JP3434660B2 - 光ファイバユニットの布設装置 - Google Patents

光ファイバユニットの布設装置

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JP3434660B2
JP3434660B2 JP01950497A JP1950497A JP3434660B2 JP 3434660 B2 JP3434660 B2 JP 3434660B2 JP 01950497 A JP01950497 A JP 01950497A JP 1950497 A JP1950497 A JP 1950497A JP 3434660 B2 JP3434660 B2 JP 3434660B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバ心線
を被覆してなる光ファイバユニットをパイプあるいはチ
ューブ等の筒状体内へ布設する光ファイバユニットの布
設装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバ心線を被覆してな
る光ファイバユニットをパイプあるいはチューブ等の筒
状体内へ布設する布設装置として、サプライボビンから
供給される光ファイバユニットを挟持しながら回転する
ことによりパイプ内へ送り込む一対のローラと、パイプ
の端部が接続された圧送ヘッドを介してパイプ内へコン
プレッサからの圧縮空気を送り込む、圧送部とを備えた
ものが知られている。即ち、一対のローラによって光フ
ァイバユニットをパイプ内へ送り込むとともに、圧送装
置によってパイプ内へ空気を送り込み、パイプ内の光フ
ァイバユニットを推進させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
布設装置を構成するローラは、その硬度が高すぎたり、
ローラ同士による光ファイバユニットの押さえ力が大き
すぎると、光ファイバユニット表面に形成されている発
泡部分が潰れてしまい、特に、光ファイバユニットの外
形が丸くなってしまうと、圧送ヘッドに設けられて光フ
ァイバユニットが挿通される口金の孔部と、この孔部へ
挿通された光ファイバユニットとの隙間が大きくなり、
圧送部から送り込まれる圧縮空気がその隙間から多量に
漏れて光ファイバユニットの送り込みが良好に行われな
くなってしまう恐れがあり、また、光ファイバユニット
の被覆が損傷して内部の光ファイバ心線にマイクロベン
ドが生じて伝送特性の劣化を招いてしまったり、パイプ
内への推進が滞った状態の光ファイバユニットを無理に
送り込んで座屈させてしまう恐れもあった。さらには、
光ファイバユニットとの摩擦による削れが大きいという
問題もあった。
【0004】上記とは逆にローラの硬度が低すぎたり、
ローラ同士による光ファイバユニットの押さえ力が小さ
すぎると、光ファイバユニットを挟持する力が弱くな
り、光ファイバユニットの内面との摩擦や口金から吹き
出す圧縮空気によって生じる推進方向と逆方向への力に
負けてしまい、ローラと光ファイバユニットとがスリッ
プして、送り込み不良が生じてしまう恐れがあった。ま
た、これらローラとしては、耐摩耗性、低発熱特性、低
温特性等に優れ、さらに安価であるなどが要求されてい
るのが現状である。
【0005】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、光ファイバ心線を破損させることなく、良好にパ
イプあるいはチューブ等の筒状体内へ光ファイバユニッ
トを布設することができ、さらには、ローラの摩耗を最
小限に抑えることが可能な光ファイバユニットの布設装
置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の光ファイバユニットの布設装置は、
光ファイバ心線を被覆してなる光ファイバユニットを挟
持しながら回転することにより筒状体内へ送り込む一対
のローラと、前記筒状体内へ圧縮空気を送り込んで、筒
状体内の光ファイバユニットを推進させる圧送部とを有
する光ファイバユニットの布設装置であって、前記ロー
ラは、天然ゴムをベースとしてブタジエンゴムあるいは
イソプレンゴムが5〜50%配合され、かつその硬度が
30〜70度の範囲とされ、かつ前記ローラによる前記
光ファイバユニットの押さえ力が100gよりも大きく
かつ1000gよりも小さくされていることを特徴とし
ている。
【0007】請求項2記載の光ファイバユニットの布設
装置は、請求項1記載の光ファイバユニットの布設装置
において、適用される光ファイバユニットの表面に発泡
部分が形成されていることを特徴としている。請求項
記載の光ファイバユニットの布設装置は、請求項1又は
記載の光ファイバユニットの布設装置において、前記
一対のローラの少なくとも一方のローラの幅方向略中央
部に周方向へわたって、前記光ファイバユニットを保持
するV形状の溝部が形成されていることを特徴としてい
る。請求項4記載の光ファイバユニットの布設装置は、
請求項1〜3の何れかに記載の光ファイバユニットの布
設装置において、適用される光ファイバユニットの径
は、0.8〜1.8mmであることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光ファイバユニッ
トの布設装置の実施の形態を図によって説明する。図1
において、符号1は、光ファイバユニットの布設装置で
ある。この布設装置1は、ケース2に設けられた圧送ヘ
ッド3を有しており、この圧送ヘッド3には、光ファイ
バユニットUが布設されるパイプ(筒状体)Pがコネク
タ4を介して接続されている。この圧送ヘッド3には、
その内部に挿通孔5が形成されており、この挿通孔5に
は、光ファイバユニットUが挿通されるようになってい
る。また、この装置本体3には、前記挿通孔5と連通す
る空気流入孔6が形成されており、この空気流入口6の
エアー導入部6aには、圧縮空気を送り込むコンプレッ
サ(図示略)及び圧縮空気を乾燥させるドライヤ(図示
略)からのホース7が接続され、乾燥された圧縮空気が
ホース7を介して空気流入孔6へ送り込まれるようにな
っている。
【0009】また、この布設装置1は、光ファイバユニ
ットUをパイプP内へ送り込む送り込み部11が設けら
れている。図2に示すように、この送り込み部11は、
ケース2内に設けられた図示しない駆動機構によって回
動される一対の駆動軸12と、これら駆動軸12に設け
られたローラ15とを有するものである。この送り込み
部11を構成するローラ15には、幅方向中央部に、周
方向へわたってV形状の溝部15aがそれぞれ形成され
ており、これらローラ15同士の当接箇所における前記
溝部15a同士の間に、光ファイバユニットUが保持さ
れるようになっている。
【0010】そして、これらローラ15同士の間に、サ
プライボビン(図示略)に巻き取られた光ファイバユニ
ットUが挟持されて、ローラ15が回転されることによ
り、これらローラ15に挟持された光ファイバユニット
Uが圧送ヘッド3の挿通孔5へ送り出されるようになっ
ている。なお、図1中符号21は、サプライボビンから
引き出された光ファイバユニットUをローラ15へ案内
する入線ガイド、符号22は、ローラ15から送り出さ
れる光ファイバユニットUを圧送ヘッド3の挿通孔5へ
案内する口金であり、入線ガイド21はケース2にネジ
止めされて固定され、口金22は圧送ヘッド3にネジ止
めされて固定されている。
【0011】そして、上記構成の光ファイバユニットの
布設装置1によれば、駆動機構によって駆動軸12を回
転させると、サプライボビンから引き出された光ファイ
バユニットUがローラ15によって挟持されながら圧送
ヘッド3の挿通孔5へ送り出される。また、このとき、
ホース7からの圧縮空気が空気流入孔6へ送り込まれ、
この圧縮空気によってパイプP内に送り出された光ファ
イバユニットUが推進される。
【0012】(実施例)次に、上記構造の光ファイバユ
ニットの布設装置1の実施例を説明する。 (a)ローラ15の材質 上記のローラ15としては、耐摩耗性、低発熱性、低温
特性等に優れ、さらに安価であることが要求される。こ
のため、本実施例では、ローラ15の材質として、天然
ゴムをベースにブタジエンゴムを5〜50%配合させ
た。ここで、このローラ15の材質とした天然ゴム及び
ブタジエンゴムは次のような特徴を有している。 ◎天然ゴム:安価、引っ張り強さに優れている、引き裂
き強さに優れている。 ◎ブタジエンゴム:反発弾性が高い、動的発熱が少な
い、低温特性が優れている。 上記特徴を有する天然ゴム及びブタジエンゴムを、天然
ゴムをベースとしてブタジエンゴムを5〜50%配合さ
せることにより、これらの両者の特徴を兼ね備えた素材
とすることができ、これにより、耐摩耗性、低発熱性、
低温特性等に優れ、さらに安価なローラ15とすること
ができる。
【0013】(b)ローラ15の硬度 上記のローラ15の硬度としては、30〜70度(JI
S K 6301)とした。
【0014】そして、上記(a)及び(b)の条件とし
たローラ15を用いて布設装置1によって光ファイバユ
ニットUを布設した。そのときの硬度と押さえ力との関
係、及び硬度と耐摩耗性・寿命との関係を図3に示す。
ただし、このときの光ファイバユニットUは、最小径
0.8〜最大径1.8mmとし、図中符号x、yは、そ
れぞれ最小径(0.8mm)、最大径(1.8mm)の
光ファイバユニットUの硬度に対する押さえ力の関係を
示す曲線であり、図中符号X、Yは、それぞれ最小径
(0.8mm)、最大径(1.8mm)の光ファイバユ
ニットUの硬度に対する耐摩耗性・寿命の関係を示す曲
線である。
【0015】図3からも明らかなように、硬度に対する
押さえ力及び耐摩耗性・寿命の特性曲線の内、最小径
(0.8mm)及び最大径(1.8mm)のそれぞれの
特性曲線x、y、X、Yにて囲われた部分Aに含まれる
ローラ15が、光ファイバユニットUを送り込むローラ
15として最適であることがわかった。つまり、ローラ
15による光ファイバユニットUの押さえ力が100g
よりも大きくかつ1000gよりも小さくされ、また、
このときの耐摩耗性・寿命の最低部分をみてもそれほど
低くないことが認められる。
【0016】つまり、上記条件のローラ15によれば、
光ファイバユニットU内の光ファイバ心線を破損させる
ことなく送り込むことができ、また、光ファイバユニッ
トUの滑りをなくして良好な送り込みを行うことがで
き、さらには、ローラ15自体の摩耗も少なくすること
ができる。
【0017】また、上記ローラ15には、それぞれ幅方
向の略中央部に周方向へわたってそれぞれ形成された溝
部15aがV形状とされているので、各種の光ファイバ
ユニットUに適用させることができる。つまり、溝部1
5aが円弧状の場合は、その曲率の光ファイバユニット
Uにしか適応することができず、このため各径の光ファ
イバユニットUに対してそれぞれ同一曲率の溝部を有す
るローラを用いなければならないが、上記ローラ15
は、溝部15aがV形状とされているので、径の異なる
各種の光ファイバユニットUに一種類のローラ15を適
用することができる。
【0018】ここで、V形状の溝部15aの対角線長を
0.8mmとしたローラ15が適用可能な光ファイバユ
ニットUの例を図4に示す。図に示されるように、V形
状の溝部15aの対角線長を0.8mmとしたローラ1
5の場合[A]、直径0.8mm([B]にて示す)の
光ファイバユニットUでは、この光ファイバユニットU
がすべってしまうが、直径0.9mm([C]にて示
す)の光ファイバユニットU及び直径1.6mm
([D]にて示す)の光ファイバユニットUはいずれも
上記V形状の溝部15aを有するローラ15によって光
ファイバユニットUの送り込みを行うことができた。し
かも、このときのローラ15による押さえ力は、直径
0.9mm([C]にて示す)の光ファイバユニットU
にて100g、直径1.6mm([D]にて示す)の光
ファイバユニットUにて400gであり、したがって、
これらの直径0.9mm〜1.6mmの範囲の光ファイ
バユニットUを破損させることなく、確実に送り込むこ
とができる。
【0019】また、図5に示すものは、ローラ15の硬
度別の挟持力を示す図である。なお、ここでは、直径
1.0mm、直径1.5mmの光ファイバユニットUを
用い、各硬度のローラ15に挟持させた状態にて、光フ
ァイバユニットUを引っ張り、そのときの力を挟持力と
した。
【0020】なお、上記の実施例では、天然ゴムへ配合
する他のゴムとしてブタジエンゴムを用いたが、ブタジ
エンゴムと同様な特性を有するイソプレンゴムを同様に
配合しても良い。また、上記の例では、一対のローラ1
5のそれぞれに溝部15aを形成したが、この溝部15
aを一方のローラ15だけに設けても光ファイバユニッ
トUを保持する機能を得ることができるのは勿論であ
る。
【0021】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光ファ
イバユニットの布設装置によれば、下記の効果を得るこ
とができる。請求項1記載の光ファイバユニットの布設
装置によれば、引っ張り強さ及び引き裂き強さに優れか
つ安価な天然ゴムをベースとして、反発弾性が高く、動
的発熱が少なくかつ低温特性が優れているブタジエンゴ
ムあるいはイソプレンゴムを5〜50%配合させること
により、これらの両者の特徴を兼ね備えた素材からな
る、耐摩耗性、低発熱性、低温特性等に優れ、しかも安
価なローラを有する布設装置とすることができる。さら
には、ローラの硬度が30〜70度の範囲とされて、ロ
ーラによる光ファイバユニットの押さえ力が、ユニット
が滑らない最低限の押さえ力よりも大きくかつユニット
が破損しない最大限の押さえ力よりも小さくされている
ので、送り込む光ファイバ心線を破損させることなく送
り込むことができるとともに、光ファイバユニットの滑
りによる送り込み不良を生じさせることなく、良好に送
り込むことができる。
【0022】請求項記載の光ファイバユニットの布設
装置によれば、光ファイバユニットを保持する溝部がV
形状に形成されているので、各種径の異なる光ファイバ
ユニットに一種類のローラを適用させることができる。
これにより、光ファイバユニットの径の違いに応じてロ
ーラを用意する必要をなくすことができるとともに、異
なる径の光ファイバユニットの布設作業毎にローラを取
り替える作用を不要とすることができ、設備コストの低
減及び作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の光ファイバユニットの
布設装置の構成及び構造を説明する布設装置の一部を断
面視した側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の光ファイバユニットの
布設装置を構成する送り込み部の構成及び構造を説明す
る送り込み部の側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の光ファイバユニットの
布設装置に用いられるローラの実施例を説明するローラ
の硬度に対する押さえ力及び耐摩耗性・寿命の関係を示
すグラフ図である。
【図4】 本発明の実施の形態の光ファイバユニットの
布設装置に用いられるローラによって送り込み可能な光
ファイバユニットを説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態の光ファイバユニットの
布設装置のローラによる光ファイバユニットの挟持力を
示す図である。
【符号の説明】
1…布設装置、12…駆動軸、、15…ローラ、15a
…溝部、P…パイプ(筒状体)、U…光ファイバユニッ
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保苅 和男 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 古川 眞一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−258530(JP,A) 特開 平7−72340(JP,A) 特開 平8−175102(JP,A) 特開 平4−36371(JP,A) 特開 平1−263133(JP,A) 特開 平5−254728(JP,A) 実開 昭50−119710(JP,U) 実開 昭56−124648(JP,U) 実開 昭57−132771(JP,U) 実開 昭59−12635(JP,U) 実公 昭63−44478(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 G02B 6/44 - 6/46 B65H 51/00 - 51/32 C08L 7/00 - 7/02 H02G 1/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線を被覆してなる光ファイ
    バユニット(U)を挟持しながら回転することにより筒
    状体(P)内へ送り込む一対のローラ(15)と、前記筒
    状体内へ圧縮空気を送り込んで、筒状体内の光ファイバ
    ユニットを推進させる圧送部とを有する光ファイバユニ
    ットの布設装置(1)であって、 前記ローラは、天然ゴムをベースとしてブタジエンゴム
    あるいはイソプレンゴムが5〜50%配合され、かつそ
    の硬度が30〜70度の範囲とされ、かつ前記ローラに
    よる前記光ファイバユニットの押さえ力が100gより
    も大きくかつ1000gよりも小さくされていることを
    特徴とする光ファイバユニットの布設装置。
  2. 【請求項2】 適用される光ファイバユニットの表面に
    発泡部分が形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の光ファイバユニットの布設装置。
  3. 【請求項3】 前記一対のローラの少なくとも一方のロ
    ーラの幅方向略中央部に周方向へわたって、前記光ファ
    イバユニットを保持するV形状の溝部(15a)が形成
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光フ
    ァイバユニットの布設装置。
  4. 【請求項4】 適用される光ファイバユニットの径は、
    0.8〜1.8mmであることを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載の光ファイバユニットの布設装置。
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