JP3436449B2 - 卓上丸鋸盤用の位置決め金具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、卓上丸鋸盤のテー
ブル上に載置された被切断材を位置決めするために用い
られる位置決め金具に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の卓上丸鋸盤を図４に示す。卓上丸
鋸盤２０は、ベース２１の上にターンテーブル２２を回
動可能に載置し、ターンテーブル２２の後方に立設した
アーム２３の先端には、モータ駆動により回転する鋸刃
２４を備えた本体２５を枢支してなり、前記ターンテー
ブル２２上にはフェンス２６が架設される。よって切断
時には、被切断材をフェンス２６に押し当てて位置決め
しながら、鋸刃２４を本体２５と共に下降させて切断が
行われる。その他この卓上丸鋸盤２０においては、鋸刃
２４をアーム２３ごと傾倒させて鋸刃２４の垂直方向の
角度を変える傾斜切断や、ターンテーブル２２をハンド
ル２７の操作で回転させて鋸刃２４の水平方向の角度を
変える角度切りも可能となっているが、被切断材Ｗが図
５（Ａ）のようなモールディング材３３（これは同図
（Ｂ）の如く、天井３４と壁３５との境目に沿って化粧
材として設けられるもの）であると、上記傾斜切断や角
度切りを行う場合には、図４（Ａ）のようにフェンス２
６に立てかけた姿勢で切断することになる。そこでこの
場合はベース２１に、当接板２９に固定板３０を延設し
たＴ字形の位置決め金具２８を１個或は２個用いて、夫
々の当接板２９で被切断材Ｗをフェンス２６側へ押し付
け、その位置で固定板３０を、長孔３１を通して蝶ボル
ト３２でベース２１へ固定することで、被切断材Ｗの位
置決めを図っている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記位置決め金
具２８の場合、当接板２９が鋸刃２４より左右に離れた
位置にあるため、被切断材Ｗの位置決めが安定しない。
かといって当接板２９をあまり大きくすると、前記角度
切りの時に斜めにした鋸刃２４と干渉し、角度切りの邪
魔になる虞れが生じる。又固定板３０の長孔３１はフェ
ンス２６に対して直角に設けられるため、蝶ボルト３２
で固定しても、反力によって位置決め位置が長孔３１に
沿ってずれやすく、被切断材Ｗの確実な位置決めができ
なくなってしまう。更に角度切りの際、ターンテーブル
２２を回転させる角度が大きくなると、ハンドル２７を
把持する手が位置決め金具２８の固定板３０に当って必
要な角度まで回転させることができない場合がある。 【０００４】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記切
断時の位置決め金具自身のずれ、更に角度切りの操作の
阻害等を生じさせずに、被切断材を確実に位置決めさせ
て切断精度を向上させ、卓上丸鋸盤の操作性も低下させ
ないようにした卓上丸鋸盤用の位置決め金具を提供する
もので、その構成は、前記当接板等の当接部を被切断材
へ当接させた位置決め状態では、前記固定板等の固定部
の延設方向が、前記蝶ボルト等の固定手段による固定位
置から被切断材側へ近づくに従って刃口へ近づく斜め方
向となるように設定したことを特徴とするものである。 【０００５】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１は卓上丸鋸盤用の位置決め金具
１の斜視図、図２はその位置決め金具１を用いた卓上丸
鋸盤５を上方から見た説明図で、位置決め金具１は、長
孔３を長手方向に形成して徐々に幅広となる固定板２
と、その固定板２の幅広側の端部から直角に直立させた
四角形状の当接板４とからなり、固定板２は、長孔３の
中心線と当接板４とが６０°の角度をなす斜め方向に延
設されている。尚この位置決め金具１は、図２において
卓上丸鋸盤５をハンドル１９側から見た右側に用いられ
るもので、左側の位置決め金具１ａは、当接板４からの
固定板２の延設方向が上記と逆になっている。 【０００６】一方卓上丸鋸盤５において、ベース６上に
水平回動可能に載置されるターンテーブル８の後端（図
２の左側）には、先に示した図４と同様に、アーム９が
立設されると共に、その先端に図示しないモータを備え
た本体１０が枢支され、この本体１０に鋸刃１１が設け
られている。尚ここでも本体１０を図２の下側へ傾倒さ
せて鋸刃１１に垂直方向の角度を付与する傾斜切断と、
ターンテーブル８をハンドル１９によって回転させて鋸
刃１１に水平方向の角度を付与する角度切りとが可能で
ある。又ターンテーブル８上には、フェンス１２が架設
されている。このフェンス１２は、ベース６の左右の取
付部７，７へボルトで固定される左右のガイド部１３，
１３と、両ガイド部１３，１３を連結し、ターンテーブ
ル８の刃口８ａを迂回する湾曲部１４とからなり、切断
時には、両ガイド部１３，１３に被切断材を押し当てて
切断のガイドとして使用するものである。そして前記ベ
ース６の取付部７，７の前方には、図３の如く、下部に
ネジ孔１５を備えた有底孔１６が設けられており、ここ
に位置決め金具１，１ａが取付可能となっている。即ち
前記固定板２の長孔３にワッシャー１７ａを介して蝶ボ
ルト１７を貫通させ、その蝶ボルト１７を有底孔１６に
挿着されるスリーブ１８に貫通させてネジ孔１５に螺合
することで、固定板２を取付部７へ押し付けて当該位置
での固定を可能とするものである。 【０００７】よって上記位置決め金具１，１ａを左右の
取付部７，７へ図２のように対称に取り付けた卓上丸鋸
盤５においては、先に説明したモールディング材等の切
断作業の際は、フェンス１２に被切断材Ｗを押し付け、
蝶ボルト１７，１７を緩めて、当接板４，４を夫々ガイ
ド部１３との平行状態のままスライドさせ、被切断材Ｗ
に当接板４，４を密着させて再び蝶ボルト１７，１７を
締め付けると、固定板２，２が被切断材Ｗに対する斜め
方向で固定されることになる。特に当接板４の平行移動
によって、二点鎖線で示すように、当接板４がフェンス
１２に近づくに従い、より刃口８ａに近い位置で被切断
材Ｗを位置決めすることになるため、被切断材Ｗの位置
決めが安定する。勿論角度切りの際にも、鋸刃１１の移
動範囲を二点鎖線で示したことで明らかなように、位置
決め金具１，１ａが鋸刃１１と干渉することはない。又
長孔３もフェンス１２に対して傾斜しているから、位置
決め金具に反力が生じても、一旦蝶ボルト１７で固定し
た固定板２が長孔３に沿ってずれを起こすことはなく、
確実に位置決めされる。更に固定板２における蝶ボルト
１７の位置より外側の端部は、角度設定により刃口８ａ
から離れる向きとなるため、卓上丸鋸盤５の前方へは突
出しない。よって角度切りによるハンドル１９の操作範
囲（二点鎖線で示す）と干渉せず、位置決め金具１，１
ａが邪魔になることがないのである。 【０００８】尚位置決め金具の形状は上記実施の形態に
限定するものでなく、当接板４と固定板２との角度をよ
り鋭角や鈍角に変えたり、固定板２を棒状に形成したり
する等の設計変更は可能で、又切断形態によっては左右
両方とも位置決め金具を用いず、片側のみとしたり、一
方に従来のＴ字形の位置決め金具を使用したりしても良
い。 【０００９】 【発明の効果】以上本発明によれば、固定部の延設方向
を、固定手段による固定位置から被切断材側へ近づくに
従って刃口へ近づく斜め方向に設定したことで、被切断
材をより刃口近くで位置決めできることになり、安定し
た位置決めが可能となる。又固定位置への反力も斜めに
加わるため、位置決め金具のずれが生じにくく、位置決
めの信頼性が一層高くなる。更に固定部における被切断
材の反対側の端部は刃口から離れる方向へ伸びるため、
卓上丸鋸盤の前方への突出部分がなくなり、角度切りが
可能な卓上丸鋸盤においてテーブルの回転操作の邪魔に
ならない。

【図面の簡単な説明】 【図１】位置決め金具の斜視図である。 【図２】位置決め金具を卓上丸鋸盤に取り付けた状態を
示す説明図である。 【図３】位置決め金具の取り付け構造の説明図である。 【図４】（Ａ）従来の位置決め金具を用いた卓上丸鋸盤
の説明図である。（Ｂ）従来の位置決め金具を用いた卓
上丸鋸盤の説明図である。 【図５】（Ａ）モールディング材の斜視図である。 （Ｂ）モールディング材の取付状態を示す説明図であ
る。 【符号の説明】 １，１ａ・・位置決め金具、２・・固定板、３・・長
孔、４・・当接板、５・・卓上丸鋸盤、６・・ベース、
７・・取付部、８・・ターンテーブル、１１・・鋸刃、
１２・・フェンス、１５・・ネジ孔、１６・・有底孔、
１７・・蝶ボルト、１８・・スリーブ、１９・・ハンド
ル。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 卓上丸鋸盤のテーブル上にあって刃口の
   左右どちらか片側或は両側に配置され、前記テーブル上
   に載置された被切断材に当接する当接部と、その当接部
   から前記被切断材の反対側に延設され、前記テーブルへ
   設けた固定手段によってテーブルに固定可能な固定部と
   を有する卓上丸鋸盤用の位置決め金具であって、 前記当接部を被切断材へ当接させた位置決め状態では、
   前記固定部の延設方向が、前記固定手段による固定位置
   から被切断材側へ近づくに従って前記刃口へ近づく斜め
   方向となるように設定したことを特徴とする卓上丸鋸盤
   用の位置決め金具。