JP3434129B2 - 酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合用合金箔 - Google Patents
酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合用合金箔Info
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Description
鋼(鋼線、鉄筋を含む)等のFe基材料である各種の鋼
材を接合対象として、酸化雰囲気中でかつ低温度でかつ
短時間での接合が可能で、被接合材(母材)に対して熱
影響の小さい接合が可能な液相拡散接合用合金箔に関す
るものである。
の間に箔、粉末、あるいはメッキ等の形態で被接合材よ
りも融点の低い共晶組成を有する合金を介在させて加圧
し、挿入合金(以下「インサートメタル」と称する)の
液相線直上の温度に接合部を加熱することによって溶
融、等温凝固させる接合法であり、固相接合法の1種と
考えられている。
接合できることから、従来、接合による残留応力や、変
形を極力避ける必要のある接合に用いられ、主として同
時に溶接の困難な高合金鋼、耐熱鋼あるいはこれらと炭
素鋼との接合に適用されている。一方、炭素鋼からなる
一般鋼材どうしの接合手段としては、従来から各種の溶
接が主流であり、液相拡散接合が適用された例は少な
い。
0.50%以上のCrを含有する被接合材料の接合に適
用されている場合が多い。このCr含有材料は緻密な酸
化Cr(多くの場合Cr2 O3 )皮膜を表面に形成する
ために、耐酸化性、耐食性が優れているのが特徴であ
る。
ながら接合面に酸化皮膜が形成されることとなり、溶融
したインサートメタルの濡れが阻害され、接合に必要な
原子の拡散が著しく妨げられ、良好な接合部を得ること
は困難であった。
号公報、特開昭62−34685号公報、更に特開昭6
2−227595号公報に見られるように、何れも液相
拡散接合の際、雰囲気を真空、不活性、もしくは還元性
に保たねばならず、接合コストの著しい上昇を招いてい
た。
基合金、耐熱合金鋼あるいはこれらの合金鋼を接合対象
として液相拡散接合を適用する場合において、大気中で
酸化被膜が被接合材表面に生成していても液相拡散接合
が可能で、接合コストを低減しながら良好な接合部を短
時間に得られる液相拡散接合を提供するために種々研究
を重ねた結果、Vを0.1〜20.0原子%含有し、S
iを増量したインサートメタルを用いれば、大気中など
酸化雰囲気中でも液相拡散接合が可能であることを見い
出した。
上昇させる元素ではあるが、他の元素(本発明において
は専らSi)を適当に調整することで接合性の極めて優
れたインサートメタルを得ることができることを見い出
し、先に特開平2−151377号公報、特開平2−1
51378号公報、特開平2−185940号公報、特
開平7−268521公報、特開平7−276066号
公報等に開示されるような、主としてステンレス鋼、高
ニッケル基合金、耐熱合金鋼あるいはこれらの合金鋼と
炭素鋼の液相拡散接合に用いられるNiベースのV、S
iを含有する酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合用
合金箔を提案した。
合用合金箔は、上記したように主としてステンレス鋼、
高ニッケル基合金、耐熱合金鋼を接合対象として、用い
られるものでありNiをベースとするものである。
炭素鋼による鋼管、鉄筋、厚板などの鋼材で代表される
Fe基材料を、より短時間でかつ十分な接合強度を確保
しつつ低コストで接合することの要請が高まってきてお
り、従来の各種の溶接による接合によってはこの要請に
十分に応えられないとの認識に基づいて、Fe基材料を
接合対象として大気中での液相拡散接合の適用について
検討した。
接合する場合に、上記Niベースの液相拡散接合用合金
箔をインサートメタルとして用いた場合には、被接合材
間にNi相が介在して接合組織が不均質となり、接合時
間が長くなるとともに、接合強度、靭性にも影響がある
ことから、上記の要請に十分に応えることは困難である
ことを確認するに至った。
鋼による鋼管、鉄筋、厚板などの鋼材で代表されるFe
基材料を接合対象として、Fe基材料(Feを50%以
上含有する各種の鋼材)を接合対象として、酸化雰囲気
中でかつ低温度でかつ短時間での接合が可能で、被接合
材(母材)に対して熱影響の小さい接合が可能な液相拡
散接合用合金箔を提供するものである。
とし、P、Si、Vを必須成分として含有する、Fe基
材料同士を接合対象として、酸化雰囲気中で接合可能な
液相拡散接合用合金箔であり、(1) 第一の発明は、原子%で、 P :1.0〜20.0%、 Si:1.0〜14.83%、 V :0.1〜20.0% を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避の不純物か
らなる組成を有し、厚さが3.0〜100μmであるこ
とを特徴とする。
分に、原子%でさらに、 Cr:0.1〜20.0%、 Ni:0.1〜15.0%、 Co:0.1〜15.0% の一種または二種以上を含有することを特徴とする。
(2)記載の成分に、原子%でさらに、 W :0.1〜10.0%、 Nb:0.1〜10.0%、 Ti:0.1〜10.0% の一種または二種以上を含有することを特徴とする。
質的に非晶質であることを特徴とする第一〜第三の発明
のいずれか1項に記載の酸化雰囲気中で接合可能な液相
拡散接合用合金箔である。
は、Feを原子%で50%以上含有している各種の炭素
鋼による鋼材を意味している。「実質的に非晶質」と
は、組織の結晶構造の50%以上が非晶質になっている
ものを意味している。「液相拡散接合」とは、拡散ろう
付けを含むものであり、接合しようとする材料の間に
箔、粉末、あるいはメッキ等の形態で被接合材よりも融
点の低い共晶組成を有する合金を介在させて加圧し、挿
入合金(以下インサートメタルと称する)の液相線直上
の温度に接合部を加熱することによって溶融、等温凝固
させる接合法であるが、溶融とは完全溶融の場合のみで
はなく、50%以上の溶融を含んでいる。
%で0.1%以上の酸素ガスを含有し、酸素分圧が10
-3atm 以上、すなわち還元性のガス、例えばH2 ,H2
S,水蒸気その他を含有している場合でも酸化力が酸素
濃度相当で0.1%以上である雰囲気を意味している。
また「融点」とは、2元以上の合金においては、その状
態図上での固相線を、特に断わらない限りにおいて意味
するものとする。
1377号公報、特開平2−151378号公報、特開
平2−185940号公報、特開平7−268521号
公報、特開平7−276066号公報等に開示されるよ
うな、NiベースのV、Siを含有する液相拡散接合用
合金箔で得られる効果に着目し、Fe基材料を接合対象
として、Ni相による組織不均一、被接合材(母材)へ
の熱影響による特性低下の問題も生じない、液相拡散接
合用合金箔について種々検討を重ね本発明に到達した。
して組織不均一の問題を生じるNiを含有させる場合は
原子%で0.1〜15%の範囲に抑え、接合対象である
Fe基材料と同様、Feベースとし、これに拡散元素で
低融点化にも寄与するPと、低融点化に寄与するSi、
酸化被膜の影響を軽微にするVを必須成分として含有す
る、Feをベースとする酸化雰囲気中で接合可能なFe
基材料の液相拡散接合用合金箔であり、これらの成分に
主として接合部の耐食性を高めるCr、Ni、Coの一
種または二種以上を、あるいは主として接合部強度を高
めるW、Nb、Tiの一種または二種以上を選択的に含
有させ、さらに接合部の耐食性を高めるCr、Ni、C
oの一種または二種以上と、主として接合部強度を高め
るW、Nb、Tiの一種または二種以上を同時に含有さ
せるものである。これらの選択成分は、接合対象の成分
組成、接合部に求められる特性等に応じて組み合わせ、
適量含有させる。
が、本発明では低温(1000℃以下)での接合が可能
で、被接合材(母材)に対する熱影響を小さくして、被
接合部材の結晶粒の粗大化による特性低下を防止するた
め、その実現が容易なPを拡散原子として選択する。
影響により結晶粒が粗大化し、材料特性が低下しやすい
成分組成を有するもの、例えばMoを含有する鋼等の場
合に用いて特に有効である。拡散元素としてBを用いて
この種の鋼を液相拡散接合した場合には良好な接合部を
得ることは難しい。
有させる目的と含有量について、説明する。 (1)Feベース(Feが原子%で50%以上含有)と
する。 被接合材がFe基材料(Feが原子%で50%以上含有
する炭素鋼による鋼材)であり、Niベースとした場合
のようなNi相の介在による組織の不均質がなく、接合
時間を短縮するとともに、接合強度を容易に確保でき
る。
現するための拡散原子として、あるいは融点を被接合材
よりも低くするために必要な元素であり、それぞれの目
的のためには1.0%以上含有させることが必要である
が、本発明者らは詳細な研究によって20.0%を超え
て含有させると、被接合材がMo、Crを含有している
場合には、被接合材側結晶粒径に5μm以上の粗大な燐
化物が生成し、接合部強度が低下するので、1.0〜2
0.0%とした。
る。 Siは、融点を降下させための有効元素であり、Vを多
く含有することにより融点が比較的高くなって接合時間
が長くなることを防止する。1.0%未満ではその効果
は軽微である。14.83%超では、酸化雰囲気中での
液相拡散接合の際にインサートメタル中にSiを含む粗
大な酸化物を生成し、接合部強度および靱性を劣化させ
る場合がある。
融点複合酸化物V2 O5 −Fe2 O3 (融点約800
℃)とする。したがって、接合温度(900〜1200
℃)では溶融し、液相中では表面張力の差によって球状
化することにより、Fe基材料と溶融インサートメタル
との濡れを良くする。拡散原子Pは、このため、表面酸
化皮膜の影響をほとんど受けることなく、球状化酸化物
の間を自由に拡散し、酸化雰囲気中における液相拡散接
合を実現させる極めて重要な元素である。0.1%未満
では酸化皮膜を溶融させるに不十分であるために効果が
なく、20.0%を超えて添加するとインサートメタル
の融点が1300℃を超えてしまい液相拡散接合が実質
的に不可能となる。
である。0.1%未満では効果が不十分であり、20.
0%を超えると合金箔の融点が著しく上昇してしまい、
製造性を悪化させ、液相拡散接合温度を実用的な範囲を
逸脱した極めて高い温度、すなわち1400℃以上に高
めてしまう。
あり、0.1%未満ではその効果が不十分であり、1
5.0%超では、Ni相の介在により組織の均質性を阻
害する。接合時間が長くなり、また接合部強度の低下の
原因にもなる。
するために含有させる。0.1%未満ではその効果が不
十分であり、15.0%超では、インサートメタル中に
粗大な金属間化合物が生成して接合部靭性を阻害する。
10.0%とする。 Wは、接合部の強度を高めるためのものである。0.1
0%未満では効果がなく、10.0%超では樹枝状晶間
偏析に起因する粗大Laves相析出によって材料の高
温強度がかえって低下する。Nbは、炭化物、窒化物あ
るいは炭窒化物として基材中に分散する場合、靭性向上
に効果がある。0.1%未満では効果不十分であり、1
0.0%超では粗大な金属間化合物が生成して接合部靭
性を著しく阻害する場合がある。Tiは、接合部の強度
を高めるためのものであり、炭化物、窒化物として均一
分散させると靭性を高める。0.1%未満では効果不十
分であり、10.0%超では粗大な金属間化合物が生成
して接合部靭性を著しく阻害する場合がある。
接合用合金箔は、良好な接合部を得るために、液相拡散
接合時に均一に溶融する必要がある。不均一な組成で、
合金成分の偏析がある場合には、インサートメタルの融
点が接合部の位置によって異なることになり、均質な接
合界面が得られず良好な接合部が得なれないことにな
る。実際には不均一な組成で、合金成分の偏析があると
いうことを考慮すると、結晶構造を非晶質にすることが
好ましい。均一な組成のものが容易に得られる場合に
は、結晶構造は非晶質であることは不可欠ではない。本
発明の液相拡散接合用合金箔は、インサートメタルとし
て種々の形状で提供することが可能である。
を有する合金は、例えば液体急冷法によって、容易に非
晶質の合金箔として製造することができる。ここで採用
される基本的製造方法としては、合金の溶湯をノズルを
介して冷却基板状に噴出し、熱的接触によって冷却凝固
させる液体急冷法のうち、冷却基板として一個の冷却ロ
ールを用いる、簡易な単ロール法が適している。他に、
ドラムの内壁を使う遠心急冷法やエンドレスタイプのベ
ルトを使用する方法や、これらの改良型、例えば補助ロ
ールや、ロール表面温度制御装置を付属させた方法、あ
るいは減圧下ないし、真空中または不活性ガス中での鋳
造もそれに含まれる。また、一対のロール間に溶湯を注
入して急冷凝固させる双ロール法も適用できる。また、
合金を、真空溶解して鋳造し、得られた鋳片を通常の方
法で圧延、焼鈍して、合金箔の形態で提供することも可
能である。
は、薄いほど接合部近傍における機械的特性の変化が少
なく、接合に要する時間も短かくできるので、液相拡散
接合に有利であるが、3.0μm未満の場合にはVの絶
対量が被接合材表面の酸化皮膜を無害化するに不十分と
なり、100μm以上では液相拡散接合終了までに長時
間を要し実用的でないことから3.0〜100μmの厚
みとすることが好ましい。
るものであるが、大気中で接合が可能であることから、
拡散ろう付けの接合法に応用しても有用である。
材料を被接合材とする液相拡散接合を実施した。実施条
件と実施結果を、比較例の場合とともに表、図を用いて
以下に説明する。
かの成分組成(原子%)有する、合金約100gを、単
ロール法(冷却ロール:Cu合金製300mm径)にて急
冷して、板幅2〜215mm、板厚3.0〜100μmの
実質的に非晶質の結晶構造を有する合金箔とした。この
際の冷却ロールの周速は5.0〜15.0m/sの間に
保持した。
(原子%)は表1に示す通り、何れもFeを基材として
おり、表1中の各成分の和と100%との差がFeと不
可避の不純物の合計濃度を意味する。
成(原子%)は表2に示した。本発明合金箔と同様、何
れもFeを基材としており、表2中の各成分の和と10
0%との差がFeと不可避の不純物の合計濃度を意味す
る。表2の比較合金箔は表1の本発明合金箔の場合と全
く同様にして製造したものである。
の第一の発明乃至第四の発明を満足する合金箔(以下
「本発明インサートメタル」という)および表2のNo.
200〜212に示される比較合金箔(従来型インサー
トメタルを含み、以下「比較インサートメタル」とい
う)を用いて液相拡散接合を実施した。
タル3〜100μm厚×20mm径、比較インサートメタ
ル5.16〜133.74μm厚×20mm径の円盤状と
し、被接合材であるFe基材料(成分組成は表2に示し
た)を用意し、図1に示すごとく被接合材である丸鋼
(径20mm)と丸鋼(径20mm)間に挟み込んだ。図1
において1、2は被接合材(丸鋼)、3は液相拡散接合
用合金(インサートメタル)である。
を各合金箔の融点直上〜融点+50℃の範囲とし、大型
加熱炉を用いて目標温度を実質的に950〜1000℃
に設定して液相拡散接合を実施した。この際、被接合材
2とインサートメタル3を、両者の密着性を良好にする
ため、2メガパスカル(MPa)の加圧力で加圧した。
度、耐食性、靱性を確保するために接合後の熱処理を焼
き鈍し、焼き入れ+焼き鈍し、焼き鈍し+焼き戻し、焼
き入れ+焼き鈍し+焼き戻しを適宜単独で、あるいは組
み合わせて施した。これら熱処理の間に被接合材どうし
の元素の相互拡散が進行し、接合部の均質化が進んだ
が、本発明インサートメタル中の析出物の生成、増加、
成長は殆ど見られなかった。
装置により接合部の健全性を調査したが、本発明インサ
ートメタルによる全ての試験片で非接合面積率は0%で
あった。更に図2に示す要領で丸鋼の軸方向から、図3
のようなJISA2号引張試験片を切り出し、引張試験
機を用いて常温で接合部破断相対強度を調査した。接合
部の引張破断強度は、被接合材の材質、板厚、および使
用環境条件等で決定されるが、本実施例においては実用
上の制限から400MPaを最低必要強度として仮に設
定し、この値以上の破断強度が得られた場合に十分な接
合が実現したと判断した。実験結果を表1、表2に併記
して示した。
液相拡散接合によって得られた接合部は、すべて目標レ
ベルの400MPa以上の極めて良好な接合強度を示し
た。これに対して、本発明を満足しない比較合金箔を用
いた液相拡散接合によって得られた接合部は、すべて目
標レベルの400MPa以下の接合強度を示し、全く満
足できるものではなかった。個別の結果は後述する。
で規定する成分(原子%)および厚みを接合部破断強度
{MPaで表す}との関係を確認し、図7は熱影響部
(母材)の靭性を確認するためのものである。
トメタル中のVの濃度の影響を表している。V濃度が原
子%で0.1%未満の場合には被接合材合金表面の酸化
皮膜を十分に無害化できないために、接合部破断強度が
低いが、原子%で0.1〜20.0%の範囲では接合部
破断強度が母材(被接合材)並みあるいは母材以上とな
っており、Vが効果的に作用して酸化皮膜を無害化して
いる。しかしVが原子%で20.0%を超えるとインサ
ートメタルの融点が上昇するために接合時間が不足して
接合部破断強度が低下する。
図である。Pが1.0%未満の場合にはインサートメタ
ルの融点が高いために、20.0%超の場合には接合界
面近傍に生成する金属化合物のために接合部破断強度が
低下する。1.0〜20.0%のPの場合には高い接合
部破断強度が得られる。
強度との関係を示した図である。厚みが100μm以上
の箔では、接合部破断強度が不十分であることが明らか
である。
接合部近傍の母材の0℃の温度での靭性を求め、その結
果を拡散元素としてBを用いた場合と比較して示したも
のである。この実験の条件は、表3、表4に示した。
た本発明では、Bを拡散元素とした場合より接合時間は
かなり長くなるが、接合温度を1000℃以下にでき、
被接合材(母材)に対する熱影響を小さくして、接合部
近傍母材の靭性を高めることができる。
験片からJIS4号シャルピー衝撃試験片を採取し、こ
の試験片について衝撃試験を実施し、母材(STK40
0)の熱影響部の結晶粒の粗大化を評価して得られたも
のであり、靭性の閾値については、一般構造材に要求さ
れる場合の多い50Jを評価基準値として選んだ。
化学成分組成と、得られた接合部引張破断強度を示した
ものである。表2に示すように、比較合金箔No.200
はP含有量が不足したために融点が1300℃を超え、
結果として破断強度が著しく低くなった例、No.201
はP含有量が高く、接合部近傍に粗大な金属化合物が生
成して接合部破断強度が低下した例である。
00℃以上になり、結果として接合部破断強度が著しく
低くなった例、No.203はSi量が過多となって接合
時に粗大なSiO2 系酸化物がインサートメタル中に生
成して接合部破断強度が低下した例である。
表面に生成した酸化皮膜が十分に無害化されず接合部破
断強度が低くなった例、No.205はV量が過多となっ
て融点が極めて高くなり、液相拡散接合が十分に行われ
ず接合部破断強度が低くなった例である。
め、融点が著しく高くなって、液相拡散接合が十分に行
われず接合部破断強度が低くなった例、No.207はN
iを多く含有しているため、Fe相中にNi相が介在し
て組織不均一を生じ靭性を低下させ、接合部破断強度が
低くなった例である。
金属間化合物が生成して靭性が低下し、接合部破断強度
が低くなった例、No.209はW量が過多となり、粗大
な金属間化合物が生成して靭性が低下し、接合部破断強
度が低くなった例、No.210はNb量が過多となり、
Fe−Nb系の金属間化合物が粗大析出して脆化し接合
部破断強度が低くなった例である。
金属間化合物の過剰生成により粗大な金属間化合物が生
成して靭性が低下し、接合部破断強度が低くなった例、
No.212は合金箔厚みが厚過ぎて接合部破断強度が低
くなった例である。
足するが、本発明のすべての要件は満足していない比較
インサートメタルを用いた液相拡散接合によっては、目
標の接合部破断強度400MPaを達成することはでき
なかった。
鋼管、条鋼、棒鋼等)を接合対象として、酸化雰囲気中
で液相拡散接合を低温度で実施することができ、被接合
材(母材)に対して熱影響を小さくして破断強度の高い
接合部を確保することを可能にするものであり、液相拡
散接合の特長を、Fe基材料の接合にも有効に生かすこ
とができ、また、溶接による場合に比して接合時間も短
縮することができ、接合施工の工期を大幅に短縮するこ
とが可能になった。
合用合金箔(インサートメタル)による液相拡散接合例
を示す平面説明図。
試験片採取状態例を示す平面説明図。
片例を示す平面説明図。
Feベースのインサートメタル中のV量と接合部破断強
度の関係を表わす説明図。
Feベースのインサートメタル中のP量と接合部破断強
度の関係を表わす説明図。
Feベースのインサートメタルの厚みと接合部破断強度
との関係を表わす説明図。
サートメタルによる液相拡散接合後の熱影響部(母材)
の0℃の温度での靭性を表わす説明図で、B系インサー
トメタルを用いた場合とP系インサートメタルを用いた
場合を比較して示したものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe基材料同士を接合対象とする液相拡
散接合用合金箔であって、原子%で、 P :1.0〜20.0%、 Si:1.0〜14.83%、 V :0.1〜20.0%、 を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避の不純物か
らなる組成を有し、厚さが3.0〜100μmであるこ
とを特徴とする酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合
用合金箔。 - 【請求項2】 原子%でさらに、 Cr:0.1〜20.0%、 Ni:0.1〜15.0%、 Co:0.1〜15.0% の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求
項1記載の酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合用合
金箔。 - 【請求項3】 原子%でさらに、 W :0.1〜10.0%、 Nb:0.1〜10.0%、 Ti:0.1〜10.0% の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求
項1又は2記載の酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接
合用合金箔。 - 【請求項4】 組織の結晶構造が実質的に非晶質である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
酸化雰囲気中で接合可能な液相拡散接合用合金箔。
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