JP3547121B2 - 医療用酸素濃縮器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、呼吸不全患者等が主として在宅酸素療法に使用する酸素ガス(酸素富化ガス)を圧力変動吸着法(PSA法)によって得るための医療用酸素濃縮器であって、大気採取口から酸素ガス取出口に至るガス流路に、大気から採取した原料空気を圧縮する空気圧縮装置と圧縮空気を除湿,吸着処理することにより酸素富化ガスを得る除湿・吸着処理装置と酸素富化ガスを圧力調整する圧力調整装置とを設けてなる医療用酸素濃縮器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PSA法により原料空気を濃縮して得られた酸素富化ガスは、除湿・吸着処理装置により水分が除去されたものであり、絶乾状態のものである。したがって、このような絶乾状態の酸素富化ガスを患者に供給,吸入させると、例えば、上気道粘膜の繊毛運動低下、体内水分,熱量の損失及び喀痰の乾燥による喀出困難といった問題が生じることから、一般に、人体に供給,吸入される前に適度に加湿しておくことが好ましい。
【0003】
そこで、従来の医療用酸素濃縮器にあっては、バッフル型加湿装置やパスオーバ型加湿装置を付設して、乾燥ガス(酸素富化ガス)を加湿するように構成されている。すなわち、バッフル型加湿装置は、乾燥ガスを精製水中にバブラーからバブリングさせ、乾燥ガスを精製水との接触により加湿させるものであり、パスオーバ型加湿装置は、乾燥ガスを精製水の水面上を通過させることにより、乾燥ガスに水分を同伴させて蒸気圧分の加湿を行なうものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来の医療用酸素濃縮器では、加湿源として精製水を使用するために次のような問題があった。
【0005】
すなわち、精製水及びこれを貯溜する加湿装置の衛生管理を怠ると、有害菌体等が発生して、これが乾燥ガスに混入する虞れがある。したがって、酸素富化ガスの使用者たる患者は、本来的に抵抗力の弱い者であることから、このような有害菌体を含むガスが供給,吸入されたときには、そのガスが副次的感染源となる虞れがあった。一方、精製水や加湿装置の衛生管理に万全を期すためには、精製水の交換や加湿装置の清掃を頻繁に行なう必要があるが、このような作業は極めて面倒であり、精製水費用も高額となる。
【0006】
また、精製水はガス使用と共に消耗するものであるから、自動補給するか補充用在庫を常備しておく必要があり、保守,管理上の手間,費用が大幅にかかる。また、バブラー等による気泡発生音が継続するため、特に安静を必要とする患者にとっては、安眠が妨げられる等の支障が生じる。
【0007】
本発明は、このような問題を生じることなく、酸素富化ガスを安全且つ簡便に加湿することができ、長期に亘ってメンテナンスフリーで加湿することができる医療用酸素濃器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、大気採取口から酸素ガス取出口に至るガス流路に、大気から採取した原料空気を圧縮する空気圧縮装置と圧縮された原料空気を除湿、吸着処理することにより酸素富化ガスを得る除湿・吸着処理装置と酸素富化ガスを圧力調整する圧力調整装置と圧力調整された酸素富化ガスを加湿する加湿装置とを具備すると共に、前記加湿装置が、ガス流路の一部をなし酸素富化ガスが通過するガス流動室と、ガス流動室との間を水分子を優先的に透過させる水分子透過膜により仕切られた水流動室であって、加湿水が水分子透過膜に接触しつつ通過する水流動室とを具備して、酸素富化ガスがガス流動室を通過する間に水分子透過膜からの水分子透過により加湿されるように構成した医療用酸素濃縮器に於いて、前記水流動室の上下端部が大気に開放されており、前記除湿・吸着処理装置から排出されたドレン水又は当該医療用酸素濃縮器に設けたペルチェ素子冷却器により大気中の水分を凝縮して得られた水から成る加湿水が、水流動室にその上端開口部から滴下供給されるようにしたことを発明の基本構成とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、酸素富化ガスを、水流動室における加湿水の流動方向と逆方向に流動させるようにしたものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1の発明に於いて、ガス流動室内に水分子透過膜で構成された一本又は数本のメンブレンチューブを配置し、このメンブレンチューブ内を水流動室とするようにしたものである。
加えて、請求項4の発明は、請求項1の発明に於いて、水分子透過膜を、主たる化学構造が4弗化エチレンと過弗化−3,6−ジオキサー4−メチル−7−オクテンとの共重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有機高分子薄膜としたものであり、請求項5の発明は、請求項3の発明において、メンブレンチューブの外径を2〜20mmとするようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1又は図2に基づいて具体的に説明する。
【0010】
この実施の形態における医療用酸素濃縮器1は、PSA法により濃縮酸素たる酸素富化ガスを得るように構成されたものであり、図1に示す如く、大気採取口2から酸素ガス取出口3に至るガス流路4にフィルタ5、空気圧縮装置6、除湿・吸着処理装置7、圧力調整装置8、加湿装置9及び流量調整装置10を配設してなる。
【0011】
大気採取口2においては、原料空気11aが大気から採取される。採取された原料空気11aは、フィルタ5によって含有微粒成分を除去された上、空気圧縮装置6に供給される。
【0012】
空気圧縮装置6はコンプレッサ等を具備するものであり、フィルタ5を通過した原料空気11aを所定圧に昇圧,圧縮する。昇圧,圧縮された原料空気たる圧縮空気11bは、除湿・吸着処理装置7に供給される。
【0013】
除湿・吸着処理装置7は、クーラ71と吸着塔72とバッファタンク73とを具備し、空気圧縮装置6を通過した圧縮空気11bをクーラ71により所定温度(例えば、常温)まで冷却して水分を凝縮分離した上、吸着塔72において吸着剤72aとの接触により酸素以外の大気成分(HO,N等)を吸着除去することによって、酸素富化ガス11cを得るように構成されており、得られた酸素富化ガス11cはバッファタンク73に貯溜されるようになっている。また、クーラ71における凝縮水たるドレン水11eは、オートドレン71aによりドレンポット71bへと排出される。また、一対の吸着塔72,72を並設してあって、一方の吸着塔72が吸着工程を行なっている間において、バッファタンク73に貯溜された酸素富化ガス11cの一部を再生ガス11´cとして他方の吸着塔72に導入して、当該他方の吸着塔72における吸着剤72aの再生を行なうようになっている。すなわち、空気11bの吸着処理と再生ガス11´cによる吸着剤72aの再生処理とを、両吸着塔72,72の間で一定サイクル毎に交互に繰り返して行なうようになっている。
【0014】
バッファタンク73に貯溜された酸素富化ガス11cは、圧力調整弁等の圧力調整装置8により適当圧に減圧調整された上、次のように構成された加湿装置9により加湿される。加湿された酸素富化ガス11dは、流量調整弁等の流量調整装置10により流量を適量に調整された上で、酸素ガス取出口3から当該酸素濃縮器1外に取り出される。
【0015】
而して、加湿装置9は、図1に示す如く、ガス流路4における圧力調整装置8の下流側部分に配置されており、ガス流路4の一部をなし酸素富化ガス11cが通過するガス流動室91と、ガス流動室91との間を、水分子を優先的に透過させる水分子透過膜92aにより、仕切られた水流動室93と、加湿水94を水分子透過膜92aに接触させつつ水流動室93を通過させるべく当該室93に供給する加湿水供給手段95とを具備してなる。
【0016】
この例では、圧力調整装置8と流量調整装置10との間に上下方向に延びる両端閉塞状の加湿管96を配置すると共に、加湿管96内に上下方向に延びる水分子透過膜92aで構成されたメンブレンチューブ92を配置して、加湿管96内を水分子透過膜92aによりガス流動室91と水流動室93とに区画してある。すなわち、メンブレンチューブ92内を水流動室93となし、加湿管96の内周面とメンブレンチューブ92の外周面との間に形成される環状空間をガス流動室91となしている。なお、加湿管96及びメンブレンチューブ92は円管状をなしており、同心をなしている。また、加湿管96の下部にガス流入口96aを設けて、これに圧力調整装置8より下流側のガス流路部分4aを接続すると共に、加湿管96の上部にガス流出口96bを設けて、これに流量調整装置10より上流側のガス流路部分4bを接続してあり、圧力調整装置8により圧力調整された酸素富化ガス11cがガス流動室92内を上昇通過して流量調整装置10へと流動するようになっている。水流動室93の上下端部つまりメンブレンチューブ92の上下端部は開口されていて、加湿管96の上下壁を貫通して大気に開放されている。また、加湿水供給手段95は、除湿・吸着処理装置7からのドレン水11eを加湿水94として水流動室93に滴下供給させるように構成されている。すなわち、ドレンポット71bにメンブレンチューブ92の上端開口部へと垂下する滴下管97を設けて、ドレンポット71bに排出されたドレン水11eを滴下管97からメンブレンチューブ92内つまり水流動室93へと滴下供給させるようになっている。メンブレンチューブ92内に滴下されたドレン水つまり加湿水94は、メンブレンチューブ92の内壁面つまり水分子透過膜92aを伝って流下(自然落下)し、メンブレンチューブ92の下端開口部から流出する。
【0017】
メンブレンチューブ92を構成する水分子膜92aとしては、水分子の吸着性,高速移動性や水分子以外の気体分子(必要成分である酸素ガス又は不要成分である窒素ガス,炭酸ガス,一酸化炭素ガス等)を透過させない選択性において優れる有機高分子薄膜を使用することが好ましい。具体的には、水分子膜92aとしては、主たる化学構造が4弗化エチレンと過弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オクタンとの共重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有機高分子薄膜が好適し、メンブレンチューブ92としては、このような水分子透過膜92aで構成した外径2〜20mmのものが好適する。メンブレンチューブ92の壁厚(水分子透過膜92aの膜厚)は、水分子透過機能(膜厚が薄い程、水分子透過量が増加する)を考慮しつつ、メンブレンチューブ92の外周領域であるガス流動室91に導入される酸素富化ガス11cの圧力に充分耐え得る程度に設定される。一般には、0.02〜0.2mmとしておくことが好ましい。また、メンブレンチューブ92の長さ(加湿管96内における部分の長さ)は加湿条件等に応じて適宜に設定される。この例では、外径5mm,壁厚(膜厚)0.2mm,長さ600mmのメンブレンチューブ92を使用している。
【0018】
水流動室93を構成するメンブレンチューブ92の本数は、使用するメンブレンチューブの口径及び酸素富化ガス11cの流量(例えば、在宅酸素療法用酸素濃縮器では、一般に、0.5〜6l/min程度の流量が必要とされる)等に応じて任意に設定することができるが、一般に、一本〜数本とされる。この例では一本のメンブレンチューブ92を使用しているが、数本のメンブレンチューブ92を使用する場合には、これらを束ねた状態で加湿管96の中心部に配置しておく。
【0019】
而して、圧力調整装置8を通過した酸素富化ガス11cは加湿管96に導入され、この加湿管96を上昇通過する間において、メンブレンチューブ92内を流下する加湿水94(ドレン水11e)によって充分に加湿される。
【0020】
すなわち、メンブレンチューブ92は、上記した如く、主たる化学構造が4弗化エチレンと過弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オクタンとの共重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有機高分子薄膜(水分子透過膜92a)で構成されているが、この薄膜における官能基たるスルホン酸基(−SOH)は親水性基であることから、メンブレンチューブ92の内表面は、これに接触する水分子(加湿水94)を迅速に化学吸着し、スルホン酸水和物(−SOH・[HO])として吸収する。そして、メンブレンチューブ92の内表面に吸収された水分子は、メンブレンチューブ92の内外間における水分子の蒸気分圧の差によってメンブレンチューブ92の管壁たる水分子透過膜92aを透過(移動)して、メンブレンチューブ92の外周領域たるガス流動室91を流れる絶乾状態の酸素富化ガス11c中に拡散し、充分に加湿された酸素富化ガス11dが得られる。特に、酸素富化ガス11cがガス流動室91を上昇通過し且つ加湿水94が水流動室93を下降通過(自然落下)するようにしておくことにより、つまり両者11c,94が水分子透過膜92aを挟んで逆方向に流動させるようにすることによって、上記した加湿作用がより効果的に行われる。
【0021】
ところで、メンブレンチューブ92内を加湿水94が通過しない場合においても、メンブレンチューブ92内の大気から水分子が透過してメンブレンチューブ92外の酸素富化ガス11cが加湿されることになる。しかし、このようなガス(酸素富化ガス11c)とガス(大気)との間における水分子透過膜92aを介しての水分子透過は、両ガスの水分圧差をドライビングフォースとするものであり、膜92a中へのガス溶解度がヘンリーの法則に従って膜界面で平衡状態をとるため、どうしても透過速度(膜92a中へのガス溶解度係数と膜92a中のガス拡散係数との積で得られる)が低くなり、透過効率が頗る悪い。したがって、酸素富化ガス11cを充分に加湿させるためには、両ガスと膜92aとの接触時間,接触面積を極めて大きく設定しておく必要があり、加湿装置9ひいては酸素濃縮器1の大型化やイニシャルコスト(特に膜コスト)の高騰といった実用上の問題が生じる。
【0022】
しかし、上記した如く加湿水94を水分子透過膜92aに接触させるようにした場合には、その接触水94が膜92a内に瞬時に浸透,膨潤するため、膜92aにおける水移行速度(透過速度)が膜界面でのガス溶解度係数に影響されず飛躍的に向上することになる。したがって、膜92aとの接触時間や接触面積が小さくしても、充分な加湿を行うことができ、上記した問題は生じない。
【0023】
このような加湿装置9による加湿能力は、次のような実験により確認された。すなわち、この実験においては、加湿管96の流入口96aからの酸素富化ガス流入量を3l/minとし、メンブレンチューブ92(外径5mm,壁厚(膜厚)0.2mm,長さ600mm)への加湿水94の滴下量(滴下水量)を1〜5mlとして、加湿管96の流出口96bにおけるガス湿度を測定した。その結果は図2に示す通りであり、相対湿度が90%以上の加湿酸素11dを得ることができ、特に、滴下水量が3ml/min以上である場合には、相対湿度が略100%となり、上記した加湿装置9による加湿能力が極めて優れたものであることが確認された。なお、図2において、□は相対湿度(%RH)を示し、△は絶対湿度(mg/l)を示し、○は加湿装置9の周辺温度(℃)を示している。
【0024】
また、メンブレンチューブ92の構成材(有機高分子薄膜)において主たる構造をなす4弗化エチレン共重合体は、周知のように、水分子以外の気体分子を殆ど透過させることがないものであるから、気体分子より大きなバクテリア,ウイルス等の菌体はメンブレンチューブ92を透過することがない。すなわち、加湿水94にかかる菌体が存在している場合にも、それがメンブレンチューブ92の管壁(水分子透過膜92a)を通過してガス流動室91に侵入して酸素富化ガス11cに混入する虞れは皆無であり、長時間の連続使用にも衛生上の問題を生じることがない。したがって、加湿水94として、上記したドレン水11e等を任意に使用することができ、精製水,純水等の清浄水を必要とせず、加湿酸素を極めて簡便に得ることができる。勿論、冒頭に述べたもののように精製水の交換,補給等に要する費用,手間は一切不要であり、気泡発生音もなく静寂な状態で酸素吸入等を行なうことができ、患者の安眠を妨げることもない。
【0025】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
【0026】
例えば加湿水供給手段95は、図3に示す如く、酸素濃縮器1に設けたペルチェ素子冷却器98により大気中の水分を凝縮して、その凝縮水を加湿水94として水流動室93に滴下供給するように構成することができる。すなわち、ペルチェ素子冷却器98の凝縮水貯留部99に、水流動室93を構成するメンブレンチューブ92の上端開口部へと垂下する滴下管97を設けて、凝縮水貯留部99に貯留された凝縮水たる加湿水94を滴下管97からメンブレンチューブ92内へと滴下供給させるようにする。この場合、ペルチェ素子冷却器98による凝縮機能がより効果的に発揮されるように、ペルチェ素子の高温端側を酸素濃縮器1内の高温領域(例えば空気圧縮装置6のコンプレッサ放熱領域)に配置しておくことが好ましい。また、図1に示す如く構成する場合を含めて、両流動室91,93は、加湿機能がより効果的に発揮されるように、このような酸素濃縮器1内の高温領域に配置しておくことが好ましい。また、加湿水94として上記したドレン水,凝縮水を使用しないことも可能である。例えば、酸素濃縮器1内に上水等を貯留する貯溜水槽を設けて、その貯留水を加湿水94とすることもできる。この場合においても、貯溜水又は貯溜水槽をヒータ等により加熱するようにしておくことが好ましい。また、このような貯留水槽を設ける場合、貯留水たる加湿水94は、上記した如く水流動室93(メンブレンチューブ92内)に滴下供給するようにする他、ぺリスタポンプ等により水流動室93に供給するようにすることもできる。
【0027】
また、メンブレンチューブ92の形状を保持するために、チューブ92内又はチューブ92外に多孔状の樹脂管を補強材として装填しておくようにしてもよい。また、図1又は図2に示す如く、加湿管96内にメンブレンチューブ92を同心状に配置しておく構成をとる場合、メンブレンチューブ92内をガス流動室91となし、メンブレンチューブ92外を水流動室93となすようにすることも可能である。勿論、加湿管96等の容器内を、チューブ状でなく平板状の水分子透過膜92aでガス流動室91と水流動室93との区画するように構成することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解されるように、本発明の医療用酸素濃縮器は、ガス流路にその一部をなすガス流動室と水分子透過膜により区画された水流動室を設けて、その水流動室に加湿水を流動させることにより、酸素富化ガスを水分子透過膜からの透過水分により加湿させるようにしたものであるから、冒頭で述べた如く格別の精製水を必要とすることなく、酸素富化ガスの加湿を極めて簡便に且つメンテナンスフリーで良好に行なうことができる。
【0029】
しかも、水分子透過膜は水分子以外の気体分子を殆ど透過させないものであるから、気体分子より大きなバクテリア,ウイルス等の菌体はメンブレンチューブを透過することがない。すなわち、水流動室内の加湿水,大気中にかかる菌体が存在している場合にも、それがガス流動室に侵入して、酸素富化ガスに混入する虞れは皆無であり、長時間の連続使用にも衛生上の問題を生じることがなく、安全な加湿を行うことができる。したがって、患者の上気道や肺等に乾燥による負担をかけることなく、在宅酸素療法等を安全に行なうことができる。
【0030】
また、加湿水として酸素濃縮器内で発生するドレン水や凝縮水を使用することができ、冒頭で述べた如き精製水を使用する場合にように、精製水の交換,補給等に要する費用,手間は一切不要であり、気泡発生音もなく静寂な状態で酸素吸入を行なうことができ、患者の安眠を妨げることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用酸素濃縮器の一例を示す系統図である。
【図2】当該酸素濃縮器における加湿水滴下量と酸素富化ガスの加湿度(相対湿度)との関係を示すグラフである。
【図3】当該酸素濃縮器の変形例を示す図1相当の系統図である。
【符号の説明】
1…酸素濃縮器、2…大気採取口、3…酸素ガス取出口、4…ガス流路、5…フィルタ、6…空気圧縮装置、6a…コンプレッサ放熱領域、7…除湿・吸着処理装置、8…圧力調整装置、9…加湿装置、10…流量調整装置、11a…原料空気、11b…圧縮空気、11c…酸素富化ガス、11d…加湿された酸素富化ガス、11e…ドレン水(加湿水)、71…クーラ、72…吸着塔、73…バッファタンク、91…ガス流動室、92…メンブレンチューブ、92a…水分子透過膜、93…水流動室、94…加湿水、95…加湿水供給手段、96…加湿管、97…滴下管、98…ペルチェ素子冷却器、99…凝縮水貯留部。

Claims (5)

  1. 大気採取口から酸素ガス取出口に至るガス流路に、大気から採取した原料空気を圧縮する空気圧縮装置と圧縮された原料空気を除湿、吸着処理することにより酸素富化ガスを得る除湿・吸着処理装置と酸素富化ガスを圧力調整する圧力調整装置と圧力調整された酸素富化ガスを加湿する加湿装置とを具備すると共に、前記加湿装置が、ガス流路の一部をなし酸素富化ガスが通過するガス流動室と、ガス流動室との間を水分子を優先的に透過させる水分子透過膜により仕切られた水流動室であって、加湿水が水分子透過膜に接触しつつ通過する水流動室とを具備して、酸素富化ガスがガス流動室を通過する間に水分子透過膜からの水分子透過により加湿されるように構成した医療用酸素濃縮器に於いて、前記水流動室の上下端部が大気に開放されており、前記除湿・吸着処理装置から排出されたドレン水又は当該医療用酸素濃縮器に設けたペルチェ素子冷却器により大気中の水分を凝縮して得られた水から成る加湿水が、水流動室にその上端開口部から滴下供給されるように構成したことを特徴とする医療用酸素濃縮器。
  2. 酸素富化ガスを、水流動室における加湿水の流動方向と逆方向に流動させるようにした請求項1に記載する医療用酸素濃縮器。
  3. ガス流動室内に水分子透過膜で構成された一本又は数本のメンブレンチューブを配置し、このメンブレンチューブ内を水流動室とした請求項1に記載の医療用酸素濃縮器。
  4. 水分子透過膜が、主たる化学構造が4弗化エチレンと過弗化−3,6−ジオキサー4−メチル−7−オクテンとの共重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有機高分子薄膜である請求項1に記載の医療用酸素濃縮器。
  5. メンブレンチューブの外径が2〜20mmである請求項3に記載の医療用酸素濃縮器。
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