JP3432169B2 - 水性艶有り塗料組成物 - Google Patents

水性艶有り塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れ、か
つ光沢度の高い塗膜を形成することができる水性艶有り
塗料組成物に関するものである。 【0002】 【従来技術】 【0003】近年、建築・土木構造物に使用する塗料分
野においては有機溶剤を溶媒とする溶剤型塗料から、水
を溶媒とする水性塗料への転換が図られつつある。これ
は、塗装作業者や居住者の健康被害を低減するためや、
大気環境汚染を低減する目的で行われているものであ
り、年々水性化が進んできている。 【0004】これに伴い、水性塗料に対する性能向上の
要望も高まっている。このような要望に応えるため、水
性塗料の結合材において、架橋性を有する官能基を導入
して、耐候性、耐水性、耐温水性、耐アルカリ性、耐酸
性、耐溶剤性、耐薬品性、耐汚染性等の耐久性を高める
手法が採られている。 【0005】しかしながら、このような水性塗料では、
架橋性を強めると耐久性を高めることができる反面、形
成塗膜の光沢度は低下してしまう傾向にある。一般に、
形成塗膜の光沢度は、塗膜表面の平滑性によるところが
大きく、平滑性が向上すると光沢度は高くなる。水性塗
料においては、合成樹脂エマルション粒子同士の融合に
よって塗膜が形成されるが、架橋性を有する官能基を導
入した水性塗料では、架橋性を強めると、合成樹脂エマ
ルション粒子同士の融合が十分に行われず、塗膜表面に
微細な凹凸が発生してしまう。この微細な凹凸により、
塗膜表面の平滑性が損なわれ、光沢度が低下してしまう
ため、耐久性が向上する一方で、艶有り塗料としての美
観性に欠ける結果となり、塗料設計の幅も小さくなると
いう問題がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、結合材の架橋反応性によって
耐久性に優れる塗膜を形成でき、さらに、形成される塗
膜の光沢度を高めることができる水性艶有り塗料組成物
を得ることである。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明者らは、鋭意検討の結果、金属化合物に
よる架橋反応性と、その他の架橋反応性とを複合化し、
その顔料容積濃度を特定値以下、ゲル分率を特定値以上
とすることにより、耐久性に優れ、かつ、光沢度の高い
水性艶有り塗料組成物が得られることを見出し、本発明
を完成した。 【0008】すなわち、本発明の水性艶有り塗料組成物
は、カルボキシル基含有ビニル系単量体及び該単量体と
共重合可能な他の単量体との共重合体である結合材が
ルボキシル基と金属化合物による架橋反応性とカルボニ
ル基とヒドラジド基による架橋反応性を有し、顔料容
積濃度が14〜30%、形成塗膜のゲル分率が60%以
上であることを特徴とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。 【0010】本発明の水性艶有り塗料組成物において
は、結合材が2種以上の架橋反応性を有し、少なくとも
その1種がカルボキシル基と金属化合物によるものであ
る。本発明でいう結合材とは、合成樹脂エマルションや
水溶性樹脂(以下、「樹脂」という)、さらにはこれら
の樹脂との架橋反応に作用する有機系化合物や無機系化
合物等をも含む。 【0011】結合材におけるカルボキシル基は、カルボ
キシル基含有ビニル系単量体を、該単量体と共重合可能
な他の単量体と共重合することによって、樹脂中に導入
されるものである。 【0012】カルボキシル基含有ビニル系単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水フマル
酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロト
ン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシエチ
ルメタクリレート、カルボキシプロピルアクリレート、
カルボキシプロピルメタクリレート等があげられる。 【0013】カルボキシル基含有ビニル系単量体と共重
合可能な他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど
のアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド、
エチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メ
タ)アクリル系単量体;アクリロニトリルなどのニトリ
ル基含有(メタ)アクリル系単量体;グリシジル(メ
タ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリ
ル系単量体;アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アク
リルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルブチルケトンなどのカルボニル基含有ビニル
系単量体;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系単
量体;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのス
ルホン酸含有ビニル系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、クロロプレンなどの塩素含有単量体;ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエー
テルなどの水酸基含有アルキルビニルエーテル;エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコー
ルモノアリルエーテルジエチレングリコールモノアリル
エーテルなどのアルキレングリコールモノアリルエーテ
ル;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのα−オ
レフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル;メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル
などのアリルエーテル;γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの加水分解
性シリル基含有ビニル系単量体;フッ化ビニリデン、ト
リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのフ
ルオロオレフィン;トリフルオロエチル(メタ)アクリ
レート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート
などのフッ素含有(メタ)アクリル系単量体等があげら
れる。 【0014】本発明において、カルボキシル基と架橋反
応を行うための金属化合物としては、2価以上の金属の
塩、または錯体で、水溶性を有するものが使用できる。
例えば、カルシウム、マグネシウム、クロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウ
ム、錫、アンチモン等の多価金属と、硫酸イオン、酢酸
イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、アンモニウムイオ
ン、シュウ酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、
乳酸イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオン、エチ
レンジアミン、ジメチルアミノエタノール、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等との化合物があげられる。このうち、カルシウム化
合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物が、好ましく用
いられる。 【0015】結合材における金属化合物とカルボキシル
基の配合比率は、金属とカルボキシル基との当量比で5
/100〜95/100の範囲であることが好ましい。
5/100よ小さい場合は、十分な耐久性を得難くな
り、また、後述のような他の架橋反応を多くして耐久性
を確保しようとすると、光沢度が低下する傾向となる。
95/100より大きい場合は、塗料の貯蔵安定性が低
下するおそれがある。 【0016】本発明の結合材は、前述のようなカルボキ
シル基と金属化合物との架橋反応性に加え、他の架橋反
応性を有するものである。他の架橋反応性としては、特
に限定はされないが、例えば、水酸基とイソシアネート
基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミ
ン、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とア
ジリジン、カルボキシル基とカルボジイミド、カルボキ
シル基とオキサゾリン、アセトアセテートとケチミン、
アルコキシシリル基同士、などを利用した架橋反応があ
げられる。このような架橋反応の1種、または2種以上
を結合材に採り入れることにより、耐久性を向上させる
ことができる。 【0017】本発明においては、複数の架橋反応性によ
って、形成塗膜のゲル分率が60%以上、好ましくは7
0%以上、さらに好ましくは80%以上に高められる。
ゲル分率が60%より小さい場合は、十分な耐久性のあ
る塗膜が得られない。 【0018】ここで、本発明のゲル分率は、離型紙に水
性塗料を0.25mmの膜厚にて塗付し、20℃で24
時間乾燥して形成させた塗膜を剥離し、トルエンに24
時間浸漬した後、次式にて算出されるものである。 【0019】ゲル分率(%)=(浸漬後の塗膜重量/浸
漬前の塗膜重量)×100 【0020】一般に、前述のような架橋反応性を結合材
に導入すれば、耐候性、耐水性、耐温水性、耐アルカリ
性、耐酸性、耐溶剤性、耐薬品性、耐汚染性等の耐久性
を向上させることができるが、その一方で、形成塗膜の
光沢度は低下する傾向がある。これは、塗膜形成時にお
いて、合成樹脂エマルション粒子同士の融合が阻害さ
れ、塗膜表面に微細な凹凸が発生し、表面平滑性が損な
われるためであると考えられる。 【0021】これに対し、本発明では、ゲル分率が高
く、優れた耐久性を示しながら、塗膜形成直後から塗膜
の光沢度が高く、美観性に優れた艶有り塗膜を得ること
ができる。本発明では、まず、塗膜形成初期段階におい
て、エマルション粒子の接近とともに、カルボキシル基
と金属化合物によるイオン性架橋が形成される。このイ
オン性架橋が第1段階として形成された上で、他の架橋
反応が徐々に進行していくことにより、合成樹脂エマル
ション粒子同士の融合が十分に行われ、平滑な塗膜表面
が得られることとなり、その結果、光沢度を低下させる
ことなく、高度の耐久性を発揮できるものと考えられ
る。 【0022】本発明水性艶有り組成物においては、顔料
容積濃度を30%以下、好ましくは20%以下とする。
30%を超えると、光沢度の高い塗料組成物の設計が困
難となる。 【0023】本発明において使用できる顔料は、水に不
溶性のものであり、例えば、酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロム酸鉛(モリブデ
ートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、
コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール
系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キ
ナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベン
ゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系
等の有機顔料があげられる。また、重質炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、
炭酸バリウム等の公知の体質顔料を本発明の効果を阻害
しない範囲で使用することも可能である。 【0024】本発明組成物においては、可塑剤、造膜助
剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング
剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤などの添加剤を単独あるいは併用して配
合することができる。 【0025】本発明の水性艶有り塗料組成物は、金属、
ガラス、磁器タイル、コンクリート、サイディングボー
ド、押出成形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上
げに使用することができ、主に建築物、土木構築物等の
躯体の保護に使用するものである。この際、本発明の水
性艶有り塗料組成物は、基材に直接塗装することもでき
るし、何らかの表面処理(下地処理等)を施した上に塗
装することも可能であるが、特に限定されるものではな
い。塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、ロー
ラー塗装、ロールコーター、フローコーター等種々の方
法により塗装することができる。さらには、建材表面に
工場等においてプレコートすることも可能である。 【0026】 【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。 【0027】(実施例1)メチルメタクリレート35重
量部、スチレン23重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート32重量部、ダイアセトンアクリルアミド8重量
部、アクリル酸2重量部を乳化重合して得られた固形分
50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルションA
という)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラジ
ド基とエマルションAのカルボニル基との当量比で48
/100となるように添加し、さらに炭酸亜鉛アンモニ
ウム水溶液を、亜鉛とエマルションAのカルボキシル基
との当量比で32/100となるように添加して結合材
を得た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレ
ートを配合し、ゲル分率84%、顔料容積濃度(以下、
PVCという)14%の塗料組成物を作製した。 【0028】(実施例2)メチルメタクリレート35重
量部、スチレン21重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート32重量部、ダイアセトンアクリルアミド10重
量部、アクリル酸2重量部を乳化重合して得られた固形
分50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルション
Bという)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラ
ジド基とエマルションBのカルボニル基との当量比で6
2/100となるように添加し、さらに炭酸亜鉛アンモ
ニウム水溶液を、亜鉛とエマルションBのカルボキシル
基との当量比で50/100となるように添加して結合
材を得た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
レートを配合し、ゲル分率87%、PVC16%の塗料
組成物を作製した。 【0029】(実施例3)メチルメタクリレート33重
量部、スチレン20重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート29重量部、ダイアセトンアクリルアミド15重
量部、アクリル酸3重量部を乳化重合して得られた固形
分50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルション
Cという)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラ
ジド基とエマルションCのカルボニル基との当量比で5
5/100となるように添加し、さらに炭酸亜鉛アンモ
ニウム水溶液を、亜鉛とエマルションCのカルボキシル
基との当量比で53/100となるように添加して結合
材を得た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
レートを配合し、ゲル分率89%、PVC16%の塗料
組成物を作製した。 【0030】(比較例1)メチルメタクリレート36重
量部、スチレン27重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート35重量部、アクリル酸2重量部を乳化重合して
得られた固形分50%の合成樹脂エマルション(以下、
エマルションDという)に対し、炭酸亜鉛アンモニウム
水溶液を、亜鉛とエマルションDのカルボキシル基との
当量比で98/100となるように添加して結合材を得
た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
を配合し、ゲル分率80%、PVC16%の塗料組成物
を作製した。 【0031】(比較例2)メチルメタクリレート33重
量部、スチレン21重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート25重量部、ダイアセトンアクリルアミド20重
量部、アクリル酸1重量部を乳化重合して得られた固形
分50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルション
Eという)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラ
ジド基とエマルションEのカルボニル基との当量比で9
7/100となるように添加して結合材を得た。この結
合材に対し、酸化チタン、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを配合
し、ゲル分率75%、PVC16%の塗料組成物を作製
した。 【0032】(比較例3)メチルメタクリレート35重
量部、スチレン27重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート35重量部、ダイアセトンアクリルアミド1重量
部、アクリル酸2重量部を乳化重合して得られた固形分
50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルションF
という)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラジ
ド基とエマルションFのカルボニル基との当量比で20
/100となるように添加し、さらに炭酸亜鉛アンモニ
ウム水溶液を、亜鉛とエマルションFのカルボキシル基
との当量比で3/100となるように添加して結合材を
得た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレー
トを配合し、ゲル分率20%、PVC14%の塗料組成
物を作製した。 【0033】(比較例4)メチルメタクリレート35重
量部、スチレン23重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート32重量部、ダイアセトンアクリルアミド8重量
部、アクリル酸2重量部を乳化重合して得られた固形分
50%の合成樹脂エマルション(以下、エマルションG
という)に対し、アジピン酸ジヒドラジドを、ヒドラジ
ド基とエマルションGのカルボニル基との当量比で42
/100となるように添加し、さらに炭酸亜鉛アンモニ
ウム水溶液を、亜鉛とエマルションGのカルボキシル基
との当量比で46/100となるように添加して結合材
を得た。この結合材に対し、酸化チタン、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレ
ートを配合し、ゲル分率86%、PVC38%の塗料組
成物を作製した。 【0034】(試験方法および結果) (1)光沢度 作製した塗料組成物を150×120×3mmの透明な
ガラス板に、WET膜厚が150μmとなるようにアプ
リケーター引きし、20℃、65%RH(以下、標準状
態という)で48時間乾燥後、JIS K 5400
7.6鏡面光沢度に準じ、60度の角度での光沢度を測
定した。 【0035】(2)耐温水性 150×70×3mmのフレキシブル板にミラクシーラ
ーW(特殊変性樹脂系水性シーラー;エスケー化研株式
会社製)を塗付量0.1kg/mにてスプレー塗装
し、標準状態で2時間乾燥した。次に、作製した塗料組
成物を塗付量0.3kg/mにてスプレー塗装し、試
験体を作製した。作製した試験体を、標準状態で14日
間乾燥養生した後、50℃温水に72時間浸漬し、塗膜
の変化を観察するとともに、光沢保持率を算出した。評
価は以下の通りとした。 ○:光沢保持率80%以上 △:光沢保持率60%以上、80%未満 ×:光沢保持率60%未満 【0036】(3)耐アルカリ性 150×70×3mmのフレキシブル板にミラクシーラ
ーW(特殊変性樹脂系水性シーラー;エスケー化研株式
会社製)を塗付量0.1kg/mにてスプレー塗装
し、標準状態で2時間乾燥した。次に、作製した塗料組
成物を塗付量0.3kg/mにてスプレー塗装し、試
験体を作製した。作製した試験体を、標準状態で14日
間乾燥養生した後、水酸化カルシウム飽和溶液に72時
間浸漬し、塗膜の変化を観察するとともに、光沢保持率
を算出した。評価は以下の通りとした。 ○:光沢保持率80%以上 △:光沢保持率60%以上、80%未満 ×:光沢保持率60%未満 【0037】(4)耐汚染性 作製した塗料組成物を150×120×3mmの透明な
ガラス板に、WET膜厚が150μmとなるようにアプ
リケーター引きし、20℃、65%RH(以下、標準状
態という)で72時間乾燥させて試験体を作製した。作
製した試験体に対し、JIS K5400 8.10耐
汚染性試験に準じ、塗膜面に15重量%カーボンブラッ
ク水分散ペースト液を、直径20mm、高さ5mmとな
るように滴下し、50℃の恒温室中に2時間放置した。
その後流水中にて洗浄し、塗膜表面における汚染痕跡の
程度を目視により評価した。評価は、痕跡の程度が小さ
い順に、○、△、×として行った。 【0038】試験結果を表1に示す。実施例1〜3で
は、ゲル分率が高く、耐温水性、耐アルカリ性、耐汚染
性にも優れ、さらに、光沢度も高かった。カルボキシル
基と金属化合物との架橋反応のみである比較例1では、
光沢度、耐温水性、耐アルカリ性に劣る結果となった。
カルボキシル基と金属化合物との架橋反応を含まない比
較例2では、十分な光沢度が得られず、また、耐温水
性、耐汚染性に劣る結果となった。比較例3では、ゲル
分率が低く、耐温水性、耐アルカリ性、耐汚染性に劣る
結果となった。比較例4では、PVCが高く、十分な光
沢度を得ることができなかった。 【0039】 【表1】 【0040】 【発明の効果】本発明の水性艶有り塗料組成物は、カル
ボキシル基と金属化合物による架橋反応性と、その他の
架橋反応性とを複合化し、その顔料容積濃度を特定値以
下、ゲル分率を特定値以上とすることにより、耐候性、
耐水性、耐温水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、
耐薬品性、耐汚染性等の耐久性に優れ、かつ、光沢度の
高い艶有り塗膜を得ることができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】カルボキシル基含有ビニル系単量体及び該
    単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体である
    合材がカルボキシル基と金属化合物による架橋反応性と
    カルボニル基とヒドラジド基による架橋反応性を有
    し、顔料容積濃度が14〜30%、形成塗膜のゲル分率
    が60%以上であることを特徴とする水性艶有り塗料組
    成物。
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