JPH07228881A - エステル組成物 - Google Patents

エステル組成物

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JPH07228881A
JPH07228881A JP4506794A JP4506794A JPH07228881A JP H07228881 A JPH07228881 A JP H07228881A JP 4506794 A JP4506794 A JP 4506794A JP 4506794 A JP4506794 A JP 4506794A JP H07228881 A JPH07228881 A JP H07228881A
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acid
fatty acid
ester
castor oil
ester composition
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JP4506794A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kusakawa
勉 草川
Yoshiyuki Ito
芳幸 伊藤
Yoshihiro Yamada
義浩 山田
Yukari Taketsuji
由佳里 竹辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ITOH OIL Manufacturing
Itoh Seiyu KK
Original Assignee
ITOH OIL Manufacturing
Itoh Seiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性を有し、分子量を縮合度の調節によ
り自在に高くすることができ(従って、粘度や不揮発性
を自在に調節することができ)、耐加水分解性が顕著に
良好で、かつ高荷重条件下や高温下にあってもすぐれた
潤滑性能を発揮し、さらには完全に油溶性のものから分
散性や水和性を有するものまで任意の性質のものを得る
ことができるエステル組成物を提供することを目的とす
る。 【構成】 OH基を有する脂肪酸(ヒマシ油脂肪酸や水
添ヒマシ油脂肪酸)同士またはこれとOH基を有しない
脂肪酸とが縮合した2量体以上のオキシ脂肪酸オリゴマ
ーであるエストリドと、ヒンダードアルコール(トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロー
ルエタン、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコー
ル等)とのエステルからなるエステル組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エストリド(オキシ脂
肪酸オリゴマー)とヒンダードアルコールとのエステル
からなるエステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、パーム
油、牛脂、鯨油などの動植物油は、古くから潤滑性素材
として使用されている。これらの動植物油は、天然物で
あるので生分解性を有するという特長がある反面、熱酸
化安定性が低いため過酷な条件下で用いる潤滑性素材と
しては適していない。熱酸化安定性の不充分さは、動植
物油がグリセリンのエステルであることに起因するもの
と信じられている。
【0003】そこで、生分解性を有しかつ熱酸化安定性
の良好な潤滑性素材として、グリセリンと類似の構造を
有するヒンダードアルコールと脂肪酸とのエステルにつ
き検討がなされている。
【0004】たとえば、特公昭44−29556号公報
には、トリメチロールアルカンの脂肪酸ジエステルまた
はトリエステルを主要成分として含有し、これに乳化剤
として界面活性剤を配合した繊維処理用油剤が示されて
いる。ここでトリメチロールアルカンの例はトリメチロ
ールプロパンやトリメチロールエタンであり、脂肪酸の
例はn−オクタン酸、n−デカン酸、ヤシ油脂肪酸、ラ
ウリン酸、イソオクタン酸である。
【0005】特公昭48−27867号公報には、ネオ
ペンタン骨格を持つ多価アルコールと、脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸またはナフテン酸とより合成され
るエステルであって、少なくとも多価アルコール中のヒ
ドロキシル基を1個以上残した合成エステルからなるネ
オペンチルポリオール誘導体金属圧延油が示されてい
る。ここでネオペンタン骨格を持つ多価アルコールの例
は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールである。脂肪族カルボン酸の例は
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、芳香族カルボン
酸の例は安息香酸である。
【0006】特開昭56−14591号公報には、ヒマ
シ油系化合物と多官能性化合物との反応によって得られ
る化合物を用いた高圧下圧延用金属圧延油が示されてお
り、その実施例には、ヒマシ油とステアリン酸との反応
物にセバシン酸を反応させて得たポリエステル、ヒマシ
油とステアリン酸との反応物にアゼライン酸を反応させ
て得たエステル、ヒマシ油とステアリン酸およびダイマ
ー酸との反応物などがあげられている。
【0007】「油脂、Vol. 32, No. 8, 32-37 (1979)」
には、「脂肪酸エステル 新合成潤滑剤への関心高ま
る」と題する記事が掲載されており、合成潤滑油とし
て、ネオペンチルポリオール(ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)
と脂肪酸とのエステルが、熱分解温度が高く、酸化安定
性もすぐれており、高温・高圧下での過酷な条件下での
使用に耐えうることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ヒンダ
ードアルコールと脂肪酸とのエステルは、従来の動植物
油に比し、潤滑性素材として好ましいものであるという
ことができる。
【0009】しかしながら、ヒンダードアルコールと脂
肪酸とのエステルにあっても、最近の過酷な条件を伴な
う工業的用途には対処しえなくなってきている。たとえ
ば、繊維油剤の用途にあっては、高速紡糸に際して発煙
を生ずることがある。金属加工油にあっては、水と共存
条件で加水分解を起こす傾向がある。
【0010】これらのトラブルを回避するには、ヒンダ
ードアルコールと脂肪酸とのエステルをさらに高分子に
することが考えられるが、天然の脂肪酸で安価に大量に
供給できるものは精々炭素数22位までであり、問題点
を解決するには至らない。脂肪酸としてダイマー酸を用
いた場合も、耐加水分解性の点で見劣りがする。
【0011】本発明は、このような背景下において、生
分解性を有し、分子量を縮合度の調節により自在に高く
することができ(従って、粘度や不揮発性を自在に調節
することができ)、耐加水分解性が顕著に良好で、かつ
高荷重条件下や高温下にあってもすぐれた潤滑性能を発
揮し、さらには完全に油溶性のものから分散性や水和性
を有するものまで任意の性質のものを得ることができる
エステル組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のエステル組成物
は、OH基を有する脂肪酸同士またはOH基を有する脂
肪酸とOH基を有しない脂肪酸とが縮合した2量体以上
のオキシ脂肪酸オリゴマーであるエストリドとヒンダー
ドアルコールとのエステルからなるものである。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】〈エストリド〉OH基を有する脂肪酸とし
ては、好適には、主成分がリシノール酸であるヒマシ油
脂肪酸、主成分が12−ヒドロキシステアリン酸である
水添ヒマシ油脂肪酸が用いられ、これらの混合物であっ
てもよい。
【0015】上記のOH基を有する脂肪酸同士またはO
H基を有する脂肪酸とOH基を有しない脂肪酸とを縮合
反応させれば、2量体以上のオキシ脂肪酸オリゴマー
(つまりエストリド)が得られる。
【0016】ここでOH基を有しない脂肪酸としては、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸などがあげられ、これらの成分
を含むヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、オリーブ油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸なども用いることがで
きる。なお、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、
カプリル酸、カプリン酸などの低級ないし中級の脂肪酸
も用いることができるが、その場合はオキシ脂肪酸オリ
ゴマー(エストリド)としたときの脂肪酸残基の炭素数
が36以上となるようにすることが好ましい。
【0017】上述のオキシ脂肪酸オリゴマー(エストリ
ド)は2量体から7量体までが適当であり、さらに多量
体とすることもできる。なお用途によっては1量体が混
在していても差し支えないが、この場合でも全体を平均
した場合には 1.3量体以上、殊に 1.5量体以上、さらに
は 1.8量体以上、特に好ましくは 2.0量体以上となるよ
うに留意する。2量体以上のオキシ脂肪酸オリゴマー
(エストリド)の割合が余りに少ないときは、潤滑性能
が不足するようになる。
【0018】オキシ脂肪酸オリゴマー(エストリド)
は、OH基を有する脂肪酸、またはこれとOH基を有し
ない脂肪酸とを、不活性ガス雰囲気下において180〜
240℃程度の温度条件下(特に還流条件下)に加熱す
ることにより得られる。この場合、系にキシレン等を共
存させ、副生する水を共沸により系外に除去することが
好ましい。触媒は通常は必要ではないが、パラトルエン
スルホン酸、硫酸などの触媒を存在させても差し支えな
い。
【0019】〈ヒンダードアルコール〉ヒンダードアル
コールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールエタン、2−エチルヘキサノ
ールおよびベンジルアルコールよりなる群から選ばれた
少なくとも一種のアルコールが用いられる。
【0020】〈エステル組成物〉オキシ脂肪酸オリゴマ
ー(エストリド)とヒンダードアルコールとのエステル
化反応は、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン
酸、ナトリウムメチラート、塩化亜鉛などの触媒の存在
下に、不活性ガス雰囲気中で温度170〜220℃程度
の温度条件下に加熱反応させればよい。
【0021】オキシ脂肪酸オリゴマー(エストリド)と
ヒンダードアルコールとの使用割合は、ヒンダードアル
コールのOH基の50%以上がエステル化されるように
することが望ましい。全てのOH基がエステル化された
方が潤滑性能の点では望ましいことが多いが、分散性や
水和性などの副機能が要求される場合は、いくらかのO
H基が未反応で残っている方が有効なこともある。オキ
シ脂肪酸オリゴマー(エストリド)の縮合度が3以上、
さらには4以上、殊に5以上の場合には、ヒンダードア
ルコールのOH基の半分が未反応で残っていても潤滑性
能のマイナスが問題とならないことが多い。
【0022】〈用途〉本発明のエステル組成物は、自動
車エンジンオイル、作動油、グリース、繊維油剤、高分
子物質の可塑剤、圧延油をはじめ、潤滑性能が要求され
る種々様々の用途に用いることができる。
【0023】
【作用】本発明においては、OH基を有する脂肪酸が分
子内にOH基とCOOH基との双方を有していることを
利用して、OH基を有する脂肪酸同士またはOH基を有
する脂肪酸とOH基を有しない脂肪酸とを縮合させて2
量体以上のエストリド(オキシ脂肪酸オリゴマー)を
得、このエストリドをヒンダードアルコールとエステル
化反応させてエステル組成物を得るようにしたものであ
る。
【0024】このようにして得られたエステル組成物
は、原料として脂肪酸を用いているため生分解性を有す
る上、通常の脂肪酸とヒンダードアルコールとのエステ
ルと比較すると、分子量を縮合度の調節により自在に高
くすることができる点(従って、粘度や不揮発性を自在
に調節することができる点)、高荷重条件下や高温下に
あってもすぐれた潤滑性能を発揮する点、耐加水分解性
が顕著にすぐれている点で格段にすぐれている。このよ
うな性質を全て兼ね備えていることは、ヒマシ油を含む
天然油はもとより、従来の脂肪酸とヒンダードアルコー
ルとのエステルによっては到底期待しえないところであ
る。
【0025】また、熱安定性・酸化安定性、低温流動
性、温度変化に対する粘度安定性、合成潤滑油との相溶
性、低刺激性・低毒性などの性質も良好である。
【0026】加えて本発明のエステル組成物は、縮合度
の調節、エステル化度の調節により、用途に応じた潤滑
性能を得ることができ、さらには完全に油溶性のものか
ら分散性や水和性を有するものまで任意の性質ものを得
ることができ、多種の要求に自在に対処しうるという設
計上の利点もある。
【0027】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0028】〈エステル組成物の製造〉 実施例1 撹拌機、温度計、窒素導入管、検水管付き還流コンデン
サを備えた反応器に、酸価178の水添ヒマシ油脂肪酸
906gと還流補助のためのキシレン60mlを仕込み、
窒素気流下200〜220℃で10時間反応させた。こ
の間、縮合反応により生成する水は共沸により系外に留
去させた。これにより、酸価58のエストリドが得られ
た。このエストリドは、水添ヒマシ油脂肪酸の3量体に
相当するものである。
【0029】続いて、反応器にトリメチロールプロパン
70g(0.52モル)とパラトルエンスルホン酸 1.0gと
を加えて180〜200℃で7時間反応させ、さらにカ
プリル酸40g(0.28モル)を加えて同温度にて5時間
反応させた。反応終了後、減圧にて未反応のカプリル酸
を回収した。
【0030】これにより、目的とするエステル組成物が
得られた。このエステル組成物は淡黄褐色の液体であっ
た。
【0031】実施例2 水添ヒマシ油脂肪酸の仕込み量を1208g、キシレン
の仕込み量を80mlとしたほかは実施例1を繰り返し、
水添ヒマシ油脂肪酸の2量体に相当する酸価89のエス
トリドを得た。
【0032】ついで、反応器にペンタエリスリトール6
3g(0.46モル)とパラトルエンスルホン酸 1.3gとを
加えて180〜200℃で7時間反応させた。これによ
り、油状のエステル組成物が得られた。
【0033】実施例3 実施例1と同様にして水添ヒマシ油脂肪酸906gから
3量体に相当するエストリドを得た後、2−エチルヘキ
サノール150g( 1.1モル)とパラトルエンスルホン
酸 1.1gとを加えて180〜200℃で7時間反応さ
せ、さらに同温度で真空下に過剰のアルコールを回収し
た。これにより、油状のエステル組成物が得られた。
【0034】実施例4 酸価180のヒマシ油脂肪酸1500g、オレイン酸2
80gおよびキシレン120mlを反応器に仕込み、窒素
気流下200〜220℃で5時間反応させ、酸価62の
エストリドを得た。さらに、トリメチロールプロパン1
34g(1モル)とパラトルエンスルホン酸 2.0gとを
加えて180〜200℃で8時間反応させた。これによ
り、油状のエステル組成物が得られた。
【0035】実施例5 水添ヒマシ油脂肪酸1206g、ラウリン酸400gお
よびキシレン120mlを反応器に仕込み、窒素気流下2
00〜220℃で7時間反応させ、酸価75のエストリ
ドを得た。
【0036】続いて、反応器にネオペンチルグリコール
104g(1モル)とパラトルエンスルホン酸 1.8gと
を加えて180〜200℃で10時間反応させた。これ
により、油状のエステル組成物が得られた。
【0037】実施例6 水添ヒマシ油脂肪酸1506g、ラウリン酸600gお
よびキシレン130mlを反応器に仕込み、窒素気流下2
00〜220℃で7時間反応させた。これにより、酸価
72のエストリドが得られた。
【0038】続いて、反応器にトリメチロールプロパン
134g(1モル)とパラトルエンスルホン酸 2.3gと
を加えて180〜200℃で10時間反応させた。これ
により、油状のエステル組成物が得られた。
【0039】実施例7 水添ヒマシ油脂肪酸1506g、カプリン酸516gお
よびキシレン130mlを反応器に仕込み、窒素気流下2
00〜220℃で7時間反応させた。これにより、酸価
75のキャップ型のエストリドが得られた。
【0040】続いて、反応器にトリメチロールプロパン
134g(1モル)とパラトルエンスルホン酸 2.2gと
を加えて180〜200℃で10時間反応させた。これ
により、油状のエステル組成物が得られた。
【0041】実施例8 実施例1と同様にして水添ヒマシ油脂肪酸906gから
3量体に相当するエストリドを得た後、温度200〜2
20℃でカプリン酸172g( 1.0モル)を縮合反応さ
せ、ついでトリメチロールプロパン134g( 1.0モ
ル)とパラトルエンスルホン酸 1.6gとを加えて180
〜200℃で7時間反応させた。これにより、油状のエ
ステル組成物が得られた。
【0042】実施例9 実施例7で得た油状のエステル組成物にさらに2−エチ
ルヘキサノール195g( 1.5モル)とパラトルエンス
ルホン酸 2.4gとを加えて180〜200℃で7時間反
応させ、さらに同温度で真空下に過剰のアルコールを回
収した。これにより、油状のエステル組成物が得られ
た。
【0043】実施例10 水添ヒマシ油脂肪酸の仕込み量を1506g、キシレン
の仕込み量を130mlとしたほかは実施例1と同様にし
て12時間反応させ、水添ヒマシ油脂肪酸の5量体に相
当する酸価40のエストリドを得た。
【0044】ついで、反応器にベンジルアルコール17
2g( 1.6モル)とパラトルエンスルホン酸 2.0gとを
加えて180〜200℃で10時間反応させ、さらに同
温度で真空下に過剰のアルコールを回収した。これによ
り、油状のエステル組成物が得られた。
【0045】実施例11 実施例1と同様にして水添ヒマシ油脂肪酸906gから
3量体に相当するエストリドを得た後、ジペンタエリス
リトール59g(0.23モル)とパラトルエンスルホン酸
1.0gとを加えて180〜200℃で6時間反応させ
た。これにより、油状のエステル組成物が得られた。
【0046】比較例1 トリメチロールプロパン134g(1モル)、カプリン
酸516g(3モル)およびパラトルエンスルホン酸
0.6gを反応器に仕込み、180〜200℃で6時間反
応させた。これにより、トリメチロールプロパンのトリ
カプリン酸が得られた。
【0047】比較例2 ペンタエリスリトール136g(1モル)、カプリン酸
344g(2モル)およびパラトルエンスルホン酸 0.5
gを反応器に仕込み、180〜200℃で6時間反応さ
せた。これにより、ペンタエリスリトールのジカプリン
酸が得られた。
【0048】比較例3 ペンタエリスリトール136g(1モル)、オレイン酸
1120g(4モル)およびパラトルエンスルホン酸
1.3gを反応器に仕込み、180〜200℃で10時間
反応させた。これにより、ペンタエリスリトールのテト
ラオレイン酸エステルが得られた。
【0049】比較例4 トリメチロールプロパン134g(1モル)、ペラルゴ
ン酸475g(3モル)およびパラトルエンスルホン酸
0.6gを反応器に仕込み、180〜200℃で6時間反
応させた。これにより、トリメチロールプロパンのトリ
ペラルゴン酸エステルが得られた。
【0050】比較例5 ヒマシ油935g(1モル)、ステアリン酸568g
(2モル)、ダイマー酸282g( 0.5モル)およびパ
ラトルエンスルホン酸8gを反応器に仕込み、窒素気流
下に220〜240℃で8時間反応させ、縮合物を得
た。
【0051】比較例6 ナタネ油2200g( 2.5モル)および無水マレイン酸
245g( 2.5モル)を反応器に仕込み、窒素気流下に
200〜230℃で2時間反応させ、そこへヒマシ油9
30g(1モル)を加えて、さらに200℃で2時間反
応させ、縮合物を得た。
【0052】〈評価方法および評価結果〉実施例1〜1
1および比較例1〜6で得たエステル組成物につき、酸
価、ケン化価を測定すると共に、下記の方法により60
℃×1時間および80℃×1時間の条件下における耐加
水分解性を測定した。結果を表1に示す。
【0053】〈耐加水分解性〉100cc三角フラスコに
試料 0.5gを採取し、1/10N−NaOHエタノール溶液
25mlを加えて、60℃×1時間または80℃×1時間
の条件で加熱し、ケン化価に対する分解率を測定した。
【0054】
【表1】 酸価 ケン化 ケン化価(分解率) 価 60℃×1hr 80℃×1hr 実施例1 3.1 158.4 32.5 (18.9%) 64.3 (39.4%) 実施例2 8.3 167.9 49.5 (25.8%) 124.3 (72.4%) 実施例3 3.2 164.5 49.4 (28.6%) 78.8 (46.9%) 実施例4 6.5 186.7 49.5 (23.9%) 130.3 (68.7%) 実施例5 21.7 206.2 81.4 (32.3%) 149.1 (69.1%) 実施例6 11.4 207.1 31.9 (10.5%) 80.9 (35.5%) 実施例7 6.8 213.6 33.0 (12.7%) 81.2 (36.0%) 実施例8 4.2 182.6 29.7 (14.3%) 69.5 (36.6%) 実施例9 1.6 202.1 46.0 (22.1%) 135.4 (66.7%) 実施例10 2.6 155.0 28.8 (17.2%) 64.5 (40.6%) 実施例11 9.0 177.0 44.1 (20.9%) 103.5 (56.3%) 比較例1 0.1 281.3 231.2 (82.2%) 257.4 (91.5%) 比較例2 0.1 249.2 216.2 (86.8%) 234.4 (94.1%) 比較例3 1.8 187.8 151.2 (80.3%) 162.0 (86.1%) 比較例4 0.4 306.7 241.8 (78.8%) 261.4 (85.2%) 比較例5 25.6 179.7 132.6 (69.4%) 152.4 (82.3%) 比較例6 42.2 232.7 163.7 (63.8%) 193.7 (79.5%)
【0055】実施例1〜11と比較例1〜6とを対比す
ると、実施例のエステル組成物は耐加水分解性が顕著に
すぐれていることがわかる。なお摩擦係数については表
1には示していないが、実施例1〜11および比較例1
〜6のいずれも、25℃、100℃、150℃および2
00℃の摩擦係数が0.10±0.05の範囲内にあり、摩擦係
数の点では有意差はない。
【0056】
【発明の効果】本発明のエステル組成物は、生分解性を
有し、分子量を縮合度の調節により自在に高くすること
ができ(従って、粘度や不揮発性を自在に調節すること
ができ)、耐加水分解性が顕著に良好で、かつ高荷重条
件下や高温下にあってもすぐれた潤滑性能を発揮し、さ
らには完全に油溶性のものから分散性や水和性を有する
ものまで任意の性質のものを得ることができる。
【0057】また、エストリドの縮合度の調節、ヒンダ
ードアルコールとのエステル化反応時のエステル化度の
調節により、完全に油溶性のものから分散性や水和性を
有するものまで任意の性質ものを得ることができ、多種
の要求に自在に対処しうるという設計上の利点もある。
【0058】そのほか、熱安定性・酸化安定性、低温流
動性、温度変化に対する粘度安定性、合成潤滑油との相
溶性、低刺激性・低毒性などの性質も良好である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】OH基を有する脂肪酸同士またはOH基を
    有する脂肪酸とOH基を有しない脂肪酸とが縮合した2
    量体以上のオキシ脂肪酸オリゴマーであるエストリドと
    ヒンダードアルコールとのエステルからなるエステル組
    成物。
  2. 【請求項2】エストリドの構成成分であるOH基を有す
    る脂肪酸が、ヒマシ油脂肪酸または/および水添ヒマシ
    油脂肪酸である請求項1記載のエステル組成物。
  3. 【請求項3】ヒンダードアルコールが、トリメチロール
    プロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
    ール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタ
    ン、2−エチルヘキサノールおよびベンジルアルコール
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種のアルコールで
    ある請求項1記載のエステル組成物。
JP4506794A 1994-02-17 1994-02-17 エステル組成物 Pending JPH07228881A (ja)

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JP4506794A JPH07228881A (ja) 1994-02-17 1994-02-17 エステル組成物

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