JP3435411B2 - 心不整脈の治療のためのベンゾイルベンゾフラン誘導体 - Google Patents

心不整脈の治療のためのベンゾイルベンゾフラン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願との相互参照 本願は、1993年6月16日に出願された同時に係属中の
出願である出願番号第08/078,371号の一部継続出願であ
る。
発明の背景 うっ血性心不全(Congestive heart failure、CHF)
は、米国の人口の約2%が病んでいる疾患である[M.H.
Sami、J.Clin.Pharmacol.、第31巻、1081ページ(1991
年)]。CHFの診断および治療法の進歩にもかかわら
ず、予後は不充分なままであって、診断の時点からの5
年死亡率は50%を上回る[W.McFate Smith、Am.J.Cardi
ol.、第55巻、3Aページ(1985年);P.A.McKee、W.P. Ca
stelli、P.M.McNamara、W.B.Kannel、N.Engl.J.Med.、
第285巻、1441ページ(1971年)]。左心室機能が顕著
に低下した患者、および心室性不整脈が頻発する患者の
中で、CHFの患者は生存率が最低である。心室性不整脈
および虚血性心筋病の患者は、突然死の危険率が上昇し
ている。重篤なCHFの患者において心室性頻脈がある場
合は、頻脈がない患者と比較して突然死が3倍に増加す
る[J.T.Bigger,Jr.、Circulation、第75巻増刊第4
号、28ページ(1987年)]。CHFの患者は突然死するこ
とが多いため、これらの患者における不整脈の予後の重
要性については、増々関心が持たれる傾向にある。
うっ血性心不全の患者において心不整を管理するため
に、いくつかの化合物が用いられている。しかし、抗不
整脈薬物療法では不十分である。抗不整脈薬の薬効は、
左心室機能が低下するにつれて顕著に減少するため、CH
Fの患者うち極一部のみに有効であるにすぎない。CHFの
患者の突然死を防ぐ抗不整脈薬は皆無である。ある種の
抗不整脈薬に付随しては、死亡率の上昇という疑問さえ
存在する[CAST調査団、N.Engl.J.Med.、第321巻、406
ページ(1989年)]。
科学者は、頻脈および心室細動を多発性のものと定義
している。再進入が、最も持続的な不整脈の根元的な機
序であることは、いまや明白であると、当業者に知られ
ている。そのため、心室性不整脈を防ぐ手段として、心
室の再分極の延長が改めて関心を集めている。このこと
は、不整脈の治療に採用される薬物が、クラスIII薬剤
であることを示す。ここで言及される限りでのクラスII
I薬剤とは、抗不整脈薬のボーン−ウィリアムズ(Vaugh
an−Williams)の分級でのように分類される薬剤であ
る。クラスIII薬剤は、心臓の活動電位持続時間(APD)
を延長し、それによって、伝導には全く影響せずに有効
不応期(ERP)を延長することによって、その主要な抗
不整脈活性を発揮する。これらの電気生理学的変化は、
心臓のカリウムチャンネルの遮断によって生起され、当
業者に周知である。心カリウムチャンネルの遮断は、心
臓の収縮機能の抑制を伴うことがないことから、クラス
III薬剤は、CHFの患者に用いるには特に望ましい。しか
し、既存のクラスIII薬剤は、さらなる薬理活性、良好
な経口的生物学的利用能の欠如、または毒性に関する特
性によって、それらの有用性が限られている。現在市販
されているただ2種類のクラスIII薬剤は、ブレチリウ
ム(bretylium)(静注のみ)およびアミオダロン(ami
odarone)(静注および経口)である。
アミオダロンは、重篤な心不全の患者に有益であり得
る血管拡張特性を有する抗不整脈剤である。アミオダロ
ンは、無症候性の高度心室性不整脈がある心筋梗塞後の
患者の生存率を向上させることが示されていて、他の抗
不整脈薬に耐性である患者に、左心室機能を損なうこと
なく有効であると判明した。アミオダロンを血管拡張剤
やβ遮断剤と相乗的に併用する心保護の薬剤および方法
は、冠不全の患者に用いるよう記載されている(米国特
許第5,175,187号)。アミオダロンは、高血圧治療剤、
例えば(S)−1−[6−アミノ−2−[[ヒドロキシ
(4−フェニルブチル)ホルフィニル]オキシ]]−L
−プロリン((S)−1−[6−amino−2−[[hydor
oxy(4−phenylbutyl)phosphinyl]oxyl]−prolin
e)(米国特許第4,962,095号)およびゾフェノプリル
(zofenopril)(米国特許第4,931,464号)と併用され
る限りでのCHFに付随する不整脈を軽減するためにも記
載されている。しかし、アミオダロンは、そのうちのい
くつかは重大である数多くの副作用のために、臨床的使
用が困難な薬物である。
アミオダロンの最も重大な長期毒性は、その分布や排
出の動態に由来する。アミダオロンは、生物学的利用能
が低く、比較的長い半減期で徐々に吸収される。これら
の特徴性は、負荷投与量を与える必要性、充分な抗不整
脈効果の達成の遅延、およびその投与を中止した後の薬
物の排出期間の延長をはじめとする臨床的に重要な結果
を有する。
アミオダロンは、アプリンジン(aprindine)、ジゴ
キシン(digoxin)、フレカイニド(flecainide)、フ
ェニトイン(phenytoin)、プロカインアミド(procain
amide)、キニジン(quinidine)およびワルファリン
(warfarin)をはじめとする数多くの薬物と否定的に作
用し合う可能性もある。また、カテコールアミン(cate
cholamines)類、ジルチアゼム(diltiazem)、プロプ
ラノロール(propranolol)およびキニジンとの薬力学
的相互作用も有し、それぞれ、α−およびβ−桔抗作
用、洞抑圧および低血圧、徐脈および洞抑圧、ならびに
諸点の偏倚および心室性頻脈を招く。また、アミオダロ
ンは、ビタミンK依存凝固因子を抑圧し、それによって
ワルファリンの抗凝固作用を増強する証拠も存在する。
数多くの望ましくない効果がアミオダロンの臨床的適
用性を限定している。重要な副作用としては、角膜の微
量沈着、甲状腺機能亢進、甲状腺機能減退、肝機能障
害、肺胞炎、光過敏性、皮膚炎、青色褪色および末梢神
経病を包含して発生する可能性がある。
現在市販されているクラスIII薬剤で、CHFの患者に安
全に用い得るものは皆無である。心血管薬市場は薬物研
究のいかなる分野の中でも最大であり、CHFの患者に役
立つ効果的かつ安全なクラスIII抗不整脈剤は、実質的
な利益を生じることが予測される。したがって、CHFの
予後を首尾よく改善できるが、アミオダロンのそれをし
のぐはるかに改良された安全性を有する薬物は、極めて
有用であり、望ましいであろう。
発明の簡単な概要 本発明は、心不整脈の治療のための新規化合物、およ
び該化合物を含む組成物に関する。更に本発明は、該新
規化合物を製造する方法に関する。該新規化合物は、ア
ミオダロンの急速に代謝される類似体であり、より親油
性でない化合物へと代謝されるという明確で望ましい特
徴を有する。その結果、改良された安全性を示す。該新
規化合物は、特にうっ血性心不全(CHF)の患者におい
て、生命に関わる心室性不整頻脈を治療するための特別
な効用を有する可能性がある。また本生成物は、心房細
動、および付属経路にかかわる再進入不整頻脈ををはじ
めとする心室性不整脈および上室性不整脈に対する効果
的な臨床使用を可能にする。
より詳しくは、該新規化合物は、これらの心不整脈の
治療に現在利用できる薬物で観察される数多くの副作用
を軽減するという特別な利点を有する。例えば、心不整
脈の治療に現在採用されている化合物は、アミオダロン
であるが、これは重篤であり得る副作用を有する。
該新規化合物の製造のための新規な合成方法も開示さ
れる。該新規合成方法の一つは、サリチルアルデヒド
(salicylaldehyde)をアシル化した後に、環化および
鎖延長反応を行い、2−ベンゾフラン酢酸メチル(meth
yl−2−benzofuraneacetate)を形成することを基本的
に必要とする。この化合物を、SnCl4を触媒に用いるこ
とができるフリーデル−クラフツ(Friedel−Crafts)
型反応に関与させて、p−アニソイルクロリド(p−an
isoylchloride)と反応させる。次いで、フリーデル−
クラフツ反応から得られる化合物を、酢酸エステルから
そのカルボン酸形態へと転換する。化合物のメトキシベ
ンゾイル(methoxybenzoyl)部分もヒドロキシベンゾイ
ル(hydroxybenzoyl)型へと転換する。次いで、その後
ヨード化およびアミノ化を行い、化合物を得る。本化合
物は様々な塩の型に変換させることも可能である。加え
て、例えばアルキル化、アシル化またはアミド化の反応
によって、環の成員を置換することができ、エステル機
能を、類似の治療特性を有する一連の各種類似体へと修
飾することができる。
出発化合物としてやはりサリチルアルデヒドを用いる
その他の合成方法は、2−アセチルベンゾフラン(2−
acetylbenzofuran)を形成するための環化段階を含む。
次いで、この化合物をそのチオモルホリド(thiomorpho
lide)誘導体へと転換し、更に、2−ベンゾフラン酢酸
へと転換できるが、これは、記載された別の合成方法で
も形成される。2−ベンゾフラン酢酸の形成後は、該合
成方法は同じである。
すなわち、本発明は、うっ血性心不全(CHF)の患者
に役立つ、現在利用できるいかなる化合物より著しく低
い毒性を有するクラスIII抗不整脈剤の革新的開発を含
む。
図面の簡単な説明 図1aおよび1bは、新規化合物である2−[3−(3,5
−ジヨード−4−ジエチルアミノエトキシベンゾイル)
ベンゾフラン]酢酸メチル(methyl 2−[3−(3,5−d
iiodo−4−diethylaminoethoxybenzoyl)benzofuran
e]acetate)およびその塩酸塩形態の合成を導く段階的
反応の図式を示す。
図2は、サリチルアルデヒドから2−アセチルベンゾ
フラン13を合成し、その後、ウィルゲロット−キンドラ
ー(Willgerodt−Kindler)反応として公知の鎖延長手
順を行い、チオモルホリド誘導体14を製造し、次いで化
合物7へと加水分解することによって、化合物7の2−
ベンゾフラン酢酸を製造するその他の合成図式を示す。
図3A〜3Dは、自発的に拍動するモルモットの心臓にお
ける等モル濃度の化合物Aおよびアミオダロンの電気生
理学的効果の時間的経過を示す。図3Aは、対照(○)に
対比した等モル濃度のアミオダロン(▽)および化合物
A(●)についての心房拍動数対時間の軌跡の変化であ
る。図3Bは、対照(○)に対比した等モル濃度のアミオ
ダロン(▽)および化合物A(●)についての房室(A
V)間隔の軌跡の変化である。図3Cは、対照(○)に対
比した等モル濃度のアミオダロン(▽)および化合物A
(●)についてのQRS間隔(心室内伝導時間)の軌跡の
変化である。図3Dは、対照(○)に対比した等モル濃度
のアミオダロン(▽)および化合物A(●)についての
QT間隔(再分極時間)の軌跡の変化である。
図4A〜4Dは、心房でペーシングしたモルモットの心臓
における等モル濃度の化合物Aおよびアミオダロンの電
気生理学的作用の時間的経過を示す。図4Aは、対照
(○)に対比した等モル濃度のアミオダロン(●)およ
び化合物A(▽)についてのS−H間隔(房室結節の伝
導時間)の軌跡の変化である。図4Bは、対照(○)に対
比した等モル濃度のアミオダロン(●)および化合物A
(▽)についてのHV間隔(ヒス−プルキンエ(His−Pur
kinje)伝導時間)の軌跡の変化である。図4Cは、対照
(○)に対比した等モル濃度のアミオダロン(●)およ
び化合物A(▽)についてのQRS間隔(心室内伝導時
間)の軌跡の変化である。図4Dは、対照(○)に対比し
た等モル濃度のアミオダロン(●)および化合物A
(▽)についてのQT間隔(再分極時間)の軌跡の変化で
ある。
図5は、心房でペーシングしたモルモットの心臓にお
けるアミオダロン(5μM)の電気生理学的作用の時間
的経過を示す。
発明の詳細な開示 本発明は、アミオダロンの望ましい薬理特性を生起で
きるが、アミオダロンとは異なって、血漿および組織の
エステラーゼによるカルボン酸代謝物を与える生体変換
を受けやすい新規化合物に関する。カルボン酸は、生理
的pHで水溶性の塩を形成でき、そのため腎排出を受ける
ことができる。その結果、ここでは化合物Aによって例
示される新規化合物は、より短い排出半減期を有し得
る。したがって、長期毒性症候(肺線維症、角膜微量沈
着等)が減少する。
本発明の一新規化合物は、2−[3−(3,5−ジヨー
ド−4−ジエチルアミノエトキシベンゾイル)ベンゾフ
ラン]酢酸メチルという化学名を有し、下記に示す化学
構造を有する。
式中、R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン(halide)、
アルキル(alkyl)、O−アルキル、アシル(acyl)、
O−アシル、アリール(aryl)、O−アリール、置換ア
ミン(amine)もしくは置換チオール(thiol)である。
Y=OR1(ここでR1は炭素原子数1〜8の直鎖状また
は分岐状のアルキルもしくはヘテロアルキル、置換また
は非置換アリールもしくはヘテロアリールである);あ
るいは、 (ここで、R2およびR3は、独立に、H、炭素原子数1〜
6のアルキルもしくはヘテロアルキルから選ばれるか、
またはNは、好ましくはモルホリン(morpholin)、ト
リアゾール(triazole)、イミダゾール(imidazol
e)、ピロリジン(pyrrolidine)、ピペリジン(piperi
dine)、ピペラジン(piperazine)、ピロール(pyrrol
e)、ジヒドロピリジン(dihydropyridine)、アジリジ
ン(aziridine)、チアゾリジン(thiazolidine)、チ
アゾリン(thiazolin)、チアジアゾリジン(thiadiazo
lidine)もしくはチアジアゾリン(thiadiazoline)で
あるがそれらに限定されない環式もしくは複素環式化合
物の群の一部である)である。
該構造は、図示のとおり、ヨード化ベンゼン環の部分
を有する。フッ素、臭素または塩素などを含む、その他
のハロゲン化物をヨウ素置換体と置き換えられること
は、当業者によって理解されるものと思われる。したが
って、これらのその他のハロゲン化化合物は、本発明の
一部として包含されるものと考えられる。
この新規化合物は、それらの塩の形態、好ましくは塩
酸塩の形態でも提供されうる。該新規化合物のその他の
塩類は、当業者によって認識されるであろう。加えて、
該新規化合物の環構造の部分は、当業者には周知である
方法や手順を用いて誘導できる。例えば、Rの基がH、
OH、NH2、SH、ハロゲン、アルキル、O−アルキル、ア
シル、O−アシル、アリール、O−アリールの基、置換
アミンおよび置換チオールを包含できる本化合物のベン
ゾフラン部分の六員環には、各種のR基を結合できるこ
とが周知であると思われる。さらに望ましい態様では、
RはHであり、XはOである。
本発明は、化合物A、およびこれらの化合物を含む組
成物を包含する。CHFの治療への該新規化合物の望まし
い適用は、化合物の熱力学特性の評価、例えば、水とオ
クタノール(octanol)との間の分配係数の測定、緩衝
液およびヒト血漿での安定度を測定することによるその
排除の動態の評価、ならびにモルモットの心臓標本での
その電気生理学的特性の評価によって証拠付けられる。
下記の実施例を参照されたい。より詳細には、該新規化
合物は、特にうっ血性心不全の患者における、生命にか
かわる心室性不整頻脈を治療するのに用いることができ
る。本生成物は、心室性不整頻脈および、より重篤でな
い心室性不整脈ばかりでなく、心房細動、および付属経
路が関与する再進入性不整頻脈の効果的な態様も与えら
れる。迅速な排出率を有する新規化合物を含む組成物
は、アミオダロンのような現在利用できる抗不整脈剤を
しのぐ多くの利点を提供することができる。これらの利
点には、 (i)作用の、より短時間の開始、 (ii)より臨床治療に用いやすい長期毒性の低下、およ
び (iii)薬物相互作用に関する、より低い可能性 が含まれる。
加えて、該新規化合物は、第二の有効成分を含む組成
物に含めることができる。第二の有効成分は、不整脈の
同時的または相乗的治療に、あるいは不整脈もしくはCH
Fとともに存在し、またはその結果として生じる、無関
係の状態の治療に役立つことができる。
本化合物は、log Pの測定によって示唆されるとお
り、アミオダロンのそれに類似する熱力学的特性を有す
るが、血漿中で水溶性代謝物へと速やかに代謝されると
いう望ましい特性を持つ。より詳細には、本化合物は、
アミオダロンのそれに匹敵する電子的、立体的及び熱力
学的特性を有するが、血漿中で水溶性の極性代謝物へと
容易に加水分解され得るような望ましい構造に設計され
た、酵素に不安定なエステル基を有するクラスIII薬剤
である。この水溶性代謝物は、腎臓によって排出される
ことができる。これは、専ら肝臓で代謝されるアミオダ
ロンをしのぐ明確な利点である。そのような条件下で
は、新規化合物Aの排出は増大し、結果的に、薬物はリ
ン脂質結合部位からより迅速に解離する。該化合物の蓄
積は、該薬物の定常状態での組織濃度に、したがってま
た投与量に依存し、そうして容易に可逆的となる。その
ため、該新規化合物の一種を含む薬物の投与中止の際に
は、身体からのクリアランスがより迅速である。この排
出性の向上は、本化合物、または本化合物を含む組成物
を用いる抗不整脈療法をより容易なものにする。
下記は、本発明を実施するための、最良の様式を包む
手順を示す実施例である。これらの実施例はこれに限定
するためのものではない。別途指示しない限り、すべて
の百分率は重量により、すべての溶媒混合比率は体積に
よる。
実施例1−新規化合物の合成 この新規化合物は、図1Aおよび1Bに示された図式に従
って合成することができる。下記に、図1A〜1Bに示した
とおりの手順の段階を詳細に述べる。合成段階に含まれ
る一次化合物は、図1Aおよび1Bで与えた番号に対応して
番号付けられている。
o−ホルミルフェノキシ酢酸メチル(Methyl o−form
ylphenoxyacetate):2.出発化合物のサリチルアルデヒ
ド(1)約509gを、粉末炭酸カリウム(569g)、ジメチ
ルホルムアミド(dimethylformamide)(1000ml)およ
びクロロ酢酸メチル(methyl chloroacetate)(478g)
とともに4リットル入りエーレンマイヤーフラスコ(Er
lenmeyer flask)に導入し、65℃で約24時間機械的に攪
拌した。攪拌を停止し、反応混合物を25℃に冷却した。
激しく攪拌しつつ、混合物を冷水(0℃)に注入した。
突然固化し、油分が分離した。攪拌を30分間続け、濾過
によって固体を単離した。生成物を水洗(2x1000ml)
し、加圧乾燥した。生成物は25℃で減圧乾燥することも
できる。少量の試料(約2g)を蒸留によって精製した。
純粋生成物の沸点範囲は、2mmHgで124〜128℃であり、
約50.2〜50.6℃の融点範囲を有する。
2−ベンゾフランカルボン酸メチル(Methyl 2−benz
ofuranecarboxylate):3.粗製の生成物2を、機械的攪
拌機およびウォータートラップ(water trap)を備えた
5リットル入り三つ口丸底フラスコに入れた。トルエン
(toluene)(1900ml)を加え、水がすべて除去される
まで、溶液を還流温度(111℃)で加熱した。次いで、
ジアザビシクロウンデ−7−エン(diazabicyclounde−
7−ene)(DBU)(65g)を加え、出発材料がもはや存
在しなくなる、すなわちTLCによる監視によって検出で
きなくなるまで、混合物をウォータートラップなしで11
1℃で攪拌した。次いで、溶媒のほとんど(90%)を留
去した。残渣を25℃に冷却し、酢酸エチル(1000ml)を
加えた。混合物を分離漏斗に移し、有機溶液を、2規定
HCl(2x1000ml)で、次いで水(1000ml)で洗浄した。
硫酸マグネシウム上で乾燥を行った。粗生成物(326.56
g)は暗色の油であり、そのまま次の段階に用いた。構
造の解明を目的として、少量の試料を精製した。すなわ
ち、粗材料(2g)をエチルエーテルに溶解し、1規定KO
Hで洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥を行い、材料
を濾過し、溶媒を蒸発させた。油状の残渣をイソプロパ
ノールから晶出させた。融点範囲は53.8〜54℃である。
2−ヒドロキシメチルベンゾフラン(2−Hydroxymet
hylbenzofuran):4.粗製の生成物3(324g)を無水エチ
ルエーテルに溶解した。溶液を不活性雰囲気(窒素また
はアルゴン)下に保ち、氷浴中で0℃に冷却した。エー
テル(620ml)への水素化アルミニウムリチウム(lithi
um aluminum hydride)の1モル溶液を、攪拌しつつ1
時間にわたって滴加した。次いで、溶液を、2規定HCl
(4x1000ml)で、2規定KOH(2x500ml)で、そして水
(1000ml)で洗浄した。材料を硫酸マグネシウム上で乾
燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を減圧下で
蒸留して、約155.36g(1.05モル)を得た。沸点は1.5mm
Hgで110℃である。
2−クロロメチルベンゾフラン(2−Chloromethylbe
nzofuran):5.化合物4(155.25g)を、ジメチルホルム
アミド(1ml)を含有する無水エチルエーテル(250ml)
に溶解した。反応フラスコを氷浴中に置き、液温が0〜
4℃のときに、塩化チオニル(thionyl chloride)(12
4.3g、76.2ml)を、攪拌しつつ1時間にわたって滴加し
た。次いで、混合物を更に1時間攪拌し、水(250ml)
で、3%重炭酸ナトリウム溶液(250ml)で、そして再
び水(250ml)で洗浄した。材料を硫酸マグネシウム上
で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。生成物を減圧下
で蒸留して、収量は約117gであった。沸点は、1.5mmHg
で約78℃である。
2−シアノメチルベンゾフラン(2−Cyanomethylben
zofuran):6.化合物5(117g)を、ジメチルスルホキシ
ド(dimethyl sulfoxide)(100ml)へのシアン化ナト
リウム(sodium cyanide)(37.64g)の攪拌懸濁液に滴
加した。反応器をときどき氷浴中に置いて、反応温度を
20〜45℃に保った。添加は60分継続した。反応混合物を
更に16時間攪拌し、次いで、塩化メチレン(methylene
chloride)(500ml)に注ぎ、水洗(500ml、次いで2x25
0ml)し、乾燥するまで蒸発させた。少量の試料を、ジ
クロロメタン/ヘキサン(dichloromethane/hexanes)
(50:50体積比)で溶出させるシリカゲルカラム(silic
a gel column)で精製した。
2−ベンゾフラン酢酸(2−Benzofuraneacetic aci
d):7.化合物6の粗製シアノメチルベンゾフランを、水
酸化ナトリウム(80g)を含有する沸騰水(1000ml)中
で6時間攪拌し、25℃に冷却し、次いで、塩化メチレン
(250ml、次いで2x100ml)で洗浄した。6規定HClでpH
を2.0にした。沈殿を塩化メチレン(200ml、次いで100m
l、次いで50ml)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、溶媒を蒸発させた。収量は約72gであった。
2−ベンゾフラン酢酸メチル(Methyl 2−bensofuran
eacetate):8.化合物7(72g)をメタノール(200ml)
に溶解し、溶液を乾燥HClで飽和させた。溶液を2時間
還流し、溶媒を蒸発させた。残渣を塩化メチレン(200m
l)に溶解し、溶液を5%重炭酸ナトリウムで、次いで
水(100ml)で洗浄した。残渣を硫酸マグネシウム上で
乾燥し、溶媒を蒸発させた。生成物を減圧下で蒸留し
た。収率は約67.3gであった。
2−(3−アニソイルベンゾフラン)酢酸メチル(Me
thyl 2−(3−anisoylbensofurane)acetate):9.化合
物8(67g)、無水1,2−ジクロロエタン(250ml)およ
び塩化p−アニソイル(p−anisoyl chloride)(59.6
5g)を不活性雰囲気下で1000ml入りフラスコに加えた。
溶液を氷浴中で冷却し、SnCl4(115ml)を徐々に加え
た。浴を25℃まで暖め、次いで、溶液を更に24時間攪拌
した。溶液を氷/水混合物(1000ml)に注いだ。有機相
を捕集し、3%重炭酸ナトリウム(2x500ml)で、そし
て水(500ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で
乾燥した。溶媒を蒸発させた。油状残渣をヘキサン(10
0mm)中で24時間攪拌した。生成物は淡黄色粉末であ
る。収量は約103.3gであった。
2−(3−p−ヒドロキシベンゾイルベンゾフラン)
酢酸(2−(3−p−hydroxybenzoylbenzofurane)ace
tic acid):10.アルミニウム粉末(45g)、ベンゼン(9
00ml)およびヨウ素の結晶(345g)を、効率的な還流冷
却器および機械的攪拌機を備えた2リットル入りフラス
コに入れた。溶液を水浴中に置き、ほとんどの熱が放散
してしまうまで攪拌し、次いで、ヨウ素の赤色が消える
まで(約30分)還流温度で攪拌した。この混合物を25℃
に冷却し、次いで、攪拌しつつ、化合物9(70g)およ
びヨウ化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammoni
um idodide)(0.86g)を加えた。添加が完了したとき
に、溶媒の一部(600ml)を留去し、次いで、残った溶
液を25℃に冷却した。氷冷却水の一部(700ml)、その
後酢酸エチル(600ml)を徐々に加えた。得られた懸濁
液を濾過し、残渣をより多くの酢酸エチル(2x50ml)で
洗浄した。有機相をより多くの水(500ml)で洗浄し、
次いで、3%重炭酸ナトリウム(3x1200ml)で抽出し
た。併せた水相を酢酸エチル(200ml)で洗浄した。水
溶液を氷浴中に置き、酢酸エチル(250ml)を加えた。
攪拌しつつ6規定HClを用いて、溶液を徐々に酸性化し
た。有機相を水洗(200ml)し、硫酸マグネシウム上で
乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。収量は約26gであ
った。
2−[3−(3,5−ジヨード−4−ヒドロキシベンゾ
イル)ベンゾフラン]酢酸(2−[3−(3,5−diiodo
−4−hydroxybenzoyl)benzofurane]acetic acid):1
1.化合物10(25.25g)を、炭酸カリウム(23.85g)を含
有する水(250ml)に溶解した。ヨウ素(47.57g)を加
え、混合物を25℃で90分間攪拌した。水200mlを加え、
2規定HClで溶液を酸性化した。残渣を濾過し、次い
で、酢酸エチル(500ml)に溶解し、水(500ml)で、次
いで5%チオ硫酸ナトリウム(2x500ml)で、次いで水
(500ml)で洗浄した。残渣を硫酸マグネシウム上で乾
燥し、収量は約37gであった。
2−[3−(3,5−ジヨード−4−ヒドロキシベンゾ
イル)ベンゾフラン]酢酸メチル(Methyl 2−[3−
(3,5−diiodo−4−hydroxybenzoyl)benzofurane)]
acetate):12.化合物11(16.4g)をメタノール(100m
l)および濃硫酸(1ml)に溶解した。溶液を1時間還流
し、次いで、溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチル(50
0ml)に溶解し、5%重炭酸ナトリウム(300ml)で洗浄
した。0.15規定NaOH(3x150ml)で抽出を行った。6規
定HClで溶液を酸性化し、酢酸エチル(2x150ml)で抽出
した。有機相を1%重炭酸ナトリウム(2x300ml)で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。収量は約11.64g
であった。
2−[3−(3,5−ジヨード−4−ジエチルアミノエ
トキシベンゾイル)ベンゾフラン]酢酸メチル(Methyl
2−[3−(3,5−diiodo−4−diethylaminoethoxyben
zoylbenzofurane]acetate):A.化合物12(2.88g)を0.
1規定NaOH溶液(51ml)に溶解した。塩化メチレン(25m
l)を加えた。次いで、塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム(Benzyltriethylammonium chloride)(0.114
g)、および塩化メチレン(25ml)への塩化ジエチルア
ミノエチル(0.96g)の溶液を加えた。これを25℃で2
時間攪拌した。有機相を0.1規定NaOH(50ml)で、1規
定HCl(50ml)で、0.1規定NaOH(50ml)および水(50m
l)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して、本化合
物を得た。
実施例2−新規化合物へのその他の合成経路 サリチルアルデヒド1をクロロアセトンと反応させる
ことから2−アセチルベンゾフラン13を合成し、その
後、ウィルゲロット−キンドラー反応として公知の鎖延
長手順を実施してチオモルホリド誘導体14を製造し、次
いで、これを加水分解して化合物7を得ることを含むそ
の他の反応によって、化合物7の2−ベンゾフラン酢酸
が製造できるその他の合成図式を図2に示す。そうし
て、新規化合物Aへの合成図式の残りは、実施例1と基
本的に同一である。
1.アセチルベンゾフラン(Acetylbenzofuran)13.サ
リチルアルデヒド(326.7g)を、炭酸カリウム(415g)
およびアセトン(aceton)(500ml)を含む3リットル
入り三つ口丸底フラスコに導入する。次いで、攪拌しつ
つ30分間にわたってクロロアセトン(252.6g)を滴加
し、その後、もう一部のアセトン(500ml)を加える。
混合物を還流温度で4時間攪拌し、次いで25℃に冷却
し、濾過する。濾液を蒸発させると、2−アセチルベン
ゾフラン13の赤色結晶性固体約441gが得られるが、これ
は下記の段階2には充分に純粋である。生成物の正体を
確認するため、一部を、短絡蒸留装置を用いて減圧下
(P=0.1mmHg)で蒸留し、80℃で蒸留した純粋な生成
物は、白色結晶性固体を生じることが決定された。
2.ベンゾフラン酢酸(Benzofurane acetic acid)7.
3リットル入り三つ口丸底フラスコ中で、粗製2−アセ
チルベンゾフラン13(441g)をモルホリン(256.35g)
に溶解する。硫黄(ほぼ90g)を加え、混合物を還流温
度(108℃)で120分間攪拌する。この反応は、中間体の
チオモルホリド誘導体14を生じる。混合物を25℃に冷却
する。メタノール(750ml)、水(500ml)および水酸化
ナトリウム(220g)を加え、混合物を還流温度(80℃)
で更に4時間攪拌する。次いで、溶媒の一部(750ml)
を蒸留によって除去する。溶液の体積を水で6リットル
にする。NaOH(40g)および脱色用活性炭(5g)を加
え、混合物を還流温度で60分間攪拌し、次いでセライト
(celite)を通して濾過する。次いで、混合物を12規定
HClでpH2に酸性化し、生成物を酢酸エチルで抽出する。
抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、暗色
の固体約289gを得る。粗生成物は、更に精製することな
く次の段階に用いることができる。この生成物のすべて
の物理的特性は、化合物7と同一であり、上記実施例1
に述べた合成図式中の化合物7と同様に用いることがで
きる。
実施例3−新規化合物の分配係数 新規化合物Aの熱力学的特性は、pH7.4のリン酸緩衝
液とオクタノールとの間のその分配係数Pを測定するこ
とによって評価できる。緩衝液とオクタノールとは、実
験前に相互に飽和させておく。試験化合物は、オクタノ
ール:緩衝液混合物に、いずれの相も飽和されないよう
な濃度で溶解することができる。緩衝液とオクタノール
との体積比は、水中での平衡後の化合物の濃度が測定可
能になるように調整することができる。混合物を1時間
振盪し、遠心分離して2相の完全な分離を得る。試験化
合物の濃度は、UV検出法を用いて、平衡の前後に水相中
で測定することができる。分配係数は、下記の等式を用
いて計算できる: P=Co/Cw [ここで、Pは分配係数であり、CoおよびCwは、それぞ
れ、オクタノールおよび水中での試験化合物の濃度であ
る。]測定は水性緩衝液中でのみ実施されることから、
等式はこの実験で用いることができる下記のように変更
しなければならない: P=[(Qi−Qw)/Qw]xVw/Vo [ここで、Qiは、緩衝液:オクタノール混合物に導入さ
れた試験化合物の初期量であり、Qwは、平衡後の緩衝相
での試験化合物の量であり、VwおよびVoは、それぞれ、
緩衝液およびオクタノールの体積である。] 実施例4−緩衝液中での安定性、およびヒト血漿中での
代謝率 分析方法:当業者に公知の標準的分析手順を用いて、
緩衝液およびヒト血漿中の薬物の濃度を決定するには、
標準的HPLC手法を用いることができる。
緩衝液中での安定性:既知濃度の新規化合物Aは、pH
7.4のリン酸緩衝液中で37℃で定温放置できる。溶液の
アリコートを記録された様々な間隔で採取し、HPLC系へ
の注入に適切な濃度に希釈することができる。緩衝液中
での加水分解速度定数Kは、薬物濃度対時間の軌跡から
算出することができる。
ヒト血漿中での代謝率:上記と同じ手順は、緩衝液に
代えてヒト血漿に用いることができる。血漿での速度定
数を緩衝液での速度定数と比較して、血漿酵素による代
謝のおよその速度を得ることができる。
実施例5−モルモットの心臓における電気生理学的特性 当業者に周知の方法および手法を用いて、新規化合物
Aについてのモルモットの心臓標本における抗不整脈活
性が試験できる。モルモットの心臓標本における抗不整
脈活性は、ヒトにおける抗不整脈活性のモデルとして当
業者に許容されている。具体的には、モルモットの心臓
標本における活性は、ある化合物が自発的放電を抑制
し、洞結節の自発的発火速度を減速し、有効不応期(ER
P)を延長し、心房内伝導を減速し、心房の期外拍動を
抑圧し、心室のERPを延長し、そして心室の興奮性を低
下させることを示すのに用いられる。当技術に標準的で
ある方法として、微小電極およびペーシングの手法を用
いることができる。そのような活性を示すための検定
が、摘出し、輸注したモルモットのS−A結節−右心房
標本で実施できる。化合物Aについての完全な用量反応
曲線を各標本で算出して、S−A結節の自発拍動数、心
房の活動電位持続時間(APD)およびERP、ならびに心室
のAPDおよびERPに対する異なる投与量の効果を立証する
ことができる。この化合物についてのEC50(最大応答の
50%を生起する有機濃度)はもとより、閾値および最高
投与量も、完全な用量反応曲線から決定することができ
る。
本化合物である化合物Aを用いてモルモットの摘出心
臓で実施した電気生理学的研究の結果は、化合物Aが、
クラスIII不整脈治療薬剤に関連する古典的な電気生理
学的特性を示すことを示した。これらの研究の結果を図
3〜5に示す。公知化合物であるアミオダロンと比較し
て、本化合物の電気生理学的効果は、いくつかの利点を
示す。例えば、等モルベースでは、房室伝導、心室内伝
導および心室再分極の時間に対する化合物Aの電気生理
学的効果は、自発的に拍動する心臓(図3A、3Cおよび3D
を参照されたい)とペーシングした心臓(図4A、4Cおよ
び4Dを参照されたい)との双方で、アミオダロンのそれ
よりはるかに強い。加えて、房室伝導、心室内伝導およ
び心室再分極の時間に対する化合物Aの効果は、薬物の
投与を中止すると部分的に逆転できるのに対し、アミオ
ダロンの効果は逆転されず、実際には、薬物の投与中止
後でさえ増大し続ける傾向にある。化合物Aは、洞房結
節拍動数および基線房室結節伝導時間について観察され
た変化に関連して、心室再分極の時間を、アミオダロン
に比較して、より選択的に増大させる(すなわちQT間隔
を延長する)こともできる(図3A〜3D)。
具体的には、図3A〜3Dは、化合物A(1μM、n=
3)、アミオダロン(1μM、n=3)および賦形剤
(対照、n=3)の自発的に拍動する心臓に対する継続
的な90分の注入の時間依存性の電気生理学的効果を示
す。それぞれ心房拍動数(図3A)、A−V間隔(図3
B)、QRS間隔(図3C)およびQT間隔(図3D)の基線値か
らの変化を、時間の関数としてプロットしている。図3A
は、対照の心臓と比較して、化合物Aおよびアミオダロ
ンが、類似の程度の有意な時間依存性減少を心房拍動数
に生起したことを示している。対照的に、化合物Aおよ
びアミオダロンは、A−V間隔の僅かな延長のみを生起
したにすぎない(図3B)。自発的に拍動する心臓におけ
る化合物Aおよびアミオダロンの房室結節伝導に対する
最小効果は、心房拍動数が房室結節伝導に対する薬物の
効果を変調するということに注目することによって、少
なくとも一部を説明できる。すなわち、心房拍動数の同
時的減速は、房室結節伝導に対する薬物の抑制効果を弱
めるであろう。例えば、心房拍動数が一定に保たれるよ
うペーシングした心臓では、化合物A(1μM)は、房
室結節伝導に対してはるかに強い効果を有した(図4
A)。アミオダロンの効果とは異なり、A−V間隔に対
する化合物Aの作用は、以後は洗浄と呼ぶ、薬物注入の
中止に際して逆転した(図3B)。加えて、アミオダロン
ではなく化合物Aは、QRS間隔を有意に延長、すなわち
心室内伝導を減速した(図3C)。化合物Aの90分の洗浄
期間の間に、化合物Aのこの効果は完全に逆転された。
同様に、化合物Aおよびアミオダロンは、QT間隔を有意
に増大させたが、心室の再分極のための時間を延長する
化合物Aの効果ははるかに強かった(図3D)。再分極に
対する化合物Aの効果は、洗浄の間に部分的に逆転され
たのに対し、アミオダロンの効果は、洗浄の間も減衰し
なかった。心房拍動数、A−V間隔、QRS間隔およびQT
間隔の平均基線値は、それぞれ204.6±2.4、55.0±4.
0、21.2±0.8および162.5±2.9であった。データは、平
均±SEMとして示されている。
図4A〜4Dは、毎分200拍でペーシングしたモルモット
の心臓における化合物A(1μM、n=3)、アミオダ
ロン(1μM、n=3)および賦形剤(対照、n=3)
の連続90分間の注入の時間依存性の電気生理学的効果を
調べた一連の別個の実験を示す。それぞれS−H間隔
(図4A)、HV間隔(図4B)、QRS間隔(図4C)およびQT
間隔(図4D)の基線値からの変化を時間の関数としてプ
ロットしている。等モル濃度では、ペーシングした心臓
での房室結節伝導を、化合物Aはアミオダロンよりはる
かに強い程度に抑制した(図4A)。化合物Aによって生
起されたS−H間隔の延長は、漸進的であり、薬物注入
を停止する前に、18ミリ秒(すなわち基線S−H間隔を
45%上回る増加)という最大値に達した。化合物Aを洗
浄すると、この効果の大部分(ほぼ70%)が逆転され
た。対照的に、アミオダロンは、薬物注入の期間中はS
−H間隔に対する効果が皆無であった。化合物Aおよび
アミオダロンは、ヒス−プルキンエ伝導時間に対する効
果が皆無、すなわちHV間隔が一定のままであった(図4
B)。S−H間隔に対するその効果と同様に、心室内伝
導時間を化合物Aは延長した、すなわちQRS間隔を増加
させたが、アミオダロンは延長しなかった(図4C)。QR
S間隔の増加は、漸進的であり、薬物注入を停止する前
に、13.5ミリ秒(基線値を60%上回る増加)という最大
値に達した。心室内伝導に対する化合物Aの効果は、90
分の洗浄期間中に完全に逆転された。化合物Aとアミオ
ダロンとは、ともにQT間隔を有意に増加させた。しか
し、化合物Aは、心室再分極の時間を延長するのがアミ
オダロンよりはるかに強力であった(図4D)。再分極に
対する化合物Aの効果が洗浄中に部分的に逆転したのに
対し、アミオダロンの効果は、洗浄中も減退しなかっ
た。S−H間隔、AV間隔、QRS間隔およびQT間隔の平均
基線値は、それぞれ、40.1±1.9ミリ秒、7.8±0.6ミリ
秒、22.3±0.7ミリ秒および164.0±1.7ミリ秒であっ
た。データは、平均±SEMとして示されている。
図5は、(基線S−H間隔を延長するための)等力濃
度のアミオダロンの電気生理学的作用と、1μMの化合
物Aを用いて見出されたそれらの効果との比較を示す。
そのために、5μMのアミオダロンという濃度を選ん
だ。アミオダロン(5μM)は、S−H、QRSおよびQT
間隔に対しては時間依存性の増加を生起したのに対し、
HV間隔に対する効果は皆無であり、心臓が第2度のAVブ
ロックに達する前の90分の薬物注入で、基線S−H間隔
を74ミリ秒も延長した。S−H間隔のこの大きな延長
は、QT間隔の僅か20ミリ秒の増加を伴ったにすぎない。
一方、化合物A(1μM)は、90分の薬物投与ではS−
H間隔の18ミリ秒の増加を生じた(図3A)が、28ミリ秒
のQT間隔の増加を伴った(図3D)。したがって、アミオ
ダロンと比較して、化合物Aは、房室結節伝導のあまり
大幅な抑制を生じることなく、より選択的に心室再分極
の時間を延長することができる。同様に、図3Aに示され
たとおり、匹敵し得る程度の心房拍動数の減速では、化
合物Aは、自発的に拍動する心臓でのQT間隔の、より大
幅な増大を生じることができた(図3D)。言い換える
と、アミオダロンと比較して、化合物Aは、心房拍動数
と房室結節伝導との、より少ない減速を生じるような濃
度で、より選択的な方式で心室再分極の時間を延長でき
ることをこれらのデータは示す。後者(房室結節伝導の
減速)は、心拍数と房室結節伝導との過剰な減速が患者
に症状を生じ得ることから、重要な問題である。
臨床的設定でのアミオダロンの大きな短所の一つは、
その長い半減期(>30日)であって、薬物療法の中止後
でさえ解消に時間がかかる、生命を脅かす重篤な副作用
を生じる可能性がある。アミオダロン、または他の現在
用いられる不整脈治療剤をしのぐ化合物Aの利点は、よ
り選択的な抗不整脈作用を示し、より短い可能性がある
半減期を有し、薬物投与の停止に際して、より容易に逆
転される(「洗浄される」)心臓効果を有することであ
る。
実施例6−使用、処方および投与 本化合物およびそれらを含有する組成物の治療や予防
のための適用は、当業者には現時点で、また予見的に公
知である適切ないかなる方法および手法によっても達成
できる。更に、本発明の化合物は、他の有用な化合物や
組成物の調製のための出発材料または中間体としての用
途を有する。本発明の化合物は、各種の非治療的および
治療的な目的に役立つ。本発明の化合物が効果的な抗不
整脈活性を有することは、試験から明らかである。具体
的には、それらは動物やヒトにおける、心房細動をはじ
めとする心不整脈を調節するのに役立つ。
本発明の本化合物の投与は、抗不整脈作用因として役
立つ。すなわち、本発明の化合物を有効成分として含有
する薬剤学的組成物は、ヒトまたはその他の哺乳類にお
ける心不整脈の予防または治療の処置に役立つ。
投与される量は、望ましい免疫調節性応答;それを必
要とする宿主のタイプ;その年齢、健康、体重、あると
すれば、並用される処置の種類;処置の頻度;治癒比、
などの要因に依存するものと思われる。好ましくは、投
与される有効成分の投与量レベルは、例えば、動物の体
重1kgあたり、経皮的には1〜約500mg;経口的には0.01
〜200mg;鼻腔内的には、0.01〜約100mg;およびエアロゾ
ルとして0.01〜約50mgであることができる。
濃度の形で表すと、本発明の有効成分は、経皮的、鼻
腔内的、経気管支的、筋内的、腟内的、静脈内または経
口的に用いるための該新規組成物中に、組成物の約0.01
〜約50重量%、特に組成物の約0.1〜約30重量%の濃度
で存在することができる。好ましくは、該新規化合物は
組成物中に約1〜約10%存在し、最も好ましくは、該新
規組成物は約5%の新規化合物を含有する。
本発明の組成物は、指示された適切な量の有効成分を
含有する各種の形態、例えば錠剤、軟膏、カプセル、丸
薬、粉末、エアロゾル、顆粒および内用溶剤または懸濁
液などで用いるのが好ましい。そのような組成物を、本
明細書、および付記の請求範囲で「薬剤学的組成物」と
して総称する。代表的には、それらは、単位投与量の形
態で、すなわち、ヒトまたは動物の対象者のための単位
的投与量として適切な、物理的に分離された単位である
ことができ、各単位は、望ましい治療または予防の効果
を生じるよう算出された所定量の有効成分を、一種類ま
たはそれ以上の薬剤学的に許容される他の成分、例えば
希釈剤または担体とともに含有する。
薬剤学的組成物がエアロゾルである場合、有効成分
は、推進剤、例えば二酸化炭素、窒素、プロパン等を助
溶媒、湿潤剤等のような通常の佐剤とともに有する加圧
エアロゾル容器中に充填できる。
薬剤学的組成物が軟膏である場合、有効成分は、カカ
オ脂、粘調なポリエチレングリコール類、硬化油のよう
な希釈賦形剤と混合でき、所望の場合には、そのような
混合物を乳化できる。
本発明によれば、薬剤学的組成物は、有効成分とし
て、有効量の一種類またはそれ以上の、薬剤学的に許容
される無害の成分を含有する。該組成物に用いるための
そのような成分の例としては、エタノール、ジメチルス
ルホキシド、グリセリン、シリカ、アルミナ、澱粉、炭
酸カルシウム、タルク(talc)、穀粉および同等な無害
の担体や希釈剤が含まれる。
ここに述べた実施例および実施態様は、説明の目的の
みのためであるにすぎす、その観点からの様々な修正ま
たは変化が当業者には示唆されるものと思われ、それら
は本願の精神や視野、および付記の請求範囲の対象範囲
の内に含まれるものとすることが理解されなければなら
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 209/18 C07D 209/18 333/56 333/56 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/80 A61K 31/34 A61K 31/38 A61K 31/405 A61P 9/00 C07D 209/18 C07D 333/56 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造 [式中、R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン、アルキル、
    O−アルキル、アシル、O−アシル、アリール、O−ア
    リール、置換アミンもしくは置換チオールであり; Y=OR1(ここでR1は炭素原子数1〜8の直鎖状または
    分岐状のアルキルもしくはヘテロアルキル、置換または
    非置換アリールもしくはヘテロアリールである)である
    か;あるいは、 (ここで、R2およびR3は、独立に、H、炭素原子数1〜
    6のアルキルもしくはヘテロアルキルから選ばれるか、
    またはNは、モルホリン、トリアゾール、イミダゾー
    ル、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、
    ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾ
    リン、チアジアゾリジンもしくはチアジアゾリンを含む
    環式もしくは複素環式化合物の群の一部である)であ
    り; Xは、O、SまたはNHである。] を有する化合物または該化合物の塩。
  2. 【請求項2】RがHであり、XがOである請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】該化合物の塩が、塩酸塩、シュウ酸塩およ
    びマレイン酸塩の塩類からなる群から選ばれる請求項1
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】該化合物の塩が、塩酸塩の塩である請求項
    1記載の化合物。
  5. 【請求項5】動物の心不整脈を治療するための薬剤学的
    組成物であって、構造 [式中、R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン、アルキル、
    O−アルキル、アシル、O−アシル、アリール、O−ア
    リール、置換アミンもしくは置換チオールであり; Y=OR1(ここでR1は炭素原子数1〜8の直鎖状または
    分岐状のアルキルもしくはヘテロアルキル、置換または
    非置換アリールもしくはヘテロアリールである)である
    か;あるいは、 (ここで、R2およびR3は、独立に、H、炭素原子数1〜
    6のアルキルもしくはヘテロアルキルから選ばれるか、
    またはNは、モルホリン、トリアゾール、イミダゾー
    ル、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、
    ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾ
    リン、チアジアゾリジンもしくはチアジアゾリンを含む
    環式もしくは複素環式化合物の群の一部である)であ
    り; Xは、O、SまたはNHである。] を有する化合物または該化合物の塩、ならびに薬剤学的
    に許容される担体を含む薬剤学的組成物。
  6. 【請求項6】RがHであり、XがOである請求項5記載
    の薬剤学的組成物。
  7. 【請求項7】該化合物の塩が、塩酸塩、シュウ酸塩およ
    びマレイン酸塩の塩類からなる群から選ばれる請求項5
    記載の薬剤学的組成物。
  8. 【請求項8】該化合物の塩が、塩酸塩の塩である請求項
    7記載の薬剤学的組成物。
  9. 【請求項9】ヒトを除く動物の心不整脈を治療する方法
    であって、有効量の、構造 [式中、R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン、アルキル、
    O−アルキル、アシル、O−アシル、アリール、O−ア
    リール、置換アミンもしくは置換チオールであり; Y=OR1(ここでR1は炭素原子数1〜8の直鎖状または
    分岐状のアルキルもしくはヘテロアルキル、置換または
    非置換アリールもしくはヘテロアリールである)である
    か;あるいは、 (ここで、R2およびR3は、独立に、H、炭素原子数1〜
    6のアルキルもしくはヘテロアルキルから選ばれるか、
    またはNは、モルホリン、トリアゾール、イミダゾー
    ル、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、
    ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾ
    リン、チアジアゾリジンもしくはチアジアゾリンを含む
    環式もしくは複素環式化合物の群の一部である)であ
    り; Xは、O、SまたはNHである。] を有する化合物または該化合物の塩を投与することを含
    む方法。
  10. 【請求項10】RがHであり、XがOである請求項9記
    載の方法。
  11. 【請求項11】該組成物をヒトを除く哺乳類に投与する
    請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】該組成物を第二の薬剤学的組成物と組合
    せて投与する請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】構造 [式中、RはHであり、XはOであり、YはOCH3であ
    る] を有する化合物を合成する方法であって、 (a)サリチルアルデヒドをベンゾフラン酢酸へと化学
    的に転換する段階; (b)段階(a)のベンゾフラン酢酸をメチル化する段
    階; (c)段階(b)からのベンゾフラン酢酸メチルと塩化
    p−アニソイルとを触媒の存在下で反応させて、2−
    (3−アニソイルベンゾフラン)酢酸メチルを形成する
    段階; (d)段階(c)で得られた化合物を酢酸塩形態からカ
    ルボン酸塩形態へと、またメトキシベンゾイル部分をそ
    のヒドロキシベンゾイル形態へと転換して、2−(3−
    p−ヒドロキシベンゾイルベンゾフラン)酢酸を得る段
    階; (e)段階(d)から得られた化合物をヨード化して、
    該化合物のジヨード形態を形成する段階; (f)段階(e)のジヨード化合物のカルボン酸の基を
    エステル化して、2−[3−(3,5−ジヨード−4−ヒ
    ドロキシベンゾイル)ベンゾフラン]酢酸メチルを形成
    する段階;および (g)ヒドロキシベンゾイル基と塩化ジエチルアミノエ
    チルとを化学的に反応させて、2−[3−(3,5−ジヨ
    ード−4−ジエチルアミノエトキシベンゾイル)ベンゾ
    フラン]酢酸メチル(化合物A)を得る段階 を含む方法。
  14. 【請求項14】段階(a)のベンゾフラン酢酸へのサリ
    チルアルデヒドの化学的転換が、サリチルアルデヒドの
    ベンゼン部分の側鎖を環化して、ベンゾフランカルボン
    酸塩を形成する段階;および ベンゾフランカルボン酸塩のメチルカルボン酸側鎖を延
    長して、ベンゾフラン酢酸を形成する段階 を更に含む請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】カルボン酸鎖の延長の段階が、 (i)カルボン酸メチル側鎖をヒドロキシメチル形態へ
    と還元する段階; (ii)ヒドロキシル基を塩化物で置換して、クロロメチ
    ル側鎖を形成する段階; (iii)該基とシアン化ナトリウムとを反応させること
    によって、塩化物の基をシアン化物で置換する段階;お
    よび (iv)水酸化物の塩基の存在下でCN基を反応させて、酢
    酸側鎖を形成する段階 を含む請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】段階(a)のベンゾフラン酢酸へのサリ
    チルアルデヒドの化学的転換が、 クロロアセトンとサリチルアルデヒドとを反応させて、
    2−アセチルベンゾフランを形成する段階; ウィルゲロット−キンドラー反応によって2−アセチル
    ベンゾフランをそのチオモルホリド誘導体へと化学的に
    転換する段階;および チオモルホリド誘導体を加水分解して、ベンゾフラン酢
    酸を得る段階 を更に含む請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】段階(c)の該触媒がSnCl4である請求
    項13記載の方法。
  18. 【請求項18】段階(d)がアセトニトリルへのAlCl3/
    Na I(1:1)を用いる請求項13記載の方法。
  19. 【請求項19】段階(g)からの化合物Aと塩化水素と
    を反応させて、化合物Aの塩酸塩を得る段階を更に含む
    請求項13記載の方法。
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