JPH1015070A - 医療用ガス加湿器および医療用ガス供給装置 - Google Patents

医療用ガス加湿器および医療用ガス供給装置

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JPH1015070A
JPH1015070A JP16966196A JP16966196A JPH1015070A JP H1015070 A JPH1015070 A JP H1015070A JP 16966196 A JP16966196 A JP 16966196A JP 16966196 A JP16966196 A JP 16966196A JP H1015070 A JPH1015070 A JP H1015070A
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JP
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gas
water
humidifier
medical
humidification
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JP16966196A
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Takahiro Oga
隆裕 大賀
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Japan Gore Tex Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素療法や人工呼吸機等の医療用ガスの加湿
に用いられている従来の気泡式加湿器の騒音・加湿水細
菌汚染・水滴飛沫飛散・過剰水分による結露等の欠点を
解決すること。 【解決手段】 患者が吸入することを目的とした医療用
ガスの供給口から患者のマスクに至るガス配管の中途に
設置され、該ガス配管と気密的に接続されるガス導入口
と排出口とを備え、ガス導入口と排出口を結ぶガス流通
路のガス接触面の少なくとも一面を防水透湿性膜で構成
し、かつ該防水透湿膜のガス接触側反対面に加湿用水を
供給する医療用ガス加湿器。医療用ガスの供給源と、該
医療用ガスの供給源から供給されるガスを加湿する上記
医療用ガス加湿器と、該医療用ガス加湿器で加湿された
ガスを患者用マスクに送る手段とを具備する医療用ガス
供給装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用ガス加湿器お
よび医療用ガス供給装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】医療分野において酸素を主体とした気体
を患者に吸入させる例が多く見られる。例えば大手術後
の肺機能の衰えた患者や呼吸機能に傷害を持つ患者に対
して人工呼吸装置によって呼吸を補助したり、酸素を吸
入させることで効果的な血液ガス交換を促すことがあ
る。
【0003】人工呼吸装置の場合、吸入用気体を精製水
を入れた樹脂製の密閉容器に導入し、容器底部の金属板
を加熱して水蒸気を発生させ加湿を行なっているが、水
加熱用の電力を必要とする上に、しばしば過剰の水分が
配管中に結露して貯留するため別途水トラップを設ける
必要がある。また慢性の喘息等呼吸不全の患者には大気
中の酸素を濃縮した酸素富化気体を吸入させることがあ
る。
【0004】医療用に用いられる酸素濃縮機には、酸素
富化膜を利用したものと、分子吸着によるもの(以下P
SA式)の二種類が存在する(液体酸素ボンベは除
く)。膜式酸素濃縮機は、酸素と同時に水分も濃縮され
るため特別な加湿を必要としないが、得られる酸素濃度
が40%程度と比較的小さいため大多数の患者の要求に
堪えられない。
【0005】一方、PSA式のものでは、90%以上と
酸素濃度は十分であるものの、酸素濃縮の過程で水分も
除去されてしまうため、特に長期にわたって治療を必要
とする患者が快適に使用するためには、何等かの加湿手
段を設けることが必須である。多くのPSA式酸素濃縮
機は、酸素富化気体を滅菌精製水を入れた容器内へ導入
し、気泡を発生させて加湿する方法を取っている。しか
し、気泡の生成および破裂音が耳障りであるうえに、一
般家庭では加湿用水を無菌的に保持するのが困難で場合
によっては細菌やカビが繁殖して、かえって健康を損ね
ることがあったり、また、過剰の水分や水滴の飛沫が呼
吸器配管に貯留し、吸気抵抗となったり二次汚染を起こ
す欠点があった。
【0006】実開昭62−157546号公報、特開平
3−97604号公報に開示された低騒音型の加湿器
は、騒音発生や水滴の飛散に若干の効果はあるものの、
気泡型を踏襲しており、抜本的な解決には至っておら
ず、また加湿水の汚染に対しての十分な配慮はなされて
いない。特開平5−49697号公報に開示された酸素
濃縮機では、乾燥した酸素富化気体を除湿装置出口側か
ら取り出すことで加湿を行なっているが、専用の切換弁
やオリフィス等を備えた複雑な配管と切換タイミングの
制御が必要で、不具合が生じたときには既に患者が使用
中の酸素濃縮装置を本体ごと購入し直さなければならな
い。
【0007】特開平成8─141087号公報に開示さ
れた酸素濃縮機にあっては、パーフルオロイオン交換樹
脂製の中空糸モジュールを介して加圧して水分に富む原
料空気と酸素富化気体とを接触させ加湿を行なうが、こ
れも専用の複雑な配管が必要であり、不具合が生じたと
きには既に患者が使用中の酸素濃縮装置を本体ごと購入
し直さなければならない。
【0008】その他、入院中の患者に対し酸素ボンベ等
から酸素を吸入させる場合にも、前述の滅菌精製水を入
れた容器中を通すことで加湿を行なうが、同様の騒音・
飛沫飛散等の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水中で気泡を発生させ
る気泡式加湿器の有する気泡生成および破裂音による騒
音、水滴飛沫の飛散、加湿水の汚染による患者吸入気体
の細菌等による汚染を解消し、加熱式加湿器の過剰水分
による配管内結露を解消し、また新規な複雑な気体配管
や送風機構を必要とせず、従来型の医療ガス供給口に容
易に接続できる加湿器、さらには電源を必要としない省
エネ型の加湿器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は気体供給口
から患者へ到るガス配管の途中に防水透湿性膜を介して
加湿用水と接する気体流通路を形成することで解決され
る。こうして、本発明によれば、患者が吸入することを
目的とした医療用ガスの供給源からマスクなどの患者へ
の医療ガス提供手段に至るガス配管の中途に設置され、
該ガス配管と気密的に接続されるガス導入口と排出口と
を備え、ガス導入口と排出口を結ぶガス流通路のガス接
触面の少なくとも一面を防水透湿性膜で構成し、かつ該
防水透湿性膜のガス接触側反対面に加湿用水を供給する
ことを特徴とする医療用ガス加湿器、および、医療用ガ
スの供給源と、該医療用ガスの供給源から供給されるガ
スを加湿する上記医療用ガス加湿器と、該医療用ガス加
湿器で加湿されたガスをマスクなどの患者への医療ガス
提供手段に送る手段とを具備することを特徴とする医療
用ガス供給装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の医療用ガスの加湿は、喘
息その他の慢性呼吸不全患者や、その他の疾病で一時的
或は長期にわたり何等かの酸素富化気体または酸素ガス
を吸入する必要のある患者が、在宅若しくは入院してガ
ス吸入を行なうに際して用いられる吸入用気体の加湿、
圧力スイングによる分子吸着方式の酸素濃縮装置の酸素
富化気体の加湿、酸素ボンベないし液酸ボンベからの酸
素吸入における酸素の加湿、人工呼吸装置からの気体の
加湿を含む。また、未熟児の保育機に加温・加湿した酸
素富化ガスを供給する場合にも適用される。また、患者
に陽圧の加温・加湿した空気を大量に供給する吸入療法
にも適用される。
【0012】医療用ガスの供給源としては、従来技術の
欄に記載したような各種のガス供給装置のいずれでもよ
いが、例えば、酸素富化膜を利用した酸素濃縮機、分子
吸着を利用した酸素濃縮機(PSA式)、酸素ボンベ、
液体酸素ボンベなどがある。PSA式酸素濃縮機は、原
料空気を真空ホンプで吸引し、空気圧縮機で圧縮後、通
常複数の吸着塔または層を経て、製品としての富化され
た酸素を生成する装置である。病院等における設置式の
ほか、在宅医療用形態型もある。
【0013】加湿器で加湿された後はガス配管を介して
患者用マスクや吸引あるいは送給具に接続することがで
きるようになっている。即ち、本発明の加湿器は、一方
は患者が吸入することを目的とした医療用ガスの供給手
段と、他方は患者のマスクなどに至るガス配管に気密的
に接続される。本発明の加湿器は、医療用ガスの供給手
段と患者用マスクなどにいたるガス配管の間に設置さ
れ、加湿器のガス導入口と排出口を結ぶガス流通路は、
そのガス接触面の少なくとも一面を防水透湿性膜で構成
し、その反対面に加湿用水を供給することにより、加湿
用水が防水透湿性膜を通ってガス流通路に水蒸気として
移行し、ガス流通路内のガスを加湿するものである。
【0014】本発明の加湿器に用いる防水透湿性膜は、
水不透過で水蒸気透過性の膜であることが必要で、加湿
用水は透過させないが、水蒸気を透過して医療用ガスを
加湿するものであれば使用できるが、無孔質透湿性樹脂
膜、疎水性多孔質膜、高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹
脂を含浸させたもの、高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹
脂を積層させたもの、高分子多孔質膜の多孔質体骨格表
面を撥水性および撥油性を有する有機ポリマーで被覆し
かつ連続孔を残したもの等を使用することができる。こ
のような防水性透湿性膜の具体例は特開平8─1009
35号公報その他に記載されている。疎水多孔質膜ある
いは高分子多孔質膜の材質としてはポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)が好ましい。無孔質透湿性樹脂と
してはポリウレタンが好ましい。撥水性および撥油性を
有する有機ポリマーとしては、フルオロアルキルアクリ
レート、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロア
クリレート/テトラフルオロエチレン共重合体、フルオ
ロアクリレート/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフ
ルオロエチレン共重合体、また4Fポリマー(デュポン
社)、サイトップ(旭硝子社)等を用いることができ
る。防水透湿性膜の透湿度は1万〜15万g/m2 ・d
ay、より好ましくは3万〜10万g/m2 ・day程
度あった方がよい。
【0015】防水透湿性膜は、多孔膜の場合、微生物や
固形の異物が通過することがない孔径、例えば、1μm
以下、更には0.5μm以下が好適である。加湿器内の
ガス流通路の構成の仕方と加湿用水の供給の仕方は、ガ
ス流通路中を通るガスと加湿用水が防水透湿性膜を介し
て存在するようにすればよい。例えば、もっとも単純に
は、金属やプラスチックなどの剛性容器(箱型、円筒型
など)にガス導入口と排出口を設け、ガス導入口と排出
口を含む空間と加湿用水が供給される空間が形成される
ように防水透湿性膜で内部を仕切り、そしてガス導入口
と排出口を含む空間にガスを通過しもう一方の空間に加
湿用水を供給して構成できる。このとき、ガス導入口か
らのガス通過空間及び/又は加湿用水供給空間を複数に
分割して、分割されたガス通過空間または加湿用水供給
空間へのガスまたは水の分配はマニホールドを用いて行
うことができる。あるいは、袋状の加湿エレメントを作
成しこれを例えば巻成して加湿器内に配置して、袋状加
湿エレメント内に加湿用水を供給するとともに加湿エレ
メント外の加湿器内の空間にガスを通すようにしてもよ
い。このとき袋状加湿エレメントにガス導入口と排出口
を設けて、袋状加湿エレメント内にガスを通し、外部に
加湿用水を供給してもよい。
【0016】このような加湿エレメントの構成の仕方お
よびそれに用いる加湿シートの構成についても、特開平
8─100935号公報に記載があるが、加湿用水を吸
収、保持しうる水吸収層の両面に防水透湿性膜を設けた
三層一体構造の加湿用シートを用い、これの周縁部を熱
や接着剤で閉じて加湿エレメントとすることも有効であ
る。この場合、加湿エレメント内に加湿用水を供給し、
その外側で医療用ガスを通過させる。この加湿エレメン
トは複数枚用いることもできる。
【0017】本発明の医療用ガス加湿器および医療用ガ
ス供給装置の具体的な構成例を、限定するわけではない
が、図面を参照して示す。図1に、携帯用酸素供給装置
の例をを示す。酸素ボンベ1から圧力調整弁2、流量計
3、フィルター4を経た後、フィルター4とマスク5の
間に加湿器6が設置される。加湿器6において、加湿用
水タンク7からの加湿用水8は水蒸気だけが防水透湿膜
9を透過して加湿器内のガス流通路を通る酸素ガスを加
湿する。携帯用にするために、これらはマスク5を除い
てキャリヤ(図示せず)に収納される。酸素タンクに変
えて小型のPSA式酸素濃縮機でもよい。
【0018】携帯用でない場合も同様の構成であること
ができる。図2はPSA式酸素濃縮機の原理を説明する
図である。先に記載したように、原料空気11はフィル
ター12を通してから空気圧縮機13で圧縮した後、除
湿器14を経て、吸着剤15を充填した吸着塔16で空
気中の酸素を濃縮し、フィルター17を通して製品酸素
18を得る。複数の吸着塔16は切替弁19で気体流路
を切り替える。
【0019】図3は医療用ガス供給装置の例を示す。酸
素ボンベ、PSA式酸素濃縮装置などの医療用ガス供給
源21と、患者用マスク22の間を結ぶガス配管23,
24の途中に、加湿器25を設置する。加湿器本体は箱
型または筒型の金属またはプラスチック製容器で、ガス
導入口26が医療用ガス供給源21と、ガス排出口27
が患者用マスク22側と気密に接続されて、内部にガス
流通路28が形成されている。容器内は防水透湿膜29
で2室に仕切られ、ガス流通路28を構成しない方の室
30に加湿用水31が加湿用水タンク32より供給され
る。医療用ガス供給源21からのガスがガス流通路28
を通る際に、加湿用水が防水透湿膜29を介して水蒸気
としてガス流通路28内に透過し、ガスを加湿する。
【0020】図4は、医療用ガス供給装置の別の例を示
す。加湿器25内に防水透湿膜35で閉空間を形成し、
その中に加湿用水36を供給し、加湿器即ちガス流通路
37内にガスを通すと、加湿用水が防水透湿膜35を介
して水蒸気としてガス流通路28内に透過し、ガスを加
湿する。図5は、加湿エレメントを作成するための加湿
用シート41の例を示す。加湿用水を吸収、保持しうる
水吸収層42の両面に防水透湿膜43A,43Bを設け
た三層一体構造のものである。この加湿用シート41を
用いれば、これを適当な形状にして、その周縁部を熱や
接着剤でシールすることにより、容易に加湿エレメント
を作成することができる。
【0021】図6および図7は、このような加湿エレメ
ントおよびそれを用いた加湿器の構成例である。図6
は、加湿用シートを長尺状に形成し、その周縁部を熱シ
ールし、水供給口52を設けた加湿エレメント51をス
パイラルに巻き上げ、円筒状の容器53内に設置した
例、図7は図6の場合と同様に矩形状の加湿エレメント
54の単数または複数枚を箱型の容器55に設置した例
である。
【0022】図8も加湿エレメントを用いた加湿器の構
成例であるが、より詳細を示している。この加湿エレメ
ント56は、不織布57の両面に防水透湿膜57A,5
7Bを部分的に融着して矩形状に形成し、周縁部をシー
ルするとともに、加湿用水供給口59を設けて加湿エレ
メント56としている(図8(ア)(イ))。この加湿
エレメント56は箱型容器60内に設置されているが、
容器60の頂部60Aは加湿エレメント56を保持する
すると共に加湿用水を加湿エレメント56に供給する手
段を成している。また、容器60内には複数のエレメン
ト保持板61を設けて、ガス流通路62を確保している
(図8(エ))。この容器60の全体にガスを流通させ
るために、ガス導入口63から容器60の全体へ拡開
し、容器60からガス排出口64へ縮小するガス通路6
5A,65Bを設置している(図8(ウ))。
【0023】図8(ウ)のガス拡散路65A,65Bを
ガス流通路62の前後面に折り曲げてコンパクトにする
ことができる(図9)。図9を参照すると、ガス71は
図9(ア)の裏側の第1拡散路72(断面図の図9
(イ)の上側)を左から右へ流れて上下全体に広がった
ガス71Aは、中央のガス流通路73を右から左へ流れ
る間にそこの加湿エレメント74により加湿されてか
ら、加湿されたガス75Aは手前側の第2拡散路75
(図9(イ)の下側)を左から右へ流れてガス出口に収
束されて、加湿ガス76として送出される。
【0024】本発明の加湿器は、基本的に、蒸気圧差に
よってのみ加湿を行う省エネ型の加湿器であるが、使用
例に応じて被加熱ガスまたは加湿用水のいずれかを加熱
することで加湿効率を上げると同時に加湿された加湿ガ
スを供給することができる構造としてもよい。即ち、ガ
ス供給源から加湿器に至る配管の途中にヒーター等のガ
ス加熱用装置を設置して加湿器に供給されるガスを加湿
するか、加湿用水の供給タンク等にヒーター等の加熱用
装置を設置して加湿用水を加湿することができる。この
方法によれば、例えば、保育機などの加温・加湿ガスを
必要とする療法に適している。
【0025】
【作用および発明の効果】本発明の医療用ガス加湿器
は、防水透湿性膜を介して加湿するため、気泡に由来す
る騒音が全くない。また、純粋な水蒸気のみが膜を通過
してガス側に移行するため、水滴の飛散がなく、その上
加湿用水が細菌・カビで汚染されていても吸入気体にこ
れらの微生物が移行することがない。従って、通常滅菌
精製水のみがこうした医療用ガスの加湿に用いられてき
たが、水道水のように必ずしも無菌的でない水が適用で
きる。
【0026】防水透湿性膜を介しての加湿は水蒸気の透
過または拡散によって行われるため電気エネルギーを必
要とせず、また被加湿気体の飽和蒸気圧以上に加湿され
ることがないので加熱式加湿器のように過剰水分が下流
の配管内で結露することが無い。防水透湿性膜を備えた
ガス流通路は医療用ガス供給手段とは独立して構成され
るため、接続口の形状を変えることですべてのガス配管
中に気密的に接続することが出来る。従って、新規の複
雑な配管を要するガス供給装置を作る必要が無いため、
従来の装置がそのまま使用でき、患者や病院施設に新た
な費用負担を強いることがない。
【0027】
【実施例】以下の実施例でより具体的に本発明を説明す
る。(図5,図8参照) 平均孔径0.2μm、厚さ40μmの多孔質PTFEフ
ィルムの片面に、グラビアパターンロール(開口率70
%)を用いてウレタン系接着剤を塗布し、この面にアク
リル樹脂の不織布(厚さ2.5μm,目付50g/
2 )を重ね合わせ、圧力3kg/cm2 ,速度5m/
分の条件でロール圧着を行った。それから、アクリル樹
脂の不織布の他の面にも同じ方法、条件で多孔質PTF
Eフィルムを圧着した。圧着後の仕上り厚さは1.8mm
であった。
【0028】これを26×32mmの突出部を設けて21
5×85mmにカットし、外周の4mm幅を融着しろとして
熱融着し、三層一体構造の加湿エレメントを得た。突出
部の中央にはφ10mmの円形の貫通口を開口し、加湿用
水供給用のABS樹脂製配管付板をスチレン系接着剤に
て接着した。220×90×5mmの内腔を有する箱型の
ABS樹脂製ガス流通路内に加湿エレメントを挿入し、
配管付板部で気密的に接着固定した。ガス出入口には三
角型の拡散路を設けガス導入口には外形8mm、内径6mm
のチューブ用継ぎ手を、ガス排出口には外形6mm、内径
4mmのチューブ用継ぎ手を固定した。
【0029】この加湿器を0.2μm のラインフィルタ
ーを備えた酸素ボンベを供給源とする外径8mm、内径6
mmの酸素供給ラインに接続した。加湿用供給口には容量
500mlの水タンクを接続して水道水を供給し、供給
ラインの末端には鼻カニューラを接続して、医療用酸素
ガス供給装置を構成した。このとき加湿器から鼻カニュ
ーラまでの配管長は約3mとし、また加湿水のタンク蓋
は単純なかぶせ式とした。
【0030】湿度0%の酸素ガスの流量を毎分3〜10
L/分とし、一定時間での水タンクの水位減少から加湿
量を求め、図10のグラフにした。なお、試験中の酸素
温度は平均22.4℃、室温24℃であった。図10に
示した通り、3L/分の酸素に対する加湿量は2.2g
/hr(平均値)で、加湿後の相対湿度は約60%であ
った。
【0031】PSA式酸素濃縮機による在宅酸素治療法
の場合、臨床上のガス流量は2〜3L/分である例が大
半を占め、この時の湿度は60%程度が要求される。従
って、実施例の加湿エレメントにより、必要十分な加湿
ガスを電気など外部からの特別なエネルギーを与えるこ
となく、供給できた。また、実施例による酸素供給装置
では加湿器の下流の配管に著しい結露は見られない上
に、極めて微弱なガス流通音がするのみで、気泡式加湿
器のような騒音は全くなく患者の就寝を妨害することが
なかった。
【0032】さらに、従来の気泡式加湿器では気密蓋の
密閉にある程度の力を必要とし、一部の老人には負担が
大きかったが、実施例のガス供給装置では、蓋をタンク
上部にがぶせるだけの構造としたため、ほとんど腕力を
必要としなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯用酸素供給装置の構成例を示す。
【図2】PSA式酸素濃縮機の原理を説明する図であ
る。
【図3】医療用ガス供給装置の例を示す。
【図4】医療用ガス供給装置の別の例を示す。
【図5】加湿エレメントを作成するための加湿用シート
の例を示す。
【図6】加湿エレメントおよびそれを用いた加湿器の構
成例である。
【図7】加湿エレメントおよびそれを用いた加湿器の構
成例である。
【図8】加湿エレメントを用いた加湿器の構成の詳細例
である。
【図9】図8の加湿器の変形例を示す。
【図10】実施例の加湿器の加湿量を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…酸素ボンベ 2…圧力調整弁 3…流量計 4…フィルター 5…マスク 6…加湿器 21…医療用ガス供給手段 22…患者用マスク 23,24…ガス配管 25…加湿器 26…ガス導入口 27…ガス排出口 28…ガス流通路 29…防水透湿膜 30,31…加湿用水(室) 32…加湿用水タンク
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明の加湿器に用いる防水透湿性膜は、
水不透過で水蒸気透過性の膜であることが必要で、加湿
用水は透過させないが、水蒸気を透過して医療用ガスを
加湿するものであれば使用できるが、無孔質透湿性樹脂
膜、疎水性多孔質膜、高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹
脂を含浸させたもの、高分子多孔質膜に無孔質透湿性樹
脂を積層させたもの、高分子多孔質膜の多孔質体骨格表
面を撥水性および撥油性を有する有機ポリマーで被覆し
かつ連続孔を残したもの等を使用することができる。こ
のような防水性透湿性膜の具体例は特開平8─1009
35号公報その他に記載されている。疎水多孔質膜あ
るいは高分子多孔質膜の材質としてはポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)が好ましい。無孔質透湿性樹脂
としてはポリウレタンが好ましい。撥水性および撥油性
を有する有機ポリマーとしては、フルオロアルキルアク
リレート、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロ
アクリレート/テトラフルオロエチレン共重合体、フル
オロアクリレート/ヘキサフルオロプロピレン/テトラ
フルオロエチレン共重合体、またFポリマー(デュポ
ン社)、サイトップ(旭硝子社)等を用いることができ
る。防水透湿性膜の透湿度は1万〜15万g/m2 ・d
ay、より好ましくは3万〜10万g/m2・day程
度あった方がよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明の加湿器は、基本的に、蒸気圧差に
よってのみ加湿を行う省エネ型の加湿器であるが、使用
例に応じて被加湿ガスまたは加湿用水のいずれかを加熱
することで加湿効率を上げると同時に加された加湿ガ
スを供給することができる構造としてもよい。即ち、ガ
ス供給源から加湿器に至る配管の途中にヒーター等のガ
ス加熱用装置を設置して加湿器に供給されるガスを加
するか、加湿用水の供給タンク等にヒーター等の加熱用
装置を設置して加湿用水を加することができる。この
方法によれば、例えば、保育機などの加温・加湿ガスを
必要とする療法に適している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【実施例】以下の実施例でより具体的に本発明を説明す
る。(図5,図8参照) 平均孔径0.2μm、厚さ40μmの多孔質PTFEフ
ィルムの片面に、グラビアパターンロール(開口率70
%)を用いてウレタン系接着剤を塗布し、この面にアク
リル樹脂の不織布(厚さ2.5mm,目付50g/m2
を重ね合わせ、圧力3kg/cm2 ,速度5m/分の条
件でロール圧着を行った。それから、アクリル樹脂の不
織布の他の面にも同じ方法、条件で多孔質PTFEフィ
ルムを圧着した。圧着後の仕上り厚さは1.8mmであっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者が吸入することを目的とした医療用
    ガスの供給源からマスクなどの患者への医療ガス提供手
    段に至るガス配管の中途に設置され、該ガス配管と気密
    的に接続されるガス導入口と排出口とを備え、ガス導入
    口と排出口を結ぶガス流通路のガス接触面の少なくとも
    一面を防水透湿性膜で構成し、かつ該防水透湿膜のガス
    接触側反対面に加湿用水を供給することを特徴とする医
    療用ガス加湿器。
  2. 【請求項2】 医療用ガスの供給源と、該医療用ガスの
    供給源から供給されるガスを加湿する請求項1に記載の
    医療用ガス加湿器と、該医療用ガス加湿器で加湿された
    ガスをマスクなどの患者への医療ガス提供手段に送る手
    段とを具備することを特徴とする医療用ガス供給装置。
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