JP3437024B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3437024B2 JP31649095A JP31649095A JP3437024B2 JP 3437024 B2 JP3437024 B2 JP 3437024B2 JP 31649095 A JP31649095 A JP 31649095A JP 31649095 A JP31649095 A JP 31649095A JP 3437024 B2 JP3437024 B2 JP 3437024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に係り、詳
しくは磁気ディスク装置、フロッピーディスク装置、磁
気テープ装置等の磁気記録装置に用いられる面内磁気記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置、フロッピーデ
ィスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範
囲は著しく拡大され、その重要性が増すと共に、これら
の装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密
度の著しい向上が図られつつある。
【0003】これらの磁気記録媒体については、今後、
更に高記録密度化を達成することが要求されており、そ
のために、磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比を
達成することが必要とされている。
【0004】このうち、高保磁力化の有効な手段とし
て、磁性材料にPtを添加することにより、2000O
eを超える高い保磁力が得られることが知られている。
たとえば、特開昭59−88806号公報にはCo系材
料、USPNo.5,024,903号にはCoCrTa系材料に
それぞれPtを添加した例が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ptの
添加は保磁力の向上には効果があるが、一方で媒体ノイ
ズをも増大させる。CoPt系磁性層を形成した磁気記
録媒体では、CoCrTaのような比較的保磁力の低い
磁性層を形成した磁気記録媒体と比べても、媒体ノイズ
が高くなる。媒体ノイズを低減する方法として、磁性層
を多層化し、間に非磁性層を挿入する方法が知られてい
る(特開平6−176341号公報等)が、この方法は
磁性層を分断するので保磁力が低下する傾向があり、高
保磁力化と低ノイズ化の両方を実現する有力な手段は未
だ開発されていないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の実
情に鑑みてなされたものであって、磁気記録媒体におい
て、信号/雑音比(S/N比)を低下させることなく高
保磁力化を実現する磁気記録媒体を提供することを目的
としている。
【0007】本発明による磁気記録媒体は、非磁性基板
と、Co系合金磁性層(ML)と、この磁性層と基板の
間にCrを主成分とする非磁性下地層を有する磁気記録
媒体において、前記磁性層と非磁性下地層との間に、h
cp構造を有するCo系合金からなる中間層(IL)を
有し、かつ磁性層を構成するCo系合金の飽和磁束密度
(BsML)と磁性層膜厚(tML)との積(BsML
・tML)に対する、前記中間層を構成するCo系合金
の飽和磁束密度(BsIL)と中間層膜厚(tIL)の
積(BsIL・tIL)の比 R=(BsIL・tIL)/(BsML・tML)が
0.2以下であることを特徴とする磁気記録媒体であ
る。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明において、非磁性基板とし
ては、通常の場合、無電解めっき法により形成したNi
−P層を設けたアルミニウム合金板又はガラス基板が用
いられるが、その他、セラミック基板、炭素基板、Si
基板、更には各種樹脂基板等、あらゆる非磁性基板を用
いることができる。
【0009】このような非磁性基板上に形成するCrを
主成分とする非磁性下地層としては、Cr以外の元素、
例えばSi、Ti、V、Mo、W等の1種又は2種以上
を30原子%程度以下の範囲において含んでいても良
い。また、この非磁性下地層の膜厚は通常100〜20
00Å、好ましくは200Å以上の範囲が採用される。
下地層が薄すぎると、保磁力が大きく低下する原因とな
る。
【0010】このような下地層の上に形成するCo基合
金中間層は、結晶構造が最密六方(hcp)構造を有
し、かつ、この中間層上に形成するCo系合金磁性層の
飽和磁束密度(BsML)とCo系合金磁性層膜厚(t
ML)の積BsML・tMLに対する、中間層の飽和磁
束密度(BsIL)と中間層膜厚(tIL)の積BsI
L・tILの比が0.2以下、即ち、下記(I)式を満
足する非磁性ないし弱磁性中間層であることを特徴とす
る。 R=(BsML*tML)/(BsIL*tIL)<=0.2 (I)
【0011】飽和磁束密度Bsと膜厚tの積Bs・tは
磁性層の単位面積当たりの飽和磁化量を表しており、本
発明の中間層におけるBs・tの値(BsIL・tI
L)は、Co系合金磁性層のBs・tの値(BsML・
tML)の20%以下、好ましくは10%以下、更に好
ましくは0である。両者の比Rが0.2を超えると、保
磁力の低下等、磁気特性の劣化を来たす。
【0012】本発明において中間層を設けることは、C
o系合金磁性層の初期成長層の特性を改良することが主
な目的であり、このため、中間層自身は磁気的に動作し
ないことが望ましい。中間層の飽和磁束密度を、上記
(I)式を満足するような小さな値、とりわけ、0Ga
uss(R=0)とすることにより、磁気記録媒体に及
ぼす中間層の磁気的影響を完全に排除することができ
る。
【0013】本発明における中間層材料は、Cr、T
a、Ti、W、V、Mo、Siの少なくとも1種とCo
との合金が好ましい。中間層材料中のこれらの元素Mの
含有率は適宜選択すれば良く特に制限はないが、通常、
20〜50原子%程度である。また、この場合、Coの
一部をNi等の磁性元素で置換することもできる。この
際、中間層は非磁性であることが好ましく、例えば、C
o−Cr系中間層においてはCrの含有量が34〜45
原子%であることが、飽和磁束密度が0でかつ結晶がh
cp構造となるため好ましい。
【0014】中間層の材料合金には、上記中間層として
の性能を損なわない限り、数原子%以下程度ならその他
のGe、Cu、Zn、窒素、酸素、水素等の元素を含ん
でいても良い。また、更に、Co系合金磁性層との結晶
格子定数を調整する等のために、他の元素を添加しても
よい。なお、このような中間層の膜厚は、10〜100
0Å、特に50〜500Åとするのが好ましい。
【0015】このような中間層上に形成するCo系合金
磁性層のCo系合金としては、通常、CoCr系、Co
NiCr系、CoPt系合金等が用いられ、これらは更
に、Ni、Cr、Pt、Ta、B等の元素を含んでいて
も良い。Co系合金磁性層の具体的なCo系合金として
は、CoCrTa合金、CoNiCrBTa合金、Co
PtCrTa合金が挙げられる。磁性層の膜厚には特に
制限はないが、通常、100〜800Åの厚さに成膜さ
れる。
【0016】このような本発明の磁気記録媒体は、非磁
性基板上に下地層、中間層及び磁性層を順次成膜するこ
とにより製造されるが、その際、成膜途中で大気曝露す
ることなく一貫して真空雰囲気中で順次積層成膜するこ
とが望ましい。
【0017】なお、成膜法としては、直流又は高周波マ
グネトロンスパッタ法のいずれでも良く、成膜時のスパ
ッタ条件としても特に制限はなく、バイアス電圧、基板
温度、スパッタガス圧、真空度等は、スパッタ材料によ
り適宜決定される。通常の場合、バイアス電圧(絶対
値)は50〜500V、基板温度は室温〜300℃、ス
パッタガス圧は1×10−3〜20×10−3Tor
r、真空度は1×10−6Torr以下で成膜される。
本発明の磁気記録媒体は、上述した中間層とCo系合金
磁性層との組み合わせを満たす限り、Co系合金磁性層
の上に更に同様の中間層及び磁性層を設けた積層構造を
有するものであっても良い。
【0018】即ち、本発明の磁気記録媒体は、記録層で
ある磁性層と下地層との間にCo系非磁性(ないし弱磁
性)中間層を設けることを特徴としており、例えば、非
磁性基板と下地層の間に金属被覆層を形成したもの、磁
性層を2種以上のCo合金層の積層構造としたもの、磁
性層上に非磁性中間層を設けて積層したもの、或いは磁
性層上に更に必要に応じて炭素質等の保護層及び/又は
通常用いられる潤滑剤よりなる潤滑層等を形成してなる
ものであっても良い。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。表1〜表
8に示すように、各種条件で実施例および比較例を実施
した。なお、本発明において残留磁束密度(Br)、飽
和磁束密度(Bs)および保磁力(Hc)は、VSM
(Vibration Sample Magnetometer:東英工業株式会社製
VSM−3S型)により、測定したMHループ(hyster
esis loop)を基に値を算出した。なお、測定時の条件は
次の通りである。 最大印加磁界 5000(Oe) サンプルサイズ(縦×横) 8mm×8mm また、磁性層の膜組成の分析は、蛍光X線分析で行っ
た。
【0020】実施例1〜19、比較例1〜4 (実施例1〜5)内径25mm、外径95mmのアルミ
ニウム合金ディスク基板表面に、無電解メッキにより非
磁性Ni−P層を25μm厚さに成膜し、その表面を鏡
面研磨してRa(中心線平均粗さ)20〜30Åに仕上
げた。
【0021】この非磁性基板を高周波(13.56MH
z)マグネトロンスパッタ装置に装着し、3×10-6
orrまで真空排気した後、基板温度を250℃まで昇
温し、アルゴン分圧5×10-3Torrにて、基板に直
流−100Vのバイアス電圧を印加しながら、Cr下地
層を約600Åの厚さに成膜した。
【0022】そして引き続き、中間層としてCo63原
子%−Cr37原子%の組成のCoCr膜を100Åの
厚みに形成した後、Co80原子%−Cr14原子%−
Ta6原子%の組成の磁性膜を150〜400Å成膜す
ることにより、残留磁束密度と膜厚の積であるBr・t
が60〜180gauss・μmの範囲の試料を作製し
た(実施例1〜5)。
【0023】なお、中間層のCo63原子%−Cr37
原子%の組成のCoCr膜はBs=0Gaussの非磁
性体であり、かつhcp構造を有している。得られた試
料のBs・tとHcの関係を図1に示す。
【0024】(実施例6〜9)中間層としてCo62原
子%−Cr37原子%−Ta1原子%を用いたこと以外
は実施例1〜5と同様にして試料を作成した。得られた
試料のBs・tとHcの関係を図2に示す。
【0025】(実施例10〜14)中間層としてCo6
0.5原子%−Cr36原子%−Ti3.5原子%を用
いたこと以外は実施例1〜5と同様にして試料を作成し
た。得られた試料のBs・tとHcの関係を図2に示
す。
【0026】(実施例15〜19)中間層としてCo5
9.5原子%−Cr36原子%−V4.5原子%を用い
たこと以外は実施例1〜5と同様にして試料を作成し
た。得られた試料のBs・tとHcの関係を図2に示
す。
【0027】(比較例1〜4)CoCr中間層を設けず
に成膜したこと以外は、実施例1〜5と同じ条件で試料
を作製した。得られた試料のBs・tとHcの関係を図
1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1、Fig1および2から明らかなよう
に、Co系中間層を形成したことにより、Hcが400
〜800Oe上昇したことが認められる。
【0030】実施例20〜23、比較例5〜8 実施例1〜5或いは比較例1〜4と同様にして作製した
各磁気記録媒体について、各々、磁性層上に、更に、厚
さ150ÅのC(炭素)保護膜をスパッタリング法で成
膜し、その上にF(弗素)系の潤滑剤を約30Åの厚さ
に塗布し、得られた各磁気記録媒体について、電磁変換
特性を測定した。
【0031】なお、電磁変換特性の測定はハードディス
ク用MR(磁気抵抗効果)ヘッドを用いて行った。使用
したヘッドの仕様および測定の条件を以下に示す。 ヘッド浮上高さ 750Å 記録ギャップ長 0.78μm 再生シールド幅 0.22μm 再生トラック幅 4.2μm ディスク回転数 3,600rpm 測定半径 23mm 記録周波数 20.1MHz
【0032】電磁変換特性の測定結果を表2に示す。ま
た、図3に再生出力と磁気記録媒体のS/N比との関係
を、図4に再生出力と孤立再生波形の半値幅(PW5
0)との関係をそれぞれ示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2、Figs3および4より、CoCr
中間層を設けた磁気記録媒体の方がS/N特性および分
解能のいずれにおいても優れていることが認められる。
【0035】実施例24〜28、比較例9〜10 (実施例24〜28)CoCr中間層のCr含有量を約
29原子%から44原子%まで変化させた以外は実施例
1〜5と同様にして試料を作製した。
【0036】(比較例9)CoCr中間層のCr含有量
を24原子%とした以外は実施例1〜5と同様にして、
試料を作製した。
【0037】(比較例10)CoCr中間層のCr含有
量を54原子%とした以外は実施例1〜5と同様にし
て、試料を作製した。なお、比較例10を除く各例で用
いたCo系中間層は何れもhcp構造を有する。また、
Co(80)Cr(14)Ta(6)のBs(ML)は5500(Gauss)であっ
た。
【0038】実施例24〜28及び比較例9,10で得
られた試料につき、CoCr中間層のCr含有率と保磁
力Hcとの関係を図5に、CoCr中間層のCr含有率
と、飽和磁束密度と膜厚の積Bs・tとの関係を図6に
それぞれ示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3、Fig5および6から明らかなよう
に、hcp構造を有し、かつBs・t(ML)/Bs・t(IL)が0.20
0未満、特に0.015未満の範囲においては、顕著な保磁力
Hcの上昇効果が得られている。また、この条件はCo
Cr合金においてはCr含有率が27〜52原子%の範
囲が相当し、特にCr含有率が34〜47原子%の範囲
で効果が高いこともわかる。
【0041】ここで、比較例10においてのみCoCr
中間層はhcp構造を有しておらず、本発明において中
間層がhcp構造を有することが重要であることが明ら
かである。また、表3より明らかなように、特に高保磁
力の実施例27、28においてはCoCr中間層が非磁
性(Bs=0)であることから、中間層は非磁性である
ことが望ましい。
【0042】実施例29〜34、比較例11〜15 (実施例29〜34)実施例1〜5の作製条件におい
て、磁性層をCo70原子%−Cr21原子%−Pt9
原子%の組成のCoCrPt磁性層に変更し、それ以外
の条件については同様にして試料を作製した。
【0043】(比較例11〜15)また、CoCr中間
層を設けずに成膜したこと以外は、上記と全く同じ条件
で試料を作製した。各試料の構成、保磁力および製造条
件を表4に、保磁力HcとBs・tの関係を図7に示し
た。
【0044】
【表4】
【0045】表1及び図7より、磁性層にTaを含まな
くともCo系中間層による効果が得られることが明らか
である。
【0046】実施例35〜37、比較例16〜18 (実施例35〜37)実施例1〜5の作製条件におい
て、高周波スパッタ法を直流スパッタ法に、バイアス電
圧を−100Vから−500Vに、CoCr中間層厚み
を100Åから50Åに、更にCoCrTa磁性層をC
o56.5原子%−Ni30原子%−Cr7.5原子%
−B3原子%−Ta3原子%の組成のCoNiCrBT
a磁性膜に変更し、それ以外の条件については同様にし
て試料を作製した。
【0047】(比較例16〜18)また、CoCr中間
層を設けずに成膜したこと以外は、上記と全く同じ条件
で試料を作製した。各試料の構成、保磁力および製造条
件を表5に、保磁力HcとBs・tの関係を図8に示し
た。
【0048】
【表5】
【0049】表5及び図8より、スパッタ方法、バイア
ス電圧、磁性層の種類が変わっても、Co系中間層によ
る効果が得られることが明らかである。
【0050】実施例38〜41、比較例19〜22 (実施例38〜41)実施例1〜5の作製条件におい
て、高周波スパッタ法を直流スパッタ法に、バイアス電
圧を−100Vから−300Vに、Cr下地層厚みを6
00Åから850Åに、CoCr中間層厚みを100Å
から170Åに、更にCoCrTa磁性層をCo80原
子%−Cr12原子%−Pt6原子%−Ta2原子%の
組成のCoCrPtTa磁性膜に変更し、それ以外の条
件については同様にして試料を作製した。
【0051】(比較例19〜22)また、CoCr中間
層を設けずに成膜したこと以外は、上記と全く同じ条件
で試料を作製した。これら試料の構成、特性及び製造条
件を表6に、得られた各磁気記録媒体の保
【0052】
【表6】
【0053】磁力HcとBs・tとの関係を図9に示し
た。表6及び図9から、Ptを含むCo系合金磁性層に
おいても、本発明の効果が得られることが明らかであ
る。
【0054】実施例42〜45、比較例23 (実施例42〜45)実施例1〜5の作製条件におい
て、磁性層を厚さ250ÅのCo78原子%−Cr17
原子%−Ta5原子%に変更し、それ以外の条件につい
ては同様にして、CoCr中間層の厚さを50Å〜50
0Åまで変化させた試料を作製した。
【0055】(比較例23)また、CoCr中間層を設
けずに成膜したこと以外は、上記と全く同じ条件で試料
を作製した。これら試料の構成、特性及び製造条件を表
7に、得られた各磁気記録媒体の保磁力HcとBs・t
との関係を図10に示した。
【0056】
【表7】
【0057】表7及び図10から、中間層の厚みが増加
すると保磁力が低下する傾向にあることが読み取られ、
中間層の厚みとしては500Å以下が適当であると思わ
れる。
【0058】実施例46〜49、比較例24〜26 (実施例46〜49)実施例42〜45の作製条件にお
いて、CoCr中間層の厚さを100Åとし、それ以外
の条件は同様にして、クロム下地層の厚さを100〜6
00Åまで変化させた試料を作製した。
【0059】(比較例24〜26)また、CoCr中間
層を設けずに成膜したこと以外は、上記と全く同じ条件
で試料を作製した。これら試料の構成、特性及び製造条
件を表8に、得られた各磁気記録媒体の保磁力HcとB
s・tとの関係を図11に示した。
【0060】
【表8】
【0061】表8及び図11から、中間層の厚みが増加
すると保磁力が低下する傾向にあることが読み取られ、
中間層の厚みとしては1000Å以下が適当であると思
われる。
【0062】以上記述した通り、本発明の磁気記録媒体
によれば、従来の磁気記録媒体に比べ著しく高い保磁力
と優れた電磁変換特性を示し、高密度記録に極めて適し
た磁気記録媒体が提供される。
【0063】
【発明の効果】本発明に従って、hcp構造を有するC
o系非磁性ないし弱磁性中間層を設けることにより、中
間層による磁気的影響を完全に排除ないし著しく小さい
ものとした上で、記録層となるCo系合金磁性層の初期
成長層の特性を効果的に改良することができ、これによ
り、磁気記録媒体の保磁力及び電磁変換特性は大幅に改
善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた、飽
和磁束密度と膜厚の積Bs・tと、保磁力Hcとの関係
を示すグラフである。
【図2】実施例6〜19及び比較例5〜7で得られた、
飽和磁束密度と膜厚の積Bs・tと保磁力Hcとの関係
を示すグラフである。
【図3】実施例11〜14及び比較例8〜11で得られ
た、再生出力とS/N比との関係を示すグラフである。
【図4】実施例11〜14及び比較例8〜11で得られ
た、再生出力と孤立再生波形の半値幅PW50との関係
を示すグラフである。
【図5】実施例24〜28及び比較例9,10で得られ
た、CoCr中間層のCr含有率と保磁力Hcとの関係
を示すグラフである。
【図6】実施例24〜28及び比較例9,10で得られ
た、CoCr中間層のCr含有率と、飽和磁束密度と膜
厚の積Bs・tとの関係を示すグラフである。
【図7】実施例29〜34及び比較例11〜15で得ら
れた、飽和磁束密度と膜厚の積Bs・tと保磁力Hcと
の関係を示すグラフである。
【図8】実施例35〜37及び比較例16〜18で得ら
れた、飽和磁束密度と膜厚の積Bs・tと保磁力Hcと
の関係を示すグラフである。
【図9】実施例38〜41及び比較例19〜22で得ら
れた、飽和磁束密度と膜厚の積Bs・tと保磁力Hcと
の関係を示すグラフである。
【図10】実施例42〜45及び比較例23で得られ
た、CoCr中間層厚みと保磁力Hcとの関係を示すグ
ラフである。
【図11】実施例46〜49及び比較例24〜26で得
られた、Cr下地層厚みと保磁力Hcとの関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/66

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、Co系合金磁性層(M
    L)と、この磁性層と基板の間にCrを主成分とする非
    磁性下地層を有する磁気記録媒体において、 前記磁性層と非磁性下地層との間に、hcp構造を有す
    るCo系合金からなる中間層(IL)を有し、かつ磁性
    層を構成するCo系合金の飽和磁束密度(BsML)と
    磁性層膜厚(tML)との積(BsML・tML)に対
    する、前記中間層を構成するCo系合金の飽和磁束密度
    (BsIL)と中間層膜厚(tIL)の積(BsIL・
    tIL)の比 R=(BsIL・tIL)/(BsML・tML)が
    0.2以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 中間層がCo−M系合金薄膜層(ただ
    し、MはCr、Ti、W、V、Mo及びSiよりなる群
    から選ばれる1種又は2種以上の元素)であることを特
    徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 MがCrで、かつCr含有量が27〜5
    2原子%であることを特徴とする請求項2記載の磁気記
    録媒体
  4. 【請求項4】 前記中間層の厚さが10〜1000Åで
    ある請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記下地層の厚さが100〜1000Å
    である請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性下地層、中間層及び磁性層は、大
    気曝露されることなく真空雰囲気中で順次積層成膜され
    てなる請求項1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 Co系合金磁性層が、CoCr系、Co
    NiCr系或いはCoPt系合金磁性層である請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記非磁性基板と下地層の間に金属被覆
    層を有する請求項1記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記磁性層が多層構造を有する請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記磁性層上に炭素質保護層及び/又
    は弗素系潤滑層を有する請求項1記載の磁気記録媒体。
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