JP3432566B2 - エステルの加水分解抑制方法、加水分解抑制剤およびエステル組成物 - Google Patents

エステルの加水分解抑制方法、加水分解抑制剤およびエステル組成物

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JP3432566B2
JP3432566B2 JP1619094A JP1619094A JP3432566B2 JP 3432566 B2 JP3432566 B2 JP 3432566B2 JP 1619094 A JP1619094 A JP 1619094A JP 1619094 A JP1619094 A JP 1619094A JP 3432566 B2 JP3432566 B2 JP 3432566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエステルの加水分解抑制
方法、エステルの加水分解抑制剤および加水分解されに
くいエステル組成物に関する。該組成物は耐加水分解性
潤滑油等として用いられる。
【0002】
【従来の技術】エステルは大気中の水分やエステル中の
水分により加水分解を受けることが知られている。エス
テルの加水分解を抑制するために、ポリエステル系ポリ
ウレタンの場合、ジオール成分として分岐状ジオール、
例えば3−メチルペンタンジオール(特開昭47−34494
号公報)、2−エチル,2−アルキル−1,3−プロパン
ジオール(同60−199049号公報)、2,2−ジアルキル−
1,3−プロパンジオール(特開平2−240177号公報)を
用いること、酸性基を有するポリエステル系ポリウレタ
ンの場合、中和剤としてピペリジン誘導体、ピペラジノ
ン誘導体(USP5142001) を用いることは知られている。
【0003】ポリエステル系樹脂の熱安定剤として、カ
ルボジイミドおよび式(II) :
【0004】
【化3】
【0005】(式中、R3、R4およびR5は、同一もしくは
異なって、水素またはアルキルを表し、nは2〜20の整
数を表す)で表されるポリカルボジイミドを用いること
は知られている(GB1231975)。エステル系の潤滑油とし
て、ジエステル、ポリオールエステル、りん酸エステ
ル、けい酸エステル等が知られている〔潤滑グリースと
合成潤滑油、幸書房(昭和58年12月25日発行)〕。
【0006】しかし、ピペリジン誘導体、ピペラジノン
誘導体、カルボジイミドおよび前記式(II) で表される
ポリカルボジイミドをエステルの加水分解抑制のために
エステルに共存させることについての報告はみあたらな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はエステルの加
水分解を抑制する優れた方法およびその方法に用いる加
水分解抑制剤を提供することを目的としている。さらに
加水分解を受けにくいエステル組成物を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エステ
ルにピペリジン誘導体、ピペラジノン誘導体、式
(I): R2 −N=C=N−R1 (I) (式中、 R1 およびR2は、同一もしくは異なって、アル
キル、シクロアルキルまたは置換もしくは非置換フェニ
ルを表す) で表されるカルボジイミドおよび式(II):
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R3、R4およびR5は、同一もしくは
異なって、水素またはアルキルを表し、nは2〜20の整
数を表す)で表されるポリカルボジイミドから選ばれる
少なくとも1種の化合物(以下加水分解抑制化合物とい
う)を共存させることによって、エステルの加水分解を
抑制できる。以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明方法によってエステルの加水分解を
抑制するためには、加水分解を抑制すべきエステルに前
記加水分解抑制化合物を、エステルに対して0.01〜10重
量%、好ましくは0.05〜3重量%添加すればよい。本発
明で用いられるピペリジン誘導体としては、2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン誘導体例えば、4−アセトキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ア
クリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノールLS
−744 :三共株式会社の商品名)、4−シクロヘキシル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メト
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(p−
クロルベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート(例えば、サノールLS−
770:三共株式会社の商品名)、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタ
レート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレン−1,6−ジカーバメート、1,2−ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)
エタン、αα−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルオキシ)−p−キシレン、トリス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−
トリカルボキシレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボ
キシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ}〕等、1,2,2,6,6−ペンタメチル
ピペリジン誘導体例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート(例えば、サノール
LS−765 :三共株式会社の商品名)、2−(3,5−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)(例えば、Tinuvin 144 :チバガイギー社の商品
名)、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジア
ミン−2,4−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジルアミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン混合物
等が用いられる。これらのピペリジン誘導体は、市販品
または文献記載の化合物であるか、あるいは文献の記載
に基づいて容易に製造できる(特開昭59−30850 号公
報)。
【0012】ピペラジノン誘導体としては、3,3,5,5−
テトラメチル−2−ピペラジノン誘導体、例えば、N1
プロピル−3,3,5,5−テトラメチル−2−ピペラジノ
ン、N1−イソプロピル−3,3,5,5−テトラメチル−2−
ピペラジノン、N1−ドデシル−3,3,5,5−テトラメチル
−2−ピペラジノン、N1−t−オクチル−3,3,5,5−テ
トラメチル−2−ピペラジノン、1,2−エタン−ビス
(N1−3,3,5,5−テトラメチル−2−ピペラジノン)
(例えば、Goodrite UV-3034:BFグッドリッチ社の商品
名) 、N1−フェニル−3,3,5,5−テトラメチル−2−ピ
ペラジノン、2,4,6−トリス{シクロヘキシル〔2−
(3,3,5,5−テトラメチル−2−オキソ−1−ピペラジ
ニル)エチル〕アミノ}−1,3,5−トリアジン、N4−t
−オクチル−3,3,6,6−テトラメチル−2−ピペラジノ
ン、N1−t−ブチル−3,3−ジメチル−5,5−ペンタメ
チレン−2−ピペラジノン等があげられる。これらのピ
ペラジノン誘導体は市販品または文献記載の化合物であ
るか、文献の記載に基づいて容易に製造できる(特開昭
54−56987 号公報)。
【0013】式(I)および式(II) における定義中の
アルキルとしては、直鎖または分岐状の炭素数1〜6の
アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル等があげられ、シクロアルキルとしては、
炭素数3〜6のシクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等があげられる。
【0014】フェニル基の置換基としては、同一または
異なって置換数1〜4の前記、炭素数1〜6のアルキル
があげられる。式(I)で表されるカルボジイミドおよ
び式(II) で表されるポリカルボジイミドの具体例とし
ては、 N−メチル−N1−ブチルカルボジイミド、N,N1
ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N1−ジフェニルカ
ルボジイミド、N,N1−ビス(2,2'−6,6'−テトライソプ
ロピルジフェニル)カルボジイミド、1−メチル−3,5
−ジエチルベンゼン−2,4−ポリカルボジイミド、さら
にStabaxol IおよびStabaxol P(いずれもバイエル社の
商品名)等があげられる。これらは文献記載の化合物ま
たは市販品であるか、文献の記載に基づいて容易に製造
できる(USP1231975) 。
【0015】いずれのエステルに対しても、これらの加
水分解抑制化合物、好ましくは、ピペリジン誘導体ま
たはピペラジノン誘導体および式(I)で表されるカ
ルボジイミドまたは式(II)で表されるポリカルボジイ
ミド組合せたもの、を共存させることによって加水分
解抑制効果の期待できるが、例えば、次の反応によって
得られるエステルがあげられる。 (1)分子内にヒドロキシル基を1つ有するヒドロキシ
ル化合物と分子内にカルボキシル基を1つ有するカルボ
ン酸とを反応させることによって得られるエステル。 (2)分子内にヒドロキシル基を1つ有するヒドロキシ
ル化合物と分子内に複数のカルボキシル基を有するカル
ボン酸とを反応させることによって得られるエステル。 (3)分子内にヒドロキシル基を複数有するヒドロキシ
ル化合物と分子内にカルボキシル基を1つ有するカルボ
ン酸とを反応させることによって得られるエステル。 (4)分子内にグリシジル基を1つ以上有する化合物と
分子内にカルボキシル基を1つ有するカルボン酸とを反
応させることによって得られるエステル。
【0016】ヒドロキシル化合物は前記ヒドロキシル基
以外に保護基で保護されたヒドロキシル基を有していて
もよい。ヒドロキシルの保護基としては、アセチル、プ
ロピオニル等のアルカノイル、ベンゾイル等のアロイル
があげられる。当該カルボン酸の代わりに、該カルボン
酸の反応性誘導体例えば、該カルボン酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、アミルエステル等のエステル類、酸無水物類、酸ク
ロライド、酸ブロマイド等の酸ハライド類等を用いるこ
ともできる。
【0017】エステル製造反応に際しては、ヒドロキシ
ル化合物、カルボン酸あるいは分子内にグリシジル基を
1つ以上有する化合物は1種もしくは2種以上を混合し
て用いることができる。分子内にヒドロキシル基を1つ
有するヒドロキシル化合物としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノー
ル、デカノール、トリデカノール、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等があげ
られる。
【0018】分子内にヒドロキシル基を複数有するヒド
ロキシル化合物としては、エチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,5−ペンタンジーオール、1,6−ヘキシレング
リコール、1,6−ヘプタンジオール、n−1,8−オクタ
ンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジ
エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ネオペン
チルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリストール、ジペンタエリストー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物、マンニトール、ソルビトール、
フェノール、クレゾール、キシレノール、ベンジルアル
コール等があげられる。
【0019】その内でも、好ましくはトリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、1,4−ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキ
サンジメタノールが用いられる。
【0020】分子内に1ケのカルボキシル基を有するカ
ルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
クロトン酸、n−ペンタン酸、2−メチル酪酸、2−エ
チル酪酸、n−ヘキサン酸、2−メチルペンタン酸、n
−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクチル
酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2
−エチルヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、2,4−ジ
メチルヘプタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−
ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2−
メチル−2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘ
キサン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、イソデカ
ン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
イン酸、ステアリン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安
息香酸、アクリル酸、メタアクリル酸、エチルアクリル
酸等があげられる。
【0021】特に、好ましくは2−メチルペンタン酸、
2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、3−メ
チルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘ
プタン酸、2−エチルペンタン酸、2,4−ジメチルヘプ
タン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−ジメチルヘ
キサン酸、2−メチル−2−エチルヘキサン酸、ノナン
酸、デカン酸、ドデカン酸が用いられる。
【0022】分子内に複数のカルボキシル基を有するカ
ルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク
酸、無水コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジ酸、フタル酸、トリメシン酸、トリメ
リット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
イタコン酸等があげられる。
【0023】分子内にグリシジル基を1つ以上有する化
合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、エポキシ化大豆油脂肪酸、
エピコートE−828、エピコートE−1001(いず
れも油化シェル株式会社の商品名)等があげられる。ヒ
ドロキシル化合物中のヒドロキシル基とカルボン酸中の
カルボキシル基のモル比または分子内にグリシジル基を
1つ以上有する化合物中のグリシジル基とカルボン酸中
のカルボキシル基のモル比はそれぞれ1:0.5〜2.0で
用いられ、反応は80〜250 ℃、好ましくは 100〜200 ℃
で1〜20時間、好ましくは3〜10時間行われる。エステ
ルは反応混合物からエステルを単離するのに適用される
単位操作例えば蒸留、抽出等によって単離される。この
反応の際必要により反応を促進する触媒、エステル化の
際に生成する水を共沸により反応内より系外に除去す
るためのエントレーナー等が用いられる。
【0024】触媒の例としては、硫酸、塩酸、パラトル
エンスルホン酸、ジブチル錫オキサイド、酸化ゲルマニ
ウム、酸化アルミニウム、テトラブチルチタネート等が
あげられる。エントレーナーとしてはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキ
サン等があげられる。
【0025】エステルの用途としては潤滑油、作動油、
防錆油、可塑剤、切削油、圧延油、絶縁油、樹脂の原料
等があげられ、本発明の加水分解抑制剤はこれらのいず
れの用途にも適用できるが、特に潤滑油に適用すること
によって効果を期待できる。本発明の加水分解抑制剤
は、必要に応じて、鉱物油、ポリα−オレフィン、アル
キルベンゼン、ポリエーテル、フルオロエステル、ポリ
シロキサン等の油通常使用される酸化防止剤、腐食防
止剤、極圧剤、耐摩耗剤、消泡剤、金属不活性剤等の潤
滑油添加剤と併用して使用することができる。また、本
発明のエステル組成物は、前記の油や潤滑油添加剤を含
有していてもよい。
【0026】酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシア
ニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ビ
スフェノールA、フェノチアジン、N−メチルフェノチ
アジン、モノオクチルジフェニルアミン、アルキルジサ
ルファイド、ベンゾチアゾール、チオリン酸亜鉛等が用
いられる。腐食防止剤としては、フェノチアジン、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナ
フチルアミン等が用いられる。極圧剤としては、ジアリ
ールジチオリン酸亜鉛、チオジプロピオン酸エステル、
ジベンジルサルファイド、トリクレジルホスフェート、
パーフルオロアルキルポリエーテル、グラファイト、二
硫化モリブデン等が用いられる。耐摩耗剤としては、チ
オリン酸亜鉛、トリクレジルホスフェート等が用いられ
る。消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチ
ルシリケート等が用いられる。金属不活性剤としては、
メルカプトベンゾチアゾール、フェニルグリシジルエー
テル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ステアリン酸エス
テル等が用いられる。
【0027】
【実施例】以下に実施例、比較例および参考例を示す。 実施例1 参考例1で得られた1,3−ビス(2−メチルヘキサノ
イルオキシ)−2−エチルヘキサン750gの温度を80℃ま
で上げた後、攪拌下でサノールLS−770 4.5gを添加
溶解しエステル組成物754.5gを得た。
【0028】該エステル組成物の耐加水分解性試験は次
の様に行った。該エステル組成物 100gに水 0.1gを加
え、オートクレーブ中で攪拌しながら135℃で240 時間
加熱した後、加熱前後の酸価を測定して耐加水分解性試
験とした。その結果を表1に示す。 比較例1 実施例1のエステル組成物の代わりに参考例1で得られ
た1,3−ビス(2−メチルヘキサノイルオキシ)−2
−エチルヘキサン100gを用い、これに水 0.1gを加え、
オートクレーブ中で攪拌しながら 135℃で240 時間加熱
した後、加熱前後の酸価を測定して耐加水分解性試験と
した。その結果を表1に示す。 実施例2 参考例2で得られた1,3−ビス(2,4−ジメチルヘ
プタノイルオキシ)−2−ブチル−2−エチルプロパン
800gの温度を80℃まで上げた後、攪拌下でサノール
LS−770 4gを添加溶解しエステル組成物804gを
得た。以下実施例1と同様にして該エステル組成物の耐
加水分解性試験を行った。その結果を表1に示す。 実施例3 参考例3で得られた1,1,1−トリス(2−エチルヘ
キサノイルオキシメチル)プロパン300 gの温度を80℃
まで上げた後、攪拌下でサノールLS−765 4gを添加
溶解しエステル組成物304 gを得た。以下実施例1と同
様にして該エステル組成物の耐加水分解性試験を行っ
た。その結果を表1に示す。 比較例2 実施例3のエステル組成物の代わりに参考例3で得られ
た1,1,1−トリス(2−エチルヘキサノイルオキシ
メチル)プロパン100 gを用い、以下比較例1と同様に
して該エステルの耐加水分解性試験を行った。その結果
を表1に示す。 実施例4 実施例1において、サノールLS−770 の代わりに Sta
baxol I 5.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてエ
ステル組成物を得た後、その耐加水分解性試験を行い、
その結果を表1に示す。 実施例5 実施例3において、サノールLS−765 の代わりに Sta
baxol P 4.5gを用いた以外は実施例3と同様にしてエ
ステル組成物を得た後、その耐加水分解性試験を行い、
その結果を表1に示す。 実施例6 実施例3において、サノールLS−765 の代わりに Goo
drite UV-3034 2.0gおよび Stabaxol I 2.0gを用い
た以外は実施例3と同様にしてエステル組成物を得た
後、その耐加水分解性試験を行い、その結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかな如く、実施例1〜6で得
られたエステル組成物の加熱後の酸価の値は参考例1の
エステル(比較例1)および参考例3のエステル(比較
例2)のそれに比べて小さく、実施例1〜6で得られた
エステル組成物は参考例1のエステル(比較例1)およ
び参考例3のエステル(比較例2)に比べて耐加水分解
性が優れており、特に実施例6で得られたエステル組成
物が優れていることが判る。 参考例1:エステルの製法 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 292.4g、2−メ
チルヘキサン酸 572.9g、硫酸 3gおよびトルエン30g
を攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却器付きの
脱水管を取り付けた2リットルのフラスコに入れ、窒素
吹き込み下 130℃で6時間反応した。反応後、苛性ソー
ダの20%水溶液15mlと純水90mlを加え50℃で約10分間攪
拌した。静置後、2層に分離した下層(水相)を抜き取
った。さらに、純水90mlを加え攪拌後、静置し下層を抜
き取る操作を3回繰り返した。10mmHg、200 ℃の減圧下
でトルエンと残留している水分、未反応原料を留去し
1,3−ビス(2−メチルヘキサノイルオキシ)−2−
エチルヘキサンを得た。 参考例2:エステルの製法 参考例1において、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ルおよび2−メチルヘキサン酸の代わりに2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール 320.6gおよび2,
4−ジメチルヘプタン酸 695.2g を用いた以外は参考例
1と同様にして1,3−ビス(2,4−ジメチルヘプタ
ノイルオキシ)−2−ブチル−2−エチルプロパンを得
た。 参考例3:エステルの製法 参考例1において、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ルおよび2−メチルヘキサン酸の代わりにトリメチロー
ルプロパン 268.4gおよび2−エチルヘキサン酸 951.7
gを用いた以外は参考例1と同様にして1,1,1−ト
リス(2−エチルヘキサノイルオキシメチル)プロパン
を得た。 参考例4:潤滑油の製法 実施例3で得られたエステル組成物 100部に二硫化モリ
ブデン 0.3部、ブチルヒドロキシアニール 0.5
部、フェノチアジン 0.3部およびメルカプトベンゾチ
アゾール 0.2部を加えて潤滑油を調製し、その耐加水
分解性試験を行い、その結果を表2に示す。 参考例5:潤滑油の製法 参考例4において、実施例3で得られたエステル組成物
の代わりに実施例6で得られたエステル組成物を用いる
以外は参考例4と同様にして潤滑油を調製し、その耐加
水分解性試験を行い、その結果を表2に示す。 比較例3:潤滑油の製法 参考例4において、実施例3で得られたエステル組成物
の代わりに参考例3のエステルを用いる以外は参考例4
と同様にして潤滑油を調製し、その耐加水分解性試験を
行い、その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかな如く、参考例4および5
で得られた潤滑油の加熱後の酸価の値は比較例3で得ら
れた潤滑油のそれに比べて小さく、参考例4および5で
得られた潤滑油、特に参考例5で得られたもの、は比較
例3で得られた潤滑油に比べて耐加水分解性が優れてい
ることが判る。
【0033】
【発明の効果】本発明はエステルの加水分解抑制方法、
エステルの加水分解抑制剤および加水分解されにくいエ
ステル組成物を提供するものであり、該エステル組成物
は耐加水分解性潤滑油等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 169/04 C10M 169/04 // C10N 30:00 C10N 30:00 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/62 C07C 69/00 C10M 105/32 C10M 133/22 C10M 133/40 C10M 149/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピペリジン誘導体およびピペラジノン
    導体から選ばれる少なくとも1種の化合物をエステルと
    共存させることを特徴とするエステルの加水分解抑制方
    法。
  2. 【請求項2】 ピペリジン誘導体またはピペラジノン
    誘導体および式(I) 2 −N=C=N−R 1 (I) (式中、 R 1 およびR 2 は、同一もしくは異なって、アル
    キル、シクロアルキルまたは置換もしくは非置換フェニ
    ルを表す) で表されるカルボジイミドおよび式(II):【化1】 (式中、R 3 、R 4 およびR 5 は、同一もしくは異なって、水
    素またはアルキルを表し、nは2〜20の整数を表す)
    表されるポリカルボジイミドを組合せて共存させる請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ピペリジン誘導体およびピペラジノン
    導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分と
    して含有するエステルの加水分解抑制剤。
  4. 【請求項4】 ピペリジン誘導体またはピペラジノン
    誘導体および式(I) 2 −N=C=N−R 1 (I) (式中、 R 1 およびR 2 は、同一もしくは異なって、アル
    キル、シクロアルキルまたは置換もしくは非置換フェニ
    ルを表す) で表されるカルボジイミドおよび式(II) 【化2】 (式中、R 3 、R 4 およびR 5 は、同一もしくは異なって、水
    素またはアルキルを表し、nは2〜20の整数を表す)
    表されるポリカルボジイミドを含有する請求項3記載の
    加水分解抑制剤。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の加水分解抑制剤
    とエステルとを含有するエステル組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のエステル組成物を含有す
    る潤滑油。
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