JP3001680B2 - エステル化合物を含有する潤滑剤または熱媒体液 - Google Patents

エステル化合物を含有する潤滑剤または熱媒体液

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JP3001680B2
JP3001680B2 JP3184931A JP18493191A JP3001680B2 JP 3001680 B2 JP3001680 B2 JP 3001680B2 JP 3184931 A JP3184931 A JP 3184931A JP 18493191 A JP18493191 A JP 18493191A JP 3001680 B2 JP3001680 B2 JP 3001680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエステル化合物を含有す
る潤滑剤または熱媒体液に関し、詳しくは特定のエステ
ル化合物を主成分とし、熱安定性,耐加水分解性及び耐
荷重性に優れた潤滑剤または熱媒体液に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら合成潤滑油には、種々のエステル化合物が提案されて
いる。例えば、第2級カルボン酸と多価アルコールとの
エステルから成る合成潤滑油が提案されている(特開平
1−245094号公報)。また、第2級カルボン酸又
は第2級カルボン酸と直鎖カルボン酸の混合物と、ネオ
ペンチルポリオールとのエステルを、冷凍機用の潤滑剤
に用いること(特開昭56−133241号公報,同5
5−105644号公報)、炭素数12以上のメチル分
岐脂肪酸と脂肪族ポリオールとのエステルを、冷間圧延
用の潤滑剤に用いること(特開昭62−290795号
公報)、各種脂肪酸(直鎖,側鎖,飽和,不飽和,天
然,合成脂肪酸等)や二塩基酸とポリオールとのエステ
ルを内燃機関用の潤滑剤に用いること(特開平1−13
9694号公報)あるいはα−分岐を除く分岐脂肪酸と
飽和脂肪酸との混合物とネオペンチルポリオールとのエ
ステルを内燃機関用の潤滑剤に用いること(特公昭60
−57480号公報)が、それぞれ提案されている。し
かし、この種のエステルは、いずれも熱安定性,耐加水
分解性及び耐荷重性能が不十分であり、実用には不向き
であった。
【0003】そこで、本発明者らは、上記従来のエステ
ルからなる潤滑剤の様々な問題点を解消し、熱安定性,
耐加水分解性,耐荷重性能等の良好な潤滑剤、さらには
熱媒体液を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、分
岐アルキル基を有する特定の構造のエステル化合物を主
成分としたものが、上記目的に沿ったものであることを
見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(I)
【0005】
【化3】
【0006】〔式中、R1 ,R2 及びR3 はそれぞれ炭
素数1〜28のアルキル基を示し、R 1 , R2 及びR3
の合計炭素数が3〜30である。Rはn価のアルコール
の炭化水素残基又は含酸素炭化水素残基を示し、nは1
〜4の整数を示す。〕で表わされるエステル化合物及び
/又は一般式(II)
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ炭
素数1〜28のアルキル基を示し、R 4 , R5 及びR6
の合計炭素数が3〜30である。m,pはそれぞれ1〜
3の整数を示す。但し、2≦m+p≦4である。また、
7 及びR8 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜28の
アルキル基を示し、R7 及びR8 の合計炭素数は0〜3
0であり、R’は(m+p)価のアルコールの炭化水素
残基又は含酸素炭化水素残基を示す。〕で表わされるエ
ステル化合物を含有する潤滑剤あるいは熱媒体液を提供
するものである。
【0009】本発明の潤滑剤あるいは熱媒体液は、上記
一般式(I)で表わされるエステル化合物と(II)で表
わされるエステル化合物のいずれか一方あるいは両方を
主成分として含有するものである。ここで、一般式
(I)中のR1 , R2 及びR3 は、それぞれ炭素数1〜
28のアルキル基であって、これらR1 ,R2 及びR3
の合計炭素数は3〜30である。また、好ましくはR
1 ,R2 , R3 の少なくとも1つが分岐アルキル基であ
り、これらR1 , R2 , R3 の合計炭素数が5〜30で
ある。一方、Rは、n価のアルコールの炭化水素残基又
は含酸素炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜20の1
価ないし4価の炭化水素残基又は含酸素炭化水素残基を
示す。また、nは、上述のように1〜4の整数を示す。
この一般式(I)で表わされるエステル化合物は、通常
は、一般式(III)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 , R2 及びR3 は前記と同じ
である。〕で表わされる第3級カルボン酸と一般式(I
V) R(OH)n ・・・・(IV) 〔式中、R及びnは前記と同じである。〕で表わされる
アルコール類とを反応させることによって得られる。こ
こで用いる一般式(III)で表わされる第3級カルボン酸
については、各種のものがあるが、好ましくは以下のよ
うな第3級分岐カルボン酸を例示することができる。 式
【0012】
【化6】
【0013】で表わされる2−イソプロピル−2,3−
ジメチルブタン酸, 式
【0014】
【化7】
【0015】で表わされる2−エチル−2,3,3−ト
リメチルブタン酸, 式
【0016】
【化8】
【0017】で表わされる2,2,4,4−テトラメチ
ルペンタン酸, 式
【0018】
【化9】
【0019】で表わされる2,2,3,4−テトラメチ
ルペンタン酸, 式
【0020】
【化10】
【0021】で表わされる2,2,3,3−テトラメチ
ルペンタン酸およびこれらの混合物である。また、さら
に 式
【0022】
【化11】
【0023】で表わされる2−イソプロピル−2,3,
5,5−テトラメチルルヘキサン酸, 式
【0024】
【化12】
【0025】で表わされる2,3,4−トリメチル−2
−ネオペンチルペンタン酸, 式
【0026】
【化13】
【0027】で表わされる2,2,4,4,6,6−ヘ
キサメチルペンタン酸, 式
【0028】
【化14】 で表わされる2,4,4−トリメチル−2−tert−ペン
チルペンタン酸, 式
【0029】
【化15】
【0030】で表わされる2−エチル−2,3,3,
5,5−ペンタメチルヘキサン酸およびこれらの混合物
である。
【0031】一方、一般式(IV)で表わされるアルコー
ル類については、様々なものが使用可能である。例え
ば、ペンタエリスリトール,ネオペンチルグリコール,
トリメチロールプロパン,グリセリン,ヒドロキシピバ
リルヒドロキシピバレート,トリメチロールエタン,メ
タノール,エタノール,イソプロパノール,n−ブタノ
ール,イソブタノール,第2ブタノール,第3ブタノー
ル,オクタノール,デシルアルコール,ノニルアルコー
ル,イソアミルアルコール,トリデシルアルコール,ヘ
プチルアルコール,2−エチルヘキサノール,ラウリル
アルコール,ブタンジオール類,1,6−ヘキサンジオ
ール,ヘキシレングリコール,エチレングリコール類,
オクタンジオール類,1,5−ペンタンジオール等を挙
げることができる。そのうちネオペンチル基を有するポ
リオール及び炭素数1〜12の脂肪族アルコールが好適
である。
【0032】また、一般式(II)で表わされるエステル
化合物は、通常は、一般式(III')
【0033】
【化16】
【0034】〔式中、R4 ,R5 及びR6 は前記と同じ
である。〕で表わされる第3級カルボン酸及び一般式
(V)
【0035】
【化17】
【0036】〔式中、R7 及びR8 は前記と同じであ
る。〕で表わされる第1級もしくは第2級カルボン酸と
一般式(VI) R'(OH)m+p ・・・・(VI) 〔式中、R' ,m及びpは前記と同じである。〕で表わ
されるアルコール類とを反応させることによって得られ
る。
【0037】ここで用いる一般式(V)で表わされる第
1級もしくは第2級カルボン酸については、各種のもの
があり、R7 及びR8 は、アルキル基の場合、直鎖状又
は分岐状であってもよい。具体的には、3,3,5−ト
リメチルヘキサン酸;2−エチルヘキサン酸;ペラルゴ
ン酸;n−ノナン酸;オクタン酸;ウンデカン酸;トリ
デカン酸;ミリスチン酸;パルミチン酸;イソステアリ
ン酸等を挙げることができる。
【0038】一方、一般式(VI)で表わされるアルコー
ル類については、様々なものが使用可能である。この一
般式(VI)中のm,pはそれぞれ1〜3の整数を示し、
かつ2≦m+p≦4である。つまり、m,pは合計が4
を超えない範囲で、それぞれ1,2あるいは3を示す。
また、R' は(m+p)価のアルコールの炭化水素残基
又は含酸素炭化水素残基である。この一般式(VI)のア
ルコール類としては、例えば、ペンタエリスリトール;
ネオペンチルグリコール;トリメチロールプロパン;グ
リセリン;ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート;
トリメチロールエタン;ブタンジオール類;1,6−ヘ
キサンジオール;ヘキシレングリコール;エチレングリ
コール類;オクタンジオール類;1,5−ペンタンジオ
ール等をあげることができる。そのうちネオペンチル基
を有するポリオールが好適である。なお、一般式(II
I') で表わされる第3級カルボン酸は、前述した一般式
(III)で表わされる第3級カルボン酸と同じものでも、
また異なるものでもよい。
【0039】上記一般式(III)の第3級カルボン酸と一
般式(IV)のアルコール類とをエステル反応させる場
合、あるいは上記一般式(III') の第3級カルボン酸及
び一般式(V)の第1級もしくは第2級カルボン酸と一
般式(VI)のアルコール類とをエステル反応させるにあ
たっては、その反応条件等については特に制限はなく、
通常のエステル反応の条件に従えばよい。例えば、脱水
縮合反応を行ったり、酸クロライド等の酸ハライドを経
由する方法がある。さらに、このようにしてエステル反
応を行った場合、必要に応じて、後処理として蒸留,白
土処理,水添(水素化触媒と水素を吹き込み、加熱攪拌
する)等の精製処理を行うことも有効である。
【0040】本発明の潤滑剤あるいは熱媒体液では、上
述の如く得られる一般式(I)及び/又は(II)で表わ
されるエステル化合物を主成分として含有するものであ
るが、更に、用途あるいは要求特性等に応じて各種添加
剤を適宜配合することもできる。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例に基いて、
さらに詳しく説明する。なお、実施例及び比較例におい
て、カルボン酸及びアルコールの選択は、第1表に従っ
た。また、性能評価は、下記の試験方法により行った。
【0042】
【表1】
【0043】〔性能評価〕 熱安定度試験 イ)A法 JIS K 2540に準拠し、試料量を1/2とし
た。 試料量:10g 条 件:170℃×24時間 評 価:全酸価,色相の変化 ロ)B法 JIS K 2540に準拠した。 試料量:20g 条 件:175℃×24時間 評 価:全酸価,色相の変化 加水分解試験 JIS K 2503に準拠した。 試料量:1.5g 条 件:メチルエチルケトン25ミリリットル,0.5規
定KOH溶液25ミリリットルを加え、30分間還流し
てけん化した。 評 価:消費されたKOH量を求め、けん化価を測定
し、理論けん化価に対する比率(%)を算出した。 耐荷重性能試験 ファレックス試験:ASTM D 3233に準拠し
た。 慣 ら し:250ポンド×5分 テストピン:SAE3135 ブロック :AISI C−1137 評 価 :焼付荷重 摩擦係数の測定試験 ふり子(曽田法)試験 試料油:エステル20重量%/鉱油80重量% 温 度:室温
【0044】実施例1 (1)エステルの製造 500ミリリットルの4つ口フラスコに攪拌機,温度
計,滴下ロート,ガス放出管付きジムローコンデンサー
を取付け、溶媒としてトルエン80ミリリットル,塩化
チオニル112.93g を加え、アルゴンガス流通下、5
5℃に保った。次に、エクアシッド9〔出光石油化学
(株)製:C9 182 ,2−イソプロピル−2,3−
ジメチルブタン酸を主成分とする第3級カルボン酸混合
物〕121.65g とトルエン20ミリリットルの混合溶
液を攪拌しながら徐々に滴下したところ、発熱してSO
2 ガスとHClガスが発生し、65℃になった。約1時
間でガスの発生がなくなったので、ジムローコンデンサ
ーに蒸留ヘッドを取りつけ、温度を95℃に上げ、過剰
の塩化チオニルを除去した。次に、蒸留ヘッドを再びジ
ムローコンデンサーに変え、ネオペンチルグリコール
(C5 122 )36.85g とトリエチルアミン200
ミリリットルの混合溶液をゆっくりと滴下したところ、
発熱が起こり105℃になった。4時間還流させた後、
室温まで冷却した。反応溶液から析出したトリエチルア
ミン塩酸塩を濾別し、残りの濾液を水500ミリリット
ルに注ぎ込んだ。分液ロートにより2回水洗し、重曹水
により1回洗浄の後、有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥させた。乾燥剤を濾別後、溶媒を留去し、生成物を
蒸留し、165〜175℃/2mmHgでやや薄黄色に着色
した透明な液体118g を得た。このものは、ガスクロ
マトグラフ−マススペクトル(GC−MS)分析及び赤
外線スペクトル(IR)分析により、原料のカルボン酸
が完全にエステル化したジエステルで、分子量は全て3
84のC23444 の混合物であることがわかった。 (2)エステルの精製 上記(1)で得られたジエステル30ミリリットルを、
100ミリリットルのオートクレーブに入れ、これに水
素化触媒として5%Ru /C〔エヌイーケムキャット
(株)製〕5g を加え、水素圧5kg/cm2 Gで80℃で
5時間攪拌した。室温まで却後、触媒を濾別したとこ
ろ、無色透明な液体が得られた。これをGC,GC−M
S及びIRで分析したところ、このものは上記ジエステ
ルであることがわかった。このものの性状を第2表に示
す。また、上記ジエステルを試料として、その性能評価
として熱安定度試験(A法),加水分解試験、耐荷重性
能試験及び摩擦係数の測定試験を行った。その結果を第
3表に示す。
【0045】実施例2 第1表に示したようにカルボン酸としてエクアシッド1
3(C13262 ,2−イソプロピル−2,3,5,5
−テトラメチルヘキサン酸を主成分とする第3級カルボ
ン酸混合物)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方
法でエステルを得た。このものの性状を第2表に示す。
次に、これらのエステルについて、上記実施例1と同様
にして性能評価を行った。その結果を第3表に示す。
【0046】実施例3 第1表に示したようにアルコールとしてトリメチロール
プロパン(C6 14 3 )を用いたこと以外は、実施例
1と同様の方法でエステルを得た。このものの性状を第
2表に示す。次に、実施例3で得られたエステルについ
て、摩擦係数の測定を行った。その結果を第4表に示
す。
【0047】実施例4 (1)エステルの製造 1リットルの4口フラスコに攪拌機,温度計,ガス吹込
管,ガス放出管付水分除去装置をとりつけ、エクアシッ
ド9〔出光石油化学(株)製,第3級カルボン酸混合物
炭素数9〕158g と3,3,5−トリメチルヘキサ
ン酸158g とネオペンチルグリコール93.6g と触媒
量のメタンスルホン酸を添加した。これを窒素気流下で
180℃で10時間加熱した。生成物を2リットル分液
ロートに移し、n−ヘキサン抽出し、水洗,重曹水洗浄
を行った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤
を濾別後、溶媒を留去し、淡黄色透明液体311g を得
た。これはGC−MS,IR等により原料のカルボン酸
が完全にエステル化したジエステルで、分子量384の
23444 混合物であることがわかった。 (2)エステルの精製 上記(1)で得られたジエステル30ミリリットルを1
00ミリリットルのオートクレーブに入れ、これに水素
化触媒として5%Ru/C〔エヌイーケミキャット
(株)製〕5g を加え、水素圧5kg/cm2 Gで80℃で
5時間攪拌した。室温まで冷却後、触媒を濾別したとこ
ろ無色透明な液体が得られた。これをGC−MS,IR
で分析したところ、このものは上記ジエステルであるこ
とがわかった。このものの性状を第5表に示す。また、
上記ジエステルを試料として、上記実施例1と同様にし
て性能評価を行った。しかし、熱安定度試験はB法に従
った。その結果を第6表に示す。
【0048】実施例5 第1表に示したようにカルボン酸としてエクアシッド9
と2−エチルヘキサン酸を用いたこと以外は実施例4と
同様の方法でエステルを得た。このものの性状は第5表
に示す。次に、これらのエステルについて、上記実施例
1と同様にして性能評価を行った。しかし、熱安定度試
験はB法に従った。その結果を第6表に示す。
【0049】実施例6 第1表に示したようにカルボン酸としてエクアシッド9
とn−ノナン酸(C9 182 )を用いたこと以外は実
施例4と同様の方法でエステルを得た。このものの性状
は第5表に示す。次に、これらのエステルについて、上
記実施例1と同様にして性能評価を行った。しかし、熱
安定度試験はB法に従った。その結果を第6表に示す。
【0050】比較例1 2リットルの4つ口フラスコに攪拌機,温度計,滴下ロ
ート,ディーンスターク型水分除去装置を取り付け、溶
媒としてトルエン1リットル,触媒としてp−トルエン
スルホン酸一水和物30.00g 及びアルコールとしてネ
オペンチルグリコール152.02g を仕込み、加熱,攪
拌しながら90℃に保った。次に、n−ノナン酸475.
56g とトルエン200ミリリットルの混合液を2時間
かけて滴下したところ、少し発熱し、100℃になっ
た。その後110〜115℃で1.5時間反応させ発生す
る水をトルエンで共沸させ、除去した。室温まで冷却の
後、反応液を水500ミリリットル中にあけ、有機層を
分取した。得られた有機層を、水500ミリリットルで
2回洗浄後、重曹水300ミリリットルで洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別後、濾液
を濃縮,蒸留し、170〜175℃/2mmHgで無色透明
の液体496g を得た。GC−MS,IR及び13C−N
MRの分析により、このものは、n−ノナン酸とネオペ
ンチルグリコールのジエステルで、分子量384のC23
444 であることがわかった。このものの性状を第2
表に示す。次に、このエステルについて、上記実施例1
と同様にして性能評価を行った。その結果を第3表に示
す。
【0051】比較例2 カルボン酸をn−ノナン酸からn−トリデカン酸(C13
262 )に変えた以外は、比較例1と同様に反応を行
い、n−トリデカン酸とネオペンチルグリコールのジエ
ステル(分子量496のC31604 )を得た。このも
のの性状を第2表に示す。次に、このエステルについ
て、上記実施例1と同様にして性能評価を行った。その
結果を第3表に示す。
【0052】比較例3 2−エチルヘキサン酸トリグリセライドについて、実施
例1と同様にして加水分解試験を行った。その結果を第
3表に示す。
【0053】比較例4 ブチルステアレートについて、実施例3と同様にして摩
擦係数の測定を行った。その結果を第4表に示す。
【0054】比較例5 2−エチルヘキサン酸トリグリセライドについて、上記
実施例1と同様にして熱安定度試験(B法),加水分解
試験及び耐荷重性能試験を行った。その結果を第6表に
示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の潤滑剤又は熱媒
体液は、熱安定性,耐加水分解性および耐荷重性にすぐ
れたものであり、各種の用途に供することができる。特
に、潤滑剤として使用する場合には、エンジン用,ギア
用,真空ポンプ用,冷凍機用または金属加工用の潤滑剤
として好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 30:08 40:04 40:06 40:20 40:25 40:30 (72)発明者 藤原 成弘 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 出光石油化学株式会社内 (56)参考文献 山手重好他編「脂肪酸化学」(昭42− 6−1発行)株式会社幸書房,p.369 −373 星野道男他著「トライポロジー業書8 潤滑グリースと合成潤滑剤」(昭58− 12−25)株式会社幸書房,p.213−217 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 5/00 - 5/04 C10M 105/34 - 105/38 C10N 40:04 C10N 40:06 C10N 40:20 C10N 40:25 C10N 40:30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 ,R2 及びR3 はそれぞれ炭素数1〜28
    のアルキル基を示し、かつR 1 ,R 2 及びR 3 の少なく
    とも1つが分岐アルキル基であり、1 , R2 及びR3
    の合計炭素数が〜30である。Rはn価のアルコール
    の炭化水素残基又は含酸素炭化水素残基を示し、nは1
    〜4の整数を示す。〕で表わされるエステル化合物及び
    /又は一般式(II) 【化2】 〔式中、R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1〜28
    のアルキル基を示し、R4 , R5 及びR6 の合計炭素数
    が3〜30である。m,pはそれぞれ1〜3の整数を示
    す。但し、2≦m+p≦4である。また、R7 及びR8
    はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜28のアルキル基を
    示し、R7 及びR8 の合計炭素数は0〜30であり、
    R’は(m+p)価のアルコールの炭化水素残基又は含
    酸素炭化水素残基を示す。〕で表わされるエステル化合
    物を含有する潤滑剤。
  2. 【請求項2】 一般式(II)において、R4 , R5 及び
    6 の少なくとも1つが分岐アルキル基であり、R4 ,
    5 及びR6 の合計炭素数が5〜30である請求項1記
    載の潤滑剤。
  3. 【請求項3】 エンジン用,ギア用,真空ポンプ用,冷
    凍機用または金属加工用潤滑剤である請求項1又は2
    記載の潤滑剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のエステル化合物を含有
    する熱媒体液。
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