JP3432569B2 - 脱穀機における扱胴伝動装置 - Google Patents
脱穀機における扱胴伝動装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は稲、麦又はその他の農作
物を脱穀処理する脱穀機の扱胴に関する。 【0002】 【従来技術】従来、扱室内に扱胴を軸架し、この扱胴と
平行な扱口に沿ってフィードチエンを設け、前記扱胴を
同じ長さの第1扱胴とそれに続く第2扱胴とにより構成
すると共に、前記第2扱胴を第1扱胴よりも一定の周速
差率で高速回転するように伝動装置に連動連結し、フィ
ードチェーンの伝動系を別途設けた自脱型脱穀機を特開
平3−127907号にて既に提案した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記既知の脱穀機は、
第1扱胴よりも、第2扱胴を高速に回転させることによ
り扱胴長さを過大にしなくとも確実にかつ高能率に脱粒
処理を行うことができる。しかし、前記第1扱胴と第2
扱胴の周速差は一定であったので、穀粒の損傷を極度に
嫌う種子収穫時にも第2扱胴が第1扱胴よりも高速に回
転駆動するため、収穫された種子が損傷して発芽率が低
下した。また、穀稈の脱粒性は品種により異なるにも拘
らず、増速比が一定であるので脱粒性の差に対する適切
な脱穀処理ができなかった。更に、第2扱胴は第1扱胴
より高速に回転駆動されているにも拘らず、フィードチ
ェーンは第2扱胴とは関係なく別個の伝動系により駆動
されていたので、第2扱胴の周速に対するフィードチェ
ーンの適切な搬送速度を得ることができなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、扱室内に扱胴
を軸架し、この扱胴と平行な扱口に沿ってフィードチエ
ンを設け、前記扱胴を前後に分割して前部のものを第1
扱胴、後部のものを第2扱胴とし、それらの第1扱胴と
第2扱胴を別々に回転駆動するようにした脱穀機におい
て、扱室の前部に伝動ケースを設け、該伝動ケース内
に、第1扱胴軸と第2扱胴軸とを同速に回転させる同期
回転駆動と第2扱胴軸が第1扱胴軸より高速に回転させ
る高速回転駆動に切り換える変速装置を設けることによ
り前述の課題を解決した。 【0005】 【作用】脱穀処理する穀稈等の収穫物の穂側を供給口か
ら扱室内に挿入し、株元る側はフィードチエンと挟扼レ
ールの始端に供給すると、穂部は低速回転する第1扱胴
により急速に脱粒処理され、次いで第2扱胴に移行して
更に脱穀処理される。その際、脱穀対象穀稈が、食用で
ある場合、変速装置により第2扱胴を第1扱胴よりも高
速に回転駆動すると、脱穀性能が向上する。また、種子
用である場合、変速装置を操作して第2扱胴を第1扱胴
と同一周速にすると、穀粒が損傷しないように脱穀処理
することができる。更に、脱粒性の悪い品種の穀稈を脱
穀処理する場合は、第2扱胴の増速率を更に大にし、脱
粒性の良い品種の穀稈を脱穀処理する場合は第2扱胴の
増速率を小にすると、扱ぎ残しを生ずることなく脱穀性
能を向上することができる。更にまた、フィードチェー
ンを第2扱胴に連動させたものでは、第2扱胴の周速の
変化に応じてフィードチェーンが自動的に変速されるこ
ととなり、第2扱胴の周速の変化に順応したフィードチ
ェーン速度を容易に得ることができる。 【0006】 【実施例】本発明の一実施例を図面に示すコンバイン用
の脱穀機について説明すると、1は扱室内に前後方向に
して軸架した扱胴であって、従来のものと同様、外周に
は多数の扱歯4・・・を植設し、扱室の前方には供給口
を、後方に排稈口を有し、扱口の外側にはフィードチェ
ーン2と挟扼レールからなる挟持搬送装置を設けてあ
る。 【0007】前記扱胴1は第1扱胴3と第2扱胴5とに
前後に分割してあり、この第2扱胴5の第2扱胴軸6
は、前壁8まで延出していて、その中間部は、剛性を高
めるべく長い大径の筒軸6aになっており、その延出部
は、筒軸からなる第1扱胴軸12に貫挿した状態で前端
部をベアリング10aで伝動ケース7に支承され、後部
は後壁8aにベアリング11を介して回転自在に支承
し、第1扱胴軸12は、その前端部を前記伝動ケース7
と第2扱胴軸6の前部に、後部を第2扱胴軸6の筒軸6
aにベアリング10,13,14を介して回転自在に支
承してある。 【0008】そして、第1扱胴3後端の1列の送り扱歯
4a・・及び第2扱胴5の前部の2列の送り扱歯4b・
・は脱穀処理しながら穀稈を後方の排稈口側へ移行させ
るリード角を有しており、それらの高さを、例えば、第
1列の送り扱歯4b・・は通常の扱歯4の高さの略1/
2とし、第2列の送り扱歯4b・・は通常の扱歯4と第
1列の送り扱歯4bとの中間の高さにする等、前部の送
り扱歯4bを順次低くする。その際、後部のものを通常
の扱歯4の高さまで順次高くするようにすれば3列以上
にしても良い。また、前部を第1扱胴3の後端外周部に
固定して後方へ延出させた大径のガイドリング19は、
その後部が第2扱胴5の前端部外周に近接して重合して
いるので、脱穀処理されながら後方へ移動する穀稈の穂
部は、ガイドリング19により第1扱胴3から第2扱胴
5へ誘導されることとなり、それらの間に藁屑や長藁等
が侵入して軸部に巻き付くのを防止している。 【0009】また、前記伝動ケース7の入力プーリー1
5を有する横方向の入力軸16は、傘歯車17,18を
介して前後方向の中間軸20に伝動し、それに一体回転
するように取付けた駆動大スプロケット21及び駆動小
スプロケット22は、第2扱胴軸6に回転自在に支承し
た従動小スプロケット23及び第1扱胴軸12にキー止
めして一体回転するようにした従動大スプロケット24
にチェーン25,26を介して連動連結され、上記従動
小スプロケット23と従動大スプロケット24の対向面
にクラッチ爪を設け、それらの間には爪クラッチ27を
摺動自在にスプライン嵌合させてあるので、該爪クラッ
チ27を従動小スプロケット23のクラッチ爪に噛合さ
せると、第2扱胴5は第1扱胴3よりも高速に回転し、
種子を収穫する場合のように穀粒が損傷するのを極度に
抑制するような場合は、爪クラッチ27を従動大スプロ
ケット24のクラッチ爪に噛合させると第2扱胴5は第
1扱胴3と同期して同速、つまり低速で回転する。 【0010】更に、第2扱胴5を高速回転させた場合、
第2扱胴軸6は、扱室の全長に亙るように長くしてあ
り、かつ、その中途部で第1扱胴軸12の後端部を支承
しており、この状態で第1扱胴3及び第2扱胴5の一側
に脱穀抵抗がかかるので、第2扱胴軸6は撓んで振動せ
んとする。しかし、その中間部は大径の筒軸6aとなっ
ているので、上記振動が極めて小さく、騒音の小さい状
態で確実な脱穀処理を行うことができる。 【0011】扱胴変速装置及びフィードチェーン変速装
置の他の例を、図2〜5について説明すると、ギヤケー
ス7aの横方向の入力軸16に取付けた入力プーリー1
5はエンジンプーリー(又は他のカウンタプーリー)に
より駆動され、該入力軸16の内端に固定した傘歯車3
0は、第1扱胴軸12の前端に固定した大傘歯車31に
噛合し、前記入力軸16と平行に変速従動軸32を設
け、この変速従動軸32に固定した大小の歯車33,3
4に、前記入力軸16に回転自在に装着するとともに対
向面にクラッチ爪を有する小大の歯車35,36を噛合
させ、それらの歯車35,36の間に介装した爪クラッ
チ37は入力軸16に摺動可能にスプライン嵌合させ、
変速従動軸32に固定した傘歯車38は第2扱胴軸6の
前端部に回転自在に装着した小傘歯車39に噛合してい
るので、該小傘歯車39と前記大傘歯車31との間に介
装した爪クラッチ40を小傘歯車39に噛合させた状態
で、前記爪クラッチ37を小径の歯車35のクラッチ爪
に噛合させると、第2扱胴軸6は大傘歯車31と小傘歯
車39の直径差により第1扱胴軸12より高速に回転駆
動(但し、第1速)される。また、前記爪クラッチ37
を大径の歯車34のクラッチ爪に噛合させると、第2扱
胴軸6が更に高速(第2速)に回転駆動される。更に、
前記爪クラッチ40を大傘歯車31に噛合させると、第
1扱胴軸12と第2扱胴軸6が一体回転する。 【0012】そして、前記第2扱胴軸6の後端に取付け
た変速カム41が付設された駆動割プーリー42と溝幅
を狭くするように押圧する圧縮スプリング43が付設さ
れた従動割りプーリー45にVベルト46を掛けて無段
変速装置を構成し、前記変速カム41のアーム47をロ
ッド48により変速レバー49に連動連結し、この変速
レバー49はコンバインの走行変速装置となるHST変
速装置50のトラニオンアーム51にもロッド52によ
り連動連結されているので、変速レバー49を高速側へ
傾動操作すると、それに連動して変速カム41が回動し
て駆動割プーリー42の溝幅を順次狭くするので、従動
割りプーリー45の溝幅が広くなり、従動軸28に取付
けた傘歯車29は、カウンターシャフト29a、チェー
ン33c、スプロケット33a,33b及びフィードチ
ェーン軸33dを介してフィードチェーン2を順次増速
し、前記カウンターシャフト29aの他端部は傘歯車及
び排藁軸53を介して排藁搬送装置54を増速する。作
業開始時には、フィードチェーン2の搬送速度を0.2
5m/secにした場合、機体が停止している状態から
変速レバー49を増速操作して車速が約0.6m/se
cになった時、フィードチェーン2の搬送速度が最大に
なって約0.6m/secになり、車速をそれ以上に増
速しても、変速カム41の爪41aが割プーリー42の
爪42aを一杯に押し出しているのでフィードチェーン
は増速されることがなく一定速度になる。即ち、走行開
始時に走行速度が増速するにつれてフィードチェーン速
度も所定速度になるまで順次連動して増速され、フィー
ドチェーン2の前記一定速度は、第2扱胴軸6に連動す
ることとなり、第2扱胴軸6を第1扱胴軸12と同期回
転させる場合は低速、第2扱胴軸6を高速回転させる場
合は高速になり、結局、脱穀処理に適したフィードチェ
ーン速度を自動的に得ることができる。 【0013】また、穀稈の株元部をフィードチェーン2
と挟扼レールとにより挟持搬送する間に、穂側は第1扱
胴3の後端から第2扱胴5の前端に移行するが、その
際、第2扱胴5の周速は第1扱胴3のそれより大になっ
ているので、第2扱胴5の前端の扱歯が扱歯4・・と同
じ高さでかつその逆V状面が端面と平行になっている
と、該扱歯4・・により形成される回転軌跡面により移
行を阻害され、それにより稈身方向が斜めの後退角を形
成することとなって、稈抜けや稈切れが多く発生する
が、第2扱胴5の第2列の送り扱歯4bは他の多数の扱
歯4・・よりも低く、第1列の送り扱歯4b・・はそれ
よりも更に低く、かつそれらの送り扱歯4b・・は、送
りを助長する進み角を有しているので、穂側を積極的に
寄せ送り、第1扱胴の後端の送り扱歯4a・・は、その
進み角により穂部を第2扱胴5の送り扱歯4b・・に向
けて強制的に押し出すこととなり、結局、第2扱胴5は
第1扱胴3よりも高速回転しているにも拘らず、穂側を
遅滞なく受け継がせることができる。 【0014】 【発明の効果】本発明は、扱室内に扱胴1を軸架し、こ
の扱胴1と平行な扱口に沿ってフィードチエン2を設
け、前記扱胴1を前後に分割して前部のものを第1扱胴
3、後部のものを第2扱胴5とし、それらの第1扱胴3
と第2扱胴5を別々に回転駆動するようにした脱穀機に
おいて、扱室の前部に伝動ケース7を設け、該伝動ケー
ス7内に、第1扱胴軸12と第2扱胴軸6とを同速に回
転させる同期回転駆動と第2扱胴軸が第1扱胴軸より高
速に回転させる高速回転駆動に切り換える変速装置を設
けたので、食用に供する穀粒を脱穀処理する時は、第2
扱胴5を第1扱胴3よりも高速に回転させて扱ぎ残しの
ない状態でかつ高能率に脱穀処理することができるもの
でありながら、第2扱胴5を第1扱胴3と同期回転させ
ることにより種子採取用穀稈を穀粒損傷が発生しない状
態で的確な脱穀処理を行うことができる。
物を脱穀処理する脱穀機の扱胴に関する。 【0002】 【従来技術】従来、扱室内に扱胴を軸架し、この扱胴と
平行な扱口に沿ってフィードチエンを設け、前記扱胴を
同じ長さの第1扱胴とそれに続く第2扱胴とにより構成
すると共に、前記第2扱胴を第1扱胴よりも一定の周速
差率で高速回転するように伝動装置に連動連結し、フィ
ードチェーンの伝動系を別途設けた自脱型脱穀機を特開
平3−127907号にて既に提案した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記既知の脱穀機は、
第1扱胴よりも、第2扱胴を高速に回転させることによ
り扱胴長さを過大にしなくとも確実にかつ高能率に脱粒
処理を行うことができる。しかし、前記第1扱胴と第2
扱胴の周速差は一定であったので、穀粒の損傷を極度に
嫌う種子収穫時にも第2扱胴が第1扱胴よりも高速に回
転駆動するため、収穫された種子が損傷して発芽率が低
下した。また、穀稈の脱粒性は品種により異なるにも拘
らず、増速比が一定であるので脱粒性の差に対する適切
な脱穀処理ができなかった。更に、第2扱胴は第1扱胴
より高速に回転駆動されているにも拘らず、フィードチ
ェーンは第2扱胴とは関係なく別個の伝動系により駆動
されていたので、第2扱胴の周速に対するフィードチェ
ーンの適切な搬送速度を得ることができなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、扱室内に扱胴
を軸架し、この扱胴と平行な扱口に沿ってフィードチエ
ンを設け、前記扱胴を前後に分割して前部のものを第1
扱胴、後部のものを第2扱胴とし、それらの第1扱胴と
第2扱胴を別々に回転駆動するようにした脱穀機におい
て、扱室の前部に伝動ケースを設け、該伝動ケース内
に、第1扱胴軸と第2扱胴軸とを同速に回転させる同期
回転駆動と第2扱胴軸が第1扱胴軸より高速に回転させ
る高速回転駆動に切り換える変速装置を設けることによ
り前述の課題を解決した。 【0005】 【作用】脱穀処理する穀稈等の収穫物の穂側を供給口か
ら扱室内に挿入し、株元る側はフィードチエンと挟扼レ
ールの始端に供給すると、穂部は低速回転する第1扱胴
により急速に脱粒処理され、次いで第2扱胴に移行して
更に脱穀処理される。その際、脱穀対象穀稈が、食用で
ある場合、変速装置により第2扱胴を第1扱胴よりも高
速に回転駆動すると、脱穀性能が向上する。また、種子
用である場合、変速装置を操作して第2扱胴を第1扱胴
と同一周速にすると、穀粒が損傷しないように脱穀処理
することができる。更に、脱粒性の悪い品種の穀稈を脱
穀処理する場合は、第2扱胴の増速率を更に大にし、脱
粒性の良い品種の穀稈を脱穀処理する場合は第2扱胴の
増速率を小にすると、扱ぎ残しを生ずることなく脱穀性
能を向上することができる。更にまた、フィードチェー
ンを第2扱胴に連動させたものでは、第2扱胴の周速の
変化に応じてフィードチェーンが自動的に変速されるこ
ととなり、第2扱胴の周速の変化に順応したフィードチ
ェーン速度を容易に得ることができる。 【0006】 【実施例】本発明の一実施例を図面に示すコンバイン用
の脱穀機について説明すると、1は扱室内に前後方向に
して軸架した扱胴であって、従来のものと同様、外周に
は多数の扱歯4・・・を植設し、扱室の前方には供給口
を、後方に排稈口を有し、扱口の外側にはフィードチェ
ーン2と挟扼レールからなる挟持搬送装置を設けてあ
る。 【0007】前記扱胴1は第1扱胴3と第2扱胴5とに
前後に分割してあり、この第2扱胴5の第2扱胴軸6
は、前壁8まで延出していて、その中間部は、剛性を高
めるべく長い大径の筒軸6aになっており、その延出部
は、筒軸からなる第1扱胴軸12に貫挿した状態で前端
部をベアリング10aで伝動ケース7に支承され、後部
は後壁8aにベアリング11を介して回転自在に支承
し、第1扱胴軸12は、その前端部を前記伝動ケース7
と第2扱胴軸6の前部に、後部を第2扱胴軸6の筒軸6
aにベアリング10,13,14を介して回転自在に支
承してある。 【0008】そして、第1扱胴3後端の1列の送り扱歯
4a・・及び第2扱胴5の前部の2列の送り扱歯4b・
・は脱穀処理しながら穀稈を後方の排稈口側へ移行させ
るリード角を有しており、それらの高さを、例えば、第
1列の送り扱歯4b・・は通常の扱歯4の高さの略1/
2とし、第2列の送り扱歯4b・・は通常の扱歯4と第
1列の送り扱歯4bとの中間の高さにする等、前部の送
り扱歯4bを順次低くする。その際、後部のものを通常
の扱歯4の高さまで順次高くするようにすれば3列以上
にしても良い。また、前部を第1扱胴3の後端外周部に
固定して後方へ延出させた大径のガイドリング19は、
その後部が第2扱胴5の前端部外周に近接して重合して
いるので、脱穀処理されながら後方へ移動する穀稈の穂
部は、ガイドリング19により第1扱胴3から第2扱胴
5へ誘導されることとなり、それらの間に藁屑や長藁等
が侵入して軸部に巻き付くのを防止している。 【0009】また、前記伝動ケース7の入力プーリー1
5を有する横方向の入力軸16は、傘歯車17,18を
介して前後方向の中間軸20に伝動し、それに一体回転
するように取付けた駆動大スプロケット21及び駆動小
スプロケット22は、第2扱胴軸6に回転自在に支承し
た従動小スプロケット23及び第1扱胴軸12にキー止
めして一体回転するようにした従動大スプロケット24
にチェーン25,26を介して連動連結され、上記従動
小スプロケット23と従動大スプロケット24の対向面
にクラッチ爪を設け、それらの間には爪クラッチ27を
摺動自在にスプライン嵌合させてあるので、該爪クラッ
チ27を従動小スプロケット23のクラッチ爪に噛合さ
せると、第2扱胴5は第1扱胴3よりも高速に回転し、
種子を収穫する場合のように穀粒が損傷するのを極度に
抑制するような場合は、爪クラッチ27を従動大スプロ
ケット24のクラッチ爪に噛合させると第2扱胴5は第
1扱胴3と同期して同速、つまり低速で回転する。 【0010】更に、第2扱胴5を高速回転させた場合、
第2扱胴軸6は、扱室の全長に亙るように長くしてあ
り、かつ、その中途部で第1扱胴軸12の後端部を支承
しており、この状態で第1扱胴3及び第2扱胴5の一側
に脱穀抵抗がかかるので、第2扱胴軸6は撓んで振動せ
んとする。しかし、その中間部は大径の筒軸6aとなっ
ているので、上記振動が極めて小さく、騒音の小さい状
態で確実な脱穀処理を行うことができる。 【0011】扱胴変速装置及びフィードチェーン変速装
置の他の例を、図2〜5について説明すると、ギヤケー
ス7aの横方向の入力軸16に取付けた入力プーリー1
5はエンジンプーリー(又は他のカウンタプーリー)に
より駆動され、該入力軸16の内端に固定した傘歯車3
0は、第1扱胴軸12の前端に固定した大傘歯車31に
噛合し、前記入力軸16と平行に変速従動軸32を設
け、この変速従動軸32に固定した大小の歯車33,3
4に、前記入力軸16に回転自在に装着するとともに対
向面にクラッチ爪を有する小大の歯車35,36を噛合
させ、それらの歯車35,36の間に介装した爪クラッ
チ37は入力軸16に摺動可能にスプライン嵌合させ、
変速従動軸32に固定した傘歯車38は第2扱胴軸6の
前端部に回転自在に装着した小傘歯車39に噛合してい
るので、該小傘歯車39と前記大傘歯車31との間に介
装した爪クラッチ40を小傘歯車39に噛合させた状態
で、前記爪クラッチ37を小径の歯車35のクラッチ爪
に噛合させると、第2扱胴軸6は大傘歯車31と小傘歯
車39の直径差により第1扱胴軸12より高速に回転駆
動(但し、第1速)される。また、前記爪クラッチ37
を大径の歯車34のクラッチ爪に噛合させると、第2扱
胴軸6が更に高速(第2速)に回転駆動される。更に、
前記爪クラッチ40を大傘歯車31に噛合させると、第
1扱胴軸12と第2扱胴軸6が一体回転する。 【0012】そして、前記第2扱胴軸6の後端に取付け
た変速カム41が付設された駆動割プーリー42と溝幅
を狭くするように押圧する圧縮スプリング43が付設さ
れた従動割りプーリー45にVベルト46を掛けて無段
変速装置を構成し、前記変速カム41のアーム47をロ
ッド48により変速レバー49に連動連結し、この変速
レバー49はコンバインの走行変速装置となるHST変
速装置50のトラニオンアーム51にもロッド52によ
り連動連結されているので、変速レバー49を高速側へ
傾動操作すると、それに連動して変速カム41が回動し
て駆動割プーリー42の溝幅を順次狭くするので、従動
割りプーリー45の溝幅が広くなり、従動軸28に取付
けた傘歯車29は、カウンターシャフト29a、チェー
ン33c、スプロケット33a,33b及びフィードチ
ェーン軸33dを介してフィードチェーン2を順次増速
し、前記カウンターシャフト29aの他端部は傘歯車及
び排藁軸53を介して排藁搬送装置54を増速する。作
業開始時には、フィードチェーン2の搬送速度を0.2
5m/secにした場合、機体が停止している状態から
変速レバー49を増速操作して車速が約0.6m/se
cになった時、フィードチェーン2の搬送速度が最大に
なって約0.6m/secになり、車速をそれ以上に増
速しても、変速カム41の爪41aが割プーリー42の
爪42aを一杯に押し出しているのでフィードチェーン
は増速されることがなく一定速度になる。即ち、走行開
始時に走行速度が増速するにつれてフィードチェーン速
度も所定速度になるまで順次連動して増速され、フィー
ドチェーン2の前記一定速度は、第2扱胴軸6に連動す
ることとなり、第2扱胴軸6を第1扱胴軸12と同期回
転させる場合は低速、第2扱胴軸6を高速回転させる場
合は高速になり、結局、脱穀処理に適したフィードチェ
ーン速度を自動的に得ることができる。 【0013】また、穀稈の株元部をフィードチェーン2
と挟扼レールとにより挟持搬送する間に、穂側は第1扱
胴3の後端から第2扱胴5の前端に移行するが、その
際、第2扱胴5の周速は第1扱胴3のそれより大になっ
ているので、第2扱胴5の前端の扱歯が扱歯4・・と同
じ高さでかつその逆V状面が端面と平行になっている
と、該扱歯4・・により形成される回転軌跡面により移
行を阻害され、それにより稈身方向が斜めの後退角を形
成することとなって、稈抜けや稈切れが多く発生する
が、第2扱胴5の第2列の送り扱歯4bは他の多数の扱
歯4・・よりも低く、第1列の送り扱歯4b・・はそれ
よりも更に低く、かつそれらの送り扱歯4b・・は、送
りを助長する進み角を有しているので、穂側を積極的に
寄せ送り、第1扱胴の後端の送り扱歯4a・・は、その
進み角により穂部を第2扱胴5の送り扱歯4b・・に向
けて強制的に押し出すこととなり、結局、第2扱胴5は
第1扱胴3よりも高速回転しているにも拘らず、穂側を
遅滞なく受け継がせることができる。 【0014】 【発明の効果】本発明は、扱室内に扱胴1を軸架し、こ
の扱胴1と平行な扱口に沿ってフィードチエン2を設
け、前記扱胴1を前後に分割して前部のものを第1扱胴
3、後部のものを第2扱胴5とし、それらの第1扱胴3
と第2扱胴5を別々に回転駆動するようにした脱穀機に
おいて、扱室の前部に伝動ケース7を設け、該伝動ケー
ス7内に、第1扱胴軸12と第2扱胴軸6とを同速に回
転させる同期回転駆動と第2扱胴軸が第1扱胴軸より高
速に回転させる高速回転駆動に切り換える変速装置を設
けたので、食用に供する穀粒を脱穀処理する時は、第2
扱胴5を第1扱胴3よりも高速に回転させて扱ぎ残しの
ない状態でかつ高能率に脱穀処理することができるもの
でありながら、第2扱胴5を第1扱胴3と同期回転させ
ることにより種子採取用穀稈を穀粒損傷が発生しない状
態で的確な脱穀処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】扱胴及び伝動装置の断面図である。
【図2】同上他の例を示す断面図である。
【図3】フィードチェーンと走行変速装置の連動を示す
断面図である。 【図4】フィードチェーン無段変速装置の変速カムの断
面図である。 【図5】走行速度とフィードチェーン速度の関係を示す
図面である。 【符号の説明】 1 扱胴 2 フィードチエン 3 第1扱胴 5 第2扱胴 6 第2扱胴軸 7 伝動ケース 41 変速カム
断面図である。 【図4】フィードチェーン無段変速装置の変速カムの断
面図である。 【図5】走行速度とフィードチェーン速度の関係を示す
図面である。 【符号の説明】 1 扱胴 2 フィードチエン 3 第1扱胴 5 第2扱胴 6 第2扱胴軸 7 伝動ケース 41 変速カム
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平3−127907(JP,A)
特開 昭54−160641(JP,A)
特開 平5−49335(JP,A)
実開 平3−58936(JP,U)
実開 平2−127145(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A01F 12/18 - 12/28
A01F 12/56
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 扱室内に扱胴1を軸架し、この扱胴1と
平行な扱口に沿ってフィードチエーン2を設け、前記扱
胴1を前後に分割して前部のものを第1扱胴3、後部の
ものを第2扱胴5とし、それらの第1扱胴3と第2扱胴
5を別々に回転駆動するようにした脱穀機において、扱
室の前部に伝動ケース7を設け、該伝動ケース7内に、
第1扱胴軸12と第2扱胴軸6とを同速に回転させる同
期回転駆動と第2扱胴軸が第1扱胴軸より高速に回転さ
せる高速回転駆動に切り換える変速装置を設けたことを
特徴とする脱穀機における扱胴伝動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03656894A JP3432569B2 (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 脱穀機における扱胴伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03656894A JP3432569B2 (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 脱穀機における扱胴伝動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07222522A JPH07222522A (ja) | 1995-08-22 |
JP3432569B2 true JP3432569B2 (ja) | 2003-08-04 |
Family
ID=12473374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03656894A Expired - Fee Related JP3432569B2 (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 脱穀機における扱胴伝動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3432569B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102282513B1 (ko) * | 2014-05-29 | 2021-07-28 | 주식회사 대동 | 콤바인의 탈곡장치 |
-
1994
- 1994-02-09 JP JP03656894A patent/JP3432569B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07222522A (ja) | 1995-08-22 |
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