JP4684514B2 - 心性不整脈の治療のための新規鏡像異性体化合物およびその使用法 - Google Patents
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Description
関連出願の相互参照
本出願は、1999年10月15日に出願された、米国仮特許出願第60/159,609号の恩典を請求するものである。
【0002】
発明の背景
うっ血性心不全(CHF)は、米国人口のおよそ2%が罹患している疾患である(Sami, M.H.、J. Clin. Pharmacol.、31:1081(1991))。CHFの診断および治療は進歩しているにもかかわらず、診断時点からの5年死亡率は50%より高く、予後は依然思わしくない(McFate Smith, W.、Am. J. Cardiol.、55:3A(1985);McKee, P.A.、W.P. Castelli、P. M. McNamara、W. B. Kannel、N. Engl. J. Med.、285:1441(1971))。CHF患者の生存率は、左心室機能に重度の低下を有する患者および頻回に生じる心室性不整脈を有する患者の中で、最も低い。心室性不整脈および虚血性心筋症を伴う患者は、突然死のリスクが高い。重度のCHF患者における心室頻拍の存在は、頻拍を伴わない患者と比較して、突然死の3倍の上昇をもたらす(Bigger, J.T.、Jr.、Circulation、75(suppl.IV):28(1987))。CHF患者における予期せぬ突然死の高い発生率のために、これらの患者における不整脈の予後の重要性は高まりつつある。
【0003】
いくつかの化合物が、うっ血性心不全患者における心性不整脈の管理において使用されている。残念ながら、抗不整脈薬療法は、期待に添うものではない。抗不整脈薬の効能は、左心室機能の衰えにより顕著に低下し、その結果CHF患者のごくわずかな割合のみが抗不整脈療法に反応している。抗不整脈薬は、CHF患者における突然死を防ぐことはなく、特定の抗不整脈薬に関連した死亡率上昇の問題点さえもある(CAST研究者、N. Eng. J. Med.、321:406(1989))。
【0004】
科学者は、頻拍および心室細動を複数の特徴として定義している。再入(re-entry)はほとんどの持続型不整脈の基礎となる機序であることは現在明らかであるように思われ、かつ当技術分野において受け入れられている。その結果、心室性不整脈を防止する手段としての延長された心室再分極が、再び注目されている。このことは、不整脈治療の選択薬としてのIII群薬を示している。本明細書において言及されているIII群薬は、抗不整脈薬のボーガム・ウィリアムズ(Vaughan-Williams)分類のように分類されている薬剤である。III群薬は、その主要な抗不整脈活性を、心活動電位持続時間(APD)の延長、およびそれによる有効不応期(ERP)の延長により発揮し、伝導に作用しない。心カリウムチャネルの遮断によりもたらされるこれらの電気生理学的変化は、当技術分野において周知である。心カリウムチャネルの遮断は、心臓の収縮機能の低下に関連していないので、III群薬はCHF患者における使用について特に魅力的である。残念ながら、現存するIII群薬は、追加的それらの薬学活性、良好な経口生体利用効率の欠如、もしくは毒性プロファイルの不良のために、それらの使用が制限されている。現在市販されている2種のIII群薬は、ブレチリウム(静脈内のみ)およびアミオダロン(静脈内および経口)である。
【0005】
アミオダロンは、I群(ナトリウムチャネル)、II群(β受容体)、III群(カリウムチャネル)、および更にはIV群(カルシウムチャネル)をも含む複合電気生理学的活性を持つ抗不整脈薬であり、その結果これは心伝導および心再分極の両方のパラメータに作用する(Charlierら、Cardiologia、54:82(1969);Singhら、Br. J. Pharmacol.、39:657(1970);Rosenbaumら、Am. J. Cardiol.、34:215(1974);Rosenbaumら、Am. J. Cardiol.、38:934(1976))。対応するEKG作用は、心拍数(HR)の低下、並びにPR、QRSおよびQT間隔の延長である(Naccarelliら、Pharmacotherapy、6:298(1985))。これらの組合せられた電気生理学的特性のために、アミオダロンは、心房細動および粗動、発作性上室性頻拍、心室性早期収縮(VPB)、持続型または非持続型心室性頻拍(VT)、並びに心室性細動(VF)を含む、心室性および上室性不整脈に対し効果がある(Naccarelliら、Pharmacotherapy、6:298(1985);Kerrら、Cardiovascular Drug Therapy、第2版、Messerli, F. H.編集、W.B. Saunders Co.、1247-1264頁)。
【0006】
アミオダロンは、高リスクの患者(心筋梗塞後の患者およびうっ血性心不全患者)において実際に死亡率を低下させる極めて希な薬物のひとつである(Cairnsら、Lancet、349:675(1997);Julianら、Lancet、349:667(1997);アミオダロン試験のメタ解析研究者(Amiodarone Trials Meta-Analysis Investigators): 「急性心筋梗塞後およびうっ血性心不全の死亡率に対する予防的アミオダロンの作用:無作為試験における患者6500名の個々のデータのメタ解析(Effect of Prophylactic Amiodarone on Mortality After Acute Myocardial Infraction and in Congestive Heart Failure : Meta-Analysis of Individual Data from 6500 Patients in Randomised Trial)」、Lancet、350:1417-24(1997))。残念ながら、アミオダロンは、その生命を脅かすような副作用およびその使用に関連した実質的管理の困難さのために、その他の使用可能な抗不整脈薬の添付文書の適量に反応しない場合または代用薬に忍容性がない場合の、心室性不整脈の生命を脅かすような再発にのみ必要とされる(Vrobelら、Progr. In Cardiovasc. Dis.、31:393(1989))。アミオダロンの薬物動態学的特性は、緩徐な吸収、中等度の生体利用効率、高い親油性、および非常に大きい分布容積(平均60L/kg)により特徴付けられる。その排除はほとんど肝臓のみに限られ、かつそのクリアランス速度は非常に遅い。その終末(terminal)消失半減期は、53日である(Naccarelliら、Pharmacotherapy、6:298(1985))。結果として、アミオダロンの長期投与の場合、これは、水晶体のような灌流が貧弱な組織を含む全ての臓器に事実上蓄積する。その抗不整脈活性の出現の開始には、数日、時には数週間もかかる。活性の開始は、静脈内負荷量の投与により短縮することができるが、それでも依然時間がかかる場合がある(Koweyら、Circulation、92:3255(1995))。血管拡張剤およびβブロッカーと相乗的に組合せたアミオダロンを使用する心臓保護剤(cardioprotective agent)および方法が、冠状動脈不全患者における使用について説明されている(米国特許第5,175,187号)。アミオダロンは、抗高血圧薬、例えば(S)-1-[6-アミノ-2-[[ヒドロキシ(4-フェニルブチル)ホスフィニル]オキシル]-L-プロリン(米国特許第4,962,095号)およびゾフェノプリル(米国特許第4,931,464号)との併用による、CHFに関連した不整脈の低下についても説明されている。しかし、アミオダロンは、その多くの副作用のために、管理が困難な薬物であり、その一部は重篤である。
【0007】
アミオダロンは、いくつかの致死的毒性の可能性があり、その中で最も重要なものは、肺毒性である(過敏反応性肺炎または間質性/肺胞性肺炎)。肺毒性は、症状の進行が短時間で認められる場合は可逆的であるが、依然その時点の致死率は10%である(Kerrら、Cardiovascular Drug Therapy、第2版、Messerli, F. H.編集、W.B. Saunders Co.、1247-1264頁(1996);Vrobelら、Progr. In Cardiovasc. Dis.、31:393(1989))。肝臓損傷も一般的であるが、これは通常軽度であり、しかし一部症例においては肝疾患が発生しかつ致命的となることがある。アミオダロンによる毒性は通常、薬物投与を中止すると可逆的であるにもかかわらず、アミオダロンによる実際の危険性は、その遅い速度論、特に遅い排泄に起因している。例えば、アミオダロンに関連した不整脈前事象の頻度は他の抗不整脈薬によるものよりも低いように見える(2〜5%)が、それらが出現した場合はこの作用は延長される。アミオダロンの毒性が許容されるリスクであるような突然死のリスクの高い患者であっても、アミオダロンは、生命を脅かしうるような大きい管理上の問題点を孕んでおり、そのため最初に代用薬を使用するようあらゆる努力が払われている。
【0008】
アミオダロンの最も重篤な長期毒性は、その分布および消失の速度論に由来している。これは、緩徐に吸収され、生体利用効率が低くかつ比較的半減期が長い。これらの特徴は、負荷量の投与の必要性、完全な抗不整脈作用の実現の遅延、およびその投与が中断された後の薬物消失の引き延ばされた期間を含む、臨床的に重要な結果を有する。
【0009】
更にアミオダロンは、アプリンジン、ジゴキシン、フレカイニド、フェニトイン、プロカインアミド、キニジン、およびワルファリンを含む、多くの薬物と負に相互作用することができる。更にこれは、カテコールアミン、ジルチアゼム、プロプラノロール、およびキニジンとの、薬力学的相互作用を有し、その結果各々、α-拮抗作用およびβ-拮抗作用、洞停止および低血圧、徐脈および洞停止、並びにトルサード・ド・ポアントおよび心室頻拍を生じる。更に、アミオダロンは、ビタミンK-依存型凝固因子を抑制し、これによりワルファリンの抗凝固作用を増強するという証拠がある。
【0010】
多くの有害作用が、アミオダロンの臨床適用を制限している。角膜微小沈着(corneal microdeposit)、甲状腺機能亢進、甲状腺機能低下、肝不全、肺胞炎、光過敏症、皮膚炎、青変(bluish discoloration)、および末梢性ニューロパシーを含む、重大な副作用が生じることがある。
【0011】
CHF患者において安全に使用することができるIII群薬で、現在市販されているものはない。心血管系作用薬の市場は、薬物研究のあらゆる分野の中で最大であり、かつCHF患者において有用な有効かつ安全なIII群抗不整脈薬は、実質的に有益であると期待されている。従って、CHF患者の予後を十分に改善するが、アミオダロンよりもはるかに改善された安全性プロファイルを伴う薬物が、極めて有用でありかつ望まれている。
【0012】
米国特許第5,364,880号;第5,440,054号;および第5,849,788号(全てDruzgala)は、エステラーゼにより代謝される新規抗不整脈薬アミオダロン類似体を開示している。アミオダロンの2-ブチル鎖は、エステル部分を含むように官能化され、その結果内因性エステラーゼが該化合物を、カルボン酸部分を含む一次代謝産物へと代謝することができる。これらの化合物に関連した利点は、より小さい分布容積、より短い活性開始、より迅速な消失速度、およびより安全な長期毒性プロファイルを含む。これらのアミオダロン誘導体は、ラセミ混合物として合成された。
【0013】
所定の化合物の観察された薬学活性は、受容体レベルでのその固有の活性、生体膜を通しての輸送を決定するその生理的特徴、および代謝酵素に対するその親和性の間の複雑な相互作用の結果である。その結果、光学異性体のような、非常に類似した構造および類似した物理化学的特徴を有する化合物間の薬学活性の差異を予測することは実際には不可能である。
【0014】
しかし、生体系はキラルサブユニットの集合で形成されているので、これは光学異性体を認識することが可能である。このキラリティーの直接的結果は、受容体親和性の差異として説明されることが多く、これが同じ薬物の光学異性体間の広範な薬学活性の差異を生じている。抗不整脈薬分野における最も顕著な例のひとつは、d-ソタロールおよびl-ソタロールの薬学活性の差異である。d-ソタロールはIII群抗不整脈薬であるが、l-ソタロールはIII群特性を欠いたβ-ブロッカーである。臨床試験は、d-ソタロールおよびl-ソタロールのいずれも単独では、ヒトにおける効果的抗不整脈活性が十分でないが、d-,l-ソタロールの混合物が必要であることを明らかにした。
【0015】
発明の簡単な概要
本発明は、心性不整脈を治療するための、新規鏡像異性体として純粋な化合物、および該化合物を含有する組成物に関する。本発明は更に、該化合物の生成および精製の方法に関する。単離された鏡像異性体として純粋な化合物およびこれらの化合物の組成物は、該化合物のラセミ混合物と比較して、心室性早期収縮を軽減または阻害する著しく優れた能力のような、予想外に明確かつ有利な特徴を示している。
【0016】
本発明の鏡像異性体として純粋な化合物は、完全には先験的に予測不能な速度論的および動的レベルでの差異を示している。これらの薬学的特性は、治療法において心機能を変調する優れた能力を維持しつつも、抗不整脈薬に関連した望ましくない副作用を軽減する能力を提供する。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、心性不整脈を治療するための、鏡像異性体として単離された化合物、および該化合物を含有する組成物に関する。本発明は更に、該化合物の生成および精製の方法に関する。単離された鏡像異性体として純粋な化合物およびこれらの化合物の組成物は、該化合物のラセミ混合物と比較して、心室性早期収縮を軽減または阻害する著しく優れた能力のような、予想外に明確かつ有利な特徴を示している。
【0018】
本発明の化合物の単離された鏡像異性体型は、実質的に互いに独立している(すなわち、鏡像体過剰率)。別の表現をすると、この化合物の「R」型は、実質的に該化合物の「S」型を含まず、かつその結果「S」型の鏡像体過剰率である。逆に、この化合物の「S」型は、実質的に該化合物の「R」型を含まず、かつその結果「R」型の鏡像体過剰率である。本発明のある態様において、単離された鏡像異性体化合物は少なくとも約80%の鏡像体過剰率である。好ましい態様において、この化合物は少なくとも約90%の鏡像体過剰率である。より好ましい態様において、この化合物は少なくとも約95%の鏡像体過剰率である。更により好ましい態様において、この化合物は少なくとも約97.5%の鏡像体過剰率である。最も好ましい態様において、この化合物は少なくとも約99%の鏡像体過剰率である。
【0019】
本発明の化合物の改善された特性または特徴は、本発明の化合物を治療が必要な個体に投与することにより心性不整脈を治療するための改善された方法を提供する。1種以上の本発明の化合物を、個体に投与することができる。更に本発明の化合物は、他の化合物、またはそれらの組成物と併用して投与することができる。これらの化合物およびそれらの組成物は、心性不整脈の治療に有用であることが知られている他の化合物、心臓保護剤、抗生物質、抗ウイルス薬、または血栓溶解薬(例えば、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、または組換え組織プラスミノーゲン活性化因子)を含むことができる。
【0020】
本発明の化合物および組成物は、生命を脅かすような心室性頻拍性不整脈、特にうっ血性心不全(CHF)患者の治療に特に有用であることができる。心筋梗塞後の患者も、本化合物および組成物の投与により特に恩典を有し;従って、心筋梗塞後の患者の治療法も、本発明により提供される。「個体」は、不整脈の治療が必要な動物およびヒトを含む。好ましい態様において、個体はヒトである。
【0021】
心臓保護剤は、冠状動脈不全患者での使用について説明されている血管拡張剤およびβブロッカーを含む(例えば米国特許第5,175,187号に開示されたものまたは他の当業者に公知のもの)。他の心臓保護剤は、公知の抗高血圧薬、例えば(S)-1-[6-アミノ-2-[[ヒドロキシ(4-フェニルブチル)ホスフィニル]オキシル]-L-プロリン(米国特許第4,962,095号)およびゾフェノプリル(zofenopril)(米国特許第4,931,464号)を含む。別の心臓保護剤は、アスピリン、ヘパリン、ワルファリン、ジギタリス、ジギトキシン、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、ヒドララジン、ニトロプルシド、カプトプリル、エナラプリル、およびリシノプリルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
これらの化合物および組成物は、副経路(accessory pathway)に関連している心房細動および再入(re-entrant)頻拍性不整脈を含む、心室性不整脈および上室性不整脈の効果的管理も提供する。本発明の化合物および組成物は、心房細動および粗動、発作性上室性頻拍、心室性早期収縮(VPB)、持続型および非持続型心室性頻拍(VT)、並びに心室細動(VF)を含む、心室性および上室性不整脈の治療にも有用である。本発明の化合物により治療することができる不整脈のその他の限定的でない例には以下が含まれる:心筋症における、狭いQRS頻拍(心房、房室結節内/傍、または副経路)、心室性頻拍、および心室性不整脈。
【0023】
従って、本発明は、任意の現在入手可能な化合物よりも著しく低い毒性を有するIII群抗不整脈薬の革新的改善を表している。これらの化合物および組成物は、うっ血性心不全(CHF)患者の治療において有用であり、かつ該化合物のラセミ混合物と比較してより少ない望ましくない特性を示す。
【0024】
従って、本発明は下記式の単離された鏡像異性体化合物を提供する:
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
式中、
X1およびX2は同じまたは異なることができ、かつヨウ素、フッ素、臭素および塩素からなる群より選択され;
R1、R2、および/またはR3は、H、Cn-20アルキル、C2-20アルケニル、アリール、C1-20アルキル-アリール、C2-20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1-20アルキル-ヘテロアリール、C2-20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1-20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1-20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であり、そのいずれかは、任意に、C1-6アルキル、ハロゲン、CN、NO2、およびSO2-4からなる群より選択される部分で置換することができる。
【0025】
本発明において、mは0〜10であることができる。好ましい態様において、mは4である。別の好ましい態様において、mは3である。より好ましい態様において、mは2である。さらにより好ましい態様において、mは0である。最も好ましい態様において、mは1である。
【0026】
本明細書において使用される「Cn-20アルキル」という用語は、最大20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル部分、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを意味する。nの値は、1〜19であることができる。ある態様においてnは1であり、好ましい態様においてnは2である。
【0027】
「C2-20アルケニル」という用語は、2〜20個の炭素原子を有しかつ更に少なくとも1個の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖のアルキル部分を意味する。この用語は例として、ビニル、1-プロペニル、1-および2-ブテニル、2-メチル-2-プロペニルなどを含む。
【0028】
「シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を有し、かつ任意にいずれかの利用可能な位置でベンゼン環融合された(benzofused)、飽和された脂環式部分を意味する。この用語は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、インダニルおよびテトラヒドロナフチルを含む。
【0029】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、0、Sおよびそれらの酸化型から選択された1個以上のヘテロ原子を含む、3〜6個の原子を有し、かつ任意にいずれか利用可能な位置でベンゼン環融合されている、飽和したヘテロ環式部分を意味する。この用語は、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、インドリニル、およびテトラヒドロキノリニルを含む。
【0030】
「シクロアルケニル」という用語は、3〜6個の炭素原子を有しかつ更に少なくとも1個の二重結合を有する脂環式部分を意味する。この用語は、例えばシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルを含む。
【0031】
「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、3〜6個の原子並びにN、0、Sおよびそれらの酸化型から選択されたヘテロ原子を1個または複数有し、かつ更に少なくとも1個の二重結合を有する脂環式部分を意味する。この用語は、例えば、ジヒドロピラニルを含む。
【0032】
「アリール」という用語は、1個の環または2個の縮合環を有する、芳香族炭素環式ラジカルを意味する。この用語は、例えばフェニルまたはナフチルを含む。
【0033】
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の原子が0、NおよびSから選択される、5〜10個の原子の芳香族環系を意味し、かつ例えば、フラニル、チオフェニル、ピリジル、インドリル、キノリルなどを含む。
【0034】
「シクロイミジル」という用語は、原子配列-C(=0)NC(=O)-を有する5〜10個の原子の飽和環を意味する。この環は、任意にいずれか利用可能な位置でベンゼン環融合することができる。例えば、スクシンイミドイル、フタルイミドイル、およびヒダントインイルを含む。
【0035】
「ベンゼン環融合された」という用語は、限定された環系と共通の結合を共有するベンゼン環の追加を意味する。
【0036】
「任意に置換された」という用語は、1個または複数の利用可能な任意の位置において、特定された1個または複数の基が任意に置換されていることを意味する。
【0037】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0038】
本発明は更に、薬学的に許容される担体中に本発明の化合物を含有する組成物も提供する。本発明の化合物を、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従い製剤することができる。製剤は、当業者に周知でありかつ容易に入手することができる多くの情報源に詳細に説明されている。例えば、E.W.マーチン(Martin)の「レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」は、本発明に関連して使用することができる製剤を説明している。一般に、本発明の組成物は、該組成物の効果的投与を促進するために、生体活性化合物(複数)の有効量を適当な担体と組合わせて製剤されると考えられる。
【0039】
ある局面において、本発明は、活性成分として有効量の1種以上の該化合物および1種以上の無毒の薬学的に許容される担体または希釈剤を含有する、薬学的組成物を提供する。本発明に使用するためのこのような担体の例は、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、シリカ、アルミナ、デンプン、並びに同等の担体および希釈剤を含む。
【0040】
更に許容される担体は、固形または液体のいずれかであることができる。固形剤形は、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐薬、および分散可能な顆粒剤を含む。固形担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤用崩壊剤またはカプセル封入材料として作用することができる、1種以上の物質であることができる。
【0041】
開示された薬学的組成物は、活性成分を適量含有する単位剤形に分割してもよい。単位剤形は包装された調製物であることができ、例えば紙またはプラスチック製容器またはバイアルもしくはアンプル中に包装された錠剤、カプセル剤、および散剤などであることができる。更に単位剤形は、液体ベースの調製物であるか、もしくは固形食品、チューインガム、またはトローチ剤に混入されるように製剤されることができる。
【0042】
個体に投与される用量は、所望の反応によって変動し、かつ関与した宿主の種類、その年齢、健康状態、体重、あるならば併用療法の種類;治療頻度;治療可能比および同様の考察により決まる。有利なことに、投与される活性成分の用量レベルは、例えば、経皮的には1mg/kg体重〜約500mg/kg体重;経口的には0.01mg/kg〜200mg/kg;点鼻的には0.01mg/kg〜約100mg/kg;並びに、エアゾールでは0.01mg/kg〜約50mg/kgであることができる。
【0043】
濃度に関して説明すると、本発明の単離された鏡像異性体形は、経皮的、点鼻的、経気管支的、筋肉内、経膣的、静脈内、または経口的用途のために、新規組成物中に、該組成物の約0.01%〜約50%(w/w)の濃度で、特に該組成物の約0.1%〜約30%(w/w)で存在することができる。好ましくは、該化合物の単離された鏡像異性体形は、組成物中に、約1%〜約10%(w/w)で存在する。ある態様において、該組成物は単離された鏡像異性体化合物を約5%(w/w)含有する。
【0044】
別の態様において、本発明の化合物は、静脈内および/または経口的に投与される。最初の経口的「負荷量」は、典型的には、1週間〜3週間のコースで投与される。この負荷量は、より長いおよびより短い期間枠で投与することもでき、かつ最初の治療効果が認められるまで投与される。典型的には、個々の患者の力価決定は、本化合物の投与のために行われる(すなわち、治療法は、具体的な患者にあわせて作成される)。
【0045】
下記の用量範囲は、本化合物の個体への経口および静脈内投与に関して示された指針を表している。最初の負荷量は、100mg/日〜5000mg/日、好ましくは250mg/日〜4000mg/日、より好ましくは400mg/日〜3000mg/日、更により好ましくは600mg/日〜2000mg/日、および最も好ましくは700mg/日〜1600mg/日の範囲内である。
【0046】
適切な不整脈制御が確立された後、本発明の化合物の用量は、約1ヶ月間かけて減量することができる。この時間枠に投与される用量は、100mg/日〜1600mg/日、好ましくは200mg/日〜1400mg/日、より好ましくは300mg/日〜1200mg/日、更により好ましくは400mg/日〜1000mg/日、および最も好ましくは600mg/日〜800mg/日である。この化合物の用量減量後に、個体は、典型的には約400mg/日(維持量)の化合物用量で維持される。不整脈の制御は患者に特異的であるので、一部の維持量は、典型的維持量よりも多いまたは少ないことができる。従って維持量は、50mg/日〜800mg/日、好ましくは100mg/日〜700mg/日、更により好ましくは200mg/日〜600mg/日、および最も好ましくは300mg/日〜500mg/日の範囲内であることができる。
【0047】
本発明は更に、説明された化合物の塩も提供する。これらの化合物の塩は、薬学的に許容される塩、例えば無機酸または有機酸に由来した酸付加塩、例えば塩化水素酸塩(hydrohloride)、臭化水素酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩(tatrate)および安息香酸塩を含む。塩は、アルカリ金属塩(例えばマグネシウムまたはカルシウム塩)のような、塩基(有機および無機)、もしくはモルホリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミンの塩のような、有機アミン塩に由来することもできる。
【0048】
表1は、各々のラセミ化合物と比較した、個々の鏡像異性体の電気生理学的活性を提供する。「長い」、「短い」、「高い」、「低い」または「変化なし」という記述子(descriptor)は、単離された鏡像異性体の、各々のラセミ化合物と比較した場合の、電気生理学的作用を説明している。この表は、実施例3-6および図2-12に示されたデータを要約している。
【0049】
【表1】
【0050】
全ての刊行物、特許、および特許明細書は、上記または下記のいずれかにおいて、参考文献が本明細書に提供された開示と矛盾しない程度にその全体が本明細書に参照として組入れられている。下記に、本発明を実践する手法を説明する実施例を記す。これらの実施例は、限定のために構成されたものではない。全ての割合(%)は質量により示し、かつ全ての溶媒混合物の比は、特に記さない限りは容量に関するものである。
【0051】
実施例 1- 麻酔したラットにおける抗不整脈活性
体重410±30g(Harlan Sprague Dawley Inc.、インディアナポリス、IN)の雄のSprague-Dawleyラットを、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kgの腹腔内投与、Butler Co.、コロンバス、OH)で麻酔した。首部分の皮膚を除去し、かつ両側の頸静脈から結合組織を除いた。両側頸静脈および左頸動脈を単離し、かつ後者を手術用絹糸(ETHICON 4-0、Ethicon Inc.、オーストラリア)で頭側を結紮した。プラスチック製カテーテル(INTRACATH l9ga、Vecton Dickinson、サンディ、UT)に、通常の生理食塩水中にヘパリンナトリウム(ElkinsSinn Inc.、チェリーヒル、NJ)10%を含有する溶液(100U/mlヘパリンナトリウム)を充填し、これを該動脈に挿管し、かつ手術用絹糸で固定した。
【0052】
カテーテルを圧力変換器(OHMEDA P23-XL、Ohmeda Medical Devices Division Inc.、マジソン、WI)に連結し、同じヘパリン処理した0.9% NaCl溶液を充填し、拍動間の(beat-to-beat)動脈圧を記録した。電極針を皮下挿入し、かつ圧力変換器と共に、GOULD TA 2000記録計に連結した。第II誘導(leads II)、aVFおよび動脈内血圧を、実験期間を通じて同時にモニタリングし、かつ一定期間50mm/秒および200mm/秒の紙送り速度で記録した。
【0053】
気管切開し、そこに短いプラスチック製チューブを配置することにより手術を完了し、かつ動物に齧歯類モデル換気装置(HARVARDモデル683、Harvard Apparatus, Inc.、ホリストン、MA)を装着した。動物を、自発呼吸頻度(55/分〜75/分)に応じて、管理された方法で換気させた。
【0054】
両側の頸静脈に挿管された静脈内カテーテル(TERUMO 24 GA*3/4"、Terumo Medical Corp.、エルクトン、MD)を通じて、薬物投与を行った。シリンジポンプ(SAGE INSTRUMENTS、モデル341B、Orion Res.Inc.、ボストン、MA)を用い、左側に薬物を注入し、かつ右側をアドレナリン注射に用いた。少なくとも15分間安定化した後に、実験を開始した。ベンゼン/アドレナリンチャレンジを、以下のように行った:人工呼吸器引入口に、半分ベンゼンで満たした50-mlバブラー(Fisher Scientific、フェアローン、NJ)を連結し、吹き込まれた空気をベンゼン蒸気で飽和した。動物を、ベンゼン蒸気で2分間換気した。一回換気量は、典型的には動物100gにつき1mlであった。ベンゼン換気の最後の30秒間、10μg/kgアドレナリン溶液(0.9%NaCl中)を、右頸静脈へ注入した。典型的には、30秒以内に、心室性早期収縮(VPB)並びに血行力学的に安定した持続型および非持続型反復律動が回復し、かつ動物は他の異常な徴候を示さなかった。これらの不整脈は繰り返し誘発された。(-30分、-20分および-10分における)3回のVT管理の後、被験化合物を、30秒かけてゆっくり投与量4mg/kgで静脈内投与し、その直後には、12mg/kg/時間で2時間緩徐に注入した。注入期間の流量は、1ml/時間であった。
【0055】
1被験化合物につきラット5匹を実験し、かつ各動物はそれ自身の対照として利用した。様々な薬物の不整脈を抑制する能力を、静脈内ボーラス注入後5分、15分、30分、45分、60分、90分、120分(薬物注入終了)、135分、150分、165分および180分の時点で、反復されたベンゼン/アドレナリンチャレンジに対して試験した。収縮期動脈圧および拡張期動脈圧の幅は、血圧-幅検量線を使ってDBP/3+DBPであった。心拍、VTおよびVPBの発生時の心室棘波数、並びに特定のECGパラメータ(PR、QRS、QT期間および、ミリ秒あたりRRサイクル長)も記録し、かつ手動で測定した。各時点で、3〜5サイクル測定し、かつ平均値をEXCEL Windows 97に入力した。1化合物につき5匹の実験動物の平均および標準偏差を算出した。結果を図2-11に示す。
【0056】
実施例 2- インビトロにおけるヒト血漿中半減期
ヒト志願者5名の前腕から、静脈血(60ml)を、ヘパリン処理した15-ml Vacutainer(登録商標)チューブに採血した。各チューブは、ヘパリンナトリウム塩1,000単位を含んでいた。血液をすぐに、2,000gで10分間遠心し、血漿を収集した。収集直後、血漿を、プラスチック製栓の蓋を備えたホウケイ酸ガラス製チューブ(容量5-ml)中の2-mlのアリコートとして分けた。次にこれらのチューブを、37℃の水浴で少なくとも15分間平衡化し、その後被験試料を添加した。
【0057】
各被験化合物25μモル(約18mg)を脱イオン水10mlに溶解し、保存溶液を調製した。新鮮な血漿2mlが入った37℃で平衡化したガラスチューブの各々に、保存溶液40μlを添加した(1本のチューブに1種の被験化合物)。次に血漿/保存溶液を混合した。試料(250μl)を、0分(血漿中に被験化合物を混合した直後)並びにその後30分、60分、90分、120分、180分、240分、および300分の時点で採取した。蒸発により濃縮されることを防ぐために試験チューブに蓋をし、かつ全実験期間を通じて37℃の浴に入れた。エステラーゼ活性を阻害するために、各アリコートを、素早くエタノールを溶媒とするジエチルパラニトロフェニルリン酸(パラオキソン(paraoxon))の0.01%溶液20μlを含有する1.5-ml遠心管に移した。その後これらのチューブに蓋をし、激しく攪拌し、その後分析時まで-20℃で維持した。これらの試料を解凍し、かつアセトニトリルを溶媒とするトリフルオロ酢酸(TFA)0.1%溶液750μlと混合し、混合の間激しく攪拌し、かつその後12,000gで15分間遠心した。上清を収集し、HPLCシステムに注入した。
【0058】
HPLC移動相は、下記の割合および流量で、アセトニトリルおよび0.1%TFAおよび400mg/Lベンジルトリエチル塩化アンモニウム(BTEAC)を含有する水からなる:一分あたり2.0mlの、85%アセトニトリルおよび15%水。検出波長を242nmに設定し、かつ100μl容量を注入した。HPLCピークを記録し、かつWINDOWS版SIGMAPLOTソフトウェアver.4.0を用い積分値を時間に対してプロットした。得られた曲線を、一次反応の指数関数減衰式(first-order exponential decay equation)にあてはめ、加水分解半減期を算出した。ヒト血漿中半減期を図12に示した。
【0059】
実施例 3-ATI-2042: 麻酔したラットにおける電気生理学的特徴
麻酔をかけたラットにおいて、R-2042、S-2042、およびラセミ化合物R,S-2042の薬学活性間に、顕著な差異が存在した。図2において、本発明者らは、ラットを不整脈惹起性のベンゼン蒸気およびアドレナリンの組合せでチャレンジした際の、被験化合物の早期収縮または心室性早期収縮(VPB)の発生を阻害する能力を測定することにより、それらの抗不整脈活性を測定した。S-2042は薬物投与の全期間(0〜120分の時点)にわたって全般的に心室性早期収縮の発生を阻害し、かつウォッシュアウト期間の終了時(180分の時点)にも依然その活性を維持していたのに対し、R-2042ははるかに早期にその活性を喪失し(ほぼ100分の時点)かつウォッシュアウト期間の終了時には完全に失活していた。ラセミ化合物R,S-2042は、R-異性体またはS-異性体のいずれよりも更に活性が低かった。
【0060】
図4は、ラットにアドレナリンを注入した場合に、心拍数が一分あたり320拍(bpm)から500bpm〜600bpmへと突然増加する過程を示す。本発明者らは、ATI-2042が0分の時点から120分の時点まで投与される場合に、この頻拍性不整脈が非常に良好に押さえられたことを認めた。しかし図2に示したように、S-2042がR-2042よりもより強力でありかつより長期間作用し、ラセミ混合物R,S-2042は最も効力が弱くかつ作用時間が最短であった。同じ傾向が、図6、図8および図10においても認められた。
【0061】
図6において、本発明者らは、ATI-2042のEKG記録のQT区間に対する作用を観察した。このQT区間は、これらの化合物のIII群の特性の尺度(カリウム-チャネル遮断および不応期の延長)である。再度、R-2042、S-2042、およびR,S-2042は、3種の異なる活性プロファイルを示し、S-2042が最も強力かつ長期に作用した。図8は、I群活性(ナトリウム-チャネル遮断および減少した伝導速度)を測定するEKG記録のQRS区間に対する活性を示している。ここでも再度、個々の異性体およびラセミ化合物の間に先のパターンが保たれた。
【0062】
最後に、図10において、本発明者らは、EKG記録のPR区間に対する作用を調べ、これはこれらの化合物のIV群活性(カルシウム-チャネル遮断および減少したAV伝導)を測定した。再度本発明者らは、このモデルにおいて、S-2042がR-2042およびラセミ化合物R,S-2042よりも非常に効力が強いことを認めた。
【0063】
実施例 4- インビトロにおけるヒト血漿中半減期
ATI-2042は、エステラーゼ酵素によりヒト血漿中で代謝される。R-異性体の半減期は5.0時間であるのに対し、S-異性体は半減期7.3時間であり、実質的に異なっていた。このR-異性体は、常にATI-2000シリーズの中で最も迅速に代謝された異性体である(図12参照)。
【0064】
実施例 5-ATI-2055: 麻酔したラットにおける電気生理学的特徴
麻酔をかけたラットにおいても同様に、R-2055、S-2055、およびラセミ化合物R,S-2055の薬学活性間に、顕著な差異が存在した。本発明者らは、ラットを不整脈惹起性のベンゼン蒸気およびアドレナリンの組合せでチャレンジした際の、被験化合物の早期収縮または心室性早期収縮(VPB)の発生を阻害する特性を測定することにより、それらの抗不整脈活性を測定した。本発明者らは、S-2055は薬物投与の全期間(0〜120分の時点)にわたって全般的に心室性早期収縮の発生を阻害し、かつウォッシュアウト期間の終了時(180分の時点)にも依然その活性を維持していたのに対し、R-2055ははるかに早期にその活性を喪失し(ほぼ40分の時点)かつウォッシュアウト期間の終了時には完全に失活していたことを認めた。ラセミ化合物R,S-2055は、R-2055鏡像異性体またはS-2055鏡像異性体のいずれよりも活性が低かった(図3参照)。これらの活性の差異は、予想できなかった。
【0065】
ATI-2055は、アドレナリン注入により引き起された頻拍(増加した心拍数)を阻害した。しかし、ラセミ化合物R,S-2055は、R-2055またはS-2055のいずれかよりもより強力な作用を有し、その作用はより迅速に消失し、これは約50分で始まった。R-2055およびS-2055は両方とも同様の効力を有しているが、R-2055はS-2055よりもより長期に作用が持続した(図5参照)。従って、より長い作用期間が治療効果にとって望ましいので、これらの鏡像異性体のいずれかを用いることは、ラセミ化合物の使用よりも好ましい。
【0066】
同様の傾向がQT間隔においても認められ、ラセミ化合物は鏡像異性体のいずれか一方よりもより強力であるが、その作用期間はより短い(図7参照)。3種の形は全て、効力と同様の程度にQRS間隔を延長したが、同じくラセミ化合物は作用期間が短かかった(図9参照)。同じく3種全ての型は、P,R間隔を延長した(図11参照)。これらのラセミ化合物の効力は、個々の鏡像異性体の効力から予想されるものよりも高く、かつこの相乗作用は、R-鏡像異性体およびS-鏡像異性体が異なるカルシウムチャネル部位に作用することの強力な指標である。
【0067】
実施例 6- インビトロにおけるヒト血漿中 ATI-2055 半減期
ATI-2055は、エステラーゼ酵素によりヒト血漿中で代謝される(図12)。R-異性体の半減期は11.7時間であるのに対し、S-異性体は半減期8.8時間であり、実質的に異なっていた。これは、R-異性体がS-異性体よりもより短い半減期を有しかつキラル分子の個々の異性体について相対的酵素加水分解速度に関連し予測が不可能であることを示すようなATI-2042とは異なる。
【0068】
実施例 7-ATI-2042 および ATI-2055 の R 鏡像異性体および S 鏡像異性体の単離/生成 2- アセチルベンゾフラン (2)
炭酸カリウム(588g、4.25mol)、アセトン(1,000ml)、およびサリチルアルデヒド(504g、4.13mol)を、機械式攪拌子、追加の漏斗、および効率的還流冷却器を装着した5リットルの3口フラスコに入れた。クロロアセトン(388g、4.19mol)を、反応温度が制御できなくならないような速度で、60分かけてゆっくり添加した(クロロアセトン添加の30分後に穏やかな還流を達成した)。添加が完了した後、更に120分間穏やかな還流を続けた。その後反応液を室温に冷却し、かつ別の5リットルフラスコに濾過して移した。炭酸カリウムケーキを、アセトン(100ml)で洗浄し、かつ溶媒を蒸発させた。粗生成物の質量は602gであり、かつそのまま次工程に使用した。この生成物を、減圧蒸留により精製した(bp 80°/1mm)。純粋な生成物は、白色針状物として固化し、融点は71℃〜72℃であった。分析は、(C10H8O2) C、H:計算値74.99、5.03;実測値74.95、5.04を示した。
【0069】
2- ベンゾフリルチオアセトモルホリド (3)
2-アセチルベンゾフラン(488g、3.05mol)、イオウ粉末(98g、3.06mol)、およびモルホリン(285g、3.27mol)を、乾留冷却器、温度計、および機械式攪拌子を装着した、3リットルの3口フラスコに入れた。この混合物を、60分間穏やかに還流(126℃〜128℃)し、かつその後浴の温度を10℃上昇し、かつこの温度に合計8時間維持した。反応液を60℃以下に冷却し、かつメタノール(400ml)を添加した。生成物(491g、1.88mo1、収率62%)が、黒色固形物として沈殿し、これを濾過により単離し、かつ更に同定することなく次工程に直接使用した。
【0070】
ベンゾフラン -2- 酢酸 (4)
チオモルホリド3(490g、1.88mo1)を、12N HCl(1,OOOml)および酢酸(500ml)に溶解した。この溶液を還流温度で18時間攪拌した。反応の進行は、シリカプレート上のTLCによりモニタリングし、メタノール/ジクロロメタン(5:95v/v)で溶離した。溶媒を蒸発した。生成物を、冷1N HClと共に攪拌し、かつ吸引濾過し、濾過ケーキを1N HClの10O-ml部分で数回洗浄し、2時間風乾した。粗酸を、一定の質量になるまで、減圧した炉の中で一晩40℃で乾燥した。粗生成物の質量は308gであった(1.74mol、収率93%)。分析用試料を、シリカ上で精製し(CH2Cl2/MeOH 5:95)、融点98.5℃〜99.5℃の白色固形物を得た。分析は、(C10H8O3) C、H:計算値68.18、4.58;実測値68.16、4.57を示した。
【0071】
メチルベンゾフラン -2- 酢酸エステル (5)
ベンゾフラン-2-酢酸4(305g、1.73mol)を、メタノール(1,OOOml)および濃硫酸(20ml)に溶解した。この混合物は、当初は懸濁液であったが、これを120分間還流温度で攪拌した。メタノールの半量を蒸発させ、かつ水、KOH、および酢酸エチルからなる混合液(2,OOOml/65g/1,000ml)を添加した。十分混合した後、有機層を分離し、かつ単離した。水相を、酢酸エチル(500ml)で更に1回抽出し、かつ一緒にした有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、かつ蒸発させた。粗生成物は、赤褐色の油状物であり、質量は316gであり、これを0.1mmHgでフラッシュ減圧蒸留により精製した(bp 80℃〜90℃)。無色油状の蒸留生成物の収量は、288g(1.51mol、86%)であった。分析は、(C11H10O3) C、H:計算値69.46、5.30;実測値69.49、5.36を示した。
【0072】
メチル 2-[3-(4- メトキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸エステル (6)
蒸留したエステル5(278g、1.46mol)、パラ-塩化アニソイル(248.5g、1.46mol)、および無水ジクロロエタン(800ml)を、氷浴、機械式攪拌子、追加の漏斗および温度計を備えた、3リットルの3口フラスコに入れた。塩化スズ(IV)(380g、1.46mo1)を数回に分けて添加し、かつ混合物を窒素下室温で18時間攪拌した。別の部分のジクロロエタン(1,200ml)を添加し、かつ溶液を氷上に注いだ。有機相を分離し、かつ再度水で洗浄し、その後3%炭酸水素ナトリウム溶液で、次に再度水で洗浄した。次に有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、かつ溶媒を蒸発した。粗生成物を、ヘキサン中で24時間攪拌し、乳白色の固形物を得、これを濾過により単離し、乾燥した。収量は366g(1.13mol、77%)であった。試料(1g)を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、かつ酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶した。分析用試料は、融点76.8℃〜77.2℃を有した。分析は、(C19H16O5) C、H:計算値70.35、4.98;実測値70.46、5.01を示した。
【0073】
2-[3-(4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸 (7)
エステル6(360g、1.13mol)、無水アセトニトリル(2.5L)、および無水トルエン(5L)を、有効還流冷却器、機械式攪拌子、および窒素送気口を装着した、20Lのフラスコに入れた。これに、攪拌しながら、ヨウ化アルミニウム(1.5kg、3.67mol)を数回に分けて添加し、その後ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1Og、触媒量)を添加した。次にこの混合物を、窒素下還流温度で3時間攪拌し、かつ反応液を室温に冷却した。その後水(1,300ml)をゆっくり添加し、引き続き酢酸エチル(2.5L)を添加した。次に混合物を、セライトを含有する直列に並んだフィルターにポンプで送り、有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、かつ蒸発し、暗色固形物285g(0.96mol、85%)を得、これはTLCで大きいスポットを示した(シリカ、酢酸エチル/メタノール90:10)。分析は、(C17H12O5) C、H:計算値68.92、4.08;実測値68.93、4.10を示した。
【0074】
2-[3-(3,5- ジヨード -4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸 (8)
水(5L)を溶媒とする化合物7(280g、0.96mol)に、炭酸カリウム(369g、2.88mol)およびヨウ素ビーズ(487g、1.92mol)を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌し、かつ酢酸エチル(3×1,OOOml)で洗浄した。その後水相に、酢酸エチルの別の部分(2.5L)を添加し、かつ水相のpHが約2.0になるまでゆっくり12N HClを添加した。その後、有機相を単離し、かつ硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒のほとんど(80%)を蒸発させ、かつフラスコを0℃〜4℃に冷却し、その温度で4時間放置した。黄褐色固形の生成物を濾過により単離し、かつ最小量の冷酢酸エチルで、色が淡黄色になるまで洗浄した。濾液を蒸発乾固し、かつ褐色残渣を冷酢酸エチルで粉砕することにより、より多くの生成物を単離した。収量は431g(0.79mol、82%)であった。融点は174℃〜176℃であった。分析は、(C17H10O5I2) C、H、I:計算値37.26、1.84、46.41;実測値37.44、1.95、46.28を示した。
【0075】
(R)-sec- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢 酸エステル (9a)
化合物8(8.2g. 15mmol)を、(R)-2-ブタノール(50ml)中に溶解した。硫酸(0.5ml)を添加し、かつ混合物を還流温度で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、かつ残渣を酢酸エチル(50ml)および10%炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)間で分配した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量は、粘稠な油状物として7.76g(13.8mmol、92%)であった。生成物を、シリカ上でのクロマトグラフィーにより精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2)。分析は、(C21H18O5I2) C、H、I:計算値41.75、3.00、42.01;実測値41.71、3.02、41.96を示した。
【0076】
(S)-sec- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸エステル (9b)
化合物8(8.2g、15mmol)を、(S)-2-ブタノール(50ml)中に溶解した。硫酸(0.5ml)を添加し、かつ混合物を還流温度で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、かつ残渣を酢酸エチル(50ml)および10%炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)間で分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量は、粘稠な油状物として7.76g(13.8mmol、92%)であった。生成物を、シリカ上のクロマトグラフィーにより精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2)。分析は、(C21H18O5I2) C、H、I:計算値41.75、3.00、42.01;実測値41.77、3.05、41.89を示した。
【0077】
(R)-(3- メチル )-2- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸エステル (9c)
化合物8(8.2g、15mmol)を、(R)-3-メチル-2-ブタノール(50ml)に溶解した。硫酸(0.5ml)を添加し、かつ混合物を還流温度で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、かつ残渣を酢酸エチル(50ml)および10%炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)間で分配した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量は、粘稠な油状物として7.76g(13.8mmol、92%)であった。生成物を、シリカ上でのクロマトグラフィーにより精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2)。分析は、(C22H20O5I2)C、H、I:計算値42.74、3.26、41.06;実測値42.68、3.21、40.97を示した。
【0078】
(S)-(3- メチル )-2- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4- ヒドロキシベンゾイル )] ベンゾフラン酢酸エステル (9d)
化合物8(8.2g、15mmol)を、(S)-3-メチル-2-ブタノール(50ml)に溶解した。硫酸(0.5ml)を添加し、かつ混合物を還流温度で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、かつ残渣を酢酸エチル(50ml)および10%炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)間で分配した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥した。収量は、粘稠な油状物として7.76g(13.8mmol、92%)であった。生成物を、シリカ上でのクロマトグラフィーにより精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2)。分析は、(C22H20O5I2)C、H、I:計算値42.74、3.26、41.06;実測値42.64、3.29、41.17を示した。
【0079】
(R)-sec- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4-(2- ジエチルアミノエチルオキシ ) ベンゾイル )] ベンゾフラン - 酢酸エステル (10a)
化合物9a(6.9g、12.3mmol)をCH2Cl2(50ml)中に溶解し、かつ水(50ml)を溶媒とするジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(2.55g、14.8mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.28g、1.23mmol)の溶液に添加した。二相媒質を激しく攪拌し、かつ1N NaOH溶液(27ml)を緩徐に添加した。更に4時間攪拌した後、有機相を単離し、かつ硫酸ナトリウム上で乾燥した。生成物をシリカ上で精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2、その後98:4)。収量は、粘稠な緑がかった油状物として6.43g(9.72mmol、79%)であった。分析は、(C27H31I2NO5) C、H、N、I:計算値46.11、4.44、1.99、36.09;実測値46.13、4.42、2.00、36.12を示した。
【0080】
(S)-sec- ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4-(2- ジエチルアミノエチルオキシ ) ベンゾイル )] ベンゾフラン - 酢酸エステル (10b)
化合物9b(6.9g、12.3mmol)をCH2Cl2(50ml)中に溶解し、かつ水(50ml)を溶媒とするジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(2.55g、14.8mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.28g、1.23mmol)の溶液に添加した。二相媒質を激しく攪拌し、かつ1N NaOH溶液(27ml)を緩徐に添加した。更に4時間攪拌した後、有機相を単離し、かつ硫酸ナトリウム上で乾燥した。生成物をシリカ上で精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2、その後98:4)。収量は、粘稠な緑がかった油状物として6.43g(9.72mmol、79%)であった。分析は、(C27H31I2NO5) C、H、N、I:計算値46.11、4.44、1.99、36.09;実測値46.18、4.46、2.05、36.19を示した。
【0081】
(R)-(3- メチル )-2 ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4-(2- ジエチルアミノエチルオキシ ) ベンゾイル )] ベンゾフラン - 酢酸エステル (1Oc)
化合物9c(6.9g、12.3mmol)をCH2Cl2(50ml)中に溶解し、かつ水(50ml)を溶媒とするジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(2.55g、14.8mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.28g、1.23mmol)の溶液に添加した。二相媒質を激しく攪拌し、かつ1N NaOH溶液(27ml)を緩徐に添加した。更に4時間攪拌した後、有機相を単離し、かつ硫酸ナトリウム上で乾燥した。生成物をシリカ上で精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2、その後98:4)。収量は、粘稠な緑がかった油状物として6.43g(9.72mmol、79%)であった。分析は、(C28H33I2NO5) C、H、N、I:計算値46.88、4.64、1.95、35.38;実測値46.91、4.66、1.91、35.49を示した。
【0082】
(S)-(3- メチル )-2 ブチル 2-[3-(3,5- ジヨード -4-(2- ジエチルアミノエチルオキシ ) ベンゾイル )] ベンゾフラン - 酢酸エステル (1Od)
化合物9d(6.9g、12.3mmol)をCH2Cl2(50ml)中に溶解し、かつ水(50ml)を溶媒とするジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(2.55g、14.8mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.28g、1.23mmol)の溶液に添加した。二相媒質を激しく攪拌し、かつ1N NaOH溶液(27ml)を緩徐に添加した。更に4時間攪拌した後、有機相を単離し、かつ硫酸ナトリウム上で乾燥した。生成物をシリカ上で精製した(CH2Cl2/MeOH 98:2、その後98:4)。収量は、粘稠な緑がかった油状物として6.43g(9.72mmol、79%)であった。分析は、(C28H33I2NO5) C、H、N、I:計算値46.88、4.64、1.95、35.38;実測値46.93、4.62、1.89、35.54を示した。
【0083】
水中での硫酸塩としての生成
化合物10a(3.31g、5mmol)に、水(200ml)および1N硫酸(5.Oml)に添加した。混合物を、透明な溶液が得られるまで攪拌した。この溶液を、塩化メチレンの50-ml部で2回抽出した。抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、かつ正確に秤量したフラスコにおいて蒸発させ、黄色油状物を得た。この生成物を、減圧下、室温で2時間乾燥させた。その後水(約250ml)をフラスコに添加し、化合物1Oa、硫酸塩の20-mmol/ml溶液を得た。これら一連の化合物を全て、同様の方法で形成した。これらの溶液は、典型的にはpH4.8〜pH5.0であった。化合物10b、10cおよび10dを、同様の方法で形成した。合成経路の例を、図13A〜図13Bに示した。
【0084】
本明細書に記した実施例および態様は、例証のみを目的としており、かつ、それらについて様々な改変または変更が当業者に示され、かつ本明細書の精神および範囲に含まれていることが理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アミオダロンを示す。
【図2】 ラットをベンゼン蒸気およびアドレナリンの不整脈惹起性の組合せでチャレンジした場合の、被験化合物R-2042、S-2042およびラセミ化合物R,S-2042の、早期収縮または心室性早期収縮(VPB)の形成を阻害する能力を測定することによる、それらの抗不整脈活性を示す。
【図3】 ラットをベンゼン蒸気およびアドレナリンの不整脈惹起性の組合せでチャレンジした場合の、被験化合物R-2055、S-2055およびラセミ化合物R,S-2055の、早期収縮または心室性早期収縮(VPB)の形成を阻害する能力を測定することによる、それらの抗不整脈活性を示す。
【図4】 抗不整脈特性の被験化合物R-2042、S-2042およびラセミ化合物R,S-2042を、アドレナリンと共に投与した動物における心拍数の変化を示している。
【図5】 抗不整脈特性の被験化合物R-2055、S-2055およびラセミ化合物R,S-2055を、アドレナリンと共に投与した動物における心拍数の変化を示している。
【図6】 被験化合物R-2042、S-2042およびラセミ化合物R,S-2042の、EKG測定値のQT区間を変調する能力を示す。
【図7】 被験化合物R-2055、S-2055およびラセミ化合物R,S-2055の、EKG測定値のQT区間を変調する能力を示す。
【図8】 被験化合物R-2042、S-2042およびラセミ化合物R,S-2042の、EKG測定値のQRS区間を変調する能力を示す。
【図9】 被験化合物R-2055、S-2055およびラセミ化合物R,S-2055の、EKG測定値のQRS区間を変調する能力を示す。
【図10】 被験化合物R-2042、S-2042およびラセミ化合物R,S-2042の、EKG測定値のPR区間を変調する能力を示す。
【図11】 被験化合物R-2055、S-2055およびラセミ化合物R,S-2055の、EKG測定値のPR区間を変調する能力を示す。
【図12】 化合物の血漿中半減期を示す。
【図13Aおよび図13B】 R-2042(10a)、S-2042(10b)、R-2055(10c)、およびS-2055(10d)の合成経路を示している。
【図14】 化合物S-2042を含む一般的構造を示す。
【図15】 化合物R-2055を含む一般的構造を示す。
【図16】 化合物R-2042を含む一般的構造を示す。
【図17】 化合物S-2055を含む一般的構造を示す。
【図18】 S-2042の構造を示す。
【図19】 R-2055の構造を示す。
【図20】 R-2042の構造を示す。
【図21】 S-2055の構造を示す。
Claims (11)
- X 1 およびX 2 がヨウ素であり、かつ、R 1 がメチルである、請求項1記載の化合物。
- 塩が硫酸塩、酒石酸塩またはクエン酸塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、及びに薬学的に許容される担体を含有する組成物。
- 患者における心性不整脈の治療または発生を低下させるための、請求項6記載の組成物。
- 患者における心性不整脈の治療または発生を低下させるための薬剤の調製のための、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の使用。
- 心性不整脈が、心房細動、粗動、発作性上室性頻拍、心室性早期収縮、持続型心室性頻拍および非持続型心室性頻拍からなる群より選択される、請求項8記載の使用。
- 患者が心臓に高いリスクのある患者である、請求項8記載の使用。
- 患者が心筋梗塞後の患者であるか、またはうっ血性心不全を有する患者である、請求項10記載の使用。
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