JP3432725B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JP3432725B2
JP3432725B2 JP31389797A JP31389797A JP3432725B2 JP 3432725 B2 JP3432725 B2 JP 3432725B2 JP 31389797 A JP31389797 A JP 31389797A JP 31389797 A JP31389797 A JP 31389797A JP 3432725 B2 JP3432725 B2 JP 3432725B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/28Safety belts or body harnesses in vehicles incorporating energy-absorbing devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両急減速時にウ
エビングを緊張させるプリテンショナーと、ウエビング
に所定値以上の引っ張り力が加わらないようにするフォ
ースリミッタとを備えたウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に取り付けられるウエビング巻取装
置には、車両に所定値以上の大きな減速度が加わった際
にウエビングを巻き取って緊張させ、装着者をゆるみな
く拘束するプリテンショナーを備えたものがある(特開
平4−92748号公報等参照)。図15には、このよ
うなプリテンショナーを備えたウエビング巻取装置30
0が示されている。
【0003】一方、ウエビングに加わる引っ張り力が所
定値以上にならないようにするフォースリミッタを備え
たウエビング巻取装置が提案されている。
【0004】ところで、図15に示すウエビング巻取装
置300では、車両急減速度時にドラム310がワイヤ
318に巻き締められて挟持部312がプリテンション
用シャフト部308を挟持し、ドラム310がスプール
306と共に回転するようになっているため、ワイヤ3
18が最大限引き出された状態では、ワイヤ318の張
力のためにそれ以上スプール306をウエビング304
引出方向に回転させることができない。従って、このウ
エビング巻取装置300に上述のフォースリミッタを単
に取り付けたのでは、プリテンショナーによるウエビン
グ304の引っ張りを解除して、トーションバーを充分
に捩じり変形させることができない。
【0005】かかる不都合を解消すべく、例えば、ワイ
ヤ318が最大限引き出された状態で、シリンダー32
4内のピストン(図示省略)からプリテンション用シャ
フト部308に至る部材の一部(例えば、ワイヤ318
やドラム310)に、ウエビング304に作用した所定
値以上の引っ張り力を受けて破断される破断部分を形成
し、この破断部分の破断によりスプール306をプリテ
ンショナーから独立してウエビング304引出方向に回
転可能とすることが考えられる。しかし、この破断部分
は、プリテンショナー作動時には破断されず、フォース
リミッタ作動時には破断されるように構成する必要があ
るため、プリテンショナー作動時のウエビングに対する
引っ張り力を小さくすることなく、フォースリミッタ作
動時のウエビングに加わる引っ張り荷重(プリテンショ
ナーによるウエビング304の引っ張りを解除するのに
必要な解除荷重)のみを小さくすることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、プリテンショナー作動時のウエビングに対する
引っ張り力を小さくすることなく、フォースリミッタ作
動時のウエビングに加わる引っ張り荷重を小さくするこ
とができるウエビング巻取装置を得ることを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、ウエビングが巻装されるスプールと、車両急減速時
に前記スプールへ前記ウエビング引出方向の回転力が作
用した場合にスプールによって変形されウエビング張力
増大を防ぐエネルギー吸収部材と、所定値以上の減速度
が作用すると前記ウエビング巻取方向へ回転する回転部
材と、前記回転部材と一体で回転可能とされ、所定値以
上の減速度が作用すると前記スプールへ連結する連結部
材と、前記連結部材から突出され、前記回転部材が前記
ウエビング巻取方向へ回転した場合には回転部材によっ
て根元近傍を押圧され、連結部材が前記スプールの前記
ウエビング引出方向の回転力を受けて回転した場合には
根元近傍よりも先端側の部位を押圧される係合片と、を
備えたプリテンショナーと、前記ウエビング引出方向の
回転力でエネルギー吸収部材が変形し前記回転部材によ
って前記係合片の前記根元近傍よりも先端側の部位が押
圧された場合にこのウエビング引出方向への回転力を受
け、前記プリテンショナーによるウエビング引出方向の
回転阻止を解除する解除部と、を有することを特徴とす
る。
【0008】所定値以上の減速度が作用していない車両
の通常走行状態では、プリテンショナーはスプールを拘
束していない。
【0009】所定値以上の減速度が作用すると、回転部
材がウエビング巻取方向へ回転する。また、連結部材が
スプールへ連結する。これにより、回転部材の回転が係
合片から連結部材を介してスプールに伝えられ、ウエビ
ングがスプールに巻き取られるので、ウエビングは装着
者をゆるみなく拘束する。
【0010】次に、ウエビングが引出方向に引っ張られ
ると、この引っ張り力がスプールからエネルギー吸収部
材に伝わる。エネルギー吸収部材の変形等のエネルギー
吸収作用により、ウエビング装着者への装着力が所定値
以上とならないようにするフォースリミッタの働きが開
始される。これに抗してウエビングがさらに引っ張ら
れ、連結部材がスプールのウエビング引出方向の回転力
を受けて回転した場合には、係合片の根元近傍よりも先
端側の部位が回転部材によって押圧される。このとき、
回転部材がウエビング巻取方向へ回転した場合(係合片
の根元近傍が回転部材によって押圧されている)よりも
大きな曲げモーメントが係合片に作用している。解除部
は、ウエビング引出方向への回転力を受けて、プリテン
ショナーによるウエビング引出方向の回転阻止を解除す
るため、スプールはプリテンショナーに対して相対回転
可能となる。従って、この状態では、エネルギー吸収が
さらに続き、フォースリミッタの動作が続行され、ウエ
ビングの装着者への装着力が所定値以上とならない。
【0011】このように、ウエビング引出方向の回転力
でエネルギー吸収部材が変形した場合には、係合片の根
元近傍よりも先端側の部位が押圧されて係合片に大きな
曲げモーメントが作用し、解除部がプリテンショナーに
よるウエビング引出方向の回転阻止を解除するが、プリ
テンショナー作動時には係合片の根元近傍が押圧され、
解除部はウエビング引出方向の回転阻止を解除しないの
で、プリテンショナー作動時の引っ張り力を小さくする
ことなく、フォースリミッタ作動時の引っ張り荷重のみ
を小さくすることができる。
【0012】なお、解除部としては、スプールをプリテ
ンショナーに対して相対回転可能とするものであればど
のようなものでもよく、例えば、塑性変形部材、弾性変
形部材、破断部材、クラッチ、摩擦板等がある。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記解除部が、前記係合片の根元部
分に形成され、前記回転部材によって前記係合片の根元
近傍を押圧されたときには破断されず、根元近傍よりも
先端側の部位を押圧されたときには破断される強度とさ
れた破断部であることを特徴とする。
【0014】所定値以上の減速度が作用し、回転部材が
ウエビング巻取方向へ回転すると、回転部材は、連結部
材から突設された係合片の根元近傍を押圧するため、こ
の根元部分に形成された破断部に作用する曲げモーメン
トは小さくなり、実質的に、剪断力のみが作用する。破
断部は、この押圧による剪断力だけでは破断されない強
度とされているので、破断されることはなく、係合片が
回転部材に押圧されて連結部材が回転する。連結部材が
スプールに連結し、回転部材のウエビング巻取方向への
回転が連結部材を介してスプールに伝えられるので、ス
プールがウエビング巻取方向へ回転し、ウエビングが巻
き取られる。
【0015】ウエビング引出方向の回転力でエネルギー
吸収部材が変形した場合にこのウエビング引出方向への
回転力を受けて連結部材がウエビング引出方向へ回転す
ると、回転部材が係合片の根元近傍よりも先端側の部位
を押圧する。このため、破断部には、根元近傍が押圧さ
れた場合と比較して、より大きな曲げモーメントが作用
する(剪断力も作用する)。破断部は、この押圧による
曲げモーメントで破断される強度とされているので、破
断される。これにより、スプールがプリテンショナーか
ら分離されるので、スプールはプリテンショナーに対し
て自由に回転可能となる。
【0016】このように、回転部材がウエビング巻取方
向へ回転した場合には破断部の破断を回避し、連結部材
がスプールのウエビング引出方向の回転力を受けて回転
した場合には破断部を破断させることで、プリテンショ
ナー作動時の引っ張り力を小さくすることなく、フォー
スリミッタ作動時の引っ張り荷重のみを小さくすること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜図3には、本発明の一実施
の形態に係るウエビング巻取装置10が示されている。
【0018】ウエビング巻取装置10は、車両(図示省
略)に取り付けられるフレーム12を有している。フレ
ーム12には、一対の支持板14、16が平行に配置さ
れている。支持板14、16の間には、略円筒状に成形
され、軸方向両端から径方向に向かってフランジが突設
されたスプール18が配設されている。このスプール1
8にはウエビング20の一端が固着されて、ウエビング
20が巻き取られるようになっており、図1及び図2に
は、このようにウエビング20がスプール18に巻き取
られた状態が示されている。また、図3には、ウエビン
グ20がスプール18から引き出された状態が示されて
いる。
【0019】スプール18の内側には、スプール18の
中心軸と同軸にトーション部22が配設されている。ト
ーション部22は、スプール18の軸方向の長さより若
干長い略円柱状のトーションバー24を有している。ト
ーションバー24は金属等の塑性変形可能な材質で形成
されており、周方向に所定値以上の捩じり力が作用する
と塑性変形して捩じれる。
【0020】トーションバー24の一端側には、六角柱
状の挿入部24Aが形成されている。挿入部24Aは、
トーション部22を構成するプリテンション用シャフト
部26に形成された六角形の挿入孔34(図2及び図3
参照)に挿入されており、トーションバー24とプリテ
ンション用シャフト部26とが一体に回転する。
【0021】このプリテンション用シャフト部26は、
略円筒状に形成された被挟持部28と、被挟持部28よ
り小径で且つ被挟持部28と同軸的に一体形成された円
筒状のギヤ部30(図2及び図3参照)とを有してい
る。被挟持部28の外周には、トーションバー24の中
心軸方向と同方向が長手方向とされ、先端が鋭角的に尖
った複数の突起32(図1参照)が、周方向に所定間隔
で突設されている。突起32は、後述するドラム64の
挟持部66、68が被挟持部28を挟持したときにドラ
ム64の内面に食い込んで、ドラム64の空転を防止す
る。
【0022】ギヤ部30の外周には外歯ギヤ36が形成
されており、この外歯ギヤ36が、スプール18の内周
に形成された内歯ギヤ38と全周に亘ってかみ合って、
スプール18とプリテンション用シャフト部26とが一
体で回転する。従って、トーションバー24は、その一
端側で、プリテンション用シャフト部26を介してスプ
ール18と一体で回転する。
【0023】トーションバー24の他端側(図1左上
側、図2及び図3右側)には、トーション部22を構成
するロック用シャフト部40が配置されている。ロック
用シャフト部40は、略円筒状に形成され、六角形の挿
入孔44が一端側から軸方向に形成されると共に、外周
に雄ねじ46が切られた筒部42と、この筒部42の他
端側に形成されて挿入孔44を閉塞すると共に筒部42
の径方向外側に張り出す円板48及び、この円板48か
ら二股状に突出した被ロック片50で構成されている。
挿入孔44には、トーションバー24の他端に形成され
た六角柱状の挿入部24Bが挿入され、トーションバー
24とロック用シャフト部40とが一体に回転する。図
1では、この挿入部24Bが挿入孔44に挿入された状
態が示されている。
【0024】このようにして、トーションバー24の挿
入部24Bが挿入孔44に挿入された状態で、スプール
18を支持板14、16の間に配置し、支持板14側か
らプリテンション用シャフト部26の外歯ギヤ36をス
プール18の内歯ギヤ38にかみ合わせると共に、支持
板16側から、ロック用シャフト部40と一体とされた
トーションバー24をスプール18の内側に差し入れ
て、図2及び図3に示すように、トーションバー24が
スプール18内にスプール18と同軸的に配置される。
このとき、円板48の外周面のうち軸方向略中央から筒
部42側がスプール18の内周面に当接して、スプール
18の中心軸とトーションバー24の中心軸とが一致し
た状態でトーション部22が位置決めされる。また、円
板48の外周面のうち軸方向略中央から被ロック片50
側が、フレーム12の支持板16に、リング52を介し
て回転可能に支持される。また、プリテンション用シャ
フト部26のギヤ部30のうち外歯ギヤ36が形成され
ていない部分が、後述するカバードラム58に回転可能
に支持される。これにより、スプール18は、フレーム
12に回転可能に支持される。
【0025】筒部42の雄ねじ46には、略環状に形成
され周方向の一部が切りかけられると共に、内側に雌ね
じが切られた欠環リング54が螺合されている。トーシ
ョン部22がスプール18の内側に配設された状態で、
欠環リング54の周方向の端面54Aは、スプール18
の内周にスプール18の軸方向に沿って突設された突条
56(図2及び図3参照)に当接している。通常の状態
では、欠環リング54は雄ねじ46の一端側(プリテン
ション用シャフト部26側、図2に示す位置)にある
が、ロック用シャフト部40に対してスプール18が相
対的に回転すると、欠環リング54もスプール18と共
に回転し他端側(円板48側、図3に示す位置)に移動
する。この移動は、欠環リング54が円板48に当たっ
て止められ、ロック用シャフト部40に対するスプール
18の回転も止められる。
【0026】支持板16の外側(スプール18が配設さ
れる側と反対側、図2及び図3右側)には、慣性ロック
機構(図示省略)が設けられている。この慣性ロック機
構は、ウエビング巻取装置10が取り付けられた車両に
所定値以上の減速度が作用したり、ウエビング20が急
速に引き出されたりした場合に、ウエビング20引出方
向のトーション部22の回転が制止されるように被ロッ
ク片50をロックするが、ウエビング20巻取方向へは
被ロック片50をロックしない。
【0027】一方、支持板14の外側(図2及び図3左
側)には、トーションバー24の回転軸から径方向外側
に向かって階段状に拡径された収容部60、62を有す
るカバードラム58が固定されている。径の小さい方の
収容部60(支持板14に近い側)には、後述するワイ
ヤ94が巻き回されたドラム64が、トーションバー2
4と同軸に配置されている。
【0028】ドラム64は、ロック用シャフト部40や
プリテンション用シャフト部26よりも柔らかい金属
(一例としてアルミニウム等)で形成されている。ま
た、ドラム64は、図4に詳細に示すように、略半環状
の挟持部66、68が対向して略円筒を構成するように
配置されており、この状態で、挟持部66、68の周方
向両端の対応する部分同士が、挟持部66、68と一体
成形された略S字状の圧縮部70によって接続されてい
る。通常は、図5(A)に示すように、ドラム64が収
容部60(図2及び図3参照)に配置された状態で、挟
持部66、68の内面と、被挟持部28の突起32の先
端とは所定の僅かな隙間があいており、ドラム64は収
容部60内でプリテンション用シャフト部26と分離し
ているが、挟持部66、68に互いに接近する方向の力
が作用して圧縮部70(図4参照)が圧縮変形され、図
7(A)に示すように挟持部66、68が互いに接近す
ると、挟持部66、68は、被挟持部28を挟持する。
ドラム64は、プリテンション用シャフト部26よりも
柔らかい金属で形成されているので、突起32が挟持部
66、68の内面に食い込む。このため、ドラム64と
プリテンション用シャフト部26とが一体となって回転
する。
【0029】挟持部66の軸方向一端側の端面66Aに
は、周方向略中央から径方向外側に向かう略平板状の係
合片76が突設されている。係合片76の先端側には、
係合片76よりも幅広且つ厚肉の厚肉部76Bが形成さ
れて補強されている。また、係合片76の根元部分は破
断部72とされている。係合片76の先端(厚肉部76
B)またはその近傍に、ドラム64の周方向へ向かう所
定値以上の力が加わると、この破断部72は曲げモーメ
ントを受けて破断される。破断部72の破断により、係
合片76がドラム64から分離する。これに対し、破断
部72の根元近傍の位置において、ドラム64の周方向
の所定値以上の力が加わっても、このときに破断部72
が受ける曲げモーメントは、係合片76の先端(厚肉部
76B)またはその近傍に力が加わった場合よりも小さ
い。そして、この曲げモーメントでは、破断部72が破
断されないように、破断部72は所定の強度を有してい
る。
【0030】係合部76のさらに先端には、位置決め突
起73が形成されている。また、挟持部68の軸方向一
端側の端面66には、位置決め突起74が形成されてい
る。図5(A)に示すように、ウエビング巻取装置10
の組付状態で、後述するドライブプレート80の収容凹
部106、108に位置決め突起73、74が収容され
る。これにより、ドラム64がカバードラム58に対し
て径方向に位置決めされる。
【0031】挟持部66、68の軸方向他端側には、外
側に突出するフランジ78が形成されて、挟持部66、
68が補強されている。
【0032】カバードラム58の外側(支持板14の反
対側、図2及び図3左側)には、略円板状のドライブプ
レート80が配置され、カバードラム58から立設され
たリブ59に外周3か所を包囲されて、トーションバー
24と同軸的に、且つ回転可能となっている。図5
(A)にも示すように、ドライブプレート80の中央に
は、ドラム64が挿入される挿入孔82が形成されてお
り、ドラム64が挿入されると、挟持部66の端面66
A及び挟持部68の端面68Aがドライブプレート80
に当たってドラム64が軸方向に位置決めされる。
【0033】挿入孔82には、径方向外側に向かうに従
って次第に幅拡となる略扇形状の収容部110が形成さ
れている。この収容部110に、係合片76が収容され
ている。また、収容部110には、ドラム64に対して
カバードラム58が相対的にウエビング巻取方向に回転
した場合に、係合片76の根元近傍(破断部72の近
傍)を押圧する押圧部112が形成されている。
【0034】さらに、収容部110の先端部分には、位
置決め突起73を収容する収容凹部106が形成されて
いる。また、挿入孔82に対して収容部110と軸対称
の位置には、位置決め突起74を収容する収容凹部10
8が形成されている。
【0035】ドライブプレート80には、ワイヤ94の
一端に取り付けられた筒体がはめ込まれて固着される固
着部84が形成されている。固着部84に一端が固着さ
れたワイヤ94は、ドラム64の周囲に複数回(本実施
の形態ではほぼ2回)巻き回され、他端側が、フレーム
12に設けられたシリンダ86内のピストン88(図5
(A)参照)に巻きかけられて、シリンダ86の外部に
固着されている。ウエビング巻取装置10が取り付けら
れた車両に所定値以上の減速度が作用したことをセンサ
(図示省略)が検知すると、フレーム12に設けられた
ベースカートリッジ90内のガスジェネレータ(図示省
略)が作動して、図6(B)、図7(B)、図8(B)
及び図9(B)に示すようにピストン88を急速にシリ
ンダ86の奥に向かって移動させる。このピストン88
の移動によりワイヤ94が急速に引き込まれ、ドライブ
プレート80に回転力を作用させる。
【0036】図1及び図5(A)に示すように、フレー
ム12からは、カバードラム58を貫通してシェアピン
92が突設されており、このシェアピン92が、ドライ
ブプレート80に形成された凹部101に係合している
ため、通常は、ウエビング20巻取方向(図5(A)矢
印A方向)にドライブプレート80は回転しないが、ワ
イヤ94が急速にシリンダ86内に引き込まれてドライ
ブプレート80に所定値以上の回転力が作用すると、シ
ェアピン92が凹部101に押されて破断され、ドライ
ブプレート80が回転する。
【0037】ドライブプレート80の外側には、略環状
のストッパプレート96が配置されている。ストッパプ
レート96は、図示しない位置決め部材によって、トー
ションバーと同軸的に、且つトーションバー24の中心
軸J(図1参照)を中心として回転可能に支持されてい
る。(なお、図2及び図3では、図示の便宜上、このス
トッパプレート96及び後述するカバープレート102
を省略している。)ストッパプレート96からは、径方
向外側に向かって延出され、先端部分がドライブプレー
ト80側に向かって略直角に折り曲げられた移動突起9
8が形成されている。移動突起98の先端は、ドライブ
プレート80の周方向に沿って略円弧状にくり抜かれた
長溝100内に位置しており、ストッパプレート96と
ドライブプレート80との相対回転によって、移動突起
98が長溝100内を移動する。長溝100の中心角は
約150°に設定されており、ストッパプレート96と
ドライブプレート80とは、約150°相対回転する。
【0038】ストッパプレート96には、移動突起98
よりもウエビング巻取方向後方側(図5矢印A方向側)
に向かって突出する押圧片114が形成されている。押
圧片114は略楔状で、先端の位置が、組付け状態で、
係合片76の先端に側面から当接可能な位置となるよう
に形成されている。図7(A)に示すように、移動突起
98が後述するストッパ突起104に当たって、ストッ
パプレート96のウエビング引き出し方向(矢印B方
向)の回転が止められた状態で、さらにドラム64がウ
エビング引き出し方向に回転しようとすると、係合片7
6の先端部分が押圧片114の先端に押圧される。これ
により、係合片76の破断部72に、剪断力に加えて大
きな曲げモーメントが作用し、係合片76が破断部72
で破断されるようになっている。
【0039】ストッパプレート96のさらに外側には、
カバープレート102が配置されて、カバードラム58
に固定されている。このカバープレート102によっ
て、ドラム64、ドライブプレート80及びストッパプ
レート96がカバードラム58の収容部60、62に収
容された状態が維持される。
【0040】カバープレート102からは、ストッパプ
レート96に向かってストッパ突起104が突設されて
いる。このストッパ突起104は、移動突起98には当
たるが、長溝100内には入り込まない長さとされてい
る。図5(A)に示すように、ウエビング巻取装置10
に所定値以上の減速度が作用していないときには、スト
ッパ突起104の紙面右下側(ウエビング20巻取方向
側)にストッパプレート96の移動突起98が位置し、
さらにその紙面右下側に、ドライブプレート80の長溝
100の一端壁100Aが位置している。
【0041】また、ワイヤ94がシリンダ86内に引き
込まれ、ドライブプレート80がウエビング巻き取り方
向(図5(A)矢印A方向)に回転すると、押圧部11
2が係合片76の根元近傍を押圧するため、図8(A)
に示すように、ドラム64も回転する。さらにドライブ
プレート80が回転すると、図9(A)に示すように、
ドラム64の回転は、押圧片114がストッパ突起10
4に当たって止められるが、移動突起98が長溝100
内に収容されているため、さらにストッパプレート96
が回転する。そして、ワイヤ94がピストン88により
シリンダ86内に引き込まれ、ピストン88がシリンダ
86内で底付きして、ワイヤ94の引き込みが完了し、
ドライブプレート80の回転が止まる。
【0042】このように、ドライブプレート80は回転
初期でストッパプレート96と共に約360°回転し、
次に、ドライブプレート80のみが約150°回転する
ので、回転開始から回転終了まで、約510°回転す
る。なお、長溝100の長さを変えることでドライブプ
レート80とストッパプレート96との相対回転の回転
量を変えて、ドライブプレート80の回転量を変更する
ことができる。また、ドライブプレート80の回転途中
では、移動突起98は長溝100内のどの位置にあって
もよく、ドライブプレート80が回転開始から回転終了
まで、約510°回転すればよい。
【0043】次に、本実施の形態に係るウエビング巻取
装置10の動作及び作用を説明する。
【0044】通常の状態、すなわち、ウエビング巻取装
置10が取り付けられた車両の減速度が所定値に満たな
い場合には、図示しない慣性ロック機構は被ロック片5
0をロックしていない。ベースカートリッジ90内のガ
スジェネレータも作動していないため、ワイヤ94がシ
リンダ86内に引き込まれることもない。このため、ス
プール18(図1〜図3参照)は自由に回転し、ウエビ
ング20の引き出し、巻き取りができる。
【0045】車両に所定値以上の減速度が作用すると、
慣性ロック機構がウエビング20引出方向(図5(A)
矢印B方向)への被ロック片50の回転をロックするた
め、トーション部22と共に回転するスプール18も、
ウエビング20引出方向への回転をロックされ、ウエビ
ング20をそれ以上引き出せなくなる。
【0046】また、ガスジェネレータが作動し、図6
(B)に示すように、ピストン88をシリンダ86の奥
側に向かって移動させるため、ワイヤ94がシリンダ8
6内に急速に引き込まれる。ここで、ドライブプレート
80は、シェアピン92により回転を止められているの
で回転しない。また、位置決め突起73、74が収容凹
部106、108に収容されているので、ドラム64も
回転しない。このため、ワイヤ94が巻き付けられたド
ラム64は、このワイヤによって急激に巻き締められて
圧縮部70(図4参照)が圧縮変形し、図6(A)に示
すように、挟持部66、68が互いに接近してプリテン
ション用シャフト部26の被挟持部28を挟持する。こ
のとき、ワイヤ94は、図6(A)においてドラム64
の図面上側部分を先ず巻き締めるため、ドラム64の軸
心は、被挟持部28の軸心からずれて、図6(A)略下
側へ移動し、図面下側部分よりも先に図面上側部分が被
挟持部28に食いつく。この移動により、位置決め突起
73、74も収容凹部106、108に対して図6
(A)下側へ移動するため、位置決め突起73、74が
破断される。図7(B)に示すように、さらにワイヤ9
4がシリンダ86内に引き込まれると、図7(A)に示
すように、ドラム64の下側部分も被挟持部74に食い
つき、ドラム64が全周に亘って被挟持部74に食いつ
いて、ドラム64とプリテンション用シャフト部26と
が一体となる。このとき、ドラム64の軸心は被挟持部
74の軸心と再び一致することになる。
【0047】さらにワイヤ94がシリンダ86内に引き
込まれると、ドライブプレート80に回転力が作用し、
凹部101がシェアピン92を押圧して破断させる。こ
れによって、図8(A)に示すように、ドライブプレー
ト80がウエビング巻取方向(矢印A方向)に回転す
る。ドラム64の係合片76がドライブプレート80の
収容部110に収容されており、押圧部112が係合片
76の根元近傍位置を押圧するため、破断部72に作用
する曲げモーメントは非常に小さくなり、破断部72に
は、実質的に剪断力のみが作用する。破断部72の強度
はこの剪断力によっては破断されない強度とされている
ため、破断部72が破断されることはなく、ドラム64
がドライブプレート80と一体でウエビング引き出し方
向に回転する。
【0048】プリテンション用シャフト部26のギヤ部
30に形成された外歯ギヤ36はスプール18の内周の
内歯ギヤ38と係合しており、且つ、図示しない慣性ロ
ック機構は、ロック用シャフト部40のウエビング20
巻取方向(矢印A方向)の回転をロックしていないの
で、ドラム64の回転により、プリテンション用シャフ
ト部26を介して、スプール18がウエビング20巻取
方向(矢印A方向)に回転する。図9(B)に示すよう
に、ピストン88がシリンダ86内を奥まで移動し、ワ
イヤ94が最もシリンダ86内に引き込まれたときに、
図9(A)に示すように、ドライブプレート80が初期
状態から約510°回転して、ウエビング20を最も緊
張させる。これにより、ウエビング20の装着者にウエ
ビング20が弛みなく装着される。
【0049】次に、ウエビング20の装着者の慣性力で
ウエビング20に所定値以上の引き出し力が作用する
と、この力がスプール18に、ウエビング20引出方向
(図10(A)矢印B方向)への回転力として作用す
る。ここで、図示しない慣性ロック機構は、ロック用シ
ャフト部40のウエビング20引出方向への回転をロッ
クしているため、ロック用シャフト部40の挿入孔44
に他端側の挿入部24Bが挿入されたトーションバー2
4も、この他端側で回転をロックされている。一方、ト
ーションバー24の一端側の挿入部24Aはプリテンシ
ョン用シャフト部26に挿入されており、プリテンショ
ン用シャフト部26は、外歯ギヤ36と内歯ギヤ38と
の係合により、スプール18と一体に回転する。スプー
ル18の回転力がプリテンション用シャフト部26を介
してトーションバー24に伝わり、トーションバー24
が塑性変形して捩じられ始めて、ウエビング20に所定
値以上の引っ張り力が作用しないようにするフォースリ
ミッタの作用を始める。
【0050】このとき、スプール18がロック用シャフ
ト部40に対して回転すると、欠環リング54の端面5
4Aが突条56に押されて欠環リング54が回転し、円
板48に向かって移動し始める。
【0051】また、プリテンション用シャフト部26の
被挟持部28に食いついたドラム64もウエビング20
引出方向(図9(A)矢印B方向)に回転するため、ド
ライブプレート80もウエビング20引出方向に回転
し、ワイヤ94がシリンダ86内で引っ張られて、図1
0(B)に示すように、ピストン88がシリンダ86内
を図面左側へ移動する。
【0052】このとき、図10(A)に示すように、ド
ラム64が係合片76の根元近傍位置において、ドライ
ブプレート80の押圧部112を押圧するため、ドラム
64とドライブプレート80とが一体で、ウエビング2
0引出方向(矢印B方向)に回転する。また、長溝10
0に移動突起98が収容されているため、ドライブプレ
ート80は、ストッパプレート96に対しても相対的
に、ウエビング20引出方向(矢印B方向)に回転す
る。
【0053】図11(A)に示すように、ドライブプレ
ート80がほぼ初期状態(図5(A)に示す状態)と同
じ状態まで回転し、移動突起98がストッパ突起104
に当たると、ストッパプレート96の回転が止められ
る。この状態でさらにスプール18にウエビング20引
出方向(矢印B方向)の回転力が作用すると、ドラム6
4がウエビング20引出方向に回転しようとするため、
係合片76の先端部分が、押圧片114の先端に押圧さ
れる。これにより、係合片76の破断部72に、剪断力
に加えて大きな曲げモーメントが作用するため、図12
(A)に示すように、係合片76が破断部72で破断さ
れる。
【0054】これにより、図13(A)に示すように、
プリテンション用シャフト部26がドライブプレート8
0から分離され、ドライブプレート80に対して相対的
に回転可能となるので、トーションバー24がさらに捩
じられてフォースリミッタの作動を続け、スプール18
がウエビング20引出方向に回転する。そして、ウエビ
ング20の引き出しによってスプール18を介してプリ
テンション用シャフト部26に作用する回転力と、トー
ションバー24の捩じり反力が釣り合うまで、トーショ
ンバー24が捩じり変形される。
【0055】図14(A)に示すように、トーションバ
ー24の捩じり変形による回転角に対応して挟持部7
6、プリテンション用シャフト部26及びスプール18
(図1〜図3参照)も回転してウエビング20が引き出
され、ウエビング20に加わる引っ張り荷重が所定値以
上にならないようにするフォースリミッタの作用をす
る。
【0056】なお、スプール18に作用する回転力が大
きい場合には、図3に示すように、円板48に向かって
移動した欠環リング54が円板48に当り、欠環リング
54はそれ以上移動及び回転をしなくなる。これによっ
て、スプール18の回転も止められるので、トーション
バー24の過度の捩じり変形が阻止され、トーションバ
ー24がねじ切れてしまうのを防止する。また、このよ
うに、欠環リング54が回転して円板48に当たること
でスプール18の回転を止めることができるので、欠環
リング54の初期位置を調整することにより、ロック用
シャフト部40に対するスプール18の相対的な回転量
を変えることができる。これにより、トーションバー2
4の捩じり量を調整して、フォースリミッタ作動時のウ
エビング20の引き出し量を調整することができる。
【0057】このように、本実施の形態に係るウエビン
グ巻取装置10では、ドラム64がプリテンション用シ
ャフト部26を挟持した後にウエビング20引出方向の
回転力がスプール18に作用すると、ドラム64の破断
部72が破断され、プリテンション用シャフト部26が
プリテンショナーのドライブプレート80に対して相対
回転可能となるので、トーションバー24を十分に捩じ
り変形させてフォースリミッタの作用を行わせることが
できる。
【0058】また、プリテンション動作においては、係
合片76の根元近傍が押圧されるようにしたことで、押
圧力を大きくしても破断部72に作用する曲げモーメン
トは小さくなり、破断部72が破断されることはない。
これに対し、フォースリミッタ動作においては、係合片
76の先端が押圧されるようにしたことで、小さな押圧
力で、破断部72に大きな曲げモーメントを作用させ
て、破断部72を破断することができる。このため、プ
リテンショナー作動時のウエビング20に対する引っ張
り力を小さくすることなく、フォースリミッタ作動時の
引っ張り荷重(解除荷重)のみを小さくすることができ
る。
【0059】なお、解除部としては、上記した破断部7
2に限られず、プリテンショナーによるウエビング20
引出方向の回転の荷重ではプリテンショナーとスプール
18とを一体とし、ウエビング18引出方向の荷重では
スプール18をプリテンショナーに対して相対回転可能
とするようなものであれば、種々の構成を採りうる。例
えば、破断部72に変えて、塑性変形あるいは弾性変形
する変形部を形成し、係合片76に作用したせん断力や
曲げ力等によってこの変形部が変形されて、プリテンシ
ョナーによるウエビング20引出方向の回転阻止を解除
し、プリテンション用シャフト部26がプリテンショナ
ーのドライブプレート80に対して相対回転可能とされ
るようにしてもよい。また、係合片76に代えて、ドラ
ム64の外周とドライブプレート80の挿入孔82の内
周に相互に係合しあうギヤを形成し、このギヤが潰され
ることで、プリテンション用シャフト部26をドライブ
プレート80に対して相対回転可能とするようにしても
よい。さらに、クラッチや摩擦板等でもよい。
【0060】また、エネルギー吸収部材としても、上記
したトーションバー24に限られず、ウエビング20引
出方向へのスプール18の回転で変形したり、摩擦を生
じさせた、粘性流体を流動させたりして運動エネルギー
を吸収し、ウエビング20の張力増大を防ぐものであれ
ばよい。例えば、スプール18の回転によってスプール
18の軸方向に移動し、この移動が変形や摩擦等により
抵抗を受けることでウエビング20の張力増大を防ぐも
のでもよい。さらに、これらのエネルギー吸収部材は、
スプール18と同軸でなくてもよい。
【0061】さらに、上記説明では、所定値以上の減速
度を検知するとウエビング20引出方向のスプール18
の回転をロックし、ウエビング20巻取方向にのみ回転
を許容するロック部が、スプール18の他端に設けられ
ている場合を挙げたが、このロック部は必ずしも必要で
はなく、例えば、減速度の大小に関わらすウエビング2
0の装着後は引出方向のスプール18の回転をロック
し、ウエビング20巻取方向にのみ回転を許容するよう
なものであってもよい。また、スプール18の回転をロ
ックできれば、スプール18の他端に設けられている必
要はなく、エネルギー吸収部材を介してスプール18へ
取り付けられていればよい。
【0062】加えて、上記説明では、トーションバー2
4が、スプール18の一端側に取り付けられたプリテン
ション用シャフト部26を介してスプールと共に回転す
る場合を示したが、トーションバー24、スプール18
及びプリテンション用シャフト部26の連結構造は、こ
れに限られす、スプール18にプリテンション用シャフ
ト部26又はプリテンショナーが連結されると共に、こ
れと別途にスプール18にトーションバー24が取り付
けられていればよい。例えば、トーションバー24がス
プール18の他端側に取り付けられてスプール18と共
に回転してもよい。
【0063】また、車両急減速時のプリテンション動作
において、ウエビング20巻取方向に回転したドライブ
プレート80がドラム64を押圧する位置や、フォース
リミッタ動作途中において、ストッパプレート96が係
合片76を押圧する位置は、必ずしも上記した位置(係
合片76の根元近傍及び先端近傍)に限られず、これら
の位置は、相対的な関係において決定される。すなわ
ち、プリテンション動作でドライブプレート80がドラ
ム64を押圧する位置が、フォースリミッタ動作途中で
ストッパプレート96が係合片76を押圧する位置より
も、破断部72に近ければ、プリテンション動作で破断
部72に作用する曲げモーメントを、フォースリミッタ
動作途中に破断部72に作用する曲げモーメントより小
さくすることができる。このため、破断部72の強度
を、プリテンション動作で作用する曲げモーメントでは
破断されず、フォースリミッタ動作途中で作用した曲げ
モーメントでは破断されるように設定することが可能と
なる。また、このような条件を満たしていれば、係合片
76の突出方向もドラム64の径方向外側には限られ
ず、例えば、ドラム64の軸方向に突出していてもよ
い。
【0064】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、ウエビング
が巻装されるスプールと、車両急減速時に前記スプール
へ前記ウエビング引出方向の回転力が作用した場合にス
プールによって変形されウエビング張力増大を防ぐエネ
ルギー吸収部材と、所定値以上の減速度が作用すると前
記ウエビング巻取方向へ回転する回転部材と、前記回転
部材と一体で回転可能とされ、所定値以上の減速度が作
用すると前記スプールへ連結する連結部材と、前記連結
部材から突出され、前記回転部材が前記ウエビング巻取
方向へ回転した場合には回転部材によって根元近傍を押
圧され、連結部材が前記スプールの前記ウエビング引出
方向の回転力を受けて回転した場合には根元近傍よりも
先端側の部位を押圧される係合片と、を備えたプリテン
ショナーと、前記ウエビング引出方向の回転力でエネル
ギー吸収部材が変形し前記回転部材によって前記係合片
の前記根元近傍よりも先端側の部位が押圧された場合に
このウエビング引出方向への回転力を受け、前記プリテ
ンショナーによるウエビング引出方向の回転阻止を解除
する解除部と、を有するので、プリテンショナー作動時
の引っ張り力を小さくすることなく、フォースリミッタ
作動時の引っ張り荷重のみを小さくすることができる。
【0065】請求項2に記載に発明では、請求項1に記
載の発明において、前記解除部が、前記係合片の根元部
分に形成され、前記回転部材によって前記係合片の根元
近傍を押圧されたときには破断されず、根元近傍よりも
先端側の部位を押圧されたときには破断される強度とさ
れた破断部であるので、回転部材がウエビング巻取方向
へ回転した場合には破断部の破断を回避し、連結部材が
スプールのウエビング引出方向の回転力を受けて回転し
た場合には破断部を破断させて、プリテンショナー作動
時の引っ張り力を小さくすることなく、フォースリミッ
タ作動時の引っ張り荷重のみを小さくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置を軸を含む平面で切断した断面図である。
【図3】図2に示す状態からウエビングが引き出された
状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置のドラムを示す斜視図である。
【図5】(A)は本発明の一実施の形態に係るウエビン
グ巻取装置の主要部を示す側面図であり、(B)は本発
明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置のシリンダ
ーを示す断面図である。
【図6】(A)は図5(A)からドラムがプリテンショ
ン用シャフト部に食いついた状態を示す主要部の側面図
であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断面図
である。
【図7】(A)は図6(A)からドライブプレートがウ
エビング巻取方向に回転した状態を示す主要部の側面図
であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断面図
である。
【図8】(A)は図7(A)からドライブプレートがウ
エビング巻取方向に回転した状態を示す主要部の側面図
であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断面図
である。
【図9】(A)は図8(A)からドライブプレートがウ
エビング巻取方向に回転した状態を示す主要部の側面図
であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断面図
である。
【図10】(A)は図9(A)からドライブプレートが
ウエビング引出方向に回転した状態を示す主要部の側面
図であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断面
図である。
【図11】(A)は図10(A)からドライブプレート
がウエビング引出方向に回転した状態を示す主要部の側
面図であり、(B)は、このときのシリンダーを示す断
面図である。
【図12】(A)は図11(A)からドライブプレート
がウエビング引出方向に回転し係合片の破断部が破断さ
れる途中の状態を示す主要部の側面図であり、(B)
は、このときのシリンダーを示す断面図である。
【図13】(A)は図12(A)からドライブプレート
がウエビング引出方向に回転し係合片の破断部が破断さ
れた状態を示す主要部の側面図であり、(B)は、この
ときのシリンダーを示す断面図である。
【図14】(A)は図13(A)からドラムの挟持部及
びプリテンション用シャフト部がウエビング引出方向に
回転した状態を示す主要部の側面図であり、(B)は、
このときのシリンダーの断面図である。
【図15】従来のウエビング巻取装置の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置 18 スプール 22 トーション部 24 トーションバー(エネルギー吸収部材) 26 プリテンション用シャフト部 40 ロック用シャフト部 64 ドラム(連結部材、プリテンショナー) 76 係合片(プリテンショナー) 76A 破断部(解除部) 80 ドライブプレート(回転部材、プリテンショ
ナー) 86 シリンダ(プリテンショナー) 88 ピストン(プリテンショナー) 94 ワイヤ(プリテンショナー) 96 ストッパプレート(回転部材、プリテンショ
ナー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−47923(JP,A) 特開 平9−226519(JP,A) 特開 平9−290707(JP,A) 特開 平4−92748(JP,A) 特開 平9−2203(JP,A) 特開 平9−193741(JP,A) 特開 平9−164911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 22/28 B60R 22/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエビングが巻装されるスプールと、 車両急減速時に前記スプールへ前記ウエビング引出方向
    の回転力が作用した場合にスプールによって変形されウ
    エビング張力増大を防ぐエネルギー吸収部材と、 所定値以上の減速度が作用すると前記ウエビング巻取方
    向へ回転する回転部材と、前記回転部材と一体で回転可
    能とされ、所定値以上の減速度が作用すると前記スプー
    ルへ連結する連結部材と、前記連結部材から突出され、
    前記回転部材が前記ウエビング巻取方向へ回転した場合
    には回転部材によって根元近傍を押圧され、連結部材が
    前記スプールの前記ウエビング引出方向の回転力を受け
    て回転した場合には根元近傍よりも先端側の部位を押圧
    される係合片と、を備えたプリテンショナーと、 前記ウエビング引出方向の回転力でエネルギー吸収部材
    が変形し前記回転部材によって前記係合片の前記根元近
    傍よりも先端側の部位が押圧された場合にこのウエビン
    グ引出方向への回転力を受け、前記プリテンショナーに
    よるウエビング引出方向の回転阻止を解除する解除部
    と、 を有することを特徴とするウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 前記解除部が、 前記係合片の根元部分に形成され、前記回転部材によっ
    て前記係合片の根元近傍を押圧されたときには破断され
    ず、根元近傍よりも先端側の部位を押圧されたときには
    破断される強度とされた破断部であることを特徴とする
    請求項1に記載のウエビング巻取装置。
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