JP3433514B2 - 脱臭殺菌板 - Google Patents

脱臭殺菌板

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JP3433514B2 JP13605494A JP13605494A JP3433514B2 JP 3433514 B2 JP3433514 B2 JP 3433514B2 JP 13605494 A JP13605494 A JP 13605494A JP 13605494 A JP13605494 A JP 13605494A JP 3433514 B2 JP3433514 B2 JP 3433514B2
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栄一 中川
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臭気が発生する室内で
の壁材、天井材、床材等に用いられる脱臭殺菌板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵・冷凍室やコンテナ等にあっては、
その内部の貯蔵物から常に臭気が発生しており、この臭
気濃度を低下させるため、強制的に臭気を追い出す方法
や、活性炭等の脱臭剤を用いる方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらによっ
ても室内やコンテナ内の壁、天井、床等への臭気の吸着
は防ぐことができず、一度吸着した臭気は内部空気中の
臭気濃度が低くなると再揮発してくるため、室内には絶
えず臭気が残存してしまう問題があった。
【0004】そこで、上記課題を解決すべく創案された
本発明の目的は、臭気が発生する室内での壁材、天井
材、床材等に用いられ、臭気の吸着を完全に防止するこ
とができる脱臭殺菌板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る脱臭殺菌板は、一端が閉止され表面部に無
数の微細孔を有する中空糸で室内等に臨むシートを形成
し、このシートを構成する上記中空糸の開放端にそれぞ
れの上記中空糸内にオゾンを導入するためのオゾン供給
手段を接続すると共に、上記シートの裏面側に所定の中
空室を形成する裏板を取り付け、且つ上記中空室に上記
シートより排出されるオゾンを系外に排出するためのオ
ゾン吸引手段を接続してなるものである。
【0006】
【作用】上記構成によれば、オゾン供給手段から供給さ
れたオゾンは中空糸の微細孔からシートの両面側に滲み
出るよう排出される。そしてその直後、滲み出たオゾン
は裏板の中空室からオゾン吸引手段により吸引排出さ
れ、特にその室内側に滲み出たオゾンは拡散する前にシ
ートを通過して吸引される。これにより、シートを室内
に臨ませて壁材として用いれば、そのシート表面即ち壁
面に所定厚さのオゾン膜を常に形成することができる。
そしてオゾンの脱臭作用により、臭気の壁面への吸着を
完全に防止することができる。
【0007】
【実施例】以下本発明の好適実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0008】図1は、本発明に係る脱臭殺菌板を示す断
面斜視図である。この脱臭殺菌板1にあっては、表面側
が室内に臨まされるシート2の裏面側に、通気性を有す
る通気板3を介して裏板4が取り付けられている。シー
ト2は、図2及び図3に示すように、熱融着、接着、挟
み付け等の方法により一端が閉止された中空糸5を格子
状に織って形成されている。中空糸5はその表面部全体
に無数の微細孔6を有し、またその開放端はシート2の
上端部及び左端部(室内から見て)に揃えられている。
【0009】ここで特に中空糸5は、内部が空洞になっ
ているいわばストロー状の繊維である。ここで適用する
中空糸5は、分離膜としての機能を持っている高分子で
作られているもので、その高分子材料としては、均一多
孔膜を持つものでは、ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリテトラフルオロエチレン,ポリステル,ポリカーボ
ネート等があり、非対称膜を持つものではポリアミド,
ポリイミド,ポリスルフォン,酢酸セルロース等があ
る。尚、これら高分子で数mm以下の径の中空の糸状に
成形したもので中空糸膜と呼ぶこともある。これら微多
孔質中空糸は、純水製造,酸素富化,水素分離,人工透
析,更に、モジュール化したものと活性炭との組合せで
家庭用浄水器としても使われている。
【0010】さて、中空糸5の開放端には、中空糸5内
に所定圧力のオゾンO3 を導入するためのオゾン供給手
段7が接続される。オゾン供給手段7はオゾン発生器8
とブロワ9とからなり、これから送られた所定圧力のオ
ゾンO3 は導入管10を通じて中空糸5内に導入され
る。
【0011】図4は中空糸5の開放端部分を詳細に示
し、図示するように全ての開放端は透明または不透明な
供給管11によって連通されている。よってシート2の
左上端部において供給管11は直角且つ下方に曲がって
いる。(図示せず)供給管11は中空糸5にシール剤1
2によって気密に取り付けられ、また右上端に位置する
供給管11の一端に導入管10が接続されると共に、左
下端に位置する供給管11の他端は閉止されている。
【0012】図1に戻って、裏板4は、通気板3に臨ん
で大きく開放された断面コ字状の中空室13を有する。
この中空室13には、吸引ポンプ14とオゾン分解フィ
ルタ15とから構成されるオゾン吸引手段16が導出管
17を介して接続される。オゾン分解フィルタ15は吸
引ポンプ14の吸込側に接続されており、吸引ポンプ1
4はその吐出側が外部に向けて開放されている。尚、シ
ート2、通気板3、裏板4の取り付けは、接着剤或いは
ボルト止め等により強固に重ね合わせて行われる。
【0013】次に実施例の作用について説明する。
【0014】オゾン発生器8から発生したオゾンO3
ブロワ9によって所定圧力とされ、導入管10及び供給
管11を通じて中空糸5内に供給される。そのオゾンO
3 は、非常に小さな孔である微細孔6から図2に示す如
く外部に微量ずつ滲み出る。よって図5に示す如く、シ
ート2の表面側(室内側)及び裏面側(裏板4側)から
オゾンO3 が滲み出ることとなるが、この直後にそれら
オゾンO3 は裏面側から吸引ポンプ14によって速やか
に吸引排出される。つまり、裏面側に滲み出たオゾンO
3 は、通気板3を通過した後、中空室13、導出管17
を経てオゾン分解フィルタ15にて分解処理され、最終
的に吸引ポンプ14から外部に排出される。また表面側
のオゾンO3 は滲み出た後の拡散しようとする部分が吸
引され、それはシート2の織り目を通過して裏面側に回
り込み、上記同様のルートを経て外部に排出される。
【0015】このように、シート2の表面側において
は、常にオゾンO3 が滲み出て且つそのうちの拡散しよ
うとする余剰分が吸引される状態となっており、これに
よりシート2の表面側全面に、膜厚が非常に薄いオゾン
膜Fを形成することができる。
【0016】上記の如く構成された脱臭殺菌板1を、そ
の表面側即ちシート2側を臭気が発生する或いは残存す
る室内に臨ませて、壁材や天井材、床材等に用いると次
のような利点が生じる。
【0017】即ち、シート2の室内側全面は薄いオゾン
膜Fで完全に覆われており、よってこれに触れた臭気が
オゾンO3 の脱臭作用により脱臭されると共に、臭気物
質のシート2への直接接触が完全に妨げられる。よって
臭気の壁面への吸着を完全に防止することができ、その
再揮発も防止して室内を完全に無臭状態とすることがで
きる。特に通常の臭気濃度の場合は係る脱臭殺菌板1の
みで、比較的臭気濃度が高い場合には強制拡散装置と併
用してもそれが可能となる。
【0018】またオゾンO3 は殺菌効果もあるので、こ
の脱臭殺菌板1を病院等の雑菌を嫌う場所で用いても非
常に有効である。例えば廊下の壁等に用いることにより
壁面を常に無菌状態とすることができ、同時に壁面への
菌の付着を防止して院内感染等を完全に防ぐことができ
る。
【0019】さらにオゾンO3 は人体に対し有毒であ
り、よって高濃度となると室内作業者にとっては有害で
あるが、壁面を覆うオゾン膜Fが非常に薄くまた拡散し
ないので、これによりオゾンO3 の害を心配することな
く安全に作業を行うことができる。
【0020】また他の利点として、供給管11を透明と
した場合にはその内部状態を外から確認できる。
【0021】この脱臭殺菌板1にあっては、オゾンO3
の供給圧力と吸引圧力とを適当にバランスさせることに
よりオゾン膜Fの膜厚を自在にコントロールすることが
できる。よってオゾン供給手段7とオゾン吸引手段16
との圧力制御を行うための制御回路をさらに設ければ、
オゾン膜Fの膜厚さらにはオゾンO3 拡散量を最適に調
節することができる。
【0022】次に、図6に示す変形実施例にあっては、
シート2と裏板4との間に上記通気板3に代わるネット
18が介設されている。上記通気板3は室内壁面の剛性
を高め、また吸引によるネット18の変形を防いで平坦
な壁面を達成するが、例えば壁面が完全に平坦である必
要がない場合にはこのようなネット18を用いてもよ
い。尚、このネット18は金属製の強固なものでも、プ
ラスチック製の比較的柔らかいものでも構わない。さら
にこれらの介在物をなくして、シート2と裏板4とを直
接取り付けることも可能である。
【0023】また変形は他にも様々考えられ、例えば裏
板4を枠体としてその両面部にシート2を取り付け、そ
れを間仕切り板として用いることも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0025】(1)壁面等への臭気の吸着を完全に防止
することができる。
【0026】(2)室内を無臭・無菌状態とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭殺菌板の一実施例を示す断面
斜視図である。
【図2】中空糸を示す側断面図である。
【図3】シートを示す正面図である。
【図4】中空糸の開放端部分を示す拡大斜視図である。
【図5】オゾンがシートから排出される様子を示す側面
図である。
【図6】脱臭殺菌板の変形実施例を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 脱臭殺菌板 2 シート 3 通気板 4 裏板 5 中空糸 6 微細孔 7 オゾン供給手段 13 中空室 16 オゾン吸引手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/00 A61L 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が閉止され表面部に無数の微細孔を
    有する中空糸で室内等に臨むシートを形成し、該シート
    を構成する上記中空糸の開放端にそれぞれの上記中空糸
    内にオゾンを導入するためのオゾン供給手段を接続する
    と共に、該シートの裏面側に所定の中空室を形成する裏
    板を取り付け、且つ上記中空室に上記シートより排出さ
    れるオゾンを系外に排出するためのオゾン吸引手段を接
    続してなることを特徴とする脱臭殺菌板。
  2. 【請求項2】 上記シートが、その裏面側に重ね合わさ
    れて且つ通気性を有する通気板を備えた請求項1記載の
    脱臭殺菌板。
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