JP2000135287A - 酸素療法用酸素濃縮装置 - Google Patents

酸素療法用酸素濃縮装置

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JP2000135287A
JP2000135287A JP10310707A JP31070798A JP2000135287A JP 2000135287 A JP2000135287 A JP 2000135287A JP 10310707 A JP10310707 A JP 10310707A JP 31070798 A JP31070798 A JP 31070798A JP 2000135287 A JP2000135287 A JP 2000135287A
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zone
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humidification
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Yoji Nakamura
洋司 中村
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FUKUDA SANGYO KK
Fukuda Sangyo Co Ltd
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FUKUDA SANGYO KK
Fukuda Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に患者への所望に調湿された濃縮酵素ガス
の供給はもとより、結露部での殺菌の繁殖防止などに配
慮した高性能の酸素療法用酸素濃縮装置を提供する。 【解決手段】 容器内に所望本数の水蒸気透過性の中空
糸を配設して構成され、かつ、前記中空糸の内側を除湿
ゾーン(一次側)、外側を加湿ゾーン(二次側)として
構成された前記除湿ゾーンにおいて原料空気の水分を除
去する除湿器、及び、除湿された空気から窒素を吸着さ
せて濃縮酸素を得る圧力変動式ガス吸着器、を含む酸素
療法用酸素濃縮装置において、前記酸素療法用酸素濃縮
器が、(i).前記吸着器から得られる乾燥濃縮酸素を加湿
調整するために、前記乾燥濃縮酸素の少なくとも一部を
前記除湿器の加湿ゾーン(二次側)へ供給するための回
路を有するとともに、(ii).前記回路への乾燥濃縮酸素
の供給量を、環境相対湿度を監視する湿度センサにより
制御する制御部を有すること、を特徴とする酸素療法用
酸素濃縮装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、慢性の呼吸不全患
者など(以下、単に患者ということがある。)に対する
酸素療法として広く使用されている酸素療法用の酸素濃
縮装置(以下、単に酸素濃縮装置ということがある。)
に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、製造される濃縮酸素
ガスの湿度を合理的にコントロールする手段を組込んだ
新しい構造の酸素濃縮装置に関するものである。
【0003】更に詳しくは、本発明は、酸素濃縮装置に
おいて、得られる酸素濃縮ガスの加湿度(湿度)を合理
的に所望の設定値に濃縮することができ、これにより酸
素濃縮ガスの患者への使用に供するための供給管(ホー
ス、カニューレなど)内での結露防止や、氷結防止、結
露内での雑菌の繁殖防止、などの面で優れる高性能の酸
素濃縮装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】慢性呼吸器疾患に対する在宅酸素療法
(Home Oxygen Therapy;HOT) において、その重要
なツールとして酸素濃縮装置は広く使用されている。前
記HOTにおいて、酸素供給システムとして酸素ボン
ベ、液体酸素など使用する方式と空気をゼオライトなど
の吸着体で窒素(N2 )ガスを吸着除去し、濃縮酸素ガ
スを得る方式、いわゆる、吸着型酸素濃縮装置を使用す
る方式とがある。
【0005】後者の酸素濃縮装置は、近年、めざましい
改良技術により安定した酸素供給が確保されるととも
に、簡便、軽量小型、かつ低騒音性などに優れているこ
とから広く普及している。
【0006】この種の従来の吸着型酸素濃縮装置の概要
を、図8を参照して説明する。図示されるように、この
種の従来の吸着型酸素濃縮装置(A´)は、(i). 空気
を取込むとともに、主に空気中の窒素及び水分を吸着剤
を利用して吸着することにより酸素濃度が高く、かつ湿
度の低い酸素濃縮ガスを生成させる酸素濃縮ガス生成器
(1´)、(ii).前記生成器(1´)からの乾燥酸素濃
縮ガスを加湿するための加湿器(2´)、及び、(iii).
前記加湿器(2´)からの加湿された酸素濃縮ガスを使
用に供するための酸素供給口(3´)、とから構成され
るものである。図8において、前記した酸素濃縮装置
(A´)の各構成要素(1´、2´、3´)は、概略的
に示されている。なお、前記加湿器(2´)は、生成器
(1´)から得られる乾燥(低湿度)の酸素濃縮ガスを
そのまま患者に供給すると、患者の鼻腔粘膜を乾燥させ
るなど患者に苦痛を与えるのを防止するためのものであ
り重要な構成要素である。また、前記酸素供給口(3
´)は、加湿された酸素濃縮ガスを図示のようにカニュ
ーレにより患者の鼻部またはマスク(口部)へ供給する
ものである。
【0007】前記図8に示される酸素濃縮装置の加湿器
として、例えば、酸素濃縮ガス生成器により生成された
酸素濃縮ガスを加湿器に導き、加湿器内の精製水中でバ
ブリングさせることにより加湿するタイプの単純構造の
ものが知られている。しかしながら、この種のバブリン
グ方式による単純構造の加湿器を有する酸素濃縮装置に
おいては、ガス生成器により生成した酸素濃縮ガスは、
バブリングにより過度に加湿されてしまう(加湿温度)
という欠点がある。例えば、加湿器内の酸素は、湿度が
90%以上に過度に加湿されてしまう場合がある。
【0008】このため、加湿器から放出される過度に加
湿された酸素濃縮ガスは、前記酸素濃縮ガスを患者に供
給するための供給路において、例えば配管ホースやカニ
ューレの内部において、結露して水滴を発生する。そし
て、前記結露により生じた水滴は、患者の鼻孔内等に入
り込むために患者に不快感を与えたり、または水滴内で
の殺菌繁殖のために不衛生であるなどの欠点を生じさせ
る。
【0009】次に、特にゼオライト等のN2 吸着剤を充
填したシーブベッド(吸着筒)を利用して連続的に高濃
度の酸素を生成させる吸着型酸素濃縮器とその問題点に
ついて考察する。
【0010】前記した吸着剤であるゼオライトは、アル
ミナや珪酸を主成分とするものであり、高圧下で空気中
の窒素を選択的に吸着し、低圧下で吸着した窒素を放出
する性質をもっている。このため、空気中から高濃度の
酸素ガスを製造するには、一本の吸着筒のもとでは窒素
吸着により酸素分離能が結果的に低下してくるため、二
本の吸着筒を使用して高圧と低圧を切替えることにより
効率よく窒素を吸着、脱離させながら濃縮酵素を製造す
る方式が採用される。即ち、一本のシーブベッド(吸着
筒)が加圧されて窒素を吸着している時は、他のシーブ
ベッドを減圧して所望のパージガス(例えば生成した濃
縮酸素ガスの一部)をフラッシュして窒素を放出させる
ようにし、同様な切替えにより濃縮酸素を効率的に製造
する酸素濃縮装置が提案されている。
【0011】前記したゼオライトを充填したシーブベッ
ド(吸着筒)を使用して加圧と減圧を繰り返し、連続的
に高濃度の酸素を取り出す方式は、PSA法(Pressure
Swing Adsorption 法、圧力変動式吸着法)と呼ばれて
いる。
【0012】前記したPSA法を組込んだ酸素濃縮装置
において、ゼオライト吸着材を充填した吸着筒は、高圧
下で窒素と同時に水分も吸着するため、経時的に性能低
下となる。このため、原料ガス中に含まれる水分は可能
な限り除去されてシーブベッド(吸着筒)に供給される
ことが好ましい。
【0013】原料ガス中の水分の除去方法としては、冷
却法や吸着法などがあるが、これらの方式は装置が複雑
である点、エネルギーロスが大きい点、など種々の欠点
を持っている。そのうえ、原料ガス中の水分が除去され
ればされるほど、生成する酸素ガスは乾燥したものとな
り、これは前記した通り患者などに対して好ましくない
ものである。このため、例えば、PSA法を組込んだ酸
素濃縮装置において、前記したバブリング方式により加
湿する加湿器、即ち、精製水を入れた加湿器を併用する
方式のものがある。
【0014】この場合、定期的な精製水の補充が必要で
あり、また、加湿器の取扱いなど煩雑さが増大すること
になる。更に、乾燥した濃縮酸素を精製水中に通してバ
ブリングにより加湿する際、バブルの音がうるさいとい
う欠点を有する。
【0015】前記した従来のPSA法(圧力変動式吸着
法)を組込み、かつ、製品ガス(濃縮酸素ガス)の生成
水中へのバブリングにより加湿を行なう加湿器を有する
典型的な酸素療法用酸素濃縮装置のブロック図(配管系
統図)を図9に示す。図示される、従来のPSA法(圧
力変動式吸着法)を組込んだ酸素療法用酸素濃縮装置
(A´)は、大きな構成要素としては、 1.原料空気(AIR)の前処理部、 2.二本のシーブベッド(吸着筒)(21、22)から
成るシーブベッド部、 3.二本のシーブベッド(吸着筒)のN2 吸着(濃縮O
2 生成)とN2 パージ(O2 生成能の回復)を切替える
電磁弁部、 4.製品タンク(濃縮酸の貯蔵部) 5.濃縮酸素の流量、圧力調整部、 6.精製水へのバブリング方式による加湿器、 7.コントロール部(制御部、コントロール基板)、か
ら構成されるものである。
【0016】前記原料空気(AIR)前処理部(1)
は、所定の環境相対湿度(RH)をもつ原料空気(1
1)を前処理するものであり、吸気フィルタ(12)、
コンプレッサ(13)、熱変換器(14)、冷却ファン
(15)、HEPAフィルタ(16)などで構成され
る。なお、前記HEPAフィルタは、前記原料空気(A
IR)に含まれる塵、細菌等がシーブベッド(吸着筒)
部(2)に進入するのを防ぐためのものである。
【0017】ゼオライトを充填してなるシーブベッド
(吸着筒)部(2)は、高圧下で空気中の窒素を選択的
に吸着させる吸着筒(21)と低圧下で吸着した窒素を
放出させる吸着筒(再生パージタワー)(22)から構
成されている。なお、前記した二つの吸着筒(21、2
2)は、所定時間後に切替えられ、効率よく濃縮酸素を
製造することができるものである。
【0018】前記シーブベッド部(2)の高圧、低圧の
切替えは、図示されるようにコントロール部(7)のコ
ントロール指令のもとで電磁弁部(3)により行なわれ
るものである。図9において、前記シーブベッド部
(2)の配管構成としては、高圧、低圧の切替えに関連
して、パージオリフィス(23)、切圧弁(24)、逆
止弁(25、25)などが示されている。また、図9に
おいて、電磁弁部(3)に付属する配管部(31)は、
再生パージ中の吸着筒(例えば22)からパージされる
2 ガス用の排気マフラを示す。
【0019】前記シーブベッド(吸着筒)部(2)によ
り製造された濃縮酸素は、製品タンク(4)に貯蔵され
る。更に、製造された濃縮酸素は、制御部(7)あるい
は他の制御手段のコントロールのもとで流量、圧力調整
部(5)において所望の流量、圧力に調整される。図9
の前記流量、圧力調整部(5)は、圧力設定器(調整ノ
ブ)(51)、流量設定器(52)などで構成されてい
る。なお、図9の流量、圧力調整部(5)において、参
照符号(53)はバクテリアフィルタ、(54)は酸素
センサ、(55)は遮断弁を示している。
【0020】前記のようにして流量と圧力が調整された
乾燥状態の濃縮酸素は、精製水中へのバブリングにより
加湿する加湿部(6)へ供給され、所望程度に調湿した
のち患者へ供給される。なお、図9において、参照符号
(61)は加湿器、(62)は調湿後の患者へ供給され
る濃縮酸素を示す。
【0021】前記図9に示される従来のPSA法を組込
んだ酸素濃縮装置は、図示の通りに別個に加湿器を配設
した構造のものであり、当該加湿器は前記した欠点を有
するものである。
【0022】前記PSA法を組込んだ酸素濃縮装置にお
いて、加湿器を併用することに由来する欠点を解消する
ために、特開平2−99113号は1つの提案を行なっ
ている。前記特開平2−99113号に開示の発明は、
PSA法による原料混合ガス中の特定成分ガスを分離す
る方法に関する発明に関するものであり、(i).まず、原
料混合ガスを水分分離膜(水蒸気透過性の中空糸)を隔
膜とする除湿装置の一次側(原料混合ガスの供給路側)
に通過させ、(ii).次いで、圧力変動式ガス吸着塔に供
給し、混合ガス中の特定成分ガス(例えば窒素ガス)を
吸着分離した製品ガス(例えば濃縮酸素ガス)を生成さ
せ、(iii).一方、前記除湿装置の二次側(水分分離膜を
透過した水蒸気の収容部)に圧力変動式ガス吸着塔の再
生パージガスまたは製品ガスを通過させること、を特徴
としたPSA法によるガス分離方法を提案している。
【0023】前記特開平2−99113号に開示の原料
混合ガス中の特定成分ガスを分離する方法においては、
水分を含む原料混合ガスを水分分離膜を隔膜とする除湿
装置の一次側に供給し、除湿した後に変動式ガス吸着塔
において酸素を生成するようにしているため、吸着(シ
ーブベッド)塔での水分吸着による酸素の収率低下(逆
にいえば窒素の吸着率低下)を防止することができる。
また、除湿装置の二次側に対して製品ガス(濃縮酸素)
を通過させることにより加湿した濃縮酸素を二次側から
得られるため、精製水を利用した別個の加湿器を併用す
る必要がない。
【0024】しかしながら、前記特開平2−99113
号に開示の発明は、患者に供給する濃縮酸素の加湿度を
どのように合理的に調整するのか、あるいは結露や氷結
などによる装置系への不具合や雑菌繁殖の防止などから
濃縮酸素の加湿度をどのように合理的に調整するのか、
などという観点から評価すると不充分なものである。
【0025】即ち、前記特開平2−99113号は、水
分分離膜(水蒸気透過性の中空糸)を収納した二つのユ
ニットを使用するとともに、1つをガス分離膜ユニット
(除湿用)とし、他をガス分離膜ユニット(加湿用)と
し、前記加湿用ユニットにバイパスする製品ガス供給管
を配設した圧力変動式によるガス分離装置を開示してい
る。前記特開平2−99113号において、製品ガスの
一部を加湿用ユニットにバイパスさせることにより、製
品ガスは加湿されることになる。しかしながら、濃縮酸
素の利用分野が酸素療法用という観点からみると、加湿
度は合理的かつ再現性よく行なわれなければならず、こ
の点、前記方式は不充分なものである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記PSA
法を組込んだ酸素濃縮装置において、特に生成する濃縮
酸素の調湿(加湿)を合理的かつ効率的にコントロール
する手段を組込んでなる高性能の酸素濃縮装置を提供し
ようとするものである。
【0027】本発明者は、酸素濃縮装置により生成され
る濃縮酸素の合理的かつ効率的な調湿(加湿)方式につ
いて鋭意検討した結果、原料空気の相対湿度(RH)
と、原料空気の除湿を行なうための水蒸気透過性の中空
糸を用いた除湿器の二次側(加湿側)で得られる加湿さ
れた濃縮酸素の湿度、との関係が安定していること(略
比例関係にあること、略リニア関係にあること)、従っ
て、原料空気の相対湿度(RH)を加湿条件の設定因子
として使用することができることを見い出した。
【0028】更にまた、本発明者は、前記した原料空気
の相対湿度(PH)とともに、環境温度を加湿条件の設
定因子に利用することにより、濃縮酸素の加湿度をより
合理的に調整できることを見い出した。
【0029】本発明は、前記知見をベースにして創案さ
れたものである。本発明により、PSA法を組込むとと
もに、生成する濃縮酸素の調湿(加湿)度を合理的かつ
効率的にコントロールすることができる付加価値の高い
酸素療法用酸素濃縮装置が提供される。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、容
器内に所望本数の水蒸気透過性の中空糸を配設して構成
され、かつ、前記中空糸の内側を除湿ゾーン(一次
側)、外側を加湿ゾーン(二次側)として構成された前
記除湿ゾーンにおいて原料空気の水分を除去する除湿
器、及び、除湿された空気から窒素を吸着させて濃縮酸
素を得る圧力変動式ガス吸着器、を含む酸素療法用酸素
濃縮装置において、前記酸素療法用酸素濃縮器が、(i).
前記吸着器から得られる乾燥濃縮酸素を加湿調整するた
めに、前記乾燥濃縮酸素の少なくとも一部を前記除湿器
の加湿ゾーン(二次側)へ供給するための回路を有する
とともに、(ii).前記回路への乾燥濃縮酸素の供給量
を、環境相対湿度を監視する湿度センサにより制御する
制御部を有すること、を特徴とする酸素療法用酸素濃縮
装置に関するものである。
【0031】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0032】本発明は、前記したように、酸素濃縮装置
の応用分野が酸素療法用であることに鑑み、患者への所
望に調湿された濃縮酸素の供給はもとより、装置系での
結露部での雑菌繁殖の防止の観点などから、合理的かつ
効率的に生成濃縮酸素ガスの調湿(加湿)度をコントロ
ールする手段を組込んだ酸素療法用酸素濃縮装置を提供
するものである。本発明において、製造される濃縮酸素
の加湿度(相対湿度)は、20〜70%、好ましくは3
0〜60%に合理的に調整されることを目標としてい
る。
【0033】本発明の酸素濃縮装置は、前記した中空糸
膜式除湿器とPSA法を組込んだ吸着器を主たる構成要
素として構成されるものであるが、生成する濃縮酸素の
加湿度を合理的かつ効率的にコントロールすることがで
きる手段を組込んである点に最大の特徴点がある。
【0034】本発明の前記した構成の酸素濃縮装置にお
いて、濃縮酸素の加湿度をコントロールするための因子
(制御因子)は、次の知見に基づいている。 (1).原料空気の環境相対湿度(RH)と、前記原料空気
の除湿を行なうための水蒸気透過性の中空糸膜を用いた
除湿器の二次側(加湿側)へ吸着器において製造された
濃縮酸素を通過させることによって得られる加湿された
濃縮酸素の湿度は、安定した関係にあること、別言すれ
ば略比例関係にある(略リニア関係にある)。 (2).また、環境温度の観点からみると、前記装置系にお
いて、例えば室温が25℃のときと比較して、(2)-1.環
境温度が15℃のときは加湿された濃縮酸素の相対湿度
は低くなり、(2)-2.環境温度が35℃のときは加湿され
た濃縮酸素の相対湿度は高くなる。
【0035】前記知見(1)は、濃縮酸素の加湿度をコ
ントロールする上で、環境相対湿度(RH)は重要な制
御因子となることを示している。また、前記知見(2)
は、濃縮酸素の加湿度をコントロールする上で、前記環
境相対湿度(RH)とともに環境温度も重要な制御因子
になることを示している。前記した後者の知見の重要さ
は、吸着器から製造された濃縮酸素の所定量を加湿器の
二次側(加湿ゾーン)へ供給する際、その供給量を制御
するバルブ(または電磁弁)の切替え操作を、(i).環境
温度が高いときは、環境相対湿度(RH)が低目のとき
に切替えたり、あるいは、(ii).環境温度が低いとき
は、環境相対温度(RH)が高目のときに切替えること
により、合理的かつ適切に加湿度を調整することができ
ることを示唆するものである。
【0036】図1は、本発明の酸素療法用酸素濃縮装置
(A)のブロック図(配管系統図)を示す。図1に示さ
れる本発明の酸素濃縮装置(A)は、図9を参照にして
説明した従来の酸素濃縮装置(A´)と比較して、両図
の比較から容易に判るように、製造された濃縮酸素の除
湿器(図中、参照符号B)と当該加湿器(B)をコント
ロールするための制御部(図中、参照符号71、72)
の構成が異なり、その他は実質的に同じ構成である。従
って、図9と同じ参照符号は同じ意味を有するものと解
すべきである。
【0037】本発明の前記除湿器(B)は、容器内に所
望本数の水蒸気透過性の中空糸を配設し、前記中空糸の
内側を除湿ゾーン(一次側)(B1 )、外側を加湿ゾー
ン(二次側)(B2 )として構成されるものである(後
述する図2参照)。また、本発明の制御部(7)は、
(i).環境相対湿度(RH)の情報を入手する湿度センサ
(71)、及び、(ii).環境温度の情報を入手する温度
センサ(72)、からの情報に基づいてシーブベッド部
(2)で製造された乾燥した濃縮酸素の少なくとも一部
を除湿器(B)の加湿ゾーン(B2 )に供給して、濃縮
酸素を調湿(加湿)するように構成される。
【0038】図1において、濃縮酸素の流量、圧力調整
部(5)の部位の参照符号(56)は酸素流れ表示器、
参照符号(57)は圧力スイッチを示している。また、
参照記号(C)は、本発明において所望に調湿された濃
流酸素を患者サイドへ供給する供給路を示している。
【0039】
【実施例】次に、本発明の図1に示される酸素濃縮装置
(A)のもとにおける湿度センサ(71)及び温度セン
サ(72)に基づく濃縮酸素の調湿(加湿)実験の内容
について説明する。
【0040】酸素濃縮装置(A)の概要は、次の通りで
ある。 (1).ゼオライト充填の二本のシーブベッド(吸着筒)を
使用した。なお、吸着圧力を0.85〜1.2kgf/c
m2、放出圧力を0.6kgf/cm2に設定した。 (2).除湿器(B)として、中空糸膜式モジュールSWC
−M22−MS(旭硝子エンジニアリング社製、膜式エ
アードライヤー SUNSEP−W)を使用した。
【0041】実験フィールドの環境設定は、恒温恒湿室
にて、所望の湿度と温度を設定した。また、湿度は、湿
度データプロセッサHMI38(ヴァイサラ社製)で測
定した。
【0042】実験は、恒湿恒温室内に除湿器(B)を内
臓したシーブベッド(二本)を有する酸素濃縮装置を収
容し、十分にならし運転後、室内の温度と相対湿度を変
化させながら装置から放出される濃縮酸素の相対湿度を
湿度データプロセッサHMI38で測定した。なお、濃
縮酵素の放出流量を0.5l/min、1.0l/mi
n、2.0l/minに設定した。
【0043】図2は、乾燥濃縮酸素の流量(Y)の一部
を除湿器(B)の加湿ゾーン(B2)に供給して調湿さ
れた濃縮酸素を得るための第一態様の配管構成を示す。
別言すれば、図2は、図示される配管構成のもとにおい
て、シーブベッド(S/B)(2)で製造されて製品タ
ンク(4)に貯蔵された乾燥濃縮酸素の流量測定器で設
定された所定流量(Y)が、バルブ(V)の開閉操作に
より各配管にどのように分配されるかを示したものであ
る。後述する図3〜図6に示されるデータは、前記配管
条件のもとで、バルブ(V)のON,OFFで得られた
ものである。
【0044】図2において、バルブ(V)がON(開)
のときはY=Y1 +Y3 +Y4 ,バルブ(V)がOFF
(閉)のときはY=Y1 +Y3 となる。Y1 の酸素の量
は、毛細管M1(φ1.0)の内径で制御され、ここを
流れる酸素は中空糸膜式加湿器(B)の加湿ゾーン(二
次側、B2 )において加湿される。Y3 の酸素の量は、
毛細管M3(φ0.8)の内径で制御され、ここを流れ
る酸素は乾燥状態にある。Y4 は、バルブ(V)がON
(開)のときに酸素が流れるとともに、毛細管M4(φ
1.0)の内径で制御され、ここを流れる酸素も乾燥状
態にある。
【0045】前記図2に示される配管構成のもとで、か
つ、バルブ(V)のON(開)/OFF(閉)のとき
に、所定流量(Y)の乾燥酸素が各配管にどのように分
配されるかを、下記の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】図3は、前記酸素濃縮装置を温度25℃の
恒温恒湿室内にセットし、湿度25℃(一定)の環境下
で相対湿度のみを変化させながら環境相対湿度と装置か
ら放出される酸素の相対湿度の関係を試験した結果であ
る。なお、バルブ(V)のON,OFFは手動にて切り
替えた。この結果からバルブ(V)がON(開)のとき
は、バルブ(V)がOFF(閉)のときに比べて放出さ
れる酸素の相対湿度が低いことがわかる。これは前記表
1に示されるように流量Y1 ,Y3 ,Y4 の比率が変わ
ったためであり、バルブ(V)がON(開)のときは流
量Y1 が減少し、流量Y4 にも乾燥した酸素が流れるこ
とにより酸素の相対湿度が低くなったものである。前記
したことから判るように、放出酸素の加湿度の調整は、
相対加湿度(RH)を監視することにより、その結果を
バルブ(V)の開閉に連動させることにより合理的に行
なうことができるものである。
【0048】図4は、バルブ(V)を電磁弁とし、湿度
センサーを装置の空気取り入れ口の近傍に取り付け、湿
度センサーのとらえた環境相対湿度が50%RHになっ
たときに切替えの指令を出すようにし、電磁弁の切替え
を自動的におこなったものである。この結果からバルブ
(V)は環境相対湿度が50%RHでOFF(閉)から
ON(開)に切替わり、放出される酸素の相対湿度をコ
ントロールしていることがわかる。これは前記表1に示
されるように流量Y1 ,Y3 ,Y4 の比率が変わったた
めであり、バルブ(V)がON(開)に切替ることによ
り流量Y1 が減少し、流量Y4 の乾燥した酸素が加湿ゾ
ーン(B1 )をバイパスすることにより酸素の相対湿度
が低くなったものである。前記したことから判るよう
に、湿度センサの環境相対湿度50%を検出したとき、
電磁弁(V)の切替えを提示することは放出酸素の加湿
度を調整する上で極めて有効である。
【0049】図5〜図6は、前記図3と同様のテスト
を、それぞれ環境温度が15℃と35℃で行なったとき
のデータを示している。図5〜図6に示されるデータか
ら明らかのように、(i).環境温度が15℃のときは、前
記図3の条件である25℃のときよりも放出酸素の相対
湿度が低くなること、(ii).環境温度が35℃のとき
は、前記図3の条件である25℃のときよりも放出酸素
の相対湿度が高くなること、が判る。このことから、電
磁弁(V)の切替えを環境温度が低い場合は、環境湿度
が高めのときに切替わるように設定し、環境温度が高い
時は、環境湿度が低めのときに切替わるように設定する
ことにより、放出される酸素の相対湿度を調整すること
ができる。例えば、温度センサーを装置の空気取り入れ
口の近傍に取りつけ、温度センサーのとらえた環境温度
によって切替えのタイミング(環境温度が高いから環境
相対湿度が低めで電磁弁を切替えよという指令、あるい
は、環境温度が低いから環境相対湿度が高めで電磁弁を
切り替えよというような指令など)を自動的に行なうこ
とができる。
【0050】本発明の酸素療法用酸素濃縮装置(A)に
おいて、調湿(加湿)度の調整用配管の構成は、前記し
た図2のものに限定されず、種々の変形例が可能であ
る。図7は、本発明の酸素療法用酸素濃縮装置(A)に
おける第二態様の調湿(加湿)度の調整用配管を示すも
のであり、前記した図2に対応する図である。
【0051】図7に示される第二態様の調湿(加湿)度
の調整用配管構成において、制御部(7)は、本回路に
配設した流量調整器(バルブV)を調整する。図7に示
されるように、バルブ(V)がON(開)のときはY=
5 +Y6 +Y7 、バルブ(V)がOFF(閉)のとき
はY=Y5 +Y8 となる。Y5 は毛細管M5の内径で制
御され、ここに流れる酸素は乾燥状態にある。Y6 は毛
細管M6の内径で制御され、ここに流れる酸素は中空糸
膜式加湿器(B)の加湿ゾーン(二次側、B2 )におい
て加湿される。Y7 もまた毛細管M7の内径で制御さ
れ、ここに流れる酸素は中空糸膜式加湿器(B)の加湿
ゾーン(二次側、B2 )において加湿される。
【0052】
【発明の効果】本発明により、PSA法を組込んだ酸素
療法用酸素濃縮装置において、酸素療法という医療用途
からして、特に患者に対して所望に調湿された濃縮酸素
を供給するという観点はもとより、装置系での結露部で
の雑菌繁殖を防止するなどの観点から、合理的かつ効率
的に生成濃縮酸素ガスの調整(加湿)度をコントロール
する手段を組込んだ高付加価値の酸素療法用酸素濃縮装
置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置のブロック
図(配管系統図)を示す。
【図2】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置における第
一態様の調湿(加湿)度の調整用配管を示す図である。
【図3】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置の第一実験
データを示す図である。
【図4】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置の第二実験
データを示す図である。
【図5】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置の第三実験
データを示す図である。
【図6】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置の第四実験
データを示す図である。
【図7】 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置における第
二態様の調湿(加湿)度の調整用配管を示す図であり、
図2に対応する図である。
【図8】 従来の酸素療法用酸素濃縮装置の斜視図であ
る。
【図9】 従来の酸素療法用酸素濃縮装置のブロック図
であり、図1に対応する図である。
【符号の説明】
A …………… 本発明の酸素療法用酸素濃縮装置 A´…………… 従来の酸素療法用酸素濃縮装置 B …………… 除湿器(中空糸膜式) C …………… 濃縮酸素の患者への供給路 1 …………… 原料空気(AIR)前処理部 2 …………… シーブベッド(S/B)部 3 …………… 電磁弁部 4 …………… 製品タンク 5 …………… 濃縮酸素の流量、圧力調整部 6 …………… 従来の精製水のバブリング方式による
加湿器 7 …………… コントロール部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に所望本数の水蒸気透過性の中空
    糸を配設して構成され、かつ、前記中空糸の内側を除湿
    ゾーン(一次側)、外側を加湿ゾーン(二次側)として
    構成された前記除湿ゾーンにおいて原料空気の水分を除
    去する除湿器、及び、除湿された空気から窒素を吸着さ
    せて濃縮酸素を得る圧力変動式ガス吸着器、を含む酸素
    療法用酸素濃縮装置において、前記酸素療法用酸素濃縮
    器が、 (i).前記吸着器から得られる乾燥濃縮酸素を加湿調整す
    るために、前記乾燥濃縮酸素の少なくとも一部を前記除
    湿器の加湿ゾーン(二次側)へ供給するための回路を有
    するとともに、 (ii).前記回路への乾燥濃縮酸素の供給量を、環境相対
    湿度を監視する湿度センサにより制御する制御部を有す
    ること、を特徴とする酸素療法用酸素濃縮装置。
  2. 【請求項2】 乾燥濃縮酸素の除湿器の加湿ゾーン(二
    次側)への供給回路が、乾燥濃縮酸素の一部を加湿ゾー
    ン(二次側)へ導く本回路と、乾燥濃縮酸素の残部を加
    湿ゾーン(二次側)を迂回させるバイパス回路、とから
    構成される請求項1に記載の酸素療法用酸素濃縮装置。
  3. 【請求項3】 制御部が、本回路及び/又はバイパス回
    路に配設された流量調節器を調整するものである請求項
    2に記載の酸素療法用酸素濃縮装置。
  4. 【請求項4】 流量調節器が、少なくとも1つの電磁弁
    で構成されるものである請求項3に記載の酸素療法用酸
    素濃縮装置。
  5. 【請求項5】 制御部が、環境相対湿度を監視する湿度
    センサ、及び、環境温度を監視する温度センサ、とから
    構成されるものである請求項1に記載の酸素療法用酸素
    濃縮装置。
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