設定すると好ましく、また、段の数を多く設ける
ことで、段の高さを低く設定した塗布装置を用いて塗布
量の多い塗布にも良好に対応することができる。このよ
うに、段の数、段の高さ、段の角部分の角度等を、用途
の幅、例えば、同一の塗布装置を用いて普通の厚さのも
のと薄層のものを塗布する等、を考慮して設定すること
ができ、塗布操作が簡便になり好ましい。
【0015】図3は、図1に示す段差の形状を鋸刃状に
変えた本発明の実施態様である塗布装置の要部断面図で
ある。図3に示された段は、その先端が鉛直方向の同一
平面内にあり、また、段は水平面を有しておらず上辺及
び下辺の傾斜角度が上下に均等であり、段の角部分の角
度は180度以下である。図3の塗布装置として好まし
くは、段差の角部分の先端の曲率半径、段差の角部分の
形状、段差の段の幅a及び高さb、段差全体の高さH
は、それぞれ図1に示す範囲と同様であり、段差の角部
分の角度(α)は90°以上〜180°以下、好ましく
は105°以下、より好ましくは95°以下の鈍角であ
る。
【0016】図3の塗布装置は、段の数、段の角部分の
角度等は特に限定されないが、図3の塗布装置の実施態
様としては、段が3段、段の角部分の角度が120°、
段の角部分の先端が曲率半径が10μm、段差の段の幅
aは1.0mm、高さbは2.0mmのものがあげられ
る。図3の塗布装置は、段の角部分の角度が例えば12
0°とやや広めに設定されて、図2の鋭角の場合に比べ
るとスジ発生の防止効果がやや劣るが、段差を設けてい
ないものに比べれば良好な塗布ができる。以上は、塗布
基液が1層の場合について説明したが、本願発明は多層
を同時塗布する装置に適用することも可能である。即
ち、図1におけるスライド面2が多層同時塗布のために
複数のブロックに分かれている場合でも、スライド面2
の上で最上層を構成する層のスリットの上流側接液部
に、本願発明の方法を適用して同様の効果を得ることが
できる。
【0017】
【実施例】
塗布条件 ;塗布スピード50m/分、塗布液粘度0.
7cp、ビードクリアランス100μm、塗布幅1m、
塗布量30cc/m2 塗布液処方;アセトン:メタノール:塩化メチレン=
5:2:3(体積比)ゼラチン0.5重量% 図1〜5に示した塗布装置を用いて実施した。各装置の
サイズは表1の通りである。その結果をスジの発生時間
により評価し、表1に示した。
【0018】(実施例1)実施例1は、図1の塗布装置
を表1に示したサイズ、形状として行った。実施例1で
はスライド面上端部の液の濡れ広がり(メニスカス)
は、段の角部分に安定に固定され、24時間の連続塗布
を行っても該接液部分からのスジの発生は認められなか
った。 (実施例2)実施例2は、図2の塗布装置を表1に示し
たサイズ、形状として行った。実施例2では、スライド
面上端部の液のメニスカスは、角部分に安定に固定さ
れ、実施例1と同様に24時間の連続塗布を行っても該
接液部からのスジの発生が認められなかった。
【0019】(実施例3)実施例3は、図3の塗布装置
を表1に示したサイズ、形状として行った。実施例3で
は、塗布液は段の角部に安定に固定することができず、
塗布開始後1時間経過して乾燥・固化物が付着しスジが
発生した。 (実施例4)実施例4は、実施例1と同様な階段状の角
部であるが、角部の先端が曲率半径が60μmと大きい
場合である。この場合にはスライド面上端部の接液部が
角部に安定に固定することができず、塗布開始後40分
で乾燥・固化物の付着によるスジが発生した。
【0020】(実施例5)実施例5は、実施例4と同様
な階段状の角部であるが、角部の表面にテフロンコーテ
ィングを施したものである。表面に撥水性のテフロンを
コーティングすることで乾燥・固化物の付着は若干改善
されるが、やはり塗布後1.5時間でスジの発生が認め
られた。 (実施例6)実施例6は、実施例5と同様な階段状の角
部であるが、角部の表面にNi−テフロンの鋳金を施し
たものである。実施例5と同様に撥水性を付与したもの
であるが、実施例5と同様に乾燥・固化物の付着は若干
改善されるものの塗布後2時間でスジの発生が認められ
た。 (実施例7)実施例7は、実施例4と同様な階段状の角
部であるが、角部の先端が曲率半径が実施例4よりやや
小さく50μmとした場合である。この場合には実施例
4に比べてスライド面上端部の接液部が角部に安定に固
定することができるが、塗布開始後1.5時間で乾燥・
固化物の付着によるスジが発生した。
【0021】(比較例1)比較例1は、図4の塗布装置
を表1に示したサイズ、形状として行った。図4の塗布
装置は、スライド面上のスリットより流下方向上流の接
液部の高さを流下方向と直交する幅方向に垂直に高く
し、段差を有したものである。比較例1では、塗布液は
スライド面上端部の垂直な面に濡れ広がり、気−液界面
では、乾燥・固化物が付着し塗布後わずか30分経過す
るとスジが発生した。このように垂直面を設けた図4の
塗布装置では、接液部4aの変動が大きく、液の濡れ性
を抑えて接液部を一定の直線状に保持することができな
いことがわかる。 (比較例2)比較例2は、図5の塗布装置を表1に示し
たサイズ、形状として行った。図5の塗布装置は、従来
公知の塗布装置であり、スライド面上のスリットより流
下方向上流の接液部の高さを流下方向と直交する幅方向
に垂直に高くせず、又段差も設けていないものである。
比較例2では、スライド面上端部の接液部は、給液スリ
ットを越えて濡れ広がり、やはり接液部では乾燥・固化
による付着物が発生し、塗布後25分でスジが発生し
た。このようにスライド面上のスリットより流下方向上
流の接液部4aの変動がかなり大きく、スジの発生が著
しくなることがわかる。
【0022】
【表1】 No. 段の形状 幅:a;高さ:b 角度 曲率半径 スジ発生まで (mm) (α)° の時間 ──────────────────────────────────── 実施例1 階段状 1.0 1.0 90 ° 5 μm 以下 24時間で発生なし 実施例2 鋸刃状 1.0 1.0 60 ° 5 μm 以下 同上 実施例3 鋸刃状 1.0 2.0 120 ° 10μm 1 時間で発生 実施例4 階段状 1.0 1.0 90 ° 60μm 40分で発生 実施例5 階段状 1.0 1.0 90 ° 60μm 1.5 時間で発生 実施例6 階段状 1.0 1.0 90 ° 60μm 2 時間で発生 実施例7 階段状 1.0 1.0 90 ° 50μm 1.5 時間で発生 比較例1 角部なし − − − − 30分で発生 比較例2 角部なし − − − − 25分で発生
【0023】上記の結果、図1に示す構成の装置を用い
た実施例1と図2に示す構成の装置を用いた実施例2は
スジの発生を良好に防止することができる。図3に示す
構成の装置を用いた実施例3は、段差をスライド面上の
接液点に設けたが、実施例1及び2に較べて良好な効果
が得られなかった。しかし、図4、図5に示す構成の装
置を用いた比較例1及び2よりスジ発生を抑えることが
でき、このことから段差を設けなかったり、スライド面
の上流方向を垂直面にすることのみでは効果が全くな
く、段差を設けることで効果が得られることが判る。実
施例4は、実施例1で用いた図1の装置の段差の角部の
先端の曲率半径を60μmと大きくしたものであり、こ
のことで、実施例1よりもスジ故障防止効果が低下し
た。このことから、段差の角部の先端の曲率半径は、5
0μm以下の範囲とすることが効果を得るのに好ましい
ことが判る。実施例5及び6は、角部の表面を発水性に
したものであり、こうすることで曲率半径を60μmと
大きくしたにも係わらず、曲率半径を60μmとした実
施例4より良好な結果が得られた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、スライドコーターのス
ライド面上を流れる塗布液の最上流部に生じる固化物に
よるスジの発生を防止し、良好に塗布することができる
塗布装置を提供することができる。また、本発明は、高
速で薄層塗布が可能であり、更に有機溶剤系の塗布液で
も良好に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の要部断面図である。
【図2】本発明の塗布装置の要部断面図である。
【図3】本発明の塗布装置の要部断面図である。
【図4】比較の塗布装置の要部断面図である。
【図5】従来の塗布装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 バッキングロール 2 スライド面 3 給液スリット 4 塗布液 4a 接液部 a、b 角部の寸法 α 角部の角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−75758(JP,A) 特開 昭52−47039(JP,A) 特開 昭50−138037(JP,A) 特開 昭58−180262(JP,A) 特開 平5−192633(JP,A) 特開 平1−145649(JP,A) 特開 平2−105331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/02 G03C 1/74

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液供給スリットから押し出された塗
    布液をスライド面上を流下させて被塗布材に供給するス
    ライドビード塗布装置において、スライド面上の前記ス
    リットより流下方向上流の接液部に前記流下方向と直交
    する幅方向にわたる複数の段差を有することを特徴とす
    る塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記段差の角部分の先端が曲率半径が5
    0μm以下の曲面であることを特徴とする請求項1に記
    載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記段差の角部分の先端角度が105°
    以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記段差の幅が0.1〜5mmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装
    置。
  5. 【請求項5】 前記段差の高さが0.2〜20mmであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗
    布装置。
  6. 【請求項6】 前記段差の角部分の表面が撥水加工され
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗布液として有機溶媒の混合液を塗布す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗
    布装置。
  8. 【請求項8】 塗布液として水性溶剤系塗布液を塗布す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗
    布装置。
  9. 【請求項9】 塗布液として有機溶剤系塗布液を塗布す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗
    布装置。
  10. 【請求項10】 当該有機溶剤系塗布液の表面張力が2
    0℃で50dyn/cm以下、沸点が1atmで90℃
    以下であることを特徴とする請求項9に記載の塗布装
    置。
JP11143994A 1994-05-25 1994-05-25 塗布装置 Expired - Lifetime JP3439524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11143994A JP3439524B2 (ja) 1994-05-25 1994-05-25 塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11143994A JP3439524B2 (ja) 1994-05-25 1994-05-25 塗布装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001155753A Division JP3485265B2 (ja) 2001-05-24 2001-05-24 塗布方法及び塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07313919A JPH07313919A (ja) 1995-12-05
JP3439524B2 true JP3439524B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=14561236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11143994A Expired - Lifetime JP3439524B2 (ja) 1994-05-25 1994-05-25 塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3439524B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07313919A (ja) 1995-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0804292B1 (en) Method and apparatus for coating substrates using an air knife
JP2581975B2 (ja) 塗布装置
JP2646251B2 (ja) 多層同時塗布方法及び装置
US4974533A (en) Coating apparatus
KR19980701874A (ko) 박막의 유체 코팅 스트라이프를 도포하는 방법 및 장치
JPS6057385B2 (ja) 両面塗布方法
JPH10506840A (ja) 張力上昇ナイフコーティング法
JP4120913B2 (ja) 塗布方法
JP2000508973A (ja) コーター外枠およびコーター外枠を備えたコーティング装置
JP3343153B2 (ja) 塗布方法
US20020160119A1 (en) Coating method
EP1342508B1 (en) Coating apparatus and coating method
EP0954766A1 (en) Apparatus and method for minimizing the drying of a coating fluid on a slide coater surface
JP3439524B2 (ja) 塗布装置
JP3485265B2 (ja) 塗布方法及び塗布装置
JPS6391171A (ja) 塗布方法
JPH05261330A (ja) 塗布装置及び塗布方法
US5413818A (en) Curtain coating method and apparatus utilizing checking plate for controlling liquid flow
WO2015037320A1 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP3409210B2 (ja) 塗布方法
WO1993014878A1 (en) Method of and device for application
JPS6322192B2 (ja)
JP3240522B2 (ja) 感光材料の塗布装置
JP2000225366A (ja) カーテン塗布方法及びカーテン塗布装置
JP2855032B2 (ja) 塗布方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term